JP3931286B2 - 泥水を用いるトンネル掘削工法 - Google Patents

泥水を用いるトンネル掘削工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、泥水式シールド工法、泥水式推進工法、泥水輸送方式を利用した土圧式シールド工法等の泥水を用いるトンネル掘削工法に関し、特にそれらの工法に用いられる掘削用泥水の品質維持管理に特徴を有するものであって、掘削地盤が粘土を含む施工条件においても、掘削用泥水の品質劣化を経済的かつ的確に防止し、余剰泥水(廃棄泥水)の凝集脱水処理工程を不要にすることが可能な泥水を用いるトンネル掘削工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
泥水式シールド工法および泥水式推進工法は、掘削機前方の切羽と呼ばれる掘削面に掘削用泥水を地上から加圧して送り、この泥水圧で切羽の安定を保ちながら掘削を行い、掘削した土砂を前記掘削用泥水とともに地上にポンプ圧送する工法であり、上記作業を繰り返すことにより順次掘削が進行する。
一方、土圧式シールド工法は、掘削機前部のチャンバー内の掘削土砂を機体の推進力で加圧し、切羽に土圧を作用させて切羽の安定を保ち、止水しながらスクリューコンベアーでチャンバー内の土砂を順次排出し掘進する工法である。ここに、泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法では、スクリューコンベアーの後段に混合調整槽を設け、この混合調整槽において掘削土砂と泥水(搬送用泥水)を混合し、これらをポンプ圧送で地上に搬出する方式であり、掘削土砂の輸送に関しては泥水式シールド工法と同じである。
前記の掘削用泥水および搬送用泥水は、掘削の進行に伴い土砂および塩分を含む地下水などが混入することにより劣化する。この泥水の劣化とは、泥水中に土砂、特に微粒土砂が多量に混入して泥水比重および泥水粘性が高くなることと、この微粒土砂の表面にカルシウムイオンないし二価以上の陽イオンが吸着されることにより粒子相互が結合して凝集・ゲル化することなどを意味するものであり、この劣化現象が現れ、強まると泥水の懸濁安定性ならびに流動性が損なわれ、ひいては掘削効率の低下、廃棄泥水の発生量の増大など、工事の成否に係わる重大な支障を引き起こす。このため、泥水式シールド工法、泥水式推進工法および泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法においては、泥水の品質管理つまり泥水の物理・化学的性質を常に適正な状態に維持することが最も重要であると認識されている。
しかし、泥水の品質管理の重要性については、従来より十分認識されてはいるものの、そのための有効な劣化防止方法が実用化されていないことや、現場内で廃棄泥水を凝集脱水処理して減容化する方法が普及したことなどの理由から、泥水の劣化を未然に防止する積極的な試みはほとんど行われていないのが実状である。
【0003】
ここで、従来の泥水式シールド工法における掘削用泥水の品質管理方法を図1に基づいて説明すると以下のようになる。
▲1▼ まず、切羽1から送られてきた掘削土砂混じりの掘削用泥水は、一次処理として振動ふるいとサイクロンとの組み合わせから成る土砂分離機2にかけられ、礫、砂など74μm以上の土砂分が分離除去される。
▲2▼ 次に、前記土砂分離機を通過した泥水、すなわちシルト、粘土など74μm以下の微細土粒子が残留した泥水は調整槽3に送られ、再び、掘削用泥水として切羽に循環使用される。また、調整槽の泥水については比重が計測され、もし、ここで泥水の比重値が管理目標値より高い場合には、泥水の比重調整として水道水などの希釈水が清水槽4から添加される。一方、希釈水に相当する泥水量が余剰泥水として余剰泥水槽5に送られ、二次処理(廃棄処理)される。
▲3▼ 二次処理方法としては、余剰泥水槽5から余剰泥水の一部が混合器6に供給され、これに凝集剤槽7から凝集剤が添加され、泥水中の微細土粒子を脱水性の良いフロックに変化させる。次に、フロック化された泥水はスラリー槽8を介して固液分離機9にかけられフロックと分離水に分離される。そして、分離水は分離水槽10に貯められ、前記比重調整のための希釈水としてわずかに使用されるほかは、ほとんど三次処理装置11で pH中和処理などをされたのち場外に排水される。なお、凝集剤としては通常ポリ塩化アルミニウムが使用されるが、ポリ塩化アルミニウムのみで脱水性の良いフロックを生成できない場合にはポリアクリルアミドなどの有機系高分子凝集剤が併用添加される。また、固液分離機としては通常フィルタープレスが使用されている。
【0004】
