JP3935059B2 - 酸素センサ素子 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間部を有する長尺平板型のセラミック構造体中に発熱体を埋設したセラミックヒータ構造体に関し、特に、自動車等の内燃機関における空気と燃料の比率を制御するための酸素センサ素子に適したセラミックヒータ構造体の改良に関する。
【0002】
【従来技術】
通常、セラミックヒータは、平板状のアルミナなどのセラミックグリーンシートの表面に、白金、タングステン、モリブデンなどの導体ペーストを所定の発熱体パターンにスクリーン印刷塗布した後、グリーンシートと同時焼成して作製される(特許文献1参照)。
【0003】
その構造は、例えば、図5の分解斜視図に示すように、セラミック絶縁層31と、その絶縁層31の表面や内部に、発熱部32および引き出し部33が形成されており、また、引き出し部33の端部には一対の電極34が設けられ、リード端子35などがロウ付けされる。
【0004】
そして、発熱部32による加熱が所定の領域にて均一になるように、発熱部32では発熱パターンが発熱領域内に均一になるようにミアンダ状のパターンが形成されている。
【0005】
また、セラミックヒータの応用の1つにヒータを一体化した酸素センサが知られている(特許文献2参照)。この酸素センサの一例を示す図6によれば、酸素センサは、固体電解質基体41からなり、その内部には一端が封止された大気導入孔42が形成されており、固体電解質基体41の外表面に被測定ガスと接触する測定電極43が形成され、大気導入孔42側の内壁に空気などの基準ガスと接触される基準電極44が被着形成されてセンサ部Aを形成している。そして、このセンサ部Aを所定温度に加熱保持してセンサ性能を高めるために、固体電解質基体41の内部に、セラミック絶縁層45間に発熱体パターン46を形成したヒータBを埋設したものが知られている。上記のようなセラミックヒータを内蔵した酸素センサにおいては、ヒータ部Bによって測定電極43の全面において均一に加熱することがセンサ性能を高める上で、高く望まれている。
【0006】
【特許文献1】
特開平3−149791号
【特許文献2】
特開2001−71628号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記酸素センサのように、固体電解質基体41の内部に大気導入孔42のような空間部が存在する場合、従来のように、発熱体パターン46を均一に配置した場合、発熱部と被加熱体であるセンサ部Aとの間に空間部が存在する結果、被加熱体の周辺部分と中央部に大きな温度差が生じ、冷熱サイクルなどの熱応力によりセンサ部Aを含む構造体内に歪みが発生しクラックが生じ、最終的には、発熱体パターン46の断線や、セラミック構造体自体の破壊や、積層体からなる場合には層間剥離などを引き起こすという問題があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、内部に空間部を有する長尺平板状のセラミック構造体を具備する耐久性に優れたセラミックヒータ構造体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題に対して鋭意研究した結果、従来の均一に配置された発熱パターンを長尺平板状のセラミック構造体の内部に存在する空間部の位置に応じて発熱体パターンの位置を所定の関係になるように配置することで、冷熱サイクル印加においても熱応力による歪みが発生せず、耐久性を改善できることを見出し、本発明に至った。
【0010】
即ち、本発明の酸素センサ素子は、内部に長手方向に沿って空間部が形成された長尺平板状のセラミック構造体と、該セラミック構造体中に埋設された発熱体と、前記セラミック構造体の外表面に形成された測定電極と、前記空間部の内壁面に前記測定電極に対向するように配置された基準電極とを具備、前記発熱体が、前記外表面と平行に且つ長手方向に形成された、3つの折り返し部を有するミアンダ状の発熱体パターンからなり、前記セラミック構造体の側面から前記空間部までの最短距離をL1、前記セラミック構造体の側面から前記セラミック構造体の中心側に埋設された前記発熱体パターンの端部までの距離をL2としたとき、0.5≦L1/L2≦1.5の関係を満足し、前記測定電極を前記セラミック構造体の厚み方向に投影して前記測定電極と前記発熱体パターンとを重ねてみたときに、前記3つの折り返し部のうち、2つの折り返し部が前記測定電極よりも前記セラミック構造体の長手方向一端側にあり、残りの折り返し部が前記測定電極よりも前記セラミック構造体の長手方向他端側にあることを特徴とするものである。
