JP3946500B2 - コンロッドアッセンブリおよび軸受付きコンロッド - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エンジンに用いられるコンロッドアッセンブリおよび軸付きコンロッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】
エンジンに用いられるコンロッドは、棒鋼材，板材からの鍛造、焼結、または拘束加圧成形等により製造されている。この他に、鋼板のプレス加工により打ち抜き形成される場合がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
コンロッドを鍛造や焼結で製造する場合、工程数が多いため、コスト削減が困難である。また、コンロッドに穴等の加工を行う場合、研削等を行うので、さらに工数が増えてしまう。
通常のプレスで打ち抜き形成したコンロッドの場合は、図７に示すように大端部３０や小端部３１の内径面３２に形成される破断面３２ａの影響で、その内径面３２に軸受３３を圧入した時、軸受３３が傾いてしまう。このため、研削や研磨の後工程が必要となり、コスト高となる。
これを改善するものとして、ファインブランキングプレスで打ち抜き形成したコンロッドを提案した（特願２００１−１３３９４０）。ファインブランキングプレスによると、内径面における破断面の占める割合が少なくなり、せん断面の占める割合が多くなるため、通常のプレス打ち抜きに比べて軸受の圧入時の傾きが少なくなる。しかし、ファインブランキングプレスは、特殊なプレスのため、加工コストが高くなる。また、ファインブランキングプレスによっても、破断面の影響があって、図８に強調して示すように、大端部３０や小端部３１の内径面３２がテーパ面となる。そのため、内径面３２に軸受３３を圧入した時に、軸受３３がある程度は傾いてしまう。
【０００４】
この発明の目的は、簡単でかつ安価に製造できるコンロッドアッセンブリおよび軸受付きコンロッドを提供することである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
この発明のコンロッドアッセンブリは、それぞれ大端部分、小端部分、およびロッド部分を有し上記大端部分および小端部分に軸受嵌合穴が形成された分割コンロッド部品を３枚以上積層し、この分割コンロッド部品の積層体における大端部分および小端部分の上記各軸受嵌合穴に、積層された各分割コンロッド部品に渡って軸受の構成部品である円環状部品をそれぞれ嵌合することにより、上記各分割コンロッド部品の一体化を成したものである。各分割コンロッド部品は、平坦な板状部品であり、素材板材のプレス打ち抜き品とされる。
この構成によると、各分割コンロッド部品を積層し、円環状部品を圧入して一体化しているので、各分割コンロッド部品の大端部分や小端部分の内径面に傾きが生じていても、積層体における大端部分，小端部分の内径面の傾きを無くし、円環状部品を傾きなく一体化することができる。例えば、個々の分割コンロッド部品を通常のプレス打ち抜き品とした場合、個々には破断面のために大端部分や小端部分の内径面に傾きが生じるが、分割によって板厚が薄くなるため、せん断面と破断面の段差が小さくなり、かつ積層により各破断面が分散して配置される。このため、積層体の全体としての大端部分，小端部分の内径面の傾きが回避できる。また、プレス加工の破断面で大端部分，小端部分の内径面に凹凸があっても、円環状部品が圧入されることで、軸受面への影響を避けられる。このため、各分割コンロッド部品にプレス打ち抜き品を採用することができ、またその大端部分，小端部分の研削，研磨等の後工程が不要となる。また、ファインブランキングプレスのような特殊なプレス型，プレス機械を必要とない。このため、簡単でかつ安価にコンロッドアッセンブリを製造することができる。
【０００６】
この発明のコンロッドアッセンブリにおいて、上記各分割コンロッド部品が、互いに同一の形状を持つ部品であっても良い。
このように、各分割コンロッド部品を同一の形状を持つ部品とした場合は、各分割コンロッド部品に同じプレス金型を使用するなど、加工の共通化が図れ、さらに加工が簡単になる。
【０００７】
各分割コンロッド部品を上記のように互いに同一の形状を持つ部品とする場合に、各分割コンロッド部品は、素材板材のプレス打ち抜き品であって、互いに同じプレス型により同じ素材板材から連続して打ち抜かれた連続する１組のものであっても良い。
