JP3926550B2 - 柑橘類廃棄物又は該柑橘類廃棄物と茶殼廃棄物の好気性醗酵処理方法 - Google Patents

柑橘類廃棄物又は該柑橘類廃棄物と茶殼廃棄物の好気性醗酵処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蜜柑,八朔,柚子,かぼす,すだち等の柑橘類の廃棄物、又は、緑茶,紅茶,ウーロン茶等の各種茶類の抽出残渣である茶殼廃棄物の処理方法に関するものであり、特に、自然界に存在する好気性醗酵菌を利用した好気性醗酵よって、これらの廃棄物を分解処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蜜柑,八朔,柚子,かぼす,すだち等の柑橘類は、産地から、それ自体が商品として出荷されると共に、その果汁を飲料或いは調味料として商品化したり、蜜柑や八朔においては、果実を缶詰その他の加工食品として商品化されている事は周知の通りである。
【0003】
一方、産地においては、収穫した柑橘類を、大きさ,形状及び表面傷の有無等の観点から所定の基準に基づいて選別し、良品のみが商品として出荷され、不良品は他の用途に廻されるか廃棄処分されている。又、果汁製造工程においては、新鮮な柑橘類を圧搾して果汁のみを収集し、皮部を主体とする残部は、廃棄処分され、更に、加工食品製造工程においては、果実以外の皮部等は廃棄処分されている。
【0004】
これらの廃棄物は、産地においては果樹園に放棄したり、土中に埋めたりしているのが一般的であり、又、果汁加工や缶詰工場においては、圧搾残渣や皮部等の不要部分を、他の廃棄物と一緒にして焼却処分しているのが一般的な処分方法である。
【0005】
又、近年のペットボトル飲料や缶飲料の普及に伴い、緑茶,紅茶,ウーロン茶等の各種茶類が、飲料水工場において大量に抽出処理される結果、大量の茶殼廃棄物が発生しており、この茶殼廃棄物の殆どが、焼却処理されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
係る従来の処分方法において、柑橘類廃棄物を果樹園に放棄した場合には、自然腐敗による分解処分法とも言えるものであるが、青かびが発生して環境的にも好ましくない。又、地中に埋める方法では、地中に於ける自然腐敗による分解処分であり、表面的には分からないが、柑橘類に含有されている酸性物質によって土壌が酸性化してくる問題がある。
【0007】
又、加工工場で発生する柑橘類廃棄物や前記茶殼廃棄物を焼却処分する方法においては、水分を多量に含むこれら廃棄物を焼却するには、多量の燃料油が必要となり、地球環境の観点からも賢明な方策とは言い難い。
【0008】
従って、係る廃棄物を、環境に悪影響を与える事なく簡便な方法で処理でき、且つ、好ましくは該廃棄物を環境に有用なものに転換可能な技術の出現が望まれている。
【0009】
そこで本発明は、係る現状に鑑み、柑橘類廃棄物及び茶殼廃棄物を簡便な方法で有用物に転換可能な方策を提供する事を目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、係る観点の元になされたものであって、その基本思想とするところは、前記柑橘類廃棄物又は茶殼廃棄物を他の廃棄物を用いて処理する事により、その殆どを消滅させると共に、一部は、有価物である有機肥料に転換させる点にある。即ち、本発明は、柑橘類廃棄物又は茶殼廃棄物を他の廃棄物である籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草,干し草,剪定枝,廃木材或いは腐植土,腐葉土の群から選ばれた1種以上の補助材料の粉砕物を用いて好気性醗酵処理するものであって、具体的には、前記補助材料を、加圧しつつ擦り潰しながら破砕及び粉砕して大気中に押し出す様にしてなるスクリュー式粉砕装置によって粉砕処理して得られた粉砕物を醗酵助材とし、柑橘類の廃棄物を前記スクリュー式粉砕装置によって粉砕処理して柑橘類粉砕物とし、該柑橘類粉砕物又は該柑橘類粉砕物と茶殻廃棄物、及び前記醗酵助材とを、攪拌手段を備えた醗酵槽内に投入して攪拌混合すると共に、該醗酵槽内に通気しつつ、如何なるバクテリアの添加を行う事なく、好気性雰囲気下で前記混合物を醗酵処理するものである。これにより、柑橘類廃棄物又は茶殼廃棄物は、殆ど炭酸ガスと水に分解して消滅させる事が可能となる。
【0011】
尚、前記茶殼廃棄物を、前記スクリュー式粉砕装置によって粉砕処理した後に、前記醗酵槽に供給する様にすれば、該茶殻廃棄物の分解速度も高める事が容易となる。又、前記廃棄物の粉砕物を前記醗酵槽内に供給するに当り、前記醗酵助材と混合して供給するのは醗酵促進の観点から好ましい方式であり、更に、前記廃棄物と前記補助材料とを、前記スクリュー式粉砕装置に同時に供給して同時に粉砕処理する事により、両者の混合物を形成するのも好ましい態様である。
【0012】
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。先ず、本発明の基本思想について説明すると、本発明では、柑橘類廃棄物又は茶殼廃棄物(以下、両者を総称して単に「廃棄物」と記載する場合がある)を分解処理するに当り、好気性醗酵菌として市販されている各種バクテリアを使用する事なく醗酵処理するもので、好気性醗酵菌としては、その処理環境に存在する(被処理体に付着している)各種好気性醗酵菌を利用する点を第一の基本思想とし、更に、前記廃棄物の好気性醗酵に当り必要な水分調整材及び醗酵菌床材としての醗酵助材として、他の廃棄物である籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草,干し草,剪定枝,廃木材或いは腐植土,腐葉土の群から選ばれた1種以上の粉砕物を用いる点、即ち、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物を他の廃棄物によって処理する事により、その大部分を消滅させてしまう点に第二の基本思想がある。
【0014】
先ず、上記第一の基本思想について説明すると、自然界においては、好気性醗酵菌(好気性バクテリア)は、その地域の環境に適した種々の菌群が生息しているのであって、人為的に培養した市販の分解用バクテリアとは、根本的に性質の異なるものである。即ち、バクテリアと雖も生物であるから、その地域で発生した廃棄物は、その地域の環境(気候,風土)に適した分解菌で分解処理するのが最適な方法であり、人為的に培養した分解菌は、特定の環境下では有効であっても、他の環境では必ずしも有効ではないとの思想に立脚し、その地域に相応しい分解菌を有効に利用するもので、具体的には、前記柑橘類廃棄物茶殼廃棄物及び醗酵助材等に付着乃至は生息している分解菌を活用するものである。
【0015】
特に、前記醗酵助材として、腐葉土,腐植土の粉砕物を用いれば、これ自体に無数の各種分解菌が生息しているので、前記醗酵処理は極めて効果的に進行する事になる。即ち、腐植土は、植物が自然界において不完全に分解して種々の分解段階にある有機物の混合体であり、換言すると、種々の分解菌が活動途上にある分解菌群とその菌床と言える。又、腐葉土は、落ち葉が自然界において分解して出来た土であり、腐植土と同様に種々の有機物の混合体であって、種々の分解菌群とその菌床を大量に含んだ土状物と言える。これらは森林の地表面において多く見られるものであり、特筆すべきは、その地域の環境に適した種々の分解菌群が生息しているものであって、人為的に培養した市販の分解用バクテリアとは根本的に異なるものである。
