JP3922801B2 - 断熱サッシ - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、結露防止等の断熱効果を期待するために用いる断熱サッシに係り、障子或いは嵌め殺し窓等に適用される。
【０００２】
【従来例】
金属製の内外のサッシ部材（通常、アルミ押し出し形材で構成する）と、該サッシ部材間に介在させた断熱材（通常、合成樹脂を素材とする）とで上下の横材（上框と下框など）を構成し、該横材に上下方向に相対設した係合溝にガラスパネルを係合して組付けた断熱サッシは具体例を挙げるまでもなく公知であるが、火災時に前記断熱材は耐熱性がないため横材を構成する内外のサッシ部材は互いに分離し、ガラスパネルが容易に脱落するおそれがある。
【０００３】
このため、実公昭６０−１８５３６号公報に所載のように内外のサッシ部材をボルトを用いて止着する構造のものが提案されている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記公報所載の従来例は内外のサッシ部材を接合するという点でそれなりに機能するものであるが、ボルトが緩んでサッシの組付け強度が低下するだけでなく、ボルト頭部がサッシ表面に露出しているため、いたずら等で取り外されるおそれもある。
【０００５】
本発明は、従来例の斯様な欠点に着目し、従来にない斬新な構造の断熱サッシを提供すべく創案したものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
金属製の内外のサッシ部材と該サッシ部材間に介在させた断熱材とで上下の横材を構成し、該横材に上下方向に相対設した係合溝にガラスパネルを係合し、横材の両端に縦材を組付けた断熱サッシにおいて、前記各横材の両端に、前記内外のサッシ部材のそれぞれで構成する受入部を設け、この受入部に、中央部片の両端に側部片を相対設して構成した接合枠の、弾性の前記側部片を挾挿してその内面に圧接させて前記内外のサッシ部材を接合した構成とするのである。
【０００７】
なお、横材とは障子体にあっては上下の框、窓枠体にあって上下枠を意味し、縦材とは障子体にあっては縦框乃至召合せ框、窓枠体にあっては、縦枠を意味する。
【０００８】
【実施例】
図面は本発明に係る断熱サッシの一実施例を示し、図１は引戸障子の横断面図、図２は図１の、一部を省略して示したｘ１−ｘ１線断面図、図３は図１の、一部を省略して示したｘ２−ｘ２線断面図、図４は引戸障子の正面図、図５は接合枠の正面図、図６は接合枠の平面図である。
【０００９】
実施例のものは引戸障子Ａに本発明を適用したもので、障子Ａは、上框１、下框２、召合せ框３および縦框３´並びにガラスパネル１４を互いに組付けて構成し、前記各框１，２，３，３´は、アルミ押出し形材より成る内サッシ部材１ａ，２ａ，３ａ，３´ａと外サッシ部材１ｂ，２ｂ，３ｂ，３´ｂの相対向面に係止溝４，４´を設け、該係止溝４，４´に摺嵌した、合成樹脂製の断熱材５を介在させて前記内サッシ部材１ａ，２ａ，３ａ，３´ａと外サッシ部材１ｂ，２ｂ，３ｂ，３´ｂを互いに組付け、上框１と下框２の両端には、該框１，２を構成する前記内外のサッシ部材１ａ，２ａ．１ｂ，２ｂのそれぞれに設けた受入部６Ａ，６Ｂに接合枠７の側部片７ｂ，７ｂを挾挿して前記接合枠７を組付けて構成したものである。
【００１０】
そして、縦框３´の上端側に上框１の一端を、下端側に下框２の一端を配するようにして、縦框３´の断熱材５に設けた透孔１１を通じてタッピング螺子８の先端を上下框１，２の外サッシ部材１ｂ，２ｂに備えたタッピング溝９に螺合して、上下框１，２と縦框３´を組付け、これら各框１，２，３´の互いに連通する係合溝１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ´に端部を係合させて前記ガラスパネル４をこれら各框１，２，３´と組合わせ、召合せ框３の係合溝１０Ｃに前記ガラスパネル１４の残こる一端縁（他の端縁は上下框１，２および縦框３´の係合溝１０Ａ，１０Ｂ，１０Ｃ´に係合している）を係合するようにして召合せ框３を、上下框１，２の他の一端縁に重ね合わせ、前記と同様に召合せ框３の断熱材５に設けた透孔１１を通じてタッピング螺子８の先端を上下框１，２の外サッシ部材１ｂ，２ｂに備えたタッピング溝９に螺合締付けることにより引戸障子Ａを得られるのである。
【００１１】
前記接合枠７は、中央部片７ａと該中央部片７ａの両端に前記側部片７ｂ，７ｂを相対して連設して構成し、中央部片７ａには上下框１，２の外サッシ部材１ｂ，２ｂに備えたタッピング溝９と召合せ框３乃至縦框３´の断熱材５に設けた透孔１１の位置ずれを吸収するための横長長孔１２を設け、また、側部片７ｂには折曲部１３を設けて弾性変形が容易に行われ、側部片７ｂを前記受入部６Ａ，６Ｂに挿入したとき、容易に弾性変形して受入部６Ａ，６Ｂの内面に圧接して上框１又は下框２の、内外サッシ部材１ａ，２ａ．１ｂ，２ｂと断熱材５で成る組付け状態を確実に維持するようにしてある。
【００１２】
実施例の受入部６Ａ，６Ｂは、内外サッシ部材１ａ，２ａ．１ｂ，２ｂの長手方向に沿う貫通孔で構成するが、当該形状に限定する必要はない。
【００１３】
【発明の効果】
本発明は前記の通りの構成であるから、火災時にガラスパネルの脱落のおそれがなく、また、横材の内外サッシ部材をその両端において接合枠で挾持する構成を採るから、内外サッシ部材は強固に組付けられ、かつ、外部からの操作で組付け強度が低下されず、サッシ組立ての基本形式である胴づき接合を利用して組立てられ、組立ての作業性が低下することのない、火災によるガラスパネルの脱落を防いだ断熱サッシを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】引戸障子の横断面図。
【図２】図１の一部を省略して示したｘ１−ｘ１線断面図。
【図３】図１の一部を省略して示したｘ２−ｘ２線断面図。
【図４】引戸障子の正面図。
【図５】接合枠の正面図。
【図６】接合枠の平面図。
【符号の説明】
１ 上框
１ａ，１ｂ サッシ部材
２ 下框
２ａ，２ｂ サッシ部材
３，３´ 縦框
６Ａ，６Ｂ 受入部
７ 接合枠
７ａ 中央部片
７ｂ 側部片
１０Ａ，１０Ｂ 係合溝

Claims (1)

1. 金属製の内外のサッシ部材と該サッシ部材間に介在させた断熱材とで上下の横材を構成し、該横材に上下方向に相対設した係合溝にガラスパネルを係合し、横材の両端に縦材を組付けた断熱サッシにおいて、前記各横材の両端に、前記内外のサッシ部材のそれぞれで構成する受入部を設け、この受入部に、中央部片の両端に側部片を相対設して構成した接合枠の、弾性の前記側部片を挾挿してその内面に圧接させて前記内外のサッシ部材を接合した、断熱サッシ。

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