JP3926468B2 - 陽子線照射方向決定支援システム - Google Patents

陽子線照射方向決定支援システム Download PDF

Info

Publication number
JP3926468B2
JP3926468B2 JP09919998A JP9919998A JP3926468B2 JP 3926468 B2 JP3926468 B2 JP 3926468B2 JP 09919998 A JP09919998 A JP 09919998A JP 9919998 A JP9919998 A JP 9919998A JP 3926468 B2 JP3926468 B2 JP 3926468B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lesion
irradiation direction
proton beam
distribution
distribution map
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09919998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11290466A (ja
Inventor
千昭 加藤
淳一 廣田
洋一 瀬戸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP09919998A priority Critical patent/JP3926468B2/ja
Publication of JPH11290466A publication Critical patent/JPH11290466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3926468B2 publication Critical patent/JP3926468B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正常組織への被曝を極力抑えつつ、病巣へ線量を効果的に与えるような陽子線治療を可能にする治療計画に関する。
【0002】
【従来の技術】
放射線を使って治療を行う放射線治療では、正常組織への被曝を極力抑えつつ、癌等の病巣へ十分な治療効果のある線量を与えなければならない。そのため、一般に、X線CT装置などの画像診断装置で撮影した画像データを用いて、治療前にどの方向からどの程度の強さの放射線を照射すべきかを、線量分布のシミュレーション結果などに基づいて判断し決定する治療計画が必要となる。
【0003】
一方、陽子線治療で使われる陽子線という放射線には「ブラッグピーク(Bragg Peak)」と呼ばれる特性がある。陽子線は、物質に照射すると、表面からある深さのところで線量が急激に大きくなって最大値を持ち、それよりも深いところでは線量が急激に0まで減少する。この線量が最大値を持つ位置をブラッグピークと呼ぶ。このような特性を利用すれば、病巣にだけに高い線量を与え、病巣の背後にはほとんど線量を与えないようにすることが可能になる。なお、このブラッグピーク特性を実際の治療に利用するに当たっては、病巣は照射方向に所定の奥行きを有することから、ブラッグピークをそのまま使うのではなく、陽子線照射装置内に設置されたリッジフィルタによりブラッグピークを拡大し、ある一定幅だけ平坦な領域を持たせるようにして利用する。この一定幅の平坦な領域を拡大ブラッグピーク(SOBP:Spread Out of Bragg Peak)と呼ぶ。
【0004】
陽子線治療の場合、SOBPの幅と位置をコントロールすれば、ほぼ病巣の形状に合わせて、そこだけに高い線量を与え、病巣の背後にはほとんど線量を与えないようにすることが可能になる。そのため、陽子線治療の治療計画では病巣の形状とその周囲の正常組織と病巣との位置関係をよく把握して照射方向を決定することが重要になる。
【0005】
このような治療計画は、一般に、コンピュータ・システム上のソフトウエアで実施する。治療計画ではまず画像データを利用して病巣とその周囲にある注目すべき正常組織(例えば、陽子線を照射してはならない臓器等)について3次元領域を設定して、その座標をメモリに記憶させる。次に、病巣の大きさに合わせて決めた照射範囲(照射野と呼ぶ)と、仮に決めた照射方向と照射強度に基づき、ある物理モデルに従って画像データを用いて人体内部の3次元線量分布を計算する。このようにして得られた結果は、各種の評価手段を用いて評価される。例えば、病巣や各正常組織に対して線量とその線量値を持つ組織体積の関係を表わすグラフであるDVH(Dose Volume Histogram)、人体断層像に線量分布を重ね合わせた2次元等線量線図、あるいは、人体組織に線量分布を3次元データのまま重ね合わせ、半透明で立体的に表示する3次元表示などである。これらによって、線量分布が望ましいものであると判断されれば、仮に決めた照射方向と照射強度を治療に採用し、そうでなければ、再び照射方向と照射強度を決め直して、線量分布を計算し、その結果を評価する。治療計画では一般にこのような繰り返しによって治療に採用する照射方向と照射強度を決定する。
【0006】
人がこの繰り返し過程によって治療計画を行うのは、非常に手間のかかる作業となる。そこで、数理的な処理により照射方向と照射強度を計算する方法がいくつか提案されている。例えば、A. Brahme, P. Kallman, B. Lind: "Optimization of the Probability of Achieving Complication Free Yumor Control Using a 3D Pencil Beam Scanning Technique for Protons and Heavy Ions"(Proceedings from the NIRS international workshop on heavy charged particle therapy and related subjects. Chiba, Japan, 124/142, 1991)や、B. Lind, A. Brahme: "Photon Field Quantities and Units for Kernel Based Radiation Therapy Planning and Treatment Optimization"(Phys. Med. Biol., Vol. 37, 891/909, 1992)に記載された方法がある。これらの方法は、最小2乗法に基づいて最適な線量分布を与えるような照射方向と照射強度を計算するもので、人体内部の所望の線量分布から照射方向と照射強度を求める、いわゆる逆問題の形式を採っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの方法を陽子線治療計画に適用した場合、計算が複雑になり、計算時間が長くなるという問題があった。また、人体内部の所望の線量分布を入力として与えることが前提であるため、3次元の治療計画を扱う場合には、その入力にかかる手間が膨大になってしまうという問題点もあった。
【0008】
本発明は、陽子線を使った放射線治療の治療計画において、陽子線の照射方向を決定するのを容易にする手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る陽子線照射方向決定支援システムは、陽子線の照射方向の決定を支援するシステムであって、陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出する算出手段と、算出された値の分布を示す分布図を表示する表示手段とから構成されることを特徴とする。
【0010】
この場合において、更に、前記算出された拡大ブラッグピーク幅を使って病巣を覆ったときに、病巣からはみ出す領域の体積を算出し、算出された体積の値の分布を示す分布図を表示するようにしてもよい。
【0011】
また、前記陽子線照射方向決定支援システムは、陽子線の照射対象となる病巣を含む画像データを入力する入力手段と、前記画像データから病巣の形状情報を抽出する抽出手段とを更に有するようにしてもよい。
【0012】
この場合において、更に、病巣から体表までの水等価距離を算出し、この算出された水等価距離の分布を示す分布図を表示するようにしてもよい。
【0013】
また、前記表示手段は、選択された照射方向に対応する分布図上の位置、および、分布図の値が照射方向に関して対称性を有する場合は対称関係のある位置に、マークを表示するようにしてもよい。更に、病巣及びその周囲の組織並びに陽子線ビームを3次元表示し、3次元表示された陽子線ビームの方向と前記分布図上のマークが連動するようにしてもよい。
【0014】
また、選択された照射方向の緯度と経度の値と、その照射方向に対応する拡大ブラッグピーク幅の値、病巣と拡大ブラッグピーク幅が病巣周囲を覆う領域との体積差の値、および、病巣中心から体表までの水等価距離の値を表示するようにしてもよい。
【0015】
また、陽子線治療で採択できる拡大ブラッグピーク幅が限定されている場合は、前記拡大ブラッグピーク幅に対応する照射方向を各分布図上で特殊表示するようにしてもよい。ここでの特殊表示とは、選択可能な照射方向を明確にするために、例えば、分布図内の他の点や線と、異なる色や方法で表示することをいう。
【0016】
本発明に係る陽子線照射方向決定支援方法は、陽子線の照射方向の決定を支援する方法であって、陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出するステップと、算出された値の分布を示す分布図を表示するステップとから構成されることを特徴とする。
【0017】
この場合、前記算出された拡大ブラッグピーク幅を使って病巣を覆ったときに、病巣からはみ出す領域の体積を複数の照射方向について算出するステップと、算出された体積の値の分布を示す分布図を表示するステップとを更に有するようにしてもよい。
【0018】
また、前記方法において、陽子線の照射対象となる病巣を含む画像データを入力するステップと、前記画像データから病巣の形状情報を抽出するステップとを更に有するようにしてよい。
【0019】
また、この場合において、病巣から体表までの水等価距離を複数の照射方向について算出するステップと、算出された水等価距離の分布を示す分布図を表示するステップとを更に有するようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
まず、本発明の実施形態が利用される陽子線治療システムについて説明する。図12は、そのような陽子線治療システムを示す。同図に示すように、本システムは、X線CT装置1201と、治療計画装置1202と、治療装置1204とから構成されている。また、治療装置1204は、加速器1206、ガントリー1208、照射ノズル1209、治療ベッド1210とこれらを制御する制御装置1205から構成されている。
【0022】
X線CT装置1201は、治療対象となる人体の人体断層像を取得する。X線CT装置1201によって取得された人体断層像は、治療計画装置1202に入力される。治療計画装置1202では、各種パラメータ1203に基づいて線量分布を計算し、結果の評価・判定を行う。そして、これらのパラメータ1203を何回か変更して最も適切な照射条件を決定する。決定された照射条件は、治療装置1204内の制御装置1205へ入力される。制御装置1205は、その照射条件に従って、陽子線の最大飛程、陽子線のSOBP、ガントリー1208の回転角度、照射ノズル1209内に設置されたリッジフィルタなどの各種機器のパラメータ、治療ベッド1210の位置や回転角度などを制御する。
【0023】
図13は、治療計画装置1202を実現するためのコンピュータ・システムを示す。同図に示すように、このシステムは、コンピュータ本体1301、画像データ等のデータやオペレータの指示を入力するための入力装置1302、入力されたデータに基づく算出結果等を表示するための表示装置1303、及び、治療計画用ソフトウエア自体や出力結果を保存しておくための記憶装置1304から構成される。
【0024】
図2は、陽子線治療システムによる治療の様子を示す図である。同図に示すように、陽子線203は、人体201の内部の病巣202に向けて、リッジフィルタ204、ボーラス205、患者コリメータ206を介して照射される。なお、同図の右側に示したグラフは、陽子線203を照射したときの深部線量分布209を示すグラフであり、横軸D208は、線量を、SOBP210での線量を100%としたときの相対線量[%]で表わし、縦軸z207は、陽子線の照射方向の深さを表す。
【0025】
リッジフィルタ204は、ブラッグピークを拡大し、ある一定幅だけ平坦な領域を持つようにするためのものである。ボーラス205は、距離補償用フィルタの一種であり、SOBP210の後端を病巣202の後端に合わせる役目をするものである。ボーラス205の形状は、ボーラス205から病巣202の後縁までの水等価深さが一定値となるように決める。そうすれば、病巣の形状に応じて、病巣より先には、ほとんど線量が与えられないようになる。患者コリメータ206は、病巣202以外の横方向に陽子線が照射されないように遮蔽をするためのものである。
【0026】
このようにして病巣に陽子線を照射する場合、SOBPの位置は陽子線の入射エネルギーを調整することでコントロールできる。従って、体表から病巣までの水等価深さと、その病巣の深さ方向の水等価厚がわかれば、その病巣にSOBPをうまく一致させることが可能になる。体表から病巣までの水等価深さと、その病巣の深さ方向の水等価厚はX線CT装置で撮影した画像データを用いて求めることができる。
【0027】
ところで、前述したように、SOBP幅はリッジフィルタ204によって規定されるので、その値は場所によらず一定となり、病巣の水等価厚の最大値にあわせて、SOBP幅を定めると、最大値をとらない位置ではSOBPは病巣の前縁方向にはみ出すことになる。つまり、病巣近傍の正常組織のいくらかには100%の線量が与えられてしまうことになる。このようなはみ出し部分が存在することはある程度はやむを得ないが、その量は小さい方が望ましい。そこで、次に、このはみ出し部分について考える。
【0028】
簡単のため2次元断面における陽子線照射を考える。図3は、照射方向と病巣の形状とはみ出し部分の関係を示す図である。図3(a)に示すように照射方向301を決めたとき、この方向において、病巣をSOBPで完全に覆うには、SOBP幅を、この方向で病巣302を見たときの病巣の取りうる最大の長さ(深さ)303にあわせる必要がある。また、照射方向に垂直な方向の広がりは、照射方向から見たときの病巣の横方向の長さ304とする必要がある。SOBP幅303はリッジフィルタによって規定され、その位置に関係なく、どこでも一定となるので、結局、線量100%領域の面積は、病巣の縦方向最大長さ(SOBP幅)303と横方向長さ304の積に等しい。一方、病巣の面積は画像データからの抽出処理によって求めることができる。従って、前者から後者を引けば、それがはみ出し部分305の面積になる。また、病巣の面積は一定値であるので、結局のところ、はみ出し部分305の面積が最小になるのは、ある方向から見た病巣の最大長さ303とそれに垂直な横方向長さ304の積が最小になるような方向に照射方向を選んだときである。これを3次元に拡張して考えると、はみ出し部分の体積は、ある方向から見た病巣の最大長さ(SOBP幅)と、その方向の病巣の射影面積の積に等しく、この積が最小になるような方向に照射方向を選んだときに、はみ出し部分の体積が最小になる。
【0029】
図3は、その他の例として、病巣の形状が円の場合(b)と、矩形の場合(c)も示している。図3(b)に示すように、病巣の形状が円の場合、病巣の縦方向最大長さ307と横方向長さ308は円の直径と等しく、どんな照射方向を選んでも一定である。したがって、はみ出し部分309の面積は照射方向に関係なく一定値となる。一方、図3(c)に示すように、病巣の形状が矩形の場合、矩形の各辺に垂直な照射方向において、はみ出し部分313は完全に0となる。これから、一般に病巣が円に近いものほど照射方向を変化させても、はみ出し量を小さくしにくく、矩形に近いものほど照射方向を変化させれば、はみ出し量を小さくしやすいと考えられる。
【0030】
以上のことから、陽子線治療の治療計画においては、はみ出し部分の体積が最小になる照射方向を最終解として採用することが、まず考えられる。しかしながら、そのような照射方向を最終解として採用できない場合もありうる。例えば、その方向を選んだときにはそれに対応して、病巣を覆うのに必要となるSOBP幅が一意的に決まる。しかし、実際の治療においては、あらかじめ準備されたいくつかのリッジフィルタの中から選択して使用する場合が多く、必ずしも、必要となるSOBP幅を実現できるリッジフィルタが用意されているとは限らない。
【0031】
また、はみ出し部分の体積が最小になる照射方向を選んでも、その方向では病巣と体表との距離が長くなって、不必要に多くの正常組織を被曝させることにもなりかねない。そこで、はみ出し部分の体積、SOBP幅、および、病巣から体表までの水等価距離の3つの情報を勘案しながら、照射方向を決定する方が好ましい。
【0032】
本発明の実施形態においては、照射方向を決定するための判断材料として、上記の3つの情報(SOBP幅、はみ出し部分の体積、および、病巣から体表までの水等価距離)を採用し、これらの情報を比較検討するのを容易にするために、以下のような方法を採る。
【0033】
まず、照射方向を緯度と経度の組で表わす。図4は、以下の説明で使用される座標系を示す。同図に示すように、人体401の内部に病巣402があり、その中心に座標原点をとる。照射方向403は、経度θ404、緯度φ405で指定される。
【0034】
このような座標系のもと、緯度と経度を所定の分解能(角度刻み)にしたがって変化させ、各照射方向毎に上記の3つの値を算出し、各々異なる2次元の地図上にその値の分布を濃淡や等高線などを使って表示する。
【0035】
はみ出し部分の体積とSOBP幅の場合、これらの地図に対称性がある。すなわち、照射方向を単位球面上の点として考えれば、ある照射方向とその逆方向で算出される値は等しくなる(点対称)。従って、はみ出し部分の体積とSOBP幅の算出に当たっては、半球面上の点についてだけ、それらの値を計算すればよいことになる。一方、病巣から体表までの水等価距離の場合には、病巣中心を1点決めて、そこから体表までの水等価厚を求める。これには一般に他の2つのような対称性はないので、全方向について算出する必要がある。
【0036】
図5、図6、図7は、それぞれ、SOBP幅、はみ出し部分の体積、および、病巣から体表までの水等価距離の各分布地図の概念図を示す。これらは、各値の分布を等高線で表示した場合の例である。SOBP幅の分布図501は、図4の極座標系に基づいて、横軸に経度θ502を、縦軸に緯度φ503をとっている。同じ値をとる照射方向(分布図上の点)は、等高線504等で示される。また値が最も小さくなる最小点505には、×印が表示される。SOBP幅の場合は、その対称性から最小点505は2か所あることにある。図6のはみ出し部分の体積の分布図601と図7の病巣から体表までの水等価距離の分布図701も、図5とほぼ同様である。但し、水等価距離には一般に対称性がないため最小点705は1か所だけとなる。
【0037】
これら3つの地図を同時に表示すれば、相互に比較検討して、望ましい照射方向を絞り込むことが容易に行えるようになる。また、各分布地図上で、オペレータがマウスのピック操作等によって、照射方向(分布図上の点)を選択すると、選択された方向は、その分布図上でマーク表示される。3つの分布地図は相互に連動しており、ある分布地図上で照射方向が選択されると、すべての分布地図上のその方向に対応する位置にマークが表示される。このように、3つの分布地図を連動させることにより、ある照射方向を選択したときの、3つの情報の判断が容易になり、照射方向の決定が容易に行えるようになる。
【0038】
なお、各分布地図は、値の分布を、等高線でなく、濃淡によって表してもよい。また、値の分布を濃淡で表したものに、等高線を重ねて表示してもよい。等高線の本数や色は、例えば、オペレータの指示により、任意に設定される。
【0039】
採択できるリッジフィルタの種類に制限がある場合は、リッジフィルタに対応して定まるSOBP幅の値を登録しておき、その値をとる照射方向に対応する点(等高線)をSOBP幅の分布図501上で特殊表示する。特殊表示とは、他の点(等高線)と区別が付くように、例えば、他の点(等高線)とは色を変えて表示することをいう。更に、他の2つの分布図についても、分布図501で特殊表示された点(曲線)と同じ点(曲線)を特殊表示する。このようにすることで、既存のリッジフィルタを使う場合に、採用可能な照射方向が明示されるので、その制約の元で、照射方向を選択することが容易になる。なお、既存のリッジフィルタでは実現できないSOBP幅を使用する必要がある場合は、採用した照射方向でのSOBP幅を実現するフィルタを新たに製作することになる。
【0040】
次に、上述したようなSOBP分布図501、はみ出し部分体積分布図601、及び、水等価厚分布図701を表示させる表示処理について説明する。
【0041】
図8は、SOBP分布図及びはみ出し部分体積分布図の表示処理を説明するフローチャートである。
【0042】
まず、実際の表示処理を行う前の準備段階として、病巣、注目組織の形状、位置を設定するため、領域設定処理を行う(S1501)。具体的には、ボクセルから成る3次元配列に格納された3次元画像データから人体組織全体、病巣、および、正常組織の3次元座標を得る処理を行う。なお、人体の断層像に注目した場合、断層像内の各点はピクセルと呼ばれ、断層像複数枚からなる全体に注目した場合、内部の各点はボクセルと呼ばれる。上記の処理は、3次元画像データから病巣等の領域内にあるボクセルを識別し、その存在範囲をコンピュータ内のメモリに記憶させるものである。
【0043】
病巣領域の設定には各種の方法があるが、ここでは、オペレータが、表示装置に表示された断層像上で病巣領域を指定する領域指定法について説明する。治療計画では一般的にX線CT装置で撮影された画像データを利用するが、これは人体の断層像複数枚から成るものである。コンピュータの画面上に断層図を表示し、まずは、病巣が存在するものを見つける。そして、その断層像上でマウス等のポインティング・デバイスを使って病巣領域を囲む曲線を描く。このとき、曲線の内部の各点に対応するメモリ領域に、病巣領域であることを識別するためのフラグをたてる。これによって、コンピュータは、そこを病巣組織であると判別することができるようになる。この処理を病巣が存在する断層像すべてにわたって行い、病巣領域の3次元的な存在範囲を特定する。なお、3次元座標を得る方法としては、これ以外にも、画像濃度のしきい値を使う方法や組織の連結情報を使う領域拡張法などの半自動的な抽出方法などがある。
【0044】
上記のような方法によって、例えば、病巣が1つ、正常組織が複数個設定される。そして、設定された組織についてのデータは、内部メモリや外部記憶装置に保存される。
【0045】
次に、そのようにして指定された病巣領域の体積を算出する(S1502)。画像データではボクセルの縦、横、高さの各長さが既知であるので、それを利用して病巣体積を計算し、メモリ内に記憶しておく。ここでは、水等価距離を使って体積を計算するので、各ボクセルの密度を重み付けして体積を求める。なお、水等価距離とは、仮に人体組織の密度が水のそれと等しいとした場合の2点間の距離である。X線CT装置で得られた画像データに対して、ある値が水の密度1.0に対していくつになるかを計算する変換方法は、例えば、所定の関数で与えられ、変換後の密度を重みとして2点間の線績分を行うことで、その水等価距離が計算できる。
【0046】
次に、初期照射方向を設定する(S1503)。つまり、最初の計算に使われる照射方向を規定する緯度θと経度φを設定する。
【0047】
以上のような準備処理が完了すると、次に、病巣領域の設定処理(S1501)で得られた病巣の形状情報に基づいて、各照射方向におけるSOBP幅及びはみ出し部分の体積を計算して、それらの分布地図を表示するための処理を行う。
【0048】
そのために、まず、設定された照射方向に基づいて、リサンプリングを行う(S1504)。任意の照射方向を考えた場合、一般に、上記の断層像間同士を斜めによぎる方向を対象とすることもある。そのような場合には、その照射方向に沿って格子点を取り直し、ボクセルを並び替える必要がある。このような処理をリサンプリングという。リサンプリングは、病巣を含む限られた範囲だけで行ってもよいし、画像データ全体で行ってもよい。リサンプリングによって病巣領域の存在範囲も新たな格子点上に展開され直すことになる。
【0049】
次に、リサンプリングされた3次元データ使って、病巣の最大長さの算出を行う(S1505)。この場合、まず、現時点での照射方向でリサンプリングされたデータをスキャニングして、病巣の奥行き方向で幅が最大となるものを探し、その長さを水等価厚で求める。そして、求めた最大値を、照射方向と組にしてメモリ中に記憶しておく。
【0050】
次に、現時点の照射方向に関して、病巣射影面積の算出を行う(S1506)。すなわち、現時点の照射方向に垂直な方向での病巣の存在範囲を特定し、病巣の射影面積を求め、メモリ中に記憶しておく。ここでも、水等価距離を使って射影面積を計算する。
【0051】
次に、はみ出し部分の体積の算出を行う(S1507)。すなわち、S1505で求めた病巣縦方向最大長さとS1506で求めた病巣射影面積の積を求め、これからS1502で求めた病巣体積を減じて、はみ出し部分体積を計算する。得られた値は現時点での照射方向と組にしてメモリ内に記憶しておく。
【0052】
次に、すべての計算すべき方向について、処理を終了したかどうかを判定する(S1508)。ここでの計算すべき方向とは、SOBP幅及びはみ出し部分の体積は共に、ある照射方向とその正反対の方向でその値が等しくなるので、3次元空間内の全方向の半分である。
【0053】
判定の結果、まだ、計算していない方向が有る場合は(S1508:NO)、照射方向の変更を行う(S1509)。すなわち、設定された分解能に従って、ある角度刻み分だけ現時点の照射方向を表す緯度θや経度φを変更し、変更後の方向について、あらためてSOBP幅及びはみ出し部分の体積を計算する(S1504〜S1507)。
【0054】
一方、必要なすべての方向に関して、病巣縦方向最大長さ及びはみ出し部分体積の算出が終了した場合は(S1508:YES)、照射方向と対応した形式でメモリ中に格納された病巣縦方向最大長さ及びはみ出し部分体積の値をそれぞれ読み出して、図5及び図6に示したようなSOBP分布図及びはみ出し部分体積の分布図を表示する(S1510)。
【0055】
図9は、水等価厚分布図の表示処理を説明するフローチャートである。
【0056】
まず、上述したS1501及びS1502と同様の処理によって、病巣領域の設定処理S1601及び初期照射方向の設定処理S1602が行われる。
【0057】
病巣領域の設定処理S1601及び初期照射方向の設定処理S1602が終了すると、病巣−体表間の水等価厚の算出を行う(S1603)。すなわち、現時点の照射方向において、あらかじめ決めておいた病巣内の1点と体表までの水等価厚を計算する。得られた値は現時点での照射方向と組にしてメモリ中に記憶しておく。病巣内の1点は、例えば、病巣に外接する直方体の中心などが選ばれる。
【0058】
次に、計算すべき方向をすべて計算したかどうかを判定する(S1604)。病巣−体表間の水等価厚は、一般に対称性を有しないので、計算すべき方向は3次元空間内の全方向とする。判定の結果、まだ、計算していない方向が有る場合は(S1604:NO)、照射方向の変更を行う(S1605)。すなわち、設定された分解能に従って、ある角度刻み分だけ現時点の照射方向を表す緯度θや経度φを変更し、変更後の方向で、あらためて病巣から体表までの水等価厚を計算する。
【0059】
一方、すべての方向に関して、病巣−体表間の水等価厚の算出が終了した場合は(S1604:YES)、水等価厚分布図の表示を行う(S1606)。すなわち、照射方向と対応した形式でメモリ中に格納された病巣−体表間の水等価厚の値を読み出して、図7に示したような分布図を表示する。
【0060】
以上、SOBP分布図、はみ出し部分体積分布図、及び、水等価厚分布図を表示させる表示処理について、便宜上、図8の処理と図9の処理とに分けて説明したが、実装条件に応じて、SOBP分布図、はみ出し部分体積分布図、及び、水等価厚分布図を、それぞれ別の処理で表示したり、全部を1つの処理で表示してもよい。
【0061】
次に、本発明の別の実施形態について説明する。本実施形態においては、上述したSOBP幅、はみ出し部分の体積、および、病巣から体表までの水等価距離の各分布地図に加えて、3次元表示を併用する。3次元表示とは病巣と共にその周囲にあるいくつかの正常組織を2次元投影面に立体的に陰影を付けて表示することをいう。これによって、ある照射方向が実際の人体に対してどんな方向になるのかを直感的に理解することが容易になる。
【0062】
本実施形態では、組織と陽子線ビームを3次元的に重ね合わせて、両者を半透明で2次元投影面に表示する。そして、ある照射方向を分布地図上で選択したとき、選択された照射方向に対応して、その方向を示す陽子線ビームを人体組織に重ね合わせて3次元表示する。これにより、その方向を直感的に把握することが可能になる。
【0063】
逆に、3次元表示において照射方向を指定すれば、その方向を上記の分布地図上にマークを付けて表示するようにしてもよい。こうすれば直感的に把握した照射方向について、分布図を使った定量的な判断を行うことが可能になる。
【0064】
陽子線ビームは病巣を中心として任意本数分生成可能で、各ビームを任意方向に設定することができるものとする。なお、病巣中心点は、初期位置として、病巣に外接する直方体の対角線交点がとられ、その後、その位置が調整できるものとする。
【0065】
また、3次元表示においては、表示対象を任意回転させて表示したり、任意断面で切断して内部を表示したりすることができるようにする。また、領域設定を行った組織のうち任意組織に対して表示/非表示を選択できるようにする。
【0066】
図10は、3次元表示の様子を示す図である。同図に示すように、体表801の内部に、脊柱802、心臓803、左肺804、右肺805、及び、病巣806が3次元表示されている。更に、照射方向を示す矢印807に対応して陽子線ビーム808が体表801から病巣806まで伸びている。照射方向の確認のために観察する場合、これら全体を3次元空間内で回転させることにより、照射の状況が任意方向から観察できることになる。3次元画像を使って照射方向を決定する場合は、陽子線ビーム808をマウスカーソルなどでドラッグして方向を指定したり変更したりする。照射方向を多方向設定する場合は、指定本数だけ陽子線ビーム808が表示され、1つの場合と同様に、各陽子線ビームをマウスなどを使って操作する。
【0067】
以上、説明したように、分布地図と3次元表示を併用することにより、分布地図では定量的な情報を、そして、3次元表示では定性的な情報を提示できる。つまり、これら2つの異なる情報を同時に提示することにより、これら性質の異なる情報が相互に補い合って、照射方向を決定することがより容易になる。
【0068】
図1は、以上説明した本発明による陽子線照射方向決定支援システムの表示画面の一例を示す。同図に示すように、この表示画面は、SOBP幅の分布図101、はみ出し部分の体積の分布図102、病巣から体表までの水等価厚の分布図103、表示方法選択ボタン104、等高線本数設定用スクロールバー105、等高線本数初期化ボタン106、等高線色パレット107、等高線色設定領域108、等高線色初期化ボタン109、数値テーブル110、分解能設定用スクロールバー111、3次元表示画面112、連動ボタン113、3次元画像緯度回転用スクロールバー115、3次元画像経度回転用スクロールバー116、3次元画像表示対象選択ボタン117、発生ボタン118、消去ボタン119、選択/移動ボタン120とから構成されている。オペレータは、この画面上でマウス等のポインティング・デバイスを使って、操作対象について、ピックやドラッグなどの操作を行う。
【0069】
表示方法選択ボタン104は、分布図を濃淡、等高線のどちらで表示するかを設定するトグルボタンである。等高線本数設定用スクロールバー105は、等高線の本数を設定するためのものである。等高線本数初期化ボタン106は、設定値を初期化するためのものである。オペレータは、等高線色パレット107から色を選択して、それを等高線色設定領域108へ置くことで等高線の色を設定する。等高線色の初期化は等高線色初期化ボタン109で行う。
【0070】
数値テーブル110は、分布図101〜103上や3次元表示画面上でオペレータによって選択された照射方向に対応して、照射方向の緯度及び経度、SOBP幅、はみ出し部分の体積、および、病巣と体表の水等価厚を数値で表示する。それらの数値は各分布図101、102、103でマーク付けされたものと整理番号で対応づけされる。
【0071】
分解能設定用スクロールバー111は、分布図101〜103の緯度・経度の角度刻みを変更するためのものである。オペレータがこのスクロールバー111を使って、分解能を変更すると、変更後の分解能にしたがって、各値が計算され、変更後の分解能で分布図101〜103が表示される。
【0072】
連動ボタン113をピックすると、3次元表示画面112には、各分布図101、102、103で選択された照射方向に対応して陽子線ビーム114が表示されるようになる。陽子線ビーム114は、ドラッグすることでその方向を変更でき、そのとき各分布図101、102、103の対応するマークも移動する。連動ボタン113を再度ピックすると、それ以降は、連動表示を行わないようになる。3次元画像緯度回転用スクロールバー115、3次元画像経度回転用スクロールバー116を操作すれば、3次元表示画面112内の表示物全体が回転させることができる。
【0073】
3次元画像表示対象選択ボタン117は、3次元表示画面112内のどの臓器を表示するかを指定するためのトグルボタンである。再度、3次元画像表示対象選択ボタン117をピックすると、その臓器の表示は消える。
【0074】
発生ボタン118をピックした後に、分布図101、102、103、あるいは、3次元表示画面112の上で、マウスカーソルをピックすれば、それに従ってマーク、あるいは、陽子線ビーム114を発生させることができる。消去ボタン119をピックすれば分布図101、102、103内で選択されていたマーク、あるいは、3次元表示112内で選択されていた陽子線ビーム114を消去することができる。
【0075】
選択/移動ボタン119をピックすれば分布図101、102、103、あるいは、3次元表示画面112で選択したマーク、あるいは、陽子線ビーム114を連動、あるいは、移動させることができる。
【0076】
次に、陽子線照射方向決定支援システムの操作例について説明する。
【0077】
図11は、オペレータの指示に対応して、システムが行う処理を説明するフローチャートである。
【0078】
まず、システムが起動されると、システムは、図8及び図9を使って説明したような処理によって、SOBP幅、はみ出し部分の体積、および、病巣から体表までの水等価厚を算出し、それぞれの値の分布を緯度・経度の組で表わした分布図を等高線等を使って表示する(S1101)。この場合、初めて分布図を表示するときは、事前に設定された分解能(緯度・経度の角度刻み)、等高線本数および等高線色を使って算出・表示を行い、そうでない場合は、直前に設定された値を使って算出・表示を行う。
【0079】
次に、オペレータによってパラメータの変更が指示されたか否かを判断する(S1102)。すなわち、等高線本数や等高線色の変更が指示されたか否かを判定する。判定の結果、変更が指示されていた場合は、続けて、その指示が初期状態への遷移の指示か否か、すなわち、等高線本数および等高線色を初期状態に戻す指示がされたか否かを判定する(S1103)。判定の結果、初期状態に戻す場合は、各種パラメータを初期値に戻して、初期値にしたがって、各分布図を再描画する(S1101)。
【0080】
一方、初期状態遷移の指示でなかった場合は、等高線の本数を、指定された本数に変更し(S1104)、等高線色を選択された色に変更する(S1105)。そして、変更された値によって、再度、各分布図を表示する(S1101)。
【0081】
上記操作によって、所望の表示を得たオペレータは、注目する照射方向を任意位置で任意個数、適宜指定する(S1106〜S1107)。指定された指定方向は、システムによって画面上でマーク表示される。このとき、ある照射方向が指定されると、システムは、照射方向の正・逆方向の対称性を考慮に入れて、対象性がある分布図においては、対応する方向もマーク表示する。この際、どれとどれが対称関係にある照射方向かがわかるように、マークの色や形を揃えて表示する。
【0082】
また、オペレータは、候補として指定された照射方向の中から3次元表示と連動させる照射方向を適宜選択する(S1108〜S1109)。この場合、複数個選択することも可能である。
【0083】
次に、各分布図の分解能、すなわち、緯度・経度の角度刻みの変更がオペレータによって指示されたか否かを判定する(S1110)。判定の結果、変更が指示された場合は、システムは、各分布図の緯度・経度の角度刻みを変更し(S1111)、変更後の分解能(角度刻み)に基づいて、SOBP幅等を算出し、分布図の表示を行う(S1101)。
【0084】
一方、分解能の変更が指示されなかった場合、更に、3次元表示との連動をさせるか否かの判定を行う(S1112)。すなわち、オペレータによって、選択された照射方向と3次元表示との連動が指示されたか否かを判定する。判定の結果、連動が指示された場合は、選択された照射方向に連動して3次元表示を行う(S1113)。3次元表示画面においては、領域設定処理で設定された組織の表示/非表示を指定することができる。また、表示対象物は任意方向に回転させることができる。
【0085】
オペレータは、上述したような操作を経て照射方向の候補を比較検討することによって、最適な照射方向を決定する。照射方向を決定した場合は、次に、その照射方向におけるSOBP幅を記憶装置に保存するかどうかを判定する(S1114)。判定の結果、保存する場合は、SOBP幅を記憶装置に保存する(S1115)。このようにして保存されたSOBP幅は、実際の陽子線治療に使用されるリッジフィルタの選択(また、必要であれば、製作)に利用される。
【0086】
続けて、決定した照射方向を記憶装置に保存するかどうかを判定する(S1116)。判定の結果、保存する場合は、照射方向を記憶装置に保存し(S1117)、処理を終了する。このようにして保存された照射方向に基づいて、実際の陽子線治療が行われる。一方、保存しない場合は、そのまま処理を終了する。
【0087】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明による陽子線照射方向決定支援システムでは、病巣を覆うのに必要なSOBP幅、SOBPで病巣を覆ったときのはみ出し部分の体積、病巣と体表までの水等価距離の分布図を表示するので、使用できるリッジフィルタ、あるいは、どのようなリッジフィルタを製作すればよいかを念頭に置きながら、各分布図を比較することにより、照射方向を決定するにあたって、定量的な判断を行うことができる。更に、三次元表示と連動させることで、照射方向を直感的に把握しつつ、最終的な照射方向を対話的に絞り込んでいくことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による陽子線照射方向決定支援システムの表示画面の一例を示す図である。
【図2】 陽子線治療システムによる治療の様子を示す図である。
【図3】 照射方向と病巣の形状とはみ出し部分の関係を説明する図である。
【図4】 本発明の実施形態で使用される座標系を示す図である。
【図5】 SOBP幅分布図の例を示す図である。
【図6】 はみ出し部分体積分布図の例を示す図である。
【図7】 病巣から体表までの水等価厚分布図の例を示す図である。
【図8】 SOBP分布図及びはみ出し部分体積分布図の表示処理を示すフローチャートである。
【図9】 水等価厚分布図の表示処理を示すフローチャートである。
【図10】 3次元表示の例を示す図である。
【図11】 オペレータの指示に応じたシステムの動作を説明するフローチャートである。
【図12】 本発明の実施形態が利用される陽子線治療システムを示す図である。
【図13】 本発明によるシステムを実現するコンピュータシステムを示す図である。
【符号の説明】
101 SOBP分布図
102 はみ出し部分体積分布図
103 水等価厚分布図
104 表示方法選択ボタン
105 等高線本数設定用スクロールバー
106 等高線本数初期化ボタン
107 等高線色パレット
108 等高線色設定領域
109 等高線色初期化ボタン
110 数値テーブル
111 分解能設定用スクロールバー
112 3次元表示画面
113 連動ボタン
114 陽子線ビーム
115 3次元画像緯度回転用スクロールバー
116 3次元画像経度回転用スクロールバー
117 3次元画像表示対象選択ボタン
118 発生ボタン
119 消去ボタン
120 選択/移動ボタン

Claims (16)

  1. 陽子線の照射方向の決定を支援するシステムであって、
    陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出する算出手段と、 算出された値の分布を示す分布図を表示する表示手段と、備え、
    前記算出手段は、前記算出された拡大ブラッグピーク幅を使って病巣を覆ったときに、病巣からはみ出す領域の体積を算出し、
    前記表示手段は、算出された体積の値の分布を示す分布図を表示する
    ことを特徴とする陽子線照射方向決定支援システム。
  2. 陽子線の照射対象となる病巣を含む画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データから病巣の形状情報を抽出する抽出手段と
    を更に有することを特徴とする請求項に記載の陽子線照射方向決定支援システム。
  3. 陽子線の照射方向の決定を支援するシステムであって、
    陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出する算出手段と、 算出された値の分布を示す分布図を表示する表示手段と、
    陽子線の照射対象となる病巣を含む画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データから病巣の形状情報を抽出する抽出手段と、を備え、
    前記算出手段は、病巣から体表までの水等価距離を算出し、
    前記表示手段は、算出された水等価距離の分布を示す分布図を表示することを特徴とする陽子線照射方向決定支援システム。
  4. 前記算出手段は、更に、病巣から体表までの水等価距離を算出し、
    前記表示手段は、更に、算出された水等価距離の分布を示す分布図を表示することを特徴とする請求項に記載の陽子線照射方向決定支援システム。
  5. 陽子線の照射方向の決定を支援するシステムであって、
    陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出する算出手段と、 算出された値の分布を示す分布図を表示する表示手段と、備え、
    前記表示手段は、選択された照射方向に対応する分布図上の位置、および、分布図の値が照射方向に関して対称性を有する場合は対称関係にある位置に、マークを表示することを特徴とする陽子線照射方向決定支援システム。
  6. 陽子線の照射方向の決定を支援するシステムであって、
    陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出する算出手段と、 算出された値の分布を示す分布図を表示する表示手段と、
    陽子線の照射対象となる病巣を含む画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データから病巣の形状情報を抽出する抽出手段と、を備え、
    前記表示手段は、選択された照射方向に対応する分布図上の位置、および、分布図の値が照射方向に関して対称性を有する場合は対称関係にある位置に、マークを表示することを特徴とする陽子線照射方向決定支援システム。
  7. 前記表示手段は、選択された照射方向に対応する分布図上の位置、および、分布図の値が照射方向に関して対称性を有する場合は対称関係にある位置に、マークを表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の陽子線照射方向決定支援システム。
  8. 前記表示手段は、更に、
    病巣及びその周囲の組織並びに陽子線ビームを3次元表示し、
    3次元表示された陽子線ビームの方向と前記分布図上のマークが連動する
    ことを特徴とする請求項5〜7に記載の陽子線照射方向決定支援システム。
  9. 前記表示手段は、更に、
    選択された照射方向の緯度と経度の値と、その照射方向に対応する拡大ブラッグピーク幅の値、病巣と拡大ブラッグピーク幅が病巣周囲を覆う領域との体積差の値、および、病巣中心から体表までの水等価距離の値を表示する
    ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の陽子線照射方向決定支援システム。
  10. 陽子線の照射方向の決定を支援するシステムであって、
    陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出する算出手段と、 算出された値の分布を示す分布図を表示する表示手段と、備え、
    陽子線治療で採択できる拡大ブラッグピーク幅が限定されている場合、
    前記表示手段は、前記拡大ブラッグピーク幅に対応する点を、分布図上に該拡大ブラッグピーク幅ごとに異なる色で表示することを特徴とする陽子線照射方向決定支援システム。
  11. 陽子線の照射方向の決定を支援するシステムであって、
    陽子線の照射対象となる病巣の形状情報を利用して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出する算出手段と、 算出された値の分布を示す分布図を表示する表示手段と、
    陽子線の照射対象となる病巣を含む画像データを入力する入力手段と、
    前記画像データから病巣の形状情報を抽出する抽出手段と、を備え、
    陽子線治療で採択できる拡大ブラッグピーク幅が限定されている場合、
    前記表示手段は、前記拡大ブラッグピーク幅に対応する点を、分布図上に該拡大ブラッグピーク幅ごとに異なる色で表示することを特徴とする陽子線照射方向決定支援システム。
  12. 陽子線治療で採択できる拡大ブラッグピーク幅が限定されている場合、
    前記表示手段は、前記拡大ブラッグピーク幅に対応する点を、分布図上に該拡大ブラッグピーク幅ごとに異なる色で表示することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の陽子線照射方向決定支援システム。
  13. 表示装置、記憶装置、及び入力装置を有するコンピュータにより、陽子線の照射方向の決定を支援する方法であって、
    前記記憶装置に予め記憶されている、陽子線の照射対象となる病巣を三次元座標により示す形状情報に対して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出するステップと、
    算出された拡大ブラッグピーク幅の値の分布を示す分布図を前記表示装置に表示させるステップと
    ある方向から見た病巣の前記算出された拡大ブラッグピーク幅と、予め求められている、その方向の病巣の射影面積との積から、病巣の体積を減じて、病巣からはみ出す領域の体積を、複数の照射方向について算出するステップと、
    前記算出された病巣からはみ出す領域の体積の値の分布を示す分布図を前記表示装置に表示させるステップと
    を有することを特徴とする陽子線照射方向決定支援方法。
  14. 前記記憶装置に記憶されている、陽子線の照射対象となる病巣を三次元座標により示す形状情報は、
    陽子線の照射対象となる病巣を含む人体の画像データの入力を受け付けるステップと、
    前記画像データを前記表示装置に表示させ、表示されている画像について、前記入力装置を介して病巣の形状の指示を受け付けて、当該病巣の形状を示す三次元座標を抽出するステップと、
    により求められること、を特徴とする請求項13に記載の陽子線照射方向決定支援方法。
  15. 表示装置、記憶装置、及び入力装置を有するコンピュータにより、陽子線の照射方向の決定を支援する方法であって、
    陽子線の照射対象となる病巣を含む人体の画像データの入力を受け付けるステップと、
    前記画像データを前記表示装置に表示させ、表示されている画像について、前記入力装置を介して病巣の形状の指示を受け付けて、陽子線の照射対象となる病巣を三次元座標により示す形状情報を抽出するステップと、
    前記抽出された陽子線の照射対象となる病巣を三次元座標により示す形状情報に対して、複数の照射方向について、病巣を覆うのに必要となる拡大ブラッグピーク幅の値を算出するステップと、
    算出された拡大ブラッグピーク幅の値の分布を示す分布図を前記表示装置に表示させるステップと
    前記陽子線の照射対象となる病巣を含む人体の画像データに基づいて、病巣から体表までの水等価距離を複数の照射方向について算出するステップと、
    算出された水等価距離の分布を示す分布図を前記表示装置に表示させるステップと
    を有することを特徴とする陽子線照射方向決定支援方法。
  16. 前記陽子線の照射対象となる病巣を含む人体の画像データに基づいて、病巣から体表までの水等価距離を複数の照射方向について算出するステップと、
    算出された水等価距離の分布を示す分布図を前記表示装置に表示させるステップと
    を更に有することを特徴とする請求項14に記載の陽子線照射方向決定支援方法。
JP09919998A 1998-04-10 1998-04-10 陽子線照射方向決定支援システム Expired - Fee Related JP3926468B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09919998A JP3926468B2 (ja) 1998-04-10 1998-04-10 陽子線照射方向決定支援システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09919998A JP3926468B2 (ja) 1998-04-10 1998-04-10 陽子線照射方向決定支援システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11290466A JPH11290466A (ja) 1999-10-26
JP3926468B2 true JP3926468B2 (ja) 2007-06-06

Family

ID=14240990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09919998A Expired - Fee Related JP3926468B2 (ja) 1998-04-10 1998-04-10 陽子線照射方向決定支援システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3926468B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001029490A (ja) 1999-07-19 2001-02-06 Hitachi Ltd 混合照射評価支援システム
DE102005058871B3 (de) 2005-12-09 2007-07-26 Siemens Ag Medizinische Bestrahlungseinrichtung mit Diagnosegerät zur Darstellung von Bestrahlungscharakteristika sowie Betriebsverfahren
US8017915B2 (en) 2008-03-14 2011-09-13 Reflexion Medical, Inc. Method and apparatus for emission guided radiation therapy
JP5075147B2 (ja) * 2009-03-04 2012-11-14 三菱電機プラントエンジニアリング株式会社 警報表示方法
EP3541281B1 (en) 2016-11-15 2021-09-08 RefleXion Medical, Inc. System for emission-guided high-energy photon delivery
CN111050849B (zh) 2017-07-11 2022-04-08 反射医疗公司 用于pet检测器余辉管理的方法
US10603515B2 (en) 2017-08-09 2020-03-31 Reflexion Medical, Inc. Systems and methods for fault detection in emission-guided radiotherapy
US10617888B2 (en) 2017-09-22 2020-04-14 Reflexion Medical, Inc. Systems and methods for shuttle mode radiation delivery
US11369806B2 (en) 2017-11-14 2022-06-28 Reflexion Medical, Inc. Systems and methods for patient monitoring for radiotherapy

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11290466A (ja) 1999-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7186991B2 (en) Mixed irradiation evaluation support system
US11304759B2 (en) Systems, methods, and media for presenting medical imaging data in an interactive virtual reality environment
US10062186B2 (en) Method for dynamically generating an adaptive multi-resolution image from algorithms selected based on user input
EP0673661B1 (en) Radiotherapy system
CN101490716B (zh) 用于医学图像分割的与多边形网格的高效用户交互
JP6027552B2 (ja) 相関するイメージマッピングポインタ
JP2008526270A (ja) Rtp用の改良されたデータ表現
JP3926468B2 (ja) 陽子線照射方向決定支援システム
Gehring et al. A three-dimensional volume visualization package applied to stereotactic radiosurgery treatment planning
JPH10146395A (ja) 放射線照射システム
Tsalpatouros et al. CT-based software for 3-D localization and reconstruction in stepping source brachytherapy
JP3531963B2 (ja) 放射線治療計画装置
JPH10309324A (ja) 治療計画システム
JP3720273B2 (ja) 放射線治療計画支援方法及び装置、並びに、これを用いた放射線治療装置
JP2891350B2 (ja) 三次元画像処理方法
JP3932667B2 (ja) 陽子線治療計画システム
JP2010220659A (ja) 治療計画装置及び治療計画システム
JP2621112B2 (ja) 放射線治療システムにおける治療計画最適化方法
Mosher Jr et al. 3D displays and user interface design for a radiation therapy treatment planning CAD tool
JP2006181369A (ja) 混合照射評価支援システム
JP2551734B2 (ja) 放射線治療システム
WO1991018644A1 (en) Process for use in radiosurgery
CN112618967B (zh) 一种调整放疗剂量分布并生成相应放疗计划的装置
Kessler et al. Application for design and simulation of conformal radiation therapy
JP3138619B2 (ja) 定位式放射線治療装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040712

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070122

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070220

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070228

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees