JP3923559B2 - 除湿器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潮解性吸湿剤を用いて除湿を行う除湿器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、押し入れ内やタンス内の除湿を目的として、潮解性吸湿剤を使用する除湿器が広く利用されている。 このような除湿器としては、例えば容器本体を、潮解液の滴下孔を複数穿設した受皿によって上段空間部、下段空間部の2つの空間部に区分し、前記上段空間部に粉状、顆粒状または粒状などの塩化カルシウムや塩化マグネシウムなどの潮解性吸湿剤を詰め、前記下段空間部に外気中の水分に接触して吸湿して潮解した潮解液を貯溜する構造のものがあり、前記容器本体の開口部をフィルム状の透湿性を有して且つ非透水性を有する透湿・非透水性皮膜で覆うと共に、このフィルム状の透湿・非透水性皮膜に蓋を被せて保護する一方、この蓋に通気部を設けて湿気を含んだ外気が潮解性吸湿剤まで導かれる構成になっている。
【0003】
この除湿器では外気中の湿気は、蓋に設けた通気部を通過した後、透湿・非透水性皮膜を透過し、容器本体の上段空間部に詰められている潮解性吸湿剤に接触する。そして、外気中の湿気が潮解性吸湿剤に接触することにより、やがて潮解液が生じ、この潮解液が受皿に穿設されている滴下孔を通って容器本体の下段空間部に滴下して貯溜されていく。このときの潮解性吸湿剤の吸湿速度は、上段空間部に詰められている潮解性吸湿剤に接触する外気の割合によって決まるので、この除湿器では上部空間部に取り込まれる外気の割合が、容器本体の開口部の皮膜面積に依存し、この皮膜面積が大きくなればなるほど外気と潮解性吸湿剤との接触する割合が増大して吸湿速度が向上する。なお、上述のように構成した除湿器では、4日間で約25グラムの潮解液が得られ、8日間で約50グラムの潮解液を得られた。
【0004】
しかし、吸湿速度を向上させるために上述のように容器本体の開口部の皮膜面積を大きくするようにしたのでは、底面積の大きな容器本体になってしまうので、この容器本体を設置するために大きなスペースが必要になってしまう。また、容器本体の開口部を覆っているシート状の透湿・非透水性皮膜の厚み寸法が、数十μmから数百μmと薄く形成されているので、除湿器生産時や取扱い時、または輸送時などに透湿・非透水性皮膜を破くおそれがあり、万一、開口部を覆う透湿・非透水性皮膜が破れると、上段空間部に詰められていた潮解性吸湿剤が容器本体外部にこぼれ落ちてしまったり、下段空間部に貯溜されていた潮解液が流出して衣類、布団、家具などを汚染するおそれがあるので、取扱いが難しく、十分な注意を払わなければならなかった。
【0005】
また、上述記載のように吸湿速度が潮解性吸湿剤に接触する外気の割合に依存することから、潮解性吸湿剤に導く外気の割合を増大させるようにした除湿器が特開昭57−1072号公報や、実公平4−8985号公報に示されている。これら除湿器によれば、塩化ナトリウムなどの潮解性吸湿剤と外気との接触する割合を増大させるために、潮解性吸湿剤を多数の透孔を設けた容器本体の開口部の皮膜面積より大きくなるように略半球形状に形成したドーム型部材の内部に配置している。この除湿器では、表面積を大きく形成したドーム型部材の通気部からドーム型部材の内部に外気が進入して潮解性吸湿剤に接触して潮解液が生じ、この潮解液が容器本体内に貯溜されていくようになっている。
【0006】
さらに、実公昭61−10743号公報には潮解性吸湿剤を可撓性を有する追従性の高い半透膜で覆って半球形状に形成することによって、外気との接触する割合を大きくする一方、除湿器を転倒させてしまったときなどに、容器内に貯溜されていた潮解液が容器外に流出するのを防止した除湿器が示されている。この除湿器では湿気を含む外気が半透膜を通過して吸湿剤に接触して潮解液が生じ、この潮解液が流下して容器内に貯溜されていく。このとき、潮解性吸湿剤は外気中の湿気に接触して潮解していくことにより潮解性吸湿剤が減少して、初期状態の半球形状から徐々に変形していくが、半透膜が可撓性を有することから常に半透膜と吸湿剤との密着した状態が保持されて半透膜内の潮解性吸湿剤の吸湿効率を持続させている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開昭57−1072号公報または実公平4−8985号公報に示されている除湿器では万一、容器本体内に潮解液が貯溜されている状態で、除湿器を転倒させてしまった場合、容器本体の上部に配置されている潮解性吸湿剤を収容しているドーム型や半球形状の部材に形成されている通気部から貯溜されていた潮解液が流れ出てしまうという問題があった。
