JP3930783B2 - 振動特性測定方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種機器や部品などの被加振物に、振動試験機などの振動源から振動を与えて振動状態の機械的特性を測定する振動特性測定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、モータや原動機などの機械的な振動発生源を備える機器や、自動車などに搭載されて外部振動を受けやすい環境下で使用される機器を被加振物として、振動試験機などで振動を与え、振動特性の測定が行われている。内部や外部で発生する振動を受ける機器は、機械的な構造部分で共振現象などを生じる可能性がある。共振現象が顕著に発現すると、機械的な制御が困難になったり、耐久性の限界を超えて破壊に至りやすくなったりするので、振動に対する挙動を把握しておく必要があるからである。
【0003】
従来、外部振動に影響される被加振物の振動特性を測定する場合、被測定物となる被加振物には加振の加速度Gを測定する加速度ピックアップを貼付け、その出力電圧で振動の大きさを測定している。
【0004】
特開昭61−262622号公報の特許請求の範囲の第1項や第1図などには、サーボ駆動系で合焦方向とトラック方向とに移動可能な光ピックアップヘッドの可動部に生じる振動を、レーザドップラー型振動計を用いて非接触で検出する先行技術が開示されている。レーザドップラー型振動計は、光路を切換えて合焦方向とトラック方向との振動測定を可能とし、光ピックアップヘッドは移動テーブル上に設置して、測定位置の変更を可能にしている。振動測定は、光ピックアップヘッドの駆動部に与える電気信号と、レーザドップラー型振動計から出力される振動検出に対応する電気信号とを周波数分析器で信号処理して、電気信号間の利得や位相差を求めて行っている。
【0005】
なお、特開平10−82767号公報の[0015]−[0016]段落や図5などには、レーザドップラー振動計を応用する他の先行技術が開示されている。この先行技術では、振動発生器の架台上に載置してトマトやキウイなどの青果物に振動を与え、青果物の表面の振動を非接触で検出し、青果物に与えた振動との位相差を用いて青果物の熟度を測定する考え方が示されている。青果物に与えた振動は、加速度センサを架台に接触させて検出している。
【0006】
【特許文献1】
特開昭61−262622号公報
【特許文献2】
特開平10−82767号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来からの振動測定方法のうち、加速度ピックアップなどを被加振物に貼付ける方法では、質量を持った加速度ピックアップが被加振物に貼付けられることにより、振動状態が変るおそれがある。特に微小な部品や部位にはその影響が大きくなることや、加速度ピックアップ自体の取付ができないことが懸念され、実際に求めたい振動特性を得ることが困難である。また加振Gを測定することができたとしても、外部振動に対する位相遅れなどの振動特性を測定することはできず、実際にどのように被加振物が振動のふるまい(振動モード、変形モード)をしているかを把握することができない。
【0008】
特開昭61−262622号公報の先行技術では、振動の測定に加速度ピックアップを用いる必要がないので、微小な部品である光ピックアップの振動測定も充分に可能と考えられる。しかしながら、振動は光ピックアップを駆動部が移動させることによって発生するので、外部振動に対する振動特性を測定することはできない。自動車などに搭載したり、携行したりして使用する移動使用用の光ディスク装置などに使用する光ピックアップでは、外部振動に対する振動特性の測定も重要なはずである。
【0009】
特開平10−82767号公報に開示されている構成を、振動特性の測定に適用する場合には、架台の振動を加速度ピックアップと同様なものと考えられる加速度センサで検出し、被加振物である青果物の表面の振動はレーザドップラー振動計で検出している。加速度センサを貼付けても架台の振動状態には影響がないとしても、青果物に与える振動と青果物表面の振動とで検出原理が異なり、精度の高い振動測定は困難である。
【0010】
本発明の目的は、外部振動と被加振物との振動状態を非接触でそれぞれ検出し、測定系には全く影響を与えないで高精度な振動特性の測定が可能な振動特性測定方法および装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、振動源から被加振物に振動を与えながら、
振動源の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出を行いながら、
