JP3930295B2 - 有機塩素化合物含有機器の処理方法 - Google Patents

有機塩素化合物含有機器の処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3930295B2
JP3930295B2 JP2001347075A JP2001347075A JP3930295B2 JP 3930295 B2 JP3930295 B2 JP 3930295B2 JP 2001347075 A JP2001347075 A JP 2001347075A JP 2001347075 A JP2001347075 A JP 2001347075A JP 3930295 B2 JP3930295 B2 JP 3930295B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
pcb
isopropyl alcohol
organochlorine compound
trichlorobenzene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001347075A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003145122A (ja
Inventor
洋 鈴村
井上  健治
敏之 内田
崇彦 遠藤
和秀 金原
晃三 酒井
高義 浜田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2001347075A priority Critical patent/JP3930295B2/ja
Publication of JP2003145122A publication Critical patent/JP2003145122A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3930295B2 publication Critical patent/JP3930295B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning By Liquid Or Steam (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機塩素化合物含有機器の処理方法に関し、詳しくは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)等の有機塩素化合物を使用したトランスおよびコンデンサ等の機器の洗浄および解体等の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PCBの機器の処理方法としては、これまで、▲1▼トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン等の溶剤を用いて機器を洗浄し、PCBを機器から抽出分離する方法や、▲2▼機器を加熱し、PCBを気化して回収し、その後、PCB油として処理する加熱脱着法、▲3▼トランス等の機器に付着・含浸しているPCBを減圧下で加熱蒸発除去する真空加熱分離法、さらに、▲4▼蒸発器で連続的にPCBを850℃の高温下で蒸発させ、水素ガスをキャリアガスとして用い、蒸発した汚染油は気相水素還元法にて分解するエコロジック法等が開発されている。
このうち、上記の▲2▼、▲3▼、▲4▼は、すべて加熱脱着法であり、比較的小さいトランスや内部に充填されているコイル等の構造が簡単な場合には適用可能であるが、大きいトランスに適用する場合や複雑な形状のコイルやコンデサ、紙等へ適用することは難しく、多大なコストがかかるという問題がある。
【0003】
また、抽出分離法の一例として、特開平10−337591号公報がある。この方法では、先ず、第1の洗浄行程で、噴霧口よりトルエン等の有機溶媒を噴霧してトランスの内部の壁面などに付着しているPCBを洗い落とす。第1の洗浄行程で溶媒による内部洗浄を終えたトランスは、第2の洗浄工程へ送られる。第2の洗浄工程では、分解菌培養槽から分解菌培養液がトランス内に添加される。そして、攪拌装置によりPCBが溶け込んだ洗浄溶媒と培養液を混ぜ合わせる。培養液の添加後は、そのまま培養することにより、トランス中のPCBを分解菌により分解させる。
【0004】
しかし、上記の従来技術では、以下のような問題点がある。
(1)溶剤として、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、シクロオクタン、トルエン、フェノール、キシレン等が使用されている。また、PCBを含んだ溶剤液を処理する場合、予め、紫外線による分解や超音波による分解を行なった後、生物処理によりPCBを分解している。しかし、生物処理する場合には、菌の残物や栄養分のかす等が残り、生物処理した後に固形物の除去が必要となるという問題点がある。
(2)トランス中のPCBを溶解させるために、溶剤をトランス内に充満させている。しかし、溶解速度は、流体の流れに依存するため、溶解性が悪いという問題点がある。
(3)菌でPCB処理する場合には、培養液として多量の水が必要となる。そこで、上記のような溶剤と水の混合物が副生し、これらを分離するには連続蒸留等の設備や装置が必要となるという問題点がある。
