JP3928403B2 - 反射ミラー付導波路及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射ミラー付導波路及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光部品として反射ミラー付導波路が強く望まれている。この導波路はコア層内を伝播する信号光を効率よく略直角に折り曲げて導波路の面に垂直な方向に伝播させることにより光信号を取り出したり、逆に導波路の表面若しくは裏面から信号光をコア層内に導入してコア層内を伝播させたものである。
【0003】
すなわち、導波路の表面(裏面)に取り付けられた面発光レーザのような平面発光素子からのレーザ光を導波路のコア層内に導いて伝播させたり、逆に導波路のコア層内を伝播する信号光を鉛直方向に取り出して受光素子に導く光ハイブリットデバイスや光・電気複合デバイス等の開発が望まれており、それには光信号を鉛直方向に折り曲げる導波路が必須である。
【0004】
このような垂直伝搬型導波路の構造として図6〜図8に示す構造が提案されている。
【0005】
図6は垂直伝搬型導波路の従来例を示す断面図である。
【0006】
同図に示す導波路130は、導波路130の上部に、例えば機械的にコア層131の光軸に対して45度傾斜させた溝132を形成し、その空気の層を有する溝132の内壁を反射面133としたものである。
【0007】
図7(a)は従来の垂直伝搬型導波路を用いた送受信モジュールの外観斜視図であり、図7(b)は図7(a)の発光素子近傍の側面図である。
【0008】
この送受信モジュール140は、マイクロ加工により導波路内にコア層の光軸に対して45度傾斜した全反射面141を形成したものである。この導波路140はポリイミドまたはガラスからなっている。
【0009】
図8(a)、(b)は従来の垂直伝搬型導波路の製造方法を示す図である。
【0010】
図8(a)、(b)に示すいずれの方法も導波路150の上部に、先端面が45度の傾斜面になるように加工された光ファイバ151を挿入するためのスルーホール152を形成し、このスルーホール152内に光ファイバ151が固定された光素子OESMDを挿入するか(図8(a))、あるいは光ファイバ151をスルーホール152内に挿入した後光素子OESMDを固定することにより、コア層153の途中にコア層153の光軸に対して45度傾斜した反射面154を設けるものである(図8(b))。
【0011】
図9(a)は導波路型方向性結合器の従来例を示す平面図であり、図9(b)は図9(a)の側面図である。
【0012】
この方向性結合器は、結合長Lの平行に配置された2つのコア層21、22間にギャップSをもたせて配置させることにより、例えば、ポート20−1から入射した光信号をポート20−2、20−3に等分配する光分岐回路、若しくは2つの波長の光信号を分波する光分波回路である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術には以下のような問題がある。
(1)いずれも構想であり、高寸法精度、高角度精度で微小寸法の溝や孔を形成することは極めて難しく、未だに低結合損失のものは実現されていない。
(2)マイクロ加工による全反射も構想であり、(1)と同様に実現されていない。
(3)反射面の形成に関しては伝搬する信号光をモニタしながら形成する方法が見出されていないので、低結合損失で再現性よく製造することは難しい。
(4)反射面は機械的若しくはレーザ照射により切削加工することにより形成されるので、高寸法精度での加工は極めて難しい。しかも加工中に最適な反射状態をモニタしながら加工する方法も確立されていない。
(5)曲率半径を小さくして曲線構造のコア層を形成することが難しいため、導波路型光部品の小型化が難しい。すなわち、図9に示す光回路において、ポート20−1(或いはポート20−2)から光信号を入射したとき、ポート20−3(或いはポート20−4)から光信号を低損失で取り出すには、コア層を大きな曲率半径R(通常、20mmから30mm程度)を有するS字形状に曲げたパターンを形成しなければならず、方向性結合器の面積が大きくなってしまう。
【0014】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、製造が容易で高精度の反射ミラー付導波路及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の反射ミラー付導波路は、クラッド層内に形成された光伝播用のコア層の所望の位置でコア層を伝播してきた光を任意の方向に反射させる反射ミラーを有する反射ミラー付導波路において、反射ミラーはコア層の所望の位置に固着形成された気泡からなり、上記気泡は固体であるコア層又は固体であるクラッド層に囲まれた密封空間であるものである。