以上の通り、従来の泥水式シールド工法における掘削用泥水の品質管理方法とは、一次処理と二次処理により掘削用泥水の比重調整と余剰泥水の廃棄処理を行うのが特徴であり、一次処理は掘削用泥水中に混入した74μm以上の土砂分を分離除去した後に、泥水の比重調整として泥水の希釈を行うもので、二次処理は前記比重調整によって発生する余剰泥水の廃棄処理として泥水の凝集脱水処理を行うものである。
しかし、この方法では、掘削地盤がシルトや粘土など74μm以下の微細土粒子を主体とする場合には掘削用泥水中に溶け込んだ微細土粒子を前記土砂分離機により分離除去することができないため、掘削に伴う泥水循環を繰り返していくと掘削用泥水中に微細土粒子が蓄積され、泥水比重および泥水粘性の上昇が著しくなる。また、これに伴い余剰泥水の二次処理量つまり凝集脱水処理量が増大するうえに、泥水中の微細土粒子の濃度が高いことから凝集剤の使用量が増大し、フィルタープレスに関しても処理能力の低下ないしろ布の目詰まりなどが顕著となり、フィルタープレスの増設、ろ布の洗浄作業員の増員など、多種多様の問題が発生していた。そして、最終的には泥水管理コストが著しく増大する結果となっていた。特に、この問題は、工事スペースの確保が困難な市街地の工事において深刻な問題であり、フィルタープレスを適正台数、設置できない工事では余剰泥水の全量を二次処理することができず、そのまま場外へ廃棄処理することも少なくはなく、泥水管理コストを著しく高いものとしていた。
【0005】
そこで、上記問題点を解決するために、特開平2−24481号において、下記の泥水管理方法が提案されている。すなわち、その方法とは、切羽から搬送されてきた掘削土砂混じりの掘削用泥水を、一次処理として振動ふるいまたは固定ふるいにかけることにより約1mm以上または約20mm以上の粗粒土砂分を分離除去した後に、さらに、上記ふるいを通過した泥水についてその全量を遠心力30Gないし400Gの低速遠心分離機にかけることにより細砂およびシルトなど、約10μm以上の微細土粒子を分離除去することを特徴とするものであり、掘削用泥水の比重調整および余剰泥水の二次処理(凝集脱水処理)方法は従来の方法と全く同じである。この発明の効果としては、泥水比重の上昇が低く、二次処理量も少なくなることであるとされている。また、その結果、二次処理工程の簡略化すなわちフィルタープレスなど凝集脱水処理設備の縮小および作業人員の削減が可能となり、最終的には泥水管理コストを大幅に低減できるとされている。
しかし、この発明の泥水管理方法では、掘削用泥水中に溶け込んだ掘削土砂のうち、細砂・シルトより粒径の小さな粘土については前記遠心分離機を用いても分離除去することができないほか、掘削用泥水の品質管理項目として重要な泥水の粘性については未着目であることから、次のような問題点が発生する恐れがある。
▲1▼ 掘削地盤の土質が粘土を含む場合には、掘削の進行に伴って泥水中に粘土分が残留して蓄積されるため、泥水比重の上昇は勿論のこと、泥水粘性の上昇も免れない。
▲2▼ 粘土の混入などにより泥水の粘性が高くなった場合には、実施例にて詳述するが遠心分離機の分級性能が低下し、この発明で記載されている泥水の比重低減効果が十分に発揮されない恐れがある。また、このような場合には遠心分離機のみで泥水の粘性を十分に下げることは困難である。
▲3▼ 泥水粘性の上昇防止・低減方法が具体化されておらず、実用的ではない。特に、粘性土地盤においては実用性に欠けると判断される。
【0006】
一方、本出願人らは先に、特開平6−185046号において、分散剤としてポリアクリル酸ナトリウムなどが添加された掘削用泥水を対象に、泥水の比重と泥水中の分散剤濃度をシステムの制御量として取り扱い、かつこれらの制御量をそれぞれの管理目標値と比較して調整することを基本とする掘削用泥水の品質管理システムを提案している。このシステムは、泥水比重の上昇を防止するための制御手段として、泥水比重測定装置や微粒分離装置(遠心分離機)、水供給装置などを備えているほか、泥水粘性の上昇を防止するための制御手段として、分散剤濃度測定手段や分散剤補充添加装置、さらには分散剤濃度の管理目標値を泥水の比重値に応じて設定する装置などを備えており、地中連続壁工法、場所打ち杭工法など、泥水を使用する掘削工事に幅広く適用できるものである。この発明の効果としては、掘削土砂の種類や地下水の水質などに影響されることなく、掘削用泥水の品質劣化を確実に防止することができ、廃棄泥水の発生量を大幅に抑制することができる。また、高比重・大容量の泥水についても、迅速で効率の良い品質管理を行うことができることなどが挙げられる。
しかしながら、これらの効果は、地中連続壁工法および場所打ち杭工法においては良好に発揮されるものであるが、泥水式シールド工法、泥水式推進工法および泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法ではすべての施工条件において十分に発揮されるものではなかった。
