JP3935158B2 - 表示装置 - Google Patents

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Description

この発明は、表示装置に係り、特に、自然な奥行き間を感じさせる、視覚的なボケに対応する光学的な刺激を表現可能な表示装置に関する。
様々な手法により、人間の視覚機能に高臨場感を与えようとする試みが続けられている。人間の視覚としては、様々な機能が上げられているが、高臨場感表示としたくくりで求められる視覚機能として、広視野並びに立体視等といった機能が注目されている。
広視野角表示といった、人間の広い視野角を刺激するためには、当然のことながら視野に匹敵する面積での画像情報を与えるといった手法がある。
また、立体視という、人間の視覚の奥行き感を刺激する手法としては、左右の両眼に視差を設けた画像を独立に入力するといった手法がある。具体的に、現在広く用いられている立体視の手法としては、左右の眼前にそれぞれ、赤或いは青等の色フィルタを置くことにより、フィルタ透過して目に至る画像情報を変える手法、高精細ディスプイレイ上にレンチキュラレンズを配置し、両眼へ異なる画像情報を与える手法、また、眼前に時分割的にシャッタリングする液晶シャッターを配置し、時分割的に両眼へ与える画像情報を変えるなどの手法がある。
ところで、人間が観察する世界で、両眼による観察がもっとも緻密に行われるのは、その輻輳機能をつかう状態であり、眼前から手を伸ばすことができる程度の領域であることは周知である。それ以遠の領域においては輻輳の効果は期待できない。即ち、人間が注視しようとする近距離の領域は、両眼視による輻輳などの機能を効果的につかうことができるが、“眺める”ような視覚的活動の際には、そのような両眼機能は有用に活用されない。逆に、“眺める”行動をとるときに両眼視を強制的に発現させることは、その脳処理を考えた場合不要であるばかりか、無用な疲労を生むに他ならない。即ち、“眺める”ための視覚機能を使用するためには無駄な両眼視機能は、刺激せず、広視野角表示にさらに人間の視覚機能に優しい特質を与えることが有意義である。
一般に人間に知覚されない画像は、“ボケ”と表現される状態で表される。ボケとは、写真画像などにおいては、結像光学系の焦点位置が一致していない像がフィルム面上で再現される状態であり、光学的には結像面において焦点深度方向の収差が残っている状態を指している。
人間の眼球光学系でも、その眼球におけるレンズの屈折力は、35mmフィルムカメラにおける17mmレンズに相当し、かなりの焦点深度を持つと考えられるが、人間が注視する物点以外の位置にある物は、ボケて網膜面において像を結んでいると考えられる。
この像面(網膜面)における像のボケは、人間の視覚に大きな影響を持ち、注視する状態とそうでない状態、また、距離情報をも内包していると考えられる。
このような像がボケる状態を再現する手法は、高臨場感表示に優位なだけではなく、注視していない部分の像に対応する情報量を低減することにもなり、像観察時の視覚系及び、視覚処理を行う脳神経系の疲労低減に大きな影響を与えると考えられる。
しかしながら、現存する表示装置、表示方法においてはこのような視覚的なボケを表現するには無理のある構造になっている。例えば、近年CRTに代替されつつある各種のフラットパネルディスプレイ(FPD)においては、図1(a)に示すようなパネル面におけるボケ表現は、図1(b)に示すように単なる擬似的に表現された輪郭部の拡散であり、ドットのランダム羅列に近い表現となっている。この表現は画素を拡大すると、図1(b)及び(c)に示すようにRGB各色の画素の輝度が単に不均一になっているだけであり、真の光学的なボケを表現しているわけではない。
このボケについて光学系の観点から以下に説明する。
点光源からの光線がレンズ系に入射されると、レンズ系の結像面においてその光線は、点に集光されて点画像が再現される。結像面からはずれた面上では、点として結像せず、乱れた状態で結像される。入射される光線に収差が全く存在しない場合には、点ではなく、それより大きな円として結像面に投影される。収差がある場合には、その収差に添った形に投影される。
この例では、点光源として表現したが、現実の視野もこれに準じた結像をすると考えることができる。しかしながら、前述したように、パネルディスプレイの像は、基本的には画素構造が結像されるだけで、このような自然のボケは、表現ができない。
以上のように、現行の表示装置は、視覚的なボケを表現するには、構造的に無理があり、自然なボケを表示できない問題がある。
この発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、網膜面での結像をぼかすことにより、自然なボケを表示することができる表示装置を提供するにある。
この発明によれば、
第1焦点及び観察者の眼球上に定められるべき第2焦点を有し、第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向を有し、表示画像を投影する光投影面と、
光線を発生する光源部と、
前記光源部からの光線を導く導波路構造であって、可撓性を有し、前記第1方向に振動される可動導波路を有し、この振動される可動導波路の自由端から前記第1方向に偏向される光線が射出される導波路構造と、
この射出された光線を前記第1焦点に向けて集光する集光レンズ系と、
前記第1焦点に一致する前記光線の集光点に配置され、前記第2方向に沿うように前記光線を偏向して前記光投影面に前記表示画像を形成する偏向部と、及び
前記集光点と前記光投影面との間に配置され、前記表示画像のボケに応じて屈折率が変化されて光学的なボケを生じさせる電気光学素子と、
画像信号に応じて前記光源部を駆動して当該光源部から変調された光線を発生させる発光制御回路と、
を具備することを特徴とする表示装置が提供される。
また、この発明によれば、
第1焦点及び観察者の眼球上に定められるべき第2焦点を有し、第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向を有する光投影面に画像を表示する方法において、
表示すべき画像信号に応じて光源部を駆動して変調された光線を光源部から発生させ、
可撓性を有する可動導波路の一端に前記光源部からの光線を導き、この可動導波路を振動させてその他端の自由端から前記第1方向に偏向された光線を射出させ、
この射出光線を前記第1焦点に一致する集光点に向けて集光した状態で、前記第2方向に沿うようにこの集光点の光線を偏向し、
前記光投影面及び前記集光点との間において前記表示画像に含まれるボケ領域を表示する光線に対して光路長を変更して光学的なボケを与え、
前記第1及び第2方向に偏向された光線によって前記光投影面上に前記画像を表示させて前記観察者の眼球に前記画像を投影することを特徴とする表示方法が提供される。
この発明によれば、自然な奥行き感を感じさせることができ、視覚的にぼけた画像に対応する画像を表示することができる表示装置を提供するにある。
この発明の実施の形態を説明するに先立って始めに発明者のこの発明に至る着眼点について下記に説明する。
発明者は、既に出願された特許願2003−193907において、小型でありながらも広視野観察を可能な表示装置を提案している。この表示装置は、以下に実施形態として説明されるように光走査画像を網膜面に結像させることにより、小型の装置で広視野表示を実現するものである。このような表示装置において、光源部から発する光束を集光状態を保ったまま観察者の瞳孔にその2次元像の焦点を集めて投影した場合には、ピンホールカメラにおける結像と同様に、網膜面における結像は、長い焦点深度を持つためにどのような眼球の調節状態であっても、網膜面に結像状態を保つことが可能である。このような状態はマックスウェル視として知られているが、ここで必要な要素は2次元画像を構成する光束がすべからく平行光束として扱えるだけの集光状態を保つ必要がある。
また、そのような集光状態を得ることができなくても、光束の1次光走査を与える射出源の像を、眼球の調節力とあわせて網膜面に結像すれば、射出源の光源の形を保った微小な光点の集合体としての像を網膜面に結像することが可能である。即ち、この発明に関わる表示装置の方式を用いると、画像表示は、点光源の集合体として考えることが可能であり、この点光源の結像状態に変化を与えることによって自然なボケを表現することが可能である。
このような着眼点に基づく、この発明の実施形態に係る表示装置について、以下図面を参照して説明する。
図2は、この発明の実施形態に係る表示装置における平面的な配置関係を概略的に示す平面図である。図2に示される表示装置は、2次元光走査装置10を備え、この2次元光走査装置10は、1次光走査ユニット11、集光レンズ系12、2次光走査ユニット13及び2次光走査ユニット11を作動する駆動用のモータ14から構成されている。
2次元光走査装置10からは、2次元走査光束Lが投影面15に向けて射出されている。従って、投影面15は、2次元走査光束Lで走査されて、投影面15上には、2次元光装置10からの2次元走査光束Lによって光走査像40が形成される。ここで、光走査像40は、観察者の眼を基準にして、例えば、左右50度(あわせて100度)、上方35度及び下方50度(あわせて85度)程度(誘導視野)或いはこの値以上に定められた範囲に形成される。
集光レンズ系12は、夫々第1及び第2のレンズで構成され、光走査ユニット11側に配置される第1のレンズは、1次光走査ユニット11における単一光源とみなせる光射出源の位置に後側焦点が位置するような焦点距離を有し、この第1のレンズによって光走査ユニット11の射出源からの走査光束が平行光束に変換される。第1のレンズから射出された平行光束は、集光レンズ系12の第2のレンズによって夫々2次光走査ユニット13に向けて集光され、夫々駆動用のモータ14によって傾動される2次光走査ユニット13によって投影面15が走査される。即ち、2次光走査ユニット13は、集光レンズ系12の第2のレンズからの光束を偏向して投影面15を偏向光束で走査している。2次光走査ユニット13には、図3に示される光走査装置10に設けられた片持梁構造31の1次方向(水平方向)の振動周期に同期して作動される5mm四方程度のポリゴンミラー、ガルバノミラー及び音響光学素子等の偏向素子で構成される。2次光走査ユニット13は、制御部17によって制御されるモータ14によって作動されてその光路が傾動される。
図2に示す光走査装置10においては、後に詳述する片持梁構造31が振動されて光束が1次走査(水平走査に相当する。)され、この片持梁構造31の振動に同期してその光路が傾動される2次光走査ユニット13に入射される。また、2次光走査ユニット13で反射された光束は、光路が傾動されるに伴い、2次走査(垂直走査に相当する。)される。従って、2次光走査ユニット13を介して出射された光線束は、2次元的(水平及び垂直走査に相当する。)に偏向される光束に変換される。例えば、2次光走査ユニット13がモータ14によって1800rpmで傾動させられたときには、60Hz相当のフレームレートでの2次元的な走査が可能となる。
図2に示される光走査装置10は、使用に際しては、観察者の頭部の側面に装着され、投影画像40が形成される凹面の反射面に形成される反射型投影面15は、観察者の視線上に配置されている。従って、光走査装置10から光束Lは、観察者の眼前に配置された反射型投影面15に向けられ、この反射型投影面15で反射されて観察者の眼球55に向けて集光される。従って、観察者は、反射型投影面15から入射される光束によって投影像40を観察することができる。図2に示される表示装置によれば、観察者は、観察者に装着された光走査装置10及び反射型投影面15によって広視野角の画像表示を観察することができる。
反射型投影面15は、図2に示すように眼球55の網膜面へ画像(2次元光束)を投影するときは、観察者の眼前に回折或いは反射機能を有する光学系で実現することができる。反射型投影面15に形成された投影画像は、観察者の眼球55に向けられ、その反射像或いは回折像が観察者の網膜面に投影され、観察者に画像情報を与えることができる。反射型投影面15を実現する装置は、例えば、眼鏡状に設計されることによって、観察者は、その装着に違和感を覚えにくくすることができる。この反射型投影面15は、例えば、アルミ蒸着プラスチックを用いて2つの焦点を有する3次元楕円面に形成され、その一方の焦点は、2次光走査ユニット13に生じる光束の集光点に合致され、他方の焦点は、眼球55の瞳開口部に合致されるように定められる。このように焦点が定められることによって、光走査装置10により形成された2次元光束は、すべて眼球55の網膜に結像させることが可能である。また、アルミ蒸着プラスチックを用いたときは視野方向からの外光を取り入れることができないが、反射型投影面15にホログラフィックレンズ等を用いることによって透過視が可能な表示装置とすることもできる。
