JP3932763B2 - 凝集処理装置の運転方法及び凝集処理装置 - Google Patents

凝集処理装置の運転方法及び凝集処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は凝集処理装置の運転方法及び凝集処理装置に係り、特に、原水に凝集剤を加えて凝集槽で凝集反応を行った後膜分離装置で固液分離するに当り、膜の透過流束(フラックス)の安定化と凝集剤添加量の低減を図る凝集処理装置の運転方法及び凝集処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、河川水や地下水、湖水、工業用水、或いは各種排水の除濁処理技術として、図2に示す如く、これらの原水にPAC(ポリ塩化アルミニウム)、硫酸バンド(Al(SO)、塩化第二鉄(FeCl)等の凝集剤及び必要に応じてpH調整剤を添加してラインミキサー41で混合した後、凝集槽42で凝集反応を行って凝集フロックを生成させ、この凝集フロックを含む凝集処理液をポンプPで膜分離装置43に送給して固液分離する凝集濾過方法が知られている。この場合、固液分離手段としての膜分離装置43では、膜面に付着したSSを剥離させる目的で定期的に膜透過水(処理水)又は逆洗用の加圧空気(図2においては加圧空気)を膜分離装置43の透過水側から逆流させる逆洗が行われる。
【0003】
なお、この逆洗工程においては、ポンプPは停止せず作動させた状態で加圧した膜透過水又は空気を逆流させ、逆洗排水は系外へ排出する。この間、ポンプPを通過した凝集処理液は凝集槽42に返送する。
【0004】
しかし、このように逆洗を行いながら、膜分離処理を行っても、運転を継続することにより、膜の目詰りでフラックスが徐々に低下してくるため、この場合には膜分離装置の運転を停止して薬品による洗浄が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図2に示すような従来の凝集処理装置では、膜の目詰りによるフラックスの低下が著しく、フラックスの回復のための薬品洗浄頻度が高いために、薬品洗浄コストの高騰、装置稼動効率の低下などの問題があった。
【0006】
従来の凝集処理装置において、この膜の目詰りは、次のことが原因であると考えられる。
【0007】
即ち、従来の凝集処理装置では、逆洗工程において、ポンプPを通過した凝集処理液は、凝集槽42に返送される。このとき、凝集槽42で生成した凝集フロックはポンプPを通過することにより破壊され、フロック径が小さくなる。このため、逆洗を繰り返すことにより、凝集槽42内の破壊されたフロックが多くなり、これらのフロックは更にポンプPを通過することで微細化してゆく。そして、膜分離装置43の膜の細孔径とほぼ同程度に微細化した粒子は、食い込むようにして膜の細孔を閉塞させ、逆洗では剥離し難い目詰りとなる。この目詰りが進行し、フラックスが低下してくる。
【0008】
このような微細粒子による目詰りを軽減するために、逆洗工程においてポンプPを通過した水を凝集槽42に返送しないようにしたり、凝集剤の添加量を増加させることで微細フロックの再凝集を促進したりすることも考えられるが、この場合には、水回収率が低下する、或いは薬品使用量が増加するという問題が生じ、好ましくない。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決し、原水に凝集剤を加えて凝集槽で凝集反応を行った後膜分離装置で固液分離するに当り、膜の目詰りを防止してフラックスを安定化させると共に、水回収率の向上と、凝集処理に必要な凝集剤の添加量の削減を図ることができる凝集処理装置の運転方法及び凝集処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の凝集処理装置の運転方法は、原水に凝集剤を加えて凝集槽で凝集反応させ、前記凝集槽からの流出水をフロック生成槽で緩速攪拌してフロックを生成させた後、膜分離装置で固液分離を行う凝集処理工程と、該膜分離装置を逆洗する逆洗工程とを有する凝集処理装置の運転方法であって、該膜分離装置によって固液分離を行う凝集処理工程にあっては、前記フロック生成槽内の水をポンプで取り出し、該ポンプの吐出水を膜分離装置に送給して濃縮水と透過水とに分離すると共に、該濃縮水は、前記フロック生成槽に流入させることなく前記凝集槽に返送し、該膜分離装置の逆洗を行う逆洗工程にあっては、前記ポンプの吐出水の全量を、前記フロック生成槽に流入させることなく前記凝集槽に返送することを特徴とする。