すなわち、地中連続壁工法および場所打ち杭工法は、地表面(GL)に対して垂直方向に地盤を掘削する工法であり、掘削地盤が粘性土層を主体とする場合においても、支持層ないし中間層として砂礫層が存在し、この砂礫層を通じて逸泥と呼ばれる泥水の地盤への浸透・逸散があることから、泥水のソリッドコンテントの調整(泥水の希釈)を兼ねて水や希薄泥水の添加を行っても泥水容量が増加しないため、泥水比重の上昇および泥水粘性の上昇を効率よく防止することができるのである。一方、泥水式シールド工法、泥水式推進工法および泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法は地表面に対してほぼ水平掘削を行い、同一の地盤を長距離掘進するのが特徴であり、掘削地盤が粘性土層などである場合には泥水の逸泥がほとんどなく、地中連続壁工法のように水や希薄泥水を容易に添加することができないため、掘削に伴う泥水比重の上昇を防止することが困難なことが度々発生し、これに対処するために、前記泥水管理方法では、泥水比重の上昇に応じて分散剤濃度の管理目標値(分散剤添加量)を随時、高く設定することにより泥水粘性の上昇を防止し、これにより遠心分離機の性能低下を防止して廃棄泥水量の低減を図ることになる。しかし、この方法ではポリアクリル酸ナトリウムなどのポリアクリル酸塩系分散剤の添加量(使用量)を非常に多くしなければならないという問題を発生させるのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑み、先の発明をさらに発展させ、掘削地盤が粘土を含む層であった場合においても、泥水品質の劣化を経済的かつ的確に防止できる新規な泥水を用いるトンネル掘削工法、より具体的には新規な泥水式シールド工法、泥水式推進工法および泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法などを提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、掘削用泥水に重合度500以下の不飽和カルボン酸重合体塩(a)と炭酸ナトリウム(b)を、それらの純分重量比(a):(b)が1:(0.5〜15)の範囲内で併用添加し、且つ泥水中の(a)の純分濃度を100ppm〜5000ppmの範囲内となるように維持管理する泥水管理工程を有し、
切羽から送られた掘削土砂混じりの泥水から74μm以上の掘削土砂を分離された泥水を遠心分離機にかけて、そこに含まれる微細土粒子を分離除去する工程を併せて有することを特徴とする泥水を用いるトンネル掘削工法に関するものである。
【0009】
本発明における重合度500以下の不飽和カルボン酸重合体塩[以下単に不飽和カルボン酸重合体塩または単に(a)という]は、炭酸ナトリウム[以下単に(b)ともいう]との併用により泥水中の土粒子を分散して泥水粘性の低減・上昇防止効果を発揮するものである。当該重合体塩としては、ポリアクリル酸ナトリウムおよびアクリル酸とスルホン酸の共重合物のナトリウム塩が代表的であるが、必要に応じてメタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などのカルボン酸モノマーを共重合させたものであってもよい。ただし、これらを共重合するにあたっては、ポリアクリル酸ナトリウムの土粒子分散性能を損なわないようにするため、共重合成分としては重合体中20重量%以下にすることが好ましい。また、スルホン酸としては2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸などがあり、好ましくは2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸である。さらに、不飽和カルボン酸重合体塩は2種以上併用することもできる。また、不飽和カルボン酸重合体塩に前記のモノマーから誘導されるその他のポリマーを併用することも可能である。
本発明で使用される不飽和カルボン酸重合体塩の重合度は500以下である必要があり、好ましくは200以下である。重合度が500を越えると土粒子の凝集作用が現れてくるため、泥水の粘性が増加して好ましくない。
尚、本発明において重合度とは、ポリアクリル酸を基準物質として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで得られた重量平均分子量をもとに、使用したモノマーの分子量から計算した値をいう。
【0010】
本発明における炭酸ナトリウムは、不飽和カルボン酸重合体塩と併用されて泥水中の土粒子を分散して泥水粘性の上昇を防止する効果を発揮すると共に、市販価格(純分価格)が不飽和カルボン酸重合体塩の1/15〜1/20であり、また不飽和カルボン酸重合体塩との併用において不飽和カルボン酸重合体塩の使用量をその単独使用の場合の1/2〜1/10に減量することができるという優れた効果も有し、薬剤コストひいては泥水管理コストを大幅に低減することを可能とするものである。