図2に示すように2次光走査ユニット13と投影面15との間の光路には、電気光学素子18が配置されている。この電気光学素子18は、制御部17からの駆動信号によって高電界を印加することによってその屈折率が初期屈折率n0からある屈折率nxに変化される。電気光学素子18が休止状態における電気光学素子18の屈折率が初期屈折率n0である場合には、この電気光学素子18を介して投影面14に投影された2次元画像は、投影面15によって観察者の目55の網膜面に結像される。しかしながら、電気光学素子18に電圧が印加される駆動状態においては、その屈折率が屈折率nxに変化され、この電気光学素子18を介して投影面14に射出される光束Lは、網膜面に結像されず、良好な結像状態が崩されることとなる。従って、制御部17の制御下で2次元画像を形成する光束の射出に同期して電気光学素子18が駆動されると、表示面としての投影面15に対して結像状態及び非結像状態を可変的に生成することができる。即ち、ボケの少ない画像を投影面に投影するに際しては、電気光学素子18が休止状態に維持され、観察者の目55と2次光走査ユニット13の光点とは結像関係に維持され、その結果、明瞭な画像が観察者の目55の網膜面に入射される。これに対して、ボケが多い画像を投影面に投影するに際しては、電気光学素子18が駆動状態に切り替えられて光路長が変更され、観察者の目55と2次光走査ユニット13の光点との結像関係が崩され、その結果、ボケた画像が観察者の目55の網膜面に投影される。このボケた画像は、表示素子等の画素配列に生ずる擬似的なボケとは異なり、光学像を伝達する光学系におけるボケであることから自然なボケとして観察者に感知され、違和感のない画像が認識される。
図2に示された光走査装置10に組み込まれる1次光走査ユニット11の構造について図3〜図6を参照して説明する。
1次光走査ユニット11は、図3及び図4に示すように光源素子部を構成するSOI基板構造21を備えている。図5に示すようにSOI基板構造21は、シリコン(Si)基板21−1上に半導体プロセスで用いられる微細加工技術を利用して光学素子が形成されている。即ち、図5に示されるようにシリコン基板21−1上の一部領域に酸化シリコン(SiO)層21−2が形成され、この酸化シリコン層21−2にシリコン活性層21−3が形成されてSOI基板構造21が形成される。シリコン活性層21−3上には、半導体レーザー或いは発光ダイオード等から成る光源素子36が形成されるとともにこの光源素子36からの光線を導く光導波路構造35及び光源素子36からの光線を光導波路構造35に集光する集光部構造39−1,39−2が形成されている。光導波路構造35は、SOI基板21−1上に光導波路材料が塗布され、この塗布された光導波路材料をレジスト技術により露光した後にRIE加工により光導波路に削りだし、酸化シリコン層21−2を犠牲層としてエッチングすることにより、梁構造をシリコン基板21−1より遊離させることにより可動部が形成されている。
一例として、光導波路構造35の構成材料には、基本的に、ポリメタクリレート樹脂が用いられるが、他の典型的な光導波路材料として、ポリカーボネイト系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン類、また、各種金属酸化物、金属窒化物などがある。この例では、光導波路構造35の厚さは10μm程度であり、光導波路の射出端は、10μm四方の断面形状を有する。このような成形過程から、光導波路構造35は、錐状にその針状導波路部35Aの基部35Bに向けて減少され、その錐上部35Aの先端からは、針状導波路部35Aが延出される。シリコン活性層51−3も同様に針状導波路部35Aを支えるようにシリコン基板51−1との間にギャップを空けて針状に延出され、針状の導波路35Aと共に酸化シリコン層51−2に固定された片持梁構造31に形成されている。この片持梁構造31は、一端が固定された可撓性を有する針状の導波路35Aで構成され、その先端は、自由端に定められ、その自由端は、光束射出端に規定されている。片持梁構造31は、一例として梁の幅が10μm、長さが1300μm程度に形成される。
図5に示される構造では、光源素子36から発生された光線は、集光部構造39−1,39−2によって光導波路構造35に集光され、この集光された光線は、光導波路構造35内を伝播され、その針状部35Aの基部35Bに集中的に導入されてその先端35Cから外部に射出される。従って、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bは、図2から図4に示される表示装置における光源素子36の光点、即ち、発光点に相当している。後に説明されるように集光レンズ系12のレンズの後側焦点は、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに位置合わせされている。
光導波路構造35の針状部35Aを偏向する為にこの針状部35Aを支持している片持梁構造31は、偏向機構38に連結されている。即ち、この偏向機構38においては、片持梁構造31が蛇腹ばね構造34に連結され、蛇腹ばね構造34の両端が櫛歯型駆動機構32に接続されている。また、蛇腹ばね構造34は、安定化ばね構造33によって支持され、安定にその伸展方向に微動変位可能に片持梁構造31を支持している。櫛歯型駆動機構32及び安定化ばね構造33は、1次光走査ユニット11のフレーム60に固定され、また、櫛歯型機構32には、制御部17から電圧が配線を介して印加される。櫛歯型機構32においては、印加電圧に応じて櫛歯の間に生じる静電容量から静電駆動力が発生され、蛇腹ばね構造34は、櫛歯型機構32で発生したこの静電駆動力を片持ち梁部11に伝達されている。また、蛇腹ばね構造34は、蛇腹構造を有することで、櫛歯型機構32の少ない振幅を増幅して、片持ち梁構造31を図3の矢印HDに示す水平方向に比較的大きな弧状に偏奇する振幅変動に変換することができる。安定化ばね構造31は、一方を光走査ユニット11のフレーム60に接続され、櫛歯型機構32の噛み合っている櫛歯同士が互いに垂直に動くように動作を安定化させている。片持ち梁構造31の振動速度(走査速度)は、偏向機構38を構成する蛇腹ばね構造34、安定化ばね構造31及び櫛歯型機構32等の構成部材の物理定数に依存する共振周波数によって定められる。
偏向機構38が動作すると、片持ち梁構造31とともに光導波路構造35の針状部35Aが水平方向に弧状の偏奇振動され、その結果、光導波路構造35の針状部35Aの先端35Cから射出される光線は、水平方向に偏向されることとなる。従って、1次光走査ユニット11からは、水平方向にファンシャープ状に広がる光束が射出される。尚、光源素子36として夫々個別に赤(R)・緑(G)・青(B)の光線を発生する光源を備えた1次光走査ユニット11,21を用意することによってカラー表示装置を実現することがきる。
図6(a)及び(b)に示すように1次元光走査装置10においては、1次光走査ユニット11の前方に補正レンズ16が設けられている。光導波路構造35の針状部35Aが偏向機構38によって変動されるに伴いその針状部35A先端35Cが微動され、この微動に伴い光束の射出点が周期的に変動される。この射出点の変動を補正する為にこの補正レンズ16は、例えば、平凸レンズが設けられている。この補正レンズ16は、一種のfθレンズとして作用し、周期的に変動する射出点の位置に応じて収差を与え、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに光点が不動であるように射出点から出射される光線に補正を与えている。この補正レンズ16が設けられることによって、光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに不動の光点が位置され、集光レンズ系12の第1の集光レンズが有する後側焦点を光導波路構造35の針状部35Aの基部35Bに位置される不動の光点に位置させることができる。
図2に示される表示装置においては、図7に示されるように通常のビデオ信号が制御部17に入力される。この制御部17においては、ビデオ信号がフレーム画像毎に入力され、フレーム画像がフレームメモリ66に一時的に格納されるとともにこのビデオ信号が画像解析部60に入力されて画像が解析される。
画像解析部60においては、入力されたフレーム画像の輝度分布が解析されてフレーム画像毎にボケの多い画像であるか、或いは、輪郭が明瞭なシャープなフレーム画像であるかが判別される。即ち、フレーム画像を構成する水平走査ライン毎の画像信号が微分されてその微分信号中の微分値が所定の閾値Th1,Th2を越えたか否かに応じて各ライン内のシャープな領域であるか或いはボケた領域であるかが判断される。
1フレーム中で画像のぼけた領域は、輝度が拡散されて表示され、1フレーム中の各ラインに着目すると輝度が緩やかに変化される。これに対して、1フレーム中で画像がシャープ領域は、像の輪郭が明瞭なことから、明暗が明確であり、輝度が著しく変化される領域に相当している。1フレーム中の各ラインに着目すると、像の輪郭に相当する輝度が著しく変化する画素間の領域がシャープな領域に相当することとなる。従って、輝度信号(変調信号でもある。)を微分することによって各フレーム画像からボケの領域及びシャープな領域を抽出することができる。
具体的には、水平ライン毎の輝度信号(変調信号でもある。)が微分されて図8に示すようなライン毎の微分信号が求められる。この微分信号は、輝度の変化とともに変動されるが、ボケが生じている領域では、その微分信号の変動レベルは、時点t0〜t1に示されるように比較的小さく、シャープな領域に至ると、時点t1に示されるようにその微分信号が大きく変動されてある閾値Th2を越えることとなる。また、シャープな領域からボケた領域に至ると同様に時点t2に示されるように微分信号が大きく変動されて同様に閾値Th2を越えることとなる。従って、ある閾値Th2を越える時点t1〜t2の領域は、シャープな画像の領域と判別される。同様に、図8のグラフでは、時点t3から微分信号は、ある閾値Th1を越えて変動されることから、時点t3からシャープな画像の領域が生じていると判別される。
画像解析部60では、微分信号の変動に応じて1フレーム中のシャープな領域及びボケ領域のマップがメモリ部62に記憶される。このマップでは、画素毎にシャープ画素及びボケ画素のように画素アドレスとしてシャープ領域並びにボケ領域が指定される。好ましくは、電気光学素子18の応答を考慮してシャープな画像領域の範囲がマップ上で拡大される。即ち、図8に示す例において時点t1〜t2のみでなく、シャープな画像領域が始まる時点t1より前の時点(t1−Δ)を含む画素からシャープな画像領域であるとしてマップに登録されることが好ましい。
フレームメモリ66からは、ライン毎の画像信号が画像処理部68に供給され、画像処理部68において、画像信号から変調信号並びに水平及び垂直走査信号が抽出される。変調信号は、発光制御回路70に与えられ、この変調信号に応じた光源駆動信号が発生されて1次光走査ユニット11の光源素子36に与えられる。また、水平走査信号及び垂直走査信号が駆動信号発生部72に供給され、水平走査信号に応じて櫛歯型機構32を動作させる駆動信号が駆動信号発生部72から発生され、垂直走査信号に応じてモータ14を作動させる駆動信号が同様に駆動信号発生部72から発生される。従って、変調信号に応じて光源素子36から変調された光線が発生され、また、1次光走査ユニット11及び2次光走査ユニット13は、水平及び垂直走査動信号に応じてこれらユニット11,13に入射される光線を偏向することとなる。1次光走査ユニット11の作動においては、櫛歯型機構32が水平走査信号に応じた駆動信号で動作されて片持梁構造31が共振振動されて光束が水平方向に偏向される。2次光走査ユニット13の作動においては、垂直走査動信号に応じて駆動用のモータ14が動作して2次光走査ユニット13の偏向素子が光路を傾動して光束を垂直方向に偏向する。また、1次光走査ユニット11からは、水平方向に偏向される光束が射出され、この光束が2次光走査ユニット13によって垂直方向に偏向されて光束Lが投影面15に向けられる。従って、投影面15上には、2次元光装置10によって投影像40が形成される。