【0011】
本発明の凝集処理装置は、原水に凝集剤を加えて凝集反応を行う凝集槽と、該凝集槽からの流出水を緩速攪拌してフロックを生成させるフロック生成槽と、該フロック生成槽からの流出水を濃縮水と透過水とに分離する膜分離装置とを有する凝集処理装置であって、前記フロック生成槽からの流出水を該膜分離装置に送給するポンプを備える送給路と、該ポンプの下流側の該送給路から分岐して前記凝集槽に連絡する循環路と、前記膜分離装置の濃縮水出口と前記凝集槽とを連絡する返送路とを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明においては、フロック生成槽を設け、ポンプを通過した水のうち、逆洗時に膜分離装置に送給されない水を凝集槽に返送し、凝集槽で再凝集させると共に更にフロック生成槽で粗大化させる。このようにポンプで破壊された微細フロックを粗大化させることにより、膜分離装置への微細粒子の流入を防止し、これにより、微細粒子に起因する膜の閉塞を防止する。
【0013】
また、膜分離装置の濃縮水を凝集槽に返送して循環処理することで水回収率を高めると共に、微細フロックが濃縮された膜濃縮水を凝集槽に添加することにより、この濃縮水中の微細フロックを核として凝集槽におけるフロックの生成を促進させることができ、これにより、凝集剤の必要添加量を削減することができる。
【0014】
本発明においては、膜分離装置において固液分離を行う際に、ポンプの吐出水の一部を膜分離装置に送給し、残部を凝集槽に循環させるようにしても良く、この場合においても、ポンプと通過した水を凝集槽に返送することで、微細化したフロックの再凝集、フロック化を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の実施の形態に係る凝集処理装置の系統図である。
【0017】
図1中、1はストレーナ、2は凝集槽、3はフロック生成槽、4は膜分離装置、2M,3Mは攪拌機、2AはpH計、3Aはレベルスイッチ、Vは流量調整弁、V〜Vは開閉弁である。フロック生成槽3からの水を取り出すポンプPを備える配管106は配管107と108に分岐しており、配管108の弁Vと膜分離装置4の入口との間からは逆洗排水を排出するための配管110が分岐して設けられている。
【0018】
原水の凝集、膜濾過運転時(凝集処理工程)にあっては、弁V,V,V開、弁V,V閉とする。
【0019】
配管101から導入された原水はまず40〜80メッシュ程度のストレーナ1で除塵された後、配管102より凝集槽(以下「急速攪拌槽」と称す場合がある。)2に導入され、配管103からのPAC等の凝集剤と、配管104より必要に応じて添加されるpH調整剤により凝集処理される。
【0020】
この急速攪拌槽2には、後段の膜分離装置4の膜濃縮水とフロック生成槽(以下「緩速攪拌槽」と称す場合がある。)3からの戻り水がそれぞれ配管109,107により導入され、原水は、これらの水と共に、添加された凝集剤と好ましくは200〜300rpm程度の比較的速い攪拌速度で攪拌されることにより凝集処理される。この急速攪拌槽2の滞留時間は1分以上、特に3〜5分とするのが好ましい。
【0021】
ポンプPを通過することで微細化したフロックは、そのまま静置しても再凝集、フロック化しないが、このように急速攪拌で1分以上強く攪拌することにより再凝集、フロック化させることができる。
【0022】
緩速攪拌槽3からの戻り水及び膜濃縮水中の微細粒子を再凝集、フロック化させるために、本発明において、急速攪拌槽2での上記攪拌条件は極めて重要であり、攪拌速度が上記範囲よりも遅いと再凝集、フロック化に長時間を要し、滞留時間が長く必要となるため、好ましくない。
【0023】
急速攪拌槽2における凝集処理に用いる凝集剤としては、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、塩化アルミニウム(AlCl)、硫酸バンド(Al(SO)、その他、水酸化アルミニウム(Al(OH))又は酸化アルミニウム(Al)を塩酸(HCl)又は硫酸(HSO)で溶解したものなどのアルミニウム塩や、塩化第二鉄(FeCl)、硫酸第二鉄(Fe(SO)、硫酸第一鉄(FeSO)等の鉄塩等の1種又は2種以上、好ましくはPACを用いることができ、その使用量は、通常、原水に対して5〜500mg/Lであるが、本発明では、凝集、フロック化の核となる微細フロックが濃縮された膜濃縮水をこの急速攪拌槽2に返送することで凝集効率を高めることができるため、原水に対して5〜40mg/L程度の比較的少ない凝集剤添加量でも良好な凝集効果を得ることができる。
