JP3945246B2 - 有機シリコン除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工場の排気ガスなどの気体中に含まれる有機シリコンを除去するための有機シリコン除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種の工場において、製品の成形の際に用いる離型剤や、製品のつや出し剤などを始めとして、多くの製造工程で、あるいは製品そのものに、様々な種類の有機シリコンが用いられている。有機シリコンは、種々の用途に適した特性を有し、しかも毒性がないため、その使用量は年々増加する傾向にある。
【0003】
一方、工場の排気による悪臭発生を規制するため、排気ガスの脱臭が必要とされることが多くなっている。工場の排気ガスを脱臭処理する脱臭装置に最もよく用いられているのは、熱触媒を用いて処理を行う熱触媒方式である。この装置では、排気ガスに含まれている臭気物質を熱触媒のもとで酸化分解することによって処理し、ガスをその後に外部に放出するようにしている。
【0004】
ところで、工場の排気ガスに有機シリコンが含まれていると、これを上記熱触媒方式の脱臭装置で処理しようとするときに、触媒の被毒現象が生じ、それが原因で脱臭装置のランニングコストが高くなる問題がある。具体例を挙げると、シリコンオイルで最もよく用いられるのはシロキサン〔(CHSiO〕 を重合して作られたものであるが、これが気化して脱臭装置の触媒表面に付着すると、表面で酸化反応が起きて固体の二酸化珪素(シリカ)粒子になり、触媒の細孔が塞がれてしまう。このように、脱臭装置において有機シリコンが酸化分解されてシリカ(SiO )の微粒子が生成されると、微粒子化したシリカが触媒に付着して該触媒が劣化するため、触媒の交換が必要となり、ランニングコストが高くなってしまう。
【0005】
したがって、触媒により排気ガスを処理するに当たっては、まず上記排気ガス中の有機シリコン濃度を前もって十分に低減したうえで、処理を行うことが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この種の処理としては、上記熱触媒とは別に、アルミナ系などの比較的安価な前処理用の触媒を使うことが行われている。つまり、上記処理において、通常は上記熱触媒には高価な白金触媒が用いられていることから、白金触媒に比して安価な前処理用触媒を用いてこれにシリコンを付着させ、この前処理用触媒を定期的に交換することによって、白金触媒の寿命を長くしてコストアップを抑えるようにしている。しかし、この方法を採用した場合でも、前処理用触媒を通過したシリコンは白金触媒に付着してしまう。このため、白金触媒の交換の間隔は幾分長くなるものの、触媒の交換は必要で、十分なコスト対策とすることはできない。
【0007】
また、白金触媒の前段に活性炭などの吸着剤を設けておき、有機シリコンを吸着剤で吸着した後に触媒による排ガス処理をすることも考えられる。しかし、この場合は、吸着剤に有機シリコンとともに臭気物質も吸着されてしまう(有機シリコンを選択的に処理できない)ので、吸着剤を頻繁に交換する必要が生じ、実用性に乏しい問題がある。
【0008】
このように、従来は脱臭装置などで気体中の有機シリコンを前もって除去する場合、コストが高くなったり、有機シリコンを十分に除去できなかったりすることがあった。本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、工場の排気ガスなどの気体中に含まれる有機シリコンを十分に除去できる有機シリコン除去装置を提供するとともに、その処理に伴うコストアップを抑えることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、低温プラズマにより有機シリコンをシリカ粒子にしたうえでフィルタにより捕捉することで、工場の排気ガスなどの気体中に含まれる有機シリコンを除去するようにしたものである。
【0010】
具体的に、本発明は、気体中の有機シリコンを除去するための有機シリコン除去装置を前提としている。そして、この有機シリコン除去装置は、上記気体の流通経路中で放電により低温プラズマを生成するプラズマ発生部(11)と、低温プラズマにより有機シリコンから生成される二酸化珪素粒子を捕捉するようにプラズマ発生部(11)の下流側に配置されたフィルタ(12)とを備えている。
【0011】
この構成においては、放電により発生する低温プラズマの作用で気体中の有機シリコンが酸化分解されて微細な二酸化珪素(シリカ)粒子が生成される。このシリカ粒子は気体とともに下流側へ流れて行き、フィルタ(12)によって捕捉される。したがって、気体中の有機シリコンが除去される。
【0012】
また、本発明は、プラズマ発生部(11)が、ストリーマ放電により低温プラズマを生成するように構成されている。
【0013】
この構成において、低温プラズマを生成する放電方式として採用されているストリーマ放電は、一般に、放電電極(13)と対向電極(14)の間の柱状空間で発生する。このストリーマ放電では、低温プラズマの発生領域を大きくし、その中に気体を流せば、気体の一部しか電極(13,14) の表面に接触しないので、有機シリコンが電極(13,14) に付着しにくくなる。また、ストリーマ放電では、放電領域を大きくすることで広いプラズマ発生領域を得ることができるので、比較的容易に処理能力を高めることも可能となる。
【0014】
また、本発明は、プラズマ発生部(11)が、針状に形成された複数の放電端(13b) を有する放電電極(13)と、放電端(13b) に付着する二酸化珪素膜を払拭する払拭手段(30)とを備えている。
【0015】
また、本発明は、払拭手段(30)が、放電電極(13)の放電端(13b) に対して転動するスポンジローラ(31)により構成されている。
【0016】
上記構成においては、針状の放電端 (13b) を有する放電電極 (13) によりストリーマ放電 を行う際に、放電電極 (13) にシリカ膜が付着したときに、該シリカ膜をスポンジローラ (31) からなる払拭手段 (30) で簡単に除去することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、低温プラズマにより有機シリコンを粒子化したうえで、この粒子をフィルタ(12)によって捕捉するようにしているので、気体中の有機シリコンを確実に除去できる。また、粒子化したシリコンは0.1μm以下の微細粒子である。これに対して、集塵するフィルターとしてHEPAフィルターやULPAフィルターを用いると確実に高性能(99.9%以上の集塵率)を得ることができるが、粒子が放電場で帯電しやすいことや、粒子が小さくなると拡散係数が増して逆に集塵性能が向上することを考慮すれば、安価な中性能(2μm粒子に対して85%程度の集塵率)のフィルターやエレクトレットフィルターでも実用上問題は生じない性能を得ることができる。このため、ランニングコストも十分に抑えることができる。
【0018】
また、本発明によれば、プラズマ発生部(11)の放電方式としてストリーマ放電を採用しているので、比較的広い放電領域を容易に得られやすいことから電極(13,14) にシリカが付着しにくく、安定した放電が可能である。また、このように放電領域を広くすることにより、有機シリコンが広い範囲で粒子化されるので、処理能力も高められる。
【0019】
また、本発明によれば、ストリーマ放電の放電電極 (13) に付着したシリカ膜をスポンジローラ (31) からなる払拭手段 (30) で容易に除去できるので、放電状態を安定化させることができ、処理性能が低下するのを確実に防止できる。
【0020】
【発明の前提技術】
以下、本発明の実施形態の前提技術を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
この前提技術は、本発明に係る有機シリコン除去装置(10)を、各種の工場で排気ガスを処理するために用いられる熱触媒方式の脱臭装置(1) において、脱臭の前処理に用いるようにした例である。
【0022】
図1は、この前提技術に係る脱臭装置(1) の概略構成図である。図示するように、この脱臭装置(1) は工場の排気ダクト(2) 内に設けられている。この脱臭装置(1) では、排気ダクト(2) により区画された排気ガスの経路中において、上流側から順に、排気ガス中に含まれる有機シリコンを除去するための有機シリコン除去器(有機シリコン除去装置)(10)と、有機シリコンを除去した排気ガス中の臭気物質を触媒のもとで分解して処理する脱臭処理部(20)とが配置されている。
【0023】
図2は、有機シリコン除去器(10)の構成を示す概略図である。この有機シリコン除去器(10)は、上記気体の流通経路中で放電により低温プラズマを生成するプラズマ発生部(11)と、低温プラズマにより有機シリコンから生成されるシリカ粒子を捕捉するようにプラズマ発生部(11)の下流側に配置されたフィルタ(12)とを備えている。
【0024】
上記プラズマ発生部(11)は、ストリーマ放電により低温プラズマを生成するように構成されている。該プラズマ発生部(11)は、ストリーマ放電を起こすため、放電電極(13)及び対向電極(14)と、両電極に放電電圧を印加する電源(15)とを備えている。放電電極(13)は、基板(13a) 上に複数の針状の放電端(13b) が縦横に配列された構成であり、対向電極(14)は、該放電電極(13)から所定距離(例えば10〜20mm)を隔てて配置された平板状の電極(14)により構成されている。また、電源(15)は、両電極(13,14) に直流高電圧またはパルス高電圧を印加するように構成されている。そして、以上の構成により両電極(13,14) 間でストリーマ放電を発生させて、その放電場中に工場の排気ガスを流すことにより、該排気ガスに含まれる有機シリコンを粒子化するように構成されている。
【0025】
上記フィルタ(12)としては、例えばHEPA(high efficiency particulate air filter)フィルタや、ULPA(ultra low penetration air filter)フィルタが用いられている。これらのフィルタを用いることにより、0.1μm程度の微粒子を99.9%以上の高効率で捕集することが可能となる。
【0026】
上記脱臭処理部(20)は、触媒構造体(21)とヒータ(22)とを備えている。上記触媒構造体(21)には、詳細は図示していないが、例えば気体が通過する多数の小孔が形成されたハニカム状の基材の表面に触媒層を形成したものや、微細な触媒粒子を通気性の容器内に充填したものなどを用いることができる。また、触媒構造体(21)は、加熱することにより活性化して排気ガス中の臭気成分の処理を促進する熱触媒を含んでいる。そして、上記ヒータ(22)は、熱触媒及び排気ガスを高温に加熱して触媒の活性を高めるために、触媒構造体(21)の近傍に加熱手段として配置されている。
【0027】
−運転動作−
次に、この脱臭装置(1) の運転動作について説明する。
【0028】
この脱臭装置(1) では、有機シリコン除去器(10)において、放電により発生する低温プラズマの作用で気体中の有機シリコンが酸化分解され、微細なシリカ粒子が生成される。具体的には、図3に示すように、有機シリコンのガスの分子がプラズマの作用を受けて、まず1nmオーダーの粒子となる。これらの粒子は、粒子同士が衝突したときにファンデルワールス力によって凝集し、10nmオーダーの粒子に成長する。また、粒子同士がさらに衝突を繰り返すと凝集が繰り返され、100nm(0.1μm)オーダーの粒子が形成される。図では対向電極(14)側にのみ100nmオーダーの粒子を示しているが、各粒径の粒子は電極(13,14) の間で分散する。
【0029】
図4のグラフには、ガス中での低温プラズマによる粒子の生成と凝集に伴う粒子の濃度変化の様子を示している。有機シリコンを含むガスの流れの中で低温プラズマを発生させると、まず一定時間が経過するまでは全粒子濃度(ここでは粒径は考慮していない)が急激に大きくなり、その後、全粒子濃度は緩やかに低下する。全粒子濃度が低下するのは多数の小径の粒子が凝集して0.1μm程度の比較的大径の粒子が生成されるためである。そして、全粒子濃度が低下するのに伴って、0.1μmオーダーの大粒子の濃度は徐々に高くなり、この濃度はやがて全粒子濃度に収束するように緩やかに低下していく。
【0030】
0.1μm以上の大径粒子のみについて濃度を計測した結果を図5のグラフに示している。図示するように、プラズマ発生部(11)の電源(15)をオンにしてから5分程度が経過すると粒子の濃度が上昇し始め、20分程度までは濃度の上昇傾向が続いている。そして、その後上記粒子の濃度はほぼ平衡状態となる。
【0031】
上記有機シリコン除去器(10)において、以上のようなメカニズムで形成されたシリカ粒子は、排気ガス中に含まれた状態でプラズマ発生部(11)の下流側へ流れて行き、フィルタ(12)によって捕捉される。このように、有機シリコンが粒子になって捕集されるので、気体中の有機シリコンが確実に除去される。
【0032】
この前提技術の有機シリコン除去器(10)において、両電極(13,14) に放電電圧を印加すると、各放電端(13b) について、放電電極(13)と対向電極(14)の間の柱状空間でストリーマ放電が発生する。このストリーマ放電は、放電端(13b) の先端から対向電極(14)まで微小アークが連続することにより、発光を伴ったプラズマ柱として形成されるものであり、プラズマ柱が各放電端(13b) について形成される。
【0033】
このため、この前提技術では、比較的容易に放電領域を大きくすることができ、そうすることにより低温プラズマの発生領域を大きくして処理能力を高めることが可能となる。また、低温プラズマの発生領域を大きくし、その中に気体を流すようにすると、気体の殆どの部分は放電電極(13)に接触しないので、シリカが電極に付着しにくくなる。
【0034】
以上のように、この前提技術では、触媒構造体(21)の上流側で有機シリコンを効果的に除去できるので、触媒における被毒現象の発生を防止できる。したがって、触媒構造体(21)の交換を不要にするか、交換の間隔を長くできるので、装置(1) のランニングコストが高くなるのを抑えながら性能の低下も防止できる。
【0035】
前提技術の効果−
この前提技術によれば、低温プラズマにより有機シリコンを粒子化したうえでフィルタ(12)によって捕捉するようにしているので、気体中の有機シリコンを確実に除去できる。また、粒子化したシリコンは0.1μmオーダーの微細粒子であり、集塵するフィルタ(12)としてHEPAフィルタやULPAフィルタを用いているため、高性能を得ることができる。
【0036】
なお、放電場で粒子が帯電することや、粒子が小さくなると拡散係数が増して逆に集塵性能が向上することを考慮すれば、中性能(2μm粒子に対して85%程度の集塵率)のフィルタやエレクトレットフィルタを用いても、実用上問題が生じない性能を得ることができる。また、そうすることにより、ランニングコストも十分に抑えることができる。
【0037】
さらに、この前提技術ではプラズマ発生部(11)の放電方式としてストリーマ放電を採用したことによって、放電領域を広くして電極(13)にシリカが付着しにくくすることができるので、安定した放電が可能である。また、放電領域を広くしておくことにより、有機シリコンが広い範囲で粒子化されるので、処理能力も高められる。
【0038】
【発明の実施の形態】
上記前提技術では、放電端(13b) の先端にシリカは付着しにくいものの、例えば所定の運転時間が経過すると、放電端(13b) にシリカ粒子が膜状に付着することも考えられる。そこで、本発明の実施形態は、上記前提技術の有機シリコン除去器(10)において、針状の放電端(13b) に付着したシリカ膜を払拭するための払拭手段(30)を設けている。
【0039】
上記払拭手段(30)は、図6〜図8に示すように、放電電極(13)の放電端(13b) に対してスポンジローラ(31)を転動させることにより、放電電極(13)の先端のシリカ膜を除去するように構成されている。この実施形態の有機シリコン除去器(10)は、この払拭手段(30)を設けた点を除いては、ストリーマ放電の放電方向が気体の流れ方向と平行になるようにした点が上記前提技術と異なっている。このため、放電電極(13)と対向電極(14)は、詳細は図示していないが排気ガスが通過するようにメッシュ状の電極板により構成されている。
【0040】
この実施形態において、その他は上記前提技術と実質的に同じように構成されている。そこで、この実施形態では、主に払拭手段(30)について説明する。また、図6では脱臭処理部(20)の図示は省略している。
【0041】
この有機シリコン除去器(10)では、気体の流路を挟んで下方と上方に、駆動軸(32)と従動軸(33)とが互いに平行に配置されている。駆動軸(32)及び従動軸(33)は、上記流路の一部を拡幅した位置に配置されている。上記駆動軸(32)の両端には駆動プーリ(34)が装着され、従動軸(33)の両端には従動プーリ(35)が装着されている。各従動プーリ(35)は駆動プーリ(34)の鉛直下方に位置しており、上下で対になっている。そして、上下のプーリに駆動ベルト(36)が掛けられている。また、駆動軸(32)にはモータ(37)が連結され、該モータ(37)を起動することにより、駆動軸(32)と一緒に従動軸(33)も回転するようにしている。
【0042】
上記スポンジローラ(31)は、図8に示すように、シャフト(31a) とローラ本体(31b) とからなり、シャフト(31a) がその両端の連結部において駆動ベルト(36)に連結されている。ローラ本体(31b) は、内径側のスリーブ(31c) と、外径側のスポンジブラシ(31d) とからなり、スリーブ(31c) がシャフト(31a) に対して回転することでローラ本体(31b) の全体が回転する。また、シャフト(31a) には、スリーブ(31c) が軸方向へ移動しないようにするために、該スリーブ(31c) の両側に位置するストッパ(31e) が設けられている。このスポンジローラ(31)は、モータ(37)を起動すると、スポンジブラシ(31d) に針状の電極端(13b) が刺さったり抜けたりしながら上下へ移動する。
【0043】
上記スポンジローラ(31)は、有機シリコン除去器(10)が起動している脱臭装置(1) の運転中には、図6に仮想線で示すように、気体の流路から退避した位置で停止している。そして、装置(1) の起動から所定の時間が経過するか、放電電極(13)の先端にシリカが所定量付着したことを検出すると、モータ(37)を起動してスポンジローラ(31)を放電電極(13)の放電端(13b) に対して転動させる。こうすることにより、放電電極(13)の先端がスポンジブラシ(31d) に刺さったり抜けたりする動きが行われ、放電電極(13)に付着したシリカ膜が取り除かれる。
【0044】
