JP3944725B2 - プロテクター装置およびプロテクター装置上のずり排出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル工事におけるプロテクター装置およびプロテクター装置上のずり排出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、トンネル改修・拡幅工事などのトンネル内の工事においては、トンネル内にプロテクター装置を設けて、一般車両・人の安全な通路・通行を確保していた(例えば、特開2001−82071公報(特許文献1)参照)。
図4は、従来のトンネル拡幅工事の車線幅方向断面の様子を示す説明図である。符号51は、プロテクター装置であり、車両54などが通行する通路を確保するために、車線幅方向に側壁部1a、1aが建てられ、それぞれの上部に天井部1bが接続されて通路が覆われている。プロテクター装置51の外部には、作業車両53などが作業を行っており、既設覆工55を破砕するなどのトンネル拡幅工事が行われる。符号20は、掘削ずりや既設覆工の取り壊しガラなどのずりである。
このように、特にトンネル拡幅工事においては、大規模な工事になるにもかかわらず工事期間中の交通を遮断しないことが強く望まれているので、通路を確保するためのプロテクター装置がトンネル内で大きなスペースを占めており、トンネル拡幅工事は、そのスペースを除いた限られた領域で効率よく行うことが必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトンネル工事にあっては、プロテクター装置の上部に落下した掘削ずりや既設覆工の取り壊しガラなどは、スペースに余裕があれば、小型機械に排土板を取り付けてプロテクター装置上部からずり排出していたが、スペースに余裕がないことが多く、そのため人手によってずり排出する作業に頼らざるを得ず、そのために作業の安全性が劣るという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであって、プロテクター装置の上部に落下する掘削ずりや既設覆工の取り壊しガラなどをプロテクター装置上部から、ずり排出するという人手による作業をなくすことを目的とする。
また、ずりを所定位置に排出することによって、狭いスペースでも安全にずり排出を行えるようにすることを目的とする。
また、上記の課題の解決を通じて、施工の効率と安全性を向上させることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備えて通路長手方向に延設されたプロテクター装置であって、前記天井部の上側に設けられ、トンネル内のずりを受けるずり受け板部材と、該ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させるずり受け板傾斜手段とを備えるとともに、該ずり受け板部材の傾斜方向下方に位置する前記側壁部の外側に、通路幅方向外側へ下側が張り出して傾斜可能とされた側板部材と、該側板部材の傾斜角を変更可能とする側板傾斜手段とを備え、前記ずり受け板部材が傾斜されたとき、前記側板傾斜手段によって前記側板部材の傾斜角を所定角度に広げる構成を用いる。
そのため、ずり受け板部材上に落下する掘削ずりや既設覆工の取り壊しガラなどのずりを、ずり受け板傾斜手段を用いて、ずり受け板部材を傾斜させることによって、プロテクター装置上から通路幅方向左右のいずれかまたは双方の位置に落下させることができる。
また、ずり板傾斜部材が傾斜されてずりが落下する際、側板傾斜手段によって側板部材の傾斜角を所定角度に広げるように張り出されるので、ずりが所定角度に案内されて落下させられる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備えて通路長手方向に延設されたプロテクター装置であって、前記天井部の上側に設けられ、トンネル内のずりを受けるずり受け板部材と、該ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させるずり受け板傾斜手段とを備えるとともに、該ずり受け板傾斜手段が、前記ずり受け板部材を傾斜させ、さらに前記傾斜方向下方側に向けて移動される構成とされた構成を用いる。
そのため、ずり受け板部材上に落下する掘削ずりや既設覆工の取り壊しガラなどのずりを、ずり受け板傾斜手段を用いて、ずり受け板部材を傾斜させることによって、プロテクター装置上から通路幅方向左右のいずれかまたは双方の位置に落下させることができる。
また、ずりの水平方向の排出位置をプロテクター装置の側壁部から離れた位置に設けることができる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備え、該天井部の上側にトンネル内のずりを受けるずり受け板部材を備えて、通路長手方向に延設されたプロテクター装置における前記ずり受け板部材のずりを排出するプロテクター装置上のずり排出方法であって、ずり受け板傾斜手段を用いて、前記ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させることにより、前記ずりを前記プロテクター装置における前記ずり受け板部材から排出し、前記ずり受け板部材から排出したずりを、前記側壁部から通路幅方向外側下方に所定角度傾斜される側板部材を張り出して、所定角度方向に案内して排出する方法を用いる。