【0008】
また、上記実公昭61−10743号公報に示されている除湿器は、円筒状の容器のフランジに複数の透孔を設けた多孔状底板を載せて容器の開口部を覆い、前記多孔状底板の上に吸湿剤を半球形状に盛り上げ、この吸湿剤の外表面を半透膜に密着させて覆うと共に、この半透膜の周辺を前記多孔状底板の周縁に接着し、さらに、前記半透膜の外周を半球形状の網蓋によってカバーし、この網蓋の周端部に多孔状底板の周縁をパッキンとして容器のフランジと脱着可能に密着し得る係止部を設けているので、部品点数が多くなることによって組立てが煩雑になるという問題があった。
【0009】
又、前記透湿・非透水性皮膜が半透膜で形成されているため組立て時に破損するおそれがあった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、外気と潮解性吸湿剤との接触する割合が大きく、除湿器転倒時に容器本体内に貯溜されている潮解液が流出することが無く、組立構造が簡単な除湿器を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の除湿器は、潮解性吸湿剤が潮解した際の潮解液を貯溜する貯溜部を備える容器本体と、
前記潮解性吸湿剤を収納した通気性及び透水性を有する包装体を収容する空間部を内側に備えた立体形状で、外気を前記空間部に導く透湿性及び前記潮解液が外部に漏出することを防止する非透水性を有する部材で形成された可透湿部と、
前記潮解性吸湿剤を収納した前記包装体を前記可透湿部の前記空間部に配置収容する、前記潮解液が通過する透孔を複数設けた仕切部材と、
前記容器本体と前記可透湿部とを、この可透湿部と該容器体との間に前記仕切部材を配置させた状態で、一体的に密着させて固定する固定手段とを具備し、
前記可透湿部は凸型形状であって、可透湿部外表面の表面積を、前記容器本体の開口部の開口面積に対して110パーセントから250パーセントの範囲に設定している。
【0012】
また、前記可透湿部は、超高分子量ポリオレフィン粉末を焼結させて形成した多孔質構造体であって、
丸棒状の多孔質構造体を切断して得られた多孔質構造体円板シートを所定温度で所定時間加熱して、所定形状の金型で賦型した後、冷却して前記空間部を有する凸型形状を形成している。
【0013】
この構成によれば、潮解性吸湿剤を収納した包装体を収容する空間部を備える凸型形状の可透湿部が透湿性を有し、その外表面表面積が容器本体の開口部の開口面積に対して110パーセントから250パーセントの範囲に設定されているので、外気が可透湿部の空間部に多く取り込まれて包装体を通過して、この包装体内に収容された潮解性吸湿剤と外気との接触する割合が増大する。また、潮解性吸湿剤が包装体に収容されているので、可透湿部の空間部内に包装体を配置することによって潮解性吸湿剤の収納を容易に行えるので組立作業性が向上する。さらに、固定手段である固定部材によって可透湿部と、仕切部材と、容器本体とを密着させて一体的に固定しているので、除湿器が転倒してしまったときでも容器本体内に貯溜されている潮解液が外部に漏出しない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は本発明の一実施形態に係り、図1は除湿器の概略構成を説明する図、図2は除湿器の組立構成を説明する分解説明図である。
【0015】
図に示すように除湿器1は、外気中の湿気に接触して潮解することによって吸湿する潮解性吸湿剤2と、この潮解性吸湿剤2を収容する空間部3aを有する略半球形状の立体形状で後述する透湿・非透水性を有する部材で形成された可透湿部3と、前記潮解性吸湿剤2が外気中の湿気に接触して潮解した潮解液8を貯溜するための空間部である貯溜部4aを有する略円筒状の容器本体4とで主に構成されている。
【0016】
前記容器本体4は、潮解液が漏出しない構造体であれば部材は特に限定されるものではなく、この容器本体4の上端部には半径rの円形の本体開口部4bが形成されると共に、外周面に雄ねじ4cを形成した容器本体4の外周面から突出した上端凸部4dが形成されている。
【0017】
前記可透湿部3は、例えば略半球形状であり、前記容器本体4の半径rの円形の本体開口部4bに対向する可透湿部開口3bの開口面積に対して略半球外表面の外表面積の割合を180%などに設定して立体的な凸型形状に形成されている。このとき、前記可透湿部開口3bの開口面積に対して外表面積の割合を200%に設定して可透湿部3を半球形状の立体形状に形成すると、可透湿部開口3bの開口形状が円であることから、この円の面積がπrで表せ、球体の表面積が4πrで表せることから、外表面積が可透湿部開口3bの200%に設定された場合には、外表面積の値が2πrとなって、この外表面積がちょうど球体の表面積の半分に相当して、可透湿部3の形状が半球形状のドーム型になる。なお、この可透湿部3の可透湿部開口3bの外周には前記容器本体4の上端凸部4dに略同径に形成した縁部3cが形成されている。
【0018】
前記可透湿部3の空間部3a内に収容される潮解性吸湿剤2は、前記空間部3a内に容易に収容することが可能なように通気性及び透水性の高い不織布を袋状に形成した包装体5内に収納されている。そして、この潮解性吸湿剤2を収納した包装体5を可透湿部3の空間部3a内に確実に配置・収容するため、前記可透湿部3の可透湿部開口3bを塞ぐように円板状の仕切部材6がこの可透湿部3と容器本体4との間に配設されるようになっている。この仕切部材6は、前記容器本体4の上端凸部4dと略同径であり、潮解液8が通過する透孔6aが複数設けられている。
【0019】
また、前記潮解性吸湿剤2を収容する可透湿部3と潮解液8を貯溜する容器本体4とは、この可透湿部3と容器本体4との間に前記仕切部材6を配置した状態で固定手段である透口7aを形成した略管状の固定部材7によって一体的に密着固定されるようになっている。前記固定部材7の内周面には前記容器本体4の雄ねじ4cに噛合する雌ねじ7cが形成されており、この雌ねじ7cを前記雄ねじ4cに噛合することによって固定部材7の天面7bが仕切部材6を押圧して、縁部3cの下端面と,仕切部材6の上端面及びこの仕切部材6の下端面と上端凸部4dの上端面とを一体的に密着固定させて除湿容器1が構成されるようになっている。
【0020】
ここで、可透湿部3について説明する。
前記可透湿部3には、十分な透湿性と、十分な非透水性と、立体的に形成することのできる成形性(以下賦型性と記載する)とを備えるように、例えば超高分子量ポリエチレン材料で形成した、微細な透孔を複数有する多孔質構造体を成形したものである。
【0021】
前記多孔質構造体は、除湿器1の十分な透湿性としての基本性能を考慮すると、透湿度1,000g/m2・day以上であることが望まれる。この多孔質構造体の透湿度は、この多孔質構造体が有する微細孔の孔径を大きく形成したり、気孔率を高めることによって向上させることが可能であるが、透湿度を過度に高めることは非透水性の減少の要因になってしまうので、本実施形態ではこの可透湿部3の透湿度の上限値を6,000g/m2・dayに設定している。
【0022】
また、前記多孔質構造体は、除湿器1の十分な非透水性としての基本性能を考慮すると、可透湿部3及び除湿器1全体の形状にもよるが、耐水圧10cm以上であることが望まれる。しかし、非透水性の容器本体4の本体開口部4bの上部に可透湿部3を配置する構成の除湿器1では潮解性吸湿剤2がほぼ無くなったとき、潮解液8が貯溜部4aに数百ml貯溜されることになる。このため、この状態で、万一、除湿器1が転倒してしまっても潮解液8が除湿器1の外部に絶対に漏出することがないように、前記可透湿部3の非透水性が十分に保持するために本実施形態では耐水圧を20cm以上に設定している。
【0023】
さらに、前記多孔質構造体の賦型性としては、立体的に形成することが可能であれば特に制限はないが、この可透湿部3を形成する多孔質構造体の厚み寸法に関しては0.5mmから6.0mmの範囲内であることが望ましく、特に、厚み寸法が0.2mm以下である場合には成形が困難になって構造部材としての機械的強度を確保することができなくなってしまい、厚み寸法を0.5mm以上に設定することによって、機械的強度が大幅に増大して破損し難くくなることにより取扱い性が向上する。一方、厚み寸法が5.0mm以上であると賦型が困難になってしまう。
【0024】
なお、前記多孔質構造体に撥水処理を施して非透水性を向上させる場合においては、さらに、透湿性を高めることも可能であり、撥水処理を施すことによって製品には何ら不都合が生じることはなく、むしろ多孔質構造体に撥水処理を施すことが望ましい。
【0025】
また、可透湿部3の立体形状に関しては特にドーム型形状に限定されるものではないが、除湿器外部の外気を除湿器内部に多く取り込んで、潮解性吸湿剤2と外気との接触する割合を増大させるため、可透湿部3の表面積が大きくなるように、前記容器本体4の本体開口部4bの開口面積に対して110パーセントから250パーセントの範囲になるように設計することが好ましく、本実施形態では賦型性が良いことから上述のように可透湿部3をドーム型形状などに形成して外気と潮解性吸湿剤2との接触する割合を増大させるようにしている。
【0026】
ここで、前記超高分子量ポリエチレン材料による多孔質構造体の製造方法の1例を説明する。
まず、多孔質構造体を得るため、超高分子量ポリエチレン粉末を金型に充填した後、金型内をこの超高分子量ポリエチレンの融点以上の温度に加熱して、金型内の超高分子量ポリエチレンを焼結してブロック状の成形体を得る。
【0027】
次に、金型を冷却した後、金型からブロック状に成形された多孔質構造体を取り出し、この多孔質構造体を旋盤などで所定の厚さに切削して多孔質構造体円板シートを得る。
【0028】
そして、上述のように得られた多孔質構造体円板シートを賦型処理してドーム型形状に形成する。このとき、前記多孔質構造体円板シートを120℃から180℃の間に加熱してリング状金型に挟んだ後、凸型金型を圧入して立体形状に形成する。このときの可透湿部3の立体形状は、上述したように賦型が比較的容易で、外表面積が大きくなるドーム型形状としている。
【0029】
なお、上述の製造方法で、多孔質構造体を得る際、金型に充填された超高分子量ポリエチレン粉末を加熱した水蒸気雰囲気中で焼結するので、この金型には少なくとも加熱水蒸気導入用の開口部を設けている。
【0030】
また、焼結時、超高分子量ポリエチレン粉末が融点以上の温度に加熱されて溶融状態になるが、超高分子量ポリエチレンは溶融粘度が高いので、流動することなく、粉末状態での形状をほとんど維持して、隣接する粉末相互の接触部位が熱融着する一方、粉末相互の非接触部が多孔質構造体の微孔になって、複数の微孔を有する多孔質構造体のブロックが成形される。このときの焼結に要する時間は超高分子量ポリエチレン粉末の充填量及び水蒸気の温度などによって変化するが、通常約1から12時間を要する。
【0031】
さらに、水蒸気を超高分子量ポリエチレンの融点以上に昇温させるため、加圧状態にしているので、水蒸気は金型に充填された超高分子量ポリエチレン粉末間に容易に侵入していく。したがって、金型に充填された超高分子量ポリエチレン粉末の焼結は、耐圧容器に水蒸気導入管を設け、この水蒸気導入管に設けた開閉バルブを開状態にして加熱水蒸気を導入する方法によって行われる。
【0032】
又、金型内に充填されている超高分子量ポリエチレン粉末の隣接する粉末相互の間に加熱水蒸気をさらに容易に侵入させるため、前記ポリエチレン粉末を金型に充填した後、金型を耐圧容器に入れ、約1mmHgから100mmHgの範囲の減圧状態にして脱気操作を施した後、加熱された水蒸気雰囲気中で焼結するとよい。
【0033】
さらにまた、焼結後のブロック状に成形された多孔質構造体を冷却する際、多孔質構造体に亀裂が発生するのを防止するため急冷を避ける。このため、室温に放置する冷却方法などを採用する。このとき、ブロック状に成形された多孔質構造体が金型に入ったままの状態であっても、金型から取り出した状態であってもよい。
【0034】
次に、本実施形態の除湿器1の可透湿部3の具体的な製造方法の1例を説明する。
まず、可透湿部3を形成するための多孔質構造体を形成するために、内径寸法を容器本体4の外径寸法に設定した円筒形空間部を有する金型に超高分子量ポリエチレン粉末を充填する。そして、この金型を金属製耐圧容器に入れ、真空ポンプを作動させて雰囲気圧を30mmHgまで減圧し、充填された粉末間の空気を脱気する。脱気後、前記真空ポンプを停止させて水蒸気導入バルブを開いて、金型内に例えば温度158℃で6気圧の水蒸気を導入する。この状態で60分間加熱する。このことによって、金型内の超高分子量ポリエチレン粉末が焼結して丸棒状の多孔質構造体となる。
【0035】
次に、この丸棒状の多孔質構造体が形成されている金型を室温25℃の中に3時間放置して冷却する。そして、冷却された金型から直径寸法が容器本体4の外径寸法に設定された丸棒状の多孔質構造体を取り出す。
【0036】
次いで、前記多孔質構造体を旋盤によって例えば厚み寸法が1mmとなるように切削して、直径寸法が容器本体4の外径寸法と略同径で、厚み寸法が1mm、気孔率25%、平均孔径30μm、ガーレー値4秒/100mm2の白色不透明の多孔質構造体円板シートを得る。
【0037】
上述のように得られた超高分子量ポリエチレンの多孔質構造体円板シートにフッ素系撥水剤を、例えば固形分濃度3%の液に、速度1m/分で浸漬含浸させた後、130℃で乾燥させて、固化定着させる。このことによって、前記多孔質構造体円板シートの耐水圧が20cm、透湿度が4000g/m2・dayになった。
【0038】
そして、この超高分子量ポリエチレンの多孔質構造体円板シートを所定寸法に切断した後、この多孔質構造体円板シートを140℃で1分間加熱し、直径寸法を2rよりやや大きく設定した透孔を有するリング状金型に挟持した後、凸型部を圧入して賦型して冷却することによって、凸型の立体形状に形成された可透湿部3が成形される。
【0039】
ここで、本実施形態の除湿器1の作用を説明する。
まず、容器本体4,仕切部材6,可透湿部3,固定部材7及び潮解性吸湿剤2を収納した包装体5を用意する。
【0040】
次に、容器本体4の本体開口部4aの上端面に仕切部材6を配置し、この仕切部材6の上端面に潮解性吸湿剤2を収納した包装体5を載置する。
【0041】
次いで、この包装体5が載置されている仕切部材6の上部面にドーム型形状の可透湿部3を配置する。そして、固定部材7の透口7aを凸型のドーム部に挿通させて、固定部材7を可透湿部3の縁部3cの上面側に配置して、固定部材7に形成されている雌ねじ部7cを容器本体4の雄ねじ部4cに螺合して可透湿部3と、仕切部材6と、容器本体4とを密着させて一体的に固定する。
【0042】
上述のように形成された除湿器1を洋服ダンスなどの所望の位置に配置する。しばらくすると、ドーム型形状の可透湿部3に設けられている複数の微孔を通って外気が可透湿部内に侵入する。可透湿部内に侵入した外気は、包装体5を通過して潮解性吸湿剤2に接触する。
【0043】
すると、潮解性吸湿剤2に外気が接触することによって、潮解液8が生じる。この潮解液8は、仕切部材6に設けられている透孔6aを通って容器本体4の貯溜部4aに貯溜されていく。このとき、可透湿部3をドーム型形状に形成したことにより、可透湿部内に進入する外気の量が増えることによって、外気と潮解性吸湿剤2との接触する割合が増大して、4日間で約70グラムの潮解液が得られ、8日間では約100グラムの潮解液を得られる。
【0044】
このように、潮解性吸湿剤を収容する収容部となる可透湿部を、透湿性及び非透水性を有し、且つ成形性を備えた多孔質構造体からなるシートで立体形状に形成することにより、潮解性吸湿剤へ外気を導くことのできる可透湿部の外表面積を大きくして、且つ潮解液が漏出することのない除湿器を構成することができる。
【0045】
また、前記可透湿部を形成する多孔質構造体からなるシートは機械的強度を有すると共に、成形性を備えた厚みに設定しているので、生産性が大幅に向上すると共に、取扱いが容易になって、生産コスト及び加工コストの低減を図ることができる。
【0046】
さらに、容器本体,仕切部材,可透湿部,固定部材及び潮解性吸湿剤を収納した包装体で構成される除湿器を組み立てる際、可透湿部と容器本体とを固定部材によって密着されて一体的に組み立てる構造にしているので、組立て性が大幅に向上して組立てコストの低減を図ることができる。
【0047】
又、本発明における前記多孔質構造体シートを、透湿性、非透水性、賦型性及び商品の安定性、生産性及び吸湿能力を考慮して、厚み寸法を0.8mmから1.5mmの範囲に設定することによって、成形性を損なうことなく、機械的強度を大幅に増大させることができる。このことにより、可透湿部の繰り返しの使用が可能になり、可透湿部内に収容されていた潮解性吸湿剤が無くなって、貯溜部に潮解液が貯溜されているとき、上記組立て時の手順と逆の手順で除湿器を分解して貯溜部に貯溜された潮解液を廃棄して、新たな潮解性吸湿剤を収容した包装体に交換して再び組み立てることによって、除湿器1の繰り返し使用が可能になり、省資源化に貢献した除湿器が提供される。
【0048】
なお、潮解性吸湿剤2と外気との接触する割合を増大させるために、この容器本体4を多孔質構造体で形成するようにしてもよい。このとき、容器本体4の耐水圧を10cm以上に設定しておく。また、この容器本体4内に貯溜されていく潮解液8の貯溜量を目視によって容易に確認することができるように容器本体4を透明もしくは半透明な部材で形成するとよい。透明な部材としてはポリカーボネートやポリエチレンテレフタレートなどを用い、半透明な部材としてはポリプロピレンなどを用いる。
【0049】
なお、本実施形態においては可透湿部の立体形状を半球形状などのドーム型形状としているが、可透湿部の立体形状はドーム型形状に限定されるものではない。
【0050】
また、前記固定部材の外周面に凹凸部を形成することによって、この凹凸部が滑り止めになって、この固定部材を容器本体に螺合する際の作業性が大幅に向上する。
【0051】
さらに、前記容器本体の上端凸部の上面と前記仕切部材との間などにOリング形状のパッキン部材を配設することによって、容器本体と仕切部材との密着性を高める構成にしてもよい。
【0052】
[付記]
1.外気と接触して潮解することにより吸湿する潮解性吸湿剤と、
この潮解性吸湿剤を収容する収容部を形成する可透湿部と、
前記潮解性吸湿剤が潮解した際の潮解液を貯溜する貯溜部を備える容器本体と、
を具備する除湿器であって、
前記潮解性吸湿剤を収容する可透湿部を、収容部内に外気を導く透湿性及び潮解液が外部に漏出することを防止する非透水性を有し、且つ成形性を有する構造部材で立体的に形成した除湿器。
【0053】
2.前記可透湿部の透湿度を、透湿度1000g/m2・day以上透湿度6000g/m2・day以下に設定した付記1記載の除湿器。
【0054】
3.前記可透湿部の耐水圧を、耐水圧10cm以上耐水圧60cm以下に設定した付記1記載の除湿器。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、外気と潮解性吸湿剤との接触する割合が大きく、除湿器転倒時に容器本体内に貯溜されている潮解液が流出することが無く、組立構造が簡単で、且つ、取扱いが容易でコスト低減の図れる除湿器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1及び図2は本発明の一実施形態に係り、図1は
除湿器の概略構成を説明する図
【図2】除湿器の組立構成を説明する分解説明図
【符号の説明】
1…除湿器
2…潮解性吸湿剤
3…可透湿部
8…潮解液

Claims (3)

  1. 潮解性吸湿剤が潮解した際の潮解液を貯溜する貯溜部を備える容器本体と、
    前記潮解性吸湿剤を収納した通気性及び透水性を有する包装体を収容する空間部を内側に備えた立体形状で、外気を前記空間部に導く透湿性及び前記潮解液が外部に漏出することを防止する非透水性を有する部材で形成された可透湿部と、
    前記潮解性吸湿剤を収納した前記包装体を前記可透湿部の前記空間部に配置収容する、前記潮解液が通過する透孔を複数設けた仕切部材と、
    前記容器本体と前記可透湿部とを、この可透湿部と該容器体との間に前記仕切部材を配置させた状態で、一体的に密着させて固定する固定手段とを具備し、
    前記可透湿部は凸型形状であって、可透湿部外表面の表面積を、前記容器本体の開口部の開口面積に対して110パーセントから250パーセントの範囲に設定したことを特徴とする除湿器。
  2. 前記可透湿部は、超高分子量ポリオレフィン粉末を焼結させて形成した多孔質構造体であって、
    丸棒状の多孔質構造体を切断して得られた多孔質構造体円板シートを所定温度で所定時間加熱して、所定形状の金型で賦型した後、冷却して前記空間部を有する凸型形状を形成したことを特徴とする請求項1記載の除湿器。
  3. 前記可透湿部及び前記容器本体を、耐水圧10cm以上の透湿・非透水性を有する多孔質構造体で形成したことを特徴とする請求項1記載の除湿器。
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