JP3943852B2 - 圧力制御弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は圧力制御弁に関し、特に自動車の燃料タンク内に設けられて燃料タンクから圧送される燃料の供給圧力を一定に制御する圧力制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の燃料系統では、燃料タンク内の燃料をポンプで汲み出し、燃料噴射装置へ圧送するようにしている。ポンプによる燃料の供給は、燃料噴射装置における制御が常に適正に行われるのを保証するために、圧力を一定にする必要があり、そのために、圧力制御弁が用いられている。この圧力制御弁は、一般に、ポンプから燃料噴射装置への配管の途中に設けられており、ポンプから制御しようとする圧力以上の供給圧力で供給される燃料の余剰分を燃料タンクへ戻すことで、圧力制御を行っている。
【0003】
このような圧力制御弁には、エンジンルーム内に設けられるタイプと燃料タンク内に設けられるタイプとがあるが、ここでは、燃料タンク内に設けられるタイプの圧力制御弁の構成例について説明する。
【0004】
図9は従来の圧力制御弁の構成例を示す中央縦断面である。
この圧力制御弁100は、樹脂製のボディ101と、弁体を構成するボール102と、このボール102を付勢する圧縮コイルばね103と、ボール102が着座する弁座を構成するプラグ104と、ポンプから圧送された燃料の供給圧力を感知するダイヤフラム105と、プラグ104をかしめ加工することによってダイヤフラム105とともに一体になるよう固定されたホルダ106と、一端がボール102に溶着され、他端が球形状に形成されたシャフト107と、ホルダ106を介してダイヤフラム105およびプラグ104をボール102の方向へ付勢する圧縮コイルばね108と、この圧縮コイルばね108を収容し、ダイヤフラム105の外周部をかしめ加工によりボディ101に固定するハウジング109とを備えている。なお、ボール102を付勢する圧縮コイルばね103は、ダイヤフラム105を付勢する圧縮コイルばね108よりも十分に小さなばね荷重を有している。
【0005】
ハウジング109は、その頂部中央に外側に向かって滑らかに凹設されたシャフト受け部110を有している。このシャフト受け部110の回りには、複数個の燃料排出口112が穿設されている。また、ボディ101の図中の下端部には、燃料供給口113が形成され、その燃料供給口113は、ボディ101の軸線方向に設けられた通路114を通ってダイヤフラム105の受圧面側の空間へ連通されている。
【0006】
このような構成の圧力制御弁100は、燃料供給口113に燃料の供給がない場合には、図9に示したように、プラグ104が筒状ストッパ111に当接され、ボール102がプラグ104に着座されていて全閉状態となっている。
【0007】
ここで、ポンプが動作して燃料供給口113に燃料の供給圧力を受けると、ダイヤフラム105は、圧縮コイルばね108の付勢力に抗して図の上方へ変位していき、これに伴ってプラグ104および圧縮コイルばね103により着座されているボール102も図の上方へ移動していく。
【0008】
ボール102と一体のシャフト107も上昇して、その上端がシャフト受け部110の底部に当接すると、ここからは、ボール102を残してプラグ104がさらに上昇することになり、プラグ104はボール102から離れて、圧力制御弁100が開き始める。プラグ104は、ボール102から離れ、燃料の供給圧力と圧縮コイルばね108の荷重とがバランスした位置で停止する。これにより、燃料供給口113から供給された燃料は、通路114を通り、筒状ストッパ111の端面とプラグ104との間を通り、ボール102とプラグ104との間およびシャフト107が挿通された弁孔を通ってハウジング109で囲まれた空間に入り、そこからハウジング109の端面に設けられた燃料排出口112を通って排出され、燃料タンク内に戻される。
【0009】
その状態で、ポンプから圧送される燃料の供給圧力がさらに高くなると、プラグ104がボール102から離れ、弁開度を大きくして燃料の供給圧力を減少させ、燃料の供給圧力が低くなると、プラグ104がボール102に接近し、弁開度を小さくして燃料の供給圧力を増加させる。このようにして、燃料の供給圧力を一定に保持している。
【0010】
ここで、ボール102とともに、この圧力制御弁100の弁部を構成するプラグ104について説明する。
図10は従来のプラグの例を示す断面図であって、(A)は着座面をR形状に加工したプラグを示し、(B)は着座面をC面加工したプラグを示している。
【0011】