そのため、ずりをずり受け板傾斜手段を用いて、ずり受け板部材を傾斜させることによって、プロテクター装置上から通路幅方向左右のいずれかまたは双方の位置に落下させることができる。
また、ずり板傾斜部材が傾斜されてずりが落下する際、ずりが所定角度に案内されて落下させられる。
【0010】
請求項4に記載の発明では、トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備え、該天井部の上側にトンネル内のずりを受けるずり受け板部材を備えて、通路長手方向に延設されたプロテクター装置における前記ずり受け板部材のずりを排出するプロテクター装置上のずり排出方法であって、ずり受け板傾斜手段を用いて、前記ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させつつ、
さらに前記ずり受け板部材を傾斜方向下方側に移動して、前記ずりを排出する方法を用いる。
そのため、ずりをずり受け板傾斜手段を用いて、ずり受け板部材を傾斜させることによって、プロテクター装置上から通路幅方向左右のいずれかまたは双方の位置に落下させることができる。
また、ずりの水平方向の排出位置をプロテクター装置の側壁部から離れた位置に設けることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を通して、同一または相当する部材は、同一の符号を付している。
図1〜3(a)は、本発明に係るプロテクター装置の構成を示す車線幅方向の断面図である。また、図1〜3(b)は、本発明に係るプロテクター装置の動作を説明するための車線幅方向の断面図である。
【0012】
まず図1に示した、本発明に係るプロテクター装置の第1の実施の形態を説明する。
プロテクター装置30は、トンネル奥行き方向(図示紙面奥側方向)に延ばされ、車線幅方向に対向された側壁部1a、1aと、その上端にそれぞれ接続された天井部1bとを備え、コの字状断面が形成されたものである。天井部1bの上側には、ずり20を受けるためのずり受け板部材2を設けられ、一方の側壁部1aには、回動可能に支持された側板部材4が設けられている。
【0013】
側壁部1aと天井部1bは、例えば鋼板や形鋼材を加工して、適宜の強度を備えるよう製作されたパネル部材を組み合わせて構成されており、道路上に移動可能に固定されている。そして、その内部を通行する車両・人を保護するために必要な強度を備え、側壁部1aまたは天井部1bの内側には、必要に応じて照明装置、換気装置などが配置される(いずれも不図示)。
なお、側壁部1aと天井部1bは、以下に説明する本発明の、別のプロテクター装置にも共通なので、以下ではその説明は省略する。
【0014】
ずり受け板部材2は、板部材がトンネル奥行き方向に延ばされ、車線幅方向の一方の端部が天井部1bと、例えばヒンジ結合などの回動支点によって回動支持され、他方の端部が天井部1bに固定されたジャッキ3(ずり受け板傾斜手段)によって鉛直方向に支持されている。
【0015】
ずり受け板部材2は、上方から落下するずり20などを受けるために、その落下衝撃力に耐え、所定の荷重を受けても大きくたわまない、強度・剛性を備えた板部材で構成される。例えば鋼板や形鋼材を加工して製作されたパネル部材などが採用できる。
【0016】
ジャッキ3は、その起重力が十分であればどのような方式のジャッキであってもよく、例えばパンタグラフ装置も採用できる。また、遠隔操作可能なジャッキであれば、人手を近傍に配してジャッキの上昇作業をしなくてよいのでさらに好都合である。
【0017】
側板部材4は、板部材の上端部が側壁部1aに、例えばヒンジ結合された回動可能に支持され、下端部がジャッキ5(側板傾斜手段)で支持されている。そのため、下端部がジャッキ5によって車線幅方向外側に移動されると側板部材4が車線幅方向外側に張り出して傾斜される構成となっている。
【0018】
なお、側板部材4は、天井部1bにヒンジ結合されていてもよい。いずれの場合でも、側板部材4のヒンジとずり受け板部材2のヒンジは隣接するように設けられることが好ましい。
【0019】
次に、プロテクター装置30を用いて行う、本発明に係るプロテクター装置上のずり排出方法を、プロテクター装置30の動作とともに説明する。
通常状態では、図1(a)に示したように、ジャッキ3が下がりきった状態にあり、ずり受け板部材2はほぼ水平状態、すなわち、ずり20が受けられた状態で、重力によってずり20が転がり落ちない程度の水平状態に置かれる。(なお、図1(a)の傾斜は誇張してある。また図面左側のヒンジ部分の高さをジャッキ3と同じにしておけば、ずり受け板部材2は完全に水平になることは言うまでもない。)そのため、トンネル内の上方から落下したずり20は、ずり受け板部材2上に堆積してゆくものである。
【0020】
次に、ずり排出時には、まずジャッキ5を車線幅方向外側に駆動して、側板部材4を所定角度まで傾斜させる。次にジャッキ3を鉛直方向に駆動して、ずり受け板部材2を所定角度に傾斜させる。なお、両者の駆動は、同時または並行的に行ってもよい。
【0021】
すると、図1(b)に示したように、ずり受け板部材2が傾斜することにより、ずり20を傾斜方向下方に転動または滑落する。そして、その回動支点に隣接し、側壁部1aの外側の下方に広げられた傾斜が形成されている側板部材4を案内面として、転動または滑落を続ける。そして、側壁部1aから所定距離離れた位置のトンネル内の地面などにずり20が落下する。
【0022】
したがって、プロテクター装置上部という高所から、重量物を人手によって扱うことなく、ずり20を排出できる。また、この排出では、側板部材4の傾斜角を所定角度に固定する結果、ずり20の地面への落下位置がほぼ一定とされるので、その位置にベルトコンベアなどの搬送装置を設けておけば、抗口への搬出も人手を介さずに行うことができる。
【0023】
また、側壁部1aから離れた位置にずり20が落下するから、プロテクター装置30に当たってプロテクター装置30内を通行する車両や人に不安感をあたえることがなく、プロテクター装置30の設置位置にずり20が埋もれてプロテクター装置30の移動の支障になることがない。
【0024】
次に、本発明に係るプロテクター装置の第2の実施の形態を説明する。
上記の第1の実施の形態の説明では、ずり受け板部材2のずり受け板傾斜手段は、ずり受け板部材2の端部を持ち上げる例を挙げたが、本第2の実施の形態では、ずり受け板部材2の端部を沈み込ませるずり受け板傾斜手段とした。
【0025】
図2にこのような例として、プロテクター装置31を示した。
プロテクター装置31では、ずり受け板部材2は一方の端部が支持部材6により、天井部1bよりも上方に支持されており、ずり受け板部材2の他方の端部が中折れリンク機構8によってずり受け板部材2を水平に支持されている。本実施の形態では、油圧シリンダ7と中折れリンク機構8とがずり受け板傾斜手段を構成する。
【0026】
中折れリンク機構8は、ずり受け板部材2の他方の端部とヒンジ結合されたアーム8aと、天井部1bの端部とヒンジ結合されたアーム8bと、それぞれの他方の端部がリンク支点8cでヒンジ結合されたリンク機構である。リンク支点8cには、天井部1bの上部に回転支点7aに固定されて設けられた油圧シリンダ7とロッド7bを介して結合されている。油圧シリンダ7がロッド7bを車線幅方向に油圧駆動されることにより、中折れリンク機構8のアーム8a、8bを車線幅方向内側(図示の右側)にのみ屈折可能とされている。
【0027】
このように構成すれば、通常状態では、図2(a)に示したように、ロッド7bを車線幅方向外側に延ばして、中折れリンク機構8を鉛直方向に直列させ、支持部材6とともに、ずり受け板部材2を水平に支持することができる。また、ずり排出時は、図2(b)に示したように、中折れリンク機構8のリンク支点8cを油圧シリンダ7により、車線幅方向内側に引いて屈折させ、結果として、ずり受け板部材2の図示左側を沈み込ませることにより、ずり受け板部材2を傾斜させることができる。
【0028】
本実施の形態において、側板部材4、ジャッキ5は、プロテクター装置30と同様に、側壁部1aに設けておいてもよいが、ずり受け板部材2の傾斜面と、側板部材4の傾斜面に段差を減らしてずり20の転動・滑落が円滑に行われるように、ずり受け板部材2のアーム8aと結合している端部と側板部材4の上端を隣接させるよう構成すると、さらに好都合である。
【0029】
このように板部材を沈み込ませて傾斜させる利点は3つある。第1に、重いものを持ち上げる必要がないので、持ち上げて傾斜させる場合に比べて仕事量が少なくて済み、そのために装置が小型軽量化できる。第2に、ずりなどの受ける位置を、その機構上、天井部1bよりかなり高くしておくため、ずり受け板部材2までの落下距離が短く、したがって、ずり受け板部材2への落下時の衝撃が少なくて済むため、ずり受け板部材2の強度・剛性を低く設計することができる。第3に、ずりなどの落下音が小さくなり、衝撃も間接的となるため、プロテクター装置下を通過する車両・人への不安を和らげることができる。
【0030】
なお、上記の説明では、いずれも、側板部材4と側板傾斜手段としてジャッキ5を備えたものとして説明した。このように構成すれば、ずり20が側板部材4の傾斜角によって適宜の位置に案内されるので好都合である。しかし、側板部材4を備えなくとも、ずり受け板部材2の傾斜角が決まっているから、程度はやや劣るもののトンネル地面のほぼ同じ位置に落下される。したがって比較的ラフな精度で人手を介さずにプロテクター装置上のずり排出を行うには、上記において、側板部材4とジャッキ5を取り去った構成を用いてもよい。そうすれば装置の構成が簡素化される利点がある。
【0031】
次に、図3を参照して、本発明に係るプロテクター装置の第3の実施の形態を説明する。