【0016】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路のコア層は、集光点でクラッド層に気泡が生じない程度のエネルギーを有するパルス幅が1000フェムト秒以下の超短パルスレーザビームをクラッド層の所望位置に集光するように照射して直線状若しくは曲線状に高屈折率化されたものであってもよい。
【0017】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路は、反射ミラーは曲線状コア層の変曲点部に形成されているのが好ましい。
【0018】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路のコア層は2次元的若しくは3次元的に形成されていてもよい。
【0019】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路のクラッド層及びコア層は、アサーマルなガラス材料からなるのが好ましい。
【0020】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路のクラッド層は、基板上に形成されているのが好ましい。
【0021】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路は、反射ミラーの反射光路上にコア層に受光素子若しくは発光素子が実装されていてもよい。
【0022】
本発明の反射ミラー付導波路の製造方法は、クラッド層内に形成された光伝播用のコア層の所望の位置にコア層を伝播してきた光を任意の方向に反射させる反射ミラーを有する反射ミラー付導波路の製造方法において、集光点でクラッド層に気泡が生じる程度のエネルギーを有するパルス幅が1000フェムト秒以下の超短パルスレーザビームを、クラッド層内に集光するように照射し、その集光点部分を気化させることで密封空間からなる反射ミラーを形成するものである。
【0023】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路の製造方法は、集光点でクラッド層に気泡が生じない程度のエネルギーを有するパルス幅が1000フェムト秒以下の超短パルスレーザビームを、クラッド層の所望位置に集光するように照射して直線状若しくは曲線状に高屈折率化させてコア層を形成してもよい。
【0024】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路の製造方法は、反射ミラーを曲線状のコア層の変曲点部に形成するのが好ましい。
【0025】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路の製造方法は、コア層を2次元的若しくは3次元的に形成してもよい。
【0026】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路の製造方法は、コア層内に可視光を伝播させ、可視光をモニタしながら反射ミラーを形成してもよい。
【0027】
上記構成に加え本発明の反射ミラー付導波路の製造方法は、コア層内に可視光を伝播させ、可視光をモニタしながら超短パルスレーザビームの照射条件を制御するようにしてもよい。
【0028】
本発明によれば、クラッド層内に形成されている高屈折率の光伝播用コア層内に、クラッド層の外部から超短パルスレーザビームを照射・集光することにより、その集光点部分を気化させて、クラッド層内に閉じ込められた気泡からなる密封空間型の反射ミラーを形成することができるので、コア層内を伝播している光を任意の位置で反射ミラーで反射させて伝播させることができる。この結果、クラッド層の表面若しくは裏面に設けた発光素子からの光をコア層内に結合させることができる。また、コア層内を伝播している光をクラッド層の表面若しくは裏面に設けた受光素子に結合させることができる。
【0029】
同様に発光素子からの光を密封空間型の反射ミラーに効率よく導いて反射させることができる。
【0030】
