JP3944235B2 - サンプルの核四極子共鳴テスト方法 - Google Patents

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Description

本発明は、サンプルを核四極子共鳴(NQR)テストする方法および装置、ならびに核四極子共鳴(NQR)を励起するするためのパルス・シーケンスに関する。本発明は、特に、サンプル中の所与の物質の存在の検出に対する特定の用途を有する。サンプルは、整数または半整数のスピン量子数(I≧1/2)の核を含み、あるいは含みやすい。
NQRテストは、特定の物質の存在即ち性質を検知するために用いられる。このテストは、四極子核(quadrupolarnuclei)のエネルギ準位に依存し、この核はその14Nが一例(I≒1)である1/2より大きなスピン量子数Iを有する。14Nの核は、動物の組織、骨、食品、爆発物および薬品を含む広範囲の物質に存在する。本発明の手法の1つの特定の用途は、爆発物または麻薬のような物質の存在の検知にある。この検知は、空港における荷物について、あるいは人体に隠されたり地面その他に埋設された爆発物または薬物についてである。
従来の核四極子共鳴テストにおいては、サンプルが無線周波(r.f.)コイル内またはその付近に配置され、検知されるべき物質における四極子核の共鳴周波数かあるいはこれに非常に近い周波数を有する電磁放射線のパルスまたはパルスーシーケンスで照射される。物質が存在する場合、照射エネルギは、サンプルを包囲するコイルに電圧信号を共鳴周波数で誘起でき、従って各パルス後減衰期間中に自由誘導減衰(f.i.d.)として、あるいは2つ以上のパルス後に1つのエコーとして検知できる歳差磁化(precessingmagnetization)を生じることになる。これらの信号は、f.i.d.に対する時定数T*、パルス間隔(pulse separation)の関数としてエコー振幅に対するT、およびT2c、およびパルスまたはパルス・シーケンスの終了後は元の信号の回復に対するTに依存する速度で減衰する。
(Buess等の)米国特許第5,365,171号に記載される如く、スプリアスな干渉信号(「リンギング」とも呼ばれる)は時に、核共鳴で直接には関連しないNQRテスト中に、サンプルから生じ得る。
例えば、干渉問題を生じ得る材料の1つのグループは、金属導体を含む。このような材料は、一般に荷物中の多くの種類の物品において見つけられる。サンプルが別の材料上のメッキ層として金属材料または強磁性体を含む時に、干渉が特に顕著であることが判り、特に、メッキ層がニッケルを含む時にこのことが判った。このような問題を特に免れない物品は、ねじまたはキー・リング(key−ring)を含む。この種の干渉の原因は証明されていないが、それがサンプル・コイルのB磁界における強磁性または類似の共鳴作用から生じるもので、かつ磁気音響リンギングの形態によるものと考えられる。このような干渉は使用される特定の検知装置の人為的結果ではなく、材料自体の特徴であることが強調されるべきである。また、サンプル中の特定物質の存在の検知関連において、これは通常は検知されるべき特定の核種ではなく、干渉信号を生じることになるサンプルの残りの部分であることも理解されよう。
特別な場合として第1のグループに含まれるのは、磁石と磁性体である。このような磁石は、前項に述べたものと類似する干渉作用を生じ得る。干渉問題を生じ得る更に別の材料グループは、機械的共鳴を生じる圧電物質のような物質を含む。例えば、砂中のシリカは、5MHzのr.f.周波数で干渉を生じ得る。
更にまた、上記物質ならびに他の多くの物質は、先に述べたスプリアス(spurious)な干渉信号以外の干渉問題を生じ得ることに注意すべきである。特に、これら物質は、核共鳴信号を検知するため用いられるr.f.プローブの負荷を変化させ得る。従って、このプローブは、再同調する必要があり、そして(または)その特性値がテストされるサンプルの性質に従って調整される。
スプリアスな干渉信号(即ち「人工物」)は、一般に真のNQR信号に非常に似た減衰特性を呈し、更に、しばしば何倍も強く、数ミリ秒間継続し得る。干渉信号の位相および1つの無線周波励起パルスに続く共鳴応答信号の位相は、パルス内のr.f.位相によって完全に決定される。しかし、1つの重要な相違がある。2つ以上のパルスが用いられる時、NQR応答信号の位相は、自由誘導減衰(f.i.d.)かエコーであるとを問わず、直前のパルスの相対位相により略々完全に定まる干渉信号の相対位相とは異なり、2つの前のパルスの相対位相に依存する。
この相違は、NQR応答信号から干渉信号を除去しようとする試みにおいて前掲の米国特許において検討されている。この堤案された解決法は、位相が変更する励起パルスの連続的な使用と、種々のパルスに関する応答信号の付加または減殺とを含み、これがスプリアス信号を低減する効果を有する。
前掲の米国特許もまたスプリアスなリンギングの問題に対する解決法を記載しているが、実施において、この解決法が、1つの特定の位相が変更するパルス・シーケンスを使用することに限定される点で多用性に欠けることが判った。このシーケンスは、全ての状況においてほとんど良好であるとは言えない。
実際に、かつ特に、当該米国特許において堤案された手法は、使用される位相変更シーケンスにおける隣接パルス間の間隔が干渉信号の減衰時間より長くなければならないという制約を持つことが判った。この米国特許の教示とは対照的に、最初のパルスに応答して生成される干渉信号が異なる位相の以降のパルスにわたって残存してこのパルスに続いて検知されるものとすれば、干渉信号の一部が、応答信号から差し引かれるのではなく、この信号に実際に付加されることになる。このことは、非常に厳しい制約を当手法の感度に課す。
また、前記米国特許に堤案された手法は、励起パルスの位相におけるエラーのような全てのスプリアスな機器的人工要素を完全に打ち消すことができないことが判った。
本発明は、上記および他の問題を解消することを探求するものである。
本発明によれば、四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの応答信号に干渉するスプリアス信号を生じ得る第2の種類の物質とを含むサンプルを核四極子共鳴テストする方法であって、
少なくとも1対のパルスを含むパルス・シーケンスをサンプルへ印加して、核四極子共鳴を励起するステップと、
応答信号を検知するステップと、
前記の対のパルスごとに、この対のパルスの2つの要素に続く各応答信号を比較するステップと
を含み、
前記パルス・シーケンスが、前記2つの要素のパルスに続く各スプリアス信号を、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく、比較によって少なくとも部分的に打ち消すことができ、かつ
かかる対のパルスごとに、2つの要素パルスが類似の位相である
方法が提供される。
2つの要素パルスの特徴が類似する位相(「位相等化」の原理(phase equivalence))であることにより、前記対のパルスごとに、本発明は、これまで可能であったより著しく有効にスプリアス信号を打ち消すことができる。
類似位相(like phase)とは、位相が、90°より小さく、望ましくは45°または30°、あるいは15°、あるいは更に5°より小さく異なることを意味することが望ましい。
位相の相違または等価であるとの本文における表現が、位相の変化が少なくとも周波数における瞬時の変化を示唆し、あるいはその反対である点で周波数が相違しあるいは等価であることの表現に等しいことが理解されよう。
対の要素パルスは、必ずしも、あるいは更に通常は、相互に隣接しない。これらのパルスは、実際に、異なる個々のパルス・シーケンスにおける対応パルスであるか、あるいは同じパルス・シーケンスにおける異なるパルスであり得る。
通常は、多数のパルス対が提供される。種々のパルス対が非常に異なる時点で印加されるので、比較ステップは、関連信号の格納された表示を用いて行われる。
このような各対のパルスごとに、対のパルスの各要素パルスに先行する(必ずしも直前ではない)各パルスが異なる位相であることが望ましい。これは、スプリアス信号が少なくとも部分的に打ち消すことを保証する好都合な方法である。位相を変えることとは、位相が少なくとも90°、望ましくは少なくとも135°、更に望ましくは180°まで異なることを意味することが望ましい。スプリアス信号を打ち消すことができるよにNQR応答信号を変えさせる他の方法もまた、対のパルスの1つの要素前に飽和パルス列を使用すること、あるいは対のパルスの当該一要素前の磁化の反転を使用することのように可能である。
このようなパルスの各対が第1の種類であり、かつパルス・シーケンスが、第1の種類の各対に対応するが巡回するパルスを有する更なる第2の種類のパルス対を更に含むことが望ましい。
位相の巡回は、本発明の重要な特徴である。これは、干渉信号の除去を助けるのみならず、基線のドリフトおよびエラーの除去、ならびに個々の励起パルスにおける位相エラーのような小さな欠陥により生じる問題の解決を助けることができる。
一般に「サイクロップ(Cyclops)」と呼ばれる位相巡回手法が、NMR分野で知られている。しかし、この手法は、本手法とは密接に関連するものではなく、特に、干渉信号の除去はできない。
位相巡回特性の望ましい一変更例において、第1および第2の個々のパルス・シーケンスが提供されるならば、また第1および第2の個々のパルス・シーケンスが一緒にかかるシーケンスの第1の対を形成するならば、別の個々のパルスーシーケンスの第2の対が提供され、第2の対における各パルスに続く次の各パルスの位相は、最初の対における対応パルスの位相とは異なる。個々のパルス・シーケンスの第2の対の2つの初期の各パルスの位相は、最初の対における対応パルスの位相と直交状態にある。各対の異なる組の位相とは別に、異なる対における対応するパルス・シーケンスは同じであることが望ましい。
本発明は、360°の範囲にわたる種々のパルスの位相の適切な巡回(cycling)により、個々のパルス・シーケンスの2つの対あるいは4つの対のいずれかが提供される位相巡回手法の変更例を提供する。更に一般的には、n対の個々パルス・シーケンスが提供されるならば、各対における対応する個々のシーケンスの初期パルスに続く次の各パルスが、360°の範囲にわたり均等に分布される位相を有する。望ましくはnは2または4であるが、6または8のような他の値もとることができる。
本発明の別の重要な望ましい特徴は、かかるパルス対ごとに、対の各要素パルスに先行する各パルスと、対の各要素パルスに続く各応答信号の検知ステップにおける検知との間の時間が、この時間の終りまでに、スプリアス信号がその初期値の50%(望ましくは、30より低い、20%または10%)より低くく減衰するのに充分であることである。また、(提供されるならば)各個のパルス・シーケンスごとに、初期パルスの終りと前記シーケンスに対する検知の初めとの間に予め定めた期間の遅れがあることが望ましい。
時間または遅延期間の賢明な選択により、これはスプリアス信号を除去するか低減するための好都合な別の手法となり得る。以下に示すように、このような時間または遅延の導入がパルス・シーケンスの残部の適正な機能に妨げとならずに済む。
前記時間または遅延は、干渉信号を実質的に除去するのに充分であり、更に望ましくはこれを除去するのにちょうど充分なだけであることが望ましい。
望ましい実施形態においては、各個のパルス・シーケンスごとに2つの個々のパルス・シーケンスが提供されるならば、このシーケンスに対する検出は、初期パルスに続く次のパルスの終り後にのみ開始する。このことは、本発明を実施する特に便利な方法であることが判った。まず、これは必須の遅延を生じる簡単な方法である。第二に、いかなる場合も、この信号にとって干渉信号と核共鳴応答とを弁別することができないという外ならぬ理由により、初期パルスに続く信号を取得するには通常は適切ではない。
別の重要な望ましい特徴は、パルス・シーケンスが第1および第2の個々のパルス・シーケンスを含み、各々が第1の個々のパルス・シーケンスの場合に各対の1つの各要素パルスが後続し、かつ第2の個々のシーケンスの場合は各対の他の各要素パルスが後続する初期パルスを含み、第1および第2の個々のシーケンスの初期パルスが位相に関して相違していることである。
パルス・シーケンスの後期部分ではなく各個のパルスーシーケンスの初期部分において初期パルスを用いて励起の位相を決定することによって、本発明は、どのパルス・シーケンスが初期パルスに続くように選定できるかについてかなりの多岐性を供し得る。また、シーケンスの初期部分で位相を変更することにより、各シーケンスが構成される以降の種々のパルス間の分離に対してもはや制限の必要がない。このことは、(以下に述べるように)特に低いフリップ角が使用される場合に、これまで得られたより実質的に更に高感度なテストを供し得る。
述べたばかりの特徴によれば、各々が少なくとも1つの他のパルスが後続する(初期パルスを含み、第1および第2の個々のシーケンスにおける各初期パルスが位相に関して相違する、第1および第2の個々のパルスーシーケンスを含むパルス・シーケンスをサンプルに印加するステップと、かつ
