JP3944930B2 - カラオケのテンポ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、歌唱の遅速に応じてカラオケ演奏のテンポを制御することができるカラオケのテンポ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆるカラオケが広く普及しており、種々の機能を備えたカラオケ装置が開発されている。例えば、操作子を操作することによって利用者が自分の歌い易い速さにカラオケ演奏のテンポを調整する機能を有するカラオケ装置が従来から知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカラオケ装置においては、テンポを速くする、遅くする、といったように調整の仕方が固定的であるため、曲のテンポに合わせて上手く歌うことができない人(いわゆるリズムおんちの人)にとっては効果が少なく利用価値が低かった。結局、リズムおんちの利用者は、自分の歌をカラオケの演奏に合わせることに気を使わねばならず、気持ちよく歌うことができなかった。また、周囲で歌を聴いている人も歌がカラオケの演奏と合っていないために聞き苦しい思いをすることがあった。
【0004】
この発明は、このような背景の下になされたもので、カラオケのテンポを歌い手の歌唱速度に追従させることができるカラオケのテンポ制御装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発明は、カラオケ演奏のための複数のイベントデータと各イベント間の時間間隔を示すデュレーションデータとからなるシーケンスデータで構成された楽音トラックを含む演奏情報を所定のテンポに対応する速度で再生しカラオケ演奏を行うカラオケ装置の前記テンポを制御するテンポ制御装置において、前記演奏情報には、前記楽音トラックの他に、カラオケ曲のメロディを構成する各音符の発音タイミング、ピッチおよび符長を示すイベントデータが書き込まれたガイドメロディトラックが含まれており、歌い手の歌唱音声を取り込む入力手段と、前記入力手段によって取り込まれた歌唱音声のピッチを抽出する抽出手段と、所定期間における前記歌唱音声のピッチ変化のパターンが、時間の経過とともにピッチが上昇する上昇傾向に該当するのか、それとも、時間の経過とともにピッチが下降する下降傾向に該当するのかを、前記所定期間における前記抽出手段の抽出結果から認識する音型認識手段と、前記楽音トラックのイベントデータが対応する処理系に送られるのと同期して前記ガイドメロディトラックのイベントデータが入力されるとともに、そのイベントデータと、前記抽出手段による抽出結果および前記音型認識手段による認識結果とから、前記歌唱音声が前記メロディに対して進んでいるのか遅れているのかを判断する歌唱速度判断手段と、前記歌唱速度判断手段による判断結果に応じて前記テンポを制御するテンポ制御手段と、を備え、前記歌唱速度判断手段は、前記ガイドメロディトラックのイベントデータが所定個数入力される毎に、そのイベントデータの表す発音タイミングから前記所定期間における前記メロディのピッチ変化のパターンが前記上昇傾向であるのか、それとも、前記下降傾向であるのかを現在のタイミングより先行する時間を含む所定期間分のイベントデータを前記ガイドメロディトラックから先読みして判定し、前記メロディのピッチ変化のパターンと前記歌唱音声のピッチ変化のパターンとが、ともに前記上昇傾向である場合には、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上高ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は進んでいると判断し、逆に、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上低ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は遅れていると判断し、前記メロディのピッチ変化のパターンと前記歌唱音声のピッチ変化のパターンとが、ともに前記下降傾向である場合には、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上高ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は遅れていると判断し、逆に、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上低ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は進んでいると判断することを特徴としている。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載のテンポ制御装置であって、