被加振物の表面にもレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出を行い、
振動源から検出される速度成分と被加振物から検出される速度成分とを同時に比較して、比較結果に従って被加振物の振動特性を測定することを特徴とする振動特性測定方法である。
【0012】
本発明に従えば、振動源から被加振物に振動を与えるので、被加振物は振動の周波数に応じて振幅や位相が変化する振動を行う。振動源の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出を行いながら、被加振物の表面にもレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出を行うので、被加振物に与えられる振動と、被加振物の表面の振動とを、同時に、かつ振動状態には影響を与えないような非接触で検出することができる。振動源から検出される速度成分と被加振物から検出される速度成分とを同時に比較して、比較結果に従って被加振物の振動特性を測定するので、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を取出すという同一の検出原理に基づく比較で、高い精度の振動特性の測定を行うことができる。
【0013】
また本発明は、複数の前記被加振物について同時に振動特性を測定することを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、複数の被加振物に対する振動特性の測定を、振動源に対する測定を共通化して、効率的に行うことができる。
【0015】
また本発明は、前記被加振物について複数の測定箇所で振動特性を測定し、被加振物の形状と測定箇所の位置との関係に基づいて、測定結果についての動画像を生成し、振動特性を視覚的に表示することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、被加振物について複数の測定箇所の振動特性の測定結果を、被加振物の形状に合わせて動画像として表示し、視覚的に判り易い状態で振動特性を表示することができる。
【0017】
さらに本発明は、被加振物に振動を与えるための振動源と、
振動源の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する振動源用レーザドップラ振動計と、
被加振物の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する被加振物用レーザドップラ振動計と、
振動源用レーザドップラ振動計および被加振物用レーザドップラ振動計から速度成分を検出した電気信号がそれぞれ入力され、速度成分の周波数分析結果を比較して、被加振物の振動の周波数特性を分析して、被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する周波数分析器とを含むことを特徴とする振動特性測定装置である。
【0018】
本発明に従えば、振動特性測定装置は、振動源と、振動源用レーザドップラ振動計と、被加振物用レーザドップラ振動計と、周波数分析器とを含む。振動源用レーザドップラ振動計は、被加振物に振動を与えるための振動源の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する。被加振物用レーザドップラ振動計は、振動源から振動が与えられる被加振物の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する。周波数分析器は、振動源用レーザドップラ振動計および被加振物用レーザドップラ振動計から速度成分を検出した電気信号がそれぞれ入力され、速度成分の周波数分析結果を比較して、被加振物の振動の周波数特性を分析して、被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する。同一の検出原理で被加振物に与えられる振動と被加振物の振動とを検出するので、被加振物への振動の入力と出力とは同等に検出することができ、振幅の比較に基づく利得や、位相差を精度良く求めることができる。
【0019】
また本発明で、前記周波数分析器は、
入力される前記速度成分の検出信号に演算処理を施して振幅成分を算出し、算出結果に基づいて、前記被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する演算手段を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明に従えば、演算手段はレーザドップラ振動計で検出する振動の速度成分に演算処理を施して振幅成分を算出し、被加振物の振動源に対する利得や位相差を出力するので、振動速度に関する振動特性を精度良く把握することができる。