第1および第2の個々のシーケンスに応答して生成された各信号を検出するステップと
を含むサンプルを核共鳴テストする方法が提供されることが望ましい。
第1および第2の個々のシーケンスにおける各初期パルスが、同位相であることが望ましいが適当に反位相にあって、干渉信号の実質的に完全な除去を可能にする。
初期パルスは、典型的にシーケンスにおける残りのパルスとは異なる特性を有する(通常は、その後で信号が得られない)準備パルス(preparation pulse)として見なされる。例えば、またおそらくは最も重要であるが、各初期パルスが、同じ個々のシーケンスで後に続く更に他のパルスと異なる位相を有することが望ましい。このことは、高感度のテスト結果を獲得する上で重要な特徴となることが判っ々このことが2つのパルス間の任意の位相関係となることが判ったため、初期パルスの位相がシーケンスにおける次のパルスの位相と直交関係にあることが特に望ましい。
更に通常には、初期パルスはいずれも個々のシーケンスにおける任意の更に他のパルスと同じ位相を持たない。しかし、この特徴はつねに必要ではない。例えば、米国特許第5,365,171号において示唆された如き位相が変更するシーケンスは、第1および第2の両方の各個パルス・シーケンスに対して異なる位相の初期準備パルスと組合わせて使用することもできる。このことは、前記米国特許に勝る機器的な人工物を多かれ少なかれ完全に取除く利点となる。
更に他の望ましい特徴は、便利なように、各個のシーケンスで、同じシーケンスにおける各々が同じ位相を持つ複数の更なるパルスが提供されることである。これは、2つの理由から重要な特徴である。第一に、このことが本発明を実施する際により簡単にすることができる。第二に、かつおそらくは更に重要なことだが、このことが、干渉信号を取除きながら核共鳴信号を補強することができる方法で他の各パルスからの信号の蓄積を可能にし得る。
望ましい実施形態において、他の全てのパルスが初期パルスの位相と直交関係にある位相を有するも、2つの初期パルスは位相において180°だけ異なる。
望ましくは、パルス・シーケンスは、(少なくとも1つの)第1のパルスと、1つの第2のパルスとを含み、第2のパルスは第1のパルスにより生じる(四極子核の)磁化を少なくとも部分的にロックする。このようなシーケンスは、「スピン・ロッキング」シーケンスと呼ばれ、磁化が等化の単一パルスで得られるよりも長い時間にわたりロックされる。ロッキングは、Bフィールドを磁化に並列に保持することにより得ることができ、このためには第2のパルスが第1のパルスと位相において略々45°ないし180°だけ、望ましくは70°ないし135°だけ、更に望ましくは80°ないし110°だけ異なることを要求し得る。前記スピン・ロッキング・シーケンスは、第1のパルスの自由誘導減衰時間T*を(2倍、3倍、あるいは更に5倍を)越えた、あるいは実におそらくはスピン・スピン緩和時間Tを越えた磁化をロックすることが可能であるという重要な利点を有する。少なくとも、磁化はある小さな数、例えばT*の1/10、1/4、あるいは1/2の間ロックされる。
第1の望ましい実施形態においては、第1および第2のパルス間の時間は、第2のパルスの長さより短い。第1および第2のパルス間の時間は小さく、通常は、第1あるいは第2のパルスのいずれかの長さの望ましくは50%より小さく、あるいはその25%より小さい。この時間は、実際には、ゼロであるかあるいはできるだけゼロに近いことが望ましく、即ち、パルスが連続していることが望ましい。第1および第2のパルスの各々は、それ自体、複数のパルスまたはパルス要素を含む。
重要な特徴は、独立型に提供される。従って、本発明の密に関連する特質によれば、
少なくとも第1のパルスと第2のパルスとを含み、第1および第2のパルス間の間隔が第2のパルスの長さより小さく、第2のパルスが第1のパルスにより生成される磁化を少なくとも部分的にロックする、パルス・シーケンスをサンプルに印加して核四極子共鳴を励起するステップと、
応答信号を検出するステップと
を含む四極子核を含むサンプルを核四極子共鳴テストする方法が提供される。
望ましくは、第2のパルスの長さは、前記四極子核のT1ρの値の5倍より小さく、ここでT1ρは、印加されたBフィールドにおける長手方向の磁化の減衰時間として(NMRとのアナロジーにより)定義される。特に、この長さは、T1ρの3倍、1倍、0.5倍、0.3倍、あるいは0.1倍より小さい。このように、利用可能なテスト時間の有効な使用が可能であり、スピン・ロッキング・シーケンスを任意のテスト条件下で操作することができる。
第1の望ましい実施形態の1つの変更例において、(「分相パルス」と呼ばれる)第2のパルスは、その第2のパルスの位相は代替的に均等であるが、2つの位相要素を含む。前者の代替例は、オフ共鳴条件で働くことが要求されるならば、更に著しく有効であり得る。この代替例においては、第1および第2の個々のパルス・シーケンスが与えられて一緒に第1の対のこのようなシーケンスを形成するならば、反転位相における位相の順序が第1の対に対する反転位相における位相の順序と異なる、第2の対の個々のパルス・シーケンスが与えられることが望ましい。このような特徴により、位相反転におけるタイミングまたは位相のエラーを補償することができる。
この第3の要素は、磁化に更なるロックを提供することにより感度を強化することができる。第3の要素の位相は、第1および第2の要素の位相間にあり、かつ両者が典型的に90°離れていることが望ましい。
第1の望ましい実施形態(「重なったパルス」(stacked pulse))の更に別の変更例では、(パルス・シーケンスの)第2のパルスの長さは、ある状況においては、第1のパルスの長さの75%より小さい、望ましくはそれより大きくなく、更に望ましくは50%より大きくない。このことは、適切なベッセル関数により得られると予測されるものより大きな磁化を生じるという最も重要な利点を供し得る。スピン−1系の場合は、このベッセル関数は、1つのパルスを用いることにより総磁化の44%が得られるが、重なりパルスを用いると62%まであるいはそれ以上が得られることを予測する。
第2のパルスの位相は、第1のパルスのそれと直交関係にあることが望ましい。このことは、パルス・シーケンスの性能を最適化し得る。
また、パルス・シーケンスが望ましくは第1および第2のパルスの磁化を少なくとも部分的にロックし、更に望ましくは第1および第2のパルスの磁化間の位相である第3のパルスを含む。これは、磁化のロッキングを更に助長し得る。
第1および第2のパルスの少なくとも1つが、異なるスペクトル特性が得られるように異なる位相(周波数)の複数の要素を含むことが望ましい。
第1および第2のパルスの位相が少なくとも2つの異なる周波数で励起ピークを一緒に生じるように構成されることが更に望ましい。この特徴は、例えば、(British Technology Group Limitedの)英国特許第2,286,248号にも教示されるように、NQR物質における実質的に同時に異なる共鳴周波数を励起するために用いることもできる。
第2の望ましい実施形態においては、エコー信号が生成される。広義には、この第2の実施の形態により得られる信号/雑音比は、T1ρがTより長いがスプリアス信号の減衰が比較的良好である物質に対する第1の実施の形態により得られるものよりは劣ることになる。
良好に動作することが判った第2の実施の形態の第1の変更例においては、パルス・シーケンスは、少なくとも1つのパルス状のスピン・ロッキング・パルス・シーケンスを含む。
残る変更例では、パルス状のスピン・ロッキングは用いられない。
第2の変更例においては、パルス・シーケンスは、関連位相0°と180°、あるいは0°、90°、180°と270°のみを有するパルスを含むエコー生成シーケンスである。これらパルスは、さもなければ、形状、フリップ角などに関して同じであることが望ましい。これらのことは、おそらくはエコー生成シーケンスの最も簡単なものであり、最も有効であることを証明した。
第3の変更例においては、パルス・シーケンスは、少なくとも1つの個々の位相が交番したシーケンスと、第1の位相が交番しないシーケンスと、この第1の位相が交番しないシーケンスに対する交番位相を持つ第2の位相が交番しないシーケンスとを含んでいる。この変更例は、先に述べた米国特許第5,365,171号に記載されたパルス・シーケンスに対する改善を直接提供する。この変更例は、位相等化原理が正しく遵守されることを保証し得る。
また、第2の実施の形態においては、パルス・シーケンスが適当に、45°effectiveより排他的に小さいフリップ角を用いるエコー生成シーケンスを含み得る。90°effectiveパルスが関心のある核種に対して最も強い自由誘導減衰信号を生じるフリップ角を有することが理解されよう。多結晶スピン−1系においては、90°effectiveフリップ角が119°actualのフリップ角と対応し、この「effective」と「actua1」のフリップ角は周知のベッセル関数により相関させられる。effectiveとactualフリップ角間の関係もまた、他のスピン系に対して周知である。
本発明のこのような特徴は、核四極子共鳴エコー応答信号が90°effectiveよりはるかに小さいフリップ角における励起により生成し得るという本発明と関連付けられた驚くべき発見から生じる。これまで、理論的な考察は、エコー応答信号がこの値よりはるかに小さなフリップ角では生成され得なかったことを示してきた。
励起は、30°effectiveより小さいか、あるいは15°effectiveより小さいか、あるいは10°または5°effectiveより小さいフリップ角を用いる。
望ましくは、パルス・シーケンスは、複数のパルスを含み、そのパルス間隔がいずれの場合にも等しくない。このことは、エコー最大値が以降のパルスと一致しないことを保証し、かつパルスが比較的長い時、低い磁界Bにおいて特に有効である。
同じ理由から、パルス・シーケンスは、エコー最大値がいずれにおいてもパルスと一致しないように構成された複数のエコー生成パルスを含む。これは、例えば、パルスの適切な整形によって達成することができる。
また望ましくは、真の四極子共鳴信号が、その(時間的)勾配、曲率または形状に従って、おそらくは真の信号とスプリアス信号とが反対の符号の勾配を持つかどうかに従って、スプリブス信号から弁別される。この特徴は、干渉信号が減衰すると真のNQRエコー信号が起生すること、および2つの信号間を弁別するためにこれを用いることができるという本発明に関して行われた認識から生じる。この特徴は、スプリアス信号の微分に関してNQR信号の微分を少なくとも50%だけ増分することが実験的に発見された立上がる指数関数を用いるフィルタによって実施することができる。
先に示唆したように、信号の取得における遅れをパルス・シーケンスに盛り込むことが有利である。第2の実施の形態においては、このことは、少なくとも2つの異なる方法において達成することができる。
第2の実施の形態の1つの望ましい変更例では、時間τ(シーケンスにおける初期パルスと次のパルス間の間隔)は、予め定めた持続時間より大きく設定される。
代替的な望ましい変更例(パルス状スピン・ロッキングに対して特に適する)においては、時間τは比較的短い値に設定されるが、エコーからの信号はシーケンスの最初の少数の(例えば、2つ、5つ、10またはそれ以上の)パルス後にのみ検出される。
前者に勝る後者の代替的変更例の利点は一比較的良好な信号/雑音比を生じることができることである。
また第2の望ましい実施形態に関して、パルス・シーケンスの値τができるだけ小さいことが望ましいことが判った。従って、各初期パルスとシーケンスにおける次のパルス間の間隔が核共鳴が励起されつつある核の値T*の1倍または2倍より小さいことが望ましく、おそらくは、この間隔がT*の0.5、0.3または更に0.1倍であることが望ましい。
本発明の第3の望ましい実施形態は、第1および第2の望ましい実施形態の特徴を実質的に組合わせる。
本発明は、印加磁界の存在しないときに実施されることが望ましい。
本発明の密に関連する特質において、四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの共鳴信号と干渉するスプリアス信号を生じる第2の種類の物質とを含むサンプルを核四極子共鳴テストする装置において、
少なくとも1対のパルズを含むパルス・シーケンスをサンプルに印加して核四極子共鳴を励起する手段と
応答信号を検出する手段と、
かかる対の2つの要素パルスに続く各応答信号を比較する手段と、
を備え、前記パルス・シーケンスが、2つの要素パルスに続く各スプリアス信号が、対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく、前記比較装置により少なくとも部分的に打ち消すことができるようなものであり、かつ各対ごとに、2つの要素パルスが同じ位相であるようなものであるサンプルを核四極子共鳴テストする装置が提供される。
本発明は、四極子核を含む第1の種類の物質と、四極子核からの応答信号と干渉するスプリアス信号を生じ得る第2の種類の物質とを含むサンプルに核四極子共鳴を励起するパルス・シーケンスに拡張し、少なくとも1つのパルス対を含み、このパルス・シーケンスが、前記対の2つの要素パルスに続く各スプリアス信号が対応する真の四極子共鳴信号が完全に打ち消されることなく少なくとも部分的に打ち消され得るようなものであり、かつかかる各対に対しては、2つの要素パルスが同じ位相であるようなものである。