プレス加工において、同じ素材板材から同じプレス型により同じ形状の部品を複数枚打ち抜く場合であっても、その素材板材の初期に打ち抜いた部品と、後期に打ち抜いた部品とで、素材板材の把持状況，送り誤差など、各種の誤差要因により、公差内であっても目標寸方からの誤差が異なる。すなわち、各プレス加工品は、時間と共に寸法が変化してゆく。そのため、連続的に打ち抜かれる分割コンロッド部品を、連続的に積層枚数ずつ一組として取り出し、その各組毎を一つのコンロッドとして組み立てることで、積層する各分割コンロッド部品の寸法相互差が小さく、より精度の良いコンロッドとすることができる。
【０００８】
この発明のコンロッドアッセンブリは、上記各分割コンロッド部品が、素材板材のプレス打ち抜き品であって、前記軸受嵌合穴の内周面である打ち抜き加工面が、この軸受嵌合穴の一端から他端側へ、だれ部、せん断面、および破断面が順に続く形状であり、上記分割コンロッド部品の積層体におけるコンロッド表裏両方の最外側に位置する２枚の分割コンロッド部品は、それぞれ前記だれ部を、積層側とは反対側であるコンロッドの外側に向けたものであっても良い。
プレス打ち抜きでは、その打ち抜き面は、プレス型の進入側から順に、だれ部、せん断面、破断面、および返り部が生じ、破断面側はテーパ状となって精度が低いが、だれ部側はせん断となっていて精度が高い。また、破断面は打ち抜き側に広がる形状となるため、せん断面の部分は、破断面の部分に比べて小径となる。このため、分割コンロッド部品の積層体におけるコンロッド表裏に位置する２枚の分割コンロッド部品について、だれ部を外側に向けることにより、上記積層体として、大端部分，小端部分の内径面における厚み方向の両端は、上記せん断面が位置して高い精度が得られる。また、この高精度の部分が最も小径となる。このように、内径面の両端に、小径で、精度の高い部分があることにより、内径孔に圧入される円環状部品が傾きなく圧入される。すなわち、円環状部品の取付部分の母線円筒度を確保でき、精度良く円環状部品を圧入嵌合させることができる。また、返り部が積層側になって、コンロッドの表裏面に露出せず、返り部の影響が排除される。
【０００９】
この発明の軸受付きコンロッドは、この発明の上記いずれかの構成のコンロッドアッセンブリを用いたものであって、上記円環状部品がシェル型軸受の外輪であり、このシェル型軸受を上記分割コンロッド部品の上記積層体における大端部分および小端部分に圧入したものである。
このようにシェル型軸受を用い、その外輪を上記円環状部品として分割コンロッド部品の一体化に用いると、軸受とは別に円環状部品を設けることが不要となる。このため、部品点数が少なく、また軽量の軸受付きコンロッドとできる。
【００１０】
この発明における他の軸受付きコンロッドは、この発明の上記いずれかの構成のコンロッドアッセンブリを用いたものであって、上記円環状部品がソリッド円管であり、このソリッド円管内に、保持器付き針状ころを配置したものであっても良い。
この構成場合、上記円環状部品が転がり軸受の外輪として機能し、外輪と別個に結合用の円環状部品を設けることが省ける。
【００１１】
この発明におけるさらに他の軸受付きコンロッドは、この発明の上記いずれかの構成のコンロッドアッセンブリを用いたものであって、上記円環状部品を、滑り軸受となるドライメタルとしたものである。
この構成の場合、円環状部品が滑り軸受として機能し、滑り軸受とは別に結合用の円環状部品を設けることが省ける。
【００１２】
【発明の実施の形態】
この発明の基礎となる第１の提案例を図１、図２ないし図３と共に説明する。このコンロッドアッセンブリ２は、それぞれ大端部分３ａ，小端部分３ｂおよびロッド部分３ｃを有する複数枚（ここでは２枚）の分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂを積層して積層体３とし、その大端部分３ａおよび小端部分３ｂに円環状部品５をそれぞれ圧入することにより、積層体３の各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂを一体化したものである。すなわち、円環状部品５により、各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂが相互に外れないようにしてある。
なお、この発明は、分割コンロッド部品を３枚以上積層したものであるが、ここでは、２枚積層した提案例で説明する。
