JP3922031B2 - 液晶注入装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、液晶表示装置に用いられるセルに液晶を注入する液晶注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶注入装置について、図3を用いて説明する。動作開始前、全てのゲートバルブG1〜G3、真空バルブV1、N2導入バルブV2は閉じられた状態、真空ポンプP1は動作状態となっている。このとき、チャンバC1内は大気圧である。
【0003】
まず、ゲートバルブG1を開き、液晶を注入すべき液晶セル11をカセットトレイ12に載せて、また、液晶を収容した液晶皿13を液晶皿トレイ14に載せてチャンバC1内へ搬送し、それぞれ、コンベア16の上と、昇降機構17(接近機構)の上に装填し、ゲートバルブG1を閉める。
【0004】
そして、真空バルブV1を開き、チャンバC1内を真空引きし、所定圧に達するか又は所定時間が経過したら、昇降機構17を上昇させ、液晶セル11の液晶注入口に液晶皿13の液晶を当てて接液させる。このとき、図4に示すように、カセットトレイ12に具備されたチャッキング機構15で液晶皿トレイ14はチャッキングされる。さらに、真空バルブV1を閉め、N2導入バルブV2を開き、チャンバC1内を大気圧に戻し始めると、真空になった液晶セル11の中へ加圧された液晶が入り始める。
【0005】
次に、ゲートバルブG2を開き、液晶セル11および液晶皿13を、液晶セル11に液晶が接液したまま、即ち、カセットトレイ12のチャッキング機構15で液晶皿トレイ14をチャッキングしたまま、コンベア16でチャンバC2へ移動させ、ゲートバルブG2を閉める。その後、チャンバC1では、昇降機構17を下降させ、次の液晶セル11と液晶皿13を搬入する一方、チャンバC2では、大気圧状態のまま液晶セル11に液晶が注入完了するまで、液晶セル11および液晶皿13を置いておく。
【0006】
所定時間経過して液晶セル11に液晶が充填されると、チャンバC2において、チャッキング機構15を開き、液晶皿トレイ14を開放して、昇降機構18を下降させることにより、液晶セル11の液晶注入口から液晶皿13を引き離す。そして、ゲートバルブG3を開け、カセットトレイ12とともに液晶セル11、液晶皿トレイ14とともに液晶皿13を、それぞれ別々にチャンバC2から搬出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3に示したような液晶注入装置では、図4に示すように、チャッキング機構15をカセットトレイ12に具備し、そのチャッキング機構15を開閉駆動し、液晶皿トレイ14をチャッキングすることで、液晶セル11に液晶を接液したままで、チャンバC2へ移動しているので、複雑な機構のチャッキング機構15を搭載する必要があり、さらに、そのチャッキング機構15を開閉駆動する駆動機構が必要であり、コストアップや構造の複雑化を引き起こしていた。
【0008】
本発明は、このような問題点を伴うことなく、液晶セルに液晶を接液したままで、液晶セルと液晶皿とを簡便に別のチャンバへ移動することができる液晶注入装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の液晶注入装置は、液晶が注入される液晶セルと液晶を収容した液晶皿とが装填される導入室と、導入室とゲートバルブを介して設けられ、液晶セルと液晶皿とが装填される注入室と、導入室を真空排気するための真空排気系と、導入室に不活性ガスを導入するための不活性ガス導入系と、導入室に液晶セルと液晶皿とを相対的に接近させる接近機構と、注入室に液晶セルと液晶皿とを相対的に離別させる離別機構とを備え、導入室に液晶セル及び液晶皿を装填し、真空排気系で真空排気することで導入室に導入された液晶セルを真空引きした後、接近機構で液晶セルの液晶注入口が液晶皿の液晶に接触するよう相対的に接近してから不活性ガス導入系で不活性ガスを導入することによって、液晶セルへの液晶注入を開始する装置であり、液晶セルの液晶注入口が液晶皿の液晶に接触した状態で、導入室から注入室へ液晶セル及び液晶皿を装填するために、液晶セルを保持するカセットトレイと液晶皿を載置した液晶皿トレイの互いに設けたピンとピン穴とからなる連結手段により、カセットトレイと液晶皿トレイとを連結し、移動手段により移動するカセットトレイと共に移動する液晶皿トレイは、接近機構における液晶皿トレイの載置面に設けた滑り手段で移動が助長されることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶注入装置の一実施の形態を詳細に説明する。図1は本実施例の液晶注入装置におけるカセットトレイと液晶皿トレイの部分拡大図、また、図2(a)(b)はそれぞれ、図1のカセットトレイと液晶皿トレイが連結されたときの側面図とそのAA断面図である。なお、図1、2以外の構造は、図3で示した従来の液晶注入装置と同じであり、以下、本実施例の液晶注入装置について、図1、2と共に図3を用いて説明する。