前記テンポ制御手段は、
前記歌唱速度判断手段の判断結果を所定サイクルで累積し、この累積結果に応じて新たにテンポを指定すること
を特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
A:実施形態の構成
図1はこの発明の一実施形態によるカラオケのテンポ制御装置の構成を示すブロック図である。図1において、1はピッチ抽出部であり、マイクMより入力される歌唱音声信号のピッチ(基本周波数)を抽出する。2は音型認識部であり、所定期間における歌唱音声のピッチ変化の挙動から上昇型や下降型といったパターンを認識する。3は歌唱速度判断部であり、ピッチ抽出部1によるピッチ抽出結果、音型認識部2によるパターンの認識結果およびカラオケの演奏情報に含まれるガイドメロディトラック(後述する)のデータに基づき歌唱のタイミングがカラオケの演奏に対して進み過ぎているか遅れているかあるいは一致しているかを判断する。この歌唱速度判断部3におけるアルゴリズムの詳細については後述する。
【0009】
ここで、カラオケの演奏情報は、図2に示すようにヘッダ、楽音トラック、ガイドメロディトラック、効果トラックおよび歌詞トラックからなり、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)規格に準拠して記述されている。ヘッダには、曲番号、ジャンル、曲の演奏時間(長さ)などその曲の属性情報等が書かれている。楽音トラックないし歌詞トラックの各トラックは、複数のイベントデータと各イベント間の時間間隔を示すデュレーションデータからなるシーケンスデータで構成されている。これら各トラックのデータは並行して読み出され、各トラック毎にデュレーションをカウントし、カウントを終了したタイミングで次のイベントデータが処理されるようになっている。
【0010】
楽音トラックには、カラオケ演奏のためのシーケンスデータが書かれており、そのイベントデータによって発音/消音が指示され、ノートナンバ(音高)、ベロシティ(強さ)、符長等が指定がされる。ガイドメロディトラックには、伴奏演奏の対象とならないメロディのシーケンスデータが書かれており、そのイベントデータにはメロディを構成する音符に関する情報(ピッチ、符長等を示す情報)が含まれている。また、このガイドメロディトラックは、2つのデータトラックからなり、第1のトラックにはカラオケ演奏と同期するメロディのシーケンスデータが書かれており、第2のトラックにはカラオケ演奏に対して2秒程度タイミングが進んだメロディのシーケンスデータが書かれている。第1のトラックのデータは歌唱音声とピッチを比較するために用いられ、第2のトラックのデータはガイドメロディのパターンを検出するために用いられる。さらに、効果トラックには、カラオケの楽音にエコー、リバーブ等の各種エフェクト処理を施すためのシーケンスデータが書かれており、歌詞トラックには、図示しないモニタに歌詞を表示するためのシーケンスデータが書かれている。
【0011】
さて、再び図1に戻って実施形態の構成を説明する。図1において、4はテンポ制御部であり、歌唱速度判断部3の判断結果に基づきカラオケの演奏速度を歌唱速度に追従させるようカラオケ演奏のテンポを制御する。5はシーケンサであり、テンポ制御部4によって指定されたテンポに対応する速度でカラオケの演奏情報を図示しない記録媒体から再生する。このシーケンサ5によって再生される演奏情報は各トラックのデータに対応する処理系に渡される。すなわち、楽音トラックのイベントデータは、カラオケの楽音を生成する図示しない音源LSI(大規模集積回路)に送られ、ガイドメロディトラックのイベントデータは、歌唱速度判断部3に送られ、効果トラックのイベントデータは、生成された楽音にエフェクト付与の信号処理を施す図示しないDSP(ディジタルシグナルプロセッサ)に送られ、歌詞トラックのイベントデータは、カラオケの映像制御系(図示略)に送られる。
【0012】
次に、6はゲーム処理部であり、歌唱速度判断部3の判断結果に基づき歌い手のリズム感を評価するとともに該評価結果を利用したゲーム処理を行う。このゲーム処理の内容としては種々の態様を採用可能であるが、例えば評価結果を数値化してこれを得点として表示したり、あるいは評価結果に応じて誉め言葉や励ましの言葉を音声によりメッセージ出力する処理が行われる。
【0013】
B:実施形態の動作
次に、上記構成からなるテンポ制御装置の動作を説明する。