(4)通常のトランスの内部は空洞ではなく、その構造は複雑であり、従来の特許のように攪拌装置や気体ポンプ他の装置を入れることはできないし、無理に入れても、内部の攪拌やバブリングの状態は均一とは程遠いという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点に鑑み、生物処理によらないため、菌に起因する固形物などが発生せず、また多量の水も必要としないため、処理工程を簡素化することができ、かつ高い溶解性を有し、トランス等の機器が複雑な場合でも有機塩素化合物を十分に洗浄することができる有機塩素化合物含有機器の処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方法は、有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物を抜き取った後、イソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する洗浄工程を含むことを特徴とする。
このように、有機塩素化合物の溶解度が高いイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンを用いることで、生物処理による洗浄に比べ、洗浄液の処理工程を大幅に簡素化でき、また、循環洗浄が可能になることで、有機塩素化合物の洗浄力を向上させることができる。
【0007】
ここで、本明細書において、有機塩素化合物とは、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩化ベンゼン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、塩化ビニル、ジクロロエタン、ペンタクロロエタン等の塩素を含む有機化合物をいい、特に、環境汚染への懸念がある化合物である。
また、有機塩素化合物含有機器とは、有機塩素化合物が充填された容器を含む概念であり、例えば、上記の化合物を使用した高圧トランス、高圧コンデンサ、低圧トランス、低圧コンデンサ等が挙げられる。
【0008】
また、本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方法は、有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、トリクロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する第1洗浄工程と、さらにその後、イソプロピルアルコールを用いて該機器の内部を循環洗浄する第2洗浄工程とを含むことを特徴とする。また、その逆として、有機塩素化合物を抜き取った後、イソプロピルアルコールを用いて該機器の内部を循環洗浄する第1洗浄工程を行った後、トリクロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する第2洗浄工程を行うこともできる。
このように、トリクロロベンゼンとイソプロピルアルコールとを併用して洗浄することにより、機器内の有機塩素化合物の濃度をより低下させることができる。
【0009】
また、本発明は、上記工程に加えて、洗浄工程を経た洗浄液から有機塩素化合物を分離してイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの再生液を得る再生工程をさらに含むことが好ましい。上記再生工程で得られたイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの再生液の少なくとも一部を、上記洗浄工程におけるイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンに加えることができる。
イソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼン中の有機塩素化合物の濃度が高くなるにつれ、有機塩素化合物の溶解度が低くなるため、イソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの一部を抜き出して、これを減圧蒸留等で有機塩素化合物を分離除去するかまたは,紫外線等を利用して含塩素有機化合物分解することにより、高い溶解度を維持しながら循環洗浄を行うことができる。
【0010】
さらに、本発明は、上記洗浄工程を経た機器あるいは機器に用いられる容器および該機器内の部品を解体して部材を得る解体工程と、その後、該部材に対してふき取り試験、洗浄液試験または部材採取試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃棄し、満たさない該部材はイソプロピルアルコールに漬けて、該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに溶解させる溶解工程とをさらに含むことが好ましい。
機器に内蔵されているコイル等の部品の形状が複雑である場合、外側からイソプロピルアルコールを供給しても、コイル内の有機塩素化合物は、イソプロピルアルコールと接触しないために溶解しない。そこで、機器および部品を部材に切断して、完全に表面が溶剤に触れるようにすることで、有機塩素化合物を洗浄することができる。
また、このように、解体された部材に対し有機塩素化合物の濃度を測定し、規制値を超える部材に対してのみ、溶解工程を行うことで、溶解工程を行う部材の量を減少させることができ、有機塩素化合物の処理工程の効率を向上させることができる。
【0011】
さらに、本発明は、上記溶解工程を経た部材を乾燥させた後、該部材に対してふき取り試験、洗浄液試験または部材採取試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃棄し、満たさない該部材は、再び、上記溶解工程を行うことが好ましい。