【0011】
液晶を注入すべき液晶セル11はカセットトレイ12に載せられ、また、液晶を収容した液晶皿13は液晶皿トレイ14に載せられ、ゲートバルブG1を通過して、搬入されるチャンバ(特許請求の範囲の導入室に相当)C1には、昇降機構17(特許請求の範囲の接近機構に相当)と、後述するチャンバC2へ液晶セル11を搬送する多数の駆動輪からなるコンベア16(特許請求の範囲の搬送機構に相当)が具備される。
【0012】
また、チャンバC1には、内部を真空排気する真空ポンプP1が真空バルブV1を介して接続され、また、内部を大気圧に戻す際に供給されるN2ガス源がN2導入バルブV2を介して接続されている。なお、N2ガス以外の不活性ガスを使用してもよい。
【0013】
そして、チャンバC1には、ゲートバルブG2を介してチャンバC2(特許請求の範囲の注入室に相当)が設けられており、チャンバC1から液晶セル11が搬入できるように、上記したようなコンベア16が、チャンバC2にも具備されると共に、接液状態の液晶セルから液晶皿を離すための昇降機構18(特許請求の範囲の離別機構に相当)が設けられている。さらに、液晶セル11や液晶皿13を外部へ搬送できるよう、それぞれゲートバルブG3が設けられている。
【0014】
なお、チャンバC1、C2には、図示省略した加熱機構を設け、加熱により、液晶注入が促進させるよう構成することも可能である。
【0015】
ところで、本実施例では、液晶セル11に液晶皿13の液晶を接液させた状態で、チャンバC1からチャンバC2へ搬送するために、図1で示したように、液晶皿トレイ14には位置決めピン21が設けられ、液晶セル11に液晶皿13の液晶を接液させるために、液晶皿トレイ14が載置され、昇降機構17を構成する昇降台22が昇降軸23を介して上昇すると、停止したコンベア16の駆動輪16a上に載置されたカセットトレイ12の液晶皿貫通穴12aに液晶皿13が挿入されると共に、位置決めピン21が位置決め用穴24に挿入されるよう構成されている。本実施例では、このような位置決めピン21と位置決め用穴24との組み合わせが4組み設けられている。また、昇降台22には、その上を液晶皿トレイ14が滑って移動する際の摩擦を低減する滑り機構として、多数のコロ25が設けられている。
【0016】
次に、図1の液晶注入装置の動作を説明する。なお、液晶セルへの液晶注入処理そのものについては、従来と同様であり、図3を用いて説明する。
【0017】
動作開始前、全てのゲートバルブG1〜G3、真空バルブV1、N2導入バルブV2は閉じられた状態、真空ポンプP1は動作状態となっている。このとき、チャンバC1内は大気圧である。
【0018】
まず、ゲートバルブG1を開き、液晶を注入すべき液晶セル11をカセットトレイ12に載せて、また、液晶を収容した液晶皿13を液晶皿トレイ14に載せてチャンバC1内へ搬送し、それぞれ、コンベア16の駆動輪16aの上と、昇降台22の上に装填し、ゲートバルブG1を閉める。
【0019】
そして、真空バルブV1を開き、チャンバC1内を真空引きし、所定圧に達するか又は所定時間が経過したら、昇降軸23を介して昇降台22を上昇させ、液晶セル11の液晶注入口に液晶皿13の液晶を当てて接液させる。このとき、図2に示すように、カセットトレイ12に形成された位置決め用穴24に液晶皿トレイ14に設けた位置決めピン21が挿入される。さらに、真空バルブV1を閉め、N2導入バルブV2を開き、チャンバC1内を大気圧に戻し始めると、真空になった液晶セル11の中へ加圧された液晶が入り始める。
【0020】
次に、ゲートバルブG2を開き、液晶セル11および液晶皿13を、液晶セル11に液晶が接液したまま、コンベア16でチャンバC2へ移動させようとすると、位置決めピン21が位置決め用穴24に挿入されているので液晶皿トレイ14はカセットトレイ12に追従する。この際、液晶皿トレイ14は回転するコロ25の上を滑るので、摩擦力に妨げられることなく移動する。
【0021】
そして、液晶セル11および液晶皿13がチャンバC2へ移動完了後、ゲートバルブG2を閉める。その後、チャンバC1では、昇降機構17を下降させ、次の液晶セル11と液晶皿13を搬入する一方、チャンバC2では、大気圧状態のまま液晶セル11に液晶が注入完了するまで、液晶セル11および液晶皿13を置いておく。
【0022】
所定時間経過して液晶セル11に液晶が充填されると、チャンバC2において、チャンバC1内の昇降機構17と同様に設けられた昇降機構18を構成する昇降台22を下降させることにより、位置決め用穴24から位置決めピンを抜くと共に、液晶セル11の液晶注入口から液晶皿13を引き離す。そして、ゲートバルブG3を開け、カセットトレイ12とともに液晶セル11、液晶皿トレイ14とともに液晶皿13を、それぞれ別々にチャンバC2から搬出する。
【0023】
そして、チャンバC2には、チャンバC1から次の液晶セル11と液晶皿13とが接液状態で搬入され、さらに、チャンバC1にその次の液晶セル11と液晶皿13とが搬入されるという具合に、上記した動作が繰り返される。
【0024】
なお、本実施例では、滑り機構として従動式の多数のコロ25を使用したが、コロ25自身が駆動するよう駆動機構を設けてもよい。また、昇降台22に液晶皿トレイ14との摩擦係数の小さい材料を採用したり、鏡面仕上げすることでも滑り機構として実施可能である。また、位置決めピン21及び位置決め用穴24の組み合わせは本実施例の4組に限らず、2組やそれ以外の組数でも実施可能である。さらに、本実施例では、位置決めピン21を液晶皿トレイ14に、位置決め用穴24をカセットトレイ12に設けたが、ぞれぞれ反対に、即ち、位置決めピン21をカセットトレイ12に、位置決め用穴24を液晶皿トレイ14に設けてもよい。
【0025】
【発明の効果】
上記したように、本発明によれば、複雑な機構のチャッキング機構を使用することなく簡便な機構を使用しても、液晶セルに液晶を接液したままで次のチャンバへ移動できる。すなわち、このような本来要求されている動作が行なえ、しかも、チャッキング機構自身のみならず、それを開閉駆動する駆動機構も不要となり、コストアップや構造の複雑化を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶注入装置のカセットトレイと液晶皿トレイの部分拡大図。
【図2】図1のカセットトレイと液晶皿トレイが連結されたときの側面図とそのAA断面図。
【図3】従来の液晶注入装置の構成図。
【図4】従来の液晶注入装置のチャッキング機構を示した図。
【符号の説明】
11 液晶セル
12 カセットトレイ
13 液晶皿
14 液晶皿トレイ
16 コンベア
17 昇降機構(接近機構)
18 昇降機構(離別機構)
21 位置決めピン
22 昇降台
24 位置決め用穴
25 コロ
C1、C2 チャンバ
Claims (1)
- 液晶が注入される液晶セルと液晶を収容した液晶皿とが装填される導入室と、前記導入室とゲートバルブを介して設けられ、前記液晶セルと前記液晶皿とが装填される注入室と、前記導入室を真空排気するための真空排気系と、前記導入室に不活性ガスを導入するための不活性ガス導入系と、前記導入室に前記液晶セルと前記液晶皿とを相対的に接近させる接近機構と、前記注入室に前記液晶セルと前記液晶皿とを相対的に離別させる離別機構とを備え、前記導入室に液晶セル及び液晶皿を装填し、前記真空排気系で真空排気することで該導入室に導入された前記液晶セルを真空引きした後、前記接近機構で前記液晶セルの液晶注入口が前記液晶皿の液晶に接触するよう相対的に接近してから前記不活性ガス導入系で不活性ガスを導入することによって、前記液晶セルへの液晶注入を開始する液晶注入装置において、前記液晶セルの液晶注入口が前記液晶皿の液晶に接触した状態で、前記導入室から前記注入室へ前記液晶セル及び液晶皿を装填するために、前記液晶セルを保持するカセットトレイと前記液晶皿を載置した液晶皿トレイの互いに、これらを連結するためのピンとピン穴からなる連結手段を設けると共に、前記移動手段により移動するカセットトレイと共に前記連結手段で連結された前記液晶皿トレイの移動を助長するために、前記接近機構における前記液晶皿トレイの載置面に滑り手段を設けたことを特徴とする液晶注入装置。
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