従来の圧力制御弁100に用いられているプラグにおいて、ボール102が着座する着座面は、(A)に示したように、R形状115に加工したプラグ104aまたは(B)に示したように、C面116に加工したプラグ104bが用いられている。これらのプラグ104a,104bでは、弁孔をドリル加工した後、そのR形状115,C面116をそれぞれ旋盤で切削加工することによって形成している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の圧力制御弁では、プラグの着座面を切削加工により形成しているため、着座面のR形状部分やC面の部分に切削加工痕やばりが残り、それがボールとのシール性を劣化させるばかりでなく、ボールが当接することにより加工痕の山の部分が剥離して、シール性をさらに悪化させてしまうという問題点があった。
【0013】
また、そのようなシール性を改善するには、着座面のR形状部分やC面の部分を鏡面状に研磨して切削加工痕やばりを消してやればよいが、加工コストが高くなるという問題点があった。
【0014】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、シール性が高く、低コストのプラグを有する圧力制御弁を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、燃料を圧送するポンプの吐出側に接続された燃料供給口を有するボディと、余剰圧力の燃料を燃料タンク内に排出する燃料排出口を有するハウジングと、前記ボディと前記ハウジングとによって挾持され前記燃料供給口より導入された燃料の供給圧力を受けて変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの中央に固定され中央の軸線方向に開口された弁孔を有していて前記弁孔の前記燃料供給口の側に弁座を有するプラグと、前記プラグの弁座に対向した位置に配置されたボール状の弁体と、一端が前記弁体に固着され他端が前記プラグの前記弁孔を貫通して延びていて前記ハウジングの端面に凹設された受け部に遊嵌されるシャフトと、前記弁体を前記プラグの弁座に着座させる方向に付勢する第1の圧縮コイルばねと、前記ダイヤフラムを前記燃料供給口の側へ付勢する第2の圧縮コイルばねとを備え、ポンプから圧送される燃料の供給圧力を一定に制御する圧力制御弁において、前記プラグは、前記弁体が着座する部分に総形バイトで総形切削加工した後、前記弁体と同じボールでコイニング加工した前記弁座を有し、前記ボディは、前記ボール状の前記弁体を収容するとともに、前記ダイヤフラムが前記第2の圧縮コイルばねによる付勢によって前記燃料供給口の側へ変位する量を前記プラグの当接によって規制する筒状ストッパを有し、前記プラグは、前記筒状ストッパと当接する面側に内径が少なくとも前記筒状ストッパの外形よりも大きい筒状のガイドが一体に突設されていることを特徴とする圧力制御弁が提供される。
【0016】
このような圧力制御弁によれば、ボール状の弁体が着座するプラグの弁座の部分を総形バイト総形切削で加工し、コイニング加工した。これにより、弁体が着座する面を加工痕の残らない面にすることができ、コイニング加工することで、着座面を弁体の球面に倣った曲面に凹設することができるため、加工コストが安く、シール性の良いプラグにすることができ、したがって、安価な圧力制御弁を提供することができる。また、ガイドがあることによって、シール部がプラグの内部に位置して保護されているため、ワーク台などにプラグをシール部のある側を下にして置いたとしても、シール部が直接ワーク台などに接触することがなく、プラグを置いたり搬送したりする途中で、シール部に傷が付いてしまうこともないので、シール性を保持することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、燃料タンク内に設けられてポンプから圧送された燃料の供給圧力を一定に制御する圧力制御弁に適用した場合を例に、図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明による圧力制御弁の構成を示す中央縦断面図、図2は圧力制御弁の平面図である。
本発明による圧力制御弁1は、樹脂製のボディ2と、弁体を構成するボール3と、このボール3を付勢する圧縮コイルばね4と、弁座を構成するプラグ5と、ポンプから圧送された燃料の供給圧力を感知するダイヤフラム6と、プラグ5をかしめ加工することによってダイヤフラム6とともに一体になるよう固定されたホルダ7と、一端がボール3に溶着され、他端が球形状に形成されたシャフト8と、ホルダ7を介してダイヤフラム6およびプラグ5をボール3の方向へ付勢する圧縮コイルばね9と、この圧縮コイルばね9を収容し、ダイヤフラム6の外周部をかしめ加工によりボディ2に固定するハウジング10とを備えている。
【0019】