本発明の方法の特質の全ての特徴は、適当に装置およびパルス・シーケンスの特質に適用され得る。
本発明の望ましい諸特徴については、例示としてのみ、添付図面に関して次に記述される。
発明を実施するための最良も形態
装置
まず図1において、NQRテストのための装置は、位相/振幅コントロール10とゲート12とを介してr.f.電力増幅器13に接続された無線周波源(radio−frequency source)11を含んでいる。後者の増幅器の出力は、r.f.プローブ14に接続され、このプローブは、サンプルがテスト中の物質(例えば、爆薬物)に核四極子共鳴を励起するため適切な周波数のr.f.パルスで照射できるように、テストされるサンプル(図示せず)の周囲にまたは隣接して配置された1つ以上のr.f.上コイルを含む。r.f.プローブ14はまた、核四極子共鳴信号を検出するため、r.f.レシーバおよび検出回路15に接続されている。検出信号は、回路15から制御コンピュータ16(または、他の制御装置)へ、処理のためおよび信号の加除のために送られる。このコンピュータは、特定の関心物質の存在についての所与の検出閾値を越えたかどうかに従って警告信号を生じるある装置17を含む。警告信号は、通常は、テスト中の物質の存在についてオペレータに警告するため音響または視覚的な警報器を付勢するために用いられる。
制御コンピュータ16はまた、全てのパルス、その無線周波数、時間、長さ、振幅および位相を制御する。本発明の関連において、これらのパラメータの全ては正確に調整される必要があり、例えば、位相はエコー応答(echo res ponse)を生じることができるために変更される必要がある。
r.f.プローブ14の再同調、その整合の変更、およびそのQ値の変更は全て、サンプルの性質に従って行われる必要がある。これらの機能は、下記のように制御コンピュータ16によって行われる。最初に、コンピュータは、ピックアップ・コイル18とr.f.モニター19によりr.f.プローブ14の同調を調べ、同調コントロール20によって調整を行う。第二に、r.f.電力増幅器13に対するマッチングは、指向性結合器21(または、指向性電力計)により監視され、前記コンピュータがマッチング回路22を介して応答し、このマッチング回路が更に、変更可能なキャパシタンスまたはインダクタンスによりr.f.プローブ14を調整する。指向性結合器21は、必要でない時は、スイッチ23を介して遮断される。第三に、r.f.コイルのQファクタ(Q factor)は、周波数切換えプログラムにより監視され、コイルのQを変更するかあるいはコンピュータに測定回数を増すように警告するQ−スイッチ24によって調整される。
制御コンピュータ16は、コントロール10によってパルスの振幅と位相を制御することにより先に述べたスプリアス干渉を減じるか除去するため、種々の方法でプログラムすることができる。これらの方法については後で記述する。これらの方法は、r.f.レシーバおよび検出回路15の位相へ適切に切換えて、結果として得る信号を更に処理するため制御コンピュータ16の残部へ送ることにより、異なるパルスからの応答信号を比較するコンパレータ25の使用を含む。
図1に27として略図的に示されるのは、r.f.プローブ14に隣接する領域へ一連のサンプルを輸送するためのコンペア・ベルトのようなある手段である。コンピュータ16は、前記プローブに接近する特定のサンプルの到達と実質的に同時に励起パルスの印加を調時するように構成される。代替的な実施の形態においては、サンプルをコンペア・ペルトで搬送する代わりに、実際には人員でよく、r.f.プローブは歩行ゲート路または手に持った棒の形態でもよい。
先に述べた装置は通常は方形パルスを用いるが・他のパルス形状も用いることができる。更にまた、通常は無線周波プローブは信号の送受のため1つのコイルを使用するが、適当数のコイルを用いてもよく、また送信と受信のために異なるコイルを用いることができる。また、当該装置は、通常は任意の印加磁界のない場合に動作することになる。
位相等化とスプリアス信号打ち消しの原理
位相の巡回によりサンプルからの純正なNQR信号とスプリアス干渉とをを弁別するように設計された任意の振幅、長さおよび形状の一連のr.f.パルスにおいては、できるだけ同じ関連位相を有するr.f.パルスにより生成される応答を比較して操作することが重要である。換言すれば、「類似するもの」は「類似するもの」と比較される、この原理は、本文においては「位相等化(phase equivalence)」の原理と呼ばれる。また、これらのパルスが振幅、周波数、形状および長さのような他の観点で同じであること、あるいは相違が許容し得る程度の影響のものであることが望ましいが、等化位相の原理(principle of equivalent phase)は最も重要である。この原理を満たすことで、位相が励起パルスと未知量だけ異なるいかなるスプリアス応答も、適切な位相巡回によって無効化することができる。
本発明に関して述べるパルス・シーケンスは、位相等化の原理を満たすことができる。
本発明に関する位相等化の原理の発見は、以降の理論的および実験的な発見に基いて予測される。
r.f.パルスに対する多くの物質の応答は、その振幅ではなくこのパルスの正確な位相に依存する。この応答はまた、パルスの長さにも依存する。反対に、励起パルスにより生成されるNQR信号は、その位相がパルスの位相によって決定されるが、応答の実際の形状は、励起パルスの位相にはあまり依存しない。
この点は、1つのr.f.パルスに対する信号応答が爆薬物RDXと砂(スプリアスな圧電応答を生じる)について考察される4つの実験に関して示される。実験では、1つのr.f.パルスが5Tより大きなパルス反復時間で反復される。実験とは下記の如くである。即ち、
(i)全ての同位相で加算された信号(0°、0°、0°、0°)
(ii)全ての同位相で減算された信号(0°、0°、0°、0°、、、)
(iii)変更的位相および加算された信号(0°、180°、0°、180°、、、)
(iv)変更的位相および減算された信号(0°、180°、0°、180°、、、)直感的に言えば、信号は、(i)と(iv)から予期されるが、(ii)と(iii)からは信号は予期されず、これはRDXの場合であ(位相の不整合を許容する)。RDXの場合、(ii)は信号なしを示し、(iii)は非常に小さな信号を示すが、(i)と(iv)は大きな信号を示す。しかし、スプリアス応答を生じる材料である砂の場合は、(ii)のみが無信号((iv)から−33dBの減衰)を呈するが、(iii)は部分的に低減した信号(約−12dBの減衰)のみを呈する。(i)と(iv)の両者は大きな信号を生じる。
従って、スプリアス信号の完全な打ち消しのためには位相180°と位相0°の比較では充分でないことが明らかである。類似位相は類似位相から差し引かれねばならない(位相等化の原理)。0°および180°のパルス後に信号を付加することによってスプリアス信号を除去することは充分ではない。
砂のような干渉物質が、位相が励起パルスの位相では正確には定義されない応答を生じ得るので、位相等化の原理が重要であると考えられる。励起パルスとスプリアス応答には位相の偏移が存在し、従って、この偏移はスプリアス信号が減衰するに伴い励起位相に従って変化し得る。
スプリアス干渉信号の打ち消しを獲得するためには、2つ以上の異なる方法で同じr.f.パルスに応答するように、r.f.パルスに先立って異なる方法でスピン系を用意することが必要である。この用意は、系の他の要素に対する用意による影響が無視し得る状態にさせるため充分前に行われねばならない。
本発明においては、このことは、異なるものとして比較される2つの位相等化パルスに先行する(望ましくは、直前の)各パルスの位相を決めることにより、達成することができる。位相が180°だけ異なることが望ましいが、これより小さな差でも満足し得る結果を生じることができる。
比較が有意義な結果を生じるためには、第1および第2の個々のパルス・シーケンス(提供されるならば)が異なる位相であるが同じ大きさの各核応答信号を生じることが望ましい。これは、望ましい実施形態で、両シーケンスに同数のパルスを持ち、各シーケンスにおいて同じ位相を持つ対比し得るパルスにより、かつ各シーケンスにおいて同じフリップ角を生じる対比し得るパルスによって達成される。初期パルスはさておき、1つ以上の次のパルスが個々のシーケンスごとに提供されるならば、このようなパルスはそれぞれ同じパルス間隔だけ離され、この間隔はパルスシーケンスにおいて、各初期パルスと次のパルスとの間隔より大きい。
全てが上記原理に従う本発明の3つの異なる望ましい実施形態について、先に述べたテスト装置で用いられるように次に記述する。
第1の実施の形態一スピン・ロッキング・シーケンス
本発明の第1の望ましい実施形態において、要約すれば、「スピン・ロッキング」(SL)タイプのシーケンスを含む2つの無線周波パルス後に、干渉信号が自由誘導減衰から除去される。
基本的な技法は、磁化を(例えば)回転フレームのOy軸と平行に(Bは0に沿ってあり、Bは0に沿う)回転させるため、フリップ角90°および位相0°(90°°パルスを呼ぶ))の初期の準備パルスを用いることである。このパルスは、その直後に可変長さで位相が第1のパルスに関して90°だけ偏移されたいわゆるスピン・ロッキング・パルスが続く。従って、2つのパルスの組合わせは、(90°)°−t90°の形態で書くことができ、ここで「t」は第2のパルスの調整可能長さを表わす。2つのパルスの組合わせは、時に、サンドイッチ・パルスまたは複合パルスとして知られる。しかし、本文では全体にわたって、この組合わせは2つの別個のパルスと見なされる。
サイクルのスピン・ロッキング位相においては、磁化はr.f.磁界に平行であり、回転フレームにおけるスピン格子緩和時間である時定数T1ρで減衰することが観察される。対照的に、1つの90°パルス後は、磁界が時定数TまたはT*で減衰する。多くの物質において、T1ρは、TまたはT*よりもTにはるかに近く、固体中ではT>>Tであるので、スピン・ロッキングははるかに長い期間にわたり磁化を保存することができる。
本発明の第1の実施態様において、信号の検出をシーケンスの第1の初期パルスにより生じるいかなる干渉信号からも時間的に隔てるのに有効に増した緩和時間が用いられ、従って、第2のスピン・ロッキング・パルスに続く干渉信号が、後で更に詳細に述べる位相偏移を用いる比較手法によって除去される。
本発明の1つの特に重要な特徴は、NQRにおける当該スピン・ロッキング手法の機能の発見である。これは、ある範囲のスピン・ロッキングr.f.フィールドを生じることが、Bに関する粉末化されたサンプル中の結晶の多数の異なる配向のゆえに、予期されなかった。更にまた、NQRにおいては、Bは、双極性の相互作用および不均一性の拡大の如き他の全ての「内部」フィールドより大きくなければならない。また、静止磁界の作用がラモール周波数に近い有効な回転として認められる、NQRにおけるNMR回転フレームの直接的な等化性がない。
位相偏移即ち巡回を用いる先に述べた比較手法については、第1の実施の形態の多数の変更例に関して、次に更に詳細に述べる。
第1の実施の形態の第1の変更例−基本パルス・シーケンス
図2(a)に関して示される位相偏移の基本的な変更例において、第2のパルスにより生成される任意の干渉信号は、以降のシーケンス(B)における初期パルスの位相が前のシーケンス(A)における初期パルスの位相に関して180°だけ偏移されることを除いて、できるだけ略々同じである2つのパルス・シーケンス(「A」と「B」で示される)の使用によって除去される。先に示唆したように、後のBシーケンスにおいては、このことは第2のスピン・ロッキング・パルスに続くNQR応答信号の位相を180°だけ偏移する効果を有するが、位相が直前のパルスの位相にのみ依存する干渉信号の位相には何らの効果もない。
従って、図2(a)に示される如き位相偏移のこの基本的変更例においては、最初の(A)パルスーシーケンスでは、パルス・シーケンスα°−t90°が生成され、信号が2番目のスピン・ロッキング・パルスに続いて取得される。この信号Sは、自由誘導減衰のNQR応答信号(「Q」)と干渉信号(「I」)との両者を誘導する。即ち、
=Q+I
2番目の(B)パルス・シーケンスにおいては、初期の準備パルスの位相が180°だけ偏移されたことを除けば、2つのパルスが最初のシーケンスにおける対応パルスと同じである。従って、このシーケンスはα180°−t90°であり、これは下記信号を生成する。即ち、
=−Q+I
およびSを差し引くと、Iを除去しQを加算する。
通常は、多数のAおよびBのシーケンスがサンプルに加えられて信号/雑音比を改善し、2つのシーケンスが個々に蓄積されるかあるいは直ちに処理される結果となる。このシーケンスは、例えば、順序ABABAB...または順序AAA...BBB...で行われる。通常は、AとBのシーケンス間の比較ができるだけ近いことを意図して、同数のAおよびBのシーケンスが行われる。
第1の実施の形態の第2の変更例−全位相巡回