【0021】
また本発明で、前記周波数分析器は、
入力される前記速度成分の検出信号に演算処理を施して加速度成分を算出し、算出結果に基づいて、前記被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する演算手段を含むことを特徴とする。
【0022】
本発明に従えば、演算手段はレーザドップラ振動計で検出する振動の速度成分に演算処理を施して加速度成分を算出し、被加振物の振動源に対する利得や位相差を出力するので、振動加速度に関する振動特性を精度良く把握することができる。
【0023】
また本発明で、前記周波数分析器は、
前記振動源の振動状態についての情報が予め入力され、前記被加振物の振動源に対する利得に基づいて、該被加振物の振動状態を表す振幅、速度または加速度のうちの少なくとも一つを把握する振動把握手段を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明に従えば、振動源から振動が与えられる被加振物の振動源に対する振動特性のうちの利得を用いて、被加振物の振動状態を表す振幅、速度、加速度などを把握することができる。
【0025】
また本発明で、前記振動把握手段は、任意の周波数における振動モードの把握が可能であることを特徴とする。
【0026】
本発明に従えば、被加振物の振動状態を表す振幅、速度、加速度などを把握して、任意の周波数における振動モードを把握することができる。
【0027】
また本発明は、前記被加振物用レーザドップラ振動計によるレーザ光の照射位置を、予め設定される経路で移動させる移動手段を含み、
該被加振物について複数部位の振動測定が可能であることを特徴とする。
【0028】
本発明に従えば、移動手段によって被加振物用レーザドップラ振動計によるレーザ光の照射位置を、予め設定される経路で移動させ、被加振物について複数部位の振動測定が可能であるので、被加振物の部位毎の振動特性などを容易に把握することができる。
【0029】
また本発明で、前記周波数分析器は、
前記移動手段によるレーザ光の照射位置が入力され、前記被加振物の振動の周波数特性を分析した結果を、前記複数部位に対応する動画像として表示する動画表示手段を含むことを特徴とする。
【0030】
本発明に従えば、被加振物の振動について周波数特性を分析し、被加振物上の複数部位に対応して動画像として表示するので、振動モードや変形モードなどの把握を容易化することができる。
【0031】
また本発明は、前記被加振物用レーザドップラ振動計から照射されるレーザ光の経路に配置され、該経路を折り曲げる反射ミラーを含むことを特徴とする。
【0032】
本発明に従えば、反射ミラーで直進するレーザ光の経路を折り曲げることができるので、直接レーザ光を照射して振動特性の測定が不可能な場所でも、被加振物の振動特性を非接触で測定することができる。
【0033】
また本発明は、前記被加振物の表面に貼付けられ、高反射率を有する反射手段を含むことを特徴とする。
【0034】
本発明に従えば、反射テープなど、高反射率を有する反射手段を被加振物の表面に貼付けるので、被加振物用レーザドップラ振動計での振動検出の際S/N(信号対雑音)比を向上させ、確実な振動検出を図ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態である振動特性測定装置1の概略的な電気的構成を示す。本実施形態では、加振する加振源2に載せられている被加振物3の振動特性を、非接触で測定することができる。プローブ4は外部振動源である源2の表面にレーザ光を照射し、反射光を受光することができる。プローブ5は、被測定物である被加振物3の表面にレーザ光を照射し、反射光を受光することができる。プローブ4およびプローブ5で検出される反射光の受光強度を表す電気信号は、ドップラ振動計6およびドップラ振動計7にそれぞれ取り込まれ、振動の速度成分を電気信号として出力される。ドップラ振動計6およびドップラ振動計7から出力される電気信号は、周波数分析器8にそれぞれ取り込まれ、内部で演算処理をすることによって、加振源2に対する被加振物3の速度、振幅、加速度の利得、位相差を求めることができる。被加振物3には、振動特性の測定対象となる機器や部品を用いることができる。
【0036】
