JP3937978B2 - カラー画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ディジタルカラーコピー機などのカラー画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ディジタルカラーコピー機には、所定の間隔をおいてラインイメージセンサを配置し、各色成分についての画像信号を得る場合に、各色成分について、同時に同じラインを読み取ることができないため、ラインずれ補正のためのメモリが設けられている。従来のこの種のディジタルカラーコピー機は、図2に示すように、R信号処理部1Rと、G信号処理部1Gと、B信号処理部1Bと、色変換部7と、画像処理部8と、ラインバッファ9と、プリンタ10とを備えている。
【0003】
R信号処理部1Rは、ラインイメージセンサ2Rと、アナログフロントエンド回路3Rと、A/D変換部4Rと、シェーディング補正回路5Rと、ライン補正メモリ6Rとを備えている。また、G信号処理部1Gも、R信号処理部1Rと同様の回路を備えている。更にB信号処理部1Bは、ライン補正メモリを備えていないが、他はR信号処理部1R、G信号処理部1Gと同様の回路を備えている。ここで、B信号処理部1Bにライン補正メモリを備えていないのは、B信号を基準にして、他のR信号、G信号を遅延するためである。
【0004】
ラインイメージセンサ2Rは、CCDで構成され、カラー原稿の1走査ラインの画像のR信号を分離して読み取り、所定間隔をおいて、次の走査ラインのR信号を順次に読み取る。アナログフロントエンド回路3Rは、ラインイメージセンサ2Rの出力を受けて、アナログ増幅する。A/D変換部4Rは、アナログフロントエンド回路3Rのアナログ出力を受け、ディジタル信号に変換する。シェーディング補正回路5Rは、ここではシェーディングRAMを含み、シェーディングRAMには記録用紙読み取り時のA/D変換部4Rの出力をシェーディング補正データとして記憶している。シェーディング補正回路5Rは、原稿読み取り時のA/D変換部4Rの出力をシェーディング補正データにより、補正して出力する。ライン補正メモリ6Rは、シェーディング補正回路5Rの出力を受けて、所定ライン分遅延させて出力する。他のG信号処理部1G、B信号処理部1Bを構成する各回路も同様である。
【0005】
今、ラインイメージセンサ2R、2G、2Bのそれぞれの間隔が4ライン分に相当するとすれば、同ラインの読み取りタイミングは図3に示すものとなり、シェーディング補正回路5Rから走査ライン1の信号出力されてから、4ライン分遅れてシェーディング補正回路5Gから走査ライン1のG信号が出力され、更に4ライン分遅れてシェーディング補正回路5Bから走査ライン1のB信号が出力される。R信号は、ライン補正メモリ6Rで8ライン分遅延されて、G信号はライン補正メモリ6Gで4ライン分遅延されて、色変換部7に入力される。そのため、色変換部7に入力されるR、G、Bの信号は同一走査ライン上のものとなり、色変換部7では、R、G、Bの色信号をL* 、a* 、b* に変換することができる。
【0006】
色変換部7でL* 、a* 、b* に変換されたデータは、画像処理部8を経て、プリンタ10に供給されるが、画像処理部8では、他方、ラインバッファ9に記憶してある少なくとも3ライン分のデータに基づき、3×3のウインドゥを用いて、像域判別を行い、つまり文字/罫線の領域、写真の領域の分離を行い、像域分離に対応した画像処理を行い、プリンタ10での高画質プリントを確保するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のディジタルカラーコピー機において、像域分離は色変換部から出力されたデータを用いて行っているため、像域分離を終了するまで、画像データは遅延させて出力させる必要があり、そのために、例えば3×3のウインドゥを用いて像域分離を行うために、L* 信号については1画素のビット数×主走査方向の画素数×(遅延ライン数−1)のセル数のラインバッファを必要とし、また、a* 信号、b* 信号にも同様にラインバッファが必要とされ、像域分離機能を持たせるためにコスト高になるという問題があった。
【0008】
ところで、上記従来ディジタルカラーコピー機のライン補正メモリは、上記したように、基本的にはR、G、B分離色信号のタイミング調整のためのものであるが、ある程度のライン数の画像データが格納されているので、このライン補正メモリを用いて、白黒/カラーの判別に用いたり、原稿サイズ判別、自動濃度調整に用いた技術が特許第2925139号公報に開示されている。