ここで、ダイヤフラム6は、ゴムシート6aとポリイミドフィルム6bとを重ね合わせて配置したもので構成している。ゴムシート6aは、その外周部にリブが一体に突設されており、このリブがボディ2の上面にリング状に形成された溝に嵌合され、ハウジング10のかしめ加工により、ポリイミドフィルム6bを介してボディ2およびハウジング10で挾持されることで、ゴムシート6aの脱落防止と高圧側空間のシールとを行っている。ゴムシート6aに重ね合わせ配置されたポリイミドフィルム6bは、ゴムシート6aの補強材の働きをしており、ゴムシート6aを介してボディ2およびハウジング10で挾持されることで、脱落が防止され、耐圧性を向上させることができる。なお、ボール3を付勢する圧縮コイルばね4は、ダイヤフラム6を付勢する圧縮コイルばね9よりも十分に小さなばね荷重を有している。
【0020】
プラグ5は、ボール3および圧縮コイルばね4を収容し、かつ、ダイヤフラム6が圧縮コイルばね9による付勢によって変位する量を規制するようにボディ2と一体に形成された筒状ストッパ11に当接している。また、このプラグ5の下端面の外周には、筒状のガイド5aが一体に突設されている。このガイド5aは、筒状ストッパ11との当接面側の内径が筒状ストッパ11の外形より若干大きく、図の下方の先端に行くほど大きくなるよう、内壁面にテーパが付けられている。これにより、プラグ5の組立作業の際に、プラグ5を筒状ストッパ11に載せるだけで、ガイド5aがプラグ5をボディ2の軸線上に位置決めするように働き、組立作業性を向上させる。
【0021】
ハウジング10は、その頂部の中央に外側に滑らかに凹設されたシャフト受け部12を有し、その底部はシャフト8の先端の球形状と同じ曲率に形成されている。ポンプから燃料の供給がない場合には、図1に示したように、プラグ5が圧縮コイルばね9によって対向する筒状ストッパ11の端面に当接され、ボール3が圧縮コイルばね4によってプラグ5に着座されているが、その場合に、このシャフト受け部12は、シャフト8の先端を遊嵌するようにしている。すなわち、シャフト8がボール3を中心にして傾動しても、その先端はシャフト受け部12の内壁に係止され、シャフト8をそれ以上倒れ込まないようにしている。
【0022】
また、図2に示されるように、シャフト受け部12の回りには、図示の例では3個の燃料排出口13が穿設されている。ここで、燃料排出口13を穿設したことによって、シャフト受け部12との間に細い連結部14が形成される。この連結部14は、セット値調整のための変形部位を構成している。すなわち、ダイヤフラム6が燃料の供給圧力を受けると、図の上方へ変位し、それに伴ってプラグ5およびボール3が上昇し、シャフト8の先端がシャフト受け部12の底部に当接したところでプラグ5がボール3から離間して弁が開き始めるが、この圧力制御弁1が開弁し始めるセット値の調節は、シャフト受け部12を外部から加圧して中に押し込むことで行っている。このセット値の調節では、脆弱な連結部14しか変形しないため、ハウジング10の上端面の外周部は、変形を受けない。このため、この先にパイプを接続する場合に、その上端面の外周部は、平らな面を保持できることから、接続パイプとのシール面を構成することができる。
【0023】
以上の構成の圧力制御弁1の動作について説明する。まず、ポンプが停止していて燃料供給口15に燃料の供給がない場合には、図1に示したように、燃料の供給圧力を受けないダイヤフラム6は、圧縮コイルばね9によって図の下方へ付勢されており、プラグ5は、筒状ストッパ11の端面に当接されている。このとき、ボール3は、圧縮コイルばね4によってプラグ5に着座されており、弁孔を閉塞し、圧力制御弁1としては全閉状態にある。
【0024】
ここで、ポンプが動作して燃料供給口15に燃料の供給が開始されると、ダイヤフラム6は、燃料の供給圧力を受け、圧縮コイルばね9の付勢力に抗して図の上方へ変位していく。ダイヤフラム6の変位に伴ってプラグ5も図の上方へ移動していき、圧縮コイルばね4によって付勢されているボール3もプラグ5に着座した状態で図の上方へ移動していく。
【0025】
ボール3が図の上方へ移動していくに連れて、それと一体のシャフト8も上昇していく。このとき、ダイヤフラム6が水平姿勢のまま変位していくわけではないので、筒状ストッパ11を離れたプラグ5は、傾いてしまう。プラグ5が傾くことにより、プラグ5に着座されたボール3に固定のシャフト8も傾くが、シャフト8の上端がシャフト受け部12の内壁面にて傾きが規制されるため、シャフト8はボール3を中心に枢動する。このとき、ボール3は球形状であるため、ボール3の枢動位置に関係なく、閉弁状態を保持する。つまり、ボール3がプラグ5の弁座に追従して、閉弁状態を保持している。
【0026】
プラグ5がさらに上昇すると、ボール3に固定されたシャフト8も上昇するが、このとき、球形状になっているシャフト8の先端は、シャフト受け部12の内壁面に沿って摺動しながら上昇していく。
【0027】
そして、シャフト8の先端が同じ曲率に形成されたシャフト受け部12の底部に当接すると、シャフト8は、もはやプラグ5と一緒に上昇することができなくなる。ここからプラグ5がさらに上昇すると、ボール3はその場に取り残されるため、プラグ5はボール3から離れていく。つまり、圧力制御弁1が開き始める。この開弁の開始位置は、シャフト8の上端がシャフト受け部12の底部に当接する位置であり、この位置は、シャフト受け部12を軸線方向内側に変形移動させることによって調節される。