【0024】
なお、原水の凝集処理に当っては、必要に応じて水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、酸化カルシウム(CaO)、水酸化アンモニウム(NHOH)等のアルカリ、又は、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)等の鉱酸を添加して、pHを6.0〜10程度に調整する。
【0025】
急速攪拌槽2の流出水は次いで配管105より緩速攪拌槽3に導入され、好ましくは50〜100rpm程度の比較的緩い攪拌速度で攪拌されることにより、フロックが粗大化する。この緩速攪拌槽3における攪拌は必ずしも必要とされず流入水流を利用して槽内に旋回流を形成することができる場合には、攪拌機を省略しても良い。また、この緩速攪拌槽3における滞留時間は5分以上、特に10〜20分とするのが好ましい。
【0026】
この緩速攪拌槽3の処理水は、ポンプPにより配管106,108を経て膜分離装置4に送給されて膜濾過処理され、膜透過水は処理水として配管111より系外へ排出され、膜濃縮水は配管109を経て急速攪拌槽2に返送される。
【0027】
このように膜濃縮水2を循環処理することで水回収率を高めることができ、また、膜濃縮水の循環処理に当たり、膜濃縮水中の微細フロックは急速攪拌槽2で再凝集、フロック化されるため、膜分離装置4の膜の目詰りの原因となることが防止される。更に、前述の如く、この微細フロックが濃縮された膜濃縮水が急速攪拌槽2に返送されることで、急速攪拌槽2において、この膜濃縮水中の微細フロックが凝集処理の核として機能し、少ない凝集剤添加量で良好な凝集処理を行うことができる。
【0028】
なお、膜分離装置4における膜濾過運転時において、ポンプPの吐出水の一部を膜分離装置4に供給し、残部を配管107より急速攪拌槽2に循環するようにしても良く、ポンプPの吐出水の全量を膜分離装置4に送給しても良い。ポンプPの吐出水の一部のみを膜分離装置4に送給する場合であっても、ポンプを通過した水の残部を急速攪拌槽2に戻すことで、この水に含まれる微細化フロックを効果的に再凝集、フロック化することができる。
【0029】
膜分離装置4の逆洗を行う逆洗工程にあっては、弁V,V,V閉、弁V,V開として、逆洗空気を配管112より膜分離装置4の透過水側から圧入し、逆洗排水を配管110より排出する。
【0030】
この際、ポンプPは作動しており、ポンプPの吐出水は配管107より急速攪拌槽2に送給される。これにより、ポンプPを通過することで微細化された緩速攪拌槽3からの戻り水中のフロックが、急速攪拌槽2において再凝集、フロック化されるため、逆洗を繰り返すことによるフロックの微細化に起因する膜分離装置4の膜の目詰りは防止される。
【0031】
なお、この緩速攪拌槽3にも必要に応じて無機凝集剤又は有機高分子凝集剤を添加しても良い。
【0032】
本発明において、膜分離装置4の分離膜としては、MF(精密濾過)膜又はUF(限外濾過)膜が好適に使用される。膜の材質や形式には特に制限はなく、設置型式も縦型であっても横型であっても良いが、スパイラル型モジュールが好ましく、特に、集水管が不要で、透過水流通抵抗が小さいことから、図4〜7に示すようなスパイラル型膜モジュールが好適である。
【0033】
また、膜分離装置4は所定時間の濾過処理の後、空気又は透過水(処理水)を逆流させて定期的に逆洗を行うのが好ましく、逆洗は、4〜15分の濾過に対して1回の頻度で30〜60秒間程度行うのが好ましい。
【0034】
以下に本発明の膜分離装置として好適なスパイラル型膜モジュールについて図4〜7を参照して説明する。
【0035】
図4(a)はこのスパイラル型膜モジュールに用いられる一枚の袋状膜及び該袋状膜が巻き付けられるシャフトの斜視図である。図4(b),(c)はそれぞれ図4(a)のB−B線、C−C線に沿う断面図である。図5はシャフトの周りに袋状膜を巻き付ける方法を示す断面図、図6は巻回体とソケットとの係合関係を示す斜視図、図7はスパイラル型膜モジュールの側面図である。