【００１３】
各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂは、共に同一形状とした平坦な板状部品であって、それらの大端部分３ａおよび小端部分３ｂに軸受嵌合穴８，９が形成されている。これら軸受嵌合穴８，９の内径面に軸受４が圧入嵌合されている。軸受４はシェル型軸受であって、そのシェル型の外輪が上記円環状部品５からなる。軸受４は、この円環状部品５である外輪の内径面からなる転走面に沿って転走する複数のころ６を有し、各ころ６はリング状の保持器７に保持されている。シェル型外輪である円環状部品５は、鋼板のプレス成形品からなり、両側に鍔５ａを有している。
【００１４】
各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂは、素材板材である鋼板をプレスで打ち抜き加工した部品であって、同じプレス型により同じ１枚の鋼板から連続して打ち抜かれた連続する１組のものが用いられている。
【００１５】
各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂの外周面および嵌合穴８，９の内周面である打ち抜き加工面は、図３に拡大して示すように、せん断面ｂと破断面ｃとを有する。分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂを通常のプレスで打ち抜き加工した場合、打ち抜き加工面は、ポンチ進入側から順に、だれ部ａ、せん断面ｂ、および破断面ｃが順に続き、ポンチ通り抜け側の縁に返り部（バリ）ｄが生じる。また、打ち抜き加工面は、破断面ｃの部分において、ポンチ通り抜け側が広がる傾斜角度θが生じ、テーパ状となる。
【００１６】
そこで、２枚の分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂを積層して積層体３とするこの実施形態では、コンロッド表裏に位置する各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂを、図２に示すように、プレス加工で生じるだれ部ａが、いずれもコンロッドの外側を向くように積層している。これにより、各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂの嵌合穴８，９の内径拡大側が共に積層側に向くことになる。
【００１７】
この構成のコンロッドアッセンブリ２によると、プレス加工品からなる同一形状の分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂを積層して積層体３としたため、個々の分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂが薄くでき、それだけプレス加工によるせん断面と破断面との段差が少なくなる。また各破断面が分散することになる。このため、通常のプレス加工によっても、円環状部品５の傾きの生じない、精度の良いコンロッドアッセンブリ２とできる。このように、通常のプレス加工が使用できるため、ファインブランキングのような特殊なプレス型，プレス機械を必要とせず、簡単でかつ安価にコンロッドアッセンブリ２を製造できる。また、円環状部品５の圧入により各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂが相互に外れないように一体化したため、分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂを相互に接合する必要がなく、このことからも製造が簡素化される。円環状部品５は、この実施形態では軸受４の外輪からなるため、軸受とは別に円環状部品を設けることが不要で、部品点数の増大が回避される。
【００１８】
各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂは、共に同じプレス型により同じ素材板材から連続して打ち抜かれた連続する２枚を１組として取り出したものであるため、プレス作業の時間経過と共にプレス加工品の寸法が変化して行くという影響が小さく抑えられる。そのため、一つのコンロッドアッセンブリ２に使用される各分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂの寸法相互差を最小にでき、精度の良いコンロッド１を組み立てることができる。