このようにして、部材が規制値を満たすまで溶解工程を繰り返すことで、有機塩素化合物含有機器を安全に処理することができる。
【0012】
また、本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方法は、有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、該機器および該機器内部の部品を解体して部材を得る解体工程と、該部材に対してふき取り試験、洗浄液試験または部材採取試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃棄し、満たさない該部材はイソプロピルアルコールに漬けて、該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに溶解させる溶解工程とを含むことを特徴とする。
このように、有機塩素化合物含有機器によっては、上記の洗浄工程を行わずに解体し、溶解工程によってのみ有機塩素化合物を除去することもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
第1の実施の形態
図1は、本発明に係る有機塩素化合物の機器の処理方法の一実施の形態を示す処理フロー図である。図1に示すように、先ず、PCB含有機器であるトランスに充填したPCBを、トランスから抜き取る。次に、イソプロピルアルコールによりトランス内部を循環洗浄する。そして、洗浄されたトランスは、密閉された空間で解体され、コンデンサやさらにその内部に存在するコイルなどの部材にまで分解される。これらの部材は、ふき取り試験法によりPCB量を測定する。規制値を満たす部材は、リサイクルされる。一方、規制値を満たさない部材は、イソプロピルアルコールに浸してPCBを溶解させる。そして、部材を乾燥させた後、再び、ふき取り試験を実施し、規制値を満たす部材はリサイクルされる。また、規制値を超える部材は、再度、イソプロピルアルコールに浸してPCBを溶解させる。この溶解は、規制値を満たすまで繰り返す。
【0014】
トランス内部の洗浄方法の一例を図2に示す。図2に示すように、先ず、トランス1の内部を洗浄するため、溶剤槽2の溶剤11を送液ポンプ3によりトランス1に循環供給して、PCBを溶解させる。ここでは、溶剤11として、イソプロピルアルコールを用いる。溶剤11に溶解したPCBを分離するために、溶剤槽2から溶剤11をポンプ4で抜き出し、蒸留装置5に送る。蒸留装置5では、PCBが濃縮されたPCB濃縮イソプロピルアルコール液12と、PCBを含まないイソプロピルアルコール再生液13とに分離される。PCB濃縮液12は、PCB用紫外線照射装置(図示省略)によってPCBを分解処理する。一方、再生液13は、配管により溶剤槽2に戻し、再び、トランス1の循環洗浄に用いられる。
【0015】
解体を行う処理場の一例を図3に示す。図3に示すように、トランス1の解体およびその部品の切断等を行うため、トランス1を密閉された部屋6内に持ち込む。ファン7により部屋6内から一定量の空気を吸い込み、そして活性炭槽8を通して放出する。これは、PCBを含んだ空気または液体が部屋6内にこもらないようにするためである。この密閉された部屋6内において、高圧水ジェットやガス切断機、水アークプラズマジェット等(図示省略)を利用して、トランス1の解体とコンデンサ等の内部に存在するコイル等の部品の分解を行なう。密閉されていることにより、ガス切断や高圧水による切断を行っても、PCBの外部への飛散を防ぐことができる。
【0016】
ふき取り試験としては、PCB除去後の部材について、所定の面積を溶剤(n−ヘキサン等)をふくませた脱脂綿等で拭き取ってPCB量(μg−PCB/100cm2)を測定する。PCB量は、PCB測定方法(昭和46年環告59号付表5、パックドカラムGC−ECD法)に準じての測ることができる。規制値としては、0.1μg/100cm2以下を採用し、これを満足する部材は、リサイクルまたは廃棄することができる。
また、ふき取り試験の他に、洗浄液試験または部材採取試験によってもPCB量を測定することができる。洗浄液試験の場合は0.5mg−PCB/kg以下の規制値を採用し、部材採取試験の場合は0.01mg/kg以下の規制値を採用する。
【0017】
部材の溶解方法の一例を図4に示す。図4に示すように、部材41は、イソプロピルアルコールを溶剤11としたPCB溶解槽42に入れて、PCBを溶解させる。溶剤11に溶解したPCBを分離するために、溶剤11をポンプ43で抜出し、蒸留装置44に送る。蒸留装置44では、PCBを濃縮したPCB濃縮イソプロピルアルコール液45と、PCBを含まないイソプロピルアルコール再生液46とに分離される。PCBを含まないイソプロピルアルコール再生液46は、配管によりPCB溶解槽42に戻し、再び、部材41のPCBを溶解させる。一方、PCB濃縮イソプロピルアルコール液45は、PCB用紫外線照射装置(図示省略)にて分解処理する。
PCBを溶解させた部材41は、PCB溶解槽42から取り出され、乾燥した後、再び、ふき取り試験を実施する。規制値を満たす部材は、リサイクル用材料とする。一方、規制値を満たさない部材は、規制値を満たすまで、この溶解工程を繰り返し行う。
【0018】