【0016】
又、本発明の被処理体は、1ケ所で集中的に発生し得る柑橘類廃棄物又は茶殼廃棄物の単種であり、一般の生ゴミの如く多種多様な廃棄物の混合物ではないので、一端、これら廃棄物の分解に適したバクテリアが醗酵を始めると、他のバクテリアを駆逐して、該廃棄物に適したバクテリアのみの増殖が速やかに進行し、分解処理が一層進行し易くなる好循環が形成される事になる。
【0017】
又、好気性醗酵処理には、被処理体の水分調整が重要な要素であり、水分が多過ぎると好気性環境が失われて嫌気性醗酵が生じ、所謂「腐敗」が生じる。そこで、好気性環境を維持するために、従来から種々の提案がなされている。その代表的な方式として、「オガ屑」を生ゴミに添加混合して水分調整を行いつつ好気性醗酵させる方式がある。木材自体は比較的吸湿性が高いので、木質粉体物の一種であるオガ屑は、一般的には吸湿性に優れており、水分調整材として有効であると考えられている。しかしながら、実際の使用に当たっては、オガ屑は比較的早い時期に水分吸収能の限界に達するため、多量のオガ屑を必要とするが、オガ屑自体は製材所で発生する廃棄物であって、その量には限りがあり、更に、その大量輸送はコスト的にも問題がある。そこで、本発明では、前述の廃棄物からなる補助材料を、スクリュー式粉砕装置という特定の粉砕手段によって粉砕する事により、オガ屑よりも遙かに吸湿性の高い粉砕物を生成させて、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の発生地又はその近傍で発生する前記補助材料(廃棄物)の処理を兼ねて該廃棄物を処理するものである。
【0018】
以下に、本発明について図面を用いて説明する。先ず、図1は、本発明の廃棄物の処理方法を実施するための醗酵処理装置の一例を示す要部断面概略図であって、該装置は、廃棄物処理装置の本体部である醗酵装置Aと、前記補助材料を粉砕処理して醗酵助材を形成するためのスクリュー式粉砕装置Bとから構成されている。
【0019】
先ず、本発明の特徴の一つである補助材料の粉砕に使用される前記スクリュー式粉砕装置Bの構造と作用について説明する。該スクリュー式粉砕装置Bは、図示の如く、基台40に設置された架台39上に搭載されており、補助材料の投入口となるホッパ46を一端に有する円筒状のシリンダー41内にスクリュー42が装入されており、該スクリュー42の先端部42aには、前記シリンダー41の他端部に固着され且つ多数の小孔47を有するトップカバー44が配置されている。前記シリンダー42のシャフト48の端部は、駆動装置(モーター及び減速機)49に接続され、これによりスクリュー42は回転可能となっている。補助材料として剪定枝等の比較的大きなものを用いる場合には、事前に適当な大きさ、例えば5〜10cm以下の大きさにチッパー等により破砕されている補助材料を、前記ホッパ46から投入すると、該補助材料は、シリンダー41内に落下してスクリュー42の回転により前方に送られつつ後述する様に内部で破砕と擦り潰し粉砕を受け、前記トップカバー44の内面に摺接する如く前記スクリュー42の先端部内側に配置されたカッター45によって繊維質が切断されて、前記トップカバー44の小孔47から装置外に押し出される様になっている。補助材料が、籾殻,稲藁,麦藁,干し草或いは腐葉土,腐植土の如く比較的小さなものの場合には、そのまま前記ホッパ46より前記シリンダー41内に投入する事が可能である。ここで、前記スクリュー42のスクリュー羽根ピッチは、先端程狭く形成されているので、シリンダー41内の被処理体は、前方に送られるに連れて加圧されつつ粉砕され、前記小孔47からは大気中に噴出する如く押し出される様になっている。
【0020】
図2は、スクリュー式粉砕装置Bの先端要部断面図であり、同図に示している様に、スクリュー42の先端部42aは、シリンダー41前面に固定され且つ多数の小孔47を有するトップカバー44の中心にベアリング部材52を介して回転自在に保持されており、その内側には前記トップカバー44の内面に摺接する如くカッター45が固着されてスクリュー42と共に回転する様になっている。又、シリンダー41の内面には、複数条の剪断刃部材43が、適当な間隔、例えば45°間隔で該シリンダーの長手方向に沿って配置されており、前記剪断刃部材43と前記スクリュー42との間で、シリンダー内に投入された補助材料が破砕と擦り潰し作用による粉砕を受ける様になっている。
【0021】
即ち、図3(a)は、図2のイ−イ断面図であって、同図に示している様に、シリンダー41の内面には、同図(b)に示している如くテーパー状刃面43bを有するバー状の剪断刃部材43が配置され、前記シリンダー41を貫通して設けられたボルト57を前記剪断刃部材43に適宜形成されたネジ穴43aに螺合させて、該剪断刃部材43をシリンダー内面の所定位置に固着する様になっている。
【0022】
図4は、前記剪断刃部材43とスクリュー42とによって、被処理物56が破砕,粉砕される様子を概念的に示したものである。先ず同図(a)に示している様に、スクリュー42の回転によって運ばれて来た被処理物56は、スクリュー42の外周部と前記剪断刃部材43とに挟まれる状態となる。次に同図(b)に示している様に、該被処理物56は、スクリュー42の回転(図中矢印方向)によって、該スクリューの外周部と前記剪断刃部材43の剪断刃面43bとの間で剪断力を受け、同図(c)に示している様に、引き千切られる様にして破砕される。同時に同図(b)に示している様に、前記スクリュー42の外周面と前記剪断刃部材53のテーパー状剪断刃面43bと間に存在する被処理物56は、両面の相対運動により擦り潰し作用を受けて被処理物中の繊維質はほぐされつつ粉砕されていく事になる。以上の様にして、シリンダー内に投入された被処理物(補助材料)は、次第に小片に破砕されつつ擦り潰し作用によって、より小さな粒子へと粉砕されてゆく事になる。特に、前記スクリュー42のスクリュー羽根ピッチは、前方程狭くなっているので、スクリューの前方にいく程、スクリューの回転力によって被処理物は圧縮されて圧密化され、その状態で更に上記の剪断力による破砕と擦り潰し粉砕作用を受けて、一層細かな粒子へと粉砕されてゆく事になる。
【0023】
この様にして、補助材料は小さな粒子へと破砕,粉砕されてシリンダー内を前方に圧送され、前記シリンダー41の前面に配置されたトップカバー44の小孔47から大気中に放出されるが、補助材料が剪定枝の如く生木の場合には、その繊維質や柔軟性に富んでいるので、前記剪断刃部材43とスクリュー42との剪断力や擦り潰し力によっては充分に切断されていない場合があり、この様な場合には、前記小孔47に粉砕物が詰まって排出され難くなる場合がある。そこで、本発明の粉砕装置では、前記スクリュー42の先端部に前記トップカバー44の内面に摺接する如くカッター45が配置されており、スクリューの回転と共に回転する様になっている。これにより、トップカバー44の内面部分で長い繊維質も切断され、スクリューの回転力によって形成された内部の高圧力によって前記小孔47から噴出する如く押し出される事になる。