まず、カラオケの演奏が開始され、歌い手の歌唱音声がマイクMから入力されると、ピッチ抽出部1が歌唱音声のピッチを抽出し、その値を出力する。音型認識部2は、所定期間においてピッチ抽出部1から出力されるピッチ抽出値を追跡し歌唱音声のピッチ変化のパターンが上昇型であるか下降型であるかを認識する。この認識結果は、歌唱速度判断部3において歌唱速度の判断に用いられる。
【0014】
歌唱速度判断部3は、まずガイドメロディの第2のトラックからメロディのデータを先読みすることにより、現在のタイミングより先行する時間を含む所定期間におけるガイドメロディのパターン(すなわち、上昇型、下降型等のピッチ変化のパターン)を認識する。また、歌唱速度判断部3は、ガイドメロディの第1のトラックのデータによって指定されるピッチとピッチ抽出部1により抽出される歌唱音声のピッチとを比較する。そして、歌唱速度判断部3は、上記ガイドメロディのパターンの認識結果、前述の音型認識部2による歌唱音声のパターンの認識結果、および上記歌唱音声とガイドメロディのピッチ比較結果に基づき、以下のアルゴリズムに従って歌唱速度を判断する。
【0015】
図3はガイドメロディと歌唱音声のパターンを比較して示すグラフであり、同図(a)はカラオケの演奏と歌唱のタイミングが一致している場合を、同図(b)はカラオケの演奏に対して歌唱が進み過ぎている場合を、同図(c)はカラオケの演奏に対して歌唱が遅れている場合をそれぞれ示している。
【0016】
これらの図において、グラフの横軸は時間を、縦軸はピッチを示している。また、ガイドメロディを構成する音符は、その符長に対応した長さを有する水平方向の線分Gで表され、これらの線分Gを囲む斜線の領域はガイドメロディから上下半音以内のピッチずれ範囲を示している。一方、歌唱音声は時間とともにピッチが変化する曲線Vで表される。また、破線Pは現在の歌唱タイミングを示している。
【0017】
ここで、ガイドメロディのパターンが上昇型であって、歌唱音声のピッチが概ねガイドメロディに沿って変化するとした場合(すなわち、メロディに合った歌い方がされているとした場合)、カラオケの演奏と歌唱のタイミングが一致していれば、図3(a)に示すように、現在の歌唱タイミングにおけるピッチずれはない(ピッチがずれたとしても上下半音以内である)。このことから、歌唱速度判断部3は、現在の歌唱タイミングにおけるピッチずれが上下半音以内であるとき、カラオケの演奏と歌唱のタイミングが合っているものと判断する。
【0018】
また、同じ前提の下で、図3(b)に示すように、カラオケの演奏より歌唱の方が先に進んでいれば、歌唱音声のピッチはガイドメロディより先に上昇する。このことから、歌唱速度判断部3は、現在の歌唱タイミングにおける歌唱音声のピッチがガイドメロディより半音以上高い場合、カラオケの演奏より歌唱の方が先に進んでいると判断する。
【0019】
さらに、同じ前提の下で、図3(c)に示すように、カラオケの演奏に対して歌唱が遅れていれば、歌唱音声のピッチはガイドメロディより遅く上昇する。したがって、歌唱速度判断部3は、現在の歌唱タイミングにおける歌唱音声のピッチがガイドメロディより半音以上低い場合、カラオケの演奏に対して歌唱が遅れていると判断する。
【0020】
一方、図示を省略するが、図3の例とは逆にガイドメロディのパターンが下降型であるとした場合、歌唱速度判断部3は、現在の歌唱タイミングにおける歌唱音声のピッチがガイドメロディより半音以上高ければ、カラオケの演奏に対して歌唱が遅れていると判断し、半音以上低い場合、カラオケの演奏より歌唱の方が先に進んでいると判断する。
【0021】
次に、図4を参照し、ガイドメロディのパターンが上昇型から下降型に変わる場合について説明する。同図(a)に示すように、現在の歌唱タイミングにおいてガイドメロディのパターンが上昇型から下降型に変わる場合に、音型認識部2によって認識される歌唱音声のパターンがまだ上昇中であれば、歌唱速度判断部3は、カラオケの演奏に対して歌唱が遅れていると判断する。
【0022】
また、同図(b)に示すように、現在の歌唱タイミングにおいてガイドメロディのパターンが上昇型から下降型に変わる場合に、音型認識部2によって認識される歌唱音声のパターンがすでに下降中であれば、歌唱速度判断部3は、カラオケの演奏より歌唱の方が先に進んでいると判断する。
【0023】
一方、図示を省略するが、図4の例とは逆に現在の歌唱タイミングにおいてガイドメロディのパターンが下降型から上昇型に変わる場合に、音型認識部2によって認識される歌唱音声のパターンがまだ下降中であれば、歌唱速度判断部3は、カラオケの演奏に対して歌唱が遅れていると判断し、すでに上昇中であれば、歌唱速度判断部3は、カラオケの演奏より歌唱の方が先に進んでいると判断する。
