JP3940764B2 - ドレーンパイプ工法および地盤穿孔装置 - Google Patents

ドレーンパイプ工法および地盤穿孔装置 Download PDF

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本発明は、ドレーンパイプ工法および地盤穿孔装置に関し、詳しくは、地表から地盤内にドレーンパイプを埋設しておき、地震等の際に地盤内に発生する水をドレーンパイプから効率的に排出することで、地盤が流動化あるいは液状化するのを効率的に防止するなど、地盤の改質を行うドレーンパイプ工法と、このようなドレーンパイプ工法において、ドレーンパイプの埋設作業に使用される地盤穿孔装置とを対象にしている。
大きな地震が発生した時に、地盤から地下水が一気に噴き上げ、地盤が泥水のように緩んでしまう現象を起こすことがある。このような現象を、地盤の液状化あるいは流動化と呼んでいる。地盤の液状化が起こると、道路などの地面が陥没したり、地滑りを起こしたり、建築物の基礎地盤が不当沈下を起こして建築物が傾いたりして、甚大な被害を発生させる。
地盤の液状化を防止する技術として、ドレーンパイプ工法が知られている。地表から地盤内にドレーンパイプを埋め込んでおく。地震で地盤内の水圧が高まると、地盤内に発生した水は、ドレーンパイプから地表へと噴き出して排出される。その結果、地盤内に過剰な水が溜まったり地下水圧が高くなったりしないので、地盤の液状化が阻止される。
特許文献1には、ドレーンパイプとして、麺状の合成樹脂を集積させて管状に成形してなる透水材や、複数個の孔が貫通形成された透水パイプ、不織布、合成樹脂製ネットなどを組み合わせる技術が示されている。前記した麺状の管材は、麺同士の隙間が、管材の全面で良好な通水性を発揮し、地盤内の水を迅速に排出できるなどの利点を有している。このようなドレーンパイプの施工方法も記載されている。可動ブーム先端に削孔マシンを取り付けた作業車を施工現場に乗り入れ、削孔マシンで鋼管などからなるケーシング管を地盤に打ち込む。地盤に埋設されたケーシング管の内部に、ドレーンパイプを挿入設置したあと、ケーシング管を引き抜くことで、ドレーンパイプが地盤と接触した状態で埋設される。この方法であれば、比較的に耐久性や強度に劣るドレーンパイプであっても、地盤内に容易に埋設することができる。前記した麺状の管材を使用するのに適しているとされている。
特開平10−204864号公報
従来のドレーンパイプ工法では、ドレーンパイプを地表から地盤内に埋設するために、大掛りな装置や設備が必要になり、既設住宅における地盤流動化防止対策などには適用し難いという問題がある。
例えば、特許文献1に記載された技術では、大型の可動ブーム付き作業車を、施工現場に乗り入れる必要がある。住宅が密集している住宅地などでは、個々の住宅の周囲に大型作業車が乗り入れられるような空間がないことが多い。また、削孔マシンで、ケーシング管に打撃を加えて地盤に打ち込む作業を行うと、大きな騒音を発生し、周辺住民に多大の迷惑がかかる。作業に伴って発生する過大な振動で、周辺住宅の壁面や土台に悪影響を与える心配もある。特に、地盤の深くまでドレーンパイプを埋設しようとすると、長大なケーシング管を地盤に打ち込む必要があるため、長大なケーシング管を保持したり打ち込んだりできる大型の作業車および可動ブームが必要である。広い道路に面するような施工現場でないと作業は難しい。
本発明の課題は、前記したドレーンパイプ工法を、大掛りな装置設備を使用しなくても、簡単かつ効率的に実施でき、周辺環境への悪影響も軽減でき、特に、既設住宅の敷地など、十分な工事スペースが確保し難い作業環境であっても、良好にドレーンパイプ工法が適用できるようにすることである。
本発明にかかるドレーンパイプ工法は、地表から地盤内にドレーンパイプを埋設するドレーンパイプ工法であって、強制振動を発生する地盤穿孔装置を、ドレーンンパイプの内部に配置し、ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置の先端に穿孔ビットを配置する工程(a)と、前記地盤穿孔装置で強制振動を発生させ、この強制振動を、前記穿孔ビットおよびドレーンパイプを介して外側に隣接する地盤に伝えて、該地盤を流動化させる工程(b)と、前記地盤穿孔装置に対して、軸方向で後方側から先端側に向かう衝撃力を繰り返し加えて、前記地盤穿孔装置および前記ドレーンパイプを、前記穿孔ビットを先頭にして地盤内に貫入させて、ドレーンパイプを地盤内に埋設する工程(c)と、前記地盤内に埋設されたドレーンパイプから、前記地盤穿孔装置を撤去する工程(d)とを含むことを特徴としている。
〔ドレーンパイプ〕
ドレーンパイプは、中空管状をなし、外面から内部へと地下水が通過可能な通水性を有していれば、その材料、構造、寸法などは特に限定されない。
通常のドレーンパイプ工法に利用される管材が使用できる。
ドレーンパイプの材料として、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂が使用できる。金属やコンクリート、セメント、ガラス、陶器、セラミックなども使用できる。複数の材料を組み合わせたFRP管や積層管、複合管なども使用できる。
ドレーンパイプは、基本的には断面円形である。使用目的や要求性能によっては、円形以外の断面形状を有する場合もある。例えば、断面角形のものや、楕円形、長円形などが挙げられる。ドレーンパイプの貫入に問題がなければ、ドレーンパイプの外周に突起や凹溝などの凹凸形状を有していてもよい。
ドレーンパイプに通水性を付与するには、材料自体に通水性を有するものを使用するほか、ドレーンパイプの製造時あるいは製造後に通水用の孔などをあけることができる。例えば、合成樹脂の連続発泡体や発泡セラミックのような多孔質材料は、材料そのものが通水性を有している。粒子材料や繊維材料、線材料を、ある程度の隙間をあけた状態で集積させて一体結合すれば、得られた成形体は通水性を有する。線材料を網状に組み合わせたものを筒状に成形することもできる。棒材で組み立てられた枠に、網布状の材料を貼り付けて、管強度と通水性を確保することもできる。管状の成形体に、ドリルなどで多数の小孔をあけて通水性を付与することもできる。パンチングメタルを筒状に成形したものでもよい。
ドレーンパイプに有する通水空間は、通水性は有していても、土砂などが流入し難いことが望ましい。
本発明では、比較的に耐力に劣る材料からなる管材や、通水空間の割合が多くて機械的強度に劣る管構造など、通常の直接的な打撃による打ち込みなどが適用し難いドレーンパイプも使用できる。
通水性に優れ、実用的に十分な耐久性を有するドレーンパイプとして、合成樹脂の線条が集積され一体的に結合されてなり、線条間の隙間に生じる通水空間が全面に存在する線条集積管を用いることができる。線条集積管の具体例として、前記特許文献1に記載された麺状樹脂管が挙げられる。麺状樹脂管の市販製品として、ポーラスドレーン(商品名、ポーラスジャパン社製)、ヘチマロン(商品名、新光ナイロン社製)が挙げられる。
ドレーンパイプの寸法は、施工条件や要求性能によっても変わるが、通常は、外径100〜200mm、肉厚20〜70mm、長さ2〜20mの範囲に設定される。