反射ミラーは屈折率が1であるので、コア層内を伝播している光を垂直に折り曲げて効率よく伝播(全反射)させることができる。また、TEモード及びTMモードに対しても略同様に垂直に折り曲げることができる。さらに、密封空間型の反射ミラー内は一定の気圧(大気圧)で閉じた密封空間であるので、長期的に汚染されることもなく低損失で、かつ屈折率の変化がない。すなわち、光学的に極めて安定な反射ミラーとして作用する。
【0031】
また本発明によれば、超短パルスレーザビーム照射技術を用いてクラッド層内に高屈折率の光伝播用コア層を直線状パターン若しくは曲線状パターンに形成した後で長短パルスレーザビームを用いて曲線状パターンの変曲点部に密封空間型の反射ミラーを形成することにより、超短パルスレーザビーム照射で描画した曲線状パターンのコア層内を伝播する光の散乱損失を少なくして直角に曲げることが可能となる。また、2次元的若しくは3次元的に略直角に曲げることができるので、超小型の光回路を実現することができる。
【0032】
さらに本発明によれば、クラッド層及びコア層をアサーマルなガラス材料で構成し、そのクラッド層内に密封空間型の反射ミラーを形成することにより、温度依存性の少ない反射ミラー付導波路を得ることができ、長期的に反射条件の変動が少ない反射ミラーが得られる。
【0033】
さらに本発明によれば、アサーマルなガラス材料からなるクラッド層を基板上に形成することにより、低損失なクラッド層を気相化学反応法、スパッタリング法等で形成することができる。この結果、より低損失な導波路を得ることができる。しかも気相化学反応法、スパッタリング法等の方法を用いて形成したクラッド層は、ポーラスな膜であるので、密封部を容易に形成することができ、密封部の隙間をコア層の幅方向に形成することにより反射ミラーを形成することができる。
【0034】
さらに本発明によれば、反射ミラーの反射光路上にコア層に受光素子若しくは発光素子を実装することにより、反射ミラーと受発光素子との光結合を効率的に行うことができる。
【0035】
さらに本発明によれば、超短パルスレーザビームをクラッド層内に照射・集光することにより、任意の位置に反射ミラーを形成することができる。
【0036】
さらに本発明によれば、超短パルスレーザビームをクラッド層内に照射・集光することにより、反射ミラーを形成することができるので、コア層を小さい曲率半径で曲げても光曲げ損失を増加させることがない。
【0037】
さらに本発明によれば、2次元的若しくは3次元的に形成された曲線状コア層の曲率半径を小さくすることができるので、小型の導波路を得ることができる。
さらに本発明によれば、可視光をコア層内に伝播させながら反射ミラーを形成することができるので、高性能で低損失な反射ミラー付導波路が得られる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0039】
図1は本発明の反射ミラー付導波路の一実施の形態を示す透視図である。
【0040】
クラッド層(SiO2ガラス若しくはSiO2に屈折率制御用添加物を少なくとも一種類含んだもの、さらにはこれらに希土類元素を添加したガラス)1内に、このクラッド層より屈折率の高い直線状の光伝播層(コア層)2−1、2−2が(図では横方向に)形成され、コア層2−1、2−2に対し垂直な方向(図では上方向に)にコア層2−3が形成されている。これら略T字形状のコア層2−1〜2−3の交差部には、密封型の反射ミラー4がコア層2−2、2−3に対して45度の角度で形成されている。
【0041】
このような反射ミラー付導波路のコア層2−1に対し矢印3−1方向に光が入射すると、光はコア層2−1を伝播して反射ミラー4で全反射して90度に折り曲げられてコア層2−3を伝播し矢印3−3方向に取り出すことができるようになっている。
【0042】
なお、光伝播層2−1〜2−3は、予め公知の光導波路製造方法(低屈折率ガラス層形成、高屈折率ガラス層形成、フォトリソグラフィ、ドライエッチング、低屈折率ガラス層被覆等を用いた方法)で形成してもよい。また超短パルスレーザビームをクラッド層内に集光、照射しながらその照射した領域を高屈折率化して光伝播層となるコア層を形成してもよい。コア層2−1〜2−3は2次元的若しくは3次元的な直線パターン、曲線パターンからなるように構成されていてもよい。また、光分岐回路、光合波回路、光合分波回路、光スイッチ等の光信号処理回路を形成してもよい。また、コア層2−2、2−3からなるL字形状としてもよい。
【0043】
密封空間型の反射ミラーの形成は、超短パルスレーザビームの集光点でのエネルギーを高くすることにより、ガラスシート内に、密封された気泡を発生させ、その密封空間を所望の幅W、長さH、厚さDとなるように形成することにより実現できる。なお、密封空間の反射面は平坦面になるように形成される。