【0009】
この発明は上記問題点に着目してなされたものであって、ライン補正メモリを更に活用し、像域分離をメモリ容量を比較的要することなく、実現し得るカラー画像処理装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のカラー画像処理装置は、所定の間隔をおいて配置され、それぞれ異なる色成分の画像信号を出力する複数のラインイメージセンサと、ラインイメージセンサからの画像信号を記憶し、原稿の1ラインにおける各色成分の画像信号を同時に出力するための遅延用のライン補正メモリと、ラインイメージセンサから最初に出力されライン補正メモリで遅延後に出力された色成分の画像信号、ラインイメージセンサから2番目に出力されライン補正メモリで遅延後に出力された色成分の画像信号、及びラインイメージセンサから出力されたその他の色成分の画像信号を、第2の色空間に変換する第1の色変換部と、前記最初及び2番目の色成分の画像信号より像域分離用の色成分に変換するものであって、2番目の色成分の画像信号はライン補正メモリに入力される前の画像信号が入力され、最初の色成分の画像信号は2番目の色成分の画像信号が入力される時点までライン補正メモリに記憶された画像信号が入力される第2の色変換部と、第2の色変換部から出力された複数ライン分のデータに基づいて像域分離を行う像域分離部と、第1の色変換部から出力された第2の色空間の画像信号に対して、像域分離部で得られた像域分離に対応した画像処理を行う画像処理部と、を備えるものである。
【0011】
この発明において、第2の色変換部と像域分離部との間にラインメモリを備え、前記像域分離を行うための複数ライン分のデータは少なくとも、第2の色変換部より出力された1ライン分のデータと、ラインメモリより出力された1ライン分のデータとを含むものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態により、この発明をさらに詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明の一実施形態であるディジタルカラーコピー機の構成を示すブロック図である。この実施形態ディジタルカラーコピー機は、R信号処理部1Rと、G信号処理部1Gと、B信号処理部1Bと、色変換部7と、画像処理部8と、プリンタ10と、第2の色変換部11と、像域分離部12と、ラインメモリ13、13’を備えている。
【0014】
この実施形態ディジタルカラーコピー機において、特徴点は、第2の色変換部11と、像域分離部12とを備えたことである。また、R信号処理部1Rはシェーディング補正回路5Rの出力側に2つのライン補正メモリ6R、6R’をシリアル接続している。このライン補正メモリ6R、6R’は、容量が合わせて8ライン分であり、この点で、図2のライン補正メモリ6Rと同じである。しかし、前段のライン補正メモリ6Rは4ライン分を遅延させるものであり、出力を第2色変換部11に入力している。また、後段のライン補正メモリ6R’も4ライン分を遅延させるものであり、出力を色変換部7に入力している。その外のR信号処理部1Rと、G信号処理部1Gと、B信号処理部1Bと、色変換部7と、画像処理部8と、プリンタ10は、図2に示した従来のものと同様である。
【0015】
この実施形態においては、ライン補正メモリ6R’と、ライン補正メモリ6Gの出力及びシェーディング補正回路5Bの出力は、色変換部7に入力される。また、ライン補正メモリ6Rの出力とシェーディング補正回路5Gの出力が第2の色変換部11に入力される。
【0016】
第2の色変換部11は、R信号とG信号を受け、RG成分よりY’成分に変換する。色空間YCrCbでYはR、G、B入力に対し、0.299R+0.587G+0.114Bで計算されるが、ここではY’=0.299R+0.587Gで近似的に輝度を算出している。
【0017】