炭酸ナトリウムは、単独で使用した場合には土粒子の分散性能が十分でないために掘削に伴う泥水粘性の上昇を防止することは不可能であり、特に炭酸ナトリウムを単独で過剰添加した場合、あるいは一ヶ所で集中的に添加した場合には、泥水の粘性を逆に高くしてしまう欠点があり、炭酸ナトリウムは、重合度500以下の不飽和カルボン酸重合体塩と併用されることによってはじめて、本発明の効果を発揮するものである。
【0011】
一方、炭酸ナトリウム以外の無機分散剤、即ち地中連続壁工法ないし場所打ち杭工法において使用されている、例えば炭酸水素ナトリウム、アルミン酸ナトリウムおよび炭酸カリウムなどは、単独使用の場合はもちろんのこと、不飽和カルボン酸重合体塩との併用においても、炭酸ナトリウムに比べて土粒子の分散性能が極めて低く、本発明の目的を達成することはできないものである。
【0012】
本発明における不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムの添加方法は、掘削時の循環泥水を対象に、掘削土量に応じて両者を水溶液の形で、同一箇所に緻密に添加することが好ましい。また、その添加量が局部的に集中しないように、できるだけ希薄な水溶液で添加することが好ましい。特に、炭酸ナトリウムについては、添加に際し単独で泥水に添加することは避けることが望ましい。
また、両者の添加量は、掘削地盤の土質特性(シルト、粘土の物理・化学特性:含有量・粒度分布・組成など)や地下水の水質(多価陽イオンの種類・濃度)あるいは添加時の泥水比重等によって異なるが、基本的には両者を純分重量比で(a):(b)=1:(0.5〜15)の割合で、好ましくは(a):(b)=1:(1〜8)の割合で添加し、泥水中の不飽和カルボン酸重合体塩を純分濃度で100ppm〜5000ppmを維持するよう添加する。
(b)の量が(a):(b)=1:0.5を満たさない場合、逆に(a):(b)=1:15を越える場合には、いずれも併用使用による泥水粘性の低減効果ないし薬剤コストの低減効果が得られなくなる。また、具体的な添加量としては通常、掘削土量1m3に対して不飽和カルボン酸重合体塩を純分量で0.5kg〜3.0kg、炭酸ナトリウムを純分量で0.5kg〜24kgの範囲で添加すれば、泥水中の不飽和カルボン酸重合体塩の純分濃度を、好ましい濃度、すなわち100ppm〜2000ppmの範囲に必ず維持することができ、泥水粘性の上昇を経済的かつ的確に防止できる。
不飽和カルボン酸重合体塩の純分濃度が100ppmに満たない場合には、炭酸ナトリウムとの併用効果を十分に発揮させることが困難となり、泥水粘性の上昇防止効果が不安定となる。また、5000ppmを超えて使用しても効果の面でみるべき点はなく、いたずらにコストを上昇させるだけである。
【0013】
さらに好ましい不飽和カルボン酸重合体塩の濃度は、掘削循環泥水の比重値および泥水中に含まれる微細土粒子、特に10μm以下の土粒子の混入量に対応して定めたもので、例えば、泥水比重が1.1、または10μm以下の土粒子の混入量が150g/L(注Lはリットルを示す)であるとすると、この場合の不飽和カルボン酸重合体塩の好ましい濃度は200ppm〜1000ppmの範囲である。
また、泥水比重に対する不飽和カルボン酸重合体塩の適正濃度は下記の(1)式によって便宜的に求められ、泥水中の10μm以下の土粒子混入量に対する適正濃度は(2)式によって便宜的に求めるとよい。
【0014】
【式1】
Figure 0003931286
【0015】
【式2】
Figure 0003931286
【0016】
これらの式において、Cγ、Cw は通常施工における不飽和カルボン酸重合体塩の適正純分濃度(ppm)であり、γx は分散剤添加時の泥水比重であり、Wxは分散剤添加時の泥水中の10μm以下の土粒子混入量(g/L)である。
【0017】
ただし、以上述べてきた不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムの好ましい純分重量比および添加量ならびに不飽和カルボン酸重合体塩の好ましい濃度は、あくまで通常施工での値であり、特殊な施工条件・泥水管理条件等においては、それぞれの条件に適応するように、不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムの純分重量比すなわち(a):(b)=1:(0.5〜15)の範囲から選択し、また不飽和カルボン酸重合体塩の純分濃度についても100ppm〜5000ppmの範囲から選択すればよい。例えば、シールド工事の発進立坑および到達立坑の付近では対象地盤をセメント系固化材により改良することが多く、このような場合(泥水にセメント分が多量に混入する場合)には、炭酸ナトリウムの添加割合を大きくするとよい。
【0018】
また、泥水中の不飽和カルボン酸重合体塩の濃度の測定方法としては、例えば次の方法がある。すなわち、泥水300mLをNo.4Aのろ紙を用いて加圧ろ過(圧力3kg/cm2)してろ液を採取し、このろ液から適量を分取し、これに蒸留水を加えて不飽和カルボン酸重合体塩が純分濃度で2〜40ppmの範囲になるよう試料を調製する。試料10mLに試薬A(カルボン酸系化合物)0.5mLを添加して攪拌し、pHを約8に調整した後、さらに試薬B(アミン系化合物)10mLを加えて白濁を呈する錯体を生成させ、その白濁度合を分光光度計(波長800nm)を用いて吸光度を測定し、予め求められた検量線によりその濃度を算出する。
また、泥水中の炭酸ナトリウム濃度については、常時測定する必要はないが、定期的な測定は泥水の品質管理上、より好ましいことである。その測定方法としては、上記と同様にして得た泥水のろ液を、塩酸等の酸で中和滴定する方法がある。
本発明のトンネル掘削工法は特に沖積粘性土および洪積粘性土の地盤に適したものである。
【0019】
本発明は、粘性管理されている泥水について、切羽から送られた掘削土砂混じりの泥水から74μm以上の掘削土砂を分離された泥水を遠心分離機にかけて、そこに含まれる微細土粒子を分離除去し、泥水粘度の上昇を防止抑制する。これにより、遠心分離機の分級性能の低下を防止し、泥水中に混入した細砂、シルトなどの微細土粒子を効率よく遠心分離することができ、ひいては泥水比重ないし泥水粘性の上昇を的確に防止できる効果がある。ここで用いられる遠心分離機は、特にその形式は限定されないが遠心力として100G〜2,000Gのものが好ましく、より好ましくは150G〜750Gのものである。遠心力が100G以下の場合にはシルトなど微細土粒子の除去効率が安定せず、泥水比重の低減効果が確実でない。また、遠心力が2,000G以上では分級性能は良いものの高価なものとなるため実用的でない。なお、本発明では遠心分離機の前段に粗粒土砂の分離装置としてふるい機、土砂分離機(振動ふるいとサイクロン)などを使用するのが好ましい。
【0020】
本発明の第3発明は、前記第2発明で遠心分離機により微細土粒子を分離除去された泥水をリサイクル使用する、特に該泥水を裏込め注入剤または添加剤としてリサイクル使用する工程を有することを特徴とする泥水を用いるトンネル掘削工法に関するものである。
当該発明で実施する泥水のリサイクル(有効利用)としては、まず、シールド工法などの裏込め注入が挙げられる。この裏込め注入は、通常、テールボイドと呼ばれる地山とセグメントとの間隙に、水道水、市販粘土、固化剤(セメント)、固化促進剤、固化安定剤などから構成されるスラリーを充填するものである。このことから、本発明による泥水を前記裏込め注入に利用すると水道水ならびに市販粘土がほとんど要らなくなる。また、本発明の泥水には不飽和カルボン酸重合体塩および炭酸ナトリウムが含まれ、前記固化安定剤と同様の効果を示すことから、その使用量を大幅に減量することも可能である。さらに、裏込め注入プラントを大幅にダウンサイジングでき、坑内設備として集約することも可能である。
一方、泥水のリサイクルとして、土圧式シールド工法における添加材注入がある。土圧式シールド工法では、掘削機前部のチャンバー内の掘削土砂へ各種の添加材を注入し、掘削土砂と添加材を混合することにより、掘削土砂の流動化とチャンバー内の止水性を改善することがよく行われる(この場合は特に泥土圧シールド工法と呼称している)。添加材としては、粘土・ベントナイト、気泡材、高吸水性樹脂などがあり、通常は安価な粘土系材料が用いられる。従って、泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法にあっては、本発明による搬送用泥水の一部を前記添加材に利用すると、不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムの効果によって掘削土砂の流動化が促進され、また、添加材プラントや作泥材料が不要になる。但し、土質によっては、搬送用泥水をサイクロン等で濃縮し濃度を高めたり、増粘材や逸泥防止材を加えて使用することもある。
【0021】
またその他の用途として、本発明の泥水は劣化防止に重要な分散剤が適量含まれ、泥水比重および泥水粘性が良好で、しかも泥水の粒度が均質で微細であり、さらに懸濁安定性に優れたものであるため、地中連続壁工法、アースドリル杭工法の掘削用安定液あるいはリバース杭工法の掘削用泥水として利用することも十分可能である。なお、掘削用安定液として用いる場合には必要に応じてエーテル化度の高いカルボキシメチルセルロース(CMC)などを少量加えて調整するとより高品質なものとなる。
【0022】
本発明の第4発明は、前記第3発明で遠心分離機により微細土粒子を分離除去された泥水に水を添加して微粒子の含有量の調整を行う工程を有することを特徴とする泥水を用いるトンネル掘削工法に関するものであり、前記第3発明のリサイクルなどに対応して掘削用泥水に水道水などを添加して粘土など微粒子のソリッドコンテントの調整を行うことに特徴を有するものである。
本発明における泥水のソリッドコンテントの調整は、掘削用泥水のリサイクルなどに対応して実施するものであり、泥水中に含まれる主として粘土など超微粒子(10μm以下の土粒子)を対象にする。その調整方法は不飽和カルボン酸重合体塩の純分濃度を100ppm〜5000ppmに維持するように調整管理しながら、水道水や坑内水などを添加して行えばよく、また、その添加方法は掘削循環中の泥水に対して直接行えばよく、炭酸ナトリウムの溶解水としての添加でもよい。また、その添加量は泥水のリサイクル量、掘削地盤への逸泥量、または掘削土砂に付着して消耗する泥水量などによって異なるが、少なくとも掘削土量1m3に対して0.1m3は必要である。なお、ソリッドコンテントの調整水としては水道水が最も好ましいが、坑内水の処理を兼ねて用いるのも賢明である。ただし、坑内水には裏込め注入の洗浄水としてセメントなどの汚濁物が多量に含まれることもあり、このような場合には汚濁物を極力除去するか、あるいは炭酸ナトリウムを増量添加する必要がある。
【0023】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、表および図面に基づいて説明する。なお、表1〜表4において、ppmとは、泥水1リットル中に含まれる各分散剤の重量分率、すなわちmg/(泥水1リットル)を意味する。
参考例1〜13(表1)、比較例1〜12(表2)
水道水に大阪市内で採取した沖積粘性土(細砂1%、シルト23%、粘土以下76%)を添加して撹拌し、泥水比重が1.16、粘度940cps、pH6.98の泥水を作製した。そして、この泥水に表1に示す分散剤の添加処方に基づいて、本発明における不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムを併用添加して撹拌し、その後BL型粘度計を用いて25℃、60rpmの条件で泥水の粘度を測定した。また一方、本発明の効果を検証する目的で、比較例として、表2に示す分散剤を上記の泥水に添加し、参考例と同様の条件により泥水の粘度を測定した。比較例1は、不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムのいずれも添加しない例であり、比較例2および3は、不飽和カルボン酸重合体塩のみを添加する例であり、比較例4〜7は、炭酸ナトリウムのみを添加する例であり、比較例8及び9は、不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムとの純分重量比が本発明の範囲を逸脱する例であり、および比較例10〜12は、本発明の不飽和カルボン酸重合体塩の重合度が本発明の範囲を逸脱する例である。
【0024】
参考例および比較例による泥水粘度の測定結果を、それぞれ表1および表2に示す。これらの結果を要約すると以下のようになる。なお、シールド工法の泥水輸送における泥水粘度の管理基準値としては、輸送効率(送・排泥ポンプの圧送性、土砂分離性)を考慮した場合、100cps以下が好ましい。
【0025】
1)参考例1〜13における泥水の粘度は、すべて100cps以下となっているのに対して、比較例1に示す分散剤無添加の泥水の粘度は940cpsであり、100cpsを大きく超えるものであった。また、比較例2および3における、不飽和カルボン酸重合体塩の単独添加による泥水の粘度は、いずれも100cps以下には達しなかった。このことから、不飽和カルボン酸重合体塩の単独使用ではこの添加量において泥水の粘度を十分に低減することはできないが、本発明のように炭酸ナトリウムと併用することにより、泥水の粘度を大きく低減できることが確認された。
【0026】
2)参考例1〜13における泥水の粘度は、すべて100cps以下となっているのに対して、比較例4〜同7に示す炭酸ナトリウムの単独添加による泥水の粘度は、いずれも100cps以下には達しなかった。このことから、炭酸ナトリウムの単独使用では泥水の粘度を十分に低減することはできないが、本発明のように不飽和カルボン酸重合体塩と併用することにより、泥水の粘度を大きく低減できることが確認された。
【0027】
