JP3934819B2 - シルキー光沢顔料及び該顔料を含有する塗料組成物、化粧料、インキ並びにプラスチック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、特定の合成フッ素金雲母を基質としてシルキー感を発現させたシルキー光沢顔料及び該顔料を含有する塗料組成物、化粧料、インキ並びにプラスチックに関する。
【0002】
【従来の技術】
合成マイカ若しくは天然雲母を基質とするパ−ル光沢顔料は、パ−ル様の意匠感を発現する顔料として多くの分野で使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、従来のパ−ル光沢顔料を配合した塗料は、光輝感が強く且つ粒子感(キラキラとした光沢感)があったが、天然の真珠のようにシルクのような深みのある落ち着いた全体的に輝くような緻密な輝き(シルキー感)を発現することはできなかった。
【0004】
このようなシルキー感は、高級感を表現するので、高級品用の塗料として強く求められている。
【0005】
この発明は、このような点に着目してなされたものであり、天然の真珠のようにシルクのような緻密な輝き(シルキー感)を発現するシルキー光沢顔料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明者等は鋭意研究の結果、レ−ザ−回折式粒度分布測定における、平均粒子径が3〜10ミクロンでその標準偏差が1.70以下であり、粒子の厚みが0.2ミクロン未満の合成フッ素金雲母粒子上に金属酸化物を被覆することによってシルキー感が発現することを見出し、本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、レ−ザ−回折式粒度分布測定における、平均粒子径が3〜10ミクロンでその標準偏差が1.70以下であり、粒子の厚みが0.2ミクロン未満の合成フッ素金雲母粒子上に金属酸化物を被覆してシルキー感を発現したことを特徴とする。
【0008】
本発明のシルキー感(シルクのような輝き)を発現するシルキー光沢顔料とは、塗料化して作成した塗板の塗膜を目視評価して、天然の真珠のように(シルクのような深みのある)落ち着いた輝きを発する顔料の意味である。
【0009】
具体的には、キラキラした光沢感(粒子感)はないが、シルクのような光沢があって全体的に輝く(緻密感)顔料の意味である。
【0010】
要するに本発明は、粒子径の標準偏差を1.70以下と従来に無く小さくし、且つ粒子径を小さく、厚みを薄くした合成フッ素金雲母粒子に金属酸化物を被覆することによって、従来得ることが不可能であったシルクのような輝きを発する顔料を得たことを要旨とするものである。
【0011】
【発明の実施の態様】
次に、本発明の実施の態様を説明する。
【0012】
本発明の原料合成フッ素金雲母は、溶融合成法によって得ることができる。即ち、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化マグネシウム、ケイフッ化物及びフッ化物を混合して、約1500℃に加熱溶融後、冷却し結晶化させることにより得られる。
【0013】
本発明の合成フッ素金雲母粉は、レ−ザ−回折式粒度分布測定における平均粒子径、標準偏差及び粒子の厚みを特定の範囲とする必要がある。尚、粒度分布測定(標準偏差の測定)は、通常と同じ粒度を対数尺とする片対数分布により行った。
【0014】
本発明に使用する原料は、合成雲母中の合成フッ素金雲母粉である必要がある。天然白雲母や合成フッ素四ケイ素雲母を使用したのでは、比較例から明らかなように、シルクのような光沢を発する光沢顔料は得られない。
【0015】
本発明の合成フッ素金雲母粉は、平均粒子径が3〜10ミクロンでその標準偏差が1.70以下である必要がある。尚、従来、標準偏差を1.70以下と極めて小さくした雲母粉を使用して、パール光沢顔料とすることは全く行われていない。
【0016】
平均粒子径が3ミクロン未満だと、白っぽくなり、シルクのような光沢(シルキー感)がでないし、10ミクロンを越えると、粒子感がでてシルキー感がでない。標準偏差値が1.70より大きいと、全体的な輝きにならず、緻密感がでないので、シルキー感がでない。
【0017】
雲母粒子の厚みが0.2ミクロンを越えると、シルクのような光沢がでない。
【0018】
このような特定の範囲の微粒子は、剥離し易い合成マイカ結晶塊を微粉化することによって得られる。
【0019】
剥離し易い合成マイカ結晶塊を得るには、合成マイカを溶融合成する際、合成マイカ融液に、少なくとも1%以上の合成マイカ微粉末を加えて、凝固・結晶化させると良い。
【0020】
このような合成マイカ結晶塊を、通常の破砕機で細片化し、ハンマ−ミル、ロ−ルミル及びボ−ルミル等を用いて更に微粉化して、所望の粒度に分級し、上記標準偏差で且つ上記大きさの本発明の原料雲母粒子とする。
【0021】
標準偏差を1.70以下にするためには、メジアン径に対し、小さい粒子、大きい粒子の両方をカットする必要がある。カットの方法は、湿式分級が好ましい。
【0022】
湿式分級方法としては、自然沈降分級、ハイドロセパレータ、スパイラル分級、ドラム分級、ジエットサイザー、クラッシファイングサイザー、液体サイクロン分級、篩分級、弧状スクリーン等で可能であり、これらを組み合わせると更に好ましい。
【0023】
合成フッ素金雲母粉体に、金属酸化物を被覆するには、チタン塩の加水分解法、スパッタリング法などの公知の方法で行えば良い。
【0024】
例えば、酸化チタンを被覆する方法は、希薄なチタン酸水溶液中に合成マイカ粉体を懸濁させ、70〜100℃に加温し、チタン塩を加水分解して合成マイカ粉体上に水和酸化チタン粒子を析出させ、その後700〜1000℃の高温で焼成して製造することができる。
【0025】
使用する金属酸化物としては、例えば、チタン、ジルコニウム、鉄、クロム又はバナジウムの酸化物等が挙げられる。
【0026】
金属酸化物好ましくは二酸化チタンは、塩化スズのようなルチル化剤でルチル化するのが好ましい。
【0027】
本発明のシルキー光沢顔料は、従来のパール光沢顔料と同様にして、各種塗料に混合して塗料組成物としたり、各種プラスチックに練り込んで独特のシルキー感を発現したプラスチックとしたり、化粧品等の着色剤としたり、インキの着色剤とすることができる。
【0028】
次に、実施例、比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。例中、レーザー回折式粒度分布は、堀場製作所製のレーザー回折装置(LA―500)を使用して測定した。この時の粒度分布は、通常と同じく、粒度を対数とする片対数正規分布である。平均粒子径はメジアン径であり、標準偏差は、対数正規分布の標準偏差の値である。尚、実施例中、数量を表す「部」は、「重量部」を表す。
【0029】
実施例1
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.2ミクロン、その標準偏差が1.64で、粒子の厚みが0.15ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0030】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)250ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0031】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して、本発明のシルキー光沢顔料を得た。