このようにしてシリカ粒子による放電電極(13)の汚れを除去すると、放電状態が安定する。したがって、装置(1) の運転の再開時に性能が低下するのを防止でき、排気ガス中の有機シリコンの除去を継続できる。
【0045】
【発明のその他の実施の形態】
本発明は、上記前提技術及び実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0046】
例えば、上記前提技術及び実施形態では、有機シリコン除去器(10)を工場の脱臭装置(1) に適用した例として、工場の排気ガスに含まれる有機シリコンを除去する場合について説明したが、本発明の装置(10)は、コピー機などにおいて有機シリコンを除去するのに適用してもよい。また、本発明は、美容院のように有機シリコンを含んだスプレー剤を用いる場所においても効果的に適用することができる。
【0047】
また、放電を起こすための高電圧電源 (15) は、直流電源 (15) 、交流電源 (15) 、またはパルス電源 (15) のいずれを用いてもよい。
【0048】
また、上記前提技術では、脱臭装置(1) において、加熱することにより活性化する熱触媒を用いるようにしているが、この他に、プラズマにより活性化するプラズマ触媒、光により活性化する光触媒など、その他の触媒を用いてもよい。
【0049】
また、触媒に用いる物質も適宜選択すればよく、例えばMn系触媒、Ni系触媒、V系触媒、Mo系触媒、W系触媒、TiO 系触媒、BaTiO 系触媒のような卑金属系触媒や、あるいは3元系触媒、Pt系触媒、Pd系触媒、Rh系触媒のような貴金属系触媒など、種々の触媒を用いることが可能である。
【0050】
図9には、プラズマ触媒を用いた例を示している。この例では、プラズマ触媒を含有する触媒構造体(21)を挟んで両側に放電電極(23)と対向電極(24)とが配置され、両電極の間で生成された低温プラズマがプラズマ触媒に作用するようにしている。放電電極(23)と対向電極(24)には、それぞれ、排気ガスが通過するようにメッシュ状の電極板が用いられている。
【0051】
また、プラズマ触媒としては、例えば、マンガン酸化物と、鉄、セリウム、ユーロピウム、ランタン、及び銅のうちの少なくとも1種の酸化物との混合物または複合酸化物を含有したものを用いることができる。こうすると、触媒の組成物と、低温プラズマにより生成される種々の活性種との相互作用で、臭気物質が極めて効率よく分解されるので、分解性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の前提技術に係る脱臭装置の概略構成図である。
【図2】 図1の脱臭装置の有機シリコン除去器を示す概略構成図である。
【図3】 有機シリコンがシリカ粒子になるメカニズムを表す概略図である。
【図4】 ガス中での低温プラズマによる粒子の生成と凝集に伴う粒子の濃度変化の様子を示すグラフである。
【図5】 図4において0.1μm以上の粒子のみについて濃度を計測した結果を示すグラフである。
【図6】 本発明の実施形態に係る脱臭装置の有機シリコン除去部を示す側面図である。
【図7】 図6の有機シリコン除去部に設けられる払拭手段を示す斜視図である。
【図8】 図7の払拭手段に用いているスポンジローラの断面図である。
【図9】 脱臭装置の変形例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
(1) 脱臭装置
(10) 有機シリコン除去器(有機シリコン除去装置)
(11) プラズマ発生部
(12) フィルタ
(13) 放電電極
(13b) 放電端
(14) 対向電極
(20) 脱臭処理部
(21) 触媒構造体
(22) ヒータ
(30) 払拭手段
(31) スポンジローラ

Claims (1)

  1. 気体中の有機シリコンを除去するための有機シリコン除去装置であって、
    上記気体の流通経路中で放電により低温プラズマを生成するプラズマ発生部(11)と、低温プラズマにより有機シリコンから生成される二酸化珪素粒子を捕捉するようにプラズマ発生部(11)の下流側に配置されたフィルタ(12)と、を備え
    プラズマ発生部 (11) は、ストリーマ放電により低温プラズマを生成するように構成され、
    プラズマ発生部 (11) は、針状に形成された複数の放電端 (13b) を有する放電電極 (13) と、放電端 (13b) に付着する二酸化珪素膜を払拭する払拭手段 (30) とを備え、
    払拭手段 (30) は、放電電極 (13) の放電端 (13b) に対して転動するスポンジローラ (31) により構成されていることを特徴とする有機シリコン除去装置。
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