【００１９】
積層体３となる両分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂは、図２のように、プレス加工で生じるだれ部ａが外側に、つまり、それぞれコンロッドの表面側および裏面側に向くように配置しているので、嵌合穴８，９の内径拡大側が共に内側に向くことになり、そのため軸受取付部分の母線円筒度を確保でき、精度良く軸受４を圧入嵌合させることができる。また、返り部ｄ同士が中央で接触して潰され、返り部ｄの影響が排除される。だれ部ａが外側に来ることで、手で触った場合の怪我を防ぐこともできる。
【００２０】
図４は、この発明の一実施形態を示す。この実施形態は、コンロッドアッセンブリ２の積層体３を５枚の分割コンロッド部品３Ａ〜３Ｅで構成している。この場合にも、５枚の分割コンロッド部品３Ａ〜３Ｅのうち、コンロッド表裏に位置する２枚の分割コンロッド部品３Ａ，３Ｅについては、プレス加工で生じるだれ部ａが、コンロッド１の外側に向くように配置している。また、このように３枚以上の分割コンロッド部品３Ａ〜３Ｅを積層する場合も、各分割コンロッド部品３Ａ〜３Ｅは、連続的に打ち抜かれる分割コンロッド部品を連続的に積層枚数ずつ取り出し、それを一つのコンロッド１として組み立てる。その他の構成は、図１〜図３と共に前述した第１の提案例と同じである。
【００２１】
この構成の場合は、５枚の分割コンロッド部品３Ａ〜３Ｅで、コンロッドアッセンブリ２の積層体３を構成しているので、分割コンロッド部品３Ａ〜３Ｅをプレス打ち抜き品とする場合に、その素材板材の板厚が薄くなって打ち抜き加工面のせん断面と破断面の段差がより小さくなり、第１の提案例の場合に比べて、精度の良い軸受付きコンロッドを製造し易い。なお、この実施形態では分割コンロッド部品の枚数を５枚としたが、積層する分割コンロッド部品の枚数は３枚以上であれば何枚でも良く、コストと必要形状を勘案して積層枚数を決定する。
【００２２】
図５は、この発明の基礎となる第２の提案例を示す。この提案例は、第１の提案例の軸受付きコンロッド１（図１）において、軸受４として、ソッリッド円管からなる外輪５Ａの内側に、保持器付き針状ころ１０を配置したものを用いている。すなわち、分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂの大端部分３ａおよび小端部分３ｂの軸受嵌合穴８，９に圧入する円環状部品としてソリッド円管５Ａが用いられている。保持器付き針状ころ１０は、ころ６と保持器７とを、互いに外れないように組み立てたものである。その他の構成は第１の提案例と同じである。
【００２３】
この提案例の場合も、第１の提案例と同様に、簡単かつ安価にコンロッドアッセンブリ２を製造でき、また精度の良いものとでき、軸受付きコンロッド１を簡単かつ安価に構成できる。
【００２４】
図６は、この発明の基礎となる第３の提案例を示す。この提案例では、第１の提案例の軸受付きコンロッド１において、分割コンロッド部品３Ａ，３Ｂの大端部分３ａおよび小端部分３ｂの軸受嵌合穴８，９に圧入する円環状部品として、滑り軸受となるドライメタル５Ｂが用いられている。その他の構成は第１の実施形態と同じである。
この提案例の場合も、第１の提案例と同様に、簡単かつ安価にコンロッドアッセンブリ２を製造でき、また精度の良いものとでき、軸受付きコンロッド１を簡単かつ安価に構成できる。
【００２５】
なお、図５，図６にそれぞれ示す第２の提案例および第３の提案例においても、分割コンロッド部品の積層枚数を任意の枚数とできる。これら第２の提案例および第３の提案例において、分割コンロッド部品の積層枚数を３枚以上としたものは、この発明の実施形態となる。
また、各分割コンロッド部品は、円環状部品による一体と共に、他の部分で相互に接合しても良く、これにより強化を図ることができる。
【００２６】
【発明の効果】
この発明のコンロッドアッセンブリは、それぞれ大端部分、小端部分、およびロッド部分を有し上記大端部分および小端部分に軸受嵌合穴が形成された平坦な板状の分割コンロッド部品を３枚以上積層し、この分割コンロッド部品の積層体における大端部分および小端部分の上記各軸受嵌合穴に、積層された各分割コンロッド部品に渡って軸受の構成部品である円環状部品をそれぞれ嵌合することにより、上記各分割コンロッド部品の一体化を成したため、簡単でかつ安価にコンロッドアッセンブリを製造することができる。