本実施形態では、振動源である加振源2から被加振物3に振動を与えながら、プローブ4から振動源である加振源2の表面にレーザ光を照射し、反射光を受光する。同時に、プローブ5から、被加振物3の表面にもレーザ光を照射し、反射光を受光する。レーザ光を振動している物体の表面に照射すると、物体の表面が光源に接近するときと、光源から離反するときとで相対的な速度が異なり、反射光はドップラ効果によって変調される。ドップラ振動計6およびドップラ振動計7は、プローブ4およびプローブ5が受光する反射光から、速度成分の検出をそれぞれ行う。すなわち、プローブ4およびドップラ振動計6は、振動源である加振源2の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する振動源用レーザドップラ振動計として機能する。プローブ5およびドップラ振動計7は、被加振物3の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する被加振物用レーザドップラ振動計として機能する。周波数分析器8は、振動源用レーザドップラ振動計および被加振物用レーザドップラ振動計から速度成分を検出した電気信号がそれぞれ入力され、速度成分の周波数分析結果を比較して、被加振物の振動の周波数特性を分析して、被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する。
【0037】
振動源用レーザドップラ振動計および被加振物用レーザドップラ振動計は、加振源2から被加振物3に与えられる振動と、被加振物3の表面の振動とを、同時に、かつ振動状態には影響を与えないような非接触で検出することができる。周波数分析器8は、振動源から検出される速度成分と被加振物3から検出される速度成分とを同時に比較して、比較結果に従って被加振物3の振動特性を測定するので、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を取出すという同一の検出原理に基づく比較で、高い精度の振動特性の測定を行うことができる。
【0038】
たとえば加振源2が振動試験機の場合、一定の加速度Gで一定の周波数の振動や、周波数が連続的に変化する振動を加振源2から発生させることができる。被加振物3が加振源2に比較して小さければ、複数の前記被加振物3を加振源2上に載置して同時に振動特性を測定することもできる。プローブ5によるレーザ光の照射位置を複数の被加振物3の表面に順次的に移動させたり、各被加振物3毎にプローブ5およびドップラ振動計7を設けることによって、複数の被加振物3に対する振動特性の測定を、振動源に対する測定を共通化して、効率的に行うことができる。
【0039】
図2は、被加振物3の振動速度の利得についての周波数特性の一例を示す。被加振物3には、一般に複数の周波数f1,f2,…で共振が生じる。共振周波数での利得が高いと、制御が困難になったり、騒音となったり、破損等のおそれが生じたりするので、利得を抑えるように、振動のダンピングを図ったり、共振が複数の要素の共振周波数が一致しているために顕著化しているときは、要素の共振周波数をずらせるような対策が施される。
【0040】
加振源2が振動試駆機の場合、振動の周波数特性は、振動試験機から発生する振動の周波数を変化させて測定することができる。振動を評価する周波数特性としては、利得ばかりではなく、特開昭61−262622号公報の第3図や特開平10−82767号公報の図2−図4と同様に、位相差であってもよいことはもちろんである。
【0041】
図3は、図1に示す周波数分析器8の概略的な内部の電気的構成を示す。周波数分析器8は、演算手段11、振動把握手段12、表示手段13、位置制御手段14および動画処理手段15を含む。これらの各部分は、マイクロコンピュータやDSP(Digital Signal Processor)などのプログラ動作によって実現される。
【0042】
演算手段11は、入力される振動の速度成分の検出信号に演算処理を施して振幅成分を算出し、算出結果に基づいて、被加振物3の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する。演算手段11は、レーザドップラ振動計で検出する振動の速度成分に演算処理を施して振幅成分を算出し、被加振物3の振動源に対する利得や位相差を出力するので、振動速度に関する振動特性を精度良く把握することができる。振動把握手段12は、被加振物3の振動状態を把握しやすいように、表示手段13などを介して出力する。プローブ5の位置を移動する機構を設けて、位置制御手段14で制御し、被加振物3の表面上にある複数の部位について振動特性を測定するようにすることもできる。複数の部位についての測定結果は、動画処理手段15によって、振動モードや変形モードを視覚的に表す動画像として表示することもできる。
【0043】