【0032】
本発明のシルキー光沢顔料を、熱硬化性アクリルメラミン樹脂(大日本インキ製、アクリディツク47−712とスーパーベッカミンG821−60の重量比7:3の混合物)に約10重量%混合し、黒エナメル(日本ペイント社製、スーパーラックF−47)を下塗した鋼板にスプレーし、ウエットオンウエットで熱硬化性アクリルメラミン樹脂(大日本インキ製、アクリディツク44−179とスーパーベッカミンL117−60の重量比7:3の混合物)トップクリヤーをスプレーして、140℃で18分間焼付けた。
【0033】
得られた塗膜は、シルバー色で緻密感を有するシルキー感のあるものであった。
【0034】
実施例2
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.0ミクロン、その標準偏差が1.58で、粒子の厚みが0.15ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0035】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)400ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0036】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して、本発明のシルキー光沢顔料を得た。
【0037】
このシルキー光沢顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0038】
塗膜は、ゴールド色で緻密感を有するシルキー感のあるものであった。
【0039】
実施例3
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.0ミクロン、その標準偏差が1.58で、粒子の厚みが0.15ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0040】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)560ミリリットルと塩化第一スズ0.8gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0041】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して、本発明のシルキー光沢顔料を得た。
【0042】
このシルキー光沢顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0043】
塗膜は、ブルー色で緻密感を有するシルキー感のあるものであった。
【0044】
実施例4
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が4.3ミクロン、その標準偏差が1.59で、粒子の厚みが0.15ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0045】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)380ミリリットルと塩化第一スズ0.6gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0046】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して、本発明のシルキー光沢顔料を得た。
【0047】
このシルキー光沢顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0048】
塗膜は、シルバー色で緻密感を有するシルキー感のあるものであった。
【0049】
実施例5
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.0ミクロン、その標準偏差が1.50で、粒子の厚みが0.10ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0050】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)300ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0051】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して、本発明のシルキー光沢顔料を得た。
【0052】
このシルキー光沢顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0053】
塗膜は、シルバー色で緻密感を有するシルキー感のあるものであった。
【0054】
比較例1
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.5ミクロン、その標準偏差が1.74で、粒子の厚みが0.15ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0055】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)250ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0056】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して顔料を得た。
【0057】
この顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0058】
塗膜は、シルバー色で緻密感に乏しくシルキー感のないものであった。
【0059】
比較例2
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.5ミクロン、その標準偏差が1.79で、粒子の厚みが0.15ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0060】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)400ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0061】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して顔料を得た。
【0062】
この顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0063】
塗膜は、ゴールド色で緻密感に乏しく、シルキー感のないものであった。
【0064】
比較例3
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.5ミクロン、その標準偏差が1.58で、粒子の厚みが0.20ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0065】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)250ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0066】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して顔料を得た。