地盤に埋設するドレーンパイプの施工全長を、1本のドレーンパイプのみで施工することもできるし、短いドレーンパイプを複数本継ぎ足して使用することもできる。定尺のドレーンパイプを必要な本数だけ継ぎ足せば、広い範囲の施工条件に対応させることができる。
ドレーンパイプを継ぎ足すには、接着や熱融着、嵌合などの連結手段が採用できる。ドレーンパイプの両端に、互いに嵌合自在な凹凸構造を設けておくことができる。捻じ込み構造を設けておいてもよい。ドレーンパイプの連結個所で、ドレーンパイプの外周にスリーブを被せて連結すれば、強固な連結が果たされる。スリーブには、ドレーンパイプの材料と同様の樹脂、金属などからなる管材が使用できる。スリーブは通水性のない管材であっても構わない。
埋設されたドレーンパイプの後端に新たなドレーンパイプの先端を配置するだけで、特別な連結手段を講じなくても、ドレーンパイプの自重によって一体的に埋設していける場合もある。継ぎ足したドレーンパイプ列の後端すなわち上端に錘を載せるなどして、ドレーンパイプの継ぎ目があかないように、押さえておくこともできる。
〔地盤穿孔装置〕
地表から地盤内に貫入させて地盤を穿孔する機能を有する。
<全体形状>
ドレーンパイプの内部に配置する地盤穿孔装置は、ドレーンパイプに対応する断面外形状を有している。ドレーンパイプの内周を摺動可能な外形を有するものが好ましい。ドレーンパイプの内径と実質的に同一であるか少し小さな外径を有するものが使用できる。
直管状をなすドレーンパイプに挿入される地盤穿孔装置は、通常、全体が細い軸状をなす。地盤穿孔装置の軸方向で、断面形状や外径が変化するものであってもよい。例えば、強制振動を発生する加振部の部分では、ドレーンパイプの内周面に実質的に隙間なく当接することで、振動を効率的に伝達できる。衝撃発生部などは、ドレーンパイプに有害な衝撃が伝わらないように、ドレーンパイプの内周形状との間に大きな隙間があくようであっても構わない。
<噴出口>
地盤穿孔装置の軸方向で、地盤に貫入されるときに先頭側に配置される先端には、空気混合水を噴出する噴出口を備えておくことができる。噴出口から地盤に向かって空気混合水を噴出させることで、地盤穿孔装置およびドレーンパイプの地盤内への貫入を促進させることができる。
噴出口は、地盤穿孔装置の先端面に対して、1個所あるいは複数個所に配置しておくことができる。噴出口から空気混合水が噴出される方向は、軸方向と平行であってもよいし、軸方向に対して傾斜していてもよい。軸方向に対して外周側に向けて傾斜する方向であれば、地盤穿孔装置の断面積よりも広い範囲に効率的に空気混合水を噴出させることができる。
噴出口を、地盤穿孔装置の先端ではなく外周面に設けておき、地盤穿孔装置の外周面と地盤との間に空気混合水を噴出させることもできる。地盤穿孔装置の軸方向で複数個所に噴出口を設けておくこともできる。
噴出口は、地盤穿孔装置の内部に設けられた空気および水の流路を経て、地盤穿孔装置に連結される空気配管および水配管に接続しておくことができる。地盤穿孔装置の内部で、空気と水とを混合するようにしてもよいし、予め混合された空気混合水を地盤穿孔装置に供給するようにしてもよい。
噴出口から噴出させる前の空気混合水を、地盤穿孔装置の内部機構の冷却に利用することができる。例えば、加振部や衝撃発生部では、振動や衝撃に伴って熱が発生し装置部材が過熱することがある。このような熱が発生する部材や過熱し易い個所の内部や周囲に、空気混合水の配管や流路、あるいは、水、空気の単独配管や流路を配置しておけば、これらの流体が過熱し易い部材を冷却して、機能低下や劣化を防止することができる。
噴出口から噴出させる空気混合水の圧力、流量、空気と水の混合比などは、地盤の土質や施工条件、要求性能などによって適切に設定することが望ましい。例えば、圧力を0〜35MPa,流量を0〜100kg/min、空気:水=10:1〜1:10(容量比)に設定することができる。
なお、水だけを噴出させたり、空気だけを噴出させたりするだけでも、ある程度までは、地盤穿孔装置およびドレーンパイプの貫入促進効果はある。
<加振部>
地盤穿孔装置のうち軸方向の途中に配置され、強制振動を発生する。
強制振動の振動方向は、地盤穿孔装置の軸方向に対して直交あるいは交差する方向であると、穿孔ビットおよびドレーンパイプを介して外側の地盤へと振動が伝達し易い。加振部の外周面が中心側から半径方向に移動したり膨張収縮したりする振動が好ましい。軸方向の振動が含まれていてもよい。軸方向の振動を先端ビットから地盤に伝達して、穿孔ビットおよび地盤穿孔装置の地盤への貫入を促進させることもできる。
強制振動を発生させる機構としては、通常の土木装置などで採用されている強制振動の発生機構が採用できる。通常、バイブレータと呼ばれる装置が使用できる。例えば、偏心モータを回転させたり、電気的に発生させた磁力を周期的に変化させたり、電気エネルギーを物理的歪みに変換する電歪素子を利用したりすることができる。油圧や空気圧、水圧を周期的に開閉する弁で制御して流体による振動を発生させるものでもよい。
加振部で発生させる振動の周波数や振幅、加振力は、施工条件や要求性能に合わせて適切に設定される。特に、施工する地盤の土質に合わせて、地盤を局部的に液状化させるのに適切な条件が選択される。例えば、振動周波数を0〜240Hzに、振幅を1.5〜2.5mmに設定できる。
地盤穿孔装置に対して、加振部は1個所だけに設けておいてもよいし、複数個所に設けておくこともできる。例えば、地盤穿孔装置の周方向で複数個所に加振部を設け、それぞれの加振部が半径方向で外周に向かって振動を発生させるようにすることができる。地盤穿孔装置の軸方向で、穿孔ビットに隣接する先端側と、ドレーンパイプの途中位置に隣接する後端側の2個所など、複数個所に加振部を設けることもできる。
<衝撃発生部>
地盤穿孔装置の軸方向において、加振部よりも後方側に配置され、軸方向で後方側から先端側に向かう衝撃力を繰り返し発生させる。衝撃発生部で発生させた衝撃力によって、地盤穿孔装置およびドレーンパイプの地盤内への貫入を促進させる。衝撃力を発生させる際に騒音や振動が生じても、地盤内に埋設されたドレーンパイプ内で発生するだけなので、周辺環境への悪影響は軽微である。
各種の土木装置で採用されている衝撃発生手段が採用できる。例えば、ハンマーや錘を持ち上げて落下させれば落下面に衝撃力が加わる。バネなどの付勢力を急激に解放することで衝撃力を発生させることもできる。電磁力を瞬間的に加えたり解放したりすることでも衝撃力が発生する。流体圧力を弁などで制御することでも衝撃力が発生する。その他、運動している物体の運動を急激に停止させることなどで衝撃力を発生させることができる。
衝撃力の強さは、地盤の土質条件や地盤穿孔装置の大きさなどの条件に合わせて設定できる。本発明の地盤穿孔装置では、前記した振動による地盤の流動化を行うので、通常の杭打ち装置ほどの強い衝撃力がなくても、地盤穿孔装置およびドレーンパイプは地盤に容易に貫入される。具体的には、衝撃力を0〜100Nの範囲に設定できる。
