JP3920240B2 - ルースチューブ型リボン光ケーブル - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リボン光ケーブル(optical ribbon cable)に関し、特に、ルースチューブ(loose tube)を備えたリボン光ケーブルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
通常、リボン光ケーブルは、 光信号の伝送媒体がリボン光ファイバであるものを意味し、そのリボン光ファイバは多心の光ファイバを一列に集合させたものを指す。リボン光ファイバは、多心の光ファイバを一列に集合させて紫外線硬化樹脂で被覆した後、その紫外線硬化樹脂を紫外線で硬化して製作される。また、リボン光ファイバを多数積層してマトリックス(matrix)構造のリボン光ファイバを構成することもできる。この種のリボン光ファイバは、多心の光ファイバを密集させるため、制限された空間内の光ファイバ密度が非常に高いという長所がある。高密度リボン光ケーブルが注目を浴びている理由は、既存の管路には既に多数の光ケーブルが布設されているため、その管路内に新規布設空間が不足しているためである。さらに、光ファイバパッキング密度(packing density)をより高め、既存の狭い管路に布設可能なように光ケーブルの外径を縮める作業が行われつつある。
【０００３】
図１は、従来のルースチューブ型リボン光ケーブルの構成を示す断面図である。リボン光ケーブルは、中心引張線(テンションメンバ)１１０、多数のリボン光ファイバ束１２０、多数のルースチューブ１３０、引張線（押さえ巻）１４０および外部被覆１５０を含めて構成される。
【０００４】
中心引張線１１０は、ルースチューブ型リボン光ケーブルに抗張力を提供し、その中心に位置する。
【０００５】
ルースチューブ１３０は、リボン光ファイバ束１２０を実装する。このリボン光ファイバ束１２０はそれぞれ一列に配列された４心以上の光ファイバを紫外線硬化樹脂で被覆処理した多数のリボン光ファイバを積層したマトリックス構造である。
【０００６】
引張線１４０は、多数のルースチューブ１３０を取り囲んでルースチューブ型リボン光ケーブルの抗張力を向上させる機能を行う。
【０００７】
外部被覆１５０は、その内部を外部環境から保護するためにリボン光ケーブルの最外郭に位置し、押出し工程によって成形される。
【０００８】
しかし、かかるルースチューブ型リボン光ケーブルは、外部被覆から内部への水分浸透に対する抵抗が弱く、また、外部ストレス(圧力、衝撃など)にも弱いといった問題がある。加えて、ルースチューブ型リボン光ケーブルの物理的な外観に関して、隣接する一対のルースチューブ１３０の外側面によって作られるくぼみ１６０が存在するため、リボン光ケーブルの断面形態をその原型のまま保持するのが困難であるといった問題がある。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述した従来の問題点を解決するためには案出されたものであり、耐水特性および圧縮特性を向上することができ、外観を改善したルースチューブ型リボン光ケーブルを提供することにその目的がある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成する本発明のルースチューブ型リボン光ケーブルは、リボン光ケーブルの中心に位置する中心引張線と；それぞれ一列に配列された多心の光ファイバと多心の光ファイバを取り囲む被覆とを備えたリボン光ファイバを多数積層して形成されたリボン光ファイバ束を実装し、中心引張線を取り囲む多数のルースチューブと；多数のルースチューブの間に配置された多数の円形吸水部材と；多数のルースチューブおよび多数の円形吸水部材を取り囲む吸水テープと；内部を外部環境から保護するためにリボン光ケーブルの最外郭に位置する外部被覆と；を含み、円形吸水部材は、吸水テープと多数のルースチューブとの間に存在する水分を吸収するとともに、ルースチューブ型リボン光ケーブルの断面形態を円形に保持することができるように、水分を吸収する特性を有する多数の吸水性ヤーン（ｗａｔｅｒ ａｂｓｏｒｂｉｎｇ ｙａｒｎ）と、吸水性ヤーンよりも高い強度を有する多数の強性ヤーン（ｓｔｒｅｎｇｔｈ ｙａｒｎ）とを該円形吸水部材が形態を保持できるように撚って構成したことを特徴とする。
【００１１】
円形吸収部材は、その中心に一つの強性ヤーンが位置し、前記強性ヤーンの周囲に複数の強性ヤーンと複数の吸水性ヤーンとが撚られた構成を有するようにすることができる。