3)参考例1〜13と比較例8および9の結果より、不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムの純分重量比については、本発明における1:(0.5〜15)を満たす参考例1〜13では、併用効果(粘度低減効果)が認められるのに対して、炭酸ナトリウムの割合が上記上限値15を超える20である比較例8、および下限値0.5に満たない0.33である比較例9については、併用効果が十分に得られなかった。
【0028】
4)不飽和カルボン酸重合体塩の重合度については、参考例1〜同10の場合のように、重合度500以下において炭酸ナトリウムとの併用効果(泥水の粘度低減効果)が確認された。しかし、比較例10〜12に示すように、重合度500を超える重合度1000のものについては併用効果が認められなかった。
【0029】
【表1】
Figure 0003931286
【0030】
【表2】
Figure 0003931286
【0031】
○ 比較例13〜21
本発明における不飽和カルボン酸重合体塩と併用する炭酸ナトリウムの有効性、有用性を検証するため、炭酸ナトリウム以外の無機分散剤、すなわち、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミン酸ナトリウムを使用し、表3に示す分散剤添加処方にしたがって、不飽和カルボン酸重合体塩のポリアクリル酸ナトリウムと併用し、前記実施例と同様の方法で泥水の粘度を測定した。
これらの結果を表3に示す。これらの結果から、無機分散剤として炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミン酸ナトリウムを、ポリアクリル酸ナトリウム(重合度60)と併用しても、泥水の粘度低減効果がほとんどないことが確認された。
【0032】
【表3】
Figure 0003931286
【0033】
実施例1〜2、比較例22〜24
本発明の、掘削用泥水に不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムを適正な比率で添加して、かつ不飽和カルボン酸重合体塩の泥水中の濃度を適正な範囲に維持管理することにより泥水粘性の上昇を防止し、さらにこの粘性管理された泥水についてその中に混入した微細土粒子を遠心分離機により除去することの重要性ならびに本発明の効果を検証するため、以下の実験を行った。前記実施例で使用した供試泥水について、表4に示す分散剤の添加処方によって泥水の粘度を調整した。そして、この粘度調整した泥水ならびに無調整(分散剤無添加)の泥水について遠心力500G、遠心分離時間2分の条件で遠心分離を行い、遠心分離前および分離後の泥水比重と粘度を測定した。また、遠心分離前と分離後の泥水について固形分の重量を測定し、遠心分離による固形分の除去率を算出した。実施例および比較例の結果を表4に示すが、その結果を要約すると以下のようになる。
1)実施例およびと比較例22〜24の結果より、遠心分離による固形分の除去率は、処理対象となる泥水の粘度により大きく左右され、泥水の粘度が高くなるにしたがって除去率も低下することが確認された。また、遠心分離による泥水比重の低減度合いについても、泥水の粘度の影響が大きいことが確認された。これらのことから、泥水中に含まれる微細土粒子の遠心分離においては泥水の粘度管理がきわめて重要であり、本発明の効果が検証されている。
2)実施例およびでは遠心分離前および分離後の泥水粘度は100cps以下の良好な値となっている。一方、分散剤を添加しなかった比較例22では、遠心分離後においても泥水の粘度は100cps以下には達しておらず、遠心分離前の泥水粘度と比較しても大きな差異が認められなかった。また、比較例23では炭酸カリウムのみを添加し、比較例24では炭酸ナトリウムのみを添加して泥水の粘度を調整したが、これらの場合においても遠心分離による泥水粘度の低減効果がほとんど示されなかった。これらのことから遠心分離機のみで泥水の粘度を十分に下げることは不可能であり、そのためには本発明のように分散剤の適正添加が必要不可欠であることが確認された。
【0034】
【表4】
Figure 0003931286
【0035】
○ 実施例
実施工における本発明の効果を確認するため、掘削地盤が洪積粘性土の泥水式シールド工事において本発明の泥水管理方法を試用した。なお、本実施例における掘削地盤の粒度構成(重量比)は細砂6%、シルト58%、粘土以下36%であった。掘削用泥水の品質管理方法は、図2に示す装置ならびに泥水フローにより行った。すなわち、切羽1から送られてきた掘削土砂混じりの泥水を振動ふるいとサイクロンとの組み合わせから成る土砂分離機2にかけ、74μm以上の掘削土砂を分離した後、分離処理した泥水を調整槽3に貯蔵した。そして、調整槽3の泥水については、劣化防止装置12から分散剤として重合度60のポリアクリル酸ナトリウム(以下、PANaという)をaラインより、炭酸ナトリウムをbラインより自動添加した。