【0028】
ボール3がプラグ5から離れると、圧縮コイルばね4により付勢されているボール3およびシャフト8は、その先端の球形状部分を支点に揺動可能になる。
燃料の供給圧力がさらに高くなると、ダイヤフラム6は、図の上方へ変位し、プラグ5が上昇することで、プラグ5は、ボール3から離れ、燃料の供給圧力と圧縮コイルばね9の荷重とがバランスした位置でプラグ5が停止する。これにより、燃料供給口15から供給された燃料は、通路16を通り、筒状ストッパ11の端面とプラグ5との間を通り、ボール3とプラグ5との間およびシャフト8が挿通された弁孔を通ってハウジング10で囲まれた空間に入り、そこからハウジング10の端面に設けられた燃料排出口13を通って排出される。
【0029】
そして、ポンプから圧送される燃料の供給圧力がさらに高くなると、ダイヤフラム6が図の上方へ変位し、プラグ5がボール3から離れて弁開度は大きくなるため、この圧力制御弁1を流れる流量が増えて燃料の供給圧力を減少させる。逆に、燃料の供給圧力が低くなると、ダイヤフラム6が図の下方へ変位し、プラグ5がボール3に接近して弁開度は小さくなるため、この圧力制御弁1を流れる流量が減少して燃料の供給圧力を増加させる。このようにして、燃料の供給圧力を一定に保持している。
【0030】
図3はプラグの詳細を示す断面図である。
このプラグ5にボール3が着座する弁座は、シャフト8が貫通する弁孔5bの内壁に沿って弁孔5bの軸線に平行に延びる線21とボール3が配置される側の端面を含む面22との交点から弁孔5bの吐出側および半径方向外側にそれぞれ所定距離だけ離れた位置、図示の例では0.5mmの位置を通って弁孔5bの内壁に沿って延びる線21および端面を含む面22に対してそれぞれ所定角度、図示の例では2〜10°だけ内側に傾いて延びる傾斜線23,24と、これら傾斜線23,24の交点をなす部分に形成された、図示の例では曲率半径0.3mmのR形状とからなる断面輪郭形状を有している。
【0031】
このような弁座は、上記のような輪郭形状を有する総形バイトを用いて総形切削加工することによって形成される。ここで、弁孔5bの内壁に沿って延びる線21と傾斜線23とが交わる位置、およびプラグ5の端面を含む面22と傾斜線24とが交わる位置、すなわち、内壁および端面の加工端部は、弁座とボール3とによるシール部から離れた位置に設定されている。また、傾斜線23,24の角度は、圧力制御弁1の流量特性を従来のものとほぼ同じにしたい場合は、できるだけ小さい値に設定される。
【0032】
次に、図4ないし図8を参照して、プラグ5の加工手順について説明する。
図4は弁座加工前の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図、図5は総形切削加工前の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図、図6は総形切削加工後の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図、図7はコイニング加工前の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図、図8はコイニング加工後の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図である。
【0033】
まず、バイトにより切削加工した状態では、図4に示すように、プラグ5の弁孔5bの内壁面およびボール3が配置される側の端面は、切削加工痕が残っている。
【0034】
次に、図3で説明した弁座の断面輪郭形状を有する総形バイト31を用いて、総形切削加工を行う。この加工は、図5に示すように、総形バイト31を図の破線位置まで送ることで行う。ここで、位置32,33は、総形バイト31による加工エリアの加工端部を示している。これにより、プラグ5は、図6に示したように、シール部となる弁座が加工痕のない状態に加工される。
【0035】
次に、ボール3を用いて、コイニング加工を行う。この加工は、図7に示すように、ボール3を弁座に当接した状態でボール3に荷重をかけ、ボール3を図の破線位置まで送ることで行う。これにより、プラグ5は、図8に示したように、シール部となる弁座がボール3の球面形状に倣って変形し、球面形状に凹設された着座面5cを形成することができる。これにより、プラグ5とボール3との当接により形成されるシール部は、従来の線接触から面接触になり、シール性を向上させることができる。また、コイニング加工は、総形切削加工により切削加工痕を消した後に行うため、コイニング加工により切削加工痕からの微細な金属剥離は発生しない。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ボールが着座する弁座部分を総形バイトで総形切削加工し、かつ、ボールでコイニング加工したプラグを用いる構成にした。これにより、シール部に加工痕が残らないため、コイニング加工した後のシール性が向上し、加工痕を取るための研磨を必要としないため、コストを低減することができる。