像域分離部12は、第2の色変換部11よりY’を受けて、像域分離を行う。像域分離は画素3×3のウインドゥを用いて、各画素毎に文字/罫線の領域、写真の領域の別に像域分離を行う。3×3のウインドゥを使用するので、3ライン分のY’信号であるデータを要する。そのため、第2の色変換部11から出力され、ラインメモリ13、13’より出力されたデータと、ラインメモリ13から出力されたデータと、第2の色変換部11から出力された合わせて3ライン分のデータが像域分離部12に入力されている。もっとも、初期段階では、3ライン分のデータはないので、図3に示すR信号の5ライン目がライン補正メモリ6Rから、またシェーディング補正回路5Gからの1ライン目が第2の色変換部11からY’信号として出力されるタイミングと、更にこれがライン補正メモリ13で遅延されるタイミングに、第2の色変換部11の出力、ライン補正メモリ13の出力、更にそれより前のライン補正メモリ13’から出力される仮想のY’データ1ライン分に基づき、つまり2ライン分のデータと仮想1ライン分のデータとにより、像域判定が行われる。そして、図3に示すように、R信号の6ライン目、G信号の2ライン目に、像域分離の出力Outの1ライン目が得られる。もっとも、この実施形態では、R、G、Bの各ラインセンサ間を4ライン分として説明したが、この発明は各ラインセンサ間のライン数の種々の状況に応じて、対応したライン数のライン補正メモリ6R、6R’を使用すると良い。
【0018】
【発明の効果】
この発明によれば、ライン補正メモリに格納されている画像信号に基づいて、像域分離を行い、分離された領域について適切な画像処理を行うことができるので、バッファメモリの大容量化を招くことなく、再現性の良いカラー画像データを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態であるディジタルカラーコピー機の構成を示すブロック図である。
【図2】従来のディジタルカラーコピー機の構成を示すブロック図である。
【図3】ディジタルカラーコピー機のR、G、B信号の同一走査ライン上の読み取りタイミングを示す図である。
【符号の説明】
1R R信号処理部
1G G信号処理部
1B B信号処理部
2R、2G、2B ラインイメージセンサ
3R、3G、3B アナログフロントエンド回路
4R、4G、4B A/D変換部
5R、5G、5B シェーディング補正回路
7 色変換部
8 画像処理部
10 プリンタ
11 第2の色変換部
12 像域分離部
Claims (2)
- 所定の間隔をおいて配置され、それぞれ異なる色成分の画像信号を出力する複数のラインイメージセンサと、
ラインイメージセンサからの画像信号を記憶し、原稿の1ラインにおける各色成分の画像信号を同時に出力するための遅延用のライン補正メモリと、
ラインイメージセンサから最初に出力されライン補正メモリで遅延後に出力された色成分の画像信号、ラインイメージセンサから2番目に出力されライン補正メモリで遅延後に出力された色成分の画像信号、及びラインイメージセンサから出力されたその他の色成分の画像信号を、第2の色空間に変換する第1の色変換部と、
前記最初及び2番目の色成分の画像信号より像域分離用の色成分に変換するものであって、2番目の色成分の画像信号はライン補正メモリに入力される前の画像信号が入力され、最初の色成分の画像信号は2番目の色成分の画像信号が入力される時点までライン補正メモリに記憶された画像信号が入力される第2の色変換部と、
第2の色変換部から出力された複数ライン分のデータに基づいて像域分離を行う像域分離部と、
第1の色変換部から出力された第2の色空間の画像信号に対して、像域分離部で得られた像域分離に対応した画像処理を行う画像処理部と、
を備えたことを特徴とするカラー画像処理装置。 - 第2の色変換部と像域分離部との間にラインメモリを備え、前記像域分離を行うための複数ライン分のデータは少なくとも、第2の色変換部より出力された1ライン分のデータと、ラインメモリより出力された1ライン分のデータとを含むことを特徴とする請求項1記載のカラー画像処理装置。
Priority Applications (1)
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JP2002237994A JP3937978B2 (ja) | 2002-08-19 | 2002-08-19 | カラー画像処理装置 |
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JP2004080392A JP2004080392A (ja) | 2004-03-11 |
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