【0044】
反射ミラーを形成する際には、コア層2−2、2−3の各々から出射される矢印3−2、3−3方向の光をモニタし、矢印3−2方向の光がゼロ、矢印3−3方向の光が最大となるようにレーザビーム加工にフィードバックすることが好ましい。
【0045】
図2(a)は密封空間型の反射ミラーの側面図であり、図2(b)は図2(a)に示した反射ミラーの正面図である。
【0046】
この密封空間型の反射ミラー4は、コア層の光軸10−1に対して矢印10−2方向に90度反射させるために角度θが45度になるように形成されている。反射ミラー4の幅Wはコア層の幅(2μmから10μmの範囲)と同程度がそれより広くなるように形成される。長さHもコア層の厚さD(2μmから10μmの範囲)と同程度か長く形成される。反射ミラー4の厚さDは光信号の波長の2倍から5倍の範囲が好ましい。反射ミラー4の反射面は平坦にする必要があり、後述するように反射ミラー4を形成しようとするガラスシートを、高精度なXYZ移動ステージ上に固定し、XYZ移動ステージを移動させることにより行われる。
【0047】
図3は本発明の反射ミラー付導波路の製造方法の一実施の形態を示す説明図である。
【0048】
高精度のXYZ移動ステージ5の上にガラス導波路型光部品11が搭載され、固定されている。この導波路型光部品11は、基板6上に低屈折率ガラス層(クラッド層)7が成膜され、その低屈折率ガラス層7の中に低屈折率ガラス層7より屈折率の高い高屈折率のコア層2が形成されている。この光伝播層としてのコア層2の途中に密封空間型の反射ミラー4を形成する。この反射ミラー4の形成はガラス導波路型光部品11の上部に図には示されていない超短パルスレーザ光源(発振波長800nm)を配置し、その超短パルスレーザ光源からのレーザビーム8−1をレンズ9を介して高屈折率のコア層2の所望位置に集光するように照射しながらXYZ移動ステージ5を移動させて形成する。レーザビーム8−1のエネルギーは数百μJであり、低屈折率ガラス層7の内部に気泡を発生させることができた。また、レーザビーム8−1のエネルギーが数百μJ以下の場合には、低屈折率ガラス層7のレーザビーム8−1の照射領域は高屈折率化することが分かった(コア層形成エネルギーレベル)。
【0049】
従って、高屈折率のコア層を超短パルスレーザビーム8−1の照射で描画形成し、その後で密封空間型反射ミラー4を連続的に形成することができることが分かった。
【0050】
なお、超短パルスレーザビーム8−1のビーム径は1μm以下に絞り込んで照射するのが好ましい。
【0051】
図4(b)は本発明の反射ミラー付導波路の製造方法を適用した反射ミラー付導波路の他の実施の形態を示す側面断面図であり、図4(a)は図4(b)の4a−4a線断面図である。
【0052】
本反射ミラー付導波路12は、導波路型光部品の小型化を目的として密封空間型の反射ミラー4−1、4−2、4−3、4−4を多用したものである。
【0053】
すなわち、図8に示した従来の方向性結合器型光部品を密封型反射ミラーを用いて小型化したものである。従来のS字型パターンの曲率半径Rは数十mmであったが、本構成のように、曲率半径Rsの曲げ部の変曲点部に接するように密封空間型反射ミラー4−1〜4−4を設けることにより、曲率半径Rsの値を従来の曲率半径Rの10分の1以下に小さくすることができ、曲率半径Rsの曲げ部の代わりに直角に曲がったコア層としてそのコーナー部に密封空間型反射ミラーを形成してもよい。
【0054】
なお、13、14は受光素子若しくは発光素子であってもよい。また。図4に示したパターンは2次元構成以外に3次元構成であってもよい。
【0055】
図5は本発明の反射ミラー付導波路の製造方法の他の実施の形態を示す説明図である。
【0056】
本製造方法は、コア層2の所望位置に反射ミラー4を形成する際の所望位置を検出するものである。すなわち、矢印15−1方向からコア層2内に可視光(例えば633nmの赤色レーザ)を入射させて伝播させ、その可視光をレンズ9及びハーフミラー16を通して例えばCCDカメラ17で検出し、撮像領域を表示装置18に表示するようにしたものである。この表示により、コア層2の所望位置に超短パルスレーザビーム8−2を集光するように照射して密封空間型の反射ミラー4を形成するようにしたものである。
【0057】
検出、表示装置としては、共焦点レーザ顕微鏡、反射型レーザ顕微鏡、3次元ナノ空間顕微鏡(東京インスツルーメンツ社製)等を用いてもよい。また、可視光を導波路の出射端側から矢印15−2方向に取り出した光をモニタしながら密封空間型反射ミラーを形成してもよい。すなわち、矢印15−2方向の光の強度が最小になるようにすれば反射ミラーを形成しやすくなる。但し、このモニタだけでは反射ミラーの最適形成はできないので、CCDカメラ17でモニタした可視光が最大になるようにレーザビーム加工にフィードバック制御して行う必要がある。
【0058】
本発明は前記実施の形態に限定されない。クラッド層には、SiO2若しくはSiO2に屈折率制御用添加物を少なくとも1種類含んだもの以外に多成分系ガラス、アサーマルなガラス、これらのガラスに希土類元素を添加したガラス、或いはプラスチック材料等を用いることができる。
【0059】
超短パルスレーザビームとしては、本実施の形態では800nm帯を用いたが、波長帯が紫外域(260nm)から近赤外域(1600nm)で発振するレーザを用いることができる。そのパルス幅は1000フェムト秒以下の狭いパルス幅を用いるのが好ましい。また、その繰り返し周波数は数十kHzから数百kHzの範囲が好ましい。
【0060】
基板6には半導体、ガラス、セラミックス、プラスチックス、強誘電体等を用いることができる。
【0061】
また、図3及び図5に示した方法において、導波路型光部品を予め水平方向から45度傾斜させた状態で密封空間を形成するようにしてもよい。
【0062】
以上において、本反射ミラー付導波路及びその製造方法によれば、
(1)クラッド層内にクラッド層の外部から超短パルスレーザビームを照射することにより、密封空間型の反射ミラーを形成することができるので、コア層内を伝播する光を任意の位置で反射ミラーで折り曲げて伝播させることができる。この結果、クラッド層の表面若しくは裏面に設けた発光素子からの光をコア層内に結合させることができる。また、コア層内を伝播する光をクラッド層の表面若しくは裏面に設けた受光素子に結合させることができる。同様に、発光素子からの光を密封空間型の反射ミラーに効率よく導いて反射させることもできる。
【0063】
(2)密封空間型の反射ミラーは屈折率が1であるので、コア層内を伝播する光を直角に折り曲げて効率的に伝播させることができる。また、TEモード及びTMモードに対しても略同様に直角に折り曲げることができる。さらに、反射ミラー内は一定の気圧で閉じられた空間であるので、長期的に汚染されることがなく、低損失で、かつ屈折率の変化もない。すなわち、光学的に極めて安定な反射ミラーとして機能する。
【0064】
(3)クラッド層にエネルギーが数百mJ以下の超短パルスレーザビームを照射・集光することにより、高屈折率の光伝播用コア層を、直線状若しくは曲線状に形成した直後に、レーザビームを用いて曲線状コア層の変曲点部に密封空間型の反射ミラーを形成することができる。この結果、超短パルスレーザビームを照射して得られた曲線状のコア層内を伝播する光を、低散乱損失で直角に折り曲げることができる。また、コア層内を伝播する光を2次元的若しくは3次元的に略直角に折り曲げることができるので、超小型の光回路を実現することができる。
【0065】
(4)アサーマルなガラスクラッド層内にコア層及び密封空間型反射ミラーを形成することにより、温度依存性が少なく、反射条件の変動が少ない密封空間型反射ミラー付の導波路を実現することができる。
【0066】
(5)ガラスクラッド層を基板上に形成する場合、低損失なガラスクラッド層を気相化学反応法、スパッタリング法等で形成することができる。このため、より低損失な導波路が得られる。気相化学反応法、スパッタリング法等で得られたガラスクラッド層はポーラスな膜であるので、空隙部を容易に形成することができ、その空隙を幅方向に形成することにより、反射ミラーを得ることができる。
【0067】
(6)密封空間型の反射ミラーと受発光素子との光結合を効率よく行わせることができる。
【0068】
(7)コア層のパターンが複雑または3次元に形成されていてもクラッド層内の任意の位置に密封空間型反射ミラーを形成することができる。
【0069】
(8)曲線状のコア層の変曲点部に反射ミラーを形成できるため、変曲点部の曲率半径を小さくしても、光曲げ損失を増加させることがない。
【0070】
(9)2次元的、3次元的に形成された曲線状コア層を、その曲率半径を小さくして形成することができ、小型の導波路が得られる。
【0071】
(10)可視光をコア層内に伝播させながら密封空間型の反射ミラーを形成することができるので、高性能で低損失な密封空間型反射ミラーを形成することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、製造が容易で高精度の反射ミラー付導波路及びその製造方法の提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射ミラー付導波路の一実施の形態を示す透視図である。
【図2】(a)は密封空間型の反射ミラーの側面図であり、(b)は(a)に示した反射ミラーの正面図である。
【図3】本発明の反射ミラー付導波路の製造方法の一実施の形態を示す説明図である。
【図4】(b)は本発明の反射ミラー付導波路の製造方法を適用した反射ミラー付導波路の他の実施の形態を示す側面断面図であり、(a)は(b)の4a−4a線断面図である。
【図5】本発明の反射ミラー付導波路の製造方法の他の実施の形態を示す説明図である。
【図6】垂直伝搬型導波路の従来例を示す断面図である。
【図7】(a)は従来の垂直伝搬型導波路を用いた送受信モジュールの外観斜視図であり、(b)は(a)の発光素子近傍の側面図である。
【図8】(a)、(b)は従来の垂直伝搬型導波路の製造方法を示す図である。
【図9】(a)は導波路型方向性結合器の従来例を示す平面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【符号の説明】
1 クラッド層
2−1〜2−3 コア層
4 反射ミラー

Claims (13)

  1. クラッド層内に形成された光伝播用のコア層の所望の位置で上記コア層を伝播してきた光を任意の方向に反射させる反射ミラーを有する反射ミラー付導波路において、上記反射ミラーは上記コア層の所望の位置に固着形成された気泡からなり、上記気泡は固体であるコア層又は固体であるクラッド層に囲まれた密封空間であることを特徴とする反射ミラー付導波路。
  2. 上記コア層は、集光点で上記クラッド層に気泡が生じない程度のエネルギーを有するパルス幅が1000フェムト秒以下の超短パルスレーザビームを上記クラッド層の所望位置に集光するように照射して直線状若しくは曲線状に高屈折率化されたものである請求項1に記載の反射ミラー付導波路。
  3. 上記反射ミラーは曲線状コア層の変曲点部に形成されている請求項1または2に記載の反射ミラー付導波路。
  4. 上記コア層は2次元的若しくは3次元的に形成されている請求項1から3のいずれかに記載の反射ミラー付導波路。
  5. 上記クラッド層及びコア層は、アサーマルなガラス材料からなる請求項1から4のいずれかに記載の反射ミラー付導波路。
  6. 上記クラッド層は、基板上に形成されている請求項1から5のいずれかに記載の反射ミラー付導波路。
  7. 上記反射ミラーの反射光路上にコア層に受光素子若しくは発光素子が実装されている請求項1から6のいずれかに記載の反射ミラー付導波路。
  8. クラッド層内に形成された光伝播用のコア層の所望の位置に上記コア層を伝播してきた光を任意の方向に反射させる反射ミラーを有する反射ミラー付導波路の製造方法において、集光点で上記クラッド層に気泡が生じる程度のエネルギーを有するパルス幅が1000フェムト秒以下の超短パルスレーザビームを、クラッド層内に集光するように照射し、その集光点部分を気化させることで密封空間からなる反射ミラーを形成することを特徴とする反射ミラー付導波路の製造方法。
  9. 集光点でクラッド層に気泡が生じない程度のエネルギーを有するパルス幅が1000フェムト秒以下の超短パルスレーザビームを、上記クラッド層の所望位置に集光するように照射して直線状若しくは曲線状に高屈折率化させてコア層を形成する請求項8に記載の反射ミラー付導波路の製造方法。
  10. 上記反射ミラーを曲線状のコア層の変曲点部に形成する請求項8または9に記載の反射ミラー付導波路の製造方法。
  11. 上記コア層を2次元的若しくは3次元的に形成する請求項8から10のいずれかに記載の反射ミラー付導波路の製造方法。
  12. 上記コア層内に可視光を伝播させ、該可視光をモニタしながら上記反射ミラーを形成する請求項8から11のいずれかに記載の反射ミラー付導波路の製造方法。
  13. 上記コア層内に可視光を伝播させ、該可視光をモニタしながら上記超短パルスレーザビームの照射条件を制御する請求項8から12のいずれかに記載の反射ミラー付導波路の製造方法。
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