【0024】
ここで特筆すべき事は、粉砕物は、スクリューやシリンダーとの摩擦力によって温度が70℃〜80℃程度に昇温されており、且つシリンダー内の高圧部から大気中に一気に排出される結果、粉砕物粒子内に含有されている水分が急激に膨張して補助材料の植物細胞の細胞壁を破壊して「膨潤」する現象が生じ、粉砕物自体の吸湿性が極めて高くなっている事である。これは、同じ様な粉砕物である前述の「オガ屑」とは基本的に異なっている点であり、この点が、廃棄物である補助材料をして、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の醗酵処理のための水分調整材として及びバクテリアの菌床としての優れた機能を発揮せしめるという本発明の特徴点の一つである。
【0025】
因みに、乾燥した籾殻や稲藁,麦藁,干し草の粉砕の如く、粉砕物を前記小孔47から押し出すための滑剤として機能すべき水分が不足する場合に備えて、水供給部55がシリンダー41の先端近傍に配置されている。該水供給部55は、シリンダー壁を貫通して内部に連通する導水管51と、該導水管に連通して形成された導水ノズル53と、該導水管51内で進退してシリンダー内への開口部の流路面積を調整して流路の開閉と水量の調整をする調節弁54とからなり、前記導水ノズル53から水道水を供給可能となっている。
【0026】
又、前記トップカバー44の小孔47からの粉砕物の押し出しは、スクリューの回転により該粉砕物に作用する押圧力によって行われるものであるが、スクリューの先端部では、該粉砕物は加圧されて圧密化されており、該圧密体によってスクリューの押圧力が吸収されて前記小孔47内に存在する粉砕物の圧密体に充分な押し出し圧力が伝達されない場合が生じる。この様な場合には、スクリュー先端部で粉砕物がスクリューと共回りして前記小孔47からの粉砕物の排出が生じなくなる。従って、本装置では、前記シリンダー41を貫通して前記トップカバー44の内側に突出する進退自在な抵抗棒50が設けられており、該抵抗棒50をシリンダー内に突入させる事によって共回りしようとする粉砕物に抵抗を与えて共回りを防止し、前記小孔47からの粉砕物の排出が円滑に行われる様になっている。
【0027】
この様にして、スクリュー式粉砕装置により加圧されつつ磨り潰された補助材料の粉砕物は、粉砕による微細化と細胞壁や繊維質の破壊の結果、吸湿性が一段と増加した醗酵助材へと変質する事になる。即ち、前記各種補助材料の粉砕試験の結果、殆どのケースで、粉砕物の単位重量当たりの吸水性は、粉砕処理前のものに対して約3〜4倍の吸水率を示す事が確認されており、この粉砕方法が醗酵助材の吸水率向上に極めて有効である事が確認されている。従って、図1に示している様に、この補助材料の粉砕物(醗酵助材)を、前記トップカバー44の小孔から前記醗酵装置Aの原料投入ホッパ2に向かって直接供給する様にしておけば、必要な量の醗酵助材をその都度粉砕処理して醗酵装置A内に供給する事ができる。
【0028】
次に、このスクリュー式粉砕装置による補助材料の粉砕処理の例について説明する。図8は、腐葉土を上記スクリュー式粉砕装置を用いて加圧しつつ磨り潰して粉砕し、前記排出孔47から排出された粉砕物(醗酵助材)を粉砕前のものと対比した外観写真である。この写真からも窺える様に、該醗酵助材の体積は、元の腐葉土の体積に比べて約1/10程度に減容されており(嵩密度は約10倍程度に大きくなっている)、しかも細胞組織が破壊されて含有水が絞り出されているので、単位重量当たりの吸水性は粉砕処理前の腐葉土に対して約3〜4倍の吸水率を示している。この結果、この醗酵助材を柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物に混合すると、該廃棄物中の水分を吸収し、被処理体混合物は手に触れてもベト付かないサラサラとした感じの通気性の良い混合物に変化し、好気性醗酵の良好な環境作りをなす。同時に、該醗酵助材は、前述の通り細かく粉砕されているので、前記廃棄物に混合すると均一に分散し易くなり、この結果、前記通気性の改善と相まって前記廃棄物の均一な醗酵分解反応を促進する事になる。同時に、醗酵助材自体も分解し易い状態に粉砕されているので、前記廃棄物の分解と共に、その分解反応も進行しており、従って、分解残渣(醗酵残渣)は極めて少ないものとなる。
【0029】
又、図8の写真から明らかな様に、粉砕された腐植土の粒径は一定ではなく、細かい粒子から比較的大きな粒子までの広い粒径分布を有しているので、この粉砕物を柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物と共に攪拌・混合した際には、種々の粒径を有する廃棄物の各粒子間に充分に混ざり込んで、小さな廃棄物の表面にも好気性醗酵に必要な空気を供給させることが可能となっていると考えられる。
【0030】
尚、この添加混合する醗酵助材の添加量は、廃棄物の分解速度の面からは、廃棄物100重量部に対して少なくとも3重量部程度は必要であり、これより少ないと廃棄物の処理速度が遅くなるおそれがある。一方、廃棄物の分解環境の観点からは該廃棄物の含水率に応じて添加量を適宜調整する必要があり、廃棄物の含水率が高い場合には、該廃棄物の水分を吸収する前記醗酵助材の添加量を適宜増加し、被処理体混合物がベト付かず通気性が良好に維持できる程度に添加すれば良い。尚、廃棄物の含水率が高く、多量の醗酵助材の添加が必要な場合には、事前に該廃棄物の水切りを行っておくのも好ましい方式である。特に、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物と異なり、副資材としての前記補助材料は、その添加量が少ない方が、作業の手間が省けるので好ましいと言えるので、好ましくは、醗酵助材の添加量は、前記廃棄物100重量部に対して30重量部以下に抑える様にするのが良い。しかしながら、基本は飽くまでも廃棄物の水分調整材として、該廃棄物の水分含有量と運転条件(攪拌条件や通気条件)によって異なるものであり、単純な重量比で一義的に定められるものではない事は付記しておく。
【0031】
尚、本発明では、籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草或いは干し草も、好ましい補助材料である。即ち、これらは、それ自体が固くて形状を保持し易い特性を有しているので、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の湿潤な廃棄物中に添加混合すると、該廃棄物の粒子間に存在して空間を形成し、空気を保持して好気性雰囲気を良好に維持する機能を有している。しかも該醗酵助材の原料となる前記籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草或いは干し草は、それ自体は乾燥物であって、水分含有量が少なく、しかも前述の通りスクリュー式粉砕装置によって粉砕される事によって組織が破壊されて水分を吸収し易くなっているので、この醗酵助材も、湿潤な柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物と混合されると、該廃棄物中の水分を吸収し、被処理体混合物が処理装置内面に付着しない様な適度の乾き度を与えると共に、該廃棄物との馴染みもよく、適度に乾いた前記廃棄物の粒子間に適度の空隙率を形成して空気の流通を促進し、嫌気性醗酵を抑制する作用がある。しかも、これら籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草或いは干し草は、それ自体が廃棄物であるので、これらの廃棄物処理も兼ねた柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の処理が行われる事になる。