図3に示したプロテクター装置32は、ずり受け板部材2を一方の端部を沈み込ませて傾斜させるとともに、水平方向へ移動させることが可能とされたずり受け板傾斜手段を備える例である。
【0032】
プロテクター装置32では、ずり受け板部材2の一方の端部に車輪9を設けて、必要な高さを確保する案内部材10の上をその面に沿って移動することができる。ずり受け板部材2の他方の端部は、ヒンジ11aを介してアーム11に、アーム11はヒンジ11bを介して天井部1bに回動可能に結合され、アーム11には、ロッド7bを介してヒンジ11cに作用する油圧シリンダ7が設けられている。油圧シリンダ7の作用により、ロッド7bが伸縮され、アーム11がヒンジ11bを中心に回動できる構成とされている。
【0033】
このように構成すれば、ずり受け板部材2の端部にあるヒンジ11aが、アーム11の図示反時計回りの回動につれて移動された場合、ずり受け板部材2の他方の端部は案内部材10の高さを維持して水平に移動する。つまり、ずり受け板部材2は、図示の左側に水平移動されながら、その左端が沈み込んでいくものである。したがって、本実施の形態でのずり受け板部材傾斜手段は、油圧シリンダ7と、案内部材10と、アーム11とから構成されている。
【0034】
本実施の形態のプロテクター装置32では、ずり受け板部材2を傾斜させることで、ずり20を転動・滑落させるが、合わせてずり受け板部材2を水平移動させることにより、ずり20の落下口となるずり受け板部材2の傾斜方向端部を、側壁部1aより車線幅方向外側の一定位置に位置させ、ずり20を側壁部1aから離れた所定位置に落下させるずり排出を、人手によらず実現することができる。
【0035】
上記第1、2の実施の形態において、ずり受け板部材の傾斜手段を片側に設けているが、これを双方に設けておき、左右いずれの向きに傾斜させるか自由に選択できるようにしてもよい。この場合、施工の進行を見計らって、空いたスペースの側を選んで、ずり20などを排出できる利点がある。
【0036】
その他、上記第1、2、3の実施の形態でのプロテクター装置のずり受け板部材2や側板部材4の奥行き方向の構成は、適当な大きさに分割してもよい。そして、それぞれのずり受け板部材2や側板部材4の駆動を別々に行うことができる。このことにより、一度に排出するずりの量が少なくなって、より安全であり、また実際にずりは均等に発生するものではないので、これによれば、堆積した場所のみの排出を行うことができ、効率的である。
【0037】
それから、上記第1、2、3の実施の形態において、これらのずり受け板部材2、側板部材4、ジャッキ3、油圧シリンダ7、中折れリンク機構8、案内部材10、アーム11を、側壁部1a、天井部1bにそれぞれ直接固定せずに、別部材を使うなどして、ずり排出機構として一体化して、側壁部1aや天井部1bに着脱自在に結合できるようにすれば、施工が完了し、ずり20などの重量物が落下するおそれがなくなった工事区域から、これからずり等を排出する工事区域にずり排出機構のみを移動することができて機材の有効利用を図ることができる。
【0038】
また、上記第1、2、3の実施の形態において、傾斜を片側にしているが、例えばトンネル幅が広い場合は、片側だと勾配が取れない場合があるので、これらのずり受け板部材2を左右に分割し、そして、第1の実施の形態であれば、ずり受け板傾斜手段を中央部に一つあるいはずり受け板部材と同様に左右に設けて、第2の実施の形態であれば、ずり受け板傾斜手段を左右に設けて、第3の実施の形態であれば、ずり受け板傾斜手段の内、案内部材10を中央に、そして油圧シリンダ7とアーム11を左右に設けることにより、ずり受け板部材を片側だけでなく双方に傾斜させるようにしてもよい。
【0039】
さらに、上記第1、2、3の実施の形態において、ずり受け板部材2に振動を与える装置を設ければ、傾斜が緩くても効率的にずりが排出できる。
【0040】
そして、上記第1、2、3の実施の形態において、プロテクター装置は側壁部1aと天井部1bのコの字状のパネル構造になっているが、車両・人の通行の安全を確保できるものであれば、この形状に限るものでないことは言うまでもない。例えば、アーチ形状であって、側壁部1aと天井部1bとが別部材に分離されていない構成でもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、ずりを、ずり受け板傾斜手段を用いて、ずり受け板部材を傾斜させることによって、プロテクター装置上から通路幅方向左右のいずれかまたは双方の位置に落下させることができるから、プロテクター装置上部からのずり排出は人手によらずに行うことができ、安全なずり排出作業が行えるという効果を奏する。
また、ずり板傾斜部材が傾斜されてずりが落下する際、側板傾斜手段によって側板部材の傾斜角を所定角度に広げるように張り出されるので、ずりが所定角度に案内されて落下させられるから、ずりを側壁部から離して、しかもずりの落下位置が安定して回収が容易となるという効果を奏する。
【0043】
