JP3930036B1 - 微粒化方法、微粒化装置及び微粒化システム - Google Patents

微粒化方法、微粒化装置及び微粒化システム Download PDF

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Abstract

【課題】 微粒化処理を効率良く行うこと。
【解決手段】 微粒化対象の流体を導入口23から高圧流体にして導入し、導入した高圧流体を互いに平行配置された2つの分岐流路25,25で分岐させる。また、分岐させた高圧流体の流路を微小孔で絞り、噴射口57から2つの高速流体を噴射する。そして、噴射した高速流体を微粒化促進室41内で瞬時減圧し、これにより誘起するキャビテーションと旋回流の相互干渉により大きなせん断力を発生させ、微粒化を促進させる。
【選択図】図1

Description

本発明は液体中に混入した微粒子や微生物等(以下「微粒子等」という。)を拡散、撹拌、均一混合、乳化、分散、解砕、あるいは破砕(以下本明細書において「微粒化」と称す。)する微粒化方法とこの方法に用いられる微粒化装置及び微粒化システムに関するものである。
従来、液体からなる流体中に様々な物質や微粒子等を混合し、この混合液を微粒化する技術が知られている。その技術としては一般に混合液を超高圧(数十MPa〜数百MPa)でノズルから噴射させ、それを壁に衝突させたり、あるいはノズルからの噴射どうしを流路内で対向衝突させる等、超高圧流体による衝突作用を利用したものが多い。
この種の装置としては、例えば下記の特許文献1に記載された乳化装置や、特許文献2に記載された乳化装置等が知られており、多種多様のノズル構造が利用されている。前者の乳化装置は容器内で乳化すべき混合液をノズルから噴射し、その流路の方向を強制的に変更したり、あるいは混合液どうしを衝突させて乳化を行うものである。また、後者の乳化装置は容器内で乳化すべき一方の流体と他方の流体とを互いに反対方向から高速で衝突させ、その衝突により乳化が行われた流体を流出路から取り出すものである。
特許第2788010号公報
特許第2553287号公報
前述した従来の乳化装置では、超高圧の被処理液体を高速流に変換し、その高速流の流路を変更又は衝突させたりすることによって微粒化処理を進行させるようになっている。ところが、微粒化効果を得るための衝突用流路は、狭い通路で構成されているために圧力損失が大きい、つまり流量係数が小さく高速流が減衰されるという問題があった。これは、本来微粒化処理を進行させるために流体に与えられた高速流というエネルギーが、流路の途中で熱エネルギーに変化して失われてしまうということである。
また、従来の乳化装置におけるノズルでは、構造上圧力損失を小さくすることができない。従来のノズル構造によると発熱量が非常に大きく、人体に直接触れると火傷するほどの熱が発生する。その結果として大きな動力が必要になり、製品コストとエネルギーコストを増大させることにも繋がる。さらには流路が複雑な形状であるため、固形成分が中で凝固すると洗浄しにくい構造になっているという問題もある。
そこで、本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、特に微粒化処理を効率良く行うことができ、かつ、簡単な構造でメンテナンス性にも優れた噴射ノズル構造を採用した微粒化装置、微粒化システム、並びに微粒化方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明の微粒化方法は、混合液中に含まれた液体又は体からなる物質を微粒化する微粒化方法であって、前記混合液を加圧した高圧混合液を密閉ケースの一端から密閉ケース内へ直線的に延びる導入流路に導入し、前記導入した高圧混合液を前記導入流路に対して平行配置された複数の分岐流路で分岐させ、前記分岐させた複数の高圧混合液の分岐流路をそれぞれ微小孔で絞り、前記密閉ケースの他端から前記高圧混合液を噴射し、前記噴射した複数の高圧混合液を前記分岐流路の内径よりも大径の空洞部に満たされた前記混合液中で瞬時に減圧し、これにより誘起するキャビテーションと高速旋回流の相互干渉によって微粒化を行うことを特徴とするものである。
キャビテーションとは、液体の流れの中での圧力が急激に低くなったときに、液体が蒸発したり溶存気体の遊離で気体が生じたりして気泡が生じる現象、いわゆる空洞現象のことである。
本発明において、微粒化対象の流体とは、液体又は体からなる物質を含んだ液状流体をいい、物質として液体と液体を選択した場合は乳化が行われ、物質として固体と液体を選択した場合には分散、解砕、あるいは破砕が行われる。それぞれの中間的な目的に用いられた場合は、撹拌、均一混合とされる。
ここで、乳化とは親水液の疎水液中への微小液滴化や、疎水液の親水液中への微小液滴化等が示される。また、分散とは微粒子の金属酸化物、有機物、その他の無機物の凝集体の解砕が示され、破砕とは有機物又は無機物の単粒子の液体中での微細化が示される。
また、前記の目的を達成するため、本発明の微粒化装置は、混合液中に含まれた液体又は粉体からなる物質を微粒化する微粒化装置であって、密閉ケースの一端に開口し、前記混合液を加圧した高圧混合液を導入する導入口と、前記導入口から前記密閉ケース内へ直線的に延びる導入流路と、前記導入流路を分岐し、前記導入流路に対して平行配置された複数の分岐流路と、前記複数の分岐流路の各々を微小孔で絞り、前記密閉ケースの他端から前記高圧混合液を噴射する複数の噴射口と、前記複数の噴射口に連通し、前記分岐流路の内径よりも大径の空洞部に前記混合液が満たされてなる微粒化促進室と、を備えたことを特徴とするものである。
前記の構造からなる微粒化装置において前記噴射口が前記分岐流路内に設けられたオリフィスからなり、このオリフィスがセラミックス、超硬合金、ダイヤモンドの中から選ばれる超硬質素材により構成されていることが好ましい。
前記の構造からなる微粒化装置において、前記微粒化促進室に微粒化処理後の被処理液を排出する排出口が形成されていても良い。
また、前記目的を達成するため、本発明の微粒化システムは、混合液中に含まれた液体又は体からなる物質を微粒化する微粒化システムであって、前記混合液を収容する容器と、前記容器内の混合液を加圧して移送する圧送ポンプと、前記圧送ポンプにより移送された高圧混合液を導入し、これを微粒化して排出する請求項に記載の微粒化装置と、前記微粒化装置から排出された微粒化処理後の被処理液を貯留する貯留槽と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明において、噴射ノズルから噴射される混合液が高速旋回流を形成するためには、微粒化装置に導入する混合液について圧送ポンプを用いてその吐出導入圧力を1MPa〜300MPa程度の超高圧に加圧することが好ましい。
本発明によると、密閉ケース内に導入された微粒化対象の流体は互いに平行配置された複数の分岐流路で分岐し、その後、微小孔によって絞られた噴射口から噴射されて高速旋回流となる。そして複数の噴射口から噴射された高速旋回流が瞬時に減圧され、これにより誘起するキャビテーションと高速旋回流の相互作用によって大きなせん断力が発生し、効率良い微粒化処理が行われる。よって、粒子径の小さなシャープな分布の微粒化プロセスを実現できる。
また、本発明によれば、従来装置のような容器内に高速流の流路を変更又は衝突させる複雑な通路を形成する構造ではなく、高速流の直進性が維持される。すなわち、流体に与えられたエネルギーの損失が小さいので圧力損失を抑えることが可能となる。これにより微粒化処理に必要な動力も少なくて済み、製品コストとエネルギーコストの低減を図ることができる。しかも流体が通過する流路は直線的な通路による単純な構造であるため、流体抵抗による摩耗が少なく、また洗浄作業も簡単に行えるので、メンテナンス性に優れるという効果もある。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の微粒化装置を示す全体図、図2は同微粒化装置の正面図、図3は同微粒化装置における噴射ノズルを示す拡大図、図4は同噴射ノズルにおける噴射口付近の流体の流れを示す模式図、図5は同噴射ノズルにおける噴射口の他の形状を示す模式図、図6は同微粒化装置における流体の流れを示す図、図7は同微粒化装置を用いた微粒化システムを示す全体図である。
まず、微粒化装置の構成について説明する。
図1に示す微粒化装置10は、本発明の微粒化方法を利用して液体中に混入された微粒子等を微粒化するための装置である。この装置は本発明による噴射ノズル50を含むノズルアッセンブリー11と、ノズルアッセンブリー11の一端に連結された高圧配管12と、他端に連結された低圧配管13とから構成されている。
ノズルアッセンブリー11は、円柱形のフランジ21とケース22とからなる密閉ケース内に噴射ノズル50を収容したものである。密閉ケースはフランジ21とケース22の端面どうしを突き合わせ、フランジ21から挿通したボルト31をケース22に締結することで一体化されている。本実施形態では、図2に示すようにフランジ21の周縁部に等間隔で6個の切り欠き部を形成し、この切り欠き部からボルト31を軸線方向に締結してある。
フランジ21の軸心には導入口23が開口している。導入口23の口径は処理量に影響を及ぼさない範囲で大きくすることができる。また、導入口23には直線的に延びる導入流路24が連通しており、導入流路24の下流側は更に2つの流路に分岐され、導入流路24に平行な分岐流路25,25を設けてある。分岐流路25は導入流路24を中心とした対象位置に互いが平行になるように配置される。なお、本実施形態では分岐流路25の数を2つとしたが、これに限らず、例えばフランジ21の軸心周りに等間隔で3つ以上設けてあっても構わない。
フランジ21には導入流路24に直交する孔が設けられているが、この孔は導入流路24と分岐流路25とを連通する際に形成した加工用孔26である。したがって、この加工用孔26を塞ぐため、加工用孔26の開口端に雌ネジ32が形成されており、雌ネジ32には盲栓33がグランドナット34によってねじ込み固定されている。
前記構造からなるノズルアッセンブリー11は、その上流側に高圧配管12が連結される。その連結構造はフランジ21の端面中心部にも雌ネジ35を形成し、雌ネジ35に高圧配管12の一端をグランドナット36によってねじ込み固定したものである。
高圧配管12と導入口23との接合面にはテーパーシール構造を採用している。つまり高圧配管12の端面は先端に向かって狭くなるテーパー状とされ、導入口23の開口周縁部はこれよりも僅かに広角のテーパー角を有している。よって、両者を嵌合すると高圧配管12先端の角部が密着して隙間を確実に塞ぎ、密閉性が維持される。
このようにして、高圧配管12の開口端は導入口23に連通し、微粒化処理対象となる高圧流体が高圧配管12から導入口23を介して導入流路24内に導入されるようになっている。
ここで、噴射ノズルの構造を説明する。
図3に拡大して示すように、噴射ノズル50は、密閉ケースをフランジ21とケース22の結合構造にした関係上、フランジ21の端面に設けたシール部材とケース22の対向面に設けたアダプタ部材とを結合することによって構成されている。以下のシール部材とアダプタ部材はすべての分岐流路25について共通する構造である。
シール部材は円環状のガスケット51とそれと同径のシール52とからなる。両者はフランジ21の端面に形成した凹部に嵌め込まれる。一方、アダプタ部材はノズル本体53とノズルアダプタ54とからなる。両者はケース22の対向面に形成した凹部に嵌め込まれ、その中心に細孔55からなる流路が形成される。
そしてシール52とノズルアダプタ54との接合面にもテーパーシール構造を採用している。つまりノズルアダプタ54の端面は先端に向かって狭くなるテーパー状とされ、シール52の開口周縁部はこれよりも僅かに広角のテーパー角を有している。よって、両者を嵌合するとノズルアダプタ54先端の角部が密着して隙間を確実に塞ぎ、密閉性が維持される。
ノズル本体53の管内には微小孔を有するオリフィス56が設けられ、細孔55の流路が更に絞られている。よって、細孔55から噴射口57を通過する流体はその流速が上昇し、ノズル先端の噴射口57から高速流体に変換されて噴射される。オリフィス56の径は0.1〜2mm程度、長さは0.5〜1mm程度とするのが良い。また、ノズル本体53の先端は高速流体との抵抗を小さくすべくテーパー加工が施されている。なお、オリフィス56は高速流体との耐摩耗性を有するように、例えばセラミックス、超硬合金、ダイヤモンド等の超硬質素材により構成することが好ましい。
噴射ノズル50の下流側には低圧配管13が連結される。その連結構造は図1に示すようにケース22の端面に分岐流路25に比して極めて大径の開口部27を形成し、開口部27に低圧配管13の一端を嵌合したものである。
このようにして、低圧配管13の開口端は噴射口57に連通し、噴射口57から噴射された高速流体が低圧配管13の内部に排出されるようになっている。
低圧配管13の内部には空洞部からなる微粒化促進室41が設けられている。微粒化促進室41内は大気圧であるため、噴射口57から噴射された高速流体はその圧力が瞬時に降下する。このとき微粒化促進室41内が流体で満たされていると、図4に示すように複数の高速流体によるジェット流と旋回流が発生する。また、高速流体が瞬時に減圧されてキャビテーション現象が発生する。
したがって、微粒化促進室41内では、複数の高速流により誘起されたキャビテーションと旋回流との相互干渉によって大きなせん断力が発生し、これにより流体の微粒化処理が促進する。なお、一度に効率良く圧力降下を与えるためには、微粒化促進室41と分岐流路25とのサイズ比率が大きければ大きいほど良い。その基準としては、図3に示す微粒化促進室41の内径R1が分岐流路25の内径R2の200倍以上に設定されていることが好ましい。
また、噴射ノズル50から噴射される流体に確実な旋回流を発生させるために、噴射口57が分岐流路25の軸線に対し所定角度傾斜していても良い。図5は高速流体が分岐流路25の軸線に対して5°の傾きを持って噴射されるように噴射口57の角度を設定した例を示す。なお、噴射口57の傾斜角度についてはもちろん5°に限られるものではない。例えば噴射口57から噴射された高速流体がケース22や低圧配管13の内壁面に衝突しないような角度とすれば良く、その傾斜角度を適宜変更することが可能である。また、傾斜の向きについては外側でも内側でも良い。
さらに、本実施形態では低圧配管13の他端に排出口42を形成してある。排出口42は処理量に応じた口径とすることができる。これにより、微粒化促進室41の内部で微粒化処理された流体は排出口42を介して排出配管(図示略)へと排出される。
以上説明したように、本実施形態の微粒化装置10では特に噴射ノズル50をシール部材とアダプタ部材の2つの部材で構成し、両者を結合するフランジ21とケース22をボルト31で締結する構造を採用した。このため、装置の組立てや分解が簡単であり、消耗部品の交換作業も容易に行えるのでメンテナンス性に優れている。
次に、微粒化装置の作用について説明する。
図6に示す微粒化装置10において、微粒化すべき物質を含む高圧流体は高圧配管12から導入口23を介して導入流路24内に導入される。これが導入流F1である。
次に、この導入流F1は2つの分岐流路25,25によって分岐し、分岐したそれぞれの分岐流F2,F3は個別に噴射ノズル50内に導入される。このとき、分岐流路25内を流れる分岐流F2,F3は高圧状態を維持したままである。
噴射ノズル50内を流れる分岐流F2,F3は、図3で説明したように、細孔55から噴射口57を通過する際、微小孔によって流路を絞られてその流速が上昇する。これにより噴射口57を通過した流体は高速流に変換され、低圧配管13の内部の微粒化促進室41に噴射される。
微粒化促進室41は流体で満たされており、噴射ノズル50から噴射された流体は高圧状態から瞬時に減圧される。この瞬時減圧により、微粒化促進室41内にキャビテーション現象が発生する。また、このとき同時に2つの噴射口57,57から噴射された流体が合流し、ジェット流F4,F5と旋回流F6,F7との乱流状態を形成する。したがって、微粒化促進室41内においては、2つの高速流から誘起されたキャビテーションと高速旋回流の相互干渉によって大きなせん断力が発生し、流体の微粒化処理が効率良く進行する。
最後に、微粒化促進室41で微粒化処理された流体は、低圧配管13から排出口42を介して排出配管へと排出される。これが排出流F8である。
以上が微粒化装置の構成であるが、以下ではこの微粒化装置を用いた微粒化システムについて説明する。
図7に示す微粒化システム1では、前混合液(微粒化すべき素材を含む流体)を圧送ポンプ4により微粒化装置10へと圧送し、微粒化装置10内で乳化、分散、微粉砕、あるいは滅菌等の微粒化処理を行う。
より具体的に説明すると、微粒化システム1は水、親水性流体、疎水性流体を前混合液として収容するための容器2を有し、これに接続された弁3を閉じて容器2中に水、親水性流体、疎水性流体を入れて貯留・前混合を行う。容器2中での前混合が終了すると、弁3を開いて流量を調節し、圧送ポンプ4を起動する。圧送ポンプ4は前混合液を加圧して高圧流体とし、これを移送して微粒化装置10内へと導入するようになっている。前混合液は圧送ポンプ4によって1MPa〜300MPa程度の超高圧に加圧される。