【0067】
この顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0068】
塗膜は、シルバー色で光沢が弱くシルクのような光沢の無いものであった。
【0069】
比較例4
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が12ミクロン、その標準偏差が1.58で、粒子の厚みが0.10ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0070】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)200ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0071】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して顔料を得た。
【0072】
この顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0073】
塗膜は、シルバー色で、粒子感があり、シルキー感のないものであった。
【0074】
比較例5
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が2.0ミクロン、その標準偏差が1.58で、粒子の厚みが0.10ミクロンである合成フッ素金雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0075】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)550ミリリットルと塩化第一スズ0.8gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0076】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して、本発明のシルキー光沢顔料を得た。
【0077】
このシルキー光沢顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0078】
塗膜は、シルバー色で白っぽくシルクのような光沢の無いものであった。
【0079】
比較例6
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が7.5ミクロン、その標準偏差が1.58で、粒子の厚みが0.15ミクロンである合成フッ素四ケイ素雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0080】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)250ミリリットルと塩化第一スズ0.5gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0081】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して顔料を得た。
【0082】
この顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0083】
塗膜は、シルバー色でシルクのような光沢の無いものであった。
【0084】
比較例7
レーザー回折式粒度分布における、平均粒子径が4.6ミクロン、その標準偏差が1.56で、粒子の厚みが0.15ミクロンである天然白雲母粒子30gと水400ミリリットルとを、1リットルのガラス製容器中に入れて攪拌した。
【0085】
ついで、この中に硫酸チタニル溶液(TiO2=80g/リットル)380ミリリットルと塩化第一スズ0.6gを添加して、急速に100℃迄加熱し、反応を1時間継続した。
【0086】
反応終了後、濾過、水洗し、110℃で乾燥した。得られた粉体を、800℃で1時間焼成して顔料を得た。
【0087】
この顔料を使用して、実施例1と同様の方法で塗板を作成し、塗膜を目視評価した。
【0088】
塗膜は、シルバー色で黄味がありシルクのような光沢の無いものであった。
【0089】
上記実施例1〜5及び比較例1〜7で使用した雲母粒子、平均粒子径、標準偏差、平均厚み及び得られた顔料の評価結果を表にすると、次表1に示す通りである。
【0090】
【表1】
表中、○はシルキー感を有する意味である。
【0091】
上記表1の結果から明らかなように、標準偏差を従来に無く小さい一定値以下とし、平均粒子径及び平均厚みを従来より小さくした合成フッ素金雲母粉を使用することによって、従来のパール光沢顔料では表現不可能であったシルクのような輝きを発現するシルキー光沢顔料が得られる。
【0092】
実施例6:プラスチック
実施例1で得た本発明のシルキー光沢顔料4部を、塩化ビニール樹脂約100部、ジオクチルフタレート40部及びステアリン酸亜鉛3部と混合して、165℃に加熱した混練二本ロールで3分間処理し、厚さ0.5mmのシートに成型した。
【0093】
このようにして、半透明の反射光がシルバー色でシルキー感のある美麗な塩化ビニルシートを得た。
【0094】
実施例7:化粧料(口紅)
次の組成から常法によって口紅を製造した。
【0095】
実施例1で得た顔料 15部
赤色226号 1部
香料 0.5部
口紅基材 83.5部
但し、上記口紅基材としては、下記のものを配合して使用した。
【0096】
蜜ろう 15部
セチルアルコール 3部
ラノリン 15部
ひまし油 62部
流動パラフイン 5部
このようにして製造した口紅は、隠蔽性が高い金色の鮮やかなシルキー感のある光沢を示した。
【0097】
実施例8:化粧料(固形アイシャドウ)
実施例1で得た顔料 30部
合成マイカ 20部
タルク 35部
酸化チタン 5部
流動パラフイン 6部
メチルポリシロキサン 2部
ソルビタンセスキオレート」 2部
上記処方物の粉体を、ブレンダーで混合した後、結合剤を均一に溶解させた液体を添加、混合後、粉砕機で粉砕し圧縮成型して製品とした。この製品は、シルキー感があり、仕上がりの優れたものであった。
【0098】
実施例9:インキ
グラビアインキメジウム100部に対し、実施例1で得た顔料15部を加え、十分混合してグラビアパールインキを調合した。
【0099】
このインキを用いて印刷した印刷紙は、シルキー感があり高級感に満ちたシルバー色を示した。
【0100】
【発明の効果】
以上のべた如く、本発明によれば、従来のパール光沢顔料では全く得られなかったシルキー感を発現した顔料が得られるので、従来にない高級感を表現できるから、高級品用の顔料として極めて有用である。
Claims (6)
- レ−ザ−回折式粒度分布測定における、平均粒子径が3〜10ミクロンでその標準偏差が1.70以下であり、粒子の厚みが0.2ミクロン未満の合成フッ素金雲母粒子上に金属酸化物を被覆してシルキー感を発現したことを特徴とするシルキー光沢顔料。
- 前記金属酸化物が、二酸化チタンであり、該二酸化チタンをルチル化してなる請求項1に記載の顔料。
- 前記請求項1又は2に記載のシルキー光沢顔料を配合したことを特徴とする塗料組成物。
- 前記請求項1又は2に記載のシルキー光沢顔料を配合したことを特徴とする化粧料。
- 前記請求項1又は2に記載のシルキー光沢顔料を配合したことを特徴とするインキ。
- 前記請求項1又は2に記載のシルキー光沢顔料を配合したことを特徴とするプラスチック。
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