【００１２】
また、ルースチューブ型リボン光ケーブルは、抗張力を強化するために吸水テープと外部被覆との間に配置される引張線をさらに含むと好ましい。
【００１３】
中心引張線はガラス繊維強化プラスチック(ＦＲＰ:fiberglass reinforced plastic)材質から形成されるとよい。
【００１４】
さらに、ルースチューブ型リボン光ケーブルは、ポリ塩化ビニル(ＰＶＣ:polyvinyl chloride)またはポリエチレン(ＰＥ:polyethylene)材質から形成され、中心引張線をコーティングするコーティング層をさらに含むとなおよい。
【００１５】
外部被覆は、ポリ塩化ビニル(ＰＶＣ:polyvinyl chloride)、ポリエチレン(ＰＥ:polyethylene)、ハイトレル(hytrel)、ナイロン(nylon)およびポリプロピレン(polypropylene)のうちいずれか一つの材質から形成されるとなお好ましい。
【００１６】
また、外部被覆は押出し工程によって成形されるようにするとよい。
【００１７】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図面中、同一の構成要素には同一符号を共通使用する。なお、周知技術については適宜説明を省略するものとする。
【００１８】
図２は、本発明の好ましい一実施例によるルースチューブ型リボン光ケーブルの構成を示す断面図であり、図３は、図２に示したルースチューブの断面図であり、図４は、図２に示した円形吸水部材の断面図である。
【００１９】
図２に示すように、リボン光ケーブルは、中心引張線２１０、多数のルースチューブ２６０、多数の円形吸水部材３００、第２吸水テープ２７０、引張線２８０および外部被覆２９０を含んで構成される。
【００２０】
中心引張線２１０は、ルースチューブ型リボン光ケーブルに抗張力を提供し、その中心に位置する。中心引張線２１０の材質にはガラス繊維強化プラスチック(ＦＲＰ:fiberglass reinforced plastic)を利用できる。中心引張線２１０上をコーティングしたコーティング層２２０の材質にはポリ塩化ビニル(ＰＶＣ:polyvinyl chloride)、ポリエチレン(ＰＥ:polyethylene)などの高分子化合物を利用できる。また、コーティングされた中心引張線２１０、２２０には第１吸水テープ２３０が巻かれている。この第１吸水テープ２３０は中心引張線２１０と多数のルースチューブ２６０との間に存在する水分を吸収する機能を行う。
【００２１】
ルースチューブ２６０はリボン光ファイバ束２４０を実装している。このリボン光ファイバ束２４０は、それぞれ一列に配列された４心以上の光ファイバ２４２を紫外線硬化樹脂で被覆処理した多数のリボン光ファイバ２４４を積層したマトリックス構造である。また、ルースチューブ２６０の中空部分にはリボン光ファイバ束２４０を外部衝撃から保護し、ルースチューブ２６０内に浸透した水分を吸収するように機能をするゼリーコンパウンド(jelly compound)２５０が充填される。さらに、多数のルースチューブ２６０は中心引張線２１０を中心に螺旋状またはＳ−Ｚパターンで撚られている。
【００２２】
円形吸水部材３００は、隣接する一対のルースチューブ２６０の外側面によって作られるくぼみに配設され、耐水性を有する。これは、第２吸水テープ２７０と多数のルースチューブ２６０との間に存在する水分を吸収するためである。また、円形吸水部材３００は所定強度を有するため、リボン光ケーブルの圧縮特性を向上させるとともに、多数のルースチューブ２６０によって作られるくぼみを埋め、リボン光ケーブルの断面が円形を保持できるようにする。さらに、円形吸水部材３００は全体的に円形をなすように多数の吸水性ヤーン(water absorbing yarn)と強性ヤーン(strength yarn)を互いに撚って構成されてる。
【００２３】
図４に示すように、円形吸水部材３００はそれぞれ、水分を吸収して膨張する特性を有した３心の吸水性ヤーン３１０と、その円形吸水部材３００が形態を保持できるようにそれぞれ所定強度を有する４心の強性ヤーン３２０とから構成されている。３心の吸水性ヤーン３１０と４心の強性ヤーン３２０は互いにその円形吸水部材３００が全体的に円形をなすように撚られている。強性ヤーン３２０にはアラミッドヤーン(aramid yarn)またはガラスヤーン(glass yarn)を利用できる。
【００２４】