第1の望ましい実施形態の更に複雑であるが更に有効な変更例においては、完全な位相巡回が用いられ、これにおいては、最初のパルスが2番目のパルスと位相において90°だけ異なるという条件に従って、パルス・シーケンスにおける2つのパルスの位相の全てのあり得る組合わせが用いられる。従って、4対の個々のシーケンスを用いる位相巡回シーケンスの1つのあり得る組は、下記のとおりである。即ち、
Figure 0003944235
AとBのシーケンス間のレシーバ位相における偏移が180°であり、その結果Aシーケンス信号からのBシーケンス信号の差し引きが可能であることに注意すべきである。また、レシーバ位相が2番目のパルスの位相に関して必ずしも同位相か反位相である必要がないことに注意すべきである。どの位相も、位相値がBシーケンス信号をAシーケンス信号(或いは、その逆)から差し引きくことの効果を十分に与える。この点は、レシーバ位相が切換えられるときの、2つのレシーバ・チャンネルにおける信号成分X+iYを示す、上表の最後の2欄に示される。位相の8つの置換にわたる成分の和は、実際に個々のパルス・シーケンスの各対にわたるそれらの和であるように、ゼロである。このことは、2番目のパルスにより生成される干渉信号が打ち消すが、AとBの各シーケンス間の初期パルスの位相における180°の偏移のゆえに、NQR応答信号は保存されることを示す。
上記の4対のシーケンスがP2パルスの位相を各対の個々のパルス・シーケンスごとに90°だけ巡回するが、より簡単な2対の位相の巡回バージョンも可能であり、これは位相を180°だけ巡回する。このことは、以下に示されるとおりである。即ち、
Figure 0003944235
第1の実施の形態の今述べた全位相巡回の変更例(4または8サイクル形態のいずれか)は、干渉信号の除去ばかりでなく、基線ドリフトとエラーの除去、ならびに個々の励起パルスにおける位相エラーのような小さな欠陥により生じる問題の解決をも助けることができる。この変更例は、本文に述べる他の変更例で用いることができる。
第1の実施の形態の残りの変更例(第3および第4の変更例)はそれぞれ、2つ以上のパルスおよび(または)異なる幅の組合わせを用いる。第3の変更例(分相パルス)においては、このような組合わせはスピン・ロッキング・パルスにおいて用いられ、第4の変更例(重なりパルス)においては、このような変更例は初期の準備パルスにおいて用いられる。
第1の実施の形態の第3の変更例−分相パルス
温度または他のこのような環境パラメータにおける変動は、検査中の核の共鳴周波数に影響を及ぼすことがある。図2(a)に示されたパルス・シーケンスは、制限された帯域幅にわたりオフ共鳴条件において良好に動作し得るが、パルス・シーケンスの別のバージョンはかなり良好にオン共鳴の動作が可能である。本文では「分相パルス」と呼ばれるものの使用を含むこのシーケンスについては、以下において図2(b)に関して記述する。このシーケンスは、NQR信号を増加することが可能である。
別のパルス・シーケンスに対する背景は下記のとおりである。図2(a)に示されたシーケンスAのスピン・ロッキング・パルスの間、オフ共鳴条件では、第1のパルスにより生成された磁化は、ωと△ω(△ωはオフ共鳴周波数の偏移)の結果について処理(章動)して、その結果磁化ベクトルが位相を外れる。本発明に関して、回転フレームにおける困難な条件を勘案してオフ共鳴テストの感度を改善するには、初期状態を再現(再生)するのが有利であることが判った。これは、スピン・ロッキング・パルスにおける180°の位相偏移によりB1の方向を反転する(即ち、(ω/γ))ことにより得られ、この位相の反転はスピン・ロッキング・パルスの半分だけ行われるならば、(比較的小さいと考えられる緩和による変化は別にして)スピン・ロッキング・シーケンスの終りに、ωと△ωの結果についてのスピン章動の反転が元の信号を再生する(即ち、磁化を再集束する)ことが判った。
図2(b)は、この位相反転手法を示す。(長さtおよび位相90°の)図2(a)に示されたスピン・ロッキング・パルスは、長さt/2およびそれぞれの位相90°および270°の等化部分へ分けられるスピン・ロッキング・パルスにより図2(b)において置換される。先に述べたものと同じように、巡回AとBに続く自由誘導減衰の差し引きがそれぞれスピン・ロッキング・パルスの終りに続くスプリアスなリング・ダウンを除去する。再び先に述べたように、初期の準備パルスに続く自由誘導減衰は、スプリアスな干渉信号がゼロへ減衰するために充分な時間だけスピン・ロッキング・パルスが続くことを許容することによって有効に除去される。1ないし3または4ミリ秒間のスピン・ロッキング・パルスに対するパルス長さは、RDXでは3.41MHzの遷移に対して有効であることが判った。
スプリアス信号を更に有効に除去するために、先に述べたものと同様な方法で、完全な位相巡回(phase cycle)を行うことができる。これは、例えば、先に述べた2または4対の巡回でよい。
2つのスピン・ロッキング・パルスの半分が等しい持続時間であり、かつ正確に180°位相差で分けられることが重要である。さもなければ、共鳴線の分離が生じ得る。スピン・ロッキング・パルスのタイミングにおける潜在的エラーおよび180°位相偏移を除去するため、位相反転における位相の順序がそれぞれ0°−180°と180°−0°である等しい数のシーケンスが存在するように、位相巡回を実現することが有利である。各個のAとBのシーケンス内で、類似が完全な類似と比較されるためには、前記順序は同じままである。しかし、異なる対の場合は、この順序は変更することができる。このように、例えば、完全な位相巡回(2または4対の個々のシーケンスでの)を順序を0°−180°として行うことができ、次いで更に別の類似の完全位相巡回を順序を180°−0°として実行することができる。
単に0°−180°位相変化を持つシーケンスは、より長いパルスに対して信号の強化に優れていることが判ったが、オフ共鳴作用が明らかに再集束されないので、帯域幅を実質的に増加することができない。
この問題および他の問題に対処するため、位相分離パルスの変更の種々の小さな変更が考えられた。第1の小変更例においては、例えば、スピン・ロッキング・パルスが形態(0°−180°−0°−180°)(3つの実際の反転)または(0°−180°−0°−180°)(5つの実際の反転)の位相を持つように、スピン・ロッキング・シーケンスの間に更に奇数個の実際の位相反転の挿入によって、感度の重なる改善を得ることができる。
第2の小変更例においては、形態(P2A、P2B、P2A、P2C)のスピン・ロッキング・パルスが用いられ、ここでP2BとP2Cは位相において典型的に180°離れており、位相においてP2Aはこれらの両方から典型的に90°離れており、ロッキング・シーケンスの全ての要素が典型的に等しい長さである。従って、第2の小変更例のスピン・ロッキング・パルスは形態(0°−90°−0°−270°)の位相を有し、準備パルスが90°位相を有する。このパルスはまた、図2(c)に示されるように、位相が形態(0°−90°−0°−270°−0°−270°−0°−90°)であるように、更に巡回される要素を有してもよい。図2(c)の(i)と(ii)もまた、このスピン・ロッキング・パルスが1対の個々のパルス・シーケンスに用いられ、対の要素が位相90°及び270°の準備パルスを持つことを示す。
第2の小変更例の基本的前提は、r.f.パルスがオフ共鳴の時に生じる位相外れを許すことである。回転フレームでは、磁化ベクトルがスピン・ロッキング・パルスから離れるように移動し、その結果平行成分と直角成分の両方が生じて、90°位相切換えが少なくともスピン・ロッキング期間は両方のこれら成分をロックしようとする試みを表わす。次に、最初の3つのセグメントの間にBとの並列関係からかなり外れて移動したこれら成分を部分的に再集束するために、180°位相偏移が加えられる。
図2(c)のAとBのシーケンスを用いて得られる結果の応答信号は、位相変化が周波数の変化に相等するので、周波数領域において非対称である。従って、第2の小変更例の強化において、AとBのシーケンスが、図2(d)に示される如く「ミラー・イメージ」のCとDのシーケンスと組合わされる。逐次実現されるシーケンスAないしDの加算された応答が、励起搬送周波数を中心に対称でありかつ比較的広い帯域幅を有する性能を生じ得る。
励起帯域幅における同様な改善は、個々のパルス間に周波数別々の変化を適用することにより得ることができる。更にまた、位相偏移と周波数変化の両方の組合わせが、狭い帯域幅の長いr.f.パルスが必要な時ある重要度の作用である、搬送周波数における変化が位相の変化を補償するように更に優れた性能を生じることができ、このことは、第4の変更例との関連において以下に詳細に説明される。また、第1の実施の形態の第2の変更例との関連において述べるように、全位相巡回を用いることにより更なる改善を得ることもできる。
第1の実施の形態の第4の変更例−重なったパルス
第1の実施の形態の別の変更例は、通常は初期準備パルスにおける異なる位相および(または)異なる幅の2つ、3つまたはそれ以上のパルスを組合わせることである。パルスのこのような組合わせは、「重なった」パルスと呼ばれる。重なったパルスはまた本発明の第2の実施の形態(後で述べる)において使用され、この場合は、重なったパルスがスタンド・アローン・パルスとして用いられ、ロックは特に長く維持されないが、重なったパルスはそれら自体の右側においてスピン・ロッキング・パルス・シーケンスである。
一般に、例えば、B1フィールドの低い値のみが使用されねばならない時、個々のパルスにより生成することができるフリップ角度(flip angle)に対する制約がある場合に重なったパルスが特に適用可能である。従って、一例として、119°のスピン−1核に対する最適値の代わりに30°のみが利用可能である。典型的な重なりパルスは、低いフリップ角度パルスP1AおよびP1Bの幾つかの(例えば、n個の)通常は連続対からなり、多数の位相偏移、例えば事例(P1A0°−P1B90°)として90°がロッキングを生じる(nは、1より大きいかこれと等しく、典型的には2、3、4、あるいは更に大きい)。このようなパルスは、ほとんど1つの最適なフリップ角度パルス同様に機能し得、これに対する理由が位相90°の第2のPlBパルスが最初のパルスにより伝達される磁化のX,Y面部分で最初にロックし、次にX,Y面において磁化を最大化すると考えられる。また、2番目のパルスは将来のパルスに対する位相を規定するように働く。
P1A−P1Bパルスが巡回される(即ち、nが1より大きい)ならば、P1Bパルスが生じる小さなフリップ角度のゆえに、更なる磁化が相対的に位相ゼロの第3のパルスにより伝達され、これは次に相対的な90°のスタックにおける第4のパルスによりロックされる。
第2の(P1B)パルスが最初の(P1A)パルスより長い(例えば、2倍)か、あるいはこれらパルスが同じ長さであるが、更に良好な信号/雑音比が、2番目の(P1B)パルスを最初のパルスより小さな長さを持つように選択することにより達成することができる。この理由は、基本的な2つのパルス・シーケンスP1A0°−P1B90°(最初のパルスの長さがtであり2番目のパルスの長さがTである)が磁化の実(real)成分(X)と虚数(imaginary)成分(Y)の両方を生じることであり、t=t/2ならば、実成分と虚数成分がそれらの最大値を時間的に同じ点に持ち、その結果、t≒tならば、信号の大きさが2の根倍であり、組合わせた信号の相対位相は最適なフリップ角度の最初のパルスに対して約26.5°であり、この場合生成される磁化は62%に近い。
重なりパルスの結果として得る位相は、成分パルスの数、その各々の位相およびその相対長さに依存することになる。
更に、おそらくは中間の位相を持つが必ずしも0、90°、180°、あるいは270°ではない更に短いパルスが、X,Y面における更なる磁化を生じるように用いることができ、このような磁化がZ方向に沿って更なる磁化から得られ、これは最初の2つのパルス後も維持する。例えば、最初の2つに続く異なる位相で印加される第3の(P1C)パルスを用いることが可能であり、この位相は、多結晶サンプルに印加される1つの119°パルスに適する0.436のベッセル関数値より大きい磁化を生じるように選択される。第3の(通常は比較的短い)パルスの目的が更に多くの残留磁化をX,Y面にもたらすと同時に、既にX,Y面における磁化をロックすることであるため、その場所は、パルスの相対的長さに従って、適当に0°と90°の間(望ましくは、10°と60°の間、あるいは20°と45°の間、更に望ましくは、26.5°に近い)となる。再び、第4の(P1D)パルスが加えられて、更に多くの残留磁化をX,Y面にもたらし、その位相は適当に90°より大きくなる。更に他のパルスが、前のパルスの位相より大きい90°またはそれ以下の(例えば、45°より大きい)位相を持つことになる。
先に述べた如き重なりパルスの利点は、これらが単に実効スピン・ロッキングを生じるのみでなく、実際に信号/雑音比を強化することができることである。
個々のパルス長さが著しく制限されるならば、より長い重なりシーケンスを用いることが利点となり得る。例えば、シーケンス(P1AP1B)で10μ秒のパルス長さの特定の実験的な構成においては、n=2が最適の応答を生じるが、5μ秒のパルス長さでは、n=5が要求される。