【0036】
この実施の形態に用いられている袋状膜10は、正方形又は長方形状のものであり、第1の辺部11、第2の辺部12、第3の辺部13及び第4の辺部14を有している。この袋状膜10は、長い一枚の分離膜フィルムを第2の辺部12の部分で二つに折り返し、第1の辺部11及び第3の辺部13において折り重なった分離膜フィルム同士を接着剤等によって接着し、第4の辺部14の一部については接着を行うことなく開放部とした袋状のものである。
【0037】
この第4の辺部14の途中から第3の辺部13にかけて袋状膜10の分離膜フィルム同士が接着されておらず、透過水流出用の開放部30となっている。また、この第4の辺部14の該途中から第1の辺部11にかけては、袋状膜10の分離膜フィルム同士が接着されており、透過水の流出を阻止する閉鎖部31となっている。
【0038】
この袋状の膜10内に流路材(例えばメッシュスペーサ等よりなる。)15が挿入配置されている。なお、袋状膜10としては、長い一枚のフィルムを第2の辺部12部分で二つに折り返したものに限らず、二枚の分離膜フィルムを重ね合わせ、第1の辺部11、第2の辺部12、第3の辺部13及び第4の辺部14の一部を接着するようにしたものであっても良い。
【0039】
この袋状膜10の一方の面には、接着剤16が付着されると共に他方の面には接着剤17,18が付着され、この袋状膜10がシャフト20の周りに巻き付けられる。接着剤16は第1の辺部16に沿って付着され、接着剤17は第3の辺部13に沿って付着されている。接着剤18は第4の辺部14の長手方向の前記途中箇所から第3の辺部13にかけて、透過水流出用の開放部30に沿って付着されている。
【0040】
複数枚の袋状膜10をシャフト20の周囲に巻き付けることにより、重なり合った袋状膜10同士は接着剤16,17,18の部分において水密的に接合される。これにより、袋状膜10,10……同士の間には原水(及び濃縮水)が流れる原水流路が構成される。接着剤18が硬化することにより、巻回体の後端面には、内周側に原水(濃縮水)の流出用の開放部が形成され、外周側に原水流出阻止用の閉鎖部が形成される。
【0041】
この第4の辺部14のうち透過水流出用の開放部30と透過水流出阻止用の閉鎖部31との境界部分から、巻回体の後方に向ってフィン19が延設されている。このフィン19は、例えば合成樹脂フィルム又はシートよりなり、袋状膜10に対し接着等により接合されるのが好ましい。
【0042】
袋状膜10,10……をシャフト20の周りに図5の如くメッシュスペーサ29を介して巻き付けることにより、図6に示すように巻回体24が形成される。この巻回体24の後端面からは、フィン19が延出する。各袋状膜10の第4の辺部14において同一箇所にフィン19を設けておくことにより、フィン19は巻回体24の軸心から等半径位上に位置し、フィン19が重なり合うことによりフィン19がリング状の突出部を形成することになる。このリング状の突出部内に円筒状のソケット25の後端を挿入し、該ソケット25とフィン19を接着剤等により接合する。なお、ソケット25をフィン19に外嵌めしても良い。また、フィン19に沿って巻回体24の後端面に旋盤で切込み溝を付け、該溝にソケット25の端部を埋め込むようにしても良い。
【0043】
このようにソケット25とフィン19とを接合することにより、巻回体24の後端面の外周側の透過水流出領域とソケット25の内周側の濃縮水流出領域とが区画される。
【0044】
袋状膜10をシャフト20の周りに巻き付けるに際しては、図5に示すように、袋状膜10同士の間にメッシュスペーサ29を介在させておく。これらのメッシュスペーサ29を介在させることにより、原水流路が構成される。
【0045】
図7に示すように、巻回体24の前縁及び後縁にそれぞれトップリング26及びエンドリング27を合成樹脂モールド等により形成し、トップリング26の外周にブラインシール28を周設する。
【0046】
このように構成されたスパイラル型膜モジュールにおいては、図7に示すように、巻回体24の前端面から原水が袋状膜10,10……同士の間の原水流路に流入する。この原水は、巻回体24の軸心線と略平行方向に原水流路を流れ、巻回体24の後端のソケット25の内側の端面から取り出される。そして、このように原水が原水流路を流れる間に、水が袋状膜10内に透過し、透過水は巻回体24の後端面のうちソケット25の外周側から流出する。