圧送ポンプ4と微粒化装置10との間に設置された圧力計5は、微粒化装置10に導入する流体の圧力を監視するためのものである。また、微粒化装置10の下流側には貯留槽6が設けられており、微粒化装置10から排出された微粒化処理後の流体が貯留される。そして貯留槽6に接続された弁7を開いて流量を調節し、貯留槽6に貯留された微粒化処理後の流体を所定量ずつ回収できるようになっている。なお、それぞれの部品間は配管によって接続されている。
この微粒化システム1によれば、大掛かりな撹拌設備が不要である上に、微粒化装置10において効率良い微粒化処理が行えるので、粒子径の小さな均一分布の微粒化プロセスを実現できる。
[実施例]
最後に、本発明の効果について実施例を挙げて説明する。本発明の微粒化装置を用いて乳化と分散・破砕を行った実験結果を以下に示す。本発明の微粒化装置には前述した実施形態と同様な2つの噴射ノズルを有する装置を用いた。また、本発明の微粒化装置と同じ条件で比較した従来装置と、粒度分布測定に用いた測定装置は次のものである。
(従来装置)
回転型ホモジナイザー:回転型の一般的なホモジナイザー、N社製
高圧微粒化装置:高速衝突を微粒化原理とした装置、A社製
(測定装置)
マイクロトラック粒度分布測定装置MT−3300:測定原理はレーザー回析散乱法、日機装株式会社製
なお、評価方法はメジアン径の大小比較により行うものとした。
<乳化実験>
1.試料
(ア)大豆油(関東化学株式会社)
…10.0wt%
(イ)大豆レシチン(関東化学株式会社)
… 1.5wt%
(ウ)純水
…89.5wt%
2.前処理
(1)大豆油を所定量秤量し、大豆レシチンを所定量秤量する。そして、大豆油に大豆レシチンを溶解させる。
(2)純水を所定量秤量し、前記(1)で調合した大豆油を撹拌ホモジナイザーで5000rpmにて1分間予備乳化を行う。
(3)予備乳化品の粒子径を測定する。
3.本処理
(1)従来の高圧微粒化装置を使用して1pass,3pass,5pass処理し、各々の結果についての粒子径を測定する。なお、passとは処理サイクルを表わし、以下でも同様とする。
(2)本発明の微粒化装置を使用して1pass,3pass,5pass処理し、各々の結果についての粒子径を測定し、前処理結果と比較する。
<分散・破砕実験>
1.試料
(ア)酸化亜鉛(ハクスイテック株式会社)
…30.0wt%
(イ)分散剤(デモールEP:特殊カルボン酸型高分子界面活性剤、花王株式会社)
… 2.0wt%
(ウ)純水
…68.0wt%
2.前処理
(1)純水を所定量準備し、所定量秤量した分散剤を添加して溶解させる。
(2)前記(1)で準備した分散剤入り純水に所定量秤量した酸化亜鉛を添加し、撹拌ホモジナイザーで15000rpmにて5分間予備分散する。
(3)予備分散品の粒子径を測定する。
3.本処理
(1)従来の高圧微粒化装置を使用して1pass,3pass,5pass処理し、各々の結果についての粒子径を測定する。
(2)本発明の微粒化装置を使用して1pass,3pass,5pass処理し、各々の結果についての粒子径を測定し、前処理結果と比較する。
乳化実験結果と分散・破砕実験結果を下記の表に比較して示す。
Figure 0003930036
表1の乳化実験結果から、本発明の微粒化装置では従来の回転型ホモジナイザー及び従来の高圧微粒化装置と比較して微粒化効果が高められ、あわせて粒度分布範囲の狭い均質かつ良好な微粒化を達成できることが確認された。
Figure 0003930036
表2の分散・破砕実験結果から、本発明の微粒化装置では従来の回転型ホモジナイザー及び従来の高圧微粒化装置と比較して微粒化効果が高められ、あわせて粒度分布範囲の狭い均質かつ良好な微粒化を達成できることが確認された。
以上の実験結果を総合すると、本発明の微粒化装置によれば、乳化実験及び分散・破砕実験のいずれにおいても従来装置より微粒化効果が高められ、高効率な微粒化効果が得られることが判明した。
本発明は以下の産業分野において利用することが可能である。