ここで、PCBの分解処理の一例として、図5にそのフロー図を示す。図5に示すように、KC−1000(KC−500(5塩化ビフェニル)70wt%、トリクロロベンゼン30wt%)を減圧蒸留51することにより分離したKC−500に、溶解槽52にて溶剤としてイソプロピルアルコールと水酸化ナトリウムを加え、紫外線分解53によりPCBを分解する。20℃におけるイソプロピルアルコールへのKC−500の溶解度は、1.6wt%程度であり、トランスの洗浄処理および溶解処理において、PCB抜き取り後に残存するPCBを溶解させるのに充分な溶解性を持っている。また、水酸化ナトリウムを加えて、溶剤をアルカリ性にすることで、PCBの溶解を促進することができる。そして、紫外線分解53の後、二相分離槽54によりイソプロピルアルコール相と水酸化ナトリウム相とに分離する。イソプロピルアルコール相は、蒸発・分離55し、分離されたイソプロピルアルコールは、再び溶解槽52に戻す。また、イソプロピルアルコールを除いた廃液は、生物処理56を経て放流する。水酸化ナトリウム相は脱水・脱塩57した後、再び溶解槽52に戻す。このようにして、PCBを分解することができる(特願2001−021786号)。
【0019】
第2の実施の形態
図6は、本発明に係る有機塩素化合物の機器の処理方法の一実施の形態を示す処理フロー図である。図6に示すように、先ず、PCB含有機器であるトランスに充填したPCBを、トランスから抜き取る。次に、トリクロロベンゼンによりトランス内部を循環洗浄する。そして、さらにイソプロピルアルコールによりトランス内部を循環洗浄する。このように洗浄されたトランスは、密閉された空間で解体され、コンデンサやさらにその内部に存在するコイルなどの部材にまで分解される。これらの部材は、拭き取り試験法によりPCB量を測定する。規制値を満たす部材は、リサイクルされる。一方、規制値を満たさない部材は、イソプロピルアルコールに浸してPCBを溶解させる。そして、部材を乾燥させた後、再び、ふき取り試験を実施し、規制値を満たす部材はリサイクルされる。また、規制値を満たさない部材は、再度、イソプロピルアルコールに浸してPCBを溶解させる。この溶解は、規制値を満たすまで繰り返す。
【0020】
トリクロロベンゼンとイソプロピルアルコールによるトランス内部の洗浄方法の一例を図7に示す。図2と同様な構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。図7に示すように、先ず、バルブ9、10を閉じて、バルブ29、30を開き、トランス1の内部を洗浄するため、溶剤槽22の溶剤31を送液ポンプ23によりトランス1に循環供給して、PCBを溶解させる。ここでは、溶剤31として、トリクロロベンゼンを用いる。溶剤31に溶解したPCBを分離するために、溶剤槽22から溶剤31をポンプ24で抜き出し、蒸留装置25に送る。蒸留装置25では、減圧蒸留により、PCBが濃縮されたPCB濃縮トリクロロベンゼン液32とPCBを含まないトリクロロベンゼン再生液33とに分離される。PCB濃縮トリクロロベンゼン液32は、上記したPCB用紫外線照射装置と同様の原理のトリクロロベンゼン用紫外線照射装置(図示省略)にて分解してベンゼンにして処理するか、または蒸留装置(図示省略)により規制値以下のPCB濃度にしたトリクロロベンゼン液として廃棄物処理する。一方、再生液33は、配管により溶剤槽22に戻し、再び、トランス1の循環洗浄に用いられる。
【0021】
次に、バルブ9、10を開き、バルブ29、30を閉じて、溶剤槽2にあるイソプロピルアルコールの溶剤11を送液ポンプ3によりトランス1に循環供給して、PCBを溶解させる。溶剤11に溶解したPCBを分離するために、溶剤槽2から溶剤11を蒸留装置5に送り、蒸留装置5で、PCB濃縮イソプロピルアルコール液12とPCBを含まないイソプロピルアルコール再生液13とに分離する。PCB濃縮イソプロピルアルコール液12は、PCB用紫外線照射装置(図示省略)によってPCBを分解処理する。一方、再生液13は、配管により溶剤槽2に戻し、再び、トランス1の循環洗浄に用いられる。
【0022】
トランスの解体や、ふき取り試験、部材の溶解は、第1の実施の形態と同様にして、実施することができるので、ここでの説明を省略する。
23℃におけるトリクロロベンゼンへのKC−500の溶解度は、43wt%程度であり、イソプロピルアルコールと比べて、トリクロロベンゼンの溶解度の方が高い。本実施の形態では、トリクロロベンゼンとイソプロピルアルコールを組み合わせて洗浄する方法を示したが、トリクロロベンゼンを単独で使用しても良い。
【0023】
【発明の効果】
上記したところから明らかなように、本発明によれば、生物処理によらないため、菌に起因する固形物などが発生せず、また多量の水も必要としないため、処理工程を簡素化することができ、かつ高い溶解性を有し、トランス等の機器が複雑な場合でも有機塩素化合物を十分に洗浄することができる有機塩素化合物含有機器の処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方法の一例を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る機器の洗浄方法の一例を示す概要図である。
【図3】本発明に係る機器の解体を行う処理場の一例を示す概要図である。
【図4】本発明に係る部材の溶解方法の一例を示す概要図である。
【図5】本発明に係るPCB分解処理を示すフロー図である。
【図6】本発明に係る有機塩素化合物含有機器の処理方法の一例を示すフロー図である。
【図7】本発明に係る機器の洗浄方法の一例を示す概要図である。
【符号の説明】
1 トランス(PCB含有機器)
2 溶剤槽
3 送液ポンプ
4 ポンプ
5 蒸留装置
6 密閉された空間
7 ファン
8 活性炭槽
11 溶剤(イソプロピルアルコール)
12 PCB濃縮イソプロピルアルコール液
13 イソプロピルアルコール再生液
22 溶剤槽
23 送液ポンプ
24 ポンプ
25 蒸留装置