また周波数分析器8の演算手段は、入力される振動の速度成分の検出信号に演算処理を施して加速度成分を算出し、算出結果に基づいて、被加振物3の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力するようにすることもできる。演算手段11がレーザドップラ振動計で検出する振動の速度成分に演算処理を施して加速度成分を算出し、被加振物の振動源に対する利得や位相差を出力するようにすれば、振動加速度に関する振動特性を精度良く把握することができる。
【0044】
さらに周波数分析器8は、振動試験機が発生する振動の振幅や周波数など、振動源の振動状態についての情報が予め入力され、被加振物3の振動源に対する利得に基づいて、被加振物3の振動状態を表す振幅、速度または加速度のうちの少なくとも一つを把握する振動把握手段12を含む。振動把握手段12によって、被加振物3の振動源に対する振動特性のうちの利得から、被加振物3の振動状態を表す振幅、速度、加速度などを把握することができる。
【0045】
図4は、図1の振動特性測定装置1を用いて行う振動特性の測定方法の手順を概略的に示す。ステップs0から手順を開始し、ステップs1では、振動試験機の動作を設定する。設定可能な項目としては、速度や加速度の振幅や周波数、またはその変化に関する事項がある。周波数を変化させる場合は、変化範囲や変化速度を設定することができる。ステップs2では、加振源2上に被加振物3を設置する。治具や固定具を用いて固定する場合もある。ステップs3では、プローブ4とブロー部5とをそれぞれ設置する。プローブ4は加振源2上をレーザ光が照射するように設定し、プローブ5は被加振物3の用面をレーザ光が照射するように設定する。プローブ4およびプローブ5からの出力信号は、ドップラ振動計6およびドップラ振動計7にそれぞれ入力するように接続する。ドップラ振動計6およびドップラ振動計7からの出力信号は、周波数分析器8にそれぞれ入力するように接続する。
【0046】
ステップs4で振動試験機を動作させて、加振源2による加振を開始する。ステップs5では、プローブ4,5およびドップラ振動計6,7によるレーザドップラ測定を行う。ステップs6では、周波数分析器動8の演算手段11などによる周波数分析が行われる。ステップs7では、周波数分析器8の振動把握手段12による振動把握が行われる。ステップs9で手順を終了する。
【0047】
本実施形態の測定系では、振動試験機1により加振源2に作用させる加速度Gが予め判っているので、加振源2の振幅は以下の(1)式で表すことができる。すなわち、加振力G、周波数f[Hz]時の振幅Xは、
【数1】
【0048】
たとえば、(1)式によって、1G、40[Hz]を作用させた場合の加振源2の振幅は0.155[mm0−P]と計算することができる。なお、[mm0−P]は、振動の大きさをゼロピークで表す。もし、図1に示す測定系において、加振源2に対する振幅の被加振物3の利得が10[dB]であると測定される場合、10[dB]は3.16倍に相当するから、被加振物3の振幅は、0.155×3.16=0.490[mm0−P]であると、計算で求めることができる。
【0049】
図5は、プローブ5から被加振物3の表面に照射するレーザ光の経路20を、反射ミラー21,22で折り曲げて、カバー3aなどで遮蔽されているために、上方からレーザを当てることができない場合に、測定可能にする構成を示す。反射ミラー21,22は、被加振物用レーザドップラ振動計から照射されるレーザ光の経路20に配置され、経路20を折り曲げることができるので、直接レーザ光を照射して振動特性の測定が不可能な場所でも、被加振物3の振動特性を非接触で測定することができる。
【0050】
図6は、プローブ5からのレーザ光の経路20に反射ミラー21を設置して、被加振物3の側面について振動を計測する状態を示す。このように反射ミラーを使用することによって、プローブ5からのレーザ光の照射方向とは異なる方向の振動検出も行うことができる。また、反射ミラーを移動させて、振動検出箇所を移動させることもできる。加振源2の振動を検出するプローブ4についても、同様に反射ミラーでレーザ光の経路を折り曲げることができる。
【0051】
なお、加振源2や被加振物3の表面には、反射テープなど、高反射率を有する反射手段を貼付けることが好ましい。反射テープなど、高反射率を有する反射手段を表面に貼付けることによって、レーザドップラ振動計での振動検出の際、S/N(信号対雑音)比を向上させ、確実な振動検出を図ることができる。
【0052】
また本発明は、前記被加振物について複数の測定箇所で振動特性を測定し、被加振物の形状と測定箇所の位置との関係に基づいて、測定結果についての動画像を生成し、振動特性を視覚的に表示することを特徴とする。
【0053】
