JP3945323B2 - 焼結原料の造粒方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造する際に用いる焼結原料の造粒方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉用原料として用いられる焼結鉱は、種々の焼結原料を混合して造粒した後、さらにドワイトロイド式焼結機を用いて焼結して製造される。その焼結原料は下記の4種類に大別される。
(a) 粉鉱石:主原料となる鉄鉱石の粒径10mm以下の粉末
(b) SiO2 含有副原料粉:珪石,蛇紋岩,ニッケルスラグ等のSiO2 を含有する粉末原料
(c) CaO含有副原料粉:石灰石等のCaOを含有する粉末原料
(d) 固体燃料粉:コークス,無煙炭等の熱源となる粉末原料
上記の4種類の焼結原料を用いてドワイトロイド式焼結機で高炉用焼結鉱を製造するにあたって、一般に事前処理として、ドラムミキサーに焼結原料を装入し、混合および造粒を行なう。
【0003】
すなわち図5に示すように、まず、粉鉱石1,SiO2 含有副原料粉2,CaO含有副原料粉3および固体燃料粉4をドラムミキサー5に装入し、さらに適量の水分を添加して造粒し、擬似粒子7を製造する。
この擬似粒子7をドワイトロイド式焼結機(図示せず)へ搬送してパレット上に装入し、厚さ 500〜700mm 程度に堆積させる。その後、パレット上に堆積した原料層の表層部に点火して、擬似粒子7中の固体燃料粉4を燃焼させる。原料層の表層部の擬似粒子7中の固体燃料粉4に着火すると、下方に向けて空気を吸引しながら原料層の中層部および下層部の擬似粒子7中の固体燃料粉4を順次燃焼させて、その燃焼熱によって擬似粒子7中に配合された粉鉱石1,SiO2 含有副原料粉2,CaO含有副原料粉3を焼結させて焼結ケーキとする。
【0004】
こうしてドワイトロイド式焼結機から排出された焼結ケーキは、破砕され、さらに整粒される。こうして粒径が所定の範囲内の焼結鉱を得ることができる。粒径が所定の範囲を超えるものは、再度、破砕と整粒を施される。一方、 粒径が所定の範囲に満たないものは、返鉱として、再度、焼結原料に使用される。
このようにして製造された焼結鉱の被還元性は、従来から指摘されているように、高炉の操業を大きく左右する因子となる。通常、焼結鉱の被還元性はJIS規格M8713 で定義されており、ここでは、焼結鉱の被還元性をJIS−RIと記す。
【0005】
図6に示すように、高炉における焼結鉱の被還元性(JIS−RI)とガス利用率(ηCO)との間には正の相関がある。一方、 図7に示すように、高炉におけるガス利用率(ηCO)と燃料比との間には負の相関がある。このため、焼結鉱の被還元性(JIS−RI)は、高炉でのガス利用率(ηCO)を介して燃料比と良好な負の相関があり、高炉における焼結鉱の被還元性を向上させると、燃料比は低下する。
【0006】
なお、ガス利用率(ηCO)は下記の (1)式で定義され、燃料比は下記の (2)式で定義される。
ガス利用率(ηCO(%))
= 100×〔%CO2 〕/{〔%CO2 〕+〔%CO〕} ・・・ (1)
〔%CO2 〕:炉頂ガス中のCO2 濃度(体積%)
〔%CO〕 :炉頂ガス中のCO濃度(体積%)
燃料比=MC /MP ・・・ (2)
MC :高炉における石炭およびコークスの使用量(kg)
MP :高炉から出銑した溶銑量(ton )
さらに焼結鉱の冷間強度も高炉の操業に影響を及ぼす因子であり、特に高炉の通気性が多大な影響を受ける。そこで高炉を操業するにあたって、各々の高炉の特性に応じて焼結鉱の冷間強度の下限値を設けて、その基準を満足する焼結鉱を選別して使用している。
【0007】
したがって高炉の操業においては、被還元性に優れ、かつ冷間強度の高い焼結鉱を使用する必要がある。
焼結鉱を形成する主要な鉱物組織であるカルシウムフェライト(すなわちCaO・nFe2 O3 ),ヘマタイト(すなわちFe2 O3 ),カルシウムシリケート(すなわちCaO・xFeO・ySiO2 ),マグネタイト(すなわちFe3 O4 )の被還元性(%)と引張強度(MPa )を表1に示す。表1から明らかなように、被還元性の高い組織はヘマタイトであり、引張強度の高い組織はカルシウムフェライトである。
【0008】
【表1】
【0009】
したがって焼結鉱の望ましい組織とは、図4に示すように、強度の高いカルシウムフェライト相13の基地に、被還元性の高いヘマタイト相14を分散させた組織であり、強度および被還元性の低いカルシウムシリケートの生成は可能な限り抑制する必要がある。
しかし従来から、ほとんどのドラムミキサー5において、図5に示すように、粉鉱石1,SiO2 含有副原料粉2,CaO含有副原料粉3および固体燃料粉4を同時に装入して造粒する。その結果、図8に示すように、 主原料である粉鉱石1のうちの粒径が比較的大きい核となる粉鉱石(以下、核鉱石9という)の表面に、微細な粒径の粉鉱石(以下、微細鉱石粉末10という)が付着し、さらにSiO2 含有副原料粉2やCaO含有副原料粉3からなる副原料粉18,固体燃料粉4がそれぞれ個別に付着した擬似粒子7となる。
【0010】
この擬似粒子7をドワイトロイド式焼結機で焼結すると、得られる焼結鉱の組織は、図9に示すように、カルシウムフェライト相13,ヘマタイト相14,カルシウムシリケート相15およびマグネタイト相16が混在する組織となる。このような組織を有する焼結鉱は、被還元性および冷間強度の向上を達成できない。
そのため、これまでにカルシウムフェライト(CF)とヘマタイト(He)を多く生成する方法が試みられてきた。たとえば特開昭63-149331 号公報では、カルシウムシリケート(CS)は高温で焼結した場合に多く生成することから、粉状の鉄鉱石にバインダや石灰石を加えて造粒した後に、熱源である粉コークスを表面に被覆することでコークスの燃焼性を改善し、低温で焼結させて被還元性を向上する技術が提案されている。
【0011】
しかしながら特開昭63-149331 号公報に提案された方法では、CaOと鉄系原料中のSiO2 やSiO2 系原料が近接しているため、どうしてもカルシウムシリケート(CS)が多く生成してしまい、カルシウムフェライト(CF)とヘマタイト(He)を主体とする構造には必ずしもならない場合も多かった。
さらに特開平11-241124 号公報には、鉄鉱石粉,返鉱,生石灰と石灰石の一部または全量およびSiO2 源原料の一部または全量を1次ミキサーで混合造粒した後、別の系統から切り出した粉コークスおよび造滓源を混合造粒した原料に添加し、2次ミキサーで造粒して造粒粒子の表層部に粉コークスおよび造滓源の層を形成させた原料を焼結することを特徴とする低SiO2 焼結鉱の製造方法が開示されている。
【0012】
しかしながら特開平11-241124 号公報に開示された技術では、造粒粒子(すなわち本発明の擬似粒子に相当)の外装部に低SiO2 を含有した原料が入る可能性があり、表1に示すように、焼結鉱の構成鉱物の中で最も引張強度が低いカルシウムシリケート(CS)が形成されてしまい、冷間強度であるシャッター強度もしくはタンブラー強度が低下する。さらに造粒粒子内に一部石灰石を含有した原料が入ってしまうため、焼結鉱の内部には高被還元性のヘマタイト(He)だけでなく、ヘマタイト(He)よりは被還元性の劣るカルシウムフェライト(CF)や著しく被還元性が悪いカルシウムシリケート(CS)形成してしまい、飛躍的な被還元性の向上効果が得られないという問題がある。
【0013】
そこで本発明者らは、図4に示すような焼結鉱の組織を得るために、擬似粒子7の造粒方法について鋭意検討した。その結果、図3に示すように、核鉱石9の表面に微細鉱石粉末10とSiO2 含有副原料粉2からなる第1被覆層11を形成し、さらに第1被覆層11の外側にCaO含有副原料粉3と固体燃料粉4からなる第2被覆層12を形成し、この第1被覆層11および第2被覆層12を有する擬似粒子7をドワイトロイド式焼結機で焼結することによって、図4に示すような組織を有する焼結鉱が得られることを見出した。
【0014】
この知見に基づき本発明者らは、図3に示すような擬似粒子7を造粒するために、粉鉱石1とSiO2 含有副原料粉2をドラムミキサー5に装入して造粒し、さらにCaO含有副原料粉3と固体燃料粉4を添加してドラムミキサー5で造粒する方法を試みた。その結果、CaO含有副原料粉3と固体燃料粉4を添加した後の造粒時間が長い場合には、その擬似粒子7から得られた焼結鉱は、被還元性向上の効果が十分に発揮されないという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような問題を解消し、優れた被還元性を有し、かつ優れた冷間強度を有する焼結鉱を安定して製造するために、事前処理として焼結原料を造粒する際に、第1被覆層および第2被覆層を有する擬似粒子を得ることができる造粒方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造するプロセスの事前処理として、焼結原料をドラムミキサーを用いて造粒するに際し、粉鉱石およびSiO2 含有副原料粉をドラムミキサーに装入して造粒し、ドラムミキサーから排出された焼結原料の擬似粒子に対し、CaO含有副原料粉および固体燃料粉を、ドラムミキサーからベルトコンベア上に排出される焼結原料の擬似粒子および/またはベルトコンベアに載置された焼結原料の擬似粒子に添加する焼結原料の造粒方法である。