【0047】
このスパイラル型膜モジュールにあっては、透過水が袋状膜10内を巻回体24の軸心線と平行方向に流れて後端面から取り出されるため、従来のスパイラル型膜モジュールに用いられていた集水管が不要である。このため、袋状膜から集水管内に流れ込む際の流通抵抗が無くなり、透過水流通抵抗が著しく小さくなる。
【0048】
なお、集水管を省略しており、その分だけ袋状膜10の巻回方向の長さを大きくとることができ、膜面積を大きくとることが可能である。袋状膜の巻回方向の長さを大きくしても、透過水流通抵抗は増大せず、透過水量を多くすることができる。
【0049】
この膜モジュールにあっては、原水流路の出口部分をソケット25の内側だけに設けており、原水流路の出口(最下流部)を絞った構成としているため、原水流路の下流側においても原水(濃縮水)の流速が十分に大きなものとなり、原水流路下流域における汚れの付着を防止することができる。なお、ソケット25の内側の面積と外側の面積(接着材18の辺部14方向の長さ)は、このスパイラル型膜モジュールの水回収率に応じて決めるのが好ましい。
【0050】
また、この膜モジュールにあっては、ソケット25をフィン19を用いて巻回体24に接続しており、ソケット25と巻回体24との接続強度が高い。そして、このソケット25によって原水の流入側と濃縮水の流出側とが水密的に区画分離される。
【0051】
なお、図4〜7の膜モジュールにおいては、ソケット25の外周側に透過水流出部を配置し、ソケット25の内側に濃縮水流出部を配置しているが、逆にソケット25の内側を透過水流出部とし、ソケット25の外周側を濃縮水流出部とするように構成しても良い。
【0052】
このような本発明の方法及び装置は、有機性又は無機性の濁質を含む各種の用水又は排水の凝集濾過処理に好適であり、定期的な逆洗を行うのみで、長期に亘り薬品洗浄を行うことなく、膜フラックスを安定に維持すると共に、凝集剤使用量の低減、水回収率の向上を図ることができる。
【0053】
なお、図1に示す方法は本発明の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示の方法に限定されるものではない。例えば、図1では膜濃縮水の全量を急速攪拌槽2に返送しているが、膜濃縮水の一部のみを返送し、残部を系外に排出しても良い。また、図1では、急速攪拌槽2の前段にストレーナ1を設けているが、原水中の比較的大きな汚染物が少ない場合には、必ずしもストレーナを設ける必要はない。また、ストレーナの代りにウェッジワイヤースクリーンを設けても良い。
【0054】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0055】
実施例1
図1に示す凝集処理装置により、茨城県内の工業用水を原水として凝集処理を行った。各部の仕様及び処理条件は次の通りとした。
[ストレーナ]
バケット型,40メッシュ
[急速攪拌槽]
50L容量,200rpm攪拌機付
凝集剤(PAC)添加量:40mg/L
pH:6〜6.5
滞留時間:5分
[緩速攪拌槽]
100L容量,60rpm攪拌機付
滞留時間:15分
[膜分離装置]
0.2μmスパイラル型MF膜モジュール 1本
透過水量:300L/h 定流量処理
逆洗:7.5分の通水毎に0.5分間空気逆洗
その結果、膜分離装置の運転圧力の経時変化は図3に示す通りであり、180時間の通水で膜分離装置の運転圧力は0.1MPaから0.27MPaに上昇し、この圧力上昇率は0.0227MPa/24hであった。また、水回収率は94%であった。
【0056】
比較例1
実施例1において、膜濃縮水を急速攪拌槽に返送せず、全量系外へ排出し、急速攪拌槽におけるPACの添加量を80mg/Lとしたこと以外は同様にして処理を行った。
【0057】
その結果、膜分離装置の運転圧力の経時変化は図3に示す通りであり、260時間の通水で膜分離装置の運転圧力は0.09MPaから0.38MPaに上昇し、この圧力上昇率は0.0268MPa/24hであった。また、水回収率は89%であった。
【0058】
比較例2
比較例1において、ストレーナを設けず、急速攪拌槽の代りに緩速攪拌槽を設け、急速攪拌槽の後段の緩速攪拌槽を省略したこと以外は同様にして処理を行った。
【0059】
その結果、膜分離装置の運転圧力の経時変化は図3に示す通りであり、139時間の通水で膜分離装置の運転圧力は0.075MPaから0.437MPaに上昇し、この圧力上昇率は0.0625MPa/24hであった。また、水回収率は89%であった。