31 溶剤(トリクロロベンゼン)
32 PCB濃縮トリクロロベンゼン液
33 トリクロロベンゼン再生液
41 部材
42 PCB溶解槽
43 ポンプ
44 蒸留装置
45 PCB濃縮イソプロピルアルコール液
46 イソプロピルアルコール再生液
51 減圧蒸留
52 溶解槽
53 紫外線分解
54 二相分離槽
55 蒸発・分離
56 生物処理
57 脱水・脱塩

Claims (8)

  1. ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩化ベンゼン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、塩化ビニル、ジクロロエタンまたはペンタクロロエタンである有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、イソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する洗浄工程と、上記洗浄工程を経た洗浄液から有機塩素化合物を分離してイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの再生液を得る再生工程とを含むことを特徴とする有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  2. ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩化ベンゼン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、塩化ビニル、ジクロロエタンまたはペンタクロロエタンである有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、トリクロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する第1洗浄工程と、さらにその後、イソプロピルアルコールを用いて該機器の内部を循環洗浄する第2洗浄工程とを含むことを特徴とする有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  3. ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩化ベンゼン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、塩化ビニル、ジクロロエタンまたはペンタクロロエタンである有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、イソプロピルアルコールを用いて該機器の内部を循環洗浄する第1洗浄工程と、さらにその後、トリクロロベンゼンを用いて該機器の内部を循環洗浄する第2洗浄工程とを含むことを特徴とする有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  4. 上記洗浄工程を経た洗浄液から有機塩素化合物を分離してイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの再生液を得る再生工程をさらに含むことを特徴とする請求項2または3に記載の有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  5. 上記再生工程で得られたイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンの再生液の少なくとも一部を、上記洗浄工程におけるイソプロピルアルコールまたはトリクロロベンゼンに加えることを特徴とする請求項1または4に記載の有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  6. 上記洗浄工程を経た機器および該機器内部の部品を解体して部材を得る解体工程と、その後、該部材に対して拭き取り試験、洗浄液試験または部材採取試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃棄し、満たさない該部材はイソプロピルアルコールに漬けて、該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに溶解させる溶解工程とをさらに含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  7. ポリ塩化ビフェニル(PCB)、塩化ベンゼン、パークロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、塩化ビニル、ジクロロエタンまたはペンタクロロエタンである有機塩素化合物が入った機器から該有機塩素化合物を抜き取る工程と、その後、該機器および該機器内部の部品を解体して部材を得る解体工程と、該部材に対して拭き取り試験、洗浄液試験または部材採取試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃棄し、満たさない該部材はイソプロピルアルコールに漬けて、該有機塩素化合物をイソプロピルアルコールに溶解させる溶解工程とを含むことを特徴とする有機塩素化合物含有機器の処理方法。
  8. 上記溶解工程を経た部材を乾燥させた後、該部材に対して拭き取り試験、洗浄液試験または部材採取試験を行い、規制値を満たす該部材はリサイクルまたは廃棄し、満たさない該部材は、再び、上記溶解工程を行うことを特徴とする請求項6または7に記載の有機塩素化合物含有機器の処理方法。