図２を再び参照すれば、第２吸水テープ２７０は多数のルースチューブ２６０および多数の円形吸水部材３００を取り囲んでその内部に水分が浸透するのを防止する。引張線２８０は第２吸水テープ２７０を取り囲んでリボン光ケーブルの抗張力を向上させる機能を行う。また、その材質にはアラミッドヤーンまたはガラスヤーンを利用できる。外部被覆２９０は、ルースチューブ型リボン光ケーブルの最外郭に位置する。外部被覆２９０の材質にはＰＶＣ(polyvinyl chloride)、ＰＥ(polyethylene)、ハイトレル(hytrel)、ナイロン(nylon)、ポリプロピレン(polypropylene)のような高分子化合物を利用でき、押出し工程によって成形される。また、外部被覆２９０を除去する便宜のためにその内壁に隣接してリップコード(rip cord)(図示せず)を実装することもできる。
【００２５】
【発明の効果】
上述のように、本発明によるルースチューブ型リボン光ケーブルは、円形吸水部材を利用するため、リボン光ケーブルの耐水特性および圧縮特性を向上させ、その外観を改善することができる。
【００２６】
以上では本発明を具体的な一実施例に基づいて説明してきたが、本発明の技術的思想を外れない範囲内でさまざまな変形や修正が可能なことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のルースチューブ型リボン光ケーブルの構成を示す断面図。
【図２】本発明の好ましい一実施例によるルースチューブ型リボン光ケーブルの構成を示す断面図。
【図３】図２に示したルースチューブの断面図。
【図４】図２に示した円形吸水部材の断面図。
【符号の説明】
２１０ 中心引張線
２２０ コーティング層
２３０ 第１吸水テープ
２４０ リボン光ファイバ束
２４２ 光ファイバ
２４４ リボン光ファイバ
２５０ ゼリーコンパウンド
２６０ ルースチューブ
２７０ 第２吸水テープ
２８０ 引張線
２９０ 外部被覆
３００ 円形吸水部材
３１０ 吸水性ヤーン
３２０ 強性ヤーン

Claims (7)

  1. ルースチューブ型リボン光ケーブルにおいて、
    リボン光ケーブルの中心に位置する中心引張線と；
    それぞれ一列に配列された多心の光ファイバと該多心の光ファイバを取り囲む被覆とを備えたリボン光ファイバを多数積層して形成されたリボン光ファイバ束を実装し、前記中心引張線を取り囲む多数のルースチューブと；
    前記多数のルースチューブの間に配置された多数の円形吸水部材と；
    前記多数のルースチューブおよび多数の円形吸水部材を取り囲む吸水テープと；
    内部を外部環境から保護するために前記リボン光ケーブルの最外郭に位置する外部被覆と；を含み、
    前記円形吸水部材は、前記吸水テープと前記多数のルースチューブとの間に存在する水分を吸収するとともに、ルースチューブ型リボン光ケーブルの断面形態を円形に保持することができるように、水分を吸収する特性を有する多数の吸水性ヤーン（ｗａｔｅｒ ａｂｓｏｒｂｉｎｇ ｙａｒｎ）と、前記吸水性ヤーンよりも高い強度を有する多数の強性ヤーン（ｓｔｒｅｎｇｔｈ ｙａｒｎ）とを該円形吸水部材が形態を保持できるように撚って構成したことを特徴とするルースチューブ型リボン光ケーブル。
  2. 抗張力を強化するために前記吸水テープと外部被覆との間に配置される引張線をさらに含む請求項１記載のルースチューブ型リボン光ケーブル。
  3. 前記中心引張線はガラス繊維強化プラスチック材質から形成される請求項１記載のルースチューブ型リボン光ケーブル。
  4. ポリ塩化ビニルまたはポリエチレン材質から形成され、前記中心引張線をコーティングするコーティング層をさらに含む請求項１記載のルースチューブ型リボン光ケーブル。
  5. 前記外部被覆は、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ハイトレル、ナイロンおよびポリプロピレンのうちいずれか一つの材質から形成される請求項１記載のルースチューブ型リボン光ケーブル。
  6. 前記外部被覆は押出し工程によって成形される請求項１記載のルースチューブ型リボン光ケーブル。
  7. 前記円形吸収部材は、その中心に一つの強性ヤーンが位置し、前記強性ヤーンの周囲に複数の強性ヤーンと複数の吸水性ヤーンとが撚られた構成を有することを特徴とする請求項１に記載のルースチューブ型リボン光ケーブル。
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