【0032】
図9は、籾殻を、上記スクリュー式粉砕装置を用いて加圧しつつ磨り潰して粉砕し、前記排出孔47から排出された粉砕物(醗酵助材)と粉砕前の籾殻の外観写真であり、この写真から明らかな様に、粉砕処理を受けた籾殻は、元の大きさの数分の1程度の大きさに破砕されている事が分かる。
【0033】
この破砕物の体積は、元の籾殻の体積に比べて、約1/2程度に減容されている(嵩密度は2倍程度に大きくなっている)が、細胞組織が破壊されて含有水が絞り出されているので、吸水性は、粉砕処理前の籾殻に比べて3〜4倍に増加している。この事は、前述の場合と同様に、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物と混合された際に該廃棄物中の水分を吸収して該廃棄物に適度の乾き度を与え、前記醗酵助材である籾殻との混合を容易にすると共に、籾殻自体の有する固さによってその形状を保持する結果、廃棄物粒子間に適度の空間を形成して好気性醗酵に必要な通気性を保持させる事が可能である事が理解される。一方、籾殻自体も、吸水性が大幅に向上する結果、それ自体の分解性も向上し、前記廃棄物の好気性醗酵処理過程で同時に籾殻の醗酵分解も進行する事になる。
【0034】
又、図9の写真から明らかな様に、粉砕された籾殻の粒径は一定ではなく、細かい粒子から略原型の粒子までの広い粒径分布を有しており、これが、上述した様に体積を約1/2に減容させる理由と考えられる。又、この粉砕物を柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物と共に攪拌・混合した際には、種々の粒径を有する前記廃棄物の各粒子間に充分に混ざり込んで、小さな廃棄物の表面にも好気性醗酵に必要な空気を供給させることが可能となっている。
【0035】
尚、その他の醗酵助材として、上記籾殻の他、稲藁,麦藁,枯れ草,干し草又は廃木材等の乾燥材を上記スクリュー式粉砕装置によって粉砕したものが使用可能であるが、これらの原料の共通する特徴の一つに、何れもそれ自体が乾燥している点である。即ち、これら乾燥材を前述の要領で粉砕する事により、その吸湿性が一層向上する結果、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の含有する多量の水分が、速やかに前記乾燥材粉砕物である醗酵助材に吸収され、該廃棄物に適度の湿り気と通気性を付与して好気性醗酵を促進させる事になるのである。この意味から、本発明では、乾燥状態にある前記籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草,干し草或いは廃木材の一種以上を醗酵助材の原料として選定している。
【0036】
次に、図1に示した醗酵装置Aについて詳細に説明する。同図において、醗酵装置Aは、柑橘類廃棄物又は茶殼廃棄物を前記醗酵助材と共に醗酵処理する醗酵槽1と、該醗酵槽1の外周面を囲繞する様に配置されたハウジング4と、前記醗酵槽1内の前記被処理体混合物を攪拌するための攪拌装置15,16と、前記醗酵槽1を回転させるための回転装置17と、前記醗酵槽1内の発生ガスを強制換気する排気ダクト9とを主要構成要素とするものである。
【0037】
前記醗酵槽1は、両端部の固定側板5,6と、該固定側板5,6に対して回転可能な円筒ドラム1aとで構成され、該円筒ドラム1aは前記固定側板5,6に対してベアリング機構等により回動自在に連結されている。前記一端の固定側板5には、該固定側板5の正面概略図である図5に示す様に、醗酵槽1の中心Oから偏位した位置に原料投入用の開口5aが形成され、他端の固定側板6には、該固定側板6の正面概略図である図6に示す様に、醗酵残渣排出用の排出口6aが前記原料投入用の開口5aと同様に前記醗酵槽1の中心Oから偏位した位置に形成されている。前記原料投入用開口5aには、前記ハウジング4を貫通して外部に開口部2aを有する原料投入ホッパ2が斜め上向きに形成され、該ホッパ2の開口部2aには、開閉自在な蓋部材24が配置されている。一方、前記醗酵残渣排出用の排出口6aには、残渣排出ダクト3が前記ハウジング4を貫通して斜め下向きに形成されており、その外部に露出した排出口3aには、残渣収容袋25が着脱自在に取り付けられている。
【0038】
前記醗酵槽1内には、該醗酵槽のドラム中心軸から上側に偏位した位置で前記両側の固定側板5,6を貫通して配置された回転軸15と該回転軸15の長手方向に複数個設置された切断刃面を有する攪拌翼16とからなる攪拌手段が設置されている。この攪拌手段は、投入原料がブロック状の場合には、これを破砕すると共に、被処理体混合物を攪拌混合する作用を有するものであって、前記ハウジング4内に設置されている駆動モータ13と、これに連結された減速機14とによって回転駆動される様になっている。尚、前記回転軸15はベース40に固定された支持スタンド26(図中左側のスタンドは省略している)によって両端部が回転可能に支持されている。
【0039】
又、前記醗酵槽1のドラム1aの一端外周部にギア27が装着されており、前記駆動モータ13,前記減速機14及び前記回転軸15の端部に取り付けられたギア28,該ギア28に一端を係合されたチェーン30,該チェーン30に他端を係合されたギア29,該ギア29に接続された減速機20,該減速機20の出力軸21及び該出力軸21の端部に保持されたギア22を介して、前記ドラムギア27に回転力を付与して前記醗酵槽のドラム1aを回転させる様に構成されている。尚、前記ドラム1aは、ベース40に固定された複数の支持部材18と、該支持部材18に回転自在に取り付けられた複数のローラ17によって保持されて、自由に回転する様になっている。
【0040】
前記醗酵残渣排出ダクト3の上面部の適所には、吸気口7が形成され、前記原料投入ホッパ2の上面部の適所には、排気口8が形成され、該排気口8は、排気ダクト9に接続され、該排気ダクト9の適所に排気ファン10と脱臭剤11とが配置されている。これにより、排気ファン10の吸気力によってハウジング4内の空気が前記排出ダクト3の吸気口7から吸引され、前記固定側板6の排出口6aを経て醗酵槽1内に流入し、該醗酵槽1内に発生したガスと共に、前記固定側板5の原料投入用開口5a及び原料投入ホッパ2の排気口8を経て前記排気ダクト9から大気中に放出される様になっている。即ち、前記排気ファン10によって醗酵槽1内のガスを強制的に排気すると共に、新鮮なハウジング内の空気を前記排出ダクト3に形成された吸気口7から前記醗酵槽1内に供給する様になっている。尚、醗酵臭は、前記排気ダクト9内に設置された前記脱臭剤11によって除去される様になっている。又、醗酵によって生じた水分の殆どは排気ダクト9から大気中に放出されるが、外気温が低い場合には、該ダクト内で凝縮する場合があるので、ドレン抜き12から適宜凝縮水を排出できる様になっている。
