JP3934936B2 - 成型方法 - Google Patents

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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、熱可塑性樹脂により小片状材料を結合して得られる成型物、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
地球環境に重要な役割を果している森林資源の減少化傾向を防止するために森林から生産される木材の有効利用は勿論、従来ほとんど焼却する以外は利用価値のなかった木材の一部分である枝葉、および樹皮などの活用方法を開発することが重要である。
さらには、最近家屋の解体に伴って発生する木材、石膏ボードなどの建築廃材の処理が大きな社会問題になっている。
これら森林資源、建築廃材などの有効利用の1つに、材料を小片化して結合剤を介してボードなどの成型物にして利用する方法がある。たとえば、ユリアホルムアルデヒド樹脂などの熱硬化性樹脂を結合剤として小片状材料をボードにする方法が広く行われている。
【0003】
この熱硬化性樹脂を使用したボードの製造方法は、たとえば100℃以上のような高温条件下にして硬化することが必要であり、そのための加熱装置および多くのエネルギーが必要であった。さらに、ユリアホルムアルデヒド樹脂などを用いた場合には、結合剤にホルムアルデヒドが含まれているため、作業中に発生するホルムアルデヒドによる作業者の安全問題や、製造されたボード中に残留するホルムアルデヒドに起因する種々の問題が知られており、このような課題を有しない新たなボードが望まれていた。また、熱硬化性樹脂を用いて肉厚の成形品を製造する場合には、内部まで充分に硬化させるには長い時間がかかり、エネルギーコストがさらに増大すると共に、品質のバラツキも生じやすいという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決する、新規な成型物およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂により小片状材料を結合した加圧成型物であって、小片状材料の加圧成型温度T(℃)と熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)が、Tg+80≧T≧Tg+5であることを特徴とする成型物に関する。
また、本発明は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重合体からなる群より選ばれる水溶性ポリマーの少なくとも一種をさらに含有する、上記成型物に関する。
さらに本発明は、
1)熱可塑性樹脂のエマルジョンまたはラテックスと小片状材料を混合する工程、
2)得られた混合物を乾燥する工程、および
3)Tg+80≧T≧Tg+5の条件で加圧成型する工程を有する、本発明にかかる成型物の製造方法に関する。
本発明はさらに、上記の本発明の製造方法において、工程2)の後であって、工程3)の前に、混合物を水で湿らせる工程をさらに含む方法に関する。
【0006】
本発明で使用される熱可塑性樹脂は、熱可塑性を有するものであればよく、天然樹脂および合成樹脂のいずれであってもよい。また、熱可塑性を有していれば、若干の架橋を有するものであっても良い。
【0007】
本発明では、小片材料の加圧成形温度T(℃)と熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)が、Tg+80≧T≧Tg+5であることが必要であり、好ましくはTg+40≧T≧Tg+10である。
小片材料の加圧成形温度Tが熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgに対してT<Tg+5の場合には、加圧成型時に小片材料間を結合する熱可塑性樹脂の融着性が不足し、十分な接着強度が得られず、その結果成型物が得られないかあるいは成型物が得られたとしても力学強度に乏しい成型物しか得られないという問題がある。一方、T>Tg+80の場合には、過大なエネルギーコストがかかる上、加圧成型時の形体保持性の欠如、ブレス装置への成形体の付着等が問題になる。
【0008】
本発明に使用することのできる熱可塑性樹脂としては、熱可塑性を有する樹脂であれば特に制限はないが、たとえば酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルを含むエチレン性不飽和モノマーの共重合体であるアクリル樹脂、スチレンブタジエン共重合体などが好適に使用できる。さらに好ましく本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、酢酸ビニル樹脂、およびエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの樹脂である。好ましくは熱可塑性樹脂はエマルジョン重合により製造される。
【0009】
エマルジョン重合の方法については特に制限はなく、通常の方法で差し支えない。例えば、酢酸ビニル等の単量体を水中で各種乳化剤、保護コロイドの存在下、過硫酸塩等の開始剤を添加することにより得られるが、その際の、単量体の添加方法(一括添加、逐次添加、分割添加等)、乳化剤の種類(アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤等)や保護コロイドの種類(ポリビニルアルコール系高分子、セルロース系高分子等)、開始剤の種類(過硫酸塩等、過酸化水素等のパーオキサイド類、それらとのレドックス反応の用いる重亜硫酸ナトリウム等の還元剤等)やその添加方法(一括添加、逐次添加、分割添加等)、その他攪拌条件、重合温度等の製造条件については公知であり、必要に応じ適宜決定できる。
【0010】
本発明で用いられる熱可塑性樹脂は、エマルジョンの形態で提供されることが、安全性、環境などの観点から好ましい。熱可塑性樹脂のエマルジョンとしては、固形分20−70%のものが好ましく使用される。また、複数の熱可塑性樹脂を混合使用することもできる。
熱可塑性樹脂のエマルジョンの粘度は特に制限はなく、その固形分濃度により変わるが、作業性等の観点で200000mPa・s(23℃、ブルックフィールド粘度計(BH型)、2rpmで測定)以下が好ましい。
本発明で用いられる熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tgは、特に制限はないが、一般的には−40〜60℃の範囲から選択される。Tgは好ましくは−20℃から60℃、より好ましくは0℃から60℃の範囲である。
【0011】
熱可塑性樹脂は好ましくは酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される。
ポリ酢酸ビニルとしては、例えば、酢酸ビニルモノマーを保護コロイドの存在下で乳化重合して得られるものが好適に使用できる。
ポリ酢酸ビニル系エマルジョンは、粘度が1000〜200000mPa・sであることが好ましい。又、pHは3〜8であることが好ましい。ポリ酢酸ビニルは一般に数十万から数百万の分子量を有するが、いずれのものも使用することができる。好ましくは分子量は10万以上、より好ましくは50万以上である。
【0012】
エチレン−酢酸ビニルコポリマーとしては、例えば、エチレンと酢酸ビニルモノマーを保護コロイドの存在下で乳化共重合して得られるものが好適に使用できる。エチレン−酢酸ビニルコポリマー中のエチレン含有量は好ましくは5−40%であり、より好ましくは10−25%である。粘度は好ましくは200〜20000mPa・sであり、より好ましくは500〜7000mPa・sである。またpHは4−7であることが好ましい。
また、たとえばエチレン−酢酸ビニルコポリマーをシードとして使用して酢酸ビニルをその上に乳化重合させたような共重合体も、本発明におけるエチレン−酢酸ビニルコポリマーに包含され、好適に使用することができる。
【0013】
ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アクリル樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体は種々のグレードのものが多くの製造者から市販されており、望ましい特性に応じて適宜選択して使用することができる。
【0014】
また、本発明の成型物は、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重合体からなる群より選ばれる水溶性ポリマーの少なくとも一種を含有することもできる。なかでも、ポリビニルアルコール系高分子が好ましく用いられる。ポリビニルアルコール系高分子としては各種の重合度、鹸化度のものが使用できる。一般的には重合度200〜4000、鹸化度50〜100モル%のものが使用される。また、α−オレフィン系単量体由来の疎水基、カルボキシル基、スルホン酸基、カチオン基、アセトアセチル基、シラノール基等で変性したポリビニルアルコールも使用可能である。
上記水溶性ポリマーを含有させる方法としては、熱可塑性樹脂のエマルジョンと水溶性ポリマーを混合したものを小片状材料と混合して乾燥後加圧成型する方法の他、ポリビニルアルコール系高分子等の水溶性ポリマーを保護コロイドとして各種単量体を乳化重合することにより得られる熱可塑性エマルジョンを用いる方法が考えられる。後者の場合、乳化重合時に水溶性ポリマーと熱可塑性樹脂が一部グラフト体を形成するため成型物中に確実に水溶性ポリマーが含有される。
【0015】
本発明で用いられる小片状材料の材質、粒系および形状は、その材料および製造する成型物の種類、要求性能などにより変化するので、公知の技術に基づき当業者が適宜選択することができる。小片状材料としては、木材小片、木材繊維、樹皮等の木材に由来する木質材料が好適に使用される。合板等の木材の廃材、新聞紙および雑誌等の古紙、紙巻、段ボール、木炭、もみがら、コルク栓の製造工程で出る削りくず(コルク粒)等の材料も使用することができる。
これらの材料は必要に応じ、破断粉砕して適当な大きさにして使用することができる。好適な小片状材料は木質材料である。
木質材料を使用する場合に、その木の種類は問わないが、松、杉、ひのき等の針葉樹、ラワン、カポール、ポプラ、ヤナギ等の広葉樹由来のものが好適に使用される。
【0016】
小片状材料として木材チップを使用する場合には、一般に0.1から5.0mm厚、1から100mmのサイズのものが使用される。小片状材料として樹皮を使用する場合には、一般には15mmメッシュパスのものが好適に使用される。用途に応じて複数種類の小片状材料を混合使用することができる。
成型物の吸湿変形を防止するために、パラフインワックス等の撥水剤を添加することもできる。また必要に応じて、充填材、溶剤、顔料、染料、防腐剤、防虫剤、消泡剤等を添加することができる。
【0017】
本発明は、1)熱可塑性樹脂のエマルジョンまたはラテックスと小片状材料を混合する工程、2)得られた混合物を乾燥する工程、および3)Tg+80≧T≧Tg+5の条件で加圧成型する工程を有する、本発明の成型物を製造する方法も提供する。
本発明の方法においては、熱可塑性樹脂(水溶性ポリマーを含む場合もある)と小片状材料を混合した後、得られた混合物が乾燥され、その後Tg+80≧T≧Tg+5の条件で加圧成型される。従来方法では熱硬化性樹脂と小片状材料を混合した後、加熱圧縮により成型されており、この点において本発明方法は従来方法と全く相違する、新規な成型物の製造方法を提供するものである。
【0018】
小片状材料は必要に応じ水洗し、乾燥した後使用することができる。熱可塑性樹脂と小片状材料との混合は、公知の任意の方法により行うことができ、例えばスプレー塗布または含浸等の方法により行うことができる。混合方法、混合装置、混合時間などは小片状材料の種類および大きさ、ならびに熱可塑性樹脂の種類および混合比率に応じて、適宜選択することができる。小片状材料の表面全体に熱可塑性樹脂が存在するように、充分に混合することが望ましい。
小片状材料に対するエマルジョンの塗布量は、材料の種類によって異なるが、例えば木材チップ(含水率5−15%)100重量部に対して、エマルジョンの固形分として5−50重量部、好ましくは10−30重量部である。樹脂量が少ないと結合力が不十分となり、樹脂量が多すぎてもそれに対応する結合力の向上を得ることができない。
【0019】
得られた混合物の乾燥は公知の方法により行うことができ、たとえば室温における風乾、熱風乾燥、オーブン中における加熱乾燥など、任意の方法が使用できる。乾燥は、エマルジョン中の水分がほぼ蒸発し、半透明ないし透明の樹脂の乾燥皮膜を形成するまで行うことが好ましい。適当な乾燥程度は使用するポリマー混合物の種類、分子量、使用する小片状材料の種類および大きさ、ならびにポリマー混合物と小片状材料との混合比率などによっても変化する。
【0020】
本発明の製造方法において、加圧成型前に小片材料に熱可塑性樹脂のエマルジョンを塗布し上記の通り乾燥することも、従来のエマルジョンを用いた小片材料からなる成型物の製造方法とは大きく異なる。従来は、単に水を含むエマルジョンと小片材料をウエット状態で混合し型枠等に流し込んだ後、適当に加圧し乾燥することにより成型物を得る方法が公知の方法として一般的であったが、この方法では、乾燥工程が律速となり生産性の向上は望めない上、成型物の寸法安定性等にも大きな問題があった。
【0021】
加圧時間は材料の種類によって異なるが、典型的には1分から30分程度の短時間で充分である。また、加圧圧力は成型物に求められる要求性能により異なるが、典型的には1kgf/cmから30kgf/cmの圧締力で充分である。
成形は小片状材料の加圧成型温度T(℃)と熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)が、Tg+80≧T≧Tg+5となる温度、好ましくはTg+40≧T≧Tg+10となる温度で行われる。一般的には、成形は0から120℃の温度範囲で行うことができ、好ましくは常温、すなわち0−75℃の範囲で行うことができ、より好ましくは10−75℃、さらに好ましくは20−75℃、最も好ましくは20−70℃の範囲で行うことができる。通常は、常温において加熱することなく成形が行われるが、樹脂のTgが高い場合、混合物の水分量が低い場合、及び冬季における成形のように周囲温度の低い条件下の場合などにおいては、必要に応じ若干の加熱をすることが、成形時間を短くするために好ましい場合がある。また、加熱乾燥を行う際には、乾燥工程後、冷却することなくそのままの温度で加圧成形することが生産効率上好ましい。
【0022】
本発明の好ましい態様においては、Tが0から120℃の範囲であり、Tgが−40℃から60℃の範囲であり、Tg+80≧T≧Tg+5の範囲で成形が行われ、最も好ましい態様においては、Tが20から70℃の範囲であり、Tgが0℃から60℃の範囲であり、Tg+40≧T≧Tg+10の範囲で成形が行われる。
【0023】
本発明方法の好ましい態様においては、乾燥後、加圧成形前に混合物を水で湿らせる工程をさらに含む。かかる工程を有することにより、乾燥時の水分量が好ましい範囲内よりも少なくなった場合にも、水分量を調節して好ましい水分量の範囲とし、混合物の粘着性を得ることができる。さらに、乾燥させた混合物を長期間保存しておき、成形前に水分を補充することにより所望の時期に成形することが可能になる。これにより、たとえば小片状材料とポリマー混合物との混合乾燥のみをある期間に行い、その後必要に応じ、所望の時期に成形加工を行うことが可能となる。
【0024】
成型物の耐水性を向上させるために、ポリマー混合物に架橋剤を加えることができる。架橋剤としては、任意のものが使用できるが、イソシアネート化合物が好ましい。イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有する化合物が使用でき、たとえばトリレンジイソシアネート(TDI)、メチレンビス(4,1−フェニレン)ジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、およびこれらのアダクト等が挙げられる。
架橋剤は、ポリマー混合物1重量部に対して0.5重量部を上限とする範囲で混合することが好ましい。架橋剤の量がこの以上であると、結合力が低下してしまうので好ましくない。
【0025】
本発明にかかる成型物は、特定のポリマー混合物を使用し、常温における加圧成形により得ることができるので、加熱に要するエネルギーコストを低減することができるとともに、成型品のそりなどの変形が少ないという特徴を有する。さらにプレスの加熱装置が必要ではないので、設備投資も少なくすることができる。また、加熱の必要がないので成型品の形状における自由度が増大し、特に厚い成型品の製造が容易となる。
本発明ではホルムアルデヒドを含有しないポリマー混合物を使用するので、ホルムアルデヒドに起因する製造工程における主として健康上の危険がなく、得られた製品での残留ホルムアルデヒドに起因する問題も生じない。
本発明により得られた成型物は、種々の用途に使用することができるが、代表的には屋根下地材、床材、壁材等の建築資材、家具等の木工品の材料、ならびに植林地等における雑草の成長を防止するために施設するボードおよび植物の保水性ボード等の植生材料、梱包資材として使用される緩衝材(発泡スチロ-ル等の代替)として使用することができる。特に建築資材として使用した際には断熱性、防音性にすぐれるという特徴がある。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0026】
実施例1
木材チップ(杉材、含水率約15%)100重量部を容器に採り、酢酸ビニル樹脂エマルション(コニシ株式会社製、ボンドCX55)を40重量部添加して充分撹拌混合してから、チップをばらばらにして30℃に1日放置して乾燥させた後、前記温度で霧吹き器で水分をチップ表面に湿る程度に散布し、直ちにボード型枠(300×600×高さ25mm以上)に充填し、10kgf/cmで加圧して5分間保持した後、解圧して型枠から取り出し、20℃に7日間放置した。300×600×厚さ25mmの得られたボードの表面をサンダーで平滑にして本箱の棚板として使用したところ、そり、ねじれなどの狂いも見られず充分実用に供することができた。
比較例1として30℃に1日放置して乾燥させる工程と、前記温度で霧吹き器で水分をチップ表面に湿る程度に散布する工程を省略した以外は実施例と同じ操作を行った。得られたボードは型枠から取り出す際にばらばらとなり、比較例の方法では成型物が得られないことが確認された。
【0027】
実施例2
木材チップ(ひのき材、含水率約15%)100重量部を容器に採り、実施例1の酢酸ビニル樹脂エマルション50重量部を添加して充分撹拌混合してから、チップをばらばらにして40℃に1日放置して乾燥させた後、ボード型枠(500×600×高さ80mm以上)に充填し、5kgf/cmで加圧して5分間保持した後、解圧して型枠から取り出し、20℃に7日間放置した。300×600で厚さが40mmと80mmの2種類の成型物を得た。埼玉県北本市の有限会社グランテックの敷地内の土地に、以前からあった雑草を除去して7月から10月まで施設したところほとんど雑草の発生は見られなかった。
比較例2として40℃に1日放置して乾燥させる工程を省略した以外は実施例と同じ操作を行った。得られたボードは型枠から取り出す際にばらばらとなり、比較例の方法では成型物が得られないことが確認された。
【0028】
実施例3
くずコルク(粒径3−15mm)100重量部を容器に採り、実施例1の酢酸ビニル樹脂エマルションを80重量部添加して充分撹拌混合してから、チップをばらばらにして40℃に1日放置して乾燥させた後、ボード型枠(500×600×高さ100mm以上)に充填し、7kgf/cmで加圧して10分間保持した後、解圧して型枠から取り出し、20℃に7日間放置した。得られた成型物から厚さ20mmのボードを作成した。このボードを木製床(ラワン合板)面に、酢酸ビニル樹脂エマルション(固形分40%)で接着し、コルク床を得た。得られたコルク床はコルク特有の弾性を維持し、極めて歩行感に優れた床材として使用できた。
比較例3として40℃に1日放置して乾燥させる工程を省略した以外は実施例と同じ操作を行った。得られたボードは型枠から取り出す際にばらばらとなり、比較例の方法では成型物が得られないことが確認された。
【0029】