また、泥水のソリッドコンテントの調整水には、シールド坑内水(主に坑内洗浄水)を用い、そしてこれを前記炭酸ナトリウムの水溶液として劣化防止装置12からbラインにより自動添加した。さらに調整槽3の泥水についてはその一部をマッドセパマシンと呼ばれる遠心分離機13(遠心力500G)にかけ、主に10μm以上の微細土粒子を分離除去し、処理した泥水を貯泥槽14に送り、裏込め注入にリサイクルした。そして、貯泥槽14の泥水は速やかに調整槽3に返送し、調整槽の泥水と混合した。本実施例における分散剤の添加量は掘削土量1m3当たりPANaが0.9kgで炭酸ナトリウムは2kgで、両者の純分重量比は1:2.22であった。また、坑内水の添加量は掘削土量1m3当たり0.1〜0.3m3であった。泥水の品質管理結果を図3〜図5に示すが、その結果を要約すると以下のようになる。
(1)泥水の比重は1.12〜1.20の範囲に管理され、その平均値は1.17であった。
(2)泥水の粘度は52〜77cpsの範囲で、その平均値は63となっており、泥水比重とともにほぼ一定に管理されていた。
(3)泥水中のPANaの純分濃度は490〜840ppmの範囲で、その平均値が670ppmとなっており、PANaの添加量、PANaと炭酸ナトリウムの添加割合が適切であったことが示された。又、炭酸ナトリウムの濃度は、約100リング毎に定期的に測定され、620〜1100ppmの範囲に管理され、その平均値は840ppmであった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、すなわち泥水式シールド工法、泥水推進工法および泥水輸送方式を併用した土圧式シールド工法等において特定の不飽和カルボン酸重合体塩と炭酸ナトリウムとを特定の割合で併用し、泥水中の不飽和カルボン酸重合体塩を特定濃度に維持することによって、泥水粘度の上昇を経済的かつ的確に防止することができる。またこれにより、土砂分離装置、特に遠心分離機の分級性能の低下が防止され、泥水比重の上昇を効率よく防止できるとともに、掘削効率を高めることができる。また、遠心分離された泥水は品質が一定であり、裏込め注入等のリサイクルなどに好ましく使用できる。さらに、従来の工法で必要であった、二次処理(余剰泥水の凝集脱水処理)工程が不要となり 、省人化ないし泥水処理設備の縮小が可能となる。また最終的には、泥水管理コストを大幅に低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の泥水式シールド工法における掘削用泥水の品質管理方法を示す工程図である。
【図2】 本発明の泥水式シールド工法における掘削用泥水の品質管理方法を示す工程図である。
1 切羽
2 土砂分離機
3 調整槽
4 清水槽
5 余剰泥水槽
6 混合器
7 凝集剤槽
8 スラリー槽
9 固液分離機
10 分離水槽
11 三次処理装置
12 劣化防止装置
13 遠心分離機
14 貯泥槽
15 裏込め注入プラント
a,b 分散剤の注入流路
【図3】本発明による泥水の品質管理結果を示す図である。
【図4】本発明による泥水の品質管理結果を示す図である。
【図5】本発明による泥水の品質管理結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 掘削用泥水に重合度500以下の不飽和カルボン酸重合体塩(a)と炭酸ナトリウム(b)を、それらの純分重量比(a):(b)が1:(0.5〜15)の範囲内で併用添加し、且つ泥水中の(a)の純分濃度を100ppm〜5000ppmの範囲内となるように維持管理する泥水管理工程を有し、
    切羽から送られた掘削土砂混じりの泥水から74μm以上の掘削土砂を分離された泥水を遠心分離機にかけて、そこに含まれる微細土粒子を分離除去する工程を併せて有することを特徴とする泥水を用いるトンネル掘削工法。
  2. 遠心分離機により微細土粒子を分離除去された泥水をリサイクル使用する工程を併せて有することを特徴とする請求項1記載の泥水を用いるトンネル掘削工法。
  3. 遠心分離機により微細土粒子を分離除去された泥水を裏込め注入剤または添加剤としてリサイクル使用することを特徴とする請求項2記載の泥水を用いるトンネル掘削工法。
  4. 遠心分離機により微細土粒子を分離除去された泥水に水を添加して微粒子の含有量の調整を行う工程を併せて有することを特徴とする請求項2記載の泥水を用いるトンネル掘削工法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、不飽和カルボン酸重合体塩が、ポリアクリル酸ナトリウムまたはアクリル酸とスルホン酸の共重合体のナトリウム塩であることを特徴とする泥水を用いるトンネル掘削工法。
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