スピン・ロッキング・パルスとの現関連において、一連の重なりパルスが初期の準備パルスを置換し、スピン・ロッキング・パルスに使用される全ての先に述べた可能性が利用可能となる。従って、基本的なスピン・ロッキング・パルス・シーケンスと同じ方法で重なりパルスの位相を巡回させることによって、位相巡回が達成される(第1の実施の形態の第1および第2の変更例参照)。
下表は、2つのこのような適切な全位相巡回シーケンスを示し、その順次組合わせが、中心周波数に関して妥当に対称的である応答を生じる。同表において、AとBのパルスの各対がn回巡回される。
Figure 0003944235
このようなシーケンスでは、典型的にt=t/2またはt=tであるが、信号応答および励起帯域幅を最適化するために他の比も用いられる。このようなシーケンスは、このような比の適切な選択により、励起特性の最大値の形状および位置を変更できるという更に別の利点を有する。このことは、例えば、(同様な効果が分相パルスに関して先に述べられたことを念頭において)励起特性における最大値を濾波を改善するために搬送波の最大値からオフ周波数だけ移動させる。多数の励起最大値もまた、位相が切換えられる速度に応じて生成される。例えば、位相が250μ秒ごとに切換えられる4つのパルス・シーケンス(n=2)において、信号最大値が△ω=φ/t、あるいはφ=90°に対しては△ν=1/4tの周波数偏移に対応する1KHzのオフ共鳴の間隔で現れる。この効果は、2つの重要な利点を有し、これは最初に準備パルスの励起範囲を強化し、次いでスピン・ロッキング・パルスの実効帯域幅を増加するために用いられる。所要のスペクトラムを生じるため位相の変化と周波数の変化とを組合わせことが望ましい。
上記の諸原理が、(当変更例におけるように)スピンーロッキング・シーケンスの準備パルスばかりでなく、スピン・ロッキング・パルスにも適用し得ること(例えば、前の第3の変更例参照)が理解されよう。
第1の望ましい実施形態に対する一般的考察
第1の実施の形態の位相巡回手法において有利に保持されるべき重要な条件は、第一に、全てのP2タイプのパルスに関して、類似のものは類似のものから差し引かれることである。即ち、例えば、(第1の実施の形態の第2の変更例を記載した章に示された)先の4つの表の2番目において、2つの90°P2自由誘導減衰信号が、2つの270°信号が行うように正確に相殺する。従って、パルスおよび位相の不完全さは相殺する。
第二に、レシーバ位相は、干渉信号と自由誘導減衰応答信号の適切な差し引きを可能にするように調整される。
第三に、個々のシーケンスのAおよびB対のそれぞれにおける各P2タイプのパルスが、360°位相変動範囲にわたって望ましくは均等に分布される位相を有する。
第四にかつ最後に、各対ごとにP1タイプ・パルスが、P2タイプ・パルスの位相と直交関係にあることが望ましい位相を有する。
本発明の第1の実施の形態の任意の変更例が満足に機能するならば、他の色々な条件もまた満たされることが望ましい。これらは、下記のとおりである。
第一に、1つの特定の条件は、第2のスピン・ロッキング・パルスのパルス長さtが、NQR信号を最初の初期パルスにより生じる任意の干渉信号から完全に離れるように変位させるため充分に長いことであり、これは前記干渉信号が位相の偏移により除去されないためである。やや別の言い方をすれば、各初期パルスに続く次のパルスのパルス長は、初期パルスに応答して生じる干渉信号がこの他のパルスの終りを越える実質的な範囲に止まらない充分に長いことが望ましい。この条件については、次に更に詳細に述べる。
先に述べた干渉信号があるr.f.パルスの後やや迅速に、通常は例えばパルスの終りの350、500、750、1000または1500μ秒以内に、減衰しようとすることが判った。このように、第2のパルスのパルス長がこれら信号の減衰時間より著しく大きくなるように選定されることを前提として、干渉信号が第1のパルスに続くにも拘わらず、第2のパルス後に有効な応答データを得ることができる。200、400、500、600、700、1000または1500μ秒に等しいかあるいはこれより大きなパルス長が、大半の状況において実験的に満たされることが判った。利用可能なテスト時間を有効に利用するため、この長さは3、2、1.5、1あるいは更に0.7ミリ秒より小さいことが望ましい。干渉信号を除波するため望ましい応答信号に対する充分な減衰は、その初期ピーク値の20、10あるいは5%より小さくなり、それより小さいと干渉信号は不充分に減衰すると考えられる。あるいはまた、干渉信号は、その強さがNQR信号の最大強さの20、10あるいは5%より低い時、それほど減衰しないと見なされる。無論、大きすぎる減衰を用いることは望ましくない。
第一に、更に他の類似の(しかし、おそらくはそれほど重要ではない)条件は、第2のパルスのパルス長tが自由誘導減衰時間T*と少なくとも同じ長さ、望ましくはこれより長い(例えば、3または5倍長い)ことである。このことは、最初の、初期パルスに続く応答信号が第2のパルスに続く応答信号の開始の完全に前に減衰し得ることを保証し得る。
第三に、かつ最後に、特に重要な特徴は、第2のパルスのパルス長tが回転フレームにおけるスピン格子緩和時間T1ρの例えば5倍あるいは3倍より小さいことが望ましいことである。このように、通常はこの時間における厳しい実際の制約があることを念頭におけば、利用可能なテスト時間を有効に利用することができ、本発明が特定の物質の存在の検出に適用される場合、総許容テスト時間は僅かに数秒でよい。従って、実際には、tは更に望ましくはT1ρより小さく、更にはT1ρの0.5、0.3あるいは0.1倍である。
また、利用可能なテスト時間を更に有効に用いるために、異なる位相のパルスを織り込むこともできる。
第1の望ましい実施形態を用いる事例
図3ないし図8に関して、本発明の第1の実施の形態の第1および第2の変更例を用いて行われた種々の実験結果について次に述べる。
これらの実験において、初期パルスに対するB磁場の値は、16ガウスで一定に保持された。用いられた特定の実験条件では、20μ秒のパルス長が119°actualの初期パルスを生成することができた。パルス長は、代替的なフリップ角度を生じるように変更された。この場合、実験は、「一定のB」実験として考えることができる。全ての実験は、爆薬RDXのサンプルの3.41MHz線を用いて行われた。他のことわりがある場合を除いて、20μ秒のパルス長が初期パルスに対して用いられた。
図3に示された事例では、オン共鳴スピン・ロッキング・シーケンス(即ち、関連するNQR共鳴の0.5または1KHz以内のシーケンス)がサンプルに印加され、初期パルスの長さがP1=20μ秒であり、スピン・ロッキング・パルスP2は可変長であった。先の関連表に示された4対の位相巡回シーケンスが用いられた。第2のパルスP2に続く各信号強さは、第2のパルスの長さの100の異なる値に対して決定された。これらの100の信号強さは、図3にプロットされている。
図3から判るように、信号の強さは60μ秒までは略々一定であり、それから、おそらくはP2の長さが25°actualのフリップ角度(このパルスに対するゼロの信号強さを生じる1つのパルスのフリップ角度の値)に密に対応する時、非常に迅速に約20%だけ低減している。信号強さの単位は任意であるが、プロットが原点(即ち、ゼロ)までは下降しないことに注意すべきである。
図4は、図3のプロットと類似するプロットを示すが、このとき、実質的な干渉信号を生じることが知られているニッケル・メッキねじが存在する。図4のプロットもまた、非常に多くのスピン・ロッキング時間までは拡張されていない。先に述べた全位相巡回シーケンスが再び用いられた。NQR信号がある損失で2ミリ秒まで見られ、また更に12ミリ秒まで見られるが著しく多くの損失のあることが明らかであろう。ねじの存在は、r.f.プローブのQ値(Q factor)を著しく減じ、従って、応答信号の信号/雑音比を著しく減じる。それにも拘わらず、干渉信号が応答信号から実質的に完全に除去されたことが確認された。干渉信号は、図4に示される真のNQR応答の強さの5ないし10倍の範囲における信号を生じることになった。
図4に関して述べた実験に類似する更に別の実験(ここでは示さないが)では、位相巡回が用いられず、換言すれば、Aタイプのパルス・シーケンスのみが用いられた。この実験では、NQR応答が、前記ねじから生じた干渉信号によって完全に感知できなかった。
図3のプロットと類似するがスピン・ロッキング・パルスP2の長さの異なる範囲を示す図5のプロットは、B=1.6mT(T1ρがBと共に変化することに注目して)で3.42MHzのRDX線に対して室温におけるNQRスピン・ロッキング時間T1ρの推定値を生じるために用いられた。実験データ点は白丸で示され、示された線は、t=3ミリ秒より長い第2のパルスP2の長さに対して下記形態の式の最適値である。即ち、
y=a.exp(−x/b)
最小2乗適合が、35の「a」に対する値と5990の「b」に対する値とを生じ、値T1ρ≒6ミリ秒を示す。このことは、T≒14ミリ秒およびT≒8ミリ秒の値と対比し、但しT*=0.7ミリ秒であり、全ての値は室温でとられた。
図5のプロットは、スピン・ロッキング手法が第1の初期パルスにより生じる干渉信号がNQR信号よりはるかに小さくなるのに要する時間より著しく長い時間磁化を保持し得ることを示す。
更に別の類似のプロット(図6参照)は、20μ秒から初期パルスP1の長さを減じる効果を示し、その結果フリップ角度(flip angle)は119°から減じる。黒四角記号は、119°のフリップ角度を指し、(6.6μ秒のパルス長に対する)白丸は約40°を指し、(4.4μ秒のパルス長に対する)白四角は約25°を指し、所与の全てのフリップ角度値は実効値ではなく実値である。
同図から、1つのパルスだけが用いられた場合に予期されるように、約3ミリ秒までは、信号強さがフリップ角度に比例して第1の近似値まで減じることが推論される。
図7は、異なる方法における同じ点を示している。同図において、白丸記号は、1つのP1パルスの異なる長さに対するこのパルスに続く信号強さを表わし、白四角記号は可変長さのP1パルスと固定長100μ秒のパルスP2のスピン・ロッキング・シーケンスに続く信号強さを表わしている。
スピン・ロッキング・シーケンスに続く信号強さは、制限内で、隔離状態の1つのP1パルス以後のそれと略々同じように初期P1パルス長に依存することが判る。このことは、自由誘導減衰を観察することができるならば、Bあるいはフリップ角度の値(制限内)の如何に拘わらず、略々同じ強さのスピン・ロッキング応答も同様に観察することができるはずであることを示唆する。
この点は、砂と爆薬RDXの両者を含むサンプルに対する応答を示す図8に示される。第1の実施の形態の全位相巡回された(第2の)変更例が2ミリ秒のスピン・ロックで用いられた。信号強さと時間の関係プロットは、最初に、砂の信号(相等する1つのパルスだけを用いて決定された破線により示される)がどれだけ大きくなるかを示し、次いで、真のNQR信号のみが2ミリ秒後にサンプルされるならば、これが砂の信号より著しく大きいことを示す(実線参照)。
上記の結果がスピン・ロッキング・シーケンスのオン共鳴性能に対して示されたことに注意すべきである。このシーケンスは、特に図2(b)、図2(c)または図2(d)に示されたパルス・シーケンスのバージョンが用いられる場合に、制限された帯域幅にわたってオフ共鳴条件でほとんど良好に機能し得る。
次に、図9において、サンプルとして爆薬RDXを3.41MHzで再び用いて、図2(c)および図2(d)に示され第1の実施の形態の第3の変更例として述べた分相パルス・シーケンスに対する応答を加算し、次いで0.1KHzの増分で励起搬送周波数を段階表示しながら、加算結果を2で除した結果が三角記号によって示される。準備パルスは240μ秒の長さであり、8つの分相パルスの各々が275μ秒の長さであって、略々2.5ミリ秒の合計パルス・シーケンス長さとなる。丸記号により、再び0.1KHzの増分で搬送周波数を段階表示しながら240μ秒の長さの同様な1つのパルスの結果が示される。3.5KHzの帯域幅は略々類似するが、分相パルス・シーケンスに対する信号強さが1つのパルスに対する信号強さの少なくとも70%であることが判るであろう。この帯域幅は、38℃の温度変化を表わし、分相シーケンスの良好なオフ共鳴特性を示す。
次に図10において、再びサンプルとして爆薬RDXを3.41MHzで用いて、第1の変更例として述べた基本スピン・ロッキング・シーケンスと比較することにより、(第1の実施の形態の第4の変更例として述べた)重なりパルスを用いる結果が示される。図10に示された4つの全ての場合に、スピン・ロックは同じ持続時間(1ミリ秒)であった。予期されるように、共にピーク応答と帯域幅に関する最良の結果が、t=t/2(=250μ秒)およびn=3を持つ重なりパルスで得られる(直立三角記号参照)。この第2の最良結果は、t=t(=250μ秒)で得られる(丸記号参照)。250μ秒に等しい準備パルスのパルス長を持つ基本スピン・ロッキング・シーケンスにより2乗データ点が得られた。125μ秒に等しい準備パルスのパルス長を持つ基本スピン・ロッキング・シーケンスで、反転三角のデータ点が得られた。