図7に示す制御部17において、フレーム画像がフレームメモリ66から出力されると、この出力に同期してメモリ部62から素子駆動部64にマップに応じたオン・オフ信号が与えられる。即ち、フレームメモリ66からのライン毎の画素信号に応じて対応画素に応じてオン・オフ信号が出力される。ここで、シャープな画像領域の画素に相当する画素信号に対しては、オフ信号が発生され、ボケている画像領域の画素に相当する画素信号に対しては、オン信号が発生される。従って、電気光学素子18を駆動する素子駆動部64からは、オン信号に応答して駆動信号が与えられ、この電気光学素子18が駆動される。また、オフ信号に応答して素子駆動部64は、電気光学素子18への電圧印加を止め、電気光学素子18を休止状態とする。オン・オフ信号は、画素に対応して発生されることから、ボケ領域が連続する画素が表示される際には、電気光学素子18の屈折率がnxと大きくなって光学系の光路長が大きくなり、この電気光学素子18を通過する光束に光学的なボケが与えられることとなる。また、シャープな領域が連続する画素が表示される際には、電気光学素子18の屈折率がn0に維持され、この電気光学素子18を通過する光束には、この電気光学素子18を通過して本来のシャープな画像の描画に寄与することとなる。
以上のように、表示すべき画像にボケ領域が含まれている場合には、そのボケ領域を表示するに際して電気光学素子18の屈折率が所定値から変化されて光学的なボケが光束に与えられ、また、表示すべき画像にシャープな画像領域が含まれている場合には、そのシャープな画像領域を表示するに際して電気光学素子18の屈折率が本来の値に戻されて本来の結像関係のシャープな画像が表示される。従って、表示される画像には、自然な光学的ボケを含む画像が表示され、違和感のない表示が可能となる。
図9を参照してこの発明の他の実施形態に係る表示装置のついて説明する。図9に示される素子は、図5に示す構造に類似した構造を備えていることから、その詳細な説明は、同一の符号を付することによって省略する。
この発明の他の実施形態に係る表示装置においては、図2に示されるように2次元光走査装置10及び投影面15間の光路中に電気光学素子が配置されるに代えて、図9に示すように電気光学素子15が一次元光走査ユニット11内の素子部に組み込まれても良い。即ち、電気光学素子15が光源素子部36と集光部構造39−1との間の配置され、光源素子部36から射出された光束が直接的に画像中のボケに応じて光学的ボケが光束に与えられても良い。
尚、電気光学素子15は、その屈折力変化が小さいことから図2に示すように走査装置本体に比べて同等かそれ以上に大きな素子を用い、電気光学素子15が走査装置本体に外付けすることが好まし。しかしながら、これからの材料研究・開発に伴い、屈折力変化が大きな材料が得られ、それほどの大きな素子構成を必要としなくなった場合には、図9に示されるように小型の電気光学素子が光源部36に隣接して配置しても良い。図9に示されように素子構造中に電気光学素子を組み込む構造は、光学的にそれ程大きなボケを与えなくても良い場合にも適用することができることも付記する。この電気光学素子は、発光信号に同期して駆動されることにより、前述した構成で得られる効果と同等の効果を得ることができることは明らかである。
また、上記実施の形態では、光路長を変更する素子として電気的に屈折率が変化される屈折体(電気光学素子)を用いているが、この屈折体に代えて小型レンズ構造或いはプリズム構造が組み込まれ、このレンズ構造或いはプリズム構造がMEMS的に微動変位するように駆動されて機械光学的に光路長が変更させるようにしても良い。このような光学系及び微動機械装置によっても同様に上述した実施の形態と同様の効果を達成することができる。