図7は、図1の測定系において、(a)に示すように被加振物3の測定箇所を細分化して、それぞれの部位の加振源2に対する利得や位相差を求め、これらのデータにより任意の周波数における振動モードを把握し、(b)に示すように動画像として表示する状態を示す。図3に示すように、周波数分析器8には、動画処理手段15が含まれ、振動状態(振動モード)を動画像30にて視覚的に理解することを可能にする。
【0054】
すなわち、図7(a)に示すように、被加振物3について複数の測定箇所を細かく設定し、各測定箇所の加振源2に対する利得、位相差を周波数分析器8によって数値データとして算出する。図7(b)に示すように、各々のデータを動画処理手段15によるコンピュータ処理で、動画にて視覚的に把握できるようにする。被加振物3の振動について周波数特性を分析し、被加振物3上の複数部位に対応して動画像30として表示するので、振動モードや変形モードなどの把握を容易化することができる。
【0055】
以上の実施形態では、加振源2上に被加振物3を載置して全体的に振動を与えるようにしているけれども、静置した被加振物3の一部に振動を加える状態でも同様に振動特性を測定することができる。この場合、加える振動は、インパルス状でもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、振動源から被加振物に振動を与えて、被加振物が周波数に応じて振幅や位相が変化する振動を行うようにし、表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出する。振動源の表面にもレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出を行うので、被加振物に与えられる振動と、被加振物の表面の振動とを、同時に、かつ振動状態には影響を与えないような非接触で検出することができる。同一の原理で検出される振動の速度成分同士を同時に比較するので、高い精度で振動特性の測定を行うことができる。
【0057】
また本発明によれば、複数の被加振物に対する振動特性の測定を、振動源に対する測定を共通にして、効率的に行うことができる。
【0058】
また本発明によれば、被加振物についての振動特性の測定結果を、被加振物の形状に合わせて動画像として表示し、視覚的に判り易く振動特性を表示することができる。
【0059】
さらに本発明によれば、振動源用レーザドップラ振動計と、被加振物用レーザドップラ振動計とを用いて、被加振物への振動の入力と出力とを同等に検出し、周波数分析器で振幅の比較に基づく利得や、位相差を精度良く求めることができる。
【0060】
また本発明によれば、振動源用および被加振物用レーザドップラ振動計で検出する振動の速度成分に演算処理を施して振幅成分を算出し、被加振物の振動源に対する利得や位相差を出力して、振動特性を精度良く把握することができる。
【0061】
また本発明によれば、振動源用および被加振物用レーザドップラ振動計で検出する振動の速度成分に演算処理を施して加速度成分を算出し、被加振物の振動源に対する利得や位相差を出力して、振動特性を精度良く把握することができる。
【0062】
また本発明によれば、振動源から振動が与えられる被加振物の振動源に対する利得を用いて、被加振物の振幅、速度、加速度などを把握することができる。
【0063】
また本発明によれば、被加振物の振幅、速度、加速度などを把握して、任意の周波数における振動モードを把握することができる。
【0064】
また本発明よれば、被加振物用レーザドップラ振動計による被加振物へのレーザ光の照射位置を、予め設定される経路で移動させ、被加振物の部位毎の振動特性などを容易に把握することができる。
【0065】
また本発明によれば、被加振物の振動の周波数特性を分析し、被加振物上の複数部位に対応して動画像として表示するので、振動モードや変形モードなどの把握を容易化することができる。
【0066】
また本発明によれば、反射ミラーで直進するレーザ光の経路を折り曲げ、直接レーザ光を照射して振動特性の測定が不可能な場所でも、振動特性を非接触で測定することができる。
【0067】
また本発明によれば、反射テープなどを被加振物の表面に貼付け、被加振物用レーザドップラ振動計での振動検出の際S/N(信号対雑音)比を向上させ、確実な振動検出を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である振動特性測定装置10の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の振動特性測定装置10で測定される振動特性の一例を示すグラフである。