【0041】
又、前記ハウジング4の適所には、吸気用の開口(図示せず)が形成されており、該吸気口の近傍に、ヒーター23が配置されている。従って、前記排気ファン10が作動すると、前述の通りハウジング4内の空気は醗酵槽1内に吸引されるが、その際に、該ハウジング4に形成された吸気用開口部から外気が吸引されると共に、前記ヒーター23で加温されてハウジング4内に流入する事になる。この加温空気が醗酵槽1のドラム1aの周囲を流れて前記醗酵残渣排出ダクト3に形成された吸気口7から吸引される事により、醗酵槽1を外部から加温すると共に、醗酵槽1内に加温空気を供給して醗酵槽1内の温度を所定の温度に保つ役割がある。
【0042】
次に、上述の処理装置を用いて前記柑橘類廃棄物又は茶殼廃棄物を好気性醗酵処理する処理操作について説明する。先ず、醗酵処理装置 A 原料供給ホッパ2の開口部2aに配置された蓋部材24を手動で開け、前記柑橘類廃棄物は、スクリュー式粉砕装置 B のホッパ46から該スクリュー式粉砕装置本体内に供給され、粉砕されて、醗酵処理装置 A 該ホッパ2内を滑り落ち、前記固定側板5に形成されて常時開口している投入口5aから、既に醗酵槽1内に存在している好気性醗酵中の被処理体混合物の上に落下堆積する。一方、前記醗酵助材は、前述の通りスクリュー式粉砕装置の前記トップカバー44から直接前記ホッパ2に投入する。この様にして適宜投入された廃棄物の粉砕物と醗酵助材とは、前記醗酵槽1のドラム1aが回転される事により混合され、且つ、前記廃棄物がブロック状態で投入されている場合には、前記攪拌翼16の回転によって該ブロックの解砕が行われると共に廃棄物と醗酵助材との一層の混合が促進される。尚、前記蓋部材24は、前記廃棄物及び醗酵助材を投入するときにのみ手動で開けられ、通常は閉じられているものである。
【0043】
次に、醗酵槽1内での被処理体混合物の挙動について、図5,6によって説明する。図5は、醗酵槽1内の状態を原料投入口5a側から見た略図であり、醗酵槽1内に原料投入口5aから新たに投入された廃棄物は、醗酵槽1の矢印33に示す方向への回転(正転)によって図中A1で示す様に回転方向に向かって上り勾配を有する状態で堆積している被処理体混合物の上に落下するが、この堆積物は、醗酵槽1の回転によって矢印34に示した方向に循環しているので、新たに投入された柑橘類廃棄物の粉砕物も、この循環に巻き込まれて醗酵助材との混合が行われる。この混合操作により、前記堆積物中に滞留している醗酵ガスの放出と新鮮な空気の巻き込みが同時に行われる。
【0044】
図6は、醗酵槽1内の状態を醗酵残渣排出口6a側から見た該略図であり、醗酵槽1が矢印33で示した方向への回転(正転)の場合には、前記排出口6aの位置は、前記堆積物A1から離れているので、醗酵残渣は該排出口6aから外部に排出される事はない。そこで、醗酵槽1の回転方向を、図中の矢印35に示す方向への回転(逆転)に切り換えると、該堆積物は、図中A2に示す様に前記A1とは逆勾配の堆積物となる。この結果、堆積物の上面が、前記排出口6aの下端面より高い位置になると、該排出口6aから醗酵残渣は醗酵槽1外に排出される様になっている。
【0045】
ここで、湿潤な柑橘類廃棄物の粉砕物や茶殼廃棄物が前記醗酵助材と混合されると、該廃棄物中の水分を吸収して、該廃棄物が醗酵槽内面や攪拌翼等に付着しない様な適度の乾き度を与えると共に、適度に乾いた廃棄物の粒子間に適度の空隙率を形成して空気の流通を促進し、嫌気性醗酵を抑制しつつ好気性醗酵を促進する事は前述の通りである。
【0046】
この様にして順次投入・混合された廃棄物と醗酵助材との被処理体混合物は、前記廃棄物や醗酵助材に付着している自然界に存在する各種好気性醗酵菌及び醗酵槽内に送風されてくる空気と共に供給される各種好気性醗酵菌によって好気性醗酵が進行し、被処理体混合物は基本的には炭酸ガスと水とに分解されるが、この際に新鮮な空気の供給と、発生したガスの排気が必要であるので、前述の排気ダクト9に配置された排気ファン10を作動させて強制排気を行うと同時に新鮮な空気を醗酵槽1内に吸引して好気性醗酵の環境を維持する。
【0047】
次に、前記醗酵槽のドラム1aは、前述の要領で回転されるが、この回転は連続的に緩やかに回転させる事も可能であるが、間歇的に回転させる方が運転コストの観点からは好ましい。即ち、好気性醗酵の反応速度は、一般の化学装置による化学反応に比して極めて緩やかに進行するものであるから、前記空気相を保持した混合物を放置していても、好気性醗酵が維持される範囲の適当な時間であれば、前記ドラムの回転による混合を行わなくても何等問題は生じない。同様の意味において、前記強制排気も連続的に常時同レベルの排気を行う必要はなく、前記ドラムの回転に併せて排気に強弱を付ける事も可能であるが、勿論、該ドラムの回転とは独立して適宜間欠的に強制排気する事も可能である。
【0048】
これら、醗酵ドラムの間歇回転と強制排気のレベルについて、図7に示すタイムチャートの一例によって説明する。図7(A)は醗酵ドラムの間歇回転のタイムチャートであり、同図(B)は強制排気の排気レベルを示すタイムチャートである。先ず、図(A)において、t1は醗酵ドラムの回転を行っている時間帯であり、t2は醗酵ドラムの回転を休止している時間帯である。ここで、t1とt2の比、即ち、t1:t2は、一般には1:10〜1:180の範囲で選択されるが、実用的には1:30〜1:100程度が好ましい範囲である。具体的にはt1を2〜3分とした場合には、t2は60分〜150分程度の時間を選択するのが好ましい。
【0049】
次に、同図(B)において、t1,t2は、上記醗酵ドラムの間歇回転に合わせた強制排気の強弱の時間帯を示しており、醗酵ドラムが回転している時間帯t1では、内部堆積物が強制混合される結果、内部堆積物中に滞留していた醗酵ガスが醗酵槽内に放出されるので、この期間は前記排気ファン10を強回転させて強力に排気を行い、醗酵ドラムの回転が休止している時間帯t2では、前記排気ファン10を弱回転させて弱排気状態にしておく。ここで、強排気状態における排気量w1を100とした場合の弱排気状態における排気量w2は、10〜30程度、好ましくは20程度に設定しておくのが一般的であるが、強制排気操作には、醗酵ガスの放出と共に、原料中の水分を除去する乾燥作用もあるので、廃棄物中の水分含有量が多い場合には、弱排気状態の排気量w2のレベルを若干高めに設定しておく事が好ましい。
【0050】
次に、好気性醗酵が進行して被処理体混合物の分解が進み、被処理体混合物が次第に減容されてくると、前述の如く醗酵ドラム1aの回転方向を逆転させる事により、醗酵残渣は前記固定側板6に開口している排出口6aから排出ダクト3に排出され、該ダクト3の先端に取り付けられている残渣収容袋25内に落下する。該残渣収容袋25が所定量に達すると、該残渣収容袋25を新たなものに取り替える。尚、前記醗酵ドラム1aの回転方向の逆転の頻度の設定は、醗酵槽内における原料投入物の滞留時間と醗酵槽内の滞留量を決定する事になる。即ち、逆転頻度を高めると、醗酵残渣の排出頻度が高くなって投入物の滞留時間は短くなり、同時に醗酵槽内の滞留量も少なくなるが、逆転頻度を低くすると、投入物の滞留時間は長くなり、同時に醗酵槽内の滞留量も多くなる。従って、廃棄物の特性や環境条件に応じて、適宜設定する事になるが、一般には、蜜柑ジュース工場から発生する絞り滓やウーロン茶ボトリング工場で発生する茶殼の如く廃棄物の大まかな特性が略一定であれば、初期の試運転段階で設定した正転/逆転の頻度を変化させる必要性は殆どない。
【0051】
次に、前記残渣収容袋25内に落下する醗酵残渣は、前記廃棄物の醗酵残渣と醗酵助材の醗酵残渣の混合物であるので、これを柑橘類や茶殼の醗酵残渣と醗酵助材とに篩い分け、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の醗酵残渣のみを有機肥料として使用し、回収した醗酵助材の残渣は再使用する事も可能であるが、これらを分離する事なく、全てを有機肥料として使用したり、或いはその一部を再度醗酵助材として再使用する事も可能である。特に、本発明で使用する醗酵助材は、いずれも植物質の粉砕物であり、しかもその組織が破壊されて吸湿性を有している上に前記醗酵槽内で醗酵分解が進んでいるものであるので、有機肥料として使用しても何等問題はない。特に、本発明の方法によると、投入された柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の殆どは分解して消失しており、前記排出された醗酵残渣の大部分は、醗酵助材の未分解成分であるので、全量を新たな醗酵助材に混合して再度使用するのも、排出物を出さない完全消滅型の処理法として好ましい態様である。
【0052】
又、柑橘類廃棄物が、蜜柑等の選果工場から傷もの或いは不良品として廃棄処分されるものの場合には、個々の廃棄物自体が相当の大きさのものであるから、これをそのまま前記醗酵槽1内に投入すると、前記攪拌翼16による破砕作用により幾分は小さくなるが、分解速度が著しく遅くなり、極端な場合には、そのままの形状を保持して排出される場合も生じる。そこで、本発明では、この様に比較的大きな固まりである柑橘類の廃棄物は、前記スクリュー式粉砕装置Aに該廃棄物を供給して前述の補助材料と同様に粉砕処理して前記醗酵槽内に供給するこの様に、柑橘類廃棄物の個々の大きさや形状及び種類に限らず、全ての柑橘類廃棄物の醗酵前処理としてスクリュー式粉砕装置による粉砕を採用すると、廃棄物自体が小さな粒子に粉砕されると共に、前記醗酵助材の場合と同様に、細胞組織までも破砕されて分解され易い状態となっているので、分解速度が速くなり、醗酵槽内での滞留時間も短くなる結果、同一容積の醗酵槽の場合の処理能力を大幅に大きくする事が可能となる。茶殻廃棄物の場合も同様である。
【0053】
又、前記廃棄物をスクリュー式粉砕装置に供給して粉砕するに当り、前記補助材料と一緒に供給して同時に粉砕する様になせば、両者が混合された状態で醗酵槽内に供給されるので、醗酵反応の促進効果がある。更に、前記補助材料が、籾殻,稲藁,干し草,枯れ草の乾燥状態の場合には、前述のシリンダー内への水分補給も省略する事が可能となり、運転コストの削減効果も期待できる。
【0054】
次に、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
図1に示した装置を用いて、柑橘類廃棄物として、圧搾法により柚子果汁を生産する柚子果汁生産工場から排出する柚子搾りかす(廃棄物)を用いて処理試験を行った。因みに、柚子搾りかすは、皮部が圧搾によって破れて内部の果汁の殆どが搾取されているものの、単体では、皮部の形状復元力によって、元の球状体の1/2〜2/3程度の大きさに膨らんでいるものを多数含んでいる。又、使用した装置の醗酵槽の直径は100cm,長さは150cm(有効内容量;約1立米)である。
【0055】
装置の運転開始に当たり、空の発酵槽内に始めから前記柚子搾りかすを投入すると発酵槽内壁に湿潤な廃棄物が付着してしまうので、予め剪定枝を前記スクリュー式粉砕装置で粉砕したものを約400リットル(91kg)投入し、この中に前記柚子搾りかすを、そのままの状態で投入して運転を開始した。又、醗酵槽は、120分毎に1分間回転させる間歇回転方式とし、攪拌装置の作動も醗酵槽の回転時にのみ作動させる様にした。醗酵槽内の排気は、醗酵槽の回転時には排気ファンの排気能力の100%の排気量に設定し、醗酵槽の回転停止時には20%の排気量に設定した。
【0056】
醗酵助材としては、専ら剪定枝を前述のスクリュー式粉砕装置にて粉砕したものを用いた。尚、剪定枝の種類は一切関知せず、工場敷地内で発生した剪定枝を無作為に使用した。又、好気性醗酵促進のための市販のバクテリアの類は一切添加していない。醗酵装置は風通しの良い屋外に設置され、直射日光が当たらない様に片屋根式の覆いが設置されている。この運転初期における試験条件及びその結果を表1に記載した
【0057】
【表1】
Figure 0003926550
【0058】
表1において、日数の欄は運転開始日からの経過日数を示し、4,5日及び11〜14日は休日を意味している。この休日の間は、前記柚子搾りかす及び醗酵助材の投入はないが、装置の運転は自動運転により継続されている。又、発酵槽内温度は、該発酵槽の前部(醗酵助材投入口寄り)と略中央部及び後部(排出口寄り)の温度を、廃棄物等の投入直前に棒状温度計を挿入して測定したものである。尚、運転初日の発酵槽内温度は、外気温15℃と同程度の温度である。この槽内温度が上がれば醗酵反応が生じている事を意味し、最も温度が高い部分で最も醗酵反応が進行している事を意味している。
【0059】
又、運転初日は、大量に投入した醗酵助材の中に、前記柚子搾りかすを投入して運転を開始した。翌日には醗酵槽内の温度が上昇し、柚子搾りかすの醗酵反応が進行している事が窺えたが、前記回転翼の回転のみでは、柚子搾りかすの破砕が進行しておらず、柚子搾りかすの形状は、投入した時の形状と大きな変化が認められなかったので、2日目からは、該柚子搾りかすを前記スクリュー式粉砕装置によって粉砕して、粉砕物として醗酵槽内に供給する様にした。3〜6日目は、柚子搾りかす及び醗酵助材の投入は行わず、前記送風と攪拌のみの自動運転のみを継続した。7日目は、醗酵槽中の柚子搾りかすの醗酵が進行し、相当量の減少が認められたので、柚子搾りかすと醗酵助材の投入を再開し、10日迄この投入を継続した。尚、この7日目以降の柚子搾りかすの投入に当たり、該柚子搾りかすの前記スクリュー式粉砕装置による粉砕物は、ベト付いているので、これを同時に投入する醗酵助材の粉体に混ぜて、即ち、柚子搾りかすの粉砕物の表面に醗酵助材をまぶした状態で投入した。尚、11〜14日は、前記送風と攪拌のみの自動運転を継続した。この間の醗酵残渣の排出は認められなかった。
【0060】
運転開始後16日目からは装置の自動運転のみを継続したが、18日目には、目視観察では、醗酵槽内に柚子搾りかすの残渣が認められなくなったので、この時点で装置の運転を停止し、内部の分解残渣を排出した処、殆ど全てが剪定枝から形成した醗酵助材の未分解物からなる醗酵残渣であった。即ち、総投入量約200kgの柚子搾りかすが、殆ど完全に消滅している事が確認された。又、醗酵残渣となった醗酵助材の量も、投入時に比べて醗酵分解が進行して相当量の減少が認められた(単純重量比較では、水分含有量が異なるため比較せず)。又、この醗酵残渣は、肥料として使用可能なものであるので、このまま畑に散布して全ての試験を終了した。
【0061】
尚、装置運転中は、醗酵槽内には柚子の香りが多少漂っていたが腐食臭ではなく、不快感はないが、前記処理装置の排気ダクトのライン中に配置した活性炭による除臭を行った結果、外部への臭気漏れはなかった。又、処理中に醗酵槽内の被処理体混合物を手に取って見たが、全体的に湿気を帯びているものの手に付着する事はなく、手で強く握って塊状体を作ってみたが粒子間の付着力は極めて弱く、手を離すと直ぐにばらばらに分散してしまった。この事は、醗酵助材が柚子搾りかす中の水分を吸収して柚子搾りかすに適度の乾き度を与えると共に、柚子搾りかす粒子の凝集をも防止している事が分かる。
【0062】
参考例
次に、茶殼廃棄物を用いた醗酵処理について説明する。茶殼廃棄物として、ウーロン茶飲料製造工場より排出されたウーロン茶の搾りかす(水分含有率約71%)ドラム缶5本分(481kg)を、実施例1と同一の装置を用いて醗酵処理試験を行った。装置の運転開始に当たり、実施例1と同様に、予め剪定枝を前記スクリュー式粉砕装置で粉砕したもの約400リットル(91kg)を投入し、この中に前記ウーロン茶搾りかすを投入して運転を開始した。又、醗酵槽の間歇回転条件及び排気条件も、実施例1と同一条件とした。
【0063】
醗酵助材としては、実施例1と同様に、工場敷地内で発生した剪定枝を無作為に前述のスクリュー式粉砕装置にて粉砕したものを用いた。好気性醗酵促進のための市販のバクテリアの類は一切添加していない点も実施例1と同様である。この運転条件及びその内部温度,湿度の状況を表2に示す。
【0064】
【表2】
Figure 0003926550
【0065】
表2において、日数の欄は運転開始日からの経過日数を示し、数字の飛んでいる日(4,11,17,18日)は、工場の休日を意味し、この休日の間は、ウーロン茶搾りかす及び醗酵助材の投入はないが、装置の運転は自動運転により継続されている。又、発酵槽内温度は、該発酵槽の前部(醗酵助材投入口寄り)と略中央部及び後部(排出口寄り)の温度を、廃棄物等の投入直前に棒状温度計を挿入して測定したものであり、同様に、発酵槽内湿度は、該発酵槽の前部,中央部及び後部に存在する醗酵槽内混合物をサンプリングして、その湿度(水分含有量)を測定した。尚、運転初日の発酵槽内温度は、外気温26℃と同程度の温度である。この槽内温度が上がれば醗酵反応が生じている事を意味し、最も温度が高い部分で最も醗酵反応が進行している事を意味している事は前述の通りである。
【0066】
又、運転初日は、大量に投入した醗酵助材の中に、前記ウーロン茶搾りかす50kgを投入して運転を開始した。尚、ウーロン茶搾りかすは、製造工場から送られてきたものを、前記スクリュー式粉砕装置を通す事なくそのまま投入している。運転開始の翌日には、醗酵槽内の前部温度が上昇し(この時点ではウーロン茶搾りかすは、醗酵槽内前部に偏在している)、ウーロン茶搾りかすの醗酵反応が進行している事が窺える。2日目以降も該ウーロン茶搾りかす50kgづつを投入して運転を行った。
【0067】
2日目の内部温度分布は、前部から後部にかけて次第に温度が下がる傾向を示しているが、これは、主に醗酵反応が醗酵槽前部で生じている(ウーロン茶搾りかすが、未だに醗酵槽前部に偏在し、醗酵反応が主として前部で生じている)事を意味している。3日目になると、醗酵反応の中心は、醗酵槽中部に移行し、理想的な状態になっている。又、後部温度が外気温に近い程、醗酵反応が終了した残渣が後部に集まって来ている事を示している。そこで、後部温度が外気温に近くなった3日目から、サンプリングの意味を兼ねて前記醗酵槽の逆転による醗酵残渣の排出を開始した。3日目の醗酵槽残渣の排出量は2.8kgであったが、目視の結果、この排出物の大部分は醗酵助材であった。尚、排出を開始した後の5日目と10日目に少量の醗酵助材の追加供給を行った以外は、醗酵助材の追加供給は行っていない。又、運転開始後9〜12日は、原料であるウーロン茶搾りかすの入荷量の関係で、ウーロン茶搾りかすの投入は行わず、運転のみを継続している。
【0068】
運転は、極めて順調であり、運転開始後20日目には、全ての生原料の投入が完了したので、ウーロン茶搾りかすの醗酵残渣を含む3,5,6日目の排出物の全量(21.8kg)を再投入して運転を継続した。同様に、21日目には、7〜9日目の排出物の全量(16.2kg)を再投入し、23日目には、10,12,13日目の排出物の全量(18.1kg)を再投入して運転を継続した。24日目からは何も投入せず、自動運転のみを継続したが27日目には、醗酵槽内の目視観察の結果、醗酵槽内にウーロン茶搾りかすの残渣が殆ど認められなくなったので、この時点で装置の運転を停止し、内部の分解残渣を排出した処、殆ど全てが剪定枝から形成した醗酵助材の未分解物からなる醗酵残渣であった。
【0069】
上記試験によると、ウーロン茶搾りかす総投入量約481kgに対し、総排出量は、醗酵助材の排出分を含めて72kgとなっている。尚、各排出物をウーロン茶搾りかすの残渣と醗酵助材の残渣とを選別した結果、ウーロン茶搾りかすの残渣の比率は8.6〜12.7%であり、平均して約10%と仮定すると、前記総排出量72kg(水分量約30%)中のウーロン茶搾りかす残渣は、約7.2kgとなり、これはウーロン茶搾りかすの総投入量481kgに対して約1.5%となり、超完全分解と言っても過言ではない。
【0070】
又、装置運転中の臭気の問題は全くなく、処理中に醗酵槽内の被処理体混合物も、全体的に湿気を帯びているものの、実施例1の場合と同様に、手で強く握って塊状体を作ってみたが粒子間の付着力は極めて弱く、手を離すと直ぐにばらばらに分散してしまい、醗酵助材が、初期ウーロン茶搾りかす(水分量約71%)中の水分を吸収してウーロン茶搾りかすに適度の乾き度を与えると共に、ウーロン茶搾りかす粒子の凝集をも防止している事を意味している。
【0071】
以上の実施例及び参考例から明らかな様に、本発明の方法においては、一切の市販されている好気性バクテリアの類を添加する事なく、良好な好気性醗酵が維持されている。この事実は、醗酵助材や柑橘類廃棄物或いは茶殼廃棄物に付着している好気性醗酵菌或いは送風によって送り込まれた空気中の好気性醗酵菌が主体となって柑橘類廃棄物或いは茶殼廃棄物に作用し、該廃棄物を醗酵分解させたものと考えられる。
【0072】
特に、「柚子搾りかす」或いは「ウーロン茶搾りかす」という単種の廃棄物のみを醗酵処理する方法についての従来法は存在しないが、上記実施例から明らかな様に、その環境に存在している各種好気性醗酵菌の内の柚子搾りかすやウーロン茶搾りかすの分解に適した菌群のみが増殖して、その醗酵分解を促進させている事からも、被処理材を柚子搾りかすに代えて蜜柑や八朔,かぼす,すだち等の他の柑橘類の廃棄物、或いは、緑茶や紅茶その他の茶殼廃棄物でも同様の効果が期待できる事は想像に難くない。
【0073】
又、醗酵助材についても、剪定枝から形成した醗酵助材に代えて、腐葉土や腐植土の粉砕物、或いは籾殻,麦藁,稲藁,干し草,枯れ草或いは木箱の廃材や建築廃材等の廃木材を粉砕して得られた粉砕物を醗酵助材として用いても同様な効果が得られる事は種々の試験を通して確認されている。
【0074】
又、上記実施例においては、醗酵助材と柚子搾りかす或いはウーロン茶搾りかすを別々に醗酵槽内に投入したり、柚子搾りかすの粉砕物に醗酵助材をまぶして投入しているが、前述の通り、これらを前記スクリュー粉砕装置に一緒に供給して、同時に粉砕する事により、スクリュー式粉砕装置内で両者を混合して一緒に投入する事も可能であり、要は、如何なる形態であれ、両者が醗酵槽内で共存する様にしておけばよい。
【0075】
又、上記実施例及び参考例においては、柚子搾りかすとウーロン茶搾りかすを夫々独立して単体処理しているが、柑橘類ジュース工場と茶飲料製造工場とが近接している様な場合には、両者を一度に処理する事も、本発明の応用例として有望な処理法である。
【0076】
以上の様に、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した思想に基づく範囲において、種々の変形態様が存在する事はいうまでもない。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によると、籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草,干し草,剪定枝,廃木材,腐植土,腐葉土の群から選ばれた1種以上の補助材料を、加圧しつつ擦り潰しながら破砕及び粉砕して大気中に押し出す様にしてなるスクリュー式粉砕装置によって粉砕処理して得られた粉砕物を醗酵助材とし、これを各種柑橘類廃棄物の粉砕物或いは茶殼廃棄物に添加混合して好気性雰囲気を維持するだけで、これら廃棄物に好気性醗酵を生じさせる事ができるので、従来一般に使用されている特別な好気性バクテリアの添加が不要となる。従って、蜜柑ジュース工場やウーロン茶飲料水工場等で大量に発生するこれら柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物の処理に要する費用が大幅に軽減される事になる。
【0078】
又、上記実施例からも明らかな様に、柑橘類廃棄物や茶殼廃棄物を完全に消滅させる事が可能となるので、柑橘類廃棄物の従来法の如く係る廃棄物を畑に放置して自然腐敗による消滅を図る方式における環境上の問題や腐臭の問題が解消され、更に、土中に埋設する方式では土壌の酸性化の問題があったが、係る問題も解消されるのみならず、醗酵残渣を土壌に返してやれば、有効な肥料として作用する事になるので、一石二鳥の効果がある。有効な肥料となる点は、茶殼廃棄物においても同様である。
【0079】
更に、従来の焼却処分する方式に比べると、廃棄物を焼却するために使用されていた燃料油の消費が不要となるので、炭酸ガス問題を含めた地球環境の好転化にも寄与する事が期待される。
【0080】
又、特別な好気性バクテリアを使用していないので、醗酵残渣を肥料として使用する場合においても、該好気性バクテリアの畑や農作物に対する安全性を論ずる必要がなく、一般農家においても抵抗なく受け入れ易い利点を有している。
【0081】
又、特別な好気性バクテリアを使用する場合には、そのバクテリアに最適な環境でなければならず、被処理物の種類や地域環境による特性が問題となる場合が多く、装置の運転条件に柔軟性を欠く場合が多いが、本発明では、その処理現場に生息している、即ち、その地域の環境に適した各種好気性醗酵菌を用いるものであるから、醗酵処理装置の運転条件は極めて柔軟であり、特殊な専門家や特殊な運転条件を必要としない点は、汎用性が要求されるこの種装置においては、大きなメリットである。この点は、前記実施例において、装置の運転条件として醗酵槽の回転速度と送風速度を設定し、単に、投入する柑橘類廃棄物或いは茶殼廃棄物や醗酵助材の量を被処理体混合物の水分量に応じて適宜調整するのみである事からも容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る柑橘類廃棄物或いは茶殼廃棄物処理装置の一例を示す要部断面図である。
【図2】 図1のスクリュー式粉砕装置の要部断面図である。
【図3】 図2のイ−イ断面図である。
【図4】 図3の要部拡大概念図であり、スクリュー式粉砕装置における破砕,粉砕工程を示す概念図である。
【図5】 図1の醗酵槽内の状態を示す原料投入側から見た要部概念図である。
【図6】 図1の醗酵槽内の状態を示す醗酵残渣排出側から見た要部概念図である。
【図7】 図1の装置の運転条件の一例を示すタイムチャートであり、(A)は、醗酵槽の間欠回転のタイムチャート、(B)は、強制排気の排気量の変化を示すタイムチャートである。
【図8】 図8は、腐葉土を上記スクリュー式粉砕装置を用いて粉砕処理した粉砕物と、粉砕前のものと対比した外観写真である。
【図9】 図9は、籾殻を上記スクリュー式粉砕装置を用いて粉砕処理した粉砕物と、粉砕前のものと対比した外観写真である。
【符号の説明】
A 醗酵装置
B スクリュー式粉砕装置
1 醗酵槽
1a 醗酵槽回転ドラム
2 被処理体(原料)投入ホッパ
3 残渣排出ダクト
4 ハウジング
5a 被処理体(原料)投入用開口
6a 醗酵残渣排出用開口
7 給気口
8 排気口
9 排気ダクト
10 排気ファン
15 回転軸
16 攪拌翼
17 支持ローラ
41 シリンダー
42 スクリュー
43 剪断刃部材
44 トップカバー
45 カッター
47 小孔
50 抵抗棒
51 水供給部

Claims (3)

  1. 籾殻,稲藁,麦藁,枯れ草,干し草,剪定枝,廃木材,腐植土,腐葉土の群から選ばれた1種以上の補助材料を、加圧しつつ擦り潰しながら破砕及び粉砕して大気中に押し出す様にしてなるスクリュー式粉砕装置によって粉砕処理して得られた粉砕物を醗酵助材とし、
    柑橘類の廃棄物を前記スクリュー式粉砕装置によって粉砕処理して柑橘類粉砕物とし、
    該柑橘類粉砕物、又は該柑橘類粉砕物と茶殼廃棄物、及び前記醗酵助材とを、攪拌手段を備えた醗酵槽内に投入して攪拌混合すると共に、
    該醗酵槽内に通気しつつ好気性雰囲気下で前記混合物を醗酵処理する事を特徴とする柑橘類廃棄物又は該柑橘類廃棄物と茶殼廃棄物の処理方法
  2. 前記茶殻廃棄物を、前記スクリュー式粉砕装置によって粉砕処理した後に、前記醗酵槽に供給する様にしてなる請求項1に記載の廃棄物の処理方法
  3. 記柑橘類廃棄物と前記補助材料、又は前記柑橘類廃棄物と前記茶殻廃棄物と補助材料とを、前記スクリュー式粉砕装置に同時に供給して粉砕処理する事により、前記廃棄物の粉砕物と前記醗酵助材とを前記スクリュー式粉砕装置内で混合する様にしてなる請求項1又は2に記載の廃棄物の処理方法
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