【0024】
さて、上述したアルゴリズムに基づく歌唱速度の判断は、例えば新たに音符が入力される毎に(すなわちガイドメロディの発音指示情報が入力される毎に)行われる。一方、ガイドメロディのパターンについては、新たに音符が入力される度に所定期間を設定しその期間に含まれる複数の音符のピッチ情報から上昇型、下降型の類型が認識される。
【0025】
こうして音符が入力される度に歌唱速度判断部3によって歌唱速度が判断され、その判断結果(歌唱が速すぎる、歌唱が遅れている、あるいは丁度良いのいずれか)がテンポ制御部4およびゲーム処理部6へ各々出力される。テンポ制御部4は、歌唱速度判断部3の判断結果を一定サイクル(例えば、2小節、1フレーズ等のサイクル)で累計し、この累計結果に応じてシーケンサ6に指定するテンポを制御する。
【0026】
例えば、「歌唱が遅れている」を「+1」、「歌唱が速すぎる」を「−1」、「丁度良い」を「0」のように数値化し、一サイクルの累計結果が例えば「+2」以上であればテンポを110%とし、「−2」以下であればテンポを90%とする。こうして、例えば「+2」以上となるサイクルが連続すれば、100%→110%→120%のようにテンポを順次上げて行き、逆に「−2」以下となるサイクルが連続すれば、100%→90%→80%のようにテンポを順次下げて行く。これにより、カラオケのテンポが歌い手の歌唱速度に追従し、いわゆるリズムおんちの歌い手であっても気持ちよくカラオケを楽しむことができる。
【0027】
一方、ゲーム処理部6は、歌唱速度判断部3から出力される歌唱速度の判断結果を、例えば「歌唱が遅れている」、「歌唱が速すぎる」をともに「−1」、「丁度良い」を「+1」のように数値化し、これらを一曲について累計する。そして、その累計値の大きさを100点満点に換算して得点表示したり、あるいは、累計値の大きさに応じて誉め言葉や励ましの言葉をメッセージ出力する。これにより、歌い手は、自分のリズム感の優劣を知ることができ、他の人と競ったりすることができる。
【0028】
C:変形例
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
【0029】
(1)実施形態では、1音符毎に歌唱速度を判断するようにしたが、これに限らず、2音符につき1回など必要に応じて適宜サイクルを選択可能である。
【0030】
(2)また、実施形態では、歌唱音声やガイドメロディのパターンを認識するための期間を特に限定しなかったが、パターンを認識できる程度の音符数を含む期間であれば適宜選択可能である。
【0031】
(3)また、実施形態では、歌唱速度の判断結果を例えば2小節や1フレーズのサイクルで累計しそのサイクルでテンポ制御を行うようにしたが、これに限らず、制御の応答性や安定性に対する要求に応じて所望のサイクルを適宜選択可能であり、必要であれば累計を行わずに歌唱速度の判断と同じサイクルでテンポ制御を行うようにしてもよい。
【0032】
(4)また、テンポ制御のオン/オフを切り換えるスイッチ機構を設け、テンポ制御モードと通常のカラオケ演奏モードを選択できるようにしてもよい。また、カラオケの演奏情報の中にテンポ制御のオン/オフを指示するコードを含めておき、これによってテンポ制御モードと通常のカラオケ演奏モードを切り換え、曲の一部についてのみテンポ制御を行うようにしてもよい。これにより、歌い手にとってテンポを合わせるのが困難なリタルダンドやフェルマータの指定部分についてのみテンポ制御を行うことも可能である。
【0033】
(5)また、テンポ制御の結果、テンポが異常に速くなりすぎたり、あるいは遅くなりすぎることを防止するため、テンポの上限値と下限値を設定してリミットをかけるようにしてもよい。
【0034】
(6)また、実施形態では、ガイドメロディのパターンを認識するために、カラオケの演奏と同期するガイドメロディのデータ(第1のトラックのデータ)に加え、時間的に先行したガイドメロディのデータ(第2のトラックのデータ)をカラオケの演奏情報に含めるよう構成したが、再生中にガイドメロディのデータを一時記憶しておくことが可能であれば、時間的に先行したガイドメロディのデータ(第2のトラックのデータ)のみをカラオケの演奏情報に含めておけば足りる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、カラオケのテンポを歌い手の歌唱速度に追従させることができる。この結果、利用者はカラオケのテンポを気にすることなく気持ちよく歌うことができる一方、周囲で歌を聴いている人も聞き苦しい思いをすることがなくなり、カラオケをより一層楽しむことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態によるカラオケのテンポ制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 同実施形態におけるカラオケの演奏情報のフォーマットを示す図である。
【図3】 ガイドメロディと歌唱音声のパターンを比較して示すグラフであり、(a)はタイミングが一致している場合を、(b)は歌唱が速すぎる場合を、(c)は歌唱が遅れている場合をそれぞれ示している。
【図4】 ガイドメロディと歌唱音声のパターンを比較して示すグラフであり、(a)は歌唱が遅れている場合を、(b)は歌唱が速すぎる場合をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1…ピッチ抽出部(ピッチ抽出手段)、2…音型認識部(歌唱速度判断手段、音型認識手段)、3…歌唱速度判断部(歌唱速度判断手段)、4…テンポ制御部(テンポ制御手段)、5…シーケンサ、6…ゲーム処理部。
Claims (2)
- カラオケ演奏のための複数のイベントデータと各イベント間の時間間隔を示すデュレーションデータとからなるシーケンスデータで構成された楽音トラックを含む演奏情報を所定のテンポに対応する速度で再生しカラオケ演奏を行うカラオケ装置の前記テンポを制御するテンポ制御装置において、
前記演奏情報には、前記楽音トラックの他に、カラオケ曲のメロディを構成する各音符の発音タイミング、ピッチおよび符長を示すイベントデータが書き込まれたガイドメロディトラックが含まれており、
歌い手の歌唱音声を取り込む入力手段と、
前記入力手段によって取り込まれた歌唱音声のピッチを抽出する抽出手段と、
所定期間における前記歌唱音声のピッチ変化のパターンが、時間の経過とともにピッチが上昇する上昇傾向に該当するのか、それとも、時間の経過とともにピッチが下降する下降傾向に該当するのかを、前記所定期間における前記抽出手段の抽出結果から認識する音型認識手段と、
前記楽音トラックのイベントデータが対応する処理系に送られるのと同期して前記ガイドメロディトラックのイベントデータが入力されるとともに、そのイベントデータと、前記抽出手段による抽出結果および前記音型認識手段による認識結果とから、前記歌唱音声が前記メロディに対して進んでいるのか遅れているのかを判断する歌唱速度判断手段と、
前記歌唱速度判断手段による判断結果に応じて前記テンポを制御するテンポ制御手段と、
を備え、
前記歌唱速度判断手段は、
前記ガイドメロディトラックのイベントデータが所定個数入力される毎に、
そのイベントデータの表す発音タイミングから前記所定期間における前記メロディのピッチ変化のパターンが前記上昇傾向であるのか、それとも、前記下降傾向であるのかを現在のタイミングより先行する時間を含む所定期間分のイベントデータを前記ガイドメロディトラックから先読みして判定し、
前記メロディのピッチ変化のパターンと前記歌唱音声のピッチ変化のパターンとが、ともに前記上昇傾向である場合には、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上高ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は進んでいると判断し、逆に、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上低ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は遅れていると判断し、
前記メロディのピッチ変化のパターンと前記歌唱音声のピッチ変化のパターンとが、ともに前記下降傾向である場合には、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上高ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は遅れていると判断し、逆に、前記メロディのピッチよりも前記歌唱音声のピッチが半音以上低ければ、前記メロディに対して前記歌唱音声は進んでいると判断する
ことを特徴とするカラオケのテンポ制御装置。 - 請求項1に記載のテンポ制御装置であって、
前記テンポ制御手段は、
前記歌唱速度判断手段の判断結果を所定サイクルで累積し、この累積結果に応じて新たにテンポを指定すること
を特徴とするカラオケのテンポ制御装置。
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