上記各分割コンロッド部品は、素材板材のプレス打ち抜き品であって、前記軸受嵌合穴の内周面である打ち抜き加工面が、この軸受嵌合穴の一端から他端側へ、だれ部、せん断面、および破断面が順に続く形状である。上記分割コンロッド部品の積層体における表裏両方の最外側に位置する分割コンロッド部品は、それぞれ前記だれ部を、積層側とは反対側であるコンロッドの外側に向けて積層しても良く、その場合、返り部の影響が排除され、かつ軸受構成部品である円環状部品の取付部分の母線円筒度を確保することができる。すなわち、後加工無しに、安価で高性能のコンロッドアッセンブリとできる。
この発明の軸受付きコンロッドは、この発明のコンロッドアッセンブリを用いた軸受付きコンロッドであって、上記円環状部品がシェル型軸受の外輪となるものとしたため、シェル型軸受付きのコンロッドを簡単でかつ安価に構成できる。
この発明における他の他の軸受付きコンロッドは、この発明のコンロッドアッセンブリを用いた軸受付きコンロッドであって、上記円環状部品がソリッド円管であり、このソリッド円管内に、保持器付き針状ころを配置したため、外輪がソリッドタイプの針状ころ軸受付きのコンロッドを、簡単かつ安価に構成できる。 この発明におけるさらに他の軸受付きコンロッドは、この発明のコンロッドアッセンブリを用いた軸受付きコンロッドであって、上記円環状部品が、滑り軸受となるドライメタルであるため、滑り軸受付きのコンロッドを、簡単かつ安価に構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 （Ａ），（Ｂ）はそれぞれこの発明の基礎となる第１の提案例にかかる軸受付きコンロッドの断面図および正面図である。
【図２】 同軸受付きコンロッドの部分拡大断面図である。
【図３】 同軸受付きコンロッドにおける分割コンロッド部品の打ち抜き加工面を示す拡大断面図である。
【図４】 この発明の一実施形態にかかる軸受付きコンロッドの断面図である。
【図５】 この発明の基礎となる第２の提案例にかかる軸受付きコンロッドの断面図である。
【図６】 この発明の基礎となる第３の提案例にかかる軸受付きコンロッドの断面図である。
【図７】 従来例の部分拡大断面図である。
【図８】 他の従来例の部分拡大断面図である。
【符号の説明】
１…軸受付きコンロッド
２…コンロッドアッセンブリ
３ａ…大端部分
３ｂ…小端部分
３ｃ…ロッド部分
３Ａ〜３Ｅ…分割コンロッド部品
３…積層体
４…軸受
５…円環状部品（外輪）
５Ａ…ソリッド外管（円環状部品）
５Ｂ…ドライメタル（円環状部品）
６…ころ
７…保持器
８，９…軸受嵌合穴
１０…保持器付き針状ころ
ａ…だれ部

Claims (6)

1. それぞれ大端部分、小端部分、およびロッド部分を有し上記大端部分および小端部分に軸受嵌合穴が形成された平坦な板状の分割コンロッド部品を３枚以上積層し、この分割コンロッド部品の積層体における大端部分および小端部分の上記各軸受嵌合穴に、積層された各分割コンロッド部品に渡って軸受の構成部品である円環状部品をそれぞれ嵌合することにより、上記各分割コンロッド部品の一体化を成し、上記各分割コンロッド部品が、素材板材のプレス打ち抜き品であって、前記軸受嵌合穴の内周面である打ち抜き加工面が、この軸受嵌合穴の一端から他端側へ、だれ部、せん断面、および破断面が順に続く形状であるコンロッドアッセンブリ。
2. 上記分割コンロッド部品の積層体における表裏両方の最外側に位置する分割コンロッド部品は、それぞれ前記だれ部を、積層側とは反対側であるコンロッドの外側に向けて積層した請求項１記載のコンロッドアッセンブリ。
3. 上記各分割コンロッド部品が、互いに同一の形状を持つ部品である請求項１または請求項２に記載のコンロッドアッセンブリ。
4. 請求項１ないし請求項３のいずれかに記載のコンロッドアッセンブリを用いた軸受付きコンロッドであって、上記円環状部品がシェル型軸受の外輪であり、このシェル型軸受を上記分割コンロッド部品の上記積層体における大端部分および小端部分に圧入した軸受付きコンロッド。
5. 請求項１ないし請求項３のいずれかに記載のコンロッドアッセンブリを用いた軸受付きコンロッドであって、上記円環状部品がソリッド円管であり、このソリッド円管内に、保持器付き針状ころを配置した軸受付きコンロッド。
6. 請求項１ないし請求項３のいずれかに記載のコンロッドアッセンブリを用いた軸受付きコンロッドであって、上記円環状部品が、滑り軸受となるドライメタルである軸受付きコンロッド。

Images