【0017】
前記した発明においては、好適態様として、CaO含有副原料粉を添加し、次いで固体燃料粉を添加することが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の具体的な実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の造粒工程を示す系統図である。本発明では、粉鉱石1およびSiO2 含有副原料粉2をドラムミキサー5に装入する。さらに必要に応じて適量の水分を添加する。こうしてドラムミキサー5を用いて粉鉱石1とSiO2 含有副原料粉2を造粒して、得られた擬似粒子7をベルトコンベア6aに排出する。
【0019】
本発明の焼結原料の製造方法では、ドラムミキサー5からベルトコンベア6aに排出される擬似粒子7に対してCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4を矢印Aで示すように排出過程で添加する。あるいは矢印Bで示すように、排出されてベルトコンベア6a上に載置された過程で添加するものである。
すなわち本発明では、粉鉱石1およびSiO2 含有副原料粉2をドラムミキサー5に装入して造粒し、ドラムミキサー5から粉鉱石1およびSiO2 含有副原料粉2をからなる焼結原料の擬似粒子7を一旦得る。 この理由は、ドラムミキサー5では、装入原料はドラムミキサー5の回転により、転動による造粒,破壊,混合が繰り返されて、最終的に擬似粒子7を得ているもので、粉鉱石1およびSiO2 含有副原料粉2からなる焼結原料を装入してドラムミキサー5で造粒を加え、引き続き残りのCaO含有副原料粉3および固体燃料粉4をドラムミキサー5で添加すると、転動による造粒,破壊,混合過程でCaO含有副原料粉3および固体燃料粉4が擬似粒子7内部に取り込まれることが生じるためである。
【0020】
したがって本発明においては、粉鉱石1およびSiO2 含有副原料粉2は、ドラムミキサー5に装入して造粒すること、そして残り原料であるCaO含有副原料粉3および固体燃料粉4は、造粒して得た粉鉱石1およびSiO2 含有副原料粉2からなる擬似粒子7にコーティングすること、いわゆる「まぶす」ことにより、擬似粒子7内部への取り込みを防止するものである。このようにして得られた擬似粒子7は、図3に示すように、核鉱石9の表面に微細鉱石粉末10とSiO2 含有副原料粉2からなる第1被覆層11が形成される。
【0021】
図2は、ドラムミキサーから排出された擬似粒子を、次工程であるドワイトロイド式焼結機の給鉱ホッパーに搬送するベルトコンベアの配置の例を示す配置図である。図2にはベルトコンベアを3台配置する例を示す。すなわち図2に示した例では、ドラムミキサー5から排出された第1被覆層11を有する擬似粒子7は、ベルトコンベア6a,6b,6cを用いてドワイトロイド式焼結機(図示せず)の給鉱ホッパー8に搬送される。
【0022】
こうして第1被覆層11を有する擬似粒子7をベルトコンベア6aで搬送しながら、CaO含有副原料粉3および固体燃料粉4を添加する。このとき、CaO含有副原料粉3と固体燃料粉4を予め混合して添加しても良いし、あるいはCaO含有副原料粉3と固体燃料粉4を個別に添加しても良い。
CaO含有副原料粉3と固体燃料粉4を個別に添加する場合は、その順序は特に限定しない。ただし、まずCaO含有副原料粉3を添加し、次いで固体燃料粉4を添加するのが好ましい。その理由は、 後述する第2被覆層12を形成する際に、 固体燃料粉4を第2被覆層12の表面近傍に偏析させて、 焼結時の着火性を向上させるためである。なお図2には、ベルトコンベア6aに載置した擬似粒子7に、まずCaO含有副原料粉3を添加し、次いで固体燃料粉4を添加する例を示す。
【0023】
このようにして、ベルトコンベア6a上で擬似粒子7およびCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4が層状に堆積して搬送される。次に、擬似粒子7およびCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4は、ベルトコンベア6aから下流のベルトコンベア6b上に落下する。その後、ベルトコンベア6bからさらに下流のベルトコンベア6c上に落下し、さらにベルトコンベア6cから給鉱ホッパー8内に落下する。
【0024】
こうして各ベルトコンベアの終端から落下(以下、ジャンクションという)することによって、搬送および落下過程で第1被覆層11を有する擬似粒子7およびCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4が混合されて、第1被覆層11の外側に、CaO含有副原料粉3と固体燃料粉4からなる第2被覆層13が形成される。その結果、 図3に示すように、核鉱石9の表面に第1被覆層11が形成され、第1被覆層11の外側に第2被覆層12が形成される。
【0025】
この第1被覆層11を有する擬似粒子7およびCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4の混合による第2被覆層12の形成にはジャンクション部が大きく寄与し、ジャンクションでの擬似粒子7およびCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4の落下過程で混合が図られ、第2被覆層12の形成が促進されていく。このジャンクション部分での混合作用は、CaO含有副原料粉3が白色であるのに対し、固体燃料粉4が黒色であり、最初のジャンクション部分を通過した段階で白と黒が斑になっている状態が、引き続き下流のジャンクション部分を通過する過程で均一になる観察からも確認できる。
【0026】
なお、ドラムミキサー5からベルトコンベア6aに排出する排出過程でCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4を添加する場合、この部分での添加はジャンクション部分での添加と等しい作用がある。ベルトコンベア6aに排出する排出過程での添加の形態としては、排出過程でCaO含有副原料粉3,固体燃料粉4を添加するか、排出過程ではCaO含有副原料粉3を、ベルトコンベア6a上では固体燃料粉4を添加する形態を採用することができる。
【0027】
この第1被覆層11と第2被覆層12を有する擬似粒子7をドワイトロイド式焼結機で焼結すると、図4に示すような強度の高いカルシウムフェライト相13の基地に、被還元性の高いヘマタイト相14を分散させた組織を有する焼結鉱が安定して得られる。このような組織を有する焼結鉱は、前記した通り、被還元性に優れ、かつ冷間強度の高い焼結鉱である。
【0028】
【実施例】
図1に示すように、本発明を適用して焼結原料を造粒した。すなわち粉鉱石1およびSiO2 含有副原料粉2をドラムミキサー5に装入した。さらに適量の水分を添加して造粒し、得られた擬似粒子7をベルトコンベア6aに排出した。次いで、図2に示すように、擬似粒子7をベルトコンベア6aで搬送しながらCaO含有副原料粉3を添加し、さらに固体燃料粉4を添加した。擬似粒子7が給鉱ホッパー8に貯留されるまでのジャンクションの回数は3回とした。また、ベルトコンベアの配置を変更して、ジャンクションの回数を1回あるいは2回として、擬似粒子7を給鉱ホッパー8に搬送した。これを発明例とする。
【0029】
一方、 比較例として、図5に示すように、粉鉱石1,SiO2 含有副原料粉2,CaO含有副原料粉3および固体燃料粉4をドラムミキサー5に装入した。さらに適量の水分を添加して造粒し、得られた擬似粒子7をベルトコンベア(図示せず)で給鉱ホッパー(図示せず)に搬送した。その間のジャンクションの回数は3回とした。
【0030】
発明例の擬似粒子7と比較例の擬似粒子7を、それぞれドワイトロイド式焼結機で焼結して、焼結鉱を製造した。その際のドワイトロイド式焼結機の生産率( ton/hr・m2 )、および得られた焼結鉱の歩留り(%),JIS−RI(%)を調査した。その結果は、図10に示す通りである。なお図10には、RDI(すなわち還元粉化性)を併せて示す。
【0031】
図10から明らかなように、生産率( ton/hr・m2 )およびJIS−RI(%)は、発明例(ジャンクション回数:1〜3回)の方が比較例(ジャンクション回数:3回)に比べて向上した。また、ジャンクション回数が1〜2回の発明例とジャンクション回数が3回の発明例とを比べると、ジャンクション回数が3回の場合に、生産率( ton/hr・m2 )およびJIS−RI(%)が著しく向上した。
【0032】
比較例はジャンクション回数を3回としたが、ジャンクション回数が1回の発明例に比べて、生産率( ton/hr・m2 )およびJIS−RI(%)が、いずれも劣っている。これは、比較例では、粉鉱石1,SiO2 含有副原料粉2,CaO含有副原料粉3および固体燃料粉4をドラムミキサー5に装入するので、ジャンクションによる被覆層形成の効果が発揮されないからである。
【0033】
歩留りについて発明例と比較例とを比べると、ジャンクション回数が1〜2回の発明例は比較例と同等であるが、ジャンクション回数が3回の発明例は歩留りが向上した。
つまり本発明によれば、生産率( ton/hr・m2 )およびJIS−RI(%)が向上する。特にジャンクション回数を3回以上とすると、生産率( ton/hr・m2 ),JIS−RI(%)は著しく向上する。しかもジャンクション回数を3回以上とすると、歩留りも向上する。したがって本発明では、ジャンクション回数を3回以上とするのが好ましい。
【0034】
そこでジャンクション回数が3回の発明例と比較例の擬似粒子7から製造した焼結鉱の組織をそれぞれ観察して、カルシウムフェライト相13,ヘマタイト相14,カルシウムシリケート相15およびマグネタイト相16の生成比率を調査した。その結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
表2から明らかなように、発明例は、比較例に比べてヘマタイト相14が増加し、カルシウムフェライト相13,カルシウムシリケート相15およびマグネタイト相16が減少している。したがって発明例では、図4に示すような焼結鉱の組織すなわちカルシウムフェライト相13の基地に、ヘマタイト相14を分散させて、カルシウムシリケートの生成を抑制した組織が得られた。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、第1被覆層および第2被覆層を有する擬似粒子を得ることができ、その擬似粒子を焼結することによって優れた被還元性を有し、かつ優れた冷間強度を有する焼結鉱を得ることができる。
しかも大幅な改造を行なうことなく既存の設備を利用できるので、経済的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の造粒工程を示す系統図である。
【図2】本発明の擬似粒子を次工程に搬送するベルトコンベアの配置の例を示す配置図である。
【図3】本発明を適用して得られる擬似粒子を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明を適用して得られる焼結鉱の組織を模式的に示す断面図である。
【図5】従来の造粒工程を示す系統図である。
【図6】高炉における焼結鉱の被還元性とガス利用率との関係を示すグラフである。
【図7】高炉におけるガス利用率と燃料比との関係を示すグラフである。
【図8】従来の擬似粒子の例を模式的に示す断面図である。
【図9】従来の焼結鉱の組織の例を模式的に示す断面図である。
【図10】JIS−RI,歩留り,生産率を示すグラフである。
【符号の説明】
1 粉鉱石
2 SiO2 含有副原料粉
3 CaO含有副原料粉
4 固体燃料粉
5 ドラムミキサー
6a ベルトコンベア
6b ベルトコンベア
6c ベルトコンベア
7 擬似粒子
8 給鉱ホッパー
9 核鉱石
10 微細鉱石粉末
11 第1被覆層
12 第2被覆層
13 カルシウムフェライト相
14 ヘマタイト相
15 カルシウムシリケート相
16 マグネタイト相
17 気孔
18 副原料粉
Claims (2)
- ドワイトロイド式焼結機を用いて焼結鉱を製造するプロセスの事前処理として、焼結原料をドラムミキサーを用いて造粒するに際し、粉鉱石およびSiO2 含有副原料粉を前記ドラムミキサーに装入して造粒し、前記ドラムミキサーから排出された焼結原料の擬似粒子に対し、CaO含有副原料粉および固体燃料粉を、前記ドラムミキサーからベルトコンベア上に排出される焼結原料の擬似粒子および/またはベルトコンベアに載置された焼結原料の擬似粒子に添加することを特徴とする焼結原料の造粒方法。
- 前記擬似粒子に、前記CaO含有副原料粉を添加し、次いで前記固体燃料粉を添加することを特徴とする請求項1に記載の焼結原料の造粒方法。
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