【0011】
特に、前記セラミック構造体の全幅L3が、2.0mm≦L3≦6.0mmであること、前記セラミック構造体の側面から空間部までの最短距離L1と、前記セラミック構造体の全幅L3とが、0.1≦L1/L3≦0.35の関係を満足することが耐久性を高める上でさらに望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のセラミックヒータ構造体の一例として、セラミックヒータを具備する酸素センサ素子について以下に説明する。図1は、その酸素センサ素子の一例を示す(a)概略平面図と、(b)x−x断面図である。
図1の酸素センサ素子1によれば、固体電解質からなる長尺平板状のセラミック構造体2の内部には、一端が封止された空間部となる大気導入孔3が設けられている。
【0013】
そして、このセラミック構造体2の一主面には、被測定ガスと接触する測定電極5が形成されており、この測定電極5と対向する大気導入孔3の内壁には基準電極4が被着形成され、センサ部Aを形成している。また、セラミック構造体2の表面または大気導入孔3の内壁には、一端が基準電極4や測定電極5と電気的に接続された電極リード5aや電極パッド5bが形成されている。
【0014】
一方、セラミック構造体2の大気導入孔3の基準電極4が形成された面とは反対側の基体内部には、セラミック絶縁層7内に発熱体パターン6が内蔵されたヒータ部Bが形成されている。発熱体パターン6は、発熱部パターン6aと引き出し部パターン6bにより構成されている。
【0015】
本発明によれば、このヒータ部Bにおける発熱体パターン6は、図2の平面図に示すように、測定電極5が形成されたセラミック構造体2の一主面と平行に形成されており、図2に示されるように、長手方向に3つの折り返し部8a、8b、8cを有するミアンダ状の発熱体パターンからなる。
【0016】
本発明によれば、このミアンダ状の発熱体パターン6の配置を空間部である大気導入孔3の位置に合わせて配置することが重要である。
【0017】
まず、セラミック構造体2の側面から空間部となる大気導入孔3までの最短距離をL1、セラミック構造体2の側面からセラミック構造体2の中心側に埋設された発熱体パターン6の端部までの距離をL2としたとき、0.5≦L1/L2≦1.5の関係を満足することが重要である。
【0018】
このL1/L2を上記の範囲に限定したのは、L1/L2が0.5よりも小さいと、この酸素センサの中央部が高温になり、温度分布が不均一となりクラックが生じやすくなってしまうためである。また、L1/L2が1.5よりも大きいと、中央部の温度が上昇せず、また、発熱体パターン6と構造体2の沿面距離が近いため熱ひけが起きるため、温度分布が不均一となり、クラックが生じやすくなってしまうためである。特に、0.8≦L1/L2≦1.2であることが望ましい。
【0019】
また、本発明によれば、セラミック構造体2の全幅L3を2.0mm≦L3とすることによって、構造体自体の強度が高くなり、また、測定電極を良好な特性が発揮される面積を確保することできる。また、L3≦6.0mmとすることによって、測定電極5に使用する白金量を適切に抑制しコスト高となるのを抑制できる。特にL3は、2.5mm≦L3≦4.5mmであることが望ましい。
【0020】
また、セラミック構造体2の側面から空間部となる大気導入孔3までの最短距離L1と、セラミック構造体2の全幅L3とが、0.1≦L1/L3≦0.35の関係を満足することが望ましい。
【0021】
これは、0.1≦L1/L3とすることで、空気導入孔3の構造体2に対する割合を適切にし、構造体2の強度を維持するためである。また、L1/L3≦0.35とすることで、空気導入孔3の断面を基準大気の検出力を高く維持するのに十分な大きさとすることができる。特に、0.15≦L1/L3≦0.3であることが望ましい。
【0022】
また、本発明においては、ヒータ部Bにおけるパターンにおいて、中央部に位置する折り返し部8bの部分では、実質的には発熱しない方が望ましい。これは、折り返し部分8a〜8cが高温になりやすく全体の温度分布の不均一化をまねき易く、特に中央部付近での折り返し部8bが温度分布を不均一化しやすくなるためである。
【0023】
従って、この折り返し部8bを測定電極5が形成された部分xから遠ざけることで折り返し部8bの影響は低減できるが、無駄な導体パターンを形成してしまうことから、図3に示すように、この折り返し部8bにおける線幅を実質的に発熱しないレベルまで大きくするか、低抵抗の導体によって形成することが望ましい。
【0024】
このように、本発明のセラミックヒータ構造体においては、空間部を有するセラミック構造体の内部に埋設された発熱体パターンを空間部の位置に応じて配置することによって、空間部内部または中央部と周辺温度とを一定に保つことができ、加熱領域内における温度分布が均一になり、冷熱サイクルなどによる熱応力による歪みの発生を抑制することができる。
【0025】
なお、発熱体パターン6を内蔵したセラミック構造体2の全体厚みは、5〜100μm、特に10〜50μmであることが反りなどの発生抑制の点で望ましい。
【0026】
本発明のセラミックヒータ構造体において、セラミック構造体2は、アルミナ、ムライト、スピネル、ジルコニアの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスからなるが、上記酸素センサの場合、センサ部Aを形成する上で、セラミック構造体2の一部は、ZrO2固体電解質によって形成する。ジルコニア固体電解質は、安定化剤として、Y23およびYb23、Sc23、Sm23、Nd23、Dy23等の希土類酸化物を酸化物換算で1〜30モル%、好ましくは3〜15モル%含有する部分安定化ZrO2あるいは安定化ZrO2が用いられている。さらに、焼結性を改善する目的で、上記ZrO2に対して、Al23やSiO2を総量で5重量%以下、特に2重量%以下であることが望ましい。
【0027】
固体電解質基体2の表面または大気導入孔3の内壁に被着形成される基準電極4、測定電極5、さらには電極リード5a、電極パッド5bは、いずれも白金、あるいは白金と、ロジウム、パラジウム、ルテニウムおよび金の群から選ばれる1種との合金が用いられる。また、センサ動作時における電極中の金属の粒成長を防止する目的と、応答性に係わる白金粒子と固体電解質と気体との、いわゆる3相界面の接点を増大する目的で、上述のセラミック固体電解質成分を1〜50体積%、特に10〜30体積%の割合で混合してもよい。また、電極形状としては、四角形でも楕円形でもよい。また、電極4、5の厚さは、3〜20μm、特に5〜10μmが好ましい。
【0028】
一方、発熱体パターン6を埋設するセラミック絶縁層7としては、アルミナ、ムライト、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミックスからなる相対密度が80%以上、開気孔率が5%以下の緻密質なセラミックスによって構成されていることが基板強度を高める上で望ましく、特にアルミナセラミックスが望ましい。上記セラミックス中には、焼結性を改善する目的で種々の焼結助剤、例えばアルミナセラミックスの場合、Mg、Ca、Siの群から選ばれる少なくとも1種の酸化物を総和で1〜10質量%含有していてもよい。
【0029】
また、このセラミック絶縁層7中において、Na、K等のアルカリ金属が多量に存在するとマイグレーションしてヒータ部Bにおける一対のヒータ間の電気絶縁性を悪くするため酸化物重量換算で50ppm以下に制御することが望ましい。
【0030】
ヒータ部Bにおけるセラミック絶縁層7内に埋設された発熱体パターン6は、金属として白金単味、あるいは白金とロジウム、パラジウム、ルテニウムの群から選ばれる1種との合金を用いることができる。この場合、発熱部パターン6aと引き出し部6bの抵抗比率は室温において、9:1〜7:3の範囲に制御することが好ましい。
【0031】
また、本発明における酸素センサ素子1は、素子全体の厚さとしては、0.8〜2.0mm、特に1.0〜1.7mm、素子の長さとしては40〜60mm、特に45〜55mmが急速昇温性と素子のエンジン中への取付け具合との関係から好ましい。
【0032】
また、上記酸素センサにおいては、測定電極5の表面には、図1(b)に示すように、保護のためにセラミック多孔質層9を形成することが望ましい。このセラミック多孔質層9は、厚さ10〜800μmで、気孔率が10〜50%のジルコニア、アルミナ、γ−アルミナおよびスピネルの群から選ばれる少なくとも1種によって形成されていることが望ましい。特に、多孔質層9の厚さとしては気孔率にもよるが、100〜500μmが適当である。
(製造方法)
次に、上記図1の酸素センサ素子を製造する方法について、図4の分解斜視図をもとに説明する。
【0033】
まず、固体電解質のグリーンシート20を作製する。このグリーンシート20は、例えば、ジルコニアの酸素イオン導電性を有するセラミック固体電解質粉末に対して、適宜、成形用有機バインダーを添加してドクターブレード法や、押出成形や、静水圧成形(ラバープレス)あるいはプレス形成などの周知の方法により作製する。尚、薄く作製したグリーンシートを所定の厚みになるように複数枚重ねて積層したものを使用することもできる。
【0034】
次に、上記のグリーンシート20の両面に、それぞれ測定電極5および基準電極4となるパターン21やリードパターン22や電極パッドパターン23などを例えば、白金を含有する導電性ペーストを用いてスラリーデッィプ法、あるいはスクリーン印刷、パット印刷、ロール転写で印刷形成する。また、グリーンシート20には適宜、スルーホール(図示せず)等を形成して導電性ペーストを充填し、シート表裏間の電極パッドパターン23間の接続を行う。
【0035】
次に、大気導入孔24を形成したグリーンシート25を作製する。大気導入孔24は、グリーンシート25にパンチング等によって開口するか、またはプレス成形によって大気導入孔24を形成した型を用いてプレス成形することもできる。
【0036】
そして、大気導入孔24の反対側を塞ぐために、前記ジルコニアグリーンシート20と同一の材質からなるジルコニアグリーンシート26を配置する。
【0037】
次に、例えば、アルミナ、ムライト、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種の絶縁性セラミックスからなるセラミック絶縁層27の間に発熱体パターン28を埋設したヒータ部を配置する。
【0038】
ヒータ部Bの形成にあたっては、例えば、ジルコニアグリーンシート29の表面に絶縁性セラミックスのスラリーを所定の厚みで塗布してセラミック絶縁層27aを形成した後、白金などの導体ペーストを用いてセラミック絶縁層27aの表面に発熱体パターン28を印刷塗布し、再度、絶縁性セラミックスのスラリーを所定の厚みで塗布してセラミック絶縁層27bを形成する。
【0039】
また、他の方法としては、絶縁性セラミックスのスラリーを用いてドクターブレード法によって所定厚みに成形した絶縁性グリーンシート27a、27bを形成し、その一方のグリーンシート表面に白金などの導体ペーストを用いて発熱体パターン28を印刷塗布し、積層することもできる。
【0040】
そして、上記の各グリーンシートをアクリル樹脂や有機溶媒などの接着材を介在させるか、あるいはローラやプレスにより1.0〜100MPaの圧力を加えながら機械的に積層、接着して一体化する。
【0041】
また、ジルコニアグリーンシート29、セラミック絶縁層27aには、ヒータパターンを外部に導出するための電極パッド30や、これと接続するための導体ビア31を形成することもできる。
【0042】
この後、この積層体を大気中または不活性ガス雰囲気中、1300℃〜1700℃の温度範囲で1〜10時間焼成する。なお、焼成時には、焼成時の反りを抑制するため、錘として平滑なアルミナ等の基板を積層体の上に置くことにより反りをさらに低減することができる。
【0043】
その後、必要に応じて、焼成後の測定電極21の表面に、プラズマ溶射法等により、アルミナ、ジルコニア、スピネルの群から選ばれる少なくとも1種のセラミック多孔質層を形成することによって、センサ部Aとヒータ部Bが一体化された酸素センサ素子を形成することができる。
【0044】
【実施例】
アルミナとシリカをそれぞれ0.1重量%含む5モル%Y23含有のジルコニア粉末にポリビニルアルコール溶液を添加してスラリーを作製し、押出成形により焼結後の厚さが0.4mmになるようなジルコニアグリーンシート20を作製した。
【0045】
その後、ジルコニアグリーンシート20の両面に、平均粒子径が0.1μmで8モル%のイットリアからなるジルコニアを30体積%結晶内に含有する白金粉末を含有する導電性ペーストをスクリーン印刷して、測定電極と基準電極のパターン21、リードパターン22を印刷形成した後、大気導入孔24を形成したジルコニアグリーンシート25をアクリル樹脂の接着剤により積層しセンサ部A用積層体を得た。
【0046】
次に、アルミナに焼結助剤としてMgO、CaO、SiO2の酸化物を総和で7質量%含有したものに、溶媒としてトルエンを、さらに、成型用有機バインダーとしてアクリル樹脂を加え混合してアルミナ絶縁性ペーストを調製し、ジルコニアグリーンシート29の表面に、厚みが焼成後20μmとなるようスクリーン印刷してセラミック絶縁層27aを形成した。そして、その表面にアルミナを10体積%含有する白金粉末のペーストを用いて発熱体パターン28をスクリーン印刷した。
【0047】
その後、この発熱体28の表面に、上記アルミナ絶縁性ペーストを焼成後20μmになるようにスクリーン印刷してセラミック絶縁層27bを形成し、その上に再度、前記ジルコニアグリーンシート26を積層して、ヒータ部B用積層体を作製した。