【0037】
また、総形バイトの加工エリアを広くとり、加工端部をシール部から離すことで、シール部におけるばりや切削加工痕を完全になくすことができるため、シール性の劣化要因をなくすことができる。
【0038】
さらに、プラグの燃料供給圧力導入側端面にガイドを設けたことで、プラグの組立作業の際に、プラグをボディの軸線位置に容易に位置決めするため、組立作業性を向上させることができる。また、ガイドがあることによって、シール部がプラグの内部に位置して保護されているため、ワーク台などにプラグをシール部のある側を下にして置いたとしても、シール部が直接ワーク台などに接触することがない。したがって、プラグを置いたり搬送したりする途中で、シール部に傷が付いてしまうことがなくなり、シール性を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による圧力制御弁の構成を示す中央縦断面図である。
【図2】圧力制御弁の平面図である。
【図3】プラグの詳細を示す断面図である。
【図4】弁座加工前の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図である。
【図5】総形切削加工前の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図である。
【図6】総形切削加工後の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図である。
【図7】コイニング加工前の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図である。
【図8】コイニング加工後の状態を示すプラグの要部拡大部分断面図である。
【図9】従来の圧力制御弁の構成例を示す中央縦断面である。
【図10】従来のプラグの例を示す断面図であって、(A)は着座面をR形状に加工したプラグを示し、(B)は着座面をC面加工したプラグを示している。
【符号の説明】
1 圧力制御弁
2 ボディ
3 ボール
4 圧縮コイルばね
5 プラグ
5a ガイド
5b 弁孔
5c 着座面
6 ダイヤフラム
6a ゴムシート
6b ポリイミドフィルム
7 ホルダ
8 シャフト
9 圧縮コイルばね
10 ハウジング
11 筒状ストッパ
12 シャフト受け部
13 燃料排出口
14 連結部
15 燃料供給口
16 通路
31 総形バイト
Claims (2)
- 燃料を圧送するポンプの吐出側に接続された燃料供給口を有するボディと、余剰圧力の燃料を燃料タンク内に排出する燃料排出口を有するハウジングと、前記ボディと前記ハウジングとによって挾持され前記燃料供給口より導入された燃料の供給圧力を受けて変位するダイヤフラムと、前記ダイヤフラムの中央に固定され中央の軸線方向に開口された弁孔を有していて前記弁孔の前記燃料供給口の側に弁座を有するプラグと、前記プラグの弁座に対向した位置に配置されたボール状の弁体と、一端が前記弁体に固着され他端が前記プラグの前記弁孔を貫通して延びていて前記ハウジングの端面に凹設された受け部に遊嵌されるシャフトと、前記弁体を前記プラグの弁座に着座させる方向に付勢する第1の圧縮コイルばねと、前記ダイヤフラムを前記燃料供給口の側へ付勢する第2の圧縮コイルばねとを備え、ポンプから圧送される燃料の供給圧力を一定に制御する圧力制御弁において、
前記プラグは、前記弁体が着座する部分に総形バイトで総形切削加工した後、前記弁体と同じボールでコイニング加工した前記弁座を有し、
前記ボディは、前記ボール状の前記弁体を収容するとともに、前記ダイヤフラムが前記第2の圧縮コイルばねによる付勢によって前記燃料供給口の側へ変位する量を前記プラグの当接によって規制する筒状ストッパを有し、前記プラグは、前記筒状ストッパと当接する面側に内径が少なくとも前記筒状ストッパの外形よりも大きい筒状のガイドが一体に突設されていることを特徴とする圧力制御弁。 - 前記プラグの弁座は、前記シャフトが貫通する前記弁孔の内壁に沿って前記弁孔の軸線に平行に延びる線とボール状の前記弁体が配置される側の端面を含む面との交点から前記弁孔の吐出側および半径方向外側にそれぞれ所定距離だけ離れた位置を通って前記弁孔の内壁に沿って延びる線および前記端面を含む面に対してそれぞれ所定角度だけ内側に傾いて延びる傾斜線と、前記傾斜線の交点をなす部分に形成されたR形状とからなる断面輪郭形状を有していることを特徴とする請求項1記載の圧力制御弁。
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