請求項2に記載の発明では、ずりを、ずり受け板傾斜手段を用いて、ずり受け板部材を傾斜させることによって、プロテクター装置上から通路幅方向左右のいずれかまたは双方の位置に落下させることができるから、プロテクター装置上部からのずり排出は人手によらずに行うことができ、安全なずり排出作業が行えるという効果を奏する。
また、ずりの水平方向の排出位置をプロテクター装置の側壁部から離れた位置に設けることができるから、ずりを落下させる手段とずりを側壁部と離れた一定位置に排出する手段を兼ねることができるという効果を奏する。
【0044】
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同じ効果を奏する。
【0045】
請求項4に記載の発明では、請求項2に記載の発明と同じ効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るプロテクター装置の、第1の実施の形態の構成と動作を説明するための車線幅方向の断面図である。
【図2】 本発明に係るプロテクター装置の、第2の実施の形態の構成と動作を説明するための車線幅方向の断面図である。
【図3】 本発明に係るプロテクター装置の、第3の実施の形態の構成と動作を説明するための車線幅方向の断面図である。
【図4】 従来のトンネル拡幅工事の車線幅方向断面の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1a 側壁部
1b 天井部
2 ずり受け板部材
3 ジャッキ(ずり受け板傾斜手段)
4 側板部材
5 ジャッキ(側板傾斜手段)
8 中折れリンク機構(ずり受け板傾斜手段)
9 車輪
10 案内部材
20 ずり
30、31、32、51 プロテクター装置
Claims (4)
- トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、
通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備えて通路長手方向に延設されたプロテクター装置であって、
前記天井部の上側に設けられ、トンネル内のずりを受けるずり受け板部材と、
該ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させるずり受け板傾斜手段とを備えるとともに、
該ずり受け板部材の傾斜方向下方に位置する前記側壁部の外側に、
通路幅方向外側へ下側が張り出して傾斜可能とされた側板部材と、
該側板部材の傾斜角を変更可能とする側板傾斜手段とを備え、
前記ずり受け板部材が傾斜されたとき、前記側板傾斜手段によって前記側板部材の傾斜角を所定角度に広げることを特徴とするプロテクター装置。 - トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、
通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備えて通路長手方向に延設されたプロテクター装置であって、
前記天井部の上側に設けられ、トンネル内のずりを受けるずり受け板部材と、
該ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させるずり受け板傾斜手段とを備えるとともに、
該ずり受け板傾斜手段が、前記ずり受け板部材を傾斜させ、さらに前記傾斜方向下方側に向けて移動される構成とされたことを特徴とするプロテクター装置。 - トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、
通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備え、該天井部の上側にトンネル内のずりを受けるずり受け板部材を備えて、通路長手方向に延設されたプロテクター装置における前記ずり受け板部材のずりを排出するプロテクター装置上のずり排出方法であって、
ずり受け板傾斜手段を用いて、前記ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させることにより、前記ずりを前記プロテクター装置における前記ずり受け板部材から排出し、
前記ずり受け板部材から排出したずりを、
前記側壁部から通路幅方向外側下方に所定角度傾斜される側板部材を張り出して、所定角度方向に案内して排出することを特徴とするプロテクター装置上のずり排出方法。 - トンネル工事においてトンネル内の車両・人の通路を確保するために、
通路幅方向左右にそれぞれ設けられた側壁部と、該それぞれの側壁部と接続されて上部を覆う天井部とを備え、該天井部の上側にトンネル内のずりを受けるずり受け板部材を備えて、通路長手方向に延設されたプロテクター装置における前記ずり受け板部材のずりを排出するプロテクター装置上のずり排出方法であって、
ずり受け板傾斜手段を用いて、前記ずり受け板部材を通路幅方向左右のいずれかまたは双方に傾斜させつつ、
さらに前記ずり受け板部材を傾斜方向下方側に移動して、
前記ずりを排出することを特徴とするプロテクター装置上のずり排出方法。
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