JP2001347075A 2001-11-13 2001-11-13 有機塩素化合物含有機器の処理方法 Expired - Fee Related JP3930295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001347075A JP3930295B2 (ja) 2001-11-13 2001-11-13 有機塩素化合物含有機器の処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001347075A JP3930295B2 (ja) 2001-11-13 2001-11-13 有機塩素化合物含有機器の処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003145122A JP2003145122A (ja) 2003-05-20
JP3930295B2 true JP3930295B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=19160136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001347075A Expired - Fee Related JP3930295B2 (ja) 2001-11-13 2001-11-13 有機塩素化合物含有機器の処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3930295B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007007583A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Toshiba Corp 汚染容器の洗浄方法及び洗浄装置
JP2010234194A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Tokyo Electric Power Co Inc:The 高濃度pcb汚染機器の前処理洗浄方法
JP5479791B2 (ja) * 2009-07-06 2014-04-23 三井造船株式会社 汚染機器の解体方法
JP5907776B2 (ja) * 2012-03-30 2016-04-26 東京電力株式会社 Pcbで汚染された大型機器の処理方法及びそれに用いる処理装置
JP5988233B1 (ja) * 2016-01-29 2016-09-07 有限会社加藤創研 ポリ塩化ビフェニル汚染変圧器の洗浄方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003145122A (ja) 2003-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009233654A (ja) 汚染機器の洗浄方法および洗浄システム
JP2002001062A (ja) ガス処理装置及びその方法
JP3930295B2 (ja) 有機塩素化合物含有機器の処理方法
JP2010137156A (ja) 紙素子からのイソプロピルアルコールの除去装置
JP3777941B2 (ja) 配電用柱上変圧器ケースの無害化処理方法
JP2008194660A (ja) 有機ハロゲン化合物内蔵機器の無害化処理方法
JPH09234338A (ja) 有機塩素化合物の光分解法
JP5145706B2 (ja) 電気機器絶縁油中のpcb無害化方法
JP3618685B2 (ja) 土壌・固形物・飛灰中の有機塩素化合物の処理方法及び装置
JP3872748B2 (ja) 洗浄方法およびその装置
JP2000299228A (ja) Pcb付着機器のpcb除去方法及びその装置
JP2003311231A (ja) 洗浄方法およびその装置
KR20050111543A (ko) 폴리염화비페닐이 함유된 절연유가 충진된 폐변압기의용기와 코어 세척장치
JP5112392B2 (ja) 汚染土壌中の有機塩素化合物の抽出方法
JP2002045825A (ja) Pcbが充填された電気機器または容器のpcb除染分解装置
JP2002301464A (ja) Pcb汚染物の浄化方法及び装置
JP4690953B2 (ja) オイルスクラバー洗浄油の逆流防止タンクを備える真空加熱装置
JP2011125795A (ja) 触媒再生可能な有機塩素化合物の連続無害化処理装置及び連続無害化処理システム
JP2007007583A (ja) 汚染容器の洗浄方法及び洗浄装置
JP2009279498A (ja) 汚染土壌の無害化処理方法および無害化処理システム
KR200405146Y1 (ko) 폴리염화비페닐이 함유된 절연유가 충진된 폐변압기의용기와 코어 세척장치
JP7140729B2 (ja) Tcbの蒸留分離装置及び方法
JP2002066498A (ja) 有機塩素化合物pcb油入りの容器及び部材類の洗浄処理方法
JP5383595B2 (ja) Pcb混入絶縁油の無害化処理設備
JP2004314029A (ja) 超音波洗浄によるpcb無害化システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050727

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050729

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees