JP3924361B2 - 圧力発信器 - Google Patents

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健二 長澤
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崇之 横山
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧力発信器に関し、詳しくは、被検知圧力および大気圧の圧力差を検出して電気信号に変換する圧力センサと、この圧力センサが収納されるケースとを備えた圧力発信器に関する。
【0002】
【背景技術】
流体圧力の測定には、被検知圧力および大気圧の圧力差を検出して電気信号に変換する圧力センサをケースに収納した圧力発信器が用いられている。
圧力発信器の圧力センサとしては、ダイアフラムを用いた構造のものが知られている。すなわち、ダイアフラムの一方の面を被検知圧力を受ける感圧面とするとともに、他方の面を大気圧を受ける大気圧受圧面とし、感圧面に測定対象となる流体のみを導入して、大気圧受圧面はケースの内部空間に開放している。これにより、被検知圧力および大気圧の圧力差によってダイアフラムが変形するようになっている。
この種の圧力センサとしては、例えば、ダイアフラムの変形を歪みゲージにより電気信号に変換する歪みゲージ型圧力センサや、ダイアフラムの変形を静電容量として検出する静電容量型圧力センサ等が知られている。
【0003】
また、圧力発信器の設置される測定環境が過酷な場合等には、圧力センサを保護するために、ケースを密閉構造にして防水性や防塵機能の向上を図るようにしている。
しかし、ケースを密閉すると、温度変化やダイアフラムの変形によってケース内の圧力が変動し、大気圧受圧面にかかる圧力が大気圧と同一でなくなるため、正確な計測ができなくなる。
【0004】
このような問題を解消するために、ケースに大気開放用孔を形成して通気路とし、この大気開放用孔をケースの内側から撥水布からなるフィルタで覆い、ケース内への水等の浸入を防ぐとともに、ケース内外の通気を確保する方法が提案されている(実開平2−135838号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この方法では、大気開放用孔(通気路)の長さをケースの厚さ分程度しか確保できず、ゴミや水等がフィルタまで到達しやすい。このため、測定環境が悪い場合等には、ゴミや泥等の付着によりフィルタに目詰まりが生じて通気性が失われるおそれがある。
また、大気開放用孔を、ケースにおける通常の肉厚の部分に形成するので、大気開放孔の大きさや形状によっては、ケースの強度が低下する場合が考えられる。
【0006】
本発明の目的は、測定環境が過酷な場合でも、フィルタの通気性を継続して確保でき、かつ、通気路を形成したことによるケースの強度低下を抑制できる圧力発信器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被測定部の被検知圧力を受ける感圧面および大気圧を受ける大気圧受圧面を有しかつ前記被検知圧力および大気圧の圧力差を検出して電気信号に変換する圧力センサと、この圧力センサが収納されるケースとを備えた圧力発信器であって、前記ケースには、当該ケースの内部からその外部に引き出される導出部材を貫通させるための導出部が内側に膨出して設けられ、この導出部には、前記導出部材が挿通し、前記ケースの外部へ下向きに開口している導出孔と、この導出孔と交差して前記ケースの内部空間に通じる通気孔とが設けられ、前記通気孔と、前記導出孔および前記導出部材の間の隙間とを含んで上下方向に延びる部分を有した複数の通気路が形成され、前記通気路は、通気性および防水性を有するフィルタにより封口され、このフィルタは、前記通気路のうち前記ケースの内部空間側の内側開口部に装着されており前記ケースの少なくとも一面は、設置場所の被取付面に当接され、前記被取付面と離間するへこみ部が設けられた取付面とされ、
前記通気路は、前記ケースの内部空間から延びて前記取付面このへこみ部に開口する通気孔からなることを特徴とする。
【0008】
本発明では、ケース内外を連通する通気路は、ケースの内側に膨出した導出部に設けられているので、ケースのうち膨出していない他の部分に設けた場合よりも通気路を比較的長く形成できる。この比較的長い通気路の内側開口部がフィルタによって封口されているため、ケース外のゴミや泥等がフィルタまで達することがほとんどなくなり、フィルタの目詰まりや損傷を確実に防止でき、測定環境が過酷な場合でも通気性を継続して確保できる。
また、ケースの内側に膨出した導出部は、ケースの他の部分よりも肉厚になっているので、通気路を形成したことによるケースの強度低下を抑制できる。
さらに、導出部材用の導出部を利用して通気路を構成することで、既存のケースに対しても簡単に通気路を形成できる。
【0009】
そして、前記通気路は、上下方向に延びる部分を有して構成されていることが好ましく、これによると、ゴミや水等が通気路の内側開口部まで到達しにくくなるので、フィルタの目詰まりや損傷をより確実に防止できる。
【0010】
以上において、導出部には、導出部材が挿通される導出孔と、この導出孔と交差してケースの内部空間に通じる通気孔とが設けられ、前記通気路は、通気孔と、導出孔および導出部材の間の隙間とを含んで構成されていてもよい。
また、通気路は、複数系統で形成されるため、仮に、ゴミや水等によって一つの系統に目詰まり等が生じても、他の系統を通じて大気を流通させることができる。
【0011】
このように、互いに交差する導出孔および通気孔により通気路を構成した場合、この交差部分で通気路が屈曲するので、この屈曲部分でゴミや水等が阻止されてフィルタまで到達しにくくなるから、フィルタの目詰まりや損傷を効果的に防止できる。
また、通気路を屈曲させることで、その全長を、通気路を直線的に形成した場合よりも長くできるので、フィルタをゴミ等から一層確実に保護できる。
さらに、導出孔と導出部材との間の隙間を利用して通気路を構成することで、導出部の構造を簡略化できるので、通気路を簡単に形成できる。
【0012】
そして、この導出孔は、ケースの外部へ下向きに開口していることが好ましく、これによると、導出孔から入り込むゴミや水等の量を少なくできる。
【0013】
また、導出孔のうち、通気孔と交差する部分よりもケースの内部空間側の部分には、当該導出孔と導出部材との間の隙間を塞ぐシール部材が設けられていることが望ましい。
【0014】
このようなシール部材を設けて導出孔を遮断することで、ケース内外を通気路のみで連通させることができるので、ケース内外の通気を全て通気路、つまり、フィルタを介して行えるから、ゴミや水等の浸入を確実に阻止できる。
【0015】
この場合、シール部材は、導出孔に突設された係止部と、導出部材に外挿されて当該導出孔に螺入された筒状のねじ部材との間に配置され、このねじ部材を締め付けることにより、シール部材が弾性変形して導出部材および導出孔の内面に密着している構造としてもよい。
この構造では、ねじ部材を締め付けるだけで導出孔を閉塞できるので、ケースを容易に密閉できる。
【0016】
一方、前記ケースの少なくとも一面が、設置場所の被取付面に当接される取付面とされている場合、前記通気路は、ケースの内部空間から延びて取付面に開口する通気孔により構成してもよい。
【0017】
このように、通気孔をケースの取付面に開口させると、ゴミや水等が被取付面に阻止されて通気孔に入りにくくなるから、ゴミ等がフィルタまで達することがほとんどなくなり、フィルタの目詰まりや損傷を確実に防止できる。
【0018】
この場合、取付面には、被取付面と離間するへこみ部が設けられ、通気孔は、このへこみ部に開口していることが好ましい。
このようにすると、被取付面によって通気孔への空気の出入りが妨げられることがなくなるので、通気路において良好な空気の流通状態を確保できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。
図1および図2には、船舶内に設置された配管の内部圧力等の被検知圧力を計測する本実施形態の圧力発信器1が示されている。この圧力発信器1は、被検知圧力および大気圧の圧力差を検出して電気信号に変換する検出部10と、この検出部10が収納される略直方体形状の箱形のケース20と、このケース20を配管等の被測定部に接続するための継手30とを備えている。
【0020】
検出部10は、被検知圧力を受ける感圧面11Aおよび大気圧を受ける大気圧受圧面11Bを備えた圧力センサ11と、この圧力センサ11からの電気信号を処理する回路を搭載した回路基板12と、この回路基板12と電線を介して接続された端子13Aを搭載した端子台13とを含んで構成されている。
【0021】
圧力センサ11は、図示しないが、ダイアフラムと、ダイアフラムの変形を検出して電気信号に変換する変換手段とを有するものであり、ダイアフラムの両面がそれぞれ感圧面11Aおよび大気圧受圧面11Bとなっている。
この圧力センサ11としては、例えば、ダイアフラムの大気圧受圧面11Bに歪みゲージを設けた歪みゲージ型圧力センサ、或いは、ダイアフラムと電極とを対向配置し、ダイアフラムの変位を感圧面11Aの電極とこの感圧面11Aと対向する電極との間の静電容量の変化として検出する静電容量型圧力センサ等を採用できる。
【0022】
このような圧力センサ11は、段付きになった筒状のホルダ14内にゴム製のパッキン141を介して保持され、その上には、リング状の樹脂製押さえ部材17が配置されている。
ホルダ14の上面には、中央部が開口した金属製の押さえ板15がねじ固定され、その上に、前述した回路基板12が積層配置されている。
また、圧力センサ11に重ねられた押さえ部材17には、当該押さえ部材17、押さえ板15および回路基板12を貫通する筒状の通気部17Aが立設され、この通気部17Aを通じて圧力センサ11の大気圧受圧面11Bがケース20内の空間に開放されている。
これらの圧力センサ11、回路基板12、押さえ板15および押さえ部材17は、アルミ製のシールド材16により覆われている。このシールド材16は、ケース20の背面に沿って立ち上がる立上部16Aを備え、この立上部16Aに、樹脂製のカバー131で覆われた端子台13が固定されている。
【0023】
ケース20は、正面の下部と背面の上部を通る面で分割された斜め半割りの最中状に形成されている。具体的には、検出部10が組み込まれたアルミ製の本体ケース部21と、この本体ケース部21の蓋となるアルミ製の蓋ケース部22と、これらのケース部21,22の間に介装されたパッキン材23とを有して構成され、このパッキン材23により、ケース部21,22が互いに密着するようになっている。
【0024】
本体ケース部21および蓋ケース部22は、正面下端側の角部を軸に回動させて開閉するように接合されている。
すなわち、本体ケース部21の正面側の下端部および蓋ケース部22の正面側の下端部には、それぞれ一対の接合片211,221が突設され、互いに当接している。これらの接合片211,221には、ばねピン24が挿入され、このばねピン24を軸に各ケース部21,22が回動自在に連結されている。
このようなケース部21,22は、背面側上端部で互いにねじ25固定されて閉塞される。
【0025】
また、本実施形態の圧力発信器1では、本体ケース部21の背面が、設置場所の被取付面99(図3参照)に固定される取付面21Cとされている。このような圧力発信器1を被測定部に設置するにあたっては、この取付面21Cを被取付面99に当接させて固定する。
【0026】
本体ケース部21の下面のうち、圧力センサ11の下面(感圧面11A)に対応した部分には、継手30を挿入するための筒状の保持部21Bを備えた開口21Aが形成されている。
この保持部21Bと継手30との間には、継手30の軸心と直交する一対のばねピン26(一方のみ図示)が挿入され、これにより、本体ケース部21と継手30とが互いに連結されている。
また、保持部21Bと継手30との間には、防水性および気密性を確保するためのOリング27が介装されている。
【0027】
継手30は、一端に本体ケース部21に接続される取付部30Aを有し、他端に配管等の被測定部に螺合して固定するためのねじ部30Bを備え、その内部には、軸心に沿って流体を流通させるための流通孔30Cが形成されている。
取付部30Aの端面は、ホルダ14の下面に溶接固定され、流通孔30Cと、ホルダ14内の感圧面11A側の空間とが連通されている。これにより、被測定部からの流体は、流通孔30Cを通じて圧力センサ11の感圧面11A側の空間に導かれ、感圧面11Aに被検知圧力が加わるようになっている。
【0028】
また、本体ケース部21には、端子13Aに接続された電線49が挿通される導出部40が設けられている。
この導出部40は、ケース20の内部からその外部に引き出される導出部材を貫通させるための部分であり、本体ケース部21の内側に膨出して設けられている。なお、電線49は、本発明における導出部材であり、信号伝達や電源供給等に用いられる任意の電線を採用できる。
【0029】
導出部40には、図3に示すように、電線49を挿通するための導出孔41が形成されている。この導出孔41は、上下方向に延びて設けられ、本体ケース部21の下面に下向きに開口している。
この導出孔41には、当該導出孔41と電線49との間の隙間を塞ぐシール部材としてのグランドパッキン42が設けられている。このグランドパッキン42は、筒状に形成されたゴム製のシール部材であり、一対のリング状の金属板421,422に挟持されている。
【0030】
グランドパッキン42および金属板421,422は、導出孔41の径方向内側に突設された係止部41Aと、当該導出孔41に螺入されたねじ部材としてのケーブルグランド部材43との間に配置されている。
ケーブルグランド部材43は、挿通孔43Aを有して筒状に形成され、この挿通孔43Aに電線49を挿通した状態で導出孔41に螺入できるようになっている。
【0031】
このような構造では、導出孔41において、電線49をケーブルグランド部材43の挿通孔43A、グランドパッキン42および金属板421,422に挿通した状態で、ケーブルグランド部材43を締め付けると、グランドパッキン42が係止部41Aに押圧され、扁平に弾性変形して導出孔41の内面および電線49にそれぞれ圧接されて密着し、これにより、導出孔41が密閉される。
このように、本実施形態では、圧力発信器1の防水性および気密性を確保しつつ電線49を導出孔41からケース20外に引き出せるようになっている。
【0032】
この導出部40には、ケース20の内部と外部とを連通する通気路4A,4Bが設けられている。
すなわち、導出部40には、導出孔41と直交する通気孔44A,44Bが形成されている。これらの通気孔44A,44Bは、導出孔41において、当該通気孔44A,44Bと導出孔41との交差部分よりも、前述したグランドパッキン42がケース20の内部空間側となる位置に形成されている。これにより、通気孔44A,44Bは、グランドパッキン42に封口されることなく、金属板422と金属製のケーブルグランド部材43との間に形成された隙間を通じて、導出孔41と連通される。
また、金属製のケーブルグランド部材43と導出部40(導出孔41)との螺合部分には、大気に通じる隙間(図示省略)が形成され、この隙間も通気孔44A,44Bおよび導出孔41と連通されている。
【0033】
二つの通気孔44A,44Bのうち、一方の通気孔44Aは、導出孔41から延びてケース20の内部空間に開口し、他方の通気孔44Bは、導出孔41から延びて取付面21Cのへこみ部21Dに開口している。
このへこみ部21Dは、被取付面99と離間した部分であり、取付面21Cのうち導出部40に対応した部分に形成されている。
【0034】
本実施形態の通気路4Aは、一方の通気孔44Aと、上下方向に延びる導出孔41および電線49の間の隙間48とを含んで構成されている。また、通気路4Bは、通気孔44A,44Bと、導出孔41および電線49の間の隙間48とを有して構成されている。
ここで、導出孔41および電線49の間の隙間48は、具体的には、ケーブルグランド部材43の挿通孔43Aと電線49との間の隙間、ケーブルグランド部材43と金属板422との間の隙間(図示省略)、ケーブルグランド部材43と導出孔41の内周面との間の隙間(図示省略)、および、金属板422とグランドパッキン42との間の隙間(図示省略)を含む。
【0035】
各通気路4A,4Bの空気が集合する一方の通気孔44Aは、通気性および防水性を有する円盤状のフィルタ45によって封口されている。
このフィルタ45は、通気孔44Aのうちケース20の内部空間側の内側開口部441に装着されている。具体的には、フィルタ45は、平座金46とともに内側開口部441の段付きになった部分にはめ込まれ、当該フィルタ45を平座金46により押圧した状態でかしめて固定されている。
フィルタ45は、空気を通す通気性と、水分を通さない防水性とを兼ね備えたものであり、例えば、多孔質のフッ素樹脂系材料からなるものである。
【0036】
本実施形態の圧力発信器1では、ケース20の内部が外部の大気よりも低圧になると、図3中矢印で示すように、ケース20外の大気が、通気路4A,4Bを通じてケース20内に導入される。つまり、大気は、取付面21Cのへこみ部21Dに開口した通気孔44Bと、導出孔41および電線49の間の隙間48、具体的には、挿通孔43Aおよび電線49の間の隙間と、ケーブルグランド部材43および導出孔41の螺合部分の隙間とから導入され、通気孔44Aからフィルタ45を介してケース20内に取り込まれる。
フィルタ45においては、水分やゴミ等は除去され、空気のみが通過するため、大気とともにゴミや水等がケース20の内部に入り込むことはない。
大気が取り込まれたケース20内の空間は、通気部17Aを介して圧力センサ11の大気圧受圧面11Bと連通しているので、大気圧受圧面11Bには、ケース20外部の大気と同圧の大気圧が加わるようになる。
【0037】
逆に、ケース20の内部が外部の大気よりも高圧になると、前述した空気の流れと逆方向に、ケース20内の空気が通気路4A,4Bを流通してケース20外に排出される。
これにより、大気圧受圧面11Bには、常時ケース20外の大気と同じ大気圧が加わるようになる。
【0038】
一方、配管等の流体は、被測定部から継手30の流通孔30Cを通じて圧力センサ11の感圧面11A側の空間に導入され、感圧面11Aには、流体の圧力、つまり、被検知圧力が加わるようになる。
【0039】
このように、圧力センサ11の感圧面11Aおよび大気圧受圧面11Bでは、それぞれ被検知圧力と大気圧とを受けるため、両圧力の差によりダイアフラムが変位し、この変位が検出されて電気信号に変換される。この電気信号は回路基板12の電子回路等において処理され、電線49を介して表示装置や制御装置等の外部の装置に送られる。
【0040】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
すなわち、ケース20内外を連通する通気路4A,4Bは、ケース20の内側に膨出した導出部40に設けられているので、ケース20のうちで膨出していない他の部分に設けた場合よりも通気路4A,4Bを比較的長く形成できる。この比較的長い通気路4A,4Bの内側開口部441がフィルタ45によって封口されているため、ケース20外のゴミ等がフィルタ45まで達することがほとんどなくなり、フィルタ45の目詰まりや損傷を確実に防止でき、測定環境が過酷な場合でも通気性および防水性を継続して確保できる。
【0041】
従って、圧力センサ11の大気圧受圧面11Bを通気路4A,4Bを介して大気に確実に連通させることができるから、測定精度の向上を図ることができる。また、フィルタ45の破損を防止でき、その防水性を維持できるので、圧力センサ11や電子回路等への水の付着および結露を確実に防止できる。
そして、風雨に晒される屋外等で測定を行った場合等、仮に、水や粉塵等が内側開口部441まで到達したとしても、フィルタ45によって確実に阻止できるので、ケース20内の部品を確実に保護できる。
【0042】
また、ケース20の内側に膨出した導出部40は、ケース20の他の部分よりも肉厚になっているので、通気路4A,4Bを形成したことによるケース20の強度低下を抑制できる。
加えて、導出部40は、ケース20の内側に膨出しているため、圧力発信器1の小型化を図ることができるうえ、ケース20内の空間を有効利用できる。
さらに、導出部材49用の導出部40を利用して通気路4A,4Bを構成しため、既存の構造のケースに対しても簡単に通気路4A,4Bを形成できる。
【0043】
そして、通気路4Aは、上下方向に延びる導出孔41と電線49の間の隙間48を含んで構成されているので、ゴミや水等が通気路4A,4Bの内側開口部441まで到達しにくくなるので、フィルタ45の目詰まりや損傷を確実に防止できる。
【0044】
さらに、通気路4Aは、導出孔41と直交してケース20の内部空間に通じる通気孔44Aと、導出孔41および電線49の間の隙間48とを含んで構成されているので、通気孔44Aおよび隙間48の交差部分で通気路4Aが屈曲するので、この屈曲部分でゴミや水等が阻止されてフィルタ45まで到達しにくくなるから、フィルタ45の目詰まりや損傷を効果的に防止できる。
また、通気路4Aを屈曲させることで、その全長を長くできるので、フィルタ45をゴミ等から一層確実に保護できる。
さらに、導出孔41と電線49との間の隙間48を利用して通気路4A,4Bを構成することで、導出部40の構造を簡略化できるので、通気路4A,4Bを簡単に形成できる。
【0045】
そして、導出孔41は、ケース20の外部へ下向きに開口しているので、導出孔41から通気路4Aに入り込むゴミや水等の量を少なくできる。
【0046】
また、グランドパッキン42を、導出孔41のうち、通気孔44A,44Bと交差する部分よりもケース20の内部空間側の部分に設けて、導出孔41を閉塞したので、ケース20内外を通気路4A,4Bのみで連通させることができるので、ケース20内外の通気を全て通気路4A,4B、つまり、フィルタ45を介して行えるから、ゴミや水等の浸入を確実に阻止できる。
【0047】
さらに、ケーブルグランド部材43の締め付けにより、グランドパッキン42を弾性変形させて導出孔41を閉塞する構造とされているので、ケーブルグランド部材43を締め付けるだけでケース20を容易に密閉できる。
【0048】
そして、通気孔44Bは、ケース20の取付面21Cに開口しているので、ゴミや水等が通気孔44Bに入りにくくなり、ゴミ等がフィルタ45まで達することがほとんどなくなるから、フィルタ45の目詰まりや損傷を確実に防止できる。
【0049】
とくに、通気孔44Bは、取付面21Cのへこみ部21Dに開口しているため、被取付面99によって通気孔44Bへの空気の出入りが妨げられることがなくなるから、通気路4Bにおいて良好な空気の流通状態を確保できる。
【0050】
そして、導出孔41と電線49との間の隙間48は、ケーブルグランド部材43の挿通孔43Aと電線49との間の隙間、ケーブルグランド部材43と金属板422との間の隙間、導出孔41の内周面およびケーブルグランド部材43野良合部分の隙間、および、金属板422とグランドパッキン42との間の隙間を含む複数系統となるため、仮に、ゴミや水等によって一つの系統に目詰まり等が生じても、他の系統を通じて大気を流通させることができるから、通気路4A,4Bが遮断されることがなくなる。
【0051】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形なども本発明に含まれる。
すなわち、前記実施形態では、導出孔41を利用して通気路4A,4Bを構成したが、例えば、図4に示すように、導出部40に、ケース20の内部空間から延びて取付面21Cに開口する通気孔81を形成し、この通気孔81のうちケース20の内部空間側の内側開口部811にフィルタ45を取り付けて、この通気孔81により通気路8を構成してもよい。
このようにすれば、通気路8を比較的長くできるうえ、通気路8は、被取付面99に当接される取付面21Cに開口しているので、ゴミや水等が通気路8に入りにくくなる。従って、ゴミ等が、通気路8の内側開口部811の端部に設けたフィルタ45まで達することがなくなるから、フィルタ45の目詰まりや損傷を確実に防止できる。
【0052】
また、通気孔81を上下方向に延びる部分を有して構成し、導出部40の上面に開口させることで、ケース20内にゴミや水等が入り込みにくい構造にすることができる。
さらに、通気孔81を取付面21Cから水平方向に延びて上方に屈曲したL字状に形成することで、屈曲部分でゴミ等の侵入を効果的に阻止できる。
【0053】
前記実施形態の導出部40には、取付面21Cに開口する通気孔44Bを設けて通気路4Bを構成したが、この通気孔44Bは省略してもよく、通気路4Aのみとしてもよい。
また、前記実施形態では、ケース20の取付面21Cを被取付面99に当接させて固定したが、圧力発信器を被取付面のない場所に設置する場合等には、取付面21Cが露出した状態で圧力発信器を設置してもよい。この場合、ゴミや水分等が通気路に入り込むのを防ぐために、通気孔44Bは形成しない方が好ましい。
【0054】
前記実施形態の導出孔41は、上下方向に延びた構造を有していたが、これに限定されず、水平方向や斜め方向等の他の方向に延びて形成されていてもよい。また、通気孔は、導出孔と直交するものに限定されず、導出孔と交差するものであればその形状や方向は任意である。
【0055】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、ケース内外を連通する通気路を、ケースの内側に膨出した導出部に設けることで、通気路を比較的長く形成できる。この通気路の内側開口部をフィルタによって封口することで、ケース外のゴミ等がフィルタまで達することがほとんどなくなり、フィルタの目詰まりや損傷を確実に防止でき、測定環境が過酷な場合でも通気性を維持・確保できる。
また、ケースの内側に膨出した導出部は、ケースの他の部分よりも肉厚になっているので、通気路を形成したことによるケースの強度低下を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】前記実施形態の圧力発信器を示す断面図。
【図3】前記実施形態の通気路を示す拡大断面図。
【図4】本発明の圧力発信器の他の通気路を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1 圧力発信器
4A,4B,8 通気路
11 圧力センサ
11A 感圧面
11B 大気圧受圧面
20 ケース
21C 取付面
21D へこみ部
40 導出部
41 導出孔
41A 係止部
42 グランドパッキン(シール部材)
43 ケーブルグランド部材(ねじ部材)
44A,44B,81 通気孔
45 フィルタ
49 電線(導出部材)
99 被取付面
441,811 内側開口部

Claims (3)

  1. 被測定部の被検知圧力を受ける感圧面および大気圧を受ける大気圧受圧面を有しかつ前記被検知圧力および大気圧の圧力差を検出して電気信号に変換する圧力センサと、この圧力センサが収納されるケースとを備えた圧力発信器であって、
    前記ケースには、当該ケースの内部からその外部に引き出される導出部材を貫通させるための導出部が内側に膨出して設けられ、
    この導出部には、前記導出部材が挿通し、前記ケースの外部へ下向きに開口している導出孔と、この導出孔と交差して前記ケースの内部空間に通じる通気孔とが設けられ、
    前記通気孔と、前記導出孔および前記導出部材の間の隙間とを含んで上下方向に延びる部分を有した複数の通気路が形成され、
    前記通気路は、通気性および防水性を有するフィルタにより封口され、
    このフィルタは、前記通気路のうち前記ケースの内部空間側の内側開口部に装着されており、
    前記ケースの少なくとも一面は、設置場所の被取付面に当接され、前記被取付面と離間するへこみ部が設けられた取付面とされ、
    前記通気路は、前記ケースの内部空間から延びて前記取付面このへこみ部に開口する通気孔からなることを特徴とする圧力発信器。
  2. 請求項に記載した圧力発信器において、
    前記導出孔のうち、前記通気孔と交差する部分よりも前記ケースの内部空間側の部分には、当該導出孔と前記導出部材との間の隙間を塞ぐシール部材が設けられていることを特徴とする圧力発信器。
  3. 請求項に記載した圧力発信器において、
    前記シール部材は、前記導出孔に突設された係止部と、前記導出部材に外挿されて当該導出孔に螺入された筒状のねじ部材との間に配置され、
    このねじ部材を締め付けることにより、前記シール部材が弾性変形して前記導出部材および前記導出孔の内面に密着していることを特徴とする圧力発信器。
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