実施例4
15mmメッシュ通過のバーク(杉樹皮)を含水率約15%に調湿し、バーク100重量部に対し、実施例1の酢酸ビニル樹脂エマルションを、固形分として10,20,または30重量部をハンドスプレーで塗布した。
接着剤を塗布したバークを40℃で72時間以上放置乾燥した後、210mm×100mm×高さ60mmの木型へ105g投入し、圧締圧10,20,または30kgf/cm、圧締時間10分で成形した。
成形したボードは40℃にて10日間以上放置した後、丸鋸盤で幅20mmに切断し、曲げ試験用の試験片を作成した。JIS Z2101に準じた3点曲げ試験を行った(N=3)。結果を図1および表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 0003934936
【0031】
試験結果から、接着剤の量および圧締圧を調節することにより、充分な強度を有する成型物が得られることがわかる。
【0032】
実施例5
酢酸ビニル樹脂エマルションをエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション(株式会社クラレ製、パンフレックス OM4000)に置き換えた以外は実施例1と同様の実験を行ったところ、実施例1同じ結果が得られた。
【0033】
実施例6−10、比較例4−5
木材チップ(杉材含水率約15%)200gを容器にとり各種熱可塑性樹脂のエマルジョン(水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコールを含有するものもある:実施例6−9、比較例4、5)を80g(固形分濃度50%で使用)添加して充分撹拌混合してからばらばらにして60℃で3時間乾燥させて木材チップ混合物を得た。この方法で作成した混合物を各種温度で型枠(200mm×200mm×厚さ150mm)へ投入し加圧(15kg/cm)して10分間放置後解圧して型枠から取り出し2日間放置して成型物を得た。この成型物をJIS Z2101に準じた3点曲げ試験を行った(N=3)結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
Figure 0003934936
* 実施例6使用のアクリル酸エステル系合成樹脂エマルジョンは、株式会社クラレ製PVA(M−205)を固形分比6%使用して試作したメタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル共重合エマルジョンを使用。
* 実施例6−10、比較例4および5は熱可塑性樹脂エマルジョンを80g(固形分50%で)使用。したがって、熱可塑性樹脂を物品の16.7%使用となる。
【0035】
【発明の効果】
実施例の結果から明らかなように、本発明の成型物は十分な強度を有するものであり、本発明の成型方法により成型物を低エネルギーコストで効率よく生産する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は実施例4の結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 1)ガラス転移温度Tgが0℃から60℃の範囲である、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性樹脂のエマルジョンまたはラテックスを、小片状材料と混合する工程、
    2)得られた混合物を乾燥する工程、および
    3)混合物の加圧成型温度Tが10から75℃の範囲であり、Tg+75≧T≧Tg+5の条件で加圧成型する工程を有する、成型物を製造する方法。
  2. 工程2)の後であって、工程3)の前に、混合物を水で湿らせる工程をさらに含む、請求項1項記載の方法。
  3. 小片状材料が木質材料である、請求項1または2記載の方法。
  4. 熱可塑性樹脂が、成型物の総重量の5〜50重量%で存在する、請求項1から3のいずれか1項記載の方法。
  5. 混合物の加圧成型温度T(℃)と熱可塑性樹脂のガラス転移温度Tg(℃)が、Tg+40≧T≧Tg+10である、請求項1から4のいずれか1項記載の方法。
  6. 酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、アクリル樹脂およびスチレン−ブタジエン共重合体からなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性樹脂のエマルジョンまたはラテックスを、小片状材料と混合する工程において、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビニル共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸(塩)共重合体からなる群より選ばれる水溶性ポリマーの少なくとも一種をさらに含有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の方法。
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