・食品産業:乳脂肪の微粒化(乳化),香料の乳化・分散,高カロリー乳剤の乳化,細胞破砕,滅菌等
・医薬品産業:細胞破砕,菌類からの有用成分の抽出,乳化製剤の調製等
・化粧品産業:乳液の調製,顔料の分散,乳化剤無添加乳液の調製,リポソームの調製
・化学品産業:乳化重合製品の製造,トナーの分散,水性塗料の調製,有機・無機体の湿式分散及び破砕
・電子部品産業:有機・無機体の湿式分散及び破砕
・冶金産業:無機体の湿式分散及び破砕
・環境産業:水処理,汚泥処理
・電池産業:有機・無機体の湿式分散及び破砕
以上のように、本発明は様々な産業分野での用途が考えられる有益な発明である。
本発明の微粒化装置を示す全体図。 図1の微粒化装置の正面図。 図1の微粒化装置における噴射ノズルを示す拡大図。 図3の噴射ノズルにおける噴射口付近の流体の流れを示す摸式図。 図3の噴射ノズルにおける噴射口の他の形状を示す摸式図。 図1の微粒化装置における流体の流れを示す図。 図1の微粒化装置を用いた微粒化システムを示す全体図。
符号の説明
微粒化システム
2 容器
3 弁
4 圧送ポンプ
5 圧力計
6 貯留槽
7 弁
10 微粒化装置
11 ノズルアッセンブリー
12 高圧配管
13 低圧配管
21 フランジ
22 ケース
23 導入口
24 導入流路
25 分岐流路
26 加工用孔
27 開口部
31 ボルト
32 雌ネジ
33 盲栓
34 グランドナット
35 雌ネジ
36 グランドナット
41 微粒化促進室
42 排出口
50 噴射ノズル
51 ガスケット
52 シール
53 ノズル本体
54 ノズルアダプタ
55 細孔
56 オリフィス
57 噴射口
R1 微粒化促進室の内径
R2 分岐流路の内径
F1 導入流
F2,F3 分岐流
F4,F5 ジェット流
F6,F7 旋回流
F8 排出流

Claims (5)

  1. 混合液中に含まれた液体又は粉体からなる物質を微粒化する微粒化方法であって、
    前記混合液を加圧した高圧混合液を密閉ケースの一端から密閉ケース内へ直線的に延びる導入流路に導入し、
    前記導入した高圧混合液を前記導入流路に対して平行配置された複数の分岐流路で分岐させ、
    前記分岐させた複数の高圧混合液の分岐流路をそれぞれ微小孔で絞り、前記密閉ケースの他端から前記高圧混合液を噴射し、
    前記噴射した複数の高圧混合液を前記分岐流路の内径よりも大径の空洞部に満たされた前記混合液中で瞬時に減圧し、これにより誘起するキャビテーションと高速旋回流の相互干渉によって微粒化を行う
    ことを特徴とする微粒化方法。
  2. 混合液中に含まれた液体又は粉体からなる物質を微粒化する微粒化装置であって、
    密閉ケースの一端に開口し、前記混合液を加圧した高圧混合液を導入する導入口と、
    前記導入口から前記密閉ケース内へ直線的に延びる導入流路と、
    前記導入流路を分岐し、前記導入流路に対して平行配置された複数の分岐流路と、
    前記複数の分岐流路の各々を微小孔で絞り、前記密閉ケースの他端から前記高圧混合液を噴射する複数の噴射口と、
    前記複数の噴射口に連通し、前記分岐流路の内径よりも大径の空洞部に前記混合液が満たされてなる微粒化促進室と、
    を備えたことを特徴とする微粒化装置。
  3. 前記噴射口が前記分岐流路内に設けられたオリフィスからなり、このオリフィスがセラミックス、超硬合金、ダイヤモンドの中から選ばれる超硬質素材により構成されていることを特徴とする請求項2に記載の微粒化装置。
  4. 前記微粒化促進室に微粒化処理後の被処理液を排出する排出口が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の微粒化装置。
  5. 混合液中に含まれた液体又は粉体からなる物質を微粒化する微粒化システムであって、
    前記混合液を収容する容器と、
    前記容器内の混合液を加圧して移送する圧送ポンプと、
    前記圧送ポンプにより移送された高圧混合液を導入し、これを微粒化して排出する請求項4に記載の微粒化装置と、
    前記微粒化装置から排出された微粒化処理後の被処理液を貯留する貯留槽と、
    を備えたことを特徴とする微粒化システム。
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