JP3944736B2 - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、200℃以上の高温に加熱されても直ちに硬化することのない200℃以上の高温での潜在性と、硬化時における硬化性とが両立したエポキシ樹脂組成物、及びこの組成物にて封止された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は接着性・耐熱性・耐湿性に優れており、その応用分野は接着剤や塗料はもとより、半導体装置の封止材というハイテク分野にも拡大されている。特に液状エポキシ樹脂は、微細化・高速化が推し進められる半導体分野において、複雑・微細な設計のデバイスにも対応でき、近年その応用分野を著しく拡大している。フリップチップのアンダーフィル材はその最たるものである。
【0003】
近年、デバイスの高速化・高密度化に伴い、チップのデザインは薄型化・大型化しており、従来の様な毛細管現象を利用して液状エポキシ樹脂を狭ギャップに侵入させる方式(以下、Capillary Flow型(キャピラリーフロー型)と称する)では限界に達しており、これに代わる方式が提案されている。その1つがNo Flow型(ノーフロー型)である。これは基板に樹脂を塗布した後にチップを搭載し、加熱によりチップと基板の導通と樹脂の硬化を同時に行うものである。
【0004】
このNo Flow型の場合、Capillary Flow型の場合とは異なる性能がアンダーフィル材に求められる。その1つが高温での潜在性である。
チップと基板の導通を得るためにアンダーフィル材は200℃以上の高温で加熱されるが、導通以前に樹脂が硬化しない程度の潜在性を有することが求められる。現行のCapillary Flow型の液状エポキシ樹脂ではあまりに硬化時間が短く、この方式には対応できない。
【0005】
通常、液状エポキシ樹脂組成物では、酸無水物、芳香族アミン、フェノール樹脂等の硬化剤と、有機リン、イミダゾール等の塩基性硬化促進剤を組み合わせる。触媒量を低減すると潜在性を有するようになるが、樹脂が未硬化になるおそれがあり、現状の硬化剤・硬化促進剤の組み合わせでは潜在性と硬化性の両立に限界がある。
【0006】
【非特許文献1】
Zhuqing Zhang, Lianhua Fan, C.P.Wong, IEEE Electronic Components and Technology Conference, 2001, p.1474
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するために行われたものであり、200℃以上の高温での潜在性と硬化性とが両立した、特にNo Flow型のアンダーフィル材、とりわけPbフリー型半田ボール用のNo Flow型アンダーフィル材として好適なエポキシ樹脂組成物、及びこの組成物にて封止された半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成する為に鋭意検討を重ねた結果、下記の特定構造を有する硬化促進剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の硬化剤を組み合わせたエポキシ樹脂組成物とすることにより、200℃以上の高温での潜在性と硬化性を両立させ得ることを見出した。
このエポキシ樹脂組成物は、No Flow型のアンダーフィル材、特にPbフリー型半田ボール用のNo Flow型アンダーフィル材として好適であることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記に示すエポキシ樹脂組成物及び半導体装置を提供する。
〔I〕(A)エポキシ樹脂
(B)成分(A)の硬化剤
(C)下記一般式(1)で表される硬化促進剤
を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
【化3】
Figure 0003944736
(式中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、X1〜X4は、水素原子又はハロゲン原子であり、X1〜X4の少なくとも1つはハロゲン原子から選択される。)
〔II〕成分(C)が、下記式(2)又は(3)で表されるものである〔I〕記載のエポキシ樹脂組成物。
【化4】
Figure 0003944736
〔III〕成分(B)が、フェノール樹脂である〔I〕又は〔II〕記載のエポキシ樹脂組成物。
〔IV〕芳香族重合体と下記平均組成式(4)で示されるオルガノポリシロキサンとを反応させて得られる共重合体を配合した〔I〕〜〔III〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
(R5a(R6bSiO(4-a-b)/2 (4)
(式中、R5は水素原子、アミノ基,エポキシ基,ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基を含有する有機基、又はアルコキシ基であり、R6は置換又は非置換の一価炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアルケニルオキシ基であり、a、bは、0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する正数である。また1分子中のケイ素原子数は1乃至1000であり、1分子中のケイ素原子に直結したR5数は1以上である。)
〔V〕〔I〕〜〔IV〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
〔VI〕〔I〕〜〔IV〕のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止したフリップチップ型半導体装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明に用いられる成分(A)のエポキシ樹脂は、構造、粘度等が特に限定されるものではなく、公知のものが用いられる。
【0011】
エポキシ樹脂の構造として具体的には、ノボラック型、ビスフェノール型、ビフェニル型、フェノールアラルキル型、ジシクロペンタジエン型、ナフタレン含有型、アミノ基含有型等が挙げられる。なかでもビスフェノールA型、ビスフェノールF型が好ましい。これらを単独で、或いは2種類以上を混合して用いてもよい。
【0012】
エポキシ樹脂の粘度は、室温で液状であること、具体的には25℃において100Pa・s以下、特に10Pa・s以下であることが望ましい。
【0013】
本発明に用いられる成分(B)の硬化剤の種類は、特に限定されるものではなく、公知のものが用いられる。硬化剤として具体的には、酸無水物、芳香族アミン、フェノール樹脂等が挙げられるが、200℃以上の高温での潜在性と硬化性の両立の観点から考慮すれば、フェノール樹脂が望ましい。
【0014】
このフェノール樹脂は、構造、粘度等が特に限定されるものではなく、公知のものが用いられる。フェノール樹脂の構造として具体的には、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、ナフタレン型、シクロペンタジエン型、フェノールアラルキル型等が挙げられる。なかでも200℃以上の高温での潜在性と硬化性の両立の観点から考慮すれば、フェノール性水酸基のオルト位が水素原子以外の原子、或いは原子団により置換されていないもの、具体的にはフェノールノボラック型、フェノールアラルキル型が望ましい。これらを単独で、或いは2種類以上を混合して用いてもよい。また粘度は、150℃において10Pa・s以下、特に1Pa・s以下であることが望ましい。
【0015】
本発明に用いられる成分(C)の硬化促進剤は、下記一般式(1)で表わされるものである。
【化5】
Figure 0003944736
(式中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、X1〜X4は、水素原子又はハロゲン原子であり、X1〜X4の少なくとも1つはハロゲン原子から選択される。)
【0016】
上記式(1)において、R1〜R4の炭素数1〜10の一価炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換したハロゲン置換一価炭化水素基などの置換又は非置換の一価炭化水素基が挙げられる。
【0017】
この硬化促進剤の構造で肝要であるのは、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートのボレート側に電気陰性度が大きい原子、或いは原子団が含まれることである。通常、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートは、エポキシ樹脂やその硬化剤に溶解せず、エポキシ樹脂の硬化反応は次の2段階反応で進行する。
▲1▼硬化剤とボレートが反応する。
▲2▼この反応物が硬化促進剤として機能し、架橋反応が進行する。
▲1▼の反応ではボレート側のフェニル基、或いは置換フェニル基が脱離し、この脱離部位と硬化剤が結合し、エポキシ樹脂・硬化剤の系中に硬化促進剤が取込まれる。従って、式(1)中のXが電気陰性度の大きい原子、或いは原子団であれば、負電荷がボレート全体に分散して安定になるため脱離反応が遅くなり、全体として反応速度が小さくなる。従って、高温において潜在性を発現させるためには、Xがより電気陰性度の大きい原子、或いは原子団であることが好ましく、具体的にはハロゲン原子、特に下記式(2)或いは(3)で表される化合物であることが望ましい。
【0018】
【化6】
Figure 0003944736
【0019】
硬化促進剤の添加量は、樹脂成分[成分(A),(B)及び後述する共重合体の合計]100重量部に対して0.1乃至10重量部であることが望ましく、特に0.5乃至5重量部であることが望ましい。硬化促進剤が0.1重量部未満である場合は硬化不十分になるおそれがあり、また10重量部より多い場合は硬化時間が短く、潜在性が十分でなくなるおそれがある。
【0020】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて芳香族重合体とオルガノポリシロキサンとを反応させて得られる共重合体を添加することができる。この共重合体は低応力剤として機能する。
【0021】
芳香族重合体としては、下記一般式(5)或いは(6)
【化7】
Figure 0003944736
【0022】
(但し、R7は水素原子又は下記式
【化8】
Figure 0003944736
で示されるグリシジル基であり、R8は水素原子又はメチル基であり、Xは水素原子又は臭素原子である。nは0以上の整数、好ましくは0乃至50の整数、特に好ましくは1乃至20の整数である。)
で表されるフェノール樹脂又はエポキシ樹脂、或いは下記一般式(7)乃至(10)
【0023】
【化9】
Figure 0003944736
【0024】
(但し、R7は水素原子又は下記式
【化10】
Figure 0003944736
で示されるグリシジル基であり、R8は水素原子又はメチル基であり、R9
【化11】
Figure 0003944736
であり、分子内の各部位について任意に選択される。Xは水素原子又は臭素原子である。nは0以上の整数、好ましくは0乃至50の整数、特に好ましくは1乃至20の整数であり、mは0以上の整数、好ましくは0乃至5の整数、特に好ましくは0又は1である。)
で表されるアルケニル基含有フェノール樹脂又はエポキシ樹脂が挙げられる。
【0025】
一方、オルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(4)で示される。
(R5a(R6bSiO(4-a-b)/2 (4)
(式中、R5は水素原子、アミノ基,エポキシ基,ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基を含有する有機基、又はアルコキシ基であり、R6は置換又は非置換の一価炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアルケニルオキシ基であり、a、bは、0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する正数である。また1分子中のケイ素原子数は1乃至1000であり、1分子中のケイ素原子に直結したR5数は1以上である。)
【0026】
ここで、R5のアミノ基含有有機基としては、下記のものが例示される。
【化12】
Figure 0003944736
(但し、cは1、2又は3である。)
【0027】
エポキシ基含有有機基としては、下記のものが例示される。
【化13】
Figure 0003944736
(但し、dは1、2又は3である。)
【0028】
ヒドロキシ基含有有機基としては、下記のものが例示される。
【化14】
Figure 0003944736
(但し、eは0、1、2又は3であり、fは1、2又は3である。)
【0029】
カルボキシ基含有有機基としては、下記のものが例示される。
【化15】
Figure 0003944736
(但し、gは0乃至10の整数である。)
【0030】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基等の炭素数1乃至4のものが挙げられる。
【0031】
また、R6の置換又は非置換の一価炭化水素基としては、炭素数1乃至10のものが好ましく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基などや、これらの炭化水素基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換したハロゲン置換一価炭化水素基などが挙げられる。
【0032】
更にa、bは上述した値であるが、好ましくは0.01≦a≦0.1、1.8≦b≦2、1.85≦a+b≦2.1を満足する正数であり、また一分子中のケイ素原子数は1乃至1000であるが、10乃至400であることが望ましく、特に20乃至210であることが望ましい。
【0033】
このようなオルガノポリシロキサンとしては、下記一般式(11)或いは(12)で表される化合物が挙げられる。
【化16】
Figure 0003944736
(式中、R10はアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシ基又はカルボキシ基を含有する一価炭化水素基であり、R11はR6と同様の置換又は非置換の一価炭化水素基、好ましくはメチル基又はフェニル基であり、pは0乃至1000の整数、好ましくは8乃至400の整数であり、qは0乃至20の整数、好ましくは0乃至5の整数である。)
【0034】
具体的には、下記式で表されるオルガノポロシロキサンを挙げることができる。
【化17】
Figure 0003944736
【0035】
上記平均組成式(4)で示されるオルガノポリシロキサンの重量平均分子量は、特に限定されないが、100乃至70000が望ましい。オルガノポリシロキサンの分子量が100乃至70000である場合、得られた共重合体をエポキシ樹脂組成物に配合すると、マトリクス中に共重合体が相溶せず、かつ微細な海島構造を形成する。分子量が100未満であると、マトリクス中に共重合体が相溶し、海島構造が形成されず、分子量が70000より大きいと、海島が大きくなってしまい、いずれの場合も硬化物の低応力性が低下するおそれがある。
【0036】
上記の芳香族重合体とオルガノポリシロキサンとを反応させて共重合体を得る方法としては、公知の方法を採用することができる。
【0037】
なお、上記共重合体の添加量は、樹脂成分[成分(A),(B)及び共重合体の合計]全体の好ましくは0〜80重量%、特に好ましくは10〜50重量%である。共重合体の添加量が少なすぎると、硬化物の低応力性が損なわれるおそれがあり、添加量が多すぎると、未硬化物の粘度上昇、硬化物の耐熱性低下等を引き起こすおそれがある。
【0038】
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂と硬化剤の配合比は、当量比で0.8≦(エポキシ樹脂)/(硬化剤)≦1.25であることが望ましく、特に0.9≦(エポキシ樹脂)/(硬化剤)≦1.1であることが望ましい。
当量比がこの範囲にない場合、一部未反応になり、硬化物の性能、更にはこれを用いる半導体装置の性能に支障をきたすおそれがある。この場合、エポキシ樹脂は、上記成分(A)のエポキシ樹脂と、上記共重合体がエポキシ基を有する場合はこれを加えた量であり、硬化剤は、上記成分(B)の硬化剤と、上記共重合体がフェノール性OH基を有する場合はこれを加えた量である。
【0039】
本発明のエポキシ樹脂組成物をNo Flow型のアンダーフィル材に応用する場合、各種の半田との濡れ性・密着性を向上させる為にフラックスを添加することができる。この場合、市販のフラックスをそのまま用いても、或いは、アビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸、ネオアビエチン酸、イソピマール酸、ピマール酸、レボピマール酸、パラストリン酸等の有効成分を用いてもよい。また、有効成分として、安息香酸、ステアリン酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等の活性剤を配合することもできる。
【0040】
フラックスの添加量は、樹脂成分[成分(A),(B)及び上記共重合体の合計]100重量部に対して有効成分が0.5乃至5重量部、特に1乃至3重量部であることが望ましい。0.5重量部未満である場合はその効果が十分に得られないおそれがあり、また5重量部より多い場合は硬化不十分になるおそれがある。なお、フラックスの混合方法は特に限定されないが、エポキシ樹脂或いは硬化剤に予め溶融混合し、均一に分散させることが望ましい。
【0041】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、用途に応じてシリカ、アルミナ、タルク、マイカ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、銀等の無機質充填剤、その他に難燃剤、イオントラップ剤、ワックス、着色剤、接着助剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0042】
本発明のエポキシ樹脂組成物の各成分は、公知の方法により混合される。各種のミキサー、ロール、ルーダー等が用いられ、必要に応じて混合順序、時間、温度、気圧等の条件を制御することができる。また、エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、100〜1000Pa・s、特に300〜700Pa・sであることが好ましい。
【0043】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物の成形方法、成形条件は常法とすることができるが、好ましくは200℃以上の高温下で行われることが望ましい。加熱に際しては、温度制御が可能なフリップチップボンダー或いはIRリフロー炉が用いられる。
【0044】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、半導体素子の表面の被覆・封止、特にNo Flow型のアンダーフィル材、とりわけPbフリー型半田ボール用のNo Flow型アンダーフィル材として好適に用いられる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、潜在性と硬化性を兼ね備えるため、チップと基板の導通を得るために200℃以上の高温で加熱しても、導通以前に樹脂が硬化することはなく、且つその後の後硬化において十分に硬化しうる。
【0045】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0046】
[実施例1〜8、比較例1,2]
下記に示す各成分を表1及び表2に示す通りに配合し、ミキサーを用いて混合して、実施例1〜8、比較例1,2の樹脂組成物を得た。ここで、フラックス成分については予め硬化剤に溶解させた。これらの樹脂組成物について、下記に示す(a)乃至(f)の各試験を行い、表1及び表2の結果を得た。
【0047】
エポキシ樹脂A(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、当量170)
エポキシ樹脂B(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、当量155)
エポキシ樹脂C(下記式(13)で表されるナフタレン型エポキシ樹脂、当量136)
【0048】
【化18】
Figure 0003944736
【0049】
硬化剤D(フェノールノボラック樹脂、当量110)
硬化剤E(クレゾールノボラック樹脂、当量125)
硬化促進剤F(下記式(2)で表されるテトラフェニルホスフィン・p−フルオロフェニルトリフェニルボレート)
【0050】
【化19】
Figure 0003944736
【0051】
硬化促進剤G(下記式(3)で表されるテトラフェニルホスフィン・テトラp−フルオロフェニルボレート)
【化20】
Figure 0003944736
【0052】
硬化促進剤H(テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレート)
低応力剤I(下記式(14)で表される芳香族重合体と下記式(15)で表されるオルガノポリシロキサンとの共重合体、白色固体、重量平均分子量3800、エポキシ当量291)
【0053】
【化21】
Figure 0003944736
(但し、r:s=19:1、r+sは平均で5、繰り返しの順序は任意である。)
【0054】
低応力剤J(下記式(16)で表される芳香族重合体と下記式(17)で表されるオルガノポリシロキサンとの共重合体、白色固体、重量平均分子量2600、フェノール性水酸基当量336)
【化22】
Figure 0003944736
(但し、t:u=4:1、t+uは平均で3、繰り返しの順序は任意である。)
【0055】
フラックスK(下記式(18)で表されるアビエチン酸)
【化23】
Figure 0003944736
【0056】
シリカ(球状溶融シリカ、平均粒径2μm、最大粒径10μm)
カーボンブラック(電化ブラック、電気化学工業製商品名)
KBM−403(信越化学工業製シランカップリング剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
【0057】
(a)未硬化物の粘度
JIS K7117に従い、25℃での未硬化物の粘度を測定した。
【0058】
(b)半田ボールとの濡れ性
図1(a)に示すように、銅板1上に樹脂組成物2を0.5g滴下し、半田ボール(Sn/Ag/Cu=96.5/3.0/0.5、0.76mm径)3を載せた。IRリフロー炉(最高温度260℃)を通過させ、図1(b)に示すように硬化後の断面写真から接触角4を算出した。
【0059】
(c)反応性:DSC反応ピーク温度
樹脂組成物10mgについて、DSC測定を行った。
【0060】
(d)実装後の導通試験
図2に示すように、銅電極5を施したBT基板6上に実施例1〜8、比較例1、2の樹脂組成物2を滴下し、この上から半田ボール(Sn/Ag/Cu=96.5/3.0/0.5)3を施したチップ7を搭載し、230℃/0.1MPa/10秒の条件で半田ボール3を仮固定した。これをIRリフロー炉(最高温度260℃)を通過させて半導体装置を得た。
この半導体装置について導通試験を行い、導通するチップ数/総チップ数(20個)を測定した。
【0061】
(e)耐冷熱サイクル試験
上記と同様に作製した図2に示す半導体装置を−60℃/10分と150℃/10分を500回、1000回、2000回往復させ、クラック・剥離発生チップ数/総チップ数(10個)を測定した。
【0062】
(f)吸湿リフロー試験
上記と同様に作製した図2に示す半導体装置を85℃/85%RH/168時間の条件で吸湿させた後に、IRリフロー炉(最高温度260℃)を通過させ、クラック・剥離発生チップ数/総チップ数(10個)を測定した。
【0063】
【表1】
Figure 0003944736
【0064】
【表2】
Figure 0003944736
【0065】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、200℃以上の高温での潜在性と硬化性を両立し得、半導体素子の表面の被覆・封止、特にNo Flow型のアンダーフィル材、とりわけPbフリー型半田ボール用のNo Flow型アンダーフィル材として好適であり、このエポキシ樹脂組成物を用いて封止された半導体装置は、信頼性に優れるものである。
【0066】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における半田ボールとの濡れ性の測定方法の説明図であり、(a)は試験片の構成を示す概略斜視図であり、(b)は該試験片の接触角を示す概略断面図である。
【図2】本発明の実施例における試験に用いた半導体装置を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 銅板
2 樹脂組成物(アンダーフィル材)
3 半田ボール
4 接触角
5 銅電極
6 BT基板
7 チップ

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂
    (B)成分(A)の硬化剤
    (C)下記一般式(1)で表される硬化促進剤
    を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003944736
    (式中、R1〜R4は、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜10の一価炭化水素基であり、X1〜X4は、水素原子又はハロゲン原子であり、X1〜X4の少なくとも1つはハロゲン原子から選択される。)
  2. 成分(C)が、下記式(2)又は(3)で表されるものである請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0003944736
  3. 成分(B)が、フェノール樹脂である請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 芳香族重合体と下記平均組成式(4)で示されるオルガノポリシロキサンとを反応させて得られる共重合体を配合した請求項1,2又は3記載のエポキシ樹脂組成物。
    (R5a(R6bSiO(4-a-b)/2 (4)
    (式中、R5は水素原子、アミノ基,エポキシ基,ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基を含有する有機基、又はアルコキシ基であり、R6は置換又は非置換の一価炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、又はアルケニルオキシ基であり、a、bは、0.001≦a≦1、1≦b≦3、1≦a+b≦4を満足する正数である。また1分子中のケイ素原子数は1乃至1000であり、1分子中のケイ素原子に直結したR5数は1以上である。)
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物をアンダーフィル材として封止したフリップチップ型半導体装置。
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