強い衝撃力を単発で作用させるよりも、比較的に弱い衝撃力でも繰り返し発生させるほうが、効率的に、地盤穿孔装置およびドレーンパイプの地盤への貫入が進む。衝撃力の発生サイクルを、0〜600回/minに設定できる。衝撃力の発生サイクルを高めることで、1種の振動力を発生させることもできる。
衝撃力発生部のうち、衝撃力を発生させる錘と錘の受け材との周辺や、衝撃力発生部と地盤穿孔装置の他の部材との間などに、衝撃力を吸収する緩衝材を配置しておけば、地盤穿孔装置の各部材が衝撃力を受けて損傷したり劣化したり、ネジなどが緩んだりすることが防止できる。衝撃によるドレーンパイプの損傷や劣化も防止できる。衝撃力あるいはそれに伴う騒音が、地表や周辺の住宅に悪影響を与えたりするのを防止するにも有効である。緩衝材には、ポリウレタン樹脂、ゴムなどの緩衝機能に優れた材料が使用できる。
<穿孔ビット>
ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置の先端に配置される。ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置の先端で地盤を穿孔する機能を果たす。
基本的構造あるいは構成材料は、通常の土木機械装置あるいは穿孔装置における穿孔ビットあるいは掘削ビットなどと共通する技術が採用できる。
穿孔ビットの材料は、工具鋼や超硬質鋼、高速度工具鋼、硬質セラミックなどが使用できる。それほど固い地盤でなければ、通常の構造用鋼材を使用することもできる。穿孔ビットを、ドレーンパイプの浮き上がりを防止する錘として有効に機能させるには、比較的に比重の重い金属材料が好ましい。
穿孔ビットの外形状は、通常、先端が尖った円錐形状や円錐台形状が採用できる。地盤を押し退けて貫入し易くしたり、土砂が粘着するのを防いだりする突起や凸条、溝、段部、穴などを設けておくこともできる。
穿孔ビットの外径は、ドレーンパイプの外径に合わせて設定しておくことができる。穿孔ビットの外径が後続するドレーンパイプあるいは地盤穿孔装置の外径よりも小さ過ぎると、ドレーンパイプや地盤穿孔装置が地盤に貫入し難い。穿孔ビットの外径が後続するドレーンパイプや地盤穿孔装置の外径よりも大き過ぎると、ドレーンパイプや地盤穿孔装置の外形と地盤との間に隙間が開き過ぎて、地盤内にドレーンパイプや地盤穿孔装置に安定して支持されず、ずれたり傾いたりし易くなる。
穿孔ビットには、前記した地盤穿孔装置の噴出口から噴出する空気混合水の通過空間を設けておくことができる。噴出口と連通して外面に開口する流路を設けておくこともできる。
穿孔ビットは、ドレーンパイプあるいは地盤穿孔装置の先端に、嵌合やボルト締結などの手段で固定しておくことができる。地盤穿孔装置で発生する強制振動が伝達される易い構造で連結しておけば、穿孔ビットから地盤への振動伝達も効率的に行える。地盤穿孔装置の先端が挿入できる穴を有しているだけでも構わない。ドレーンパイプの埋設作業中は、ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置の重量が穿孔ビットを地盤側に押しつけているので、穿孔ビットが地盤穿孔装置やドレーンパイプに強固に固定されていなくても外れることはないが、穿孔ビットと地盤穿孔装置およびドレーンパイプとの芯合わせを果たす嵌合構造や係合構造を備えていることが望ましい。
地盤穿孔装置の先端部に、穿孔ビットに相当する構造を一体形成しておくこともできる。
<支持ケーブル>
地盤内に進出した地盤穿孔装置の全体を地表から吊下げ、ドレーンパイプの埋設が完了した後、地盤穿孔装置を地表に回収するのに利用される。
通常の土木装置における吊下げ用の支持ケーブルと同様の材料や構造が採用できる。鋼や樹脂、強化樹脂などからなるケーブル材が使用できる。
支持ケーブルを、地盤穿孔装置に電力などの駆動エネルギーを供給する供給用のケーブルや配管、ホースなどと兼用することもできる。電力線などの外周を覆う外装ケーブルを支持ケーブルとして利用することもできる。衝撃発生部で衝撃を発生させる駆動力を供給する操作ワイヤや操作ワイヤの外装チューブを兼用させることもできる。
このように、支持ケーブルを他の機能用ケーブルと兼用する場合、それぞれの機能を果たした上で、地盤穿孔装置の重量を吊下げ可能な耐力を有する材料で構成しておく。
支持ケーブルは、地盤穿孔装置が地盤内に貫入されるのに合わせて、延長できるように、十分な長さを有していたり、必要に応じて繰り出し可能にしたりしておくことが好ましい。リールなどに巻回しておいて順次繰り出すことができる。支持ケーブルが、継ぎ足し自在であれば、ドレーンパイプの埋設作業の進行に合わせたり、施工深さの設定に合わせたりして、必要な長さの支持ケーブルを構成することができる。
<駆動制御装置>
地表に配置されて、地盤穿孔装置の駆動制御を行う。
地盤穿孔装置を駆動するエネルギーを供給したり、エネルギーの供給を調整したり、地盤穿孔装置の各機能部材の作動を制御したり、地盤穿孔装置の作動状態を監視したりする機能を持たせることができる。
駆動エネルギーとして、電力、油圧、空圧、水圧などを地盤穿孔装置に供給する。複数の駆動エネルギーを組み合わせて供給することもできる。駆動制御装置には、油圧などを溜める圧力タンクや圧力ポンプ、圧力制御弁などを備えておくことができる。
駆動エネルギーの供給ラインとなる配管やケーブルを、駆動制御装置から地盤穿孔装置の後端へと設置しておくことができる。通信線や情報線を、駆動制御装置と地盤穿孔装置の間に設けることもできる。これらの配管やケーブル類を、地盤穿孔装置の地盤への貫入に合わせて、繰り出したり引き戻したりするケーブル繰り出し機構を備えておくことができる。
地盤穿孔装置の衝撃発生部を機械的に駆動する操作ワイヤの駆動機構を設けておくことができる。操作ワイヤを収容する中空状のチューブを、駆動制御装置から地盤穿孔装置まで連結配置しておくことができる。
駆動エネルギーの供給開始、停止、供給量の調整などを行う制御装置や制御操作盤を設けておくことができる。
地盤穿孔装置における振動発生の状態、衝撃力の発生状況、空気混合水の噴出状態などの監視したり、駆動エネルギーの供給状態を表示したりする計器あるいは表示モニタを備えておくことができる。
駆動制御装置には、地表で移動可能な走行車輪や摺動ソリなどを備えておくことができる。地表に設置されたレール上を走行するようにしておくこともできる。住宅の周囲に沿って複数本のドレーンパイプを埋設したりする際には、移動自在な駆動制御装置が作業し易い。
駆動制御装置は、必要な機能部分を一つの装置に全て組み込んでおいてもよいし、関連する機能装置を組み合わせた複数の独立した装置で構成されていてもよい。固定設置される装置と移動自在な装置とを組み合わせることもできる。
駆動制御装置に組み込まれる機器や制御回路などの一部を、地盤穿孔装置に内蔵させておくこともできる。例えば、地盤穿孔装置の内部に各種のセンサや制御回路、マイクロコンピュータ、通信装置などを内蔵させて、駆動制御装置との間で情報の伝達をさせることもできる。
〔施工方法〕
基本的には、通常のドレーンパイプ工法と同様に実施される。
<ドレーンパイプの配置>
ドレーンパイプは、地盤の液状化防止を図る地盤の全体に、所定の間隔をあけて埋設される。ドレーンパイプの寸法や構造によって、液状化防止などの性能が違ってくる。ドレーンパイプの配置間隔や埋設本数は、ドレーンパイプの性能と、地盤の土質条件や要求性能などに合わせて適切に設定される。通常の住宅敷地内における液状化防止施工では、ドレーンパイプの設置間隔は0.2〜1.5m、ドレーンパイプの施工深さは2.0〜20.0mの範囲に設定される。
一般的な住宅の場合、住宅の基礎構造の外周から一定の距離を離して周回状にドレーンパイプを埋設しておけば、地盤の液状化による住宅および基礎構造の傾きなどを良好に防止することができる。周回状のドレーンパイプ列を複数列で配置することもできる。
施工地盤の地表から垂直下方に向かってドレーンパイプを埋設する方法のほか、地表面と直交する鉛直線に対して傾斜する方向にドレーンパイプの軸方向の向けて埋設する場合や、重力方向に対して傾斜する方向にドレーンパイプの軸方向の向けて埋設する場合もある。例えば、傾斜地や堤防の斜面、造成地の壁面などでは、地表面と直交する方向であっても重力方向とは交差する場合もある。
<初期作業>
ドレーンパイプを地表面から地盤に埋設する最初の段階では、地盤穿孔装置を使用せず、先端に穿孔ビットを配置したドレーンパイプだけを、地表面から地盤に、ハンマーなどで打ち込むことができる。地表面にスコップなどで穴を掘り、穴の中に穿孔ビットおよびドレーンパイプの先端を立てた状態で設置することもできる。大き目の穴を掘って、その中に穿孔ビットおよびドレーンパイプを立てたあと、周囲に土砂を埋め戻すことで、ドレーンパイプを自立状態にすることもできる。
ドレーンパイプを埋設する前に、ドレーンパイプの埋設方向を決めるガイドパイプを施工しておくことができる。ガイドパイプは鋼管などの強度に優れた管材からなり、内径がドレーンパイプの外径に合わせて設定され、ドレーンパイプが摺動可能に挿入できるものである。ガイドパイプを設置しておくことで、ドレーンパイプの埋設方向が正確に設定でき、ドレーンパイプの貫入方向が曲がったりすることが防止できる。
ドレーンパイプを地盤に貫入させていくには、ドレーンパイプの内部に地盤穿孔装置を装着する。ドレーンパイプの埋設作業の初期段階から、地盤穿孔装置を装着しておいてもよいし、ドレーンパイプがガイドパイプの下端よりも地盤内に延びる段階になってから、ドレーンパイプの中に地盤穿孔装置を吊り降ろして装着することもできる。
<地盤流動化>
ドレーンパイプの内部に地盤穿孔装置が装着された状態で、地盤穿孔装置で強制振動を発生させ、地盤穿孔装置の外周に配置されたドレーンパイプを介してドレーンパイプの外周に隣接する地盤を流動化させる。
地盤の流動化は、穿孔ビットおよびドレーンパイプに接触している地盤が流動化して貫入抵抗が軽減できればよい。したがって、穿孔ビットおよびドレーンパイプの先端付近で生じることが望ましい。ドレーンパイプの外周面で長さ方向の全面で地盤を流動化させてもよい。地盤への貫入性能に大きな影響を与えないドレーンパイプから遠くに離れた範囲までの地盤を流動化させる必要はない。ドレーンパイプから遠くの地盤までを流動化させると、近接する建築物の基礎構造などに悪影響を与える心配がある。
地盤の土質や含水率などによって、流動化し易い振動の周波数や振幅が異なる場合がある。そこで、ドレーンパイプの埋設作業を進行させながら、地盤への貫入状態を観察したりセンサで地盤の貫入抵抗を測定したりし、その結果をもとにして、加振部における強制振動の周波数や振幅を変更することができる。
<ドレーンパイプの貫入>
ドレーンパイプの周囲の地盤を流動化させるだけで、穿孔ビット、ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置の自重によって、穿孔ビットを先頭にして、ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置を地盤内に貫入させることもできる。例えば、軟弱な地盤や流動化し易い地盤では、特別な貫入促進の手段が不要になる場合もある。
ドレーンパイプの後端側に荷重を加えれば、ドレーンパイプの地盤内への貫入が促進される。一定重量の錘を、ドレーンパイプの後端に載せるだけでもよいし、ジャッキ装置や油圧シリンダなどで、ドレーンパイプの後端に押圧力を加えることもできる。
地盤穿孔装置に備えた噴出口から空気混合水を噴出させれば、地盤穿孔装置およびドレーンパイプの先端近くの地盤を高含水率にしたり空気で地盤粒子間に隙間を作ったりして、地盤の流動化を促進させることができる。その結果、穿孔ビットおよびドレーンパイプの地盤内への貫入が促進される。
衝撃発生部で衝撃を発生させることでも、ドレーンパイプの地盤内への貫入が促進される。衝撃力は、地盤穿孔装置から穿孔ビットを介して地盤に衝撃力を与えるので、穿孔ビットおよび地盤穿孔装置が地盤内に強く貫入される。勿論、穿孔ビットにつづくドレーンパイプの貫入も促進される。前記した空気混合水の噴出を重ねて行えば、ドレーンパイプの貫入はよりスムーズになる。
これらの貫入作業の結果、ドレーンパイプは、地盤の内部に埋設されることになる。ドレーンパイプが所定の深さまで貫入して埋設されれば、地盤穿孔装置の作動を止める。
<ドレーンパイプの継ぎ足し>
地盤の深い位置までドレーンパイプを埋設するには、ドレーンパイプを継ぎ足して埋設する方法が有効である。
長大なドレーンパイプを地表に立てた状態から、ドレーンパイプの全長が地盤に埋め込まれまでの作業を行うのは、かなり難しい。長大なドレーンパイプを準備したり置いておいたりする広いスペースも必要である。運搬保管も面倒である。
取扱いに適した長さのドレーンパイプを継ぎ足して、所望の全長を有するドレーンパイプを構成することができる。
ドレーンパイプの埋設作業を開始する前に、ドレーンパイプを継ぎ足して所定の長さにしておいてもよいし、短いドレーンパイプを地盤穿孔装置とともに地盤に埋設したあと、埋設されたドレーンパイプの後端に新たな短いドレーンパイプを継ぎ足して、さらにドレーンパイプの埋設作業を繰り返すこともできる。ドレーンパイプを継ぎ足しても、地盤穿孔装置は、最下端のドレーンパイプに装着したままでよい。
<撤去作業>
ドレーンパイプあるいは継ぎ足したドレーンパイプが、所定の深さまで地盤に埋設されれば、ドレーンパイプの埋設作業は終了する。
地盤内に埋設されたドレーンパイプから地盤穿孔装置を撤去する。
地盤穿孔装置の後端に連結された支持ケーブルを引き上げれば、ドレーンパイプの内部を摺動させて、地盤穿孔装置だけを回収することができる。ドレーンパイプの先端に配置された穿孔ビットは引き上げずに地盤内に残しておけばよい。地表からドレーンパイプの中に、クレーンの吊下げフックなどを降ろして地盤穿孔装置を吊り上げることもできる。
その結果、ドレーンパイプと穿孔ビットは、地盤内に埋設されたままで残る。地盤穿孔装置の先端に穿孔ビットに相当する構造が一体形成されている場合は、地盤穿孔装置と一体になった穿孔ビットの部分も撤去されることになる。
地表面近くにガイドパイプを設置していた場合、ガイドパイプだけを引き抜いて撤去することができる。地表近くにガイドパイプを残しておいても、実質的なドレーンパイプの機能には悪影響はない。ガイドパイプは、ドレーンパイプの補強材として機能させることができる。
<後処理作業>
地盤穿孔装置が撤去されたあとのドレーンパイプには、通常のドレーンパイプ工法で採用されている後処理や仕上げ施工を行うことができる。
例えば、ドレーンパイプの上端に蓋を装着すれば、地表からドレーンパイプに土砂等の異物が落ち込むのを防止できる。ドレーンパイプが浮き上がらないように重石を載せたり、ドレーンパイプの周囲をモルタルなどで固めたりすることもできる。ドレーンパイプの位置を示す目印部材を取り付けることもできる。地表面に、ドレーンパイプの一部が突出していれば、ドレーンパイプを切りとって整形することができる。
ドレーンパイプの上端を覆う蓋が通水性を有するものであれば、地盤から浸出してくる水を、通水性の蓋を通過させて地表に排水し易い。ドレーンパイプを噴き上がる水圧で蓋が持ち上がって通水可能になるものでもよい。通水可能な蓋は、雨水などを地表からドレーンパイプを経て地盤側に排水する機能も果たせる。
地表面に沿って、ドレーンパイプの上端と連通する排水溝を施工することができる。ドレーンパイプから吹き出した水を集めて排水路などに流すことができる。
ドレーンパイプの内部に水あるいは水圧を検知するセンサを設置しておけば、地震などによって地盤から水が浸出することを監視することができる。
本発明のドレーンパイプ工法では、ドレーンパイプの内部に配置された地盤穿孔装置で、ドレーンパイプとその先端に配置された穿孔ビットを介して周囲の地盤を強制振動させて局部的に流動化させる。流動化した地盤に穿孔ビットおよびドレーンパイプを貫入させれば、外部から大きな打ち込み力を加えなくても、ドレーンパイプは容易かつ効率的に地盤内に埋めこまれて行く。大きな打ち込み力を発生させる大掛りな施工装置などが不要になる。
その結果、既設住宅の敷地内など、大きな作業スペースが取れなかったり、大型の土木機械が搬入でき難かったり、大きな騒音を発生する土木機械が使用できなかったり、大きな振動や衝撃で周辺環境に重大な悪影響を及ぼしたりする心配のある施工現場に対しても、上記のような問題を起こすことなく、作業性のよい能率的なドレーンパイプ工法が実施できる。
〔全体構成〕
図1は、既設の一般住宅の敷地内で住宅の周囲に沿ってドレーンパイプを埋設施工する作業を示している。
地表から地盤E内を垂直下方に向かってドレーンパイプ10を埋設する。ドレーンパイプ10には、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂の細い線条を中空管の形態に集積させて一体結合してなる線条集積管が使用できる。このような線条集積管として、「ポーラスドレーン」(商品名、ポーラスジャパン社製、外径15cm、内径7cm、長さ2m)が使用できる。ドレーンパイプ10は全面において内外周を連通する通水空間を有している。ドレーンパイプ10の外周には、不織布からなる筒状のフィルター袋40が装着され、ドレーンパイプ10の通水空間が土砂などで目詰まりするのを防止する。
ドレーンパイプ10の内部に地盤穿孔装置20が挿入配置される。地盤穿孔装置20は
、全体が細い軸状をなしており、ドレーンパイプ10の内周にほぼ密接して挿入されている。ドレーンパイプ10の内部で地盤穿孔装置20は軸方向に摺動可能である。
地盤穿孔装置20およびドレーンパイプ10の下端には、鋼材などからなる穿孔ビット30が配置されている。穿孔ビット30は、外形が截頭円錐形の中空筒状をなし、後端がドレーンパイプ10の先端に嵌め込まれている。ドレーンパイプ10の先端から突き出した地盤穿孔装置20の先端部60が、穿孔ビット30の内部に着脱可能に嵌め込まれている。
地盤穿孔装置20の先端部60の先端面には、空気混合水の噴出口62が開口している。噴出口62は、穿孔ビット60の中空部分から外部に露出しており、噴出口62から噴出される空気混合水が地盤Eに供給される。
地盤穿孔装置20には、噴出口62に有する先端部60の後方に、加振部70を備え、加振部70の後方に衝撃発生部80を備えている。加振部70は、強制振動を発生させる。衝撃発生部80は、衝撃発生部80よりも先端側の地盤穿孔装置20に対して軸方向で後方側から先端側に向かう衝撃力を与える。
地盤穿孔装置20の後端には支持ケーブル52が連結されている。ドレーンパイプ10の内部を地表まで延ばした支持ケーブル52は、地盤穿孔装置20の駆動制御装置50に接続されている。ドレーンパイプ10内で、地盤穿孔装置20は支持ケーブル52によって吊下げられた状態であり、支持ケーブル52を引き上げたり降ろしたりすることで、地盤穿孔装置20を昇降させることができる。
〔地盤穿孔装置〕
図2は地盤穿孔装置20の全体構造を示し、図3、4は詳細構造を示している。
<先端部>
図3に示すように、地盤穿孔装置20の最先端に配置された先端部60は、鋼材などで構成され全体が円柱状をなしている。先端部60の先端面には、4個所に噴出口62が開口している。先端部60の内部に設けられ、複数の噴出口62につながる空気混合水流路63が、先端部60の後端面につづいている。
<加振部および空気混合水の供給>
先端部60の後方に配置された加振部70は、先端部60の後端に連結された円筒状の外殻72の内側に、隙間をあけて、高周波バイブレータ74が配置されている。高周波バイブレータ74には振動モータなどが組み込まれており、電力を供給することによって、強制振動を発生させることができる。
高周波バイブレータ74の先端は先端部60に連結されている。高周波バイブレータ74の先端側には、先端部60の空気混合水流路63につながる流路75が設けられ、流路75の他端は、外殻72と高周波バイブレータ74との間の隙間につながっている。
高周波バイブレータ74の後端で外殻72の内側には継手部73を有する。継手部73の後端には、空気配管56および水配管57が連結されており、継手部73の外周と外殻72との間の隙間に空気および水を供給する。
継手部73の後端には、高周波バイブレータ74に駆動電力を供給する電力供給ケーブル54も連結されている。
継手部73および外殻72の後端は、連結部71につながる。連結部71の内部を空気配管56、水配管57、電力供給ケーブル54が通過する。
外殻72と、その内側に配置された継手部73、高周波バイブレータ74および先端部60の後端部分との間で軸方向の複数個所には、Oリング78が取り付けられている。Oリング78は、継手部73の外周から外殻72との隙間に空気および水を供給する位置よりも後方側と、空気および水が高周波バイブレータ74の流路75に入る個所よりも前方側の両方に配置されており、空気および水が漏れないように封入している。
継手部73の先端側外周から、高周波バイブレータ74と外殻72との隙間を経て、先端部60へと流れる空気混合水は、高周波バイブレータ74の外面と接触することで、高周波バイブレータ74の作動に伴って発生する熱を伝熱除去する機能を果たす。高温になり易い高周波バイブレータ74の過熱を防ぎ、長時間にわたる作業を可能にする。
<衝撃発生部>
図4に示すように、衝撃発生部80は、加振部70の後端側に配置されている。
衝撃発生部80には、鋼材などからなる打撃部84、打撃部84を後端側から支持する支持軸87、支持軸87の後端側で支持軸87が摺動自在に収容される支持筒86、衝撃発生部80の後端で支持筒86を固定支持する支持端部81とを有する。
加振部70の連結部71の後端面に、打撃部84の先端面が当接する。打撃部84の外周で連結部71の後端から支持端部81までにわたって、打撃部84、支持軸87および支持筒86を覆って外殻筒82が設けられている。
図4(c)に示すように、断面円形をなす地盤穿孔装置20に対して、外殻筒82の断面形状は、円形の一部が角形に凹んだ形状を有している。この角形の凹みに沿って、電力供給ケーブル54や空気配管56、水配管57が収容され、これらの配管やケーブルが、地盤穿孔装置20の外周に出張らないようになっている。
外殻筒82の断面形状に合わせて、打撃部84の断面形状も、円形ではなく、円形の一部が角型に凹んだ形状を有している。支持軸87および支持筒86の中心は、打撃部84の重心付近に配置されているので、地盤穿孔装置20の中心からは少し外れている。
外殻筒82の内部で、支持端部81と打撃部84の後端部との間には、コイルバネ88が装着され、打撃部84を加振部70の連結部71側へと常に付勢している。支持筒86に対して支持軸87を退出させる方向に作動させる際には、コイルバネ88の付勢力に抗して移動させることになる。
支持端部81の後端面には、支持筒86の支持軸87を駆動させるとともに地盤穿孔装置20の全体を支持する中空チューブ状の支持ケーブル52が連結されている。電力供給ケーブル54や空気配管56、水配管57は、支持端部81を通過して地盤穿孔装置20の後方に延びている。
打撃部84のうち、支持軸87の連結部分と、加振部70の連結部71に当接する先端側との間には、ウレタン樹脂などからなる緩衝材89が装着されている。打撃部84を加振部70の連結部71に衝撃的に衝突させたときに発生する衝撃を、緩衝材89で吸収して、支持軸87や支持筒86などを保護することができる。
<駆動制御装置>
図1に示すように、地表に配置された駆動制御装置50には、地盤穿孔装置20の後端から延びる支持ケーブル52、電力供給ケーブル54、空気配管56および水配管57が接続されている。
駆動制御装置50には、空気配管56に圧力空気を供給するコンプレッサ装置や、水配管57に圧力水を供給する高圧水ポンプ、電力供給ケーブル54に電力を供給する電源などが組み込まれている。衝撃発生部80の駆動機構も組み込まれている。
さらに、駆動制御装置50に組み込まれた各機器および地盤穿孔装置20の各機構の駆動操作を行ったり、作動状態を監視したり調整したりする制御盤や制御回路装置なども組み込まれている。
駆動制御装置50には走行車輪が取り付けられており、地表を自由に走行移動させることができる。
<衝撃発生部の作動機構>
図5に示すように、衝撃発生部80の上方で、支持筒86および支持ケーブル52の内部に摺動可能に挿入された支持軸87の上端には、操作ワイヤ53が連結されている。
操作ワイヤ53は、支持ケーブル52の内部を通って、駆動制御装置50の内部に引き込まれている。支持ケーブル52の端部は駆動制御装置50に固定されている。
駆動制御装置50の内部では、進退自在なピストン軸102の先端に操作ワイヤ53が連結されている。ピストン軸102を進退させることで、操作ワイヤ53が進退し、操作ワイヤ53に吊下げられた支持軸87および打撃部84が昇降する。
ピストン軸102の後端にはスプリング104が配置され、ピストン軸102を常に進出方向に付勢している。ピストン軸102が進出した位置では、操作ワイヤ53に吊下げられた打撃部84が、加振部70の連結部71の上に当接する状態になる。
ピストン軸102に隣接して、複数本の回転腕100が、電動モータなどで回転駆動自在に配置されている。回転腕100の回転作動に伴って、回転腕100の外周端がピストン軸102の先端に当接する位置を通過する。回転腕100がピストン軸102の先端に当接して押圧すると、ピストン軸102は、スプリング104の付勢力に抗して、退出方向に押し動かされる。
ピストン軸102が退出すると、操作ワイヤ53を介して、打撃部84が上昇方向に持ち上げられる。打撃部84が加振部70の連結部71から離れて上方に移動する。
回転腕100が回転すると、その外周端は円周運動をする。回転腕100の外周端がピストン軸102を接線方向にある程度まで退出させたあと、回転腕100の外周端はピストン軸102から離れて、ピストン軸102の先端に当接しなくなる。
そうすると、瞬間的にスプリング104の付勢力が解放され、ピストン軸102が進出方向に飛び出す。ピストン軸102に操作ワイヤ53を介して吊下げられていた打撃部84は、吊下げ力が瞬間的に解放されるので、自重によって落下する。打撃部84の上昇によって縮められていたコイルバネ88の付勢力も解放される。コイルバネ88の付勢力が付け加わった打撃部84は、勢い良く落下して、加振部70の連結部71の上端面に衝突する。
このときに発生する衝撃力が、加振部70の連結部71を介して地盤穿孔装置20の全体から先端の穿孔ビット30に伝達され、穿孔ビット30および地盤穿孔装置20を地盤Eに衝撃的に貫入させる。勿論、穿孔ビット30および地盤穿孔装置20と一体になったドレーンパイプ10も地盤Eに貫入される。
前記した回転腕100は、一定の周期で、ピストン軸102を後退方向に押し動かし、瞬間的に押動力を解放するという過程を繰り返す。ピストン軸102は後退運動と、瞬間的な進出運動とを繰り返す。打撃部84も、一定の周期間隔で、持ち上げられ、瞬間的に落下して加振部70の連結部71に衝撃力を与える動作を繰り返す。
回転腕100の回転速度を変えれば、打撃部84における衝撃力の発生間隔を変えることができる。また、ピストン軸102の先端に当接している回転腕100の先端までの半径を変えれば、回転腕100でピストン軸102を退出方向に押し動かす距離を変えて、打撃部84を持ち上げる高さを変えることもできる。打撃部84の持ち上げ高さで、打撃部84で発生する衝撃力の強さを調整できる。
〔ドレーンパイプ工法〕
<ガイドパイプの施工>
図1に示すように、ドレーンパイプ工法を施工する際には、予め、地表から地盤Eに、ガイドパイプ58を埋め込む。ガイドパイプ58は、鋼管などからなり、ドレーンパイプ10が挿入可能な内径を有している。ガイドパイプ58の長さは、ドレーンパイプ10よりも短い。
ガイドパイプ58の埋め込みは、通常の土木建築技術で施工すればよい。例えば、スコップなどで地盤Eに掘った穴にガイドパイプ58を立てて周囲に土砂を埋め戻せばよい。ガイドパイプ58を地表から地盤Eに押し込んだり打ち込んだりする方法も採用できる。地盤穿孔装置20を利用して地盤Eを穿孔することもできる。
ガイドパイプ58を設置しておくことで、ドレーンパイプ10の埋設作業が行い易くなる。ドレーンパイプ10の方向性が正確になり、ドレーンパイプ10を安定させた状態で能率的に埋設していくことができる。
<ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置の貫入>
図1に示すように、先に設置されたガイドパイプ58の内側にドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20を挿入配置する。ドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20の先端には穿孔ビット30を取り付けておく。ドレーンパイプ10の外周を覆って、不織布からなる筒状のフィルター袋40が取り付けられる。フィルター袋40は、地盤E側からドレーンパイプ10の内部に土砂等の異物が浸入することを防止するのに有効である。地盤穿孔装置20の各ケーブルや配管は、ドレーンパイプ10の後端から上方空間を経て駆動制御装置50に連結しておく。
ドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20あるいは穿孔ビット30の先端が、ガイドパイプ58の下端から地盤Eに押し込まれた状態で、地盤穿孔装置20を作動させる。
加振部70の高周波バイブレータ74が強制振動を発生する。例えば、周波数240Hzの高周波振動を発生させる。高周波バイブレータ74の振動は、加振部70の外周面からドレーンパイプ10に伝わり、ドレーンパイプ10の外周面に当接している地盤Eにも伝わる。加振部70の先端から先端部60および穿孔ビット30にも振動が伝わり、穿孔ビット30の外面から地盤Eにも振動が伝達される。
地盤Eが強制振動をさせられることで、地震による液状化と同様の現象が、穿孔ビット30とドレーンパイプ10の周囲で局部的に発生する。流動化した地盤Eは、ドレーンパイプ10および穿孔ビット30を含む地盤穿孔装置20の自重だけでも容易に動くようになり、穿孔ビット30を先頭にドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20が地盤E内に沈下していく。自重による沈下が生じるほどには地盤Eが流動化しなくても、ドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20にある程度の押し込み力や打撃力を加えれば、容易に地盤E内に貫入していく。
加振部70の作動に加えて、地盤穿孔装置20の噴出口62から地盤E内に空気混合水を噴出させると、地盤Eの流動化がさらに促進される。空気混合水として、例えば、圧力0.7MPaの空気を0.2m/minと、圧力0.7MPaの水を40kg/minとを混合したものを噴出させる。噴出口62から噴射された空気混合水は、穿孔ビット30の中央空間を通って地盤Eに浸透する。空気混合水は、地盤Eを構成する土砂の粒同士の間に入って流動抵抗を無くしたり大幅に低減したりする。この状態で加振部70による強制振動が加われば、地盤Eは容易に流動化することになる。
ドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20に、地表から押し込み力や打撃力を加える代わりに、地盤穿孔装置20の衝撃発生部80で衝撃力を発生させて、ドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20の地盤E内への貫入を促進させることができる。
衝撃発生部80において、打撃部84を後方すなわち上部側に引き上げたあと、引き上げ力を瞬間的に解放すると、打撃部84は自重によって落下するとともにコイルバネ88の付勢力が加わることで、大きな運動エネルギーが与えられ、加振部70の後端の連結部71に激しく衝突することになる。このとき、打撃部84から連結部71に加わる軸方向の衝撃力は、加振部70から先端部60を経て穿孔ビット30に伝わり、穿孔ビット30を地盤E内へと強く押し込む作用が発生する。衝撃力としては、例えば、50Nの力を、4Hzの頻度で加えることができる。
前記した加振部70の強制振動と空気混合水による流動化が生じた地盤Eに、衝撃発生部80による衝撃力が加われば、地盤穿孔装置20およびドレーンパイプ10は、穿孔ビット30を先頭にして、極めてスムーズに地盤E内に貫入していくことになる。地盤Eに、振動や空気混合水だけでは流動化し難い部分があっても、衝撃発生部80による衝撃力で押しのけたり砕いたりする作用が加われば、ドレーンパイプ10および地盤穿孔装置20の貫入は停滞することなく能率的に行われる。
<ドレーンパイプ工法の終了>
ドレーンパイプ10が所定の深さまで地盤Eに貫入すれば、地盤穿孔装置20の作動は止める。支持ケーブル52を引き上げ、地盤穿孔装置20をドレーンパイプ10の後端から引き抜いて撤去する。
図6に示すように、地盤E内でドレーンパイプ10の先端には穿孔ビット30およびフィルター袋40が取り付けられたままになる。フィルター袋40が存在することで、経時的に、ドレーンパイプ10の先端から地盤Eの土砂などが侵入することが防止できる。穿孔ビット30は重量があるので、ドレーンパイプ10が地盤Eから浮き上がるのを防止する錘の機能を果たすことができる。
ドレーンパイプ10は、1本だけを埋設する場合のほか、複数本のドレーンパイプ10を継ぎ足して埋設することもできる。具体的には、前記した作業を経て、1本のドレーンパイプ10が地盤Eに埋め込まれる前に、ドレーンパイプ10の後端に、ポリプロピレン樹脂の円筒管などからなるスリーブ12を嵌め、スリーブ12の後端に新たなドレーンパイプ10を挿入することで、ドレーンパイプ10同士をスリーブ12で連結一体化させる。スリーブ12の内面に接着剤を塗布しておけば、ドレーンパイプ10と接着固定することができる。スリーブ12は、ドレーンパイプ10と同様に通水性を有するものであってもよいし、通水性のないものであっても構わない。
このようにしてドレーンパイプ10を順次継ぎ足していけば、任意の長さのドレーンパイプ10を構成することができる。施工地盤Eの土質条件などに合わせて、適切な深さまでドレーンパイプ10を施工することができる。
図6に示すように、ドレーンパイプ10は、後端が地表面よりも少し下になる程度まで埋め込んでおく。ドレーンパイプ10の後端に、ウレタン発泡体などからなるフィルター蓋14を載せ、さらに、その上方に砕石を堆積させて砕石層16を設けておく。
このようにしておけば、ドレーンパイプ10が地表に露出せず、地表からドレーンパイプ10の中に土砂や異物が落ち込んで詰まってしまうような問題も防止できる。地表に溜まった雨水などを、砕石層16、フィルター蓋14を経てドレーンパイプ10に排水させる機能も果たせる。ドレーンパイプ10に入り込んだ雨水などの水は、ドレーンパイプ10の周壁面や下端のフィルター袋40を通して地盤Eに吸収される。
〔地盤の液状化防止〕
図6に示す構造でドレーンパイプ10が施工された地盤Eに地震が発生すると、地盤Eに地震の揺れが加わることで、地盤Eに吸収保持されていた水分が浸出してくる。この浸出水が地盤Eを液状化させる。浸出水の圧力が過大になると、液状化した地盤Eから地表面に水あるいは土砂を含む泥水が噴出して、住宅などの基礎地盤を軟弱化させたり崩壊させたりする。
地盤E内にドレーンパイプ10が埋設されていると、地盤Eからの浸出水は、ドレーンパイプ10の周壁を通してドレーンパイプ10内に入り込む。浸出水の圧力が高くなっても、地盤Eからドレーンパイプ10の内部空間へと圧力が逃げる。ドレーンパイプ10内の水圧が高くなっても、ドレーンパイプ10内の水位が高くなったり、ドレーンパイプ10の上端からフィルター蓋14、砕石層16を通して地表上に水が噴き上げたりすることで、地盤E内に水圧が溜まることを防止する。ドレーンパイプ10から地表上に水だけが噴き上がっても、周囲の地盤Eそのものが液状化しなければ、地盤Eの崩壊や軟弱化は生じない。地表に噴き上がった水は、地表を流れ排水路などに流れ落ちるだけである。