【0048】
その後、センサ部A用積層体とヒータ部B用積層体とを積層し、1500℃で1時間焼成して、ヒータを一体化したセンサ素子を作製した。
【0049】
なお、上記センサ素子において、側面から大気導入孔までの最短距離L1、側面からセンサ素子の中心側に埋設された前記発熱体パターンの端部までの距離L2、センサ素子の全幅L3を表1に示すように種々変更したセンサ素子をそれぞれ50サンプルずつ作製した。
【0050】
作製したヒータ一体型酸素センサに対して、次のような耐久試験を行いクラックの発生による断線、セラミック構造体のクラックや剥離について確認を行った。測定電極の中心部が、電圧印加後60秒で室温から1100℃になる直流電圧を設定し、電圧印加と冷却を100回繰り返し発熱パターンの断線とセラミック構造体のクラックや剥離の発生数を確認し、結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0003935059
【0052】
表1からわかるように、L1/L2が0.5よりも小さい場合、発熱部パターンの断線、クラック・剥離が多数発生した。また、L1/L2が1.5を超える場合も同様に、発熱体パターンの断線、クラック、剥離が発生したのに対して、L1/L2が0.5〜1.5の場合、発熱部パターンの断線やクラック・剥離は1/50以下と非常に少なくなり、耐久性が向上したことが確認できた。
【0053】
また、L1/L2が0.8〜1.2、L3が2〜6mm、L1/L3が0.1〜0.35のものは、クラックや剥離の発生はサンプル数50に対しては全く認められなかった。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明によれば、構造体中に形成された空間部の位置に応じて、発熱体のパターンを特定の関係に制御することによって、冷熱サイクルなどの熱応力により歪みが発生せず、クラックが生じないでパターンの断線やクラックや剥離が生じることなく、耐久性に優れたセラミックヒータ構造体を作製することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックヒータ構造体の一例であるヒータ一体型の酸素センサの(a)概略平面図と(b)x−x断面図を示す。
【図2】図1のヒータ一体型の酸素センサにおける発熱体パターンを説明するための概略平面図を示す。
【図3】図1のヒータ一体型の酸素センサにおける他の発熱体パターンを説明するための概略平面図を示す。
【図4】図1のヒータ一体型酸素センサの製造方法を説明するための分解斜視図を示す。
【図5】従来の一般的なセラミックヒータを説明するための分解斜視図を示す。
【図6】従来の一般的なセラミックヒータを備えた酸素センサの概略断面図を示す。
【符号の説明】
1 酸素センサ素子
2 セラミック構造体
3 大気導入孔
4 基準電極
6 発熱体パターン
7 セラミック絶縁層

Claims (3)

  1. 内部に長手方向に沿って空間部が形成された長尺平板状のセラミック構造体と、該セラミック構造体中に埋設された発熱体と、前記セラミック構造体の外表面に形成された測定電極と、前記空間部の内壁面に前記測定電極に対向するように配置された基準電極とを具備する酸素センサ素子において、前記発熱体が、前記外表面と平行に且つ長手方向に形成された、3つの折り返し部を有するミアンダ状の発熱体パターンからなり、前記セラミック構造体の側面から前記空間部までの最短距離をL1、前記セラミック構造体の側面から前記セラミック構造体の中心側に埋設された前記発熱体パターンの端部までの距離をL2としたとき、0.5≦L1/L2≦1.5の関係を満足し、前記測定電極を前記セラミック構造体の厚み方向に投影して前記測定電極と前記発熱体パターンとを重ねてみたときに、前記3つの折り返し部のうち、2つの折り返し部が前記測定電極よりも前記セラミック構造体の長手方向一端側にあり、残りの折り返し部が前記測定電極よりも前記セラミック構造体の長手方向他端側にあることを特徴とする酸素センサ素子
  2. 前記セラミック構造体の全幅L3が、2.0mm≦L3≦6.0mmであることを特徴とする請求項1記載の酸素センサ素子
  3. 前記セラミック構造体の側面から空間部までの最短距離L1と、前記セラミック構造体の全幅L3とが、0.1≦L1/L3≦0.35の関係を満足することを特徴とする請求項1または請求項2記載の酸素センサ素子
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