第2の実施の形態一多パルス・エコー手法
本発明の第2の望ましい実施形態において、要約すると、干渉信号が多パルス・エコー手法によって除去される。
第2の実施の形態により、先に述べたものと同じ位相等化の原理が、スプリアス干渉信号をNQRエコーから除去するために用いられる。また、シーケンス単位で初期準備パルスの位相を反転させる原理が、排他的にではなく般に用いられる。
信号/雑音比は、第2の実施の形態の第1の変更例において触れたパルス状スピン・ロッキング・シーケンス(以下参照)ばかりでなく、先に触れた米国特許第5,365,171号に記載された、カール−パーセル−マイブーム−ギル(Carr−Purcell−Meiboom−Gill;CPMG)シーケンス、ならびに「強いオフ共鳴コム形および定常状態の自由歳差(Strong Off Resonant Comb and Steady State Free Precession)」シーケンス(いかなる場合も、パルス状スピン・ロッキング・シーケンスとして認められる)においても一般的なように、エコーの巡回蓄積により改善することができる。従って、関連パルス・シーケンスにおける「n」は、できるだけ大きい、おそらくは10ないし50、あるいは15ないし25、あるいは更に大きいことが有利である。
パルス状スピン・ロッキング・シーケンスばかりでなく、先に述べた強いオフ共鳴コム形および定常状態自由歳差シーケンスもまた、例えばサンプルにおける温度変動により共鳴応答信号の周波数応答線の広がりの存在時にエコーを生成でき、かつ低いB値で機能できることが分かった。従って、これらシーケンスの全てが、本発明により本文に述べた如き関連初期準備パルスで適切な場合に組合わせて成功裏に用いることができる。実際に、初期準備パルスに続く更に他のパルス・シーケンスも、本発明の乎法の多岐性を前提として、シーケンスのタイプにおける僅かな制約で代替的に用いられる。多くの有効なパルス・シーケンスについては、第2の実施の形態の変更例として以下に述べる。
本発明の第2の望ましい実施形態は、第1の実施の形態に関して、また特に、P2パルスと同じ位相をとる各個のシーケンスにおけるP2パルスの更に他のパルスを用いて、先の2つの表に示された2または4対のシーケンスにおいて述べた位相巡回手法を用いることが望ましい。
第2の実施の形態の第1の変更例−パルス状スピン・ロッキング・パルス・シーケンス
まず図11に関して、下記形態のオン共鳴パルス状スピン・ロッキング(PSL)「A」シーケンスは、
α0°−τ−α90°−(−2τ一α90°−)
下記形態の類似の「B」シーケンスで代替される。即ち、
α180°−τ−α90°−(−2τ−α90°−)
但し、時間τはシーケンスにおける初期パルスと次のパルスとの間の間隔であり、時間2τは残りのパルスに対する「パルス反復時間」と呼ばれる。
PSLシーケンスが先に述べたスピン・ロッキング手法を用いることが判る。
同図に示されるように、応答信号の取得がα90°パルスの各々間に生じるが、初期(P1)パルスα0°あるいは準備パルスα180°の直後には生じない。実際に、取得(acquisition)は、機器のリング・ダウンを勘案して、第2のパルス(P2)のやや後に遅れる。シーケンスにおいては、nは任意の適切な値(短いエコー・シーケンスのみが要求されるならば、1または0さえも含む)をとり得る。
先に述べたものと類似する位相偏移手法において、2つのシーケンスは他方から一方が差し引かれて、干渉信号の影響を実質的に受けないエコー応答信号、あるいは実際に自由誘導減衰信号を生じる。
第2の実施の形態の第2の変更例一定常状態の自由歳差パルス・シーケンス
本発明の第2の実施の形態の第2の変更例においては、パルス・シーケンスを生じる多数の定常状態自由歳差エコーが開示され、これらシーケンスの全てが初期準備パルスを使用するのではなく、これらシーケンスは全て位相等化の原理をいぜんとして遵守する。
第1の最も簡単な(非スピン・ロッキング)パルス・シーケンスにおいては、180°の位相偏移を持つ4つのパルスの多重パルス・シーケンスが用いられる。
即ち、
A B C D
{α0°−τ−α0°−τ−α180°−τ−α180°−τ−}
但し、nはシーケンスの反復を表わし、示された角度は位相である。信号は、(A−B−C+D)として組合わされる。このシーケンスは、類似の位相が相互に差し引かれるという位相等化の原理を満たしている。スプリアス信号の打ち消しは、通常は、反対の位相である組合わせ(AとB、CとD)である特定のパルス対の要素の直前の各パルスによって行われる。
位相の巡回は、第1のシーケンスの0°の位相が90°の位相により置換され、180°の位相が270°の位相により置換される、第2のシーケンスを用いることによって達成することができる。
第1のシーケンスの位相巡回バージョンは、90°の位相巡回を持つ第2の8つのパルスの多重パルス・シーケンスに類似している。即ち、
A B C D
{α0°−τ−α90°−τ−α180°−τ−α270°−τ−}
その後に、以降のレシーバ位相A−0°、B−270°、C−180°、D−90°、E−180°、F−270°、G−0°およびH−90°を持つ
E F G H
{α0°−τ−α270°−τ−α180°−τ−α90°−τ−}
が続く。このパルス長は同じであることが望ましく、また14Nの如きスピン−1核に対する最適値119°にできるだけ近いことが望ましいが、このシーケンスは信号/雑音比のある損失を持つ比較的低いフリップ角度で機能することになる。最適値より小さなフリップ角度を用いるエコーの生成が、本明細書の他の場所では開示されている。エコーに似た信号であると、応答信号は自由誘導減衰信号よりもサンプル内の温度勾配の影響を受けにくい。この第2のシーケンスは、特に望ましく、低いB磁界で特によく機能する。
通常は、先に述べた8つのパルス・シーケンスでは、位相巡回は不要である。それにも拘わらず、更に他のシーケンスが異なる順列における同じ位相を使用することが判る。
パルス間隔(pulse separation)τ、τ、τおよびτは等しい必要がなく、これらが等しければ、信号の応答は以降のパルスにおけるエコー・ピーク形態で現れ、これは信号/雑音比の観点から不利である。エコーの最大値は、パルスの間隔を相違させることにより更にアクセス可能な領域へ変位され得、従って、先の(British Technology Group Limitedの)英国特許第2,262,610号に教示される如く、シミュレートされるなどのエコーを生成する。簡単であるが有効な選択は、τ=2τ、τ=τおよびτ=τを持つ2つのシーケンスのみを使用することであるが、他の組合わせも可能であり、2つ以上または3つ以上の異なるパルス間隔を用いることもできる。
先に述べた第3の変更例の第1の小変更において、シーケンスにおける各パルスは、同じパルスの対により置換される。例えば、先に述べた8つのパルス・シーケンスの最初の半分は、下記の如くである。即ち、
{α0°−τ−α0°−τ−α90°−τ−α90°−τ−α180°−τ−α180°−τ−α270°−τ−α270°−}
これもまた、τ=2τ1で良好に機能する。この小変更は信号/雑音比を強化することができる。
第3の変更例の第2の小変更においては、
{α0°−τ−α180°−2τ−α90°−τ−α270°}取得
と組合わされた、下記形態の特定のシーケンス
{α90°−τ−α0°−2τ−α180°−τ−α270°}取得
もまた良好に機能する。これは、B磁界において特に利点を持ち、この条件下では磁化を強化し、従って信号を強化することができる。
第3の小変更においては、90°位相偏移を持つ基本的な8つのパルス・シーケンスが、1対の個々の複合スピン・ロッキング重なりパルス・シーケンス(第1の実施の形態参照)へ分解される。例えば、
{α0°−α90°−α180°−α270°
{α180°−α90°−α0°−α270°
各個のシーケンスにおける最初のパルスは、準備パルスとして有効に働き、2番目のパルスはあるスピン・ロッキングを行い、3番目は位相反転を行い、最後のパルスはスピン・ロッキングを行う。個々のシーケンスは、エコーならびに自由誘導減衰を生じる。
第3の小変更は、それ自体か、あるいは別のシーケンスの部として用いられる。各個の重なりパルス・シーケンスは、例えば先に述べた8つのパルス・シーケンスにおける1つのパルスを形成することもできる。
第3の小変更は、スピン・ロッキング時間T1ρが全パルス長より長いことを前提に、特に比較的高いB磁界で良好な全性能を有するが、これは「長い」パルスであるゆえに、その励起帯域幅が狭くてよいからである。
第4の小変更においては、8つの基本的パルス・シーケンスの各パルスは、例えば、τ≒2τを持つ2つ(あるいはそれ以上)のパルスの重なりタイプのスピン・ロッキング・シーケンスにより置換される。即ち、
{α0°−α90°−τ−α90°−α180°−τ−α180°−α270°−τ−α270°−α0°−τ−}
{α180°−α90°−τ−α90°−α0°−τ−α0°−α270°−τ−α270°−α180°−τ−}
応答信号の同じ組合わせは、基本的な8つのパルス・シーケンスに関して述べたようにとられる。通常は、スピン・ロッキング・シーケンスにおける第2のスピン・ロッキング・パルスは、準備パルスと略々同じ長さである。第3の小変更のこのパルス・シーケンスは、低いB磁界で磁化を強化することができる。このシーケンスはエコーと自由誘導減衰の両方を生成でき、後者は比較的長いロッキング・パルスが用いられる時優勢となる。信号の取得は・エコーまたはf.i.d.のいずれか、あるいはその両方を検出するように調整することができる。
第4の小変更においては、中間位相(45°とその奇数倍の如き)における別のパルスを用いて、先に述べた基本的な4つまたは8つのパルス・シーケンスより長いパルス・シーケンスを用いることができる。しかし、このようなパルス・シーケンスが4つおよび8つのパルス・シーケンスに勝る実際の利点を供するかどうかは疑問である。
この特定の変更例に開示された全てのシーケンスは、119°より著しく小さなフリップ角度でエコーまたはエコー状の信号を生成することができ、その結果長いr.f.パルスを低いB磁界で使用することを可能にする。
第2の実施の形態の第3の変更例−位相変更を有する定常状態の自由歳差パルス・シーケンス
米国特許第5,365,171号において、定常状態自由歳差(SSFP)法が以下に示すように、180°の位相偏移に基いて記述されている。即ち、
A B
PAPS {α0°−τ−α180°−τ−}
C D
NPAPS {α0°−τ−α0°−τ−}
パルス間隔τの全ての値は同じ(即ち、τ=τ)であり、下つき添字nは、必須の信号/雑音比を達成するためのパルス・シーケンスの適切な反復を意味する。第1のシーケンスは、位相変更パルス・シーケンス(PAPS)」と呼ばれ、第2のシーケンスは「非位相変更パルス・シーケンス(NPAPS)」と呼ばれる。組合わせ(A−B−C−D)がスプリアス応答の効果的な混和(effective mulling)を生じることが要求される。
しかし、砂からの圧電応答の場合には、この手法では比較的おだやかな減衰20dBしか得られないこと、また更に、その非対称性のゆえに、シーケンスが分光計の調整に応じて大きな信号のオフセットを生じようとすることが、本発明に関して判った。これらの短所に対する理由は、PAPS/NPAPSシーケンスが正確な位相等化、即ち、シーケンスが3つの0°の位相と僅かに1つの180°の位相を含むために、位相類似のものは類似のものから控除されるべきであるという位相に関する原理を達成し得ないことである。
本発明によれば、位相等化の原理を達成する当該シーケンスの改定バージョンが開発された。このことは、以下に示される。即ち、
A B
PAPS {α0°−τ−α180°−τ−}
C D
PAPS {α180°−τ−α0°−τ−}
E F
NPAPS {α0°−τ−α0°−τ−}
G H
NPAPS’ {α180°−τ−α180°−τ−}
および、ここで得るべき組合わせは、(A−C−E+G)、あるいはより完全には、(A−C−E+G−B+D+H)である。このようなパルス・シーケンスは、オフセットを持たない前記応答の33dBの減衰を生じるための実験であることが判った。このような性能は、第2の実施の形態の他の変更例により達成し得る最良の性能と対比し得る。
180°の位相が270°の位相へ変換されるも、0°の位相が90°の位相へ変換されるシーケンスの位相巡回バージョンを実施することによって、性能は更に強化される。
更にまた、このシーケンスの改定バージョンにおいては、τをτと異ならせることが可能であり、このことは固有の非対称性に照らして米国特許第5,365,171号に記載される方法に対して実現することが不可能ではないが、困難であろう。τとは異なるτで、第2の実施の形態の第2の変更例に関して先に述べたように、信号/雑音比を強化する際に利点となり得る。
第2の望ましい実施形態に対する一般的考察
本発明の第2の実施の形態が満足に機能するならば、種々の条件が望ましく満たされ、種々の特徴が望ましく提供される。それらは、下記の通りである。
第一に、シーケンスの1つの特に重要な特徴は、初期パルスにより生じるいかなる干渉信号も実質的に濾波するのに充分に初期パルスの後に信号の取得が遅延されることである。
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に関して先に述べた遅延手法と同様に、関連するパルス反復時間τが典型的に200、400、500、600、700、1000、あるいは1500μ秒より大きく設定されることが望ましい。
あるいはまた、遅延された信号取得の同じ原理(principle オリフフィス delayed signal acquisition)に基いて、タイマが典型的に200μ秒よりさえも小さく設定されるが、エコーからの信号はシーケンスの最初の少数の(例えば、2、5、10あるいはそれ以上の)パルス後に検出されるに過ぎず、総遅延量はいぜんとして、先に述べた200、400、500、600、700、1000あるいは1500μ秒の値より大きくなるように構成される。当該変更例においては、適当に多数のパルスが各個のAおよびBのシーケンスにおいて相互に密な連続状態で用いられることになる。この代替例の利点は、これが信号/雑音比を強化できることである。例えば、オン共鳴(on−resonant)PSLシーケンスにおけるエコー減衰時間T2eはτ−nの如きパルス反復時間2τに依存し、ここで「n」は3ないし5の範囲にあり、その結果早いパルス形態が最良の信号/雑音比を生じることができ、同様な原理はオフ共鳴PSLシーケンスにも適用する。
第1の実施の形態に関して先に述べたような遅延を含む残りの全ての原理もまた、第2の実施の形態に適用され得る。
第二に、望ましくは達成されるべき更に別の重要な条件は、フリップ角度αとパルス間隔τの両方と、この2つの間の相互関係に対するエコーの強さの依存性に関するものである。本発明に関してなされた発見は、下記の如くである。最初に、(本文のどこかで更に詳細に述べるように)119°actualより充分に下方のフリップ角度でエコーが住成され得ることが判り、低いフリップ角度でエコーを生成することが実際に有利である。第二に、エコー信号の強さは、より低いフリップ角度で著しく低減することが判った。しかし、第三に、信号強さがパルス間隔と逆に関連することが判ったため、パルス間隔の値τの低減がある程度フリップ角度に伴う信号強さの低減を相殺し得ることが判った。特に、パルス間隔τが関連する核種の自由誘導減衰時間丁*より小さいことが望ましく、かつτが自由誘導減衰時間T*の0.5、0.3あるいは更に0.1倍より小さいことが更に望ましい。この観点において、τは実際にできるだけ小さいことが最も有利である。
第三に、エコーの生成の条件は、本文ではある変更例に対して用いられる如く2τに等しい関連パルスの反復時間がいかなる場合もT*の略々5または10倍より小さいことである。従って、RDXの3.41MHz線の場合、関連パルスの反復時間が略々3.5または7ミリ秒より小さければ、エコーが生成されることになる。
第四に、エコーを生成するシーケンスからの応答信号の適正な検出においては注意を必要とする。パルス反復時間の比較的高い値(T*の5または10倍付近、あるいはそれ以上)では、大部分の磁化がパルスの後または前に続く自由誘導減衰タイプの信号に集中され、その結果検知されることが望ましいのは信号のこの部分である。比較的低い(例えば、T*の1倍または2倍に等しいパルス反復時間より低い)値では、磁化の大部分はエコーあるいは擬似静止状態の定常状態タイプの信号に実質的に集中することになり、そのため信号の異なる部分が検出されることが望ましい。パルス反復時間の中間の値では、両方の信号が重要となり、従って、最適な信号回復を保証するようにレシーバ位相の慎重な調整を行うことを必要とする。使用されるテスト装置における制約によりプローブのリング・ダウン時間がこれらの中間の値における自由誘導減衰信号の良好な取得を妨げるならば、エコー応答信号のみを検出することが必要となろう。
第五に、第2の実施の形態の全ての変更例がエコー・タイプの応答を生じ得るため、生成されるパルスが実際にNQRエコーを生じることを仮定して、パルスの整形は、周波数および(または)振幅の変調で用いることができる。例えば、(British Technology Group Limitedの)英国特許第2,282,666号に記載される如く整形されたパルスを使用することができる。このようなパルスを用いることの利点は、特に使用されるB1磁界または利用可能なr.f.トランスミッタ電力における諸制限が長いパルスの使用を必要とする時、1つの方形パルスに関してより良好な励起帯域幅を得ることができることである。この励起帯域幅は、(British Technoloy Group Limitedの)英国特許第2,255,830号に既に述べられるように、異なる温度におけるサンプルが検査される時に必要とされる。パルス間の周波数変化もまた・励起帯域幅を改善するために使用することができる。
適当に整形されたパルスを使用する更なる利点は、エコー最大値が次のパルスより下がることのないように、従って捕捉のための更にアクセス可能な領域へ移動するように、この最大値を偏移できることである。等しくないパルス間隔(先に述べた如き)と組合わせて、低いr.f.磁界における重なりパルス、分相パルス、あるいは位相および(または)振幅変調パルスを使用することは、捕捉のため得られる手コーの長さを増加する付加的な利点を有する。
第六に、第2の実施の形態のエコーを生じるパルス・シーケンスは、特定の利点をもって低B磁界において使用できる。このことは、このような低磁界における信号強さが予期されるよりもかなり高いという本発明に関して得た発見によるものである。
第七に、かつ最後に、エコー状信号の信号/雑音比は、指数的逓増フィルタか、あるいは、スプリアス干渉信号をエコー信号から、エコー信号が逓増する間前者が減衰する信号捕捉時間中に、弁別することができるならば、例えばエコー形状、即ちT*に対する整合された時間の逓増関数に基く他のあるフィルタの使用によって更に改善され得る。1つのテスト実験において、砂のサンプルからのスプリアス信号に関して整合された指数的立上がりフィルタの使用によって、信号/雑音比が略々50%だけ増加された。
第2の望ましい実施形態を用いる事例
図12ないし図16において、本発明の第2の実施の形態の第1の変更例を用いて行われた種々の実験の結果(パルス状スピン・ロッキング・パルス・シーケンス)が次に示される。一般に、実験は、個々のAまたはBのパルス・シーケンス当たり一連の少なくとも10または15パルスを使用した。4対の位相巡回シーケンスが使用されたので、このことは、合計で略々80ないし120パルスの最小値を意味する。各個のパルス・シーケンス間の間隔は、略々60ミリ秒であった。この間隔は、更に般的には、磁化が回復することを許容するのに充分であり、従ってTの1倍、2倍、3倍あるいは5倍より多くなる。
図12において、第1の事例では、個々のパルス・シーケンス当たり31のPSLパルスが用いられた(即ち、n=31)。同図は、4対のパルス・シーケンスにより生成された多数のエコー・シーケンスの直角位相の検出された実部分と虚数部分を示し、ここで全てのパルスの長さは30μ秒であり、パルス間隔τ=160μ秒であった。エコー信号の強さは時間と共に減衰したが、少なくとも31のエコーが観察され、パルス・シーケンスが終了した7ミリ秒で良好な品質のエコーがいぜんとして視認できる。2番目、3番目およびその他のエコーが特に強いことに注意すべきであり、略々これらのエコー要素を生成するように意図されたパルス・シーケンスを用いることが有利である。
また、図12からは、当該手法がプローブのリング・ダウンにより生じるパルスのブレークスルー(breakthrough)の全ての痕跡を払拭したことを知るべきである。パルスのブレークスルーを除去したことの特別な利点は、プローブおよびレシーバ・システムの実効リング・ダウン時間を短縮でき、その結果データの取得が関連パルスのエッジにより近く開始できることである。
次に、大数目盛り上のエコー信号強さとパルス間隔τ間のプロットである図13を参照する。図12のプロットにおけるように、全てのパルスの長さは30μ秒であった。図13において、最初の初期パルスP1の少なくとも2ミリ秒後の時間に続いて最初のエコーが観察された。このエコー信号の強さは、パルス間隔τと共に変化して、0.3ミリ秒に近いτ値で最大値に達するが、最も顕著なことに、τのより高い値で急激に降下することが観察された。テストされるRDXの特定の線に対する自由誘導減衰時間T*は略々0.7ミリ秒であり、0.3ミリ秒より上の急激な降下が利用可能なテスト時間の不充分な利用により生じるごとが推定される。更に、図13から、制限内でτの値が小さほど良好であることが推論できる。信号強さはより低い値で低減するが、更なるパルス巡回をサンプルに印加することができ、所与の時間内でより多くのエコーを観察することができ、このことは、信号強さの低下の補償に勝り得る。
フリップ角度に関する信号強さの変化に関して、更に別の事例において、先に述べたものに類似する2対のパルス・シーケンスを用いてテストが行われ、各個のシーケンスにおける3つのパルスの長さが70ないし250μ秒間で変化させられ、パルス間隙τは1、0.5および0.25の値を取った。n=1サイクル後にエコーがサンプルされ、遅延時間は400μ秒の最終パルス後であり、遅延時間が機器の制約によって必要とされ、通常は著しく短縮されることになる。250μ秒のパルス長が119° actual のフリップ角度に対応することが観察され、70μ秒のパルス長が33°actualに対応するものとされた。これらテストの結果は、下表に示される。この表の最下欄が、左方に各テストにおける工コー強さの任意の単位における値を示し、右方にτの各値に対する2対のエコー強さ値の比を示している。
Figure 0003944235
上表は、先に示唆したように、集積エコー強さがτの低減と共に実に増加することを示している。
更にまた、一定なBにおける実効フリップ角度を係数3.6だけ減じることで、τ=1ミリ秒である時の6.5からτ=0−25ミリ秒である時の3.4まで変化する係数だけ積分されたエコー強さを減じる。積分されたエコー強さにおける低減がτの更に低い値に更に少なくマークされることが予期される。比較テストにおいて、フリップ角度33°の1つのパルスに続いて、自由誘導減衰信号強さがフリップ角度119°のパルスに続くものに関して、ちょうどベッセル関数依存性から予期されるだけ多くの約2.5係数だけ減じることが判った。従って、先に述べたテストに基いて、1つのエコー・シーケンスに対して、119°atualより小さなフリップ角度の低減が1つのパルスに続く比較し得る自由誘導減衰に対するより更に著しい信号強さにおける低減を生じるが、パルス間隔τの充分に低い値が用いられるならば、不足が大きく回復され得る。
上の結果がPSLシーケンスのオン共鳴動作に対して述べられたが、このシーケンスは、制限された帯域幅にわたりオフ共鳴条件でほとんど良好に機能するものと信じられる。
オフ共鳴条件への移動の明らかな作用は、多くの状況において時間的に外方へ、かつ強さにおいてやや下方ヘエコー・エンベロープ最大値を偏移させることである。従って、オフ共鳴結果の場合は、比較的少数ではなく多数の励起パルスを用いることが有利であるかも知れない。
オフ共鳴条件へ移動する更なる作用は、応答信号の大きさが周波数オフセットに従って変化し得ることである。これは、受取った信号の慎重な操作により、あるいは国際特許出願第W092/17794号に教示される如く、複数の離散周波数での励起の使用によって補償される必要がある。更にあり得る解決法は、FreemanとHill(「フーリエ変換NMRにおける位相と強さの特異性(Phase and Intensity Anomalies in Fourier Transfom NMR)」、J.Magn.Reson.,4,366〜383(1971))の教示と同様に、小さな不規則な変化をパルス反復時間に誘導することである。これは、エコーの強さは変化させず、それらの時間的な正確な位置のみを変化させるはずである。
オフ共鳴条件への移動の別の効果は、応答信号の強さが周波数オフセットが正か負かに依存し得ることであり、更なる強さの信号が正の周波数オフセットで時に見出される。この効果は、励起周波数を周波数の関心範囲の中心周波数よりやや低い周波数へ歪めることにより補償される必要がある。
本発明の望ましい実施形態の最も重要な特徴は、それらが低フリップ角度αで有効に機能できる能力である。このような能力は、サンプルに印加されるr.f.電力に対する制限がある状況において重要である。
低フリップ角度でエコーを生成する能力については、次に。図14および図1、5に関して示される。これら2つの図における条件は、それぞれ、前表の初めの2行における条件によるものであり、図14の場合は、フリップ角度はP1およびP2の両パルスに対して119°actualであったが、図15の場合は、フリップ角度は両方のパルスに対して僅かに33°actualであった。それぞれの場合に、先に述べたパルス状スピン・ロッキング・シーケンスがn=1で用いられ、換言すれば、シーケンスにおける3番目のパルス後のエコーがサンプルされた。図14と図15のプロットでは、水平(周波数)軸における各細目盛りが0.625KHzを表わし、RDXの5.192MHz線が励起された。前記図から、フリップ角度の両条件下でエコーが生成されたことが判る。実際に、エコーは、本発明によって10°actualもの小さなフリップ角度で生成された。これらのエコーは、90°effectiveより小さなフリップ角度を有するP2パルスを除いて、90°effectiveのフリップ角度を有するP1パルスでも生成された。
本発明による更なる実験は、PSLシーケンスが、低いフリップ角度値においても長期間存続するいわゆる「準定常(quasi−stationary)」状態で応答信号を生じることができることを示した。
また、先に述べた全てのパルス・シーケンスが90°effectiveより高いフリップ角度で用いることができるとも言わねばならない。
先に述べたように、エコーが9°effectiveよりはるかに小さなフリップ角度(スピン−1系の場合、119°actual)で生成できることの本発明による発見は、驚異の発見であった。この発見はまた、第2の望ましい実施形態に関して述べた他のパルス・シーケンスにも適用することが判った。
最後に第2の実施の形態の第1の変更例に関して、図16は、典型的な実験条件下でニッケル・メッキされたねじと共に爆薬RDXを含むサンプルに対する信号強さと時間の関係プロットである。前記ねじからの信号をテストの最初の1ミリ秒以内に見ることができ、この時点で信号を除去する試みはされなかった。しかし、その後、エコーの応答はスプリアス応答からのブレイクスルー(break through)もなく明瞭に視認できる。
図17は、第2の実施の形態の第2の変更例の8つのパルス・シーケンスの動作を例示している。同図は、下記条件下で爆薬RDXからのNQR信号を検出するためシーケンスを用いる信号強さと時間の関係プロットである。即ち、
(i)τ=τ=τ=τ=1.5ミリ秒(全線)
(ii)τ=τ/2=τ=τ/2=1ミリ秒であるシーケンス間に得た1ミリ秒エコー(短破線)、および
(iii)(ii)と同じシーケンス間に得た2ミリ秒エコー(長破線)
エコーが全てがいかなる場合にも見出されるとはかぎらないことが理解されよう。
3つのカーブのそれぞれの下方の領域の積分が、等しくないパルス間隔が等しい間隔で生じるパルスより悪い結果とならないことを示唆する。実際には、比較的低いB磁界において、等しくない間隔を用いた結果がより優れていることが判った。
第2の実施の形態(定常状態の自由歳差パルス・シーケンス)の第2および第3の変更例の動作の一例について、図18に関して次に記述する。これは、下記条件下で中心周波数3.41MHzのr.f.パルスに応答して(RDXが存在しない時の)砂からの信号の時間的解法を示す(信号(v)を除く)。即ち、
(i)1つの最適フリップ角度(90°effective)パルスに続く信号(点鎖線)
(ii)1.5ミリ秒の一定パルス反復時間τを持つ、第2の変更例の8つの等化パルスーシーケンスに応答する信号(点線)
(iii)τの同じ値を持つ、第3の変更例の等化位相変更シーケンスに応答する信号(実線)
(iv)再びτの同じ値を持つ、米国特許第5,365,171号に記載された等化PAPS/NPハPSパルス・シーケンスに応答する信号(3点鎖線)
信号(ii)ないし(iv)は、それらの各シーケンスの終りに得られた。1.5ミリ秒のパルス反復時間と0.2ミリ秒の不動作時間の場合、実際にはパルス・シーケンス中に信号取得が図18似示される信号の最初の1−3ミリ秒のみに生じる。
明らかに、平坦な未減衰の砂信号(sand signal)が、(i)この砂信号を減衰させるため特に設計されたシーケンスの内で優勢であり、第2および第3の変更例が、((ii)および(iii))最良の動作となり、PAPS/NPAPSシーケンスが、(iv)やや劣った動作となる。
同じ情報の大部分もまた図19に示されるが、信号強さはより大きな縮尺で示される(単一パルスに対する応答は示されない)。同じ信号が、同じ線種で示される。図19には、上記信号(ii)に対応する信号も示されるが、砂の代わりに爆薬RDXを用いる場合である(黒の記号)。
第2および第3の変更例を用いる結果が略々等しい(砂信号の暗々−33dB減衰を表わす)が、PAPS/NPAPSシーケンスを用いる結果はかなり劣る(略々一20dBの減衰を表わす)ことが判る。比較において、砂がない場合に爆薬RDXから得た等化信号(equivalent signa1)は、PAPS/NPAPSシーケンスと信号(i)を用いて得た砂信号より強さが弱く、用いられた特定の実験状況では、非位相巡回シーケンスもPAPS/NPAPSシーケンスもいずれもRDXを検出したことを示唆する。一般に、第2および第3の変更例を用いた結果が略々対比し得ることが判ったが、1つあるいは他の変更例がしばしば特定の条件に対してかろうじて更に有効であることが判った。このことは、2つの変更例が様々な時点に用いる異なる位相によるものと考えられる。
第3の実施の形態−ハイブリッド
本発明の第3の望ましい実施形態は、効果的に前の2つの実施の形態の第1の変更例のハイブリッドであり、これにおいて、各個のパルス・シーケンスは、第1の実施の形態による2つのパルスのスピン・ロッキング・シーケンス(初期準備パルスを含む)を含み、その後に第2の実施の形態によるエコー・シーケンス(他の準備パルスは含まない)が続き、エコー・シーケンスのパルスはP2パルスと同位相であるか、あるいは実際に他の位相を有する。
前に用いた表記を用いると、個々のパルス」シーケンスは下記形態である。即ち、α0°−t90°−{−2τ一α90°−}
スピン・ロッキング・シーケンスが用いられて、反復し得る品質の自由誘導減衰信号を生じる。これは次に、エコー・シーケンスによりエコ−として再生され、エコーの位相がスピン・ロッキング・シーケンスの位相により指示される。このハイブリッド・シーケンスは、応答信号の信号/雑音比を改善するという先に述べたシーケンスに勝る利点を持ち得る。
本文に述べた本発明の望ましい実施形態に関して要約すると、以下のように述べることができる。即ち、
(a)干渉信号は、位相等化の原理に従う時、適切な位相偏移/位相巡回手法により除去することができる。付随する利点は、プローブおよびレシーバ・システムにおけるリング・ダウンにおけるある明らかな低減がパルスのブレイクスルーにおける低減により達成可能であることである。
(b)位相巡回スピン・ロッキング・シーケンスは、広範囲のフリップ角度にわたる1つのパルスに続く自由誘導減衰に対比し得る強さの自由誘導減衰を生じることができ、全てのスプリアスなリング・ダウンの完全な排除が第2のパルスから生じる。3.41MHzのRDX線の場合には、第1のパルスからのいかなる干渉信号の完全な減衰を可能にするため、1ないし2ミリ秒間のスピン・ロッキング時間が予測できる。
(c)位相巡回シーケンス(phase cycled sequence)は、初期準備パルスを除く全てからの全ての干渉信号のほとんど完全な抑制と共にエコーを生成することができる。RDXの3.41MHz線の場合は、おそらくは最も短いパルス間隔が望ましく思われ、τ=0.25ミリ秒の値が、119°actualのフリップ角度の集積エコー強さと関連して僅かに3.4の33°actualのフリップ角度に対する集積エコー強さにおける損失を生じる。
本発明が本文において単に事例として記述され、細部の修正が本発明の範囲内で可能であることが理解されよう。
本文の記述、および(適切な場合に)請求の範囲および図面に開示された各特徴は、独立して、あるいは任意の適切な組合わせにおいて提供することができる。
図1は、本発明によるNQRテストのための装置のブロック図、 図2a(i)、図2a(ii)は、本発明の第1の望ましい実施形態で用いられるパルス・シーケンスの諸変形であり、 図2b(i)、2b図(ii)は、本発明の第1の望ましい実施形態で用いられるパルス・シーケンスの諸変形であり、 図2c(i)、図2c(ii)は、本発明の第1の望ましい実施形態で用いられるパルス・シーケンスの諸変形であり、 図2d(i)、図2d(ii)は、本発明の第1の望ましい実施形態で用いられるパルス・シーケンスの諸変形であり、 図3は、本発明の第1の実施の形態の第1の変更例を用いて得られるスピン・ロッキング・パルスP2の信号強さと長さの関係プロット、 図4は、信号対パルス長カーブの異なる部分を示す、図3のプロットと類似のプロット、 図5は、信号対パルス長カーブの異なる部分を再び示す、図3のプロットと類似のプロット、 図6は、初期の準備パルスP1に対する3つの異なるパルス長さと対応する3つの異なるプロットを示す、図5のプロットと類似のプロット、 図7は、2つの異なる種類のパルス間の比較を示す一初期パルスP1の長さ対信号強さの関係プロット、 図8は、第1の実施の形態の第2の変更例を用いて得られる信号強さ対時間の関係プロット、 図9は、1つの励起パルスを用いて得られる類似のプロットと比較された、第1の実施の形態の第3の変更例を用いて得られる信号強さ対周波数の関係プロット、 図10は、第1の実施の形態の第1と第4の変更例を用いて得られる信号強さ対周波数の関係プロット、 図11は、本発明の第2の望ましい実施形態で用いられるパルス・タイミング図、 図12は、本発明の第2の実施の形態の第1の変更例を用いて得られる実際と虚数の信号強さ対時間の関係プロット、 図13は、第1の変更例を用いて得られる信号強さ対パルス間隔(τ)のプロット、 図14は、第1のフリップ角値(119°actual)における第1の変更例を用いて得られる信号強さと周波数の関係プロット、 図15は、第2のフリップ角値(33°actual)における対比的なプロット、 図16は、第1の変更例を用いて得られる信号強さ対時間の関係プロット、 図17は、第2の実施の形態の第2の変更例を用いて得られる信号強さ対時間の関係プロット、 図18は、第2の実施の形態の第2と第3の変更例を用いて得られる信号強さ対時間の関係プロット、および 図19は、信号強さの異なるスケールによる図18のプロットと類似のプロットである。

Claims (14)

  1. 四極子核を含むサンプルを核四極子共鳴テストする方法であって、該サンプルからもたらされるスプリアス信号から真の核四極子共鳴応答信号を区別する該方法において、
    少なくとも1つの第1のパルスと1つの第2のパルスとを含むパルス・シーケンスをサンプルに印加して、核四極子共鳴を励起するステップであって、前記第1と第2のパルス間の時間が前記第2のパルスの長さより小さく、該第2のパルスの長さが前記四極子核のT1pの0.5倍より小さいか等しく、T1p は回転フレームにおけるスピン格子緩和時間であり、前記第2のパルスが前記第1のパルスにより生成される磁化を少なくとも部分的にロックする、該励起するステップと、
    応答信号を検出するステップと、を含み、
    該第1パルスと第2のパルスとの間の時間と、該第2のパルスの長さとが、該第1のパルスによるスプリアス信号が該検出するステップの前に少なくとも部分的に減衰されるに十分の長さである、
    該方法。
  2. 前記第1と第2のパルス間の時間が、前記四極子核の値T2*の2倍未満である請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1と第2のパルス間の時間が、前記四極子核の値T2*の1倍未満である請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1と第2のパルス間の時間が、前記四極子核の値T2*の0.5倍未満である請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1と第2のパルス間の時間が、前記四極子核の値T2*の0.3倍未満である請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1と第2のパルス間の時間が、前記四極子核の値T2*の0.1倍未満である請求項1に記載の方法。
  7. 前記第1および第2のパルスが連続している請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記第2のパルスが2つの位相変更要素を含む請求項1ないし7のいずれか一つに記載の方法。
  9. 前記第2のパルスが、前記2つの位相変更要素とは異なる位相を有する請求項8記載の方法。
  10. 前記第2のパルスの長さが、前記第1のパルスの長さの75%未満である請求項1ないし9のいずれか一つに記載の方法。
  11. 前記第2のパルスの長さが、前記第1のパルスの長さの50%未満である請求項1ないし9のいずれか一つに記載の方法。
  12. 前記第2のパルスの位相が前記第1のパルスの位相と直角関係にある請求項1または11にいずれかに記載の方法。
  13. 前記第1および第2のパルスにより生成された磁化を少なくとも部分的にロックし、前記第1および第2のパルスの位相の中間の位相である第3のパルスを含む請求項1ないし12のいずれか一つに記載の方法。
  14. 前記第1および第2のパルスの少なくとも1つが、異なる位相の複数の要素を含む請求項1ないし13のいずれか一つに記載の方法。
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