(a)、(b)及び(c)は、一般的な表示装置におけるボケを説明する為の説明図であって(a)は、あるボケが与えられた画像の説明図、(b)は、図1(a)を拡大した平面図、及び(c)は、図1(b)を拡大した平面図である。 この発明の1実施の形態に係る表示装置を概略的に示す平面図である。 図1に示される光走査装置に組み込まれる光走査ユニットの構造を概略的に示す平面図である。 図3に示される光走査ユニットの一部を拡大して示す平面図である。 図3及び図4に示される素子部を拡大して概略的に示す断面図である。 (a)及び(b)は、図4に示される光走査装置の具体例を概略的に示す平面図及び側面図である。 図2に示される制御部を示すブロック図である。 図7に示される画像解析部で処理される信号を概略的に示す波形図である。 この発明の他の実施の形態に係る表示装置における素子部を拡大して概略的に示す断面図である。
符号の説明
10...2次元光走査装置、11...1次光走査ユニット、12...集光レンズ系、13...2次光走査ユニット、14...駆動用モータ、16...補正レンズ、17...制御部、L...2次元走査光束、36...光源素子、51...基板構造、40...光走査像、31...片持梁構造、33...安定化ばね構造、34...蛇腹ばね構造、35...光導波路構造、38...動力機構

Claims (6)

  1. 第1焦点及び観察者の眼球上に定められるべき第2焦点を有し、第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向を有し、表示画像を投影する光投影面と、
    光線を発生する光源部と、
    前記光源部からの光線を導く導波路構造であって、可撓性を有し、前記第1方向に振動される可動導波路を有し、この振動される可動導波路の自由端から前記第1方向に偏向される光線が射出される導波路構造と、
    この射出された光線を前記第1焦点に向けて集光する集光レンズ系と、
    前記第1焦点に一致する前記光線の集光点に配置され、前記第2方向に沿うように前記光線を偏向して前記光投影面に前記表示画像を形成する偏向部と、及び
    前記集光点と前記光投影面との間に配置され、前記表示画像のボケに応じて屈折率が変化されて光学的なボケを生じさせる電気光学素子と、
    画像信号に応じて前記光源部を駆動して当該光源部から変調された光線を発生させる発光制御回路と、
    を具備することを特徴とする表示装置。
  2. この可動導波部を前記第1方向に沿って可動して前記光線を偏向させる駆動機構とを具備することを特徴とする請求項1の表示装置。
  3. 前記導波路構造は、前記可動導波路の基部に前記光源部からの光線を集光する集光部を備え、前記集光レンズは、前記導波路構造の基部に後側焦点が配置されることを特徴とする請求項1の表示装置。
  4. 入力された画像信号からボケに相当する画像領域を解析する解析部と、
    前記電気光学素子を前記画像信号に同期し、この解析部からの出力信号に応じて駆動する駆動部と、
    を具備することを特徴とする請求項1の表示装置。
  5. 前記電気光学素子が前記導波路構造に組み込まれていることを特徴とする請求項1の表示装置。
  6. 第1焦点及び観察者の眼球上に定められるべき第2焦点を有し、第1方向及びこの第1方向に直交する第2方向を有する光投影面に画像を表示する方法において、
    表示すべき画像信号に応じて光源部を駆動して変調された光線を光源部から発生させ、
    可撓性を有する可動導波路の一端に前記光源部からの光線を導き、この可動導波路を振動させてその他端の自由端から前記第1方向に偏向された光線を射出させ、
    この射出光線を前記第1焦点に一致する集光点に向けて集光した状態で、前記第2方向に沿うようにこの集光点の光線を偏向し、
    前記光投影面及び前記集光点との間において前記表示画像に含まれるボケ領域を表示する光線に対して光路長を変更して光学的なボケを与え、
    前記第1及び第2方向に偏向された光線によって前記光投影面上に前記画像を表示させて前記観察者の眼球に前記画像を投影することを特徴とする表示方法。
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