地震の揺れがおさまれば、地盤Eからの浸出水はなくなり、地下水圧も元に戻る。ドレーンパイプ10の内部に溜まった水も、徐々に地盤Eに吸収されて地盤E内に保持された状態に戻る。
このようなドレーンパイプ10による地盤Eの液状化防止機能は、ドレーンパイプ10の周辺の一定範囲のみで有効である。したがって、広い面積がある敷地内の全体で地盤Eの液状化防止を図るには、ドレーンパイプ10を、所定の間隔をあけて施工地盤の全体に施工しておくことが望ましい。
既設の住宅の敷地内における地盤Eの液状化防止を図るには、住宅の外壁面あるいは基礎構造の周囲に沿って、所定の間隔毎に周環状にドレーンパイプ10を埋設しておくことが有効である。また、住宅の外壁面よりも外側の地表面から、斜め下向きにドレーンパイプ10を埋設して、ドレーンパイプ10の先端側が、住宅の基礎構造より深い位置で、基礎構造の下の地盤にまで到達するようにしておけば、住宅の真下位置においても、地盤の液状化が発生することを防止することも可能である。
<土質改良>
ドレーンパイプ10の埋設施工は、地震時における地盤の液状化防止だけでなく、軟弱地盤の土質改良にも有効である。
水分を大量に含んだ軟弱な地盤Eに、図6に示すようなドレーンパイプ10の埋設施工を行っておく。地盤Eに含まれる過剰の水分は、ドレーンパイプ10の内部に浸出して溜まってくる。過剰な水分がドレーンパイプ10に排出されれば、その分だけ、地盤Eの含水率が減り、地盤Eが強化される。ドレーンパイプ10に溜まった水が、フィルター蓋14および砕石層16を通じて蒸発すれば、地盤Eから継続的に水分を排出除去することができる。その結果、ドレーンパイプ10が施工された地盤Eは、過剰の水分が排出され締まった強固な地盤Eに改良される。ドレーンパイプ10の内部に吸引ホースを挿入して、ドレーンパイプ10に溜まった水を強制的に排水することもできる。
このようなドレーンパイプ10による土質改良は、住宅地に限らず、農地や公園、競技場などにも適用できる。建築物を施工する前の造成地や埋立地の土質改良にも適用できる。
〔地盤穿孔装置の利用〕
地盤穿孔装置20は、ドレーンパイプ工法に限らず、地盤Eを穿孔したり、地盤Eに各種パイプを埋設したりする作業に利用できる。
<管材の埋設>
例えば、図1において、ドレーンパイプ10の代わりに、塩ビ管や鋼管などの周面に通水性のない管材を使用することができる。前記同様の施工によって、任意の管材を、地盤Eに埋設することができる。
このようにして地盤Eに埋設された管材あるいは管材の中央に構成される穴は、種々の用途に利用できる。例えば、管材の中央空間で軸方向の途中や底部分に、地震計や磁気検出器などの測定器を設置して、地盤Eの変動や状態変化を測定するのに利用できる。管材の先端から地盤の一部を採取して、地下部分の地盤成分を分析することにも利用できる。管材を地下水脈に到達するまで埋設すれば、地下水を汲み上げる井戸になる。強度のある管材を埋設することで、地盤Eの耐久力を向上させたり、土木建築物を構築する基礎地盤を強化したりすることもできる。
<地盤穿孔>
ドレーンパイプ10などの管材を使用せず、ガイドパイプ58の内部に地盤穿孔装置20および穿孔ビット30だけを配置し、地盤E内に地盤穿孔装置20と穿孔ビット30だけを貫入させて地盤に穴を形成することもできる。地盤穿孔装置20が所定の深さまで貫入されたあと、地盤Eから地盤穿孔装置20を引き上げれば、地盤Eには穴が穿孔された状態になる。地盤穿孔装置20の先端に穿孔ビット30が固定されていれば、穿孔ビット30も引き上げて回収することができる。
このようにして穿孔された穴は、前記した各種用途に利用できる。地盤Eに穿孔された穴に、後から管材を挿入することもできる。穿孔された穴に、コンクリートなどを流し込んで硬化させれば、地盤Eを強化する基礎杭の機能を果たすこともできる。ある程度強固な地盤であれば、ドレーンパイプや補強管材が無くても、穴が崩れることはない。ドレーンパイプを使用しないで、地盤の流動化防止を果たすこともできる。
本発明は、例えば、既設の一般住宅における敷地内地盤の液状化防止対策として、地盤にドレーンパイプを埋設するドレーンパイプ工法を実施するのに有用である。
本発明にかかるドレーンパイプ工法の実施形態を表す全体構成図 地盤穿孔装置の全体構造図 地盤穿孔装置の下部側の詳細断面図(a)および下端面図(b) 同上の上端面図(a)、下部側の詳細断面図(b)および水平断面図(c) 衝撃発生部の作動機構を示す概略構造図 ドレーンパイプの施工完了状態を示す断面図
符号の説明
10 ドレーンパイプ
20 地盤穿孔装置
30 穿孔ビット
50 駆動制御装置
52 支持ケーブル
53 操作ワイヤ
54 電力供給ケーブル
56 空気配管
57 水配管
62 噴出口
70 加振部
80 衝撃発生部
84 打撃部
E 地盤

Claims (4)

  1. 地表から地盤内にドレーンパイプを埋設するドレーンパイプ工法であって、
    強制振動を発生する地盤穿孔装置を、ドレーンンパイプの内部に配置し、ドレーンパイプおよび地盤穿孔装置の先端に穿孔ビットを配置する工程(a)と、
    前記地盤穿孔装置で強制振動を発生させ、この強制振動を、前記穿孔ビットおよびドレーンパイプを介して外側に隣接する地盤に伝えて、該地盤を流動化させる工程(b)と、
    前記地盤穿孔装置に対して、軸方向で後方側から先端側に向かう衝撃力を繰り返し加えて、前記地盤穿孔装置および前記ドレーンパイプを、前記穿孔ビットを先頭にして地盤内に貫入させて、ドレーンパイプを地盤内に埋設する工程(c)と、
    前記地盤内に埋設されたドレーンパイプから、前記地盤穿孔装置を撤去する工程(d)と
    を含むことを特徴とする、ドレーンパイプ工法。
  2. 前記工程(c)では、前記地盤穿孔装置の先端から地盤に空気混合水を噴出させて、前記地盤穿孔装置およびドレーンパイプの地盤内への貫入を促進させる請求項1に記載のドレーンパイプ工法。
  3. 記ドレーンパイプとして、合成樹脂の線条が集積一体化されてなり、線条間に通水空間を有する線条集積管を用いる請求項1または2に記載のドレーンパイプ工法。
  4. 地表から地盤内に貫入させて地盤を穿孔する地盤穿孔装置であって、
    全体が細軸状をなし、
    軸方向の先端側に配置されていて空気混合水を噴出する噴出口と、
    軸方向の途中に配置されていて強制振動を発生する加振部と、
    前記加振部よりも後方に配置されていて軸方向で後方側から先端側に向かう衝撃力を繰り返し発生させる衝撃発生部と
    を備えることを特徴とする、地盤穿孔装置。
JP2004021958A 2004-01-29 2004-01-29 ドレーンパイプ工法および地盤穿孔装置 Expired - Lifetime JP3940764B2 (ja)

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