【0060】
比較例3
比較例2において、PACの添加量を40mg/Lにしたこと以外は同様にして処理を行った。
【0061】
その結果、膜分離装置の運転圧力の経時変化は図3に示す通りであり、48時間の通水で膜分離装置の運転圧力は0.076MPaから0.438MPaに上昇し、この圧力上昇率は0.181MPa/24hであった。また、水回収率は89%であった。
【0062】
以上の結果から、本発明によれば、膜分離装置のフラックスの安定化を図ると共に、凝集剤添加量の低減、水回収率の向上が達成されることがわかる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の凝集処理装置の運転方法及び凝集処理装置によれば、原水に凝集剤を加えて凝集槽で凝集反応を行った後膜分離装置で固液分離するに当り、膜の目詰りを防止してフラックスを安定化させると共に、水回収率の向上と、凝集処理に必要な凝集剤の添加量の削減を図ることができる。
【0064】
特に、本発明によれば、膜分離装置のフラックスの安定化により、薬品洗浄頻度を低減することができるため、薬品洗浄のための薬剤コストを低減すると共に、装置稼動効率の向上、膜寿命の延長を図ることができ、処理コストの低減、処理効率の向上により工業的に極めて有利に原水の凝集処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の凝集処理装置の運転方法及び凝集処理装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】従来法を示す系統図である。
【図3】実施例1及び比較例1〜3における膜分離装置の運転圧力の経時変化を示すグラフである。
【図4】(a)図は本発明に好適な膜モジュールの袋状膜の斜視図、(b)図は(a)図のB−B線に沿う断面図、(c)図は(a)図のC−C線に沿う断面図である。
【図5】図4の袋状膜の巻き付け方法を示す断面図である。
【図6】図4の巻回体とソケットとの係合関係を示す斜視図である。
【図7】図4に係るスパイラル型膜モジュールの側面図である。
【符号の説明】
1 ストレーナ
2 凝集槽(急速攪拌槽)
3 フロック生成槽(緩速攪拌槽)
4 膜分離装置
10 袋状膜
11 第1の辺部
12 第2の辺部
13 第3の辺部
14 第4の辺部
15 流路材
16,17,18 接着剤
19 フィン
20 シャフト
24 巻回体
25 ソケット
29 メッシュスペーサ
30 透過水流出用の開放部
31 透過水流出阻止用の閉鎖部

Claims (3)

  1. 原水に凝集剤を加えて凝集槽で凝集反応させ、前記凝集槽からの流出水をフロック生成槽で緩速攪拌してフロックを生成させた後、膜分離装置で固液分離を行う凝集処理工程と、該膜分離装置を逆洗する逆洗工程とを有する凝集処理装置の運転方法であって、
    該膜分離装置によって固液分離を行う凝集処理工程にあっては、前記フロック生成槽内の水をポンプで取り出し、該ポンプの吐出水を膜分離装置に送給して濃縮水と透過水とに分離すると共に、該濃縮水は、前記フロック生成槽に流入させることなく前記凝集槽に返送し、
    該膜分離装置の逆洗を行う逆洗工程にあっては、前記ポンプの吐出水の全量を、前記フロック生成槽に流入させることなく前記凝集槽に返送することを特徴とする凝集処理装置の運転方法。
  2. 請求項1において、前記固液分離を行う凝集処理工程にあっては、前記ポンプの吐出水の一部を前記膜分離装置に送給し、残部を前記凝集槽に循環することを特徴とする凝集処理装置の運転方法。
  3. 原水に凝集剤を加えて凝集反応を行う凝集槽と、
    該凝集槽からの流出水を緩速攪拌してフロックを生成させるフロック生成槽と、
    該フロック生成槽からの流出水を濃縮水と透過水とに分離する膜分離装置とを有する凝集処理装置であって、
    前記フロック生成槽からの流出水を該膜分離装置に送給するポンプを備える送給路と、
    該ポンプの下流側の該送給路から分岐して前記凝集槽に連絡する循環路と、
    前記膜分離装置の濃縮水出口と前記凝集槽とを連絡する返送路と
    を具備することを特徴とする凝集処理装置。
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