【図3】図1の周波数分析器8の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図1の実施形態で振動特性測定を行う概略的な手順を示すフローチャートである。
【図5】図1の実施形態で、レーザ光の経路を折り曲げる一例を示す図である。
【図6】図1の実施形態で、レーザ光の経路を折り曲げる他の例を示す図である。
【図7】図1の実施形態で、振動特性を動画像で表示するときの測定ポイントと画像とを示す図である。
【符号の説明】
1 振動特性測定装置
2 加振源
3 被加振物
4,5 プローブ
6,7 ドップラ振動計
8 周波数分析器
11 演算手段
12 振動把握手段
13 表示手段
14 位置制御手段
15 動画処理手段
20 経路
21,22 反射ミラー
30 動画像
Claims (12)
- 振動源から被加振物に振動を与えながら、
振動源の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出を行いながら、
被加振物の表面にもレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光の速度成分検出を行い、
振動源から検出される速度成分と被加振物から検出される速度成分とを同時に比較して、比較結果に従って被加振物の振動特性を測定することを特徴とする振動特性測定方法。 - 複数の前記被加振物について同時に振動特性を測定することを特徴とする請求項1記載の振動特性測定方法。
- 前記被加振物について複数の測定箇所で振動特性を測定し、被加振物の形状と測定箇所の位置との関係に基づいて、測定結果についての動画像を生成し、振動特性を視覚的に表示することを特徴とする請求項1または2記載の振動特性測定方法。
- 被加振物に振動を与えるための振動源と、
振動源の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する振動源用レーザドップラ振動計と、
被加振物の表面にレーザ光を照射し、ドップラ効果によって変調された反射光から速度成分を検出して電気信号として出力する被加振物用レーザドップラ振動計と、
振動源用レーザドップラ振動計および被加振物用レーザドップラ振動計から速度成分を検出した電気信号がそれぞれ入力され、速度成分の周波数分析結果を比較して、被加振物の振動の周波数特性を分析して、被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する周波数分析器とを含むことを特徴とする振動特性測定装置。 - 前記周波数分析器は、
入力される前記速度成分の検出信号に演算処理を施して振幅成分を算出し、算出結果に基づいて、前記被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する演算手段を含むことを特徴とする請求項4記載の振動特性測定装置。 - 前記周波数分析器は、
入力される前記速度成分の検出信号に演算処理を施して加速度成分を算出し、算出結果に基づいて、前記被加振物の振動源に対する利得または位相差のうちの少なくとも一方を出力する演算手段を含むことを特徴とする請求項4記載の振動特性測定装置。 - 前記周波数分析器は、
前記振動源の振動状態についての情報が予め入力され、前記被加振物の振動源に対する利得に基づいて、該被加振物の振動状態を表す振幅、速度または加速度のうちの少なくとも一つを把握する振動把握手段を含むことを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の振動特性測定装置。 - 前記振動把握手段は、任意の周波数における振動モードの把握が可能であることを特徴とする請求項7記載の振動特性測定装置。
- 前記被加振物用レーザドップラ振動計によるレーザ光の照射位置を、予め設定される経路で移動させる移動手段を含み、
該被加振物について複数部位の振動測定が可能であることを特徴とする請求項4〜8のいずれかに記載の振動特性測定装置。 - 前記周波数分析器は、
前記移動手段によるレーザ光の照射位置が入力され、前記被加振物の振動の周波数特性を分析した結果を、前記複数部位に対応する動画像として表示する動画表示手段を含むことを特徴とする請求項9記載の振動特性測定装置。 - 前記被加振物用レーザドップラ振動計から照射されるレーザ光の経路に配置され、該経路を折り曲げる反射ミラーを含むことを特徴とする請求項4〜10のいずれかに記載の振動特性測定装置。
- 前記被加振物の表面に貼付けられ、高反射率を有する反射手段を含むことを特徴とする請求項4〜11のいずれかに記載の振動特性測定装置。
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