JP3920191B2 - 異物除去機構,印刷装置および異物除去方法 - Google Patents

異物除去機構,印刷装置および異物除去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の印刷装置(画像形成装置)では、通常、感光体ドラム(像担持体)に対して帯電・露光を行って静電潜像を形成し、これをトナーによって現像してトナー像を形成する。そして、このトナー像をシート(転写材)に転写することで印刷を行うようになっている。
【0003】
なお、このような印刷装置に用いられる現像材には、大別して、1成分のものと2成分のものとがある。
2成分の現像材は、トナーに加えて、Fe(鉄)やフェライト等の磁性体からなるキャリアを含んでおり、キャリアとトナーとの混合比を変えることよって帯電性を調節できるものである。また、細線やソリッド画像の現像特性、階調性の再現性に優れ、カラー画像の形成にも適している。
【0004】
一方、1成分の現像材は、トナーのみからなるものである。このような現像材を用いる場合、トナーをキャリアと混合・攪拌する必要がなく、さらに、トナー濃度の制御およびトナーの交換が不要となるという利点もある。
【0005】
ところで、電子写真方式の印刷装置では、シートにトナー像を転写する際、トナー像を完全に転写できずに、感光体ドラムに残留させてしまうことがあり、このような残留トナーは、感光体ドラムを帯電させる帯電ローラに付着・蓄積される。
そして、帯電ローラに残留トナーが蓄積すると、帯電ローラの帯電特性が悪化して異常放電の発生を招来する。そして、この異常放電により、感光体ドラムの帯電ムラや画像かぶり(露光していない部分(白地のままであるべき部分)に対する黒点)を発生させてしまう。
【0006】
図11(a)(b)に、帯電ローラの残留トナーを清掃によって除去していない印刷装置によって複写(コピー)を実行した場合の結果を示す。ここで、図11(a)は原稿画像を示す説明図であり、図11(b)は、複写によって生成された画像示す説明図である。
これらの図に示すように、帯電ローラの残留トナーを除去しないと、画像の白地部分に黒点が発生し、また、この黒点の影響は、印刷装置の使用頻度の増加につれて大きくなる。
【0007】
さらに、図12(a)〜(h)は、帯電ローラの残留トナーを除去しない場合における、使用頻度(複写枚数)に対する黒点の発生の具合を示す説明図である。これらの図に示すように、複写枚数が増えるにつれて、黒点の影響が大きくなっていることがわかる。
【0008】
また、表4は、帯電ローラの残留トナーを清掃によって除去した場合と除去しなかった場合とにおける、印刷枚数(P)とかぶり値Kとの関係を示す表であり、図13は、表中の値をグラフにしたものである。
なお、かぶり値Kは、『K=1−U/U0,U:明度、U0:初期明度』の式から求められるものである。
【0009】
【表4】
Figure 0003920191
【0010】
このような画像かぶりを防止するために、従来では、感光体ドラムにクリーニングブレートを接触させ、これによって、帯電ローラに付着する前に、残留トナーを感光体ドラムから掻き落として除去していた。
しかしながら、このようなブレードによるで掻き落としでは、残留トナーをわずかながら残存させてしまう。このため、結局は、印刷量の増加につれて、帯電ローラ上に残留トナーを蓄積してしまうことになる。
【0011】
このような、帯電ローラ上に蓄積した残留トナーによるかぶりの問題を解決するために、例えば、特許文献1には、帯電ローラ(非接触型)と感光体ドラムとの最近接位置近傍に空気流を発生させるための空気流発生装置を設ける技術が開示されている。
そして、この技術では、帯電ローラが残留トナーで汚れてくると、空気流(エアブロー)で帯電ローラの残留トナーを除去して感光体ドラムに戻すようになっている。
【0012】
また、特許文献2には、トナーを電気的に吸着するクリーニング部材を帯電ローラ(接触型)に当接させることで、帯電ローラ上の残留トナーを除去する技術が開示されている。
【0013】
【特許文献1】
特開平10−254224号公報(公開日1998年9月25日)
【0014】
【特許文献2】
特開2001−209239号公報(公開日2001年8月3日)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、空気流発生装置を設ける必要があるため、製造コストを向上させてしまうという欠点がある。
また、特許文献2の技術では、帯電ローラが、感光体ドラムと逆方向に回転する(ウイズ回転する)ように設定されている。このため、帯電ローラと感光体ドラムとの間に、異物が巻き込まれやすいという問題がある。
【0016】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために成されたものである。そして、その目的は、帯電ローラに蓄積した異物の影響を回避できるとともに、帯電ローラと感光体ドラムとの間の異物巻き込みを防止することの可能な、印刷装置の異物除去機構を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の異物除去機構(本除去機構)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含んでいることを特徴としている。
【0018】
本除去機構は、複写機,プリンター,ファクシミリ装置などに採用されている電子写真方式の印刷装置に用いられるものである。
このような印刷装置では、回転する像担持体の表面を帯電・露光して静電潜像を形成し、この潜像を現像材(トナーなど)によって現像して可視像(トナー像など)を形成する。そして、可視像を、シート(記録用紙など)に転写するようになっている。
そして、本除去機構は、可視像の転写後に像担持体に残留している異物(主に現像材)を除去するためのものである。
【0019】
上記したように、本除去機構は、印刷装置の帯電ローラと、異物除去機構とを含むものである。
帯電ローラは、所定の間隔(帯電ギャップ)をおいて、像担持体に対向するように設けられ、所定の帯電バイアスが印加されているものである。そして、本来的には、印刷装置の印刷処理において、帯電バイアスによって、帯電領域における像担持体の表面を帯電させるものである。
【0020】
なお、帯電領域とは、帯電ローラと像担持体との間で気中放電が起きる領域である(例えば、帯電ローラに印加する電圧の最大値をパッシェの実験式に代入する有ことにより求めることができる)。
【0021】
そして、本除去機構では、この帯電ローラの帯電バイアスを利用して、像担持体上の異物(帯電バイアスと逆極性に帯電されている異物)を帯電ローラに吸着させるようになっている。
すなわち、本除去機構では、帯電ローラに、帯電機能に加えて、異物除去機能をもたせている。このため、像担持体から異物を除去するための特別な部材(クリーニングブレードなど)を設ける必要がない。従って、製造コストを低減できるようになっている。
【0022】
なお、帯電バイアスによって除去できる異物は、帯電バイアス,異物,像担持体の帯電極性および帯電量によって決定される。
すなわち、帯電バイアスによって除去できる異物は、主に、帯電バイアスを受けたときに、像担持体への吸着力より帯電ローラへの吸着力が勝るものである。
【0023】
また、特に、本除去機構では、この帯電ローラが、像担持体とアゲンスト回転するように設定されている。
ここで、帯電ローラがアゲンスト回転する、とは、帯電ローラが、像担持体と同方向に回転することである。この場合、帯電ローラと像担持体とは、帯電領域において、互いに対向する表面の移動方向が逆方向となる(帯電ローラの表面と像担持体の表面とが、互いにすれちがうように移動する)。
従って、本除去機構では、像担持体の異物は、帯電領域への進入位置で帯電ローラに吸着され、帯電ローラの回転に伴って、帯電領域から離れる方向に移動させられる。
【0024】
これにより、本除去機構では、像担持体上の異物が帯電領域(帯電ギャップ)を通過することを回避でき、これが帯電ギャップに食い込むこと(および像担持体・帯電ローラを傷つけること)を防止できる。
【0025】
また、帯電領域に異物が残らないので、異物が帯電の妨げとならない。従って、異物の存在による像担持体の未帯電部分の発生を防止できる。
【0026】
また、帯電ギャップへの異物の進入を阻止できることから、サイズの大きな異物にあわせて帯電ギャップを広げる必要がないため、帯電ギャップを狭くできる。そして、このように帯電ギャップの間隔を狭くできることにより、気中放電における放電開始電圧を示す「パッシェの実験式」からも明らかなように、帯電バイアスを低くできる。さらに、本除去機構あるいは印刷装置の小型化を図ることが可能となる。
【0027】
なお、帯電ローラと像担持体とがウイズ回転している場合(互いに逆方向に回転している場合)、帯電ローラは、除去した異物を抱えたまま帯電領域を通過することになる。しかしながら、帯電領域の下流側(像担持体にとっての下流側)では、像担持体の表面電位が帯電バイアス(直流成分)とほぼ同一の電位に帯電されているため、像担持体の異物吸着力が、帯電ローラとあまり変わらない状態となっている。従って、ウイズ回転においては、像担持体から異物を静電的に回収する能力が大幅に減少してしまう。
【0028】
これに対し、本除去機構では、アゲンスト回転であるため、帯電ローラが、帯電領域の上流側(像担持体の異物が帯電領域に進入する側)で、異物を像担持体から除去する。このため、像担持体の吸着力の影響を回避できる。
【0029】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域における帯電ローラの表面(帯電面)と像担持体の表面(被帯電面)との、相対走行距離を拡大できる。
このため、帯電ローラの部分的な抵抗値変動等による帯電変動を抑制できるので、像担持体における帯電特性(帯電の均一性)を向上させられる。
【0030】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域に、新たに帯電面となるローラ面が、帯電領域の下流側から進入する。
【0031】
よって、像担持体への帯電動作に伴って、帯電ローラ自身の内部で容量成分の帯電による電圧降下の起きた場合でも、内部電圧降下による像担持体帯電電位の低下を緩和できる。
また、帯電領域の下流側では、像担持体の表面電位は帯電の進行に伴って上昇している。このため、表面電位の上昇に伴って、帯電電流密度(面積に対する)も減少することにより、帯電ローラ内部での抵抗成分による電圧降下による像担持体の帯電電位低下を緩和する作用も働く。
【0032】
なお、この効果は、帯電ローラの抵抗値が高い場合、特に顕著となる。すなわち、帯電ローラの抵抗が高い場合、容量成分の帯電による電圧降下、および、抵抗成分による電圧降下が顕著となり、像担持体を正規の帯電電位まで上昇させることが困難となるからである。
【0033】
また、特に、本除去機構では、帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部を備えている。
これにより、帯電ローラに対する異物の蓄積を防止できるので、異物の蓄積による帯電ローラの帯電特性の悪化および異常放電を防止でき、その帯電特性を安定させられる。従って、画像かぶり等の画質劣化の発生を回避することが可能となる。
また、帯電ローラによっていったん除去された異物が像担持体に戻ってしまうことを防止できるので、このような異物による画像劣化を回避できる。
また、上記のような本除去機構を備えた印刷装置を構成すれば、画質劣化の少ない印刷を行うことが可能となる。
【0034】
また、本除去機構では、清掃部が、帯電ローラから除去した異物を、印刷装置における現像槽内に回収する回収部材を有していることが好ましい。
通常、転写後に像担持体に残留している異物は、そのほとんどが、現像材の成分(トナーやキャリアなど)である。そこで、この構成では、帯電ローラによって像担持体から除去した異物を現像槽に回収し、再利用できるようにしている。これにより、印刷装置におけるランニングコスト(現像材にかかる費用)を低減させられる。
【0035】
また、本除去機構の清掃部は、例えば、帯電ローラの表面に当接するプレートやフィルムから構成することが可能である。このように構成すれば、清掃部を、安価で簡単なものとできる。
【0036】
また、この場合、清掃部を、導電性を有する材料から構成することが好ましい。さらに、本除去機構に、清掃部に発生した電荷を逃がすアース機構を備えることが好ましい。
これにより、清掃部と帯電ローラとの摩擦による、清掃部への電荷の蓄積を回避できる。従って、清掃部自身の帯電による清掃性能の経時劣化を防止できる。
【0037】
また、この場合、帯電ローラの表面を、離型性を有する材料(例えば導電性フッ素樹脂)から構成することが好ましい。このようにすれば、清掃部における清掃性能を向上できる。
【0038】
また、本除去機構では、帯電ローラの帯電バイアスを、直流電圧に交流電圧の重畳された重畳電圧とすることが好ましい。
これにより、直流成分によって像担持体の表面を一様に帯電させられる。
そして、交流成分によって、像担持体表面の異物を振動させられる(加振できる)。これにより、像担持体からの異物の離脱を促進し、異物を効率よく静電吸着できる。
【0039】
すなわち、この構成では、直流成分に交流成分を重畳することにより、帯電領域への進入位置近傍(像担持体からみて上流側)で、像担持体の異物に交番静電力が作用する。
これにより、感光体1からの異物の離脱を促進でき、離脱した異物がクラウド状になる。これにより、帯電ローラによる吸着回収効率を高められる。
【0040】
また、本除去機構では、帯電ローラに磁場を形成することが好ましい。
これにより、像担持体上の異物を、帯電バイアスによる静電力だけでなく、磁気力(磁気吸引力)によっても除去できるようになる。
例えば、現像材に質量の大きいキャリアの含まれている場合、帯電バイアスのみによる旧約では、回収効率が悪くなる。これに対し、静電力に加えて磁気吸引力をキャリアに作用させることで、その回収効率を高められる。
【0041】
また、本除去機構では、像担持体の異物の帯電量を、現像バイアスとは逆極性に帯電させる帯電調整部材を備えていることが好ましい。
この帯電調整部材は、帯電領域の上流側に備えられているものである。
これにより、異物の帯電量を、現像バイアスに吸着されやすいように調整できるので、帯電ローラによる異物吸着効率を向上させられる。
【0042】
また、本除去機構に、像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物(帯電ローラによって除去できなかったもの)を吸着(除去)する現像ローラを含ませることが好ましい。
この現像ローラは、所定の間隔(現像ギャップ)をおいて、像担持体に対向するように設けられ、所定の現像バイアスが印加されているものである。そして、本来的には、印刷装置の現像処理において、現像バイアスおよび現像材を用いて、像担持体上の静電潜像を現像するものである。
なお、現像領域とは、現像ローラと像担持体との間で気中放電が起きる領域である(例えば、現像ローラに印加する電圧の最大値をパッシェの実験式に代入する有ことにより求められる)。
【0043】
そして、本除去機構では、この現像ローラの現像バイアスを利用して、像担持体上の異物(帯電ローラによって吸着できなかったもの)を帯電ローラに吸着させるようになっている。
すなわち、この構成では、現像ローラに、現像機能に加えて異物除去機能をもたせている。このため、像担持体から異物を除去するための特別な部材(クリーニングブレードなど)を設ける必要がなく、製造コストを低減できる。
【0044】
なお、現像バイアスによって除去できる異物は、現像バイアス,異物,像担持体の帯電極性および帯電量によって決定される。
すなわち、現像バイアスによって除去できる異物は、主に、現像バイアスを受けたときに、像担持体への吸着力より現像ローラへの吸着力が勝るものである。
このように、現像ローラに異物除去機能をもたせることにより、像担持体の異物をより確実に除去できる。
【0045】
また、本除去機構では、帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔(帯電ギャップ)が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きいことが好ましい。
【0046】
通常、印刷装置では、像担持体上の可視像をシートに転写する際、転写バイアスによって、像担持体にシートを貼り付ける。そして、転写後に、像担持体からシートを剥離するようになっている。
そして、帯電ギャップをシートの厚みよりも小さく設定しておけば、何らかの不具合によって像担持体に張りついたシートを剥離できなかった場合でも、シートが帯電領域以降に進入してしまうことを防止できる。これにより、このようなシートが印刷装置の深部まで到達することを回避できるので、シートの除去(ジャム処理)を容易に行える。
【0047】
また、一般的なシートの厚みを考慮すると、帯電ギャップをこの厚みよりも小さく設定することにより、帯電ローラにおける異常放電の発生を低減し、異常放電による像担持体の帯電ムラを防止できる。さらに、帯電ギャップをこのように小さく設定することで、「パッシェの実験式」で示されるように、放電開始電圧を低くでき、電源電圧を小さくできる。
【0048】
また、帯電ギャップをトナーの粒径よりも大きくすることによって、帯電ギャップ内でのトナーの融着(帯電ローラあるいは像担持体に対する融着)を防止できる。
【0049】
また、印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤である場合には、帯電ギャップは、現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きいことが好ましい。
これにより、帯電ギャップへのキャリアの進入を完全に排除できる。また、一般的なキャリアの粒径を考慮すると、帯電ギャップをキャリアの粒径よりも小さく設定することにより、異常放電の発生を低減し、異常放電による像担持体の帯電ムラを防止できる。さらに、帯電ギャップをこのように小さく設定することで、「パッシェの実験式」で示されるように、放電開始電圧を低くでき、電源電圧を小さくできる。
【0050】
また、本除去機構を、反転現像を行う印刷装置において用いることが、画質維持に顕著な効果を発揮できるため、好ましい。
すなわち、正規現像の印刷装置では、帯電ローラによって除去できる帯電特性を有する異物が、像担持体と同極性となる。このため、このような異物は、帯電ローラによって除去しなくても、像担持体上から離脱しやすい状態であり、後の印刷に与える影響は小さくなると考えられる。
【0051】
一方、反転現像の印刷装置では、帯電ローラによって除去できる帯電特性を有する異物が、像担持体と逆極性となり、強い吸着力が作用し、いつまでも像担持体上に残ったままとなりやすい。
従って、帯電ローラによってこの異物を除去するに際に、帯電ローラ上の異物を除去・清掃しない場合、帯電ローラに異物が堆積し、像担持体に対する異物除去能力が低下する、もしくは堆積した異物が離脱し、再度、像担持体に付着するなどして、帯電後の像担持体上に異物が残留してしまい、後の印刷に大きな影響を与えてしまうおそれがある。
従って、反転現像を行う印刷装置に本除去機構を用いることで、印刷装置の画質劣化をより良好に防止できるといえる。
【0052】
また、この構成では、帯電ローラは、像担持体と逆極性のトナーを異物として吸着することが好ましい。
このようなトナーは、帯電ローラを清掃しない場合に生じる、画質劣化の主原因となるものである。本除去機構では、帯電ローラに吸着された上記のトナーを清掃部により清掃できるため、画質劣化の発生を回避できる。
【0053】
また、本発明の異物除去方法(本除去方法)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去方法において、印刷装置の帯電ローラを像担持体に対してアゲンスト回転させるとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を帯電ローラに吸着させる帯電・除去工程と、帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃工程とを含んでいることを特徴としている。
【0054】
本除去方法は、上記した本除去機構において用いられている異物除去方法である。
従って、帯電ローラによって像担持体上の異物を除去できるので、異物除去のための特別な除去装置を設ける必要がない。
また、帯電ローラと像担持体とがアゲンスト回転しているので、像担持体上の異物が帯電ギャップに食い込むこと(および像担持体・帯電ローラを傷つけること)を防止できるとともに、印刷装置における画質劣化を防止できる。
さらに、帯電ローラを清掃するため、帯電ローラへの異物の蓄積を防止でき、これによる画質劣化を回避できる。
【0055】
また、本除去方法では、印刷装置の現像ローラによって、上記像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物を吸着する現像・吸着工程を含んでいることが好ましい。
【0056】
この方法では、現像ローラに、現像機能に加えて異物除去機能をもたせており、これによって、帯電ローラによって吸着できなかった異物を、像担持体から吸着するようになっている。
従って、この方法では、像担持体から異物を除去するための特別な部材を設ける必要がなく、製造コストを低減できるとともに、像担持体の異物をより確実に除去できる。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について説明する。
本実施の形態にかかる印刷装置(本印刷装置)は、トナーおよびキャリアを含む2成分現像材を用いて、画像データに応じた画像をシート(印刷用紙)に印刷する電子写真方式の印刷装置である。また、本印刷装置の現像方式は、反転現像である。
【0058】
図1は、本印刷装置の構成を示す説明図である。
この図に示すように、本印刷装置は、感光体1の周囲に、LSU11,現像装置21,転写装置31,異物攪乱装置41,帯電装置51を、露光位置(LSU11によるレーザ光12の照射位置)から、感光体1の回転方向に沿って、この順に配設している構成を有している。
【0059】
感光体(像担持体)1は、矢印R方向(時計回り)に回転駆動される感光体ドラムである(プロセス速度;130mm/s)。
この感光体1は、接地された導電性素管2の表面に、有機光導電材料等の電荷発生層(CGL)、電荷輸送層(CTL)等からなる膜3を形成した構成を有している。そして、感光体1は、その表面に、帯電電荷による静電潜像(潜像)、および、静電潜像を現像してなるトナー像の形成を受けるようになっている。
【0060】
帯電装置51は、帯電領域5(感光体1における帯電装置51との最近接部分)において、感光体1の表面を、所定の電位に均一にマイナス帯電(−600V)させるものである。
【0061】
図1に示すように、帯電装置51は、帯電ローラ52,帯電バイアス電源53,クリーニングフィルム54,バネ55を有している。
【0062】
バネ55は、自身の付勢力により、帯電ローラ52を、感光体1と接触しない状態で、感光体1に近接して配置するためのものである。
すなわち、このバネ55は、帯電ローラ52の放電面と、この面に対向する感光体1表面との間隔(帯電ギャップC)を適切な値となるように制御するものである。
【0063】
帯電ローラ52は、導電性素管52aと、その表面を覆う抵抗層52bを備えたマグネットローラである。そして、導電性素管52aに印加される帯電バイアス電源53の帯電バイアスを用いて、抵抗層52bを介して感光体1表面を帯電(−600V)させる機能を有している。
【0064】
また、帯電装置51は、帯電領域5において、感光体1の異物(プラス帯電しているもの)を除去する機能(異物除去機構としての機能)も有しているが、これについて(およびクリーニングフィルム54について)は、後に詳細に説明する。
【0065】
LSU(レーザービームスキャナーユニット;露光装置)11は、矢印R方向に沿って帯電装置51よりも下流側に、感光体1から離れた状態で配置されている。そして、図1に示すように、LSU11は、レーザ光源11aを有しており、帯電された感光体1の表面を、画像データに応じて変調したレーザ光12によって露光(走査)する機能を有している。これにより、LSU11は、感光体1の表面における帯電電荷(マイナス)を選択的に消失させ、画像データに応じた静電潜像を形成するようになっている。
【0066】
現像装置21は、現像領域4(感光体1における現像装置21との最近接部分)において、感光体1の静電潜像をトナー61によって反転現像し、感光体1上にトナー像を形成するものである。
ここで、反転現像とは、感光体1の静電潜像における電荷消失部分(露光部分)にトナーを吸着させるタイプの現像方式である。また、反転現像では、感光体1の帯電極性をマイナスとしたとき、トナー61の主帯電極性は、感光体1と同極性のマイナスとなる。
【0067】
図1に示すように、現像装置21は、トナー61・キャリア62を含む2成分の現像剤60を収容する現像槽22、この現像槽22内に収容された現像ローラ23および層厚規制部材24、および、現像ローラ23に現像バイアスを印加するための現像バイアス電源25を備えている。
【0068】
現像槽22は、現像剤60を収容するとともに、内部に備えられた攪拌ローラ(図示せず)によって現像剤60を攪拌し、所定の電位(マイナス)に帯電させるものである。
【0069】
現像剤60は、磁性トナーであるトナー61と、マグネタイトやフェライト等の無機磁性体からなるキャリア62(トナーキャリア、図1中、「キャ」で示す)とを含む2成分現像剤である。
【0070】
現像ローラ23は、現像ギャップBを介して、感光体1に対向するように設けられているローラである。
そして、現像ローラ23は、現像バイアス電源25から印加される所定の現像バイアス(−400V)を用いて、現像槽22内のトナー61を自身の周囲に磁気ブラシの形態で付着させる。そして、このマイナス帯電しているトナー61を、感光体1上の静電潜像における電荷消失部分に吸着させ、静電潜像を可視像(トナー像)化するものである。
【0071】
また、層厚規制部材24は、自身と感光体1との間隔(ドクターギャップA)を調節するとともに、図示しない電源から所定のバイアスを用いて、現像ローラ23に付着するトナー層の厚さを調節する。そして、この調節により、感光体1に供給されるトナー量を制御するようになっている。
【0072】
また、現像装置21は、現像領域4において、感光体1上の異物(マイナス帯電しているもの)を除去する機能(異物除去機構としての機能)も有しているが、これについては後に詳細に説明する。
【0073】
転写装置31は、感光体1上のトナー像をシートPに転写するものであり、転写ローラ32および転写バイアス電源33を備えている。
転写ローラ32は、感光体1の回転に従動的に回転することで、シートPを、感光体1と転写ローラ32とのニップ部(転写領域)に搬送し、感光体1に圧接させる。そして、この転写ローラ32は、転写バイアス電源33から印加される所定の転写バイアス(+2kV)を用いて、感光体1上のトナー像(マイナス帯電)をシートP側に引きつけ、ここに転写させる機能を有している。
【0074】
異物攪乱装置(帯電調整部材)41は、帯電装置51,現像装置21とともに、本印刷装置における異物除去機構の一部をなすものであり、その構成・機能については後述する。
【0075】
次に、本印刷装置における異物除去機構(本除去機構)について説明する。
一般に、電子写真方式の印刷装置では、シートにトナー像を転写した後、トナー像の一部が感光体ドラムに残留する。また、シートから出る紙粉や、現像材中のキャリア等も、感光体1表面に付着していることもある。
【0076】
そして、本除去機構は、感光体1の表面を清掃することによって、これらのような残留トナー,紙粉,キャリア等を感光体1の表面から除去し、再利用可能なもの(トナーやキャリア)を現像装置21(現像槽22)に回収するためのものである。
【0077】
本除去機構は、上記したように、異物攪乱装置41,帯電装置51,現像装置21を含むものである。
ここで、異物攪乱装置41は、感光体1上の異物の凝集塊を攪乱(攪拌)してほぐすものである。また、帯電装置51は、プラス帯電している異物を除去(吸着)するためのものである。また、現像装置21は、マイナス帯電している異物を除去(吸着)するものである。
以下に、各部材41,21,51の構成(主に異物除去機構としての構成)について説明する。
【0078】
まず、異物攪乱装置(帯電調整部材)41について説明する。
上記したように、異物攪乱装置41は、感光体1上の異物の凝集塊を攪乱(攪拌)してほぐすことによって、帯電装置51(帯電ローラ52)および現像装置21(現像ローラ23)による異物の吸着効率を高めるためのものである。
【0079】
ここで、感光体1上の異物とは、例えば、転写工程後にシートPに転写されずに感光体1上に残留したトナー(残留トナー;図1に示す負残留トナー61aおよび正残留トナー61b)や、キャリア62(図1に「キャ」で示す)、あるいは、感光体1の表面に付着した紙粉63(図1中、「紙」で示す)等のことである。
【0080】
図1に示すように、異物攪乱装置41は、帯電装置51よりも矢印R方向に沿って上流側(帯電領域5の上流側)に配置されており、導電性ブラシ42および攪乱バイアス電源43を備えている。
【0081】
導電性ブラシ(帯電調整部材)42は、その先端を感光体1の表面と接触するように配設されたブラシであり、感光体1上における異物の凝集塊を攪乱するものである。
攪乱バイアス電源43は、この導電性ブラシ42に対し、転写バイアスと同極性(プラス)の、攪乱バイアス(ブラシバイアス;+500V)を印加するためのものである。
これにより、異物攪乱装置41では、感光体1上の異物の電荷を調節できるようになっている。
【0082】
すなわち、本印刷装置では、マイナス帯電させた感光体1表面を露光して静電潜像を形成し、この潜像の電荷消失部分に、現像装置21によってマイナス帯電させたトナー61を吸着させる反転現像を行うようになっている。
従って、トナー61は、転写領域までは、ほぼ全てがマイナス帯電している。また、転写領域を越えて感光体1に残留した場合、+2kVの転写バイアスのために、トナー61の帯電量はブロードな分布となっており、全体(平均値)としてプラス帯電となる。
すなわち、転写領域を越えた直後の残留トナーは、若干の負残留トナー61a(マイナス帯電している残留トナー)と、大半を占める正残留トナー61b(プラス帯電している残留トナー)とが混在した状態となっている。
【0083】
そして、異物攪乱装置41では、導電性ブラシ42にプラスの攪乱バイアスを印加することで、残留トナーをより正帯電側にシフトさせ感光体1における正残留トナー61bを増加させ、後述する帯電ローラ52による異物吸着効率を向上させるようになっている。
また、この導電性ブラシ42における攪乱バイアスにより、トナー以外の異物(例えば紙粉63およびキャリア)も、プラスに帯電することとなる。
【0084】
次に、帯電装置51について説明する。
帯電装置51は、上記した感光体1を一様に帯電する機能に加えて、転写後に感光体1上に残留している異物のうち、プラス帯電しているものを感光体1から除去する機能を有している。
ここで、プラス帯電している異物(正異物)とは、正残留トナー61b(図1中、「+」にて示す),キャリア62(図1中、「キャ」にて示す)および紙粉63(図1中、「紙」で示す)を挙げられる。
【0085】
すなわち、帯電装置51は、これらの正異物(およびその凝集魂)を、抵抗層52bの表面に吸着することで感光体1の表面から除去する、帯電兼クリーニング装置である。
【0086】
図1に示すように、帯電領域5は、上記した帯電ローラ52,帯電バイアス電源53,バネ55に加えて、クリーニングフィルム54を備えている。
帯電ローラ52は、図示しない駆動系によって、図1に示した矢印G方向、すなわち、感光体1の回転方向(R)と同方向に回転(アゲンスト回転)するように設定されている。
【0087】
すなわち、帯電ローラ52と感光体1とは、互いに異なる駆動系により、帯電領域5において、互いに対向する表面の移動方向が逆方向となるように設定されている。
また、帯電ローラ52は、上記したように、導電性素管52aと、その表面を覆う抵抗層52bを備えており、さらに、抵抗層52bより内側にマグネットを備えたマグネットローラとなっている。
【0088】
そして、帯電ローラ52は、導電性素管52aに印加される帯電バイアス電源53の帯電バイアスを用いて、抵抗層52bを介して感光体1表面を帯電(−600V)させるとともに、感光体1に残留している異物を、電気的および磁気的に吸着する機能を有している。
【0089】
帯電バイアス電源53は、帯電ローラ52に帯電バイアスを印加するものである。本印刷装置では、この帯電バイアスは、直流電圧(−600V)に、交流電圧(ピーク間電圧1.8KVpp、周波数900Hz)を重畳した電圧(重畳電圧)となっている。
【0090】
クリーニングフィルム(清掃部,回収部材)54は、帯電ローラ52に当接するように設けられ、帯電ローラ52に吸着された異物を掻き取ることで、帯電ローラ52の表面を清掃するものである。
【0091】
また、クリーニングフィルム54は、掻き取った異物を現像装置21の現像槽22内に搬送(回収)する機能も有しており、クリーニングブレードとトナー搬送スクリューとを含んでいる。
なお、このクリーニングフィルム54の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを使用できる。
【0092】
次に、現像装置21について説明する。
現像装置21は、静電潜像を現像してトナー像を形成する機能に加えて、転写後に感光体1上に残留している異物のうち、マイナス帯電しているものを感光体1から除去・回収する機能を有している。
【0093】
ここで、マイナス帯電している異物(負異物)とは、例えば、負残留トナー61a(図1中、「−」にて示す)や紙粉63等を挙げられる。
すなわち、現像装置21は、これらの負異物(およびその凝集魂)を、現像ローラ23の表面に吸着することで感光体1の表面から除去する、現像兼クリーニング装置である。
【0094】
上記したように、現像装置21は、現像槽22、現像ローラ23,層厚規制部材24、現像バイアス電源25を備えている。
また、図1に示すように、現像ローラ23は、マグネットロール23a、および、これを覆うスリーブ23bを備えている。
【0095】
そして、現像ローラ23では、マグネットロール23aから発生する磁力により、スリーブ23bの表面にトナー61を磁気的に吸着するとともに、同じくスリーブ23bの表面に、磁気ブラシ(図示せず)を形成できるように設定されている。
【0096】
すなわち、現像ローラ23は、現像領域4において感光体1にトナー61を供給して静電潜像を現像する一方、現像領域4よりも矢印R方向上流側において、感光体1表面に残留している負異物を磁気ブラシで摺擦することで、感光体1表面から、静電的あるいは機械的に除去するようになっている。
【0097】
なお、現像ローラ23に吸着された負異物(特に負残留トナー61a)は、現像ローラ23の回転に伴って、現像ローラ23よりも奥に備えられている現像槽22に戻される。その後、負残留トナー61aには、現像槽22内において、現像槽22に設けられた攪拌ローラ(図示せず)により、十分な攪拌帯電が与えられる。
【0098】
次に、本印刷装置の印刷プロセスについて簡単に説明する。
まず、感光体1の表面を、帯電装置51によって均一に帯電させる。次に、均一帯電された感光体1の表面を、LSU11のレーザ光源11aから照射されるレーザ光12によって露光する。この露光は、外部入力された画像データに基づいてレーザ光12を変調しながら、主走査方向に1ライン単位で順次的に行われる。これにより、感光体1上に静電潜像が形成される(露光工程)。
【0099】
次に、感光体1の回転に伴って静電潜像が現像領域4を通過する際に、現像装置21(現像ローラ23)によって、この潜像にトナー61を供給する。これにより、トナー61が静電潜像の露光部分に静電吸着し、静電潜像がトナー像として可視像化(トナー像化)される(現像工程)。
【0100】
そして、感光体1上のトナー像を、感光体1と転写装置31とのニップ部(転写領域)を通過する際に、給紙カセット(図示せず)から給紙されたシートPに転写する(転写工程)。
【0101】
その後、シートPを定着装置(図示せず)に搬送し、ここでトナー像をシートPに定着させ、永久可視像化する。そして、定着済みのシートPを、排出ローラにより排出トレイ上に排出する(ともに図示せず)。
【0102】
また、転写領域においてシートPに転写されずに感光体1上に残留した残留トナー等の残留物は、導電性ブラシ42により攪乱(攪拌)されてほぐされる一方、導電性ブラシ42により、転写バイアスと同極性のプラスの攪乱バイアスが印加される。
【0103】
その後、感光体1上のプラス帯電した残留物、特に、正残留トナー61bおよびキャリア62を、帯電ローラ52によって、帯電領域5よりも矢印R方向上流側で、磁気的あるいは静電的に吸着されてクリーニングする。そして、帯電ローラ52に吸着された残留物を、クリーニングフィルム54により帯電ローラ52から除去し、現像槽22内に戻す(第1クリーニング工程)。
【0104】
また、帯電領域5を通過した後にも感光体1上に残留している、マイナス帯電の残留物(負残留トナー61a)を、現像領域4よりも矢印R方向の上流側で、現像ローラ23に形成された磁気ブラシによる摺擦によって、静電的あるいは機械的に除去し、現像槽22内に戻す(第2クリーニング工程)。
【0105】
そして、残留物の除去された感光体1を、帯電ローラ52によって再度均一帯電し、次の印刷のための露光,現像,転写,第1・第2クリーニング工程を繰り返す。
【0106】
以上のように、本除去機構では、感光体1上に残留している正異物を帯電ローラ52で除去(吸着)する一方、負異物を現像ローラ23で除去(吸着)するように設定されている。
【0107】
これにより、本除去機構によれば、感光体1上に残留している異物を除去するための専用のクリーニング装置(クリーニングブレードなど)を必要としない。従って、本印刷装置の小型化を図れる。
また、クリーニングブレードを使用する場合に生じる感光体1の膜減り、摺擦痕の発生、異物の融着を防止できるとともに、感光体1の負荷トルクを低減することが可能となる。
【0108】
また、帯電装置51では、帯電ローラ52に付着した異物を除去して帯電ローラ52の表面を清掃するためのクリーニングフィルム54を備えている。
これにより、帯電ローラ52に対する異物(残留トナー)の蓄積を防止できるので、帯電ローラ52の帯電特性の悪化および異常放電を防止でき、その帯電特性を安定させられる。従って、画像かぶりの発生を回避することが可能となる。
【0109】
また、クリーニングフィルム54のない場合、帯電ローラ52によって吸着された異物(正残留トナー61b)は、図2に示すように、再び感光体1に戻ってしまうおそれがある。
これに対し、本印刷装置では、クリーニングフィルム54によって、正残留トナー61bを現像槽22内に回収するので、感光体1に戻してしまうことを回避できる。
【0110】
また、帯電装置51では、クリーニングフィルム54によって帯電ローラ52から除去した正残留トナー61b等の異物を現像槽22に戻すように設定されている。これにより、正残留トナー61bに、負残留トナー61a同様、現像槽22内において十分な攪拌帯電を与えられる。この結果、正残留トナー61bについても再利用が可能となる。
【0111】
また、クリーニングフィルム54を設けることにより、感光体1上の異物を回収するための回収装置を帯電装置51とは別に設ける必要がない。このため、印刷装置の構造の簡素化を図れる。
【0112】
また、帯電装置51では、帯電ローラ52を、感光体1と同方向に回転させる(感光体1に対してアゲンスト回転させる)ように設定されている。
すなわち、帯電ローラ52と感光体1とが互いに異なる方向に回転する(ウイズ回転;両者の最近接位置は同方向に移動する)場合、感光体1上の異物は、たとえ帯電領域5の上流側で帯電ローラ52に吸着されたとしても、その後、帯電ローラ52と感光体1との間に挟まれた状態で帯電領域5を通過し、帯電領域5の下流側で感光体1から離れることになる。
このため、異物のサイズが大きい場合には、帯電ギャップに食い込んでしまい、感光体1,帯電ローラ52の回転の負荷を高めてしまう。また、このような異物が比較的硬い(キャリア63など)場合には、感光体1・帯電ローラ52の表面を傷めてしまうおそれもある。
さらに、異物を介して異常放電を起こし、帯電ムラ、および、感光体ならびに帯電ローラの損傷を招くおそれもある。
【0113】
また、正残留トナー61b等の異物を挟んだまま帯電領域5を通過すると、帯電バイアスによって異物が帯電される一方、その下の感光体1部分が帯電されないことがある(未帯電部分が生じる)。このため、現像装置21において異物が除去されたとしても、上記部分の帯電量が小さいため、ここに現像にかかるトナーが吸着されてしまい、画像かぶりの原因となる。
【0114】
一方、帯電ローラ52が感光体1に対してアゲンスト回転する場合には、帯電領域5の上流側(R方向の上流側)で帯電ローラ52に吸着された異物は、帯電ローラ52の回転に伴って、帯電領域5から離れる方向に移動させられる。
これにより、感光体1上の異物が帯電領域5(帯電ギャップC)を通過することを回避でき、これが帯電ギャップCに食い込むこと(および感光体1・帯電ローラ52を傷つけること)を防止できるとともに、感光体1における上記のような未帯電部分の発生を防止できる。
【0115】
また、帯電装置51では、帯電ギャップCへの異物の進入を阻止できることから、サイズの大きな異物(例えばキャリア62)にあわせて帯電ギャップCを広げる必要がないため、帯電ギャップCを狭くできる。
このように帯電ギャップCの間隔を狭めることにより、気中放電における放電開始電圧を示す「パッシェの実験式」からも明らかなように、帯電バイアスを低くできる。さらに、帯電装置51の小型化を図れる。
【0116】
また、帯電ローラ52に上記した重畳電圧を印加する場合、帯電領域5の下流では、感光体1の表面電位が重畳電圧の直流成分とほぼ同一の電位に帯電されている。従って、ウイズ回転においては、感光体1から正異物を静電的に吸着する能力が大幅に減少してしまう。
【0117】
これに対し、アゲンスト回転では、正残留トナー61bは、感光体1への帯電が開始される帯電領域5よりも感光体1の回転方向上流側近傍で帯電ローラ52に吸着、搬送される。このため、重畳電圧の直流成分を、正残留トナー61bの静電吸着に有効に利用できる。
【0118】
さらに、反転現像においては、現像時に、現像にかかるトナーと逆に帯電している異物(本実施の形態では正異物)が感光体1に残留していると、トナーが異物に吸着されやすくなる。従って、このような異物が未露光部に残留している場合、画像かぶり(帯電ムラ;白地汚れ)を顕著に発生させてしまうという問題もある。
【0119】
また、帯電ローラ52では、帯電ローラ52が感光体1に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域5における帯電ローラ52の帯電面と感光体1の被帯電面との、相対走行距離を拡大できる。
このため、帯電ローラ52の部分的な抵抗値変動等による帯電変動を抑制できるので、感光体1の帯電特性(帯電の均一性)を向上させられる。
【0120】
また、帯電ローラ52では、感光体1に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域5(帯電ギャップC)に、新たに帯電面となる面が、帯電領域5の下流側から進入する。よって、感光体1の帯電動作に伴って、帯電ローラ52自身内部で容量成分の帯電による電圧降下が起きた場合でも、内部電圧降下による感光体1帯電電位の低下を緩和できる。
また、帯電領域5の下流側では、感光体1の表面電位は帯電の進行に伴って上昇している。このため、表面電位の上昇に伴って、帯電電流密度(面積に対する)も減少することにより、帯電ローラ52内部での抵抗成分による電圧降下による、感光体1の帯電電位低下を緩和する作用も働く。
【0121】
なお、この効果は、帯電ローラの抵抗値が高い場合、特に顕著となる。すなわち、帯電ローラの抵抗が高い場合、容量成分の帯電による電圧降下、および、抵抗成分による電圧降下が顕著となり、感光体1を正規の帯電電位まで上昇させることが困難となるからである。
【0122】
また、帯電装置51では、帯電バイアスとして、マイナスの直流電圧に交流成分を加えた重畳電圧を帯電ローラ52に印加するようになっている(−600Vの直流成分に、ピーク間電圧1.8kV,周波数900Hzの交流成分を加えている)。
【0123】
これにより、マイナスの直流成分によって、感光体1の表面を一様に帯電させられるとともに、正異物(特に正残留トナー61b)を帯電ローラ52に静電吸着させられるようになっている。
【0124】
そして、交流成分によって、感光体1表面の正負の異物を振動させられる(加振できる)。これにより、感光体1からの異物の離脱を促進し、正残留トナー61bを効率よく静電吸着できるので、正残留トナー61bの除去効率を高められる。
【0125】
すなわち、直流成分に交流成分を重畳することにより、帯電領域5への進入位置近傍(R方向上流側)で、感光体1上の正残留トナー61bに交番静電力が作用する。
これにより、正残留トナー61bの感光体1からの離脱を促進でき、離脱した正残留トナー61bがクラウド状になる。これにより、帯電ローラ52の吸着効率を高められる。
【0126】
なお、ミクロにみれば、交番電界からの反撥力が正残留トナー61bに作用するタイミングもある。しかしながら、直流成分が作用しているので、マクロでは、正残留トナー61bを効率よく吸着できる。
【0127】
また、帯電装置51では、転写ローラ32が、抵抗層52bより内側にマグネットを備えたマグネットローラとなっている。これにより、感光体1上の異物を、静電力だけでなく、磁気力(磁気吸引力)によっても除去できるようになっている。
【0128】
すなわち、質量の大きいキャリア62を静電吸着する場合、帯電ローラ52にかかる負担が大きくなるため、吸着効率が悪くなる。これに対し、静電力に加えて磁気吸引力をキャリア62に作用させることで、その吸着効率を高めることが可能となる。
【0129】
表1に、帯電ローラ52によってトナー61およびキャリア62を吸着することによる効果を示す。
【0130】
【表1】
Figure 0003920191
【0131】
表1に示すように、帯電ローラ52によってトナー61およびキャリア62を吸着することにより、良好な画像を得ることができる。
【0132】
また、本除去機構では、帯電領域5の上流側に、導電性ブラシ42を有する異物攪乱装置41を設けている。
これにより、感光体1表面の異物を攪乱(攪拌)し、ほぐすことによって、帯電ローラ52・現像装置21による異物の吸着効率を高められる。
【0133】
また、異物攪乱装置41では、ブラシ構造の導電性ブラシ42を備えている。これにより、ほぐされた異物がブラシの隙間を通り抜けられるので、導電性ブラシ42における異物の滞留を防止でき、異物の攪乱を良好に行える。さらに、感光体1表面に傷を付けてしまうことを防止できる。
【0134】
また、導電性ブラシ42では、プラスの攪乱バイアスを異物(残留トナーなど)に印加するようになっている。
これにより、感光体1上の異物の極性をプラス側にシフトさせられるので、帯電ローラ52による吸着効率を向上できる。
【0135】
また、攪乱バイアスにより、現像時に設定された異物(トナー61)の電荷を喪失させられる。これにより、このトナー61が感光体1から除去されずに転写領域に再進入した場合でも、トナー像メモリによる画像ノイズ(黒点)を防止できる。
また、導電性ブラシ42の攪乱バイアスによって、感光体1上に残留している残留電位を平坦化できるとともに、感光体1の電位および異物の電圧を調整すること可能となる。
【0136】
また、本印刷装置では、感光体1に残留した負異物(特に負残留トナー61a)を現像ローラ23によって吸着・回収し、さらに、回収した負残留トナー61aを現像槽22に戻し、現像槽22内の攪拌ローラによって十分な攪拌帯電を与えるようになっている。
これにより、回収された負残留トナー61aの電荷を所定の電荷量に調整できるので、再度、現像に利用できる。この結果、トナー像メモリを防止し、回収された負残留トナー61aを再利用することが可能となる。
【0137】
なお、本実施の形態では、本印刷装置の帯電装置51にクリーニングフィルム54を備え、これによって帯電ローラ52に吸着された異物を掻き取って清掃し、現像槽22内に回収するとしている。
しかしながら、これに限らず、本印刷装置では、帯電ローラ52上の異物を除去し、帯電ローラ52上を清掃できれば、必ずしも回収する必要はない。
例えば、クリーニングフィルム54の代わりに、クリーニングブレードで帯電ローラ52上の異物を掻き取って清掃し、その後、掻き取った異物を捨てる、あるいは、現像装置21とは無関係の回収容器に回収するようにしてもよい。すなわち、掻き取った異物を現像槽22内に戻さない(再利用のために回収しない)構成としてもよい。
【0138】
また、このクリーニングフィルム54としては、帯電ローラ52の表面に当接して異物(トナー)を除去することで、帯電ローラ52の表面を清掃できるものであれば、どのようなものでもかまわない。例えば、クリーニングフィルム54を、プレートまたはフィルムによって構成するが可能である。このように構成すれば、クリーニングフィルム54を安価で簡単なものとできる。
【0139】
さらに、クリーニングフィルム54を導電性を有する材料から構成し、クリーニングフィルム54に発生した電荷を逃がす機構(アース機構など)を備えていることが好ましい。
これによれば、クリーニングフィルム54と帯電ローラ52との摩擦による、クリーニングフィルム54への電荷の蓄積を回避できる。従って、クリーニングフィルム54自身の帯電による清掃性能の経時劣化を防止できる。
【0140】
なお、クリーニングフィルム54が帯電(マイナス)すると、帯電ローラ52上から除去した正異物(正残留トナー61b)を静電吸引力によりクリーニングフィルム54上に蓄積させてしまう。
そして、クリーニングフィルム54上でトナー溜りを成長させてしまい、これが成長するにつれて、トナー溜りにより清掃部材をすり抜けるトナーの量を増加させてしまうという問題が生じる。
【0141】
また、帯電ローラ52の表面は、離型性を有することがより好ましく、従って、例えば、帯電ローラ52の抵抗層52bを導電性フッ素樹脂等から構成することが好ましい。このようにすれば、クリーニングフィルム54における清掃性能を向上できる。
【0142】
また、帯電装置51では、帯電ローラ52における抵抗層52bの抵抗値、すなわち、帯電ローラ52の抵抗は、異常放電の防止、並びに、重畳における帯電の平滑化に寄与する。このため、抵抗が小さすぎると、異常放電や帯電ムラが発生し易くなる。一方、抵抗が高すぎると、必要帯電時間が長くなり、正規の帯電電位まで上昇させることが困難となり、帯電不足による電位低下や帯電ムラを招来するおそれがある。よって、抵抗層52bにおける抵抗値としては、108Ωcm以下となるように設定されることが好ましい。
【0143】
また、帯電ローラ52に印加する帯電バイアス(重畳電圧)については、重畳電圧とすることの効果を得るためには、放電開始電圧以上とすることが好ましい。また、重畳電圧が高すぎると、異常放電による帯電ムラが発生するおそれがある。このため、重畳電圧としては、波高値で放電開始電圧以上、感光体1の絶縁耐力以下の電圧値に設定されることが望ましく、具体的には、450(Vo-p)〜1300(Vo-p)の範囲内で設定されることが望ましい。
また、重畳電圧の値については、放電開始電圧を支配する帯電ローラ52と感光体1との間の帯電ギャップCを考慮して決定することが好ましい。
【0144】
一方、帯電ローラ52から発生する磁場については、小さすぎるとキャリア62を吸着することが困難となる。このため、帯電ローラ52における磁場は、400〜800ガウス(gauss)の範囲内で設定されることが望ましい。
【0145】
また、帯電装置51における帯電ギャップCは、キャリア62の粒径(キャリア径)よりも小さく、かつ、トナー61の粒径(トナー径)よりも大きく設定されていることが好ましい。
帯電ギャップCをキャリア62の粒径よりも小さく設定することにより、帯電ギャップCへのキャリア62の進入を確実に排除できる。これにより、キャリア62が帯電ギャップCに進入することによって感光体1や帯電ローラ52が傷つけられることを確実に防止できる。
【0146】
図3〜図6および表2に、帯電ギャップCのサイズを種々変更して感光体1の帯電安定性の評価を行った結果を示す。測定条件は以下の通りである。帯電ローラ52には、Ipsio社製の純正帯電ローラ(直径(Φ):11cm、抵抗値:40MΩ、抵抗層52bの体積抵抗率:107Ω・cm)を使用し、帯電バイアスとして、−600Vの直流成分に、ピーク間電圧が1.8KVppV、周波数が900Hzの交流電圧(重畳電圧)を印加した。また、感光体1の直径(Φ)は35cm、膜3の厚みは17μm、プロセス速度は130mm/sとした。
【0147】
【表2】
Figure 0003920191
【0148】
測定の結果、図3〜図5に示すように、帯電ギャップCが25μm以上、55μm以下、特に、25μm以上、40μm以下の範囲内において、感光体1を安定して帯電させられることがわかる。なお、図3〜図6において、縦軸は感光体1の表面電位(−V)を示し、横軸は時間(sec)を示す。
【0149】
測定結果より、帯電ギャップCをキャリア径よりも小さく設定することにより、感光体1の帯電状態を安定化できることがわかる。例えば粒径60μmのキャリア62を使用する場合、帯電ギャップCを、キャリア62の粒径である60μmよりも小さくなるように設定することにより、帯電ローラ52におけるキャリア吸着効率を高くできる。
【0150】
また、図7および図8に、帯電ギャップCの設定値(設定ギャップ)に対する感光体1の帯電電位の変動を示す。帯電ギャップCは、図7および図8に示すように60μmを超えると異常放電を起こしやすくなる。よって、帯電ギャップCを60μm以下とすることにより、異常放電の発生を低減し、異常放電による感光体1の帯電ムラを低減できる。
なお、図7および図8において、縦軸は帯電電位変動(|ΔV|(V))を示し、横軸は帯電ギャップCの設定ギャップ(μ)を示す。
【0151】
図7および図8に示すように、特に、直流バイアスで帯電を行った場合、加工誤差等により帯電ギャップCが設定値より変動(約10μm程度は考慮する必要有り)した場合を考慮し、帯電ギャップCを55μm以下に設定することが好ましい。これにより、感光体1の帯電電位変動を減少できる。
【0152】
以上のように、帯電ギャップCは、キャリア径、具体的には、60μmよりも小さく設定することにより、感光体1の帯電状態が安定化できるため、良好な画質を得ることができる。
【0153】
また、図4、図5および表2に示すように、帯電ギャップCが55μmを越えると、感光体1の帯電状態が安定し難くなる。現像特性から、感光体1の表面電位が150V低下すると、画像かぶりが生じてしまう。従って、感光体1の表面電位は、その変動値が150Vpp以下であることが好ましく、中間調の安定を確保するためには、変動値は30Vpp以下であることが好ましい。
このため、帯電ギャップCを55μm以下、特に、上記したように40μm以下に設定することで、異常放電の発生をさらに低減し、異常放電による感光体1の帯電ムラ(画像かぶり)を防止できる。
【0154】
一方、帯電ギャップCを感光体1に付着しているトナー61の粒径よりも大きくすることによって、帯電ローラ52に対する残留トナー61a・61bの融着を防止できる。なお、通常のトナー径は約7μmであることから、帯電ギャップCは、7μm以上に設定されることが好ましい。
【0155】
さらに、帯電ギャップCは、粉体工学上、トナー径の3倍以上、9倍未満であることが好ましい。すなわち、トナー径が約7μmとすると、帯電ギャップCは、21μm以上、63μm以下の範囲内であることが好ましい。
すなわち、粉体の噴出現象は、粒径の3倍未満にて顕著に起こる。このため、帯電ギャップCをトナー径の3倍以上とすることによって、トナー61の噴出を防止できる。
【0156】
また、いわゆる粉体のブリッジアーチは、粒径の約9倍にて顕著に発生する。このため、帯電ギャップCをトナー径の9倍未満とすることによって、トナー61のブリッジアーチによる帯電ローラ52へのトナー61の融着を防止できる。しかも、この構成によれば、トナー61の凝集魂が帯電ギャップCを通過することを妨げるため、トナー61の凝集魂が現像領域4に進入することによって起こる画質劣化を防止できる。
【0157】
また、一般的な紙の厚さは約70μm〜100μmの範囲内であるため、この厚さよりも帯電ギャップCを狭く設けることにより、帯電ギャップCへのジャム紙の進入を防止し、帯電ローラ52へのジャム紙の巻き込みを防げる。これにより、現像領域4へのジャム紙の進入を防止できるため、ジャム紙の除去が容易になる。
【0158】
また、以下に、感光体1に対する帯電ローラ52の周速比(帯電ローラ周速/感光体周速)について説明する。この周速比が0の場合(周速比なし)、すなわち固定では、帯電ローラ52表面に付着した異物を除去できないため帯電不良を起こす。
【0159】
また、本印刷装置ように、感光体1に対し、帯電ローラ52をアゲンスト回転させる場合、周速比(帯電周速比)は、帯電特性の面からは、特に限定されるものではない。
しかしながら、吸着した異物の飛散や、帯電ローラ52端部に、環状にテープ(図示せず)を巻いて感光体1に押し当て、テープ厚みで帯電ギャップ管理をする場合のテープ当接面の磨耗低減等を考慮すると、帯電周速比は、0.2〜1.0の範囲内において設定されることが望ましい。
【0160】
なお、感光体1に対し、帯電ローラ52が周速比を有している、つまり、帯電ローラ52と感光体1とが周速比を有しているとは、帯電ローラ52が回転しており、かつ、帯電領域5において、帯電ローラ52の表面と感光体1の表面とが相対速度を有して回転していることを示す。
【0161】
また、本除去機構では、上記したように、異物攪乱装置41の導電性ブラシ42に印加する攪乱バイアスの極性を、転写バイアスと同極性のプラスとすることが好ましい。
【0162】
表3は、(a)攪乱バイアスとして+500Vの直流電圧を印加した場合、(b)同じく−500Vの直流電圧を印加した場合、(c)攪乱バイアスを印加しない場合(フローティング)、(d)導電性ブラシ42を接地した場合(0V)における、画質の状態(トナー像メモリの有無)を示す表である(104Ω・cmの抵抗値を有する導電性ブラシ42を使用している)。
【0163】
【表3】
Figure 0003920191
【0164】
また、図9は、上記の(a)(b)(d)の場合における、▲1▼現像時、▲2▼転写直前(未転写)、▲3▼導電性ブラシ42を通過した後、▲4▼帯電ローラ52による帯電後の、トナー61の帯電量を測定した結果を示すグラフである。
なお、図9において、縦軸はトナー61の帯電量(C)を示し、横軸は▲1▼〜▲4▼に示した状態(タイミング)を示す。また、図9中、「◇」は(b)、「□」は(d)、「△」は(a)、「○」は導電性ブラシ42を用いなかった(ブラシ無し)の場合を示す。
この図9に示すように、導電性ブラシ42に+500Vの直流電圧を印加した場合に、正残留トナー61bが多くなることがわかる。
【0165】
また、表3に示す結果から、導電性ブラシ42によって正残留トナー61bを増加させることにより、トナー像メモリを大幅に抑制できる(トナー61が現像時に有していた帯電量(初期の電荷)を喪失させられる)ことがわかる。
【0166】
また、本除去機構では、導電性ブラシ42に印加する攪拌バイアスを、放電開始電圧以上とすることが好ましい。これにより、帯電ローラ52による正異物の吸着効率を向上できる。
これは、電荷注入困難な絶縁体に対しては、放電開始電圧以上の電圧を印加することにより帯電可能となるからである。従って、電荷注入困難な感光体1のトナーに対しても、放電開始電圧以上の攪拌バイアスを印加することにより、有効な帯電電流を流すことが可能となり、トナーを確実に帯電させられる。
【0167】
また、本除去機構では、現像ローラ23における磁場を、400〜800ガウス(Gs)の範囲内で設定することが望ましい。
また、現像ローラ23と感光体1とは周速比を有していることが好ましい。すなわち、現像ローラ23は回転可能に設けられていることが好ましい。これにより、現像ローラ23による負異物(負残留トナー61a)の吸着効率をさらに高めることができる。
【0168】
なお、現像ローラ23と感光体1とが周速比を有しているとは、現像ローラ23が回転しており、かつ、現像領域4において、対面する現像ローラ23の表面と感光体1の表面とが相対速度を有して回転していることを示す。
【0169】
感光体1に対する現像ローラ23の周速比(現像周速比)は、現像剤層の厚みを規定するドクターギャップAおよび現像剤60のトナー濃度(T/D)、および要求現像量により適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、1倍〜4倍の範囲内に設定されることが好ましい。
【0170】
現像周速比が小さすぎると現像量不足になり易く、大きすぎると現像剤60の劣化が加速され、短命化や現像ローラ23へのトナー61の融着を引き起こす等の問題を招来するおそれがある。
【0171】
また、現像ローラ23は、感光体1とは非接触に設けられ、感光体1との現像領域4にて、感光体1と対面(対向)する面の移動方向が、感光体1における現像ローラ23と対面(対向)する面の移動方向と逆方向となるように回転(アゲンスト回転)することが好ましい。
すなわち、本印刷装置では、互いに異なる駆動系により、現像ローラ23と感光体1とが、同方向に回転するように設定されていることが好ましい。
【0172】
これにより、帯電領域5を越えて残留している負異物(負残留トナー61aなど)を、現像領域4を通過する前(現像領域4における感光体1の回転方向上流側近傍)において吸着できる。このため、負異物の吸着効率をさらに高めることが可能となる。
【0173】
また、本印刷装置の現像装置21の好ましい設定は、例えば、スチレンアクリル樹脂をバインダ樹脂とする粒径8μmのトナー61と、粒径60μmの鉄粉系キャリア62とを含む現像剤60を使用する場合、感光体1の帯電電位を−600V、現像バイアスを−400V、ドクターギャップAを1.5mm、現像ギャップBを2mmとし、感光体1と現像ローラ23とを現像周速比1.25でアゲンスト回転させることである。
【0174】
また、本実施の形態では、各バイアス電圧に関し、それぞの具体的な電圧値を示している。しかしながら、これらの電圧値はあくまでも一例である。すなわち、良好な印刷を行える値であれば、これらの電圧値はどのような値でもかまわない。
【0175】
また、本実施の形態では、帯電装置51における帯電バイアスがマイナスである(感光体1の表面をマイナスに帯電させる)とし、さらに、現像装置21において、静電潜像を反転現像するとしている。
しかしながら、これに限らず、本印刷装置を、帯電バイアスの極性をプラスとするように設定してもよい。この場合、他のバイアスである現像バイアス,転写バイアス,攪乱バイアスについても、上記とは逆側に設定することが好ましい。
【0176】
また、本実施の形態では、現像装置21における現像形式を反転現像であるとしている。しかしながら、これに限らず、現像装置21における現像形式を、正規現像としてもよい。
この場合、現像装置21では、静電潜像の未露光部分にトナーを吸着させることとなるため、現像槽22内で、トナーをプラス帯電させることとなる(トナーの主帯電極性がプラスとなる)。この場合、現像バイアスはマイナス(未露光感光体電位も絶対値の小さい値;例えば−200V)であり、また、転写バイアスは、トナーの主帯電極性とは逆のマイナスの値となる。
【0177】
また、正規現像の場合、導電性ブラシ42に印加される攪乱バイアスは、トナーの主帯電極性(プラス)に対して同極性(転写バイアスと逆極性)であるプラスとなる。これは、感光体1上の異物を、帯電ローラ52に効率よく吸着させるための措置である。
【0178】
また、帯電ローラ52による異物吸着は、現像装置21の現像方式が正規現像であるときよりも反転現像であるときの方が、有意義(効果的)である。
すなわち、正規現像では、トナーの主帯電極性はプラスとなる(プラス帯電のトナーでトナー像を生成する)。従って、帯電ローラ52における異物除去を行わない場合、現像領域4に戻ってきた正残留トナー61bは、現像バイアスに捕獲され、感光体1の非露光部分に吸着されてトナー像を形成する。
また、現像領域4に戻ってきた負残留トナー61aは、感光体1がマイナス帯電しているため、感光体1における露光部分(白地領域)には残りにくく、現像ローラ23によって除去されやすい。
従って、帯電ローラ52における異物除去を行わなくとも、残留トナー61a・61bによる画像かぶりの影響は比較的に少ないといえる。
【0179】
一方、反転現像では、トナーの主帯電極性はマイナスとなる(マイナス帯電のトナーでトナー像を生成する)。従って、帯電ローラ52における異物除去を行わない場合、現像領域4に戻ってきた負残留トナー61aは、現像バイアスに捕獲され、感光体1の露光部分に吸着されてトナー像を形成する。
しかし、現像領域4に戻ってきた正残留トナー61bは、感光体1がマイナス帯電しているため、強い静電力を受け、感光体1における非露光部分(白地領域;マイナス帯電)に残りやすく、現像ローラ23によって除去しにくい。
従って、帯電ローラ52における異物除去を行わない場合には、正残留トナー61bによる画像かぶりの影響が出やすいといえる。
【0180】
また、本実施の形態では、現像剤60として、トナー61およびキャリア62を含む2成分現像剤を用いるとしている。しかしながら、本印刷装置において用いることの可能な現像材は、これに限らず、トナー61を含む一方、キャリア62を使用しない一成分現像剤を用いることも可能である。
【0181】
この場合、帯電装置51では、帯電ローラ52として、抵抗層52b内にマグネットを備えていないものを用いることが好ましい。これは、質量の大きいキャリア62を静電吸着する必要がないためであり、これによって帯電ローラ52のコストを低下させられる。
【0182】
また、この場合、帯電ギャップCは、シートPの厚みよりも小さく、かつ、トナー61の粒径(トナー径)よりも大きく設定されていることが好ましい。
電子写真方式の印刷装置で用いられるシートPでは、通常の印刷用紙であれば、薄いもので約60g/m2、厚みは約60〜80μmである。このため、帯電ギャップCをシートPの厚さ以上に設定してしまうと、転写バイアスにより感光体1に静電吸着しているシートPの剥離に失敗した場合(ジャムの生じた場合)、帯電領域5を越えた領域(現像領域4など)にシートPを進入させてしまうため、ジャム処理(復旧作業)が困難になってしまう。また、復旧作業者の手や衣服をトナー61で汚してしまうという不具合も生じる。
【0183】
これに対し、帯電ギャップCがシートPの厚みよりも小さい場合、感光体1に吸着したシートPを帯電ローラ52で確実に剥離できるため、ジャム処理の手間を軽減できるとともに、上記のようなトナーによる汚染を回避できる。
【0184】
また、帯電ギャップCが60μmを超えると、異常放電を起こしやすくなる。このため、帯電ギャップCを60μm以下とすることにより、異常放電の発生を低減し、異常放電による感光体1の帯電ムラを防止できる。
【0185】
また、加工誤差等による帯電ギャップCのずれを考慮すると、帯電電位の変動を減少させるためには、帯電ギャップCを55μm以下に設定することが好ましい。さらに、より安定した帯電を実現するためには、帯電ギャップCを40μm以下に設定することが好ましい。
【0186】
また、帯電ギャップCをトナー61の粒径よりも大きくすることで、クリーニングフィルム54によって清掃できなかった帯電ローラ52上のトナー61の融着を防止できる。なお、通常のトナー径は約7μmであることから、帯電ギャップCを7μm以上に設定することが好ましいといえる。
【0187】
また、本実施の形態では、現像剤60に含まれるキャリア62を、マグネタイトやフェライト等の無機磁性体からなるとしている。しかしながら、これに限らず、キャリア62の材料としては、鉄粉、四酸化三鉄等の無機磁性体等、2成分現像材のキャリアとして使用される一般的な材料であれば、どのようなものでも使用できる。
【0188】
なお、本実施の形態では、感光体1の形状を感光体ドラムであるとしている。しかしながら、これに限らず、感光体1を、間隔を置いて回転可能に設けた支持ローラ間に無端状の導電性ベルトを張装(張架)した、いわゆる感光体ベルトから構成してもよい。
【0189】
また、本実施の形態では、転写装置31に転写ローラ32を備えるとしている。しかしながら、これに限らず、転写ローラ32に代えて、間隔を置いて回転可能に設けた支持ローラ間に無端状の転写ベルトを張装(張架)した、いわゆる転写ベルトを用いてもよい。
【0190】
また、本印刷装置を、像担持体の表面を帯電装置によって帯電した後、画像データに応じて露光することで静電潜像を形成し、この潜像を現像したトナー像をシートに転写する印刷装置において、上記帯電装置が、トナー像の転写後に像担持体上に残留している異物を吸着するとともに、像担持体を帯電させる帯電ローラを有しており、帯電ローラと像担持体とがアゲンスト回転するように設定されており、さらに、帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部を備えている構成である、と表現することもできる。
【0191】
また、本発明は画像形成装置に関するものであり、特に、感光体に非接触な帯電ローラに電圧を印加して、感光体の表面を帯電させる帯電装置を用いた画像形成装置に関するものであるともいえる。
【0192】
また、従来、感光体と、感光体の表面に近接させて配置されており上記感光体を帯電させる帯電ローラを備えた帯電装置とを有し、感光体の帯電、露光によって形成された静電潜像を少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤により現像する画像形成装置において、トナー像を転写材に転写する際、トナー像が転写材に完全に転移せず、感光体に残留トナーが発生するが、残留留トナーが発生したままだと画像上への悪影響を与えるので、従来は、感光体に当接させたクリーニング手段のクリーニングブレートで、トナーを掻き落として除去していた。
【0193】
しかしながら、クリーニング手段でトナー除去しても、残留トナーがわずかながらに残存してしまう。そしてこの残存したトナーは、帯電装置の帯電ローラに少しずつ付着し、画像形成装置の使用量が増えるにつれて帯電ローラ上に蓄積してしまう。
【0194】
また、本発明の目的は、簡便な手段で、帯電ローラと感光体との間に異物を巻き込むことなく、帯電ローラの表面上のトナーを除去することで、感光体の帯電不良(異常放電)、画像不良、および飛散トナーによる画像不良等を防止する画像形成装置を提供することにあるともいえる。
【0195】
また、帯電ローラ52は、導電性の円筒または円柱形状の部材およびその表面を被う抵抗層から構成されていてもよい。
また、帯電ローラ52には、クリーニングフィルム54が当接しており、クリーニングフィルム54によって帯電ローラ52の表面上に蓄積されたトナー(例えば逆帯電トナー)は掻き出されることで、帯電ローラ52の表面は清掃される構成であってもよい。
【0196】
また、帯電ローラ52は、感光体1の回転方向と同じ方向に回転(アゲンスト回転)するように設定されているので、帯電ローラ52と感光体1との間に異物が食い込まれることなく、積極的に異物を掻きあげられるといえる。また、帯電装置51と感光体1との間隔(帯電ギャップ)Cをキャリア径以下とすることにより、帯電ギャップCへのキャリアの食い込み(進入)を排除でき、帯電ローラ52によって、質量が大きく静電的に吸引しにくいキャリアを確実に掻きあげられるといえる。
【0197】
また、帯電ローラ52には、直流電流に交流電流が重畳された電圧が印加され(−600Vの直流成分に、ピーク間電圧1.8kV、周波数900Hzの交流電圧を印加)、かつ磁場が形成されているので、トナーを静電吸着することができ、逆帯電トナーの除去効率を高くできるといえる。また、キャリアは質量が大きいため、静電吸着では負担が大きくキャリアの回収効率は低いが、帯電ローラ52に磁場が形成されているため、キャリアを非機械的に磁気吸引力により回収することにより、キャリアの回収効率を高められるといえる。
【0198】
また、本印刷装置は、感光体1表面の帯電ローラ52が近接する領域である帯電領域5の上流側に、感光体1上の異物を攪拌するための異物攪乱装置41を有しており、これによって、転写されずに感光体1表面に残った異物(キャリア、紙、トナーの凝集塊)を攪拌し、ほぐすことによって帯電ローラ52における異物の回収効率を高められるといえる。
【0199】
また、異物攪乱装置41(電荷調整手段)によって、残留トナーが現像時に有していた初期の電荷を失わせることができ(トナー像メモリの防止)、また、感光体1に残留した電位を平坦化できるので、感光体1の電位および残留物の電圧調整が可能となるといえる。
また、図9は、電荷調整手段(導電性ブラシ42)で印加した電圧とそのときのトナーの帯電量との関係を示すグラフであるともいえる。
【0200】
また、本印刷装置が正規現像よりも反転現像に有効である点について、図10に基づいて説明する。図10(a)(b)は、それぞれ正規現像、反転現像を利用した印刷装置における、トナーと感光体との関係を説明する図である。正規現像の場合、図10(a)に示すように、正規帯電トナー(主帯電極性を有するトナー)はプラス(+)帯電している。ここで、現像領域で、例えば現像バイアスに−200Vの電圧を印加した場合、逆帯電トナー(正規帯電トナーと逆極性のトナー)である−帯電トナーは帯電ローラで回収されずに帯電領域を通過し、+帯電トナーに捕獲される(このときの白地となる露光部での感光体の電圧は−50Vであり、画像となる未露光部での感光体の電圧は−600Vである)。また帯電ローラで回収されなかった+帯電トナーは正規帯電トナーであるので現像バイアスに捕獲される。このように正規現像の場合、逆帯電トナーと感光体との電極が同極であるため、逆帯電トナーは反発により感光体上の白地の領域に残りにくい。
【0201】
一方、反転現像の場合、図10(b)に示すように、正規帯電トナーはマイナス(−)帯電している。ここで、帯電ローラに回収されない−帯電した正規帯電トナーに対し、現像領域で、例えば現像バイアス−400Vの電圧を印加した場合、正規帯電トナーは、現像バイアスに捕獲される(このときの画像と成る露光部の感光体の電圧は−50Vであり、白地となる未露光部の感光体の電圧は−600Vである)。しかし、帯電ローラで回収されなかった+トナー即ち逆帯電トナーは、反転現像の場合、逆帯電トナーと白地となる未露光部の感光体とが逆極性であるため、逆帯電トナーは強い静電力を受けて感光体上に残りやすい。更に現像バイアスが負極性であることより正規帯電トナーも残留した逆帯電トナーに引き出されてされ逆極性トナーに付着する。したがって、本印刷装置は、白地となる感光体上に逆帯電トナーが原因となってトナーが残りやすい反転現像を利用した画像形成装置においてより有効であるといえる。
【0202】
また、異物攪乱装置41では、導電性ブラシ42に、反転現像の場合にはトナー61の主帯電極性(−)に対して逆極性(+)、または、転写バイアス(+)と同極性のバイアス(+)を印加し、正規現像の場合にはトナー61の主帯電極性(+)に対して同極性(+)、または、転写バイアス(−)と逆極性のバイアス(+)を印加することで、感光体1上の異物である残留現像剤成分の電荷を調節するようにしてもよい。
【0203】
また、現像ローラ23が感光体1とアゲンスト回転する、とは、現像ローラ23が、感光体1との最近接位置にて、感光体1と対面(対向)する面の移動方向が、感光体1における現像ローラ23と対面(対向)する面の移動方向と逆方向となるように回転する、ということであり、また、現像ローラ23が、感光体1とは異なる駆動系により、現像ローラ23の回転軸に対する回転方向と、感光体1の回転軸に対する回転方向とが同じ方向となるように回転する、ということであるともいえる。
【0204】
また、現像ローラ23と感光体1とがウイズ回転(ウィッズ回転)する、とは、帯電ローラ52と感光体1とが、帯電ローラ52の回転軸に対する回転方向と、感光体1の回転軸に対する回転方向とが異なる方向に回転することで両者の最近接位置にて互いに同方向に回転することであるともいえる。
【0205】
また、本印刷装置によれば、帯電ローラ52において、キャリア62によって正残留トナー61bが積極的に掻き取られるため、負残留トナー61aの回収効率を高められるともいえる。
【0206】
また、帯電ローラ52が感光体1に対しアゲンスト回転していることで、帯電ローラ52と感光体1との最近接位置における帯電ローラ52の帯電面と感光体1の帯電面との、相対走行距離が拡大される。このため帯電ローラの部分的な抵抗値変動等による帯電変動が均一化され、感光体1の帯電特性が向上すると共に、帯電領域5、具体的には帯電ギャップCに、感光体1の下流側、すなわち、帯電の終了側(帯電領域5下流側)から、帯電ローラ52の帯電面となるべき面(被帯電面)が進入することにより、帯電ローラ52自体が帯電してしまう影響を低減することができるといえる。また、上記効果は、抵抗層52bの抵抗値が高い場合、特に顕著となるといえる。
【0207】
また、電子写真方式の画像形成装置で用いられるシートPは、例えば記録紙で、薄いもので約60g/m2、厚みとしては約60〜80μmである。このため、1成分の現像材を使用する場合、帯電ギャップCの間隔をシートP(記録紙)よりも小さく、すなわち、例えば60μm以下とすることにより、転写電荷により感光体1に静電吸着しているシートP(記録紙)の剥離に失敗した時に、吸着したシートP(記録紙)が現像領域4に進入し、ジャム(紙ジャム)からの復旧作業をより困難にするとともに復旧作業者の手や衣服をトナー61で汚すのを防止することができ、転写領域において感光体1に吸着したシートP(記録紙)を帯電ローラ52で確実に剥離し、シートP(記録紙)の現像領域4への進入を防止することができるといえる。
【0208】
また、本印刷装置では、帯電部材(帯電ローラ52)と像担持体(感光体1)とが、最近接位置にて対面する面の移動方向が互いに逆方向となるようにそれぞれ回転(アゲンスト回転)することで、転写後に像担持体上に残留している逆帯電トナー等の残留現像剤成分は、帯電部材の放電面と像担持体との最近接位置における帯電ギャップを通過する前に、帯電部材に吸着されて除去される。このため、帯電ギャップへの逆帯電トナー等の残留現像剤成分の進入を防止することができると共に、残留現像剤成分を、像担持体表面から、確実かつ積極的に除去、回収することができる。また、帯電部材は、残留現像剤成分を除去、回収するに際し、帯電部材によって吸着される残留現像剤成分に付着している転写材屑等の異物(残留物)もまた同時に、像担持体上から除去、回収することができる。
【0209】
このため、像担持体上に残留している残留現像剤成分等の異物を除去するために従来のような専用のクリーニング装置を必要とせず、装置の小型化を図ることができ、電源電圧を低くすることができる。また、この結果、クリーニングによる像担持体の膜減り、摺擦痕の発生を防止することができると共に、像担持体の負荷トルクを低減させることができる。
【0210】
さらに、残留現像剤成分の帯電ギャップへの進入を抑制することができるので、残留現像剤成分が帯電ギャップを通過することで現像剤成分の影となり帯電されない部分が発生することを抑制することができ、像担持体の帯電特性を向上させることができる。
【0211】
しかも、帯電部材が上記像担持体に対しアゲンスト回転していることで、上記帯電部材と像担持体との最近接位置における上記帯電部材の帯電面と上記像担持体の帯電面との、相対走行距離が拡大される。このため、帯電部材の抵抗値の部分的な変動等による帯電ムラを防止し、帯電を均一化することができるとともに、帯電領域、具体的には帯電ギャップに、像担持体の下流側、すなわち、帯電の終了側(帯電領域下流側)から、帯電部材の帯電面となるべき面(被帯電面)が進入することにより、帯電動作による、帯電部材自身が帯電してしまう影響を緩和することができ、かつ、回収した、帯電部材上の現像剤成分等を除去した後のリフレッシュされた帯電部材の被帯電面が上記帯電ギャップに進入することにより、回収物の影響が防止され、該像担持体の帯電特性が向上するといえる。
【0212】
また、本印刷装置では、クリーニングフィルム54を導電性材料から構成し、ここに溜る電荷を除去することが好ましいとしている。これは、クリーニングフィルム54自身の帯電による清掃性能の経時劣化を防止するためである。なお、この経時劣化とは、正残留トナー61bに対して、帯電ローラ52との摺動によりクリーニングフィルム54がマイナスに帯電すると静電吸引力が正残留トナー61b(正異物)の拘束力として作用し、正残留トナー61bがクリーニングフィルム54に堆積してゆき、クリーニングフィルム54の先端接触部にトナー溜りを形成し、トナー溜りが成長し、成長するに従って、トナー溜りによりクリーニングフィルム54をすり抜けるトナー量が増加してしまうことを意味する。
【0213】
また、本印刷装置では、帯電ローラ52に、帯電バイアスとして、交流電圧を含む重畳電圧を印加するとしている。すなわち、ACを重畳することにより帯電領域進入側近傍で感光体上のトナーに交番静電力が作用し、離脱を促進され、離脱したトナーがクラウド状になり、帯電ローラの吸着回収が促進される。ミクロにみれば反撥力の作用するタイミングもあるがDCバイアスが作用しているのでマクロでは逆帯電トナーを効率よく回収できる。
【0214】
また、本発明を、以下の第1〜第10画像形成装置として表現することもできる。すなわち、第1画像形成装置は、感光体と、感光体の表面に近接して配置されており上記感光体を帯電させる帯電ローラを備えた帯電装置とを有し、感光体の帯電、露光によって形成された静電潜像を少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤により現像する画像形成装置において、上記帯電ローラの表面を清掃する清掃手段を設けるとともに、上記帯電ローラの回転方向と、上記感光体の回転方向とを同じ方向にする構成である。
【0215】
第1画像形成装置では、清掃手段により帯電ローラの表面は清掃されるので、帯電ローラの帯電特性を安定化できる。また、帯電ローラが感光体の回転方向と同じ方向に回転(アゲンスト回転)しているので、異物の帯電ギャップ(帯電装置の放電面と感光体との最近接位置における間隔)への進入を防止できる。(異物の噛み込みを防げる。)また、アゲンスト回転により帯電面の走行距離が拡大される(感光体に対向する帯電ローラの表面積を大きく取れる)ので、感光体の下流側から帯電面がリフレッシュされ、感光体の帯電特性が向上する。また、帯電ローラ自身の帯電の影響を低減できる。
【0216】
また、第2画像形成装置は、第1画像形成装置において、上記帯電装置の放電面と上記感光体との最近接位置における間隔(帯電ギャップ)が、上記キャリア径以下である構成である。このように、帯電ギャップの間隔をキャリア径以下とすることにより、帯電ギャップへのキャリアの食い込み(進入)を排除でき、帯電ローラにおいて、質量が大きく静電的に吸引しにくいキャリアを確実に回収できる。
【0217】
また、第3画像形成装置は、第1画像形成装置において、前記清掃手段はプレートまたはフィルムによって構成されているものである。プレートまたはフィルムによって構成することで、簡易な清掃手段とできる。
また、第4画像形成装置は、第1画像形成装置において、前記清掃手段が導電性を有している構成である。摩擦帯電した電荷を失わせることで、清掃手段と帯電ローラとの摩擦による、清掃手段自身の帯電による清掃性能の経時劣化を防止できる。
【0218】
また、第5画像形成装置は、第1画像形成装置において、前記帯電ローラの表面が離型性を有している構成である。帯電ローラの表面として、例えば離型性を有する導電性フッ素樹脂を用いることで、清掃手段の清掃性能がより向上する。また、第6画像形成装置は、第1画像形成装置において、上記帯電ローラに磁場を形成する構成である。キャリアを非機械的に磁気吸引力により回収することにより、キャリアの回収効率を高められる。
【0219】
また、第7画像形成装置は、第1画像形成装置において、さらに、上記感光体の上のトナーの帯電量を逆帯電側に調整する電荷調整手段を帯電領域の上流側に有する構成である。これにより、トナーの帯電量を、帯電領域の進入前で逆帯電側にシフトさせることで、より効率よく帯電手段でトナーを捕獲できる。
また、第8画像形成装置は、第1画像形成装置において、さらに、上記清掃手段によって清掃されたトナーを現像槽内に回収する回収手段を有する構成である。清掃手段によって清掃されたトナーは現像槽内に回収されるので、トナーが感光体に戻るのを防止できる。
【0220】
また、第9画像形成装置は、第1画像形成装置において、反転現像の画像形成装置である構成である。反転現像の画像形成装置とすることで、第1画像形成装置の効果はより有効となる。
また、第10画像形成装置は、第9画像形成装置において、除去される異物が逆帯電トナーである構成である。帯電ローラを清掃しない場合に起きる画質劣化の主原因は逆帯電トナーであるため、非常に有効な構成となる。
【0221】
【発明の効果】
以上のように、本発明の異物除去機構(本除去機構)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含んでいる構成である。
【0222】
本除去機構では、帯電ローラの帯電バイアスを利用して、像担持体上の異物(帯電バイアスと逆極性に帯電されている異物)を帯電ローラに吸着させるようになっている。
すなわち、本除去機構では、帯電ローラに、帯電機能に加えて、異物除去機能をもたせている。このため、像担持体から異物を除去するための特別な部材(クリーニングブレードなど)を設ける必要がない。従って、製造コストを低減できるようになっている。
【0223】
また、特に、本除去機構では、この帯電ローラが、像担持体とアゲンスト回転するように設定されている。
従って、本除去機構では、像担持体の異物は、帯電領域への進入位置で帯電ローラに吸着され、帯電ローラの回転に伴って、帯電領域から離れる方向に移動させられる。
【0224】
これにより、本除去機構では、像担持体上の異物が帯電領域(帯電ギャップ)を通過することを回避でき、これが帯電ギャップに食い込むこと(および像担持体・帯電ローラを傷つけること)を防止できる。
【0225】
また、帯電領域に異物が残らないので、異物が帯電の妨げとならない。従って、異物の存在による像担持体の未帯電部分の発生を防止できる。
【0226】
また、帯電ギャップへの異物の進入を阻止できることから、サイズの大きな異物にあわせて帯電ギャップを広げる必要がないため、帯電ギャップを狭くできる。そして、このように帯電ギャップの間隔を狭くできることにより、気中放電における放電開始電圧を示す「パッシェの実験式」からも明らかなように、帯電バイアスを低くできる。さらに、本除去機構あるいは印刷装置の小型化を図ることが可能となる。
【0227】
なお、帯電ローラと像担持体とがウイズ回転している場合(互いに逆方向に回転している場合)、帯電ローラは、除去した異物を抱えたまま帯電領域を通過することになる。しかしながら、帯電領域の下流側(像担持体にとっての下流側)では、像担持体の表面電位が帯電バイアス(直流成分)とほぼ同一の電位に帯電されているため、像担持体の異物吸着力が、帯電ローラとあまり変わらない状態となっている。従って、ウイズ回転においては、像担持体から異物を静電的に回収する能力が大幅に減少してしまう。
【0228】
これに対し、本除去機構では、アゲンスト回転であるため、帯電ローラが、帯電領域の上流側(像担持体の異物が帯電領域に進入する側)で、異物を像担持体から除去する。このため、像担持体の吸着力の影響を回避できる。
【0229】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域における帯電ローラの表面(帯電面)と像担持体の表面(被帯電面)との、相対走行距離を拡大できる。
このため、帯電ローラの部分的な抵抗値変動等による帯電変動を抑制できるので、像担持体における帯電特性(帯電の均一性)を向上させられる。
【0230】
また、本除去機構では、帯電ローラが像担持体に対してアゲンスト回転しているため、帯電領域に、新たに帯電面となる面が、帯電領域の下流側から進入する。
よって、像担持体への帯電動作に伴って、帯電ローラ自身内部で容量成分の帯電による電圧降下が起きた場合でも、内部電圧降下による像担持体帯電電位の低下を緩和できる。また、帯電領域の下流側では、像担持体の表面電位は帯電の進行に伴って上昇しており、表面電位の上昇に伴って、帯電電流密度(面積に対する)も減少する。このため、帯電ローラ内部での抵抗成分による電圧降下による、像担持体の帯電電位低下を緩和する作用も働く。
【0231】
なお、この効果は、帯電ローラの抵抗値が高い場合、特に顕著となる。すなわち、帯電ローラの抵抗が高い場合、容量成分の帯電による電圧降下、および、抵抗成分による電圧降下が顕著となり、像担持体を正規の帯電電位まで上昇させることが困難となるからである。
【0232】
また、特に、本除去機構では、帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部を備えている。
これにより、帯電ローラに対する異物の蓄積を防止できるので、異物の蓄積による帯電ローラの帯電特性の悪化および異常放電を防止でき、その帯電特性を安定させられる。従って、画像かぶり等の画質劣化の発生を回避することが可能となる。
【0233】
また、帯電ローラによっていったん除去された異物が像担持体に戻ってしまうことを防止できるので、このような異物による画像劣化を回避できる。
また、上記のような本除去機構を備えた印刷装置を構成すれば、画質劣化の少ない印刷を行うことが可能となる。
【0234】
また、本除去機構では、清掃部が、帯電ローラから除去した異物を、印刷装置における現像槽内に回収する回収部材を有していることが好ましい。
通常、転写後に像担持体に残留している異物は、そのほとんどが、現像材の成分(トナーやキャリアなど)である。そこで、この構成では、帯電ローラによって像担持体から除去した異物を現像槽に回収し、再利用できるようにしている。これにより、印刷装置におけるランニングコスト(現像材にかかる費用)を低減させられる。
【0235】
また、本除去機構の清掃部は、例えば、帯電ローラの表面に当接するプレートやフィルムから構成することが可能である。このように構成すれば、清掃部を、安価で簡単なものとできる。
【0236】
また、この場合、清掃部を、導電性を有する材料から構成することが好ましい。さらに、本除去機構に、清掃部に発生した電荷を逃がすアース機構を備えることが好ましい。
これにより、清掃部と帯電ローラとの摩擦による、清掃部への電荷の蓄積を回避できる。従って、清掃部自身の帯電による清掃性能の経時劣化を防止できる。
【0237】
また、この場合、帯電ローラの表面を、離型性を有する材料(例えば導電性フッ素樹脂)から構成することが好ましい。このようにすれば、清掃部における清掃性能を向上できる。
【0238】
また、本除去機構では、帯電ローラの帯電バイアスを、直流電圧に交流電圧の重畳された重畳電圧とすることが好ましい。
これにより、直流成分によって像担持体の表面を一様に帯電させられる。
そして、交流成分によって、像担持体表面の異物を振動させられる(加振できる)。これにより、像担持体からの異物の離脱を促進し、異物を効率よく静電吸着できる。
【0239】
すなわち、この構成では、直流成分に交流成分を重畳することにより、帯電領域への進入位置近傍(像担持体からみて上流側)で、像担持体の異物に交番静電力が作用する。
これにより、感光体1からの異物の離脱を促進でき、離脱した異物がクラウド状になる。これにより、帯電ローラによる吸着回収効率を高められる。
【0240】
また、本除去機構では、帯電ローラに磁場を形成することが好ましい。
これにより、像担持体上の異物を、帯電バイアスによる静電力だけでなく、磁気力(磁気吸引力)によっても除去できるようになる。
例えば、現像材に質量の大きいキャリアの含まれている場合、帯電バイアスのみによる旧約では、回収効率が悪くなる。これに対し、静電力に加えて磁気吸引力をキャリアに作用させることで、その回収効率を高められる。
【0241】
また、本除去機構では、像担持体の異物の帯電量を、現像バイアスとは逆極性に帯電させる帯電調整部材を備えていることが好ましい。
この帯電調整部材は、帯電領域の上流側に備えられているものである。
これにより、異物の帯電量を、現像バイアスに吸着されやすいように調整できるので、帯電ローラによる異物吸着効率を向上させられる。
【0242】
また、本除去機構に、像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物(帯電ローラによって除去できなかったもの)を吸着(除去)する現像ローラを含ませることが好ましい。
この現像ローラは、所定の間隔(現像ギャップ)をおいて、像担持体に対向するように設けられ、所定の現像バイアスが印加されているものである。そして、本来的には、印刷装置の現像処理において、現像バイアスおよび現像材を用いて、像担持体上の静電潜像を現像するものである。
なお、現像領域とは、現像ローラと像担持体との間で気中放電が起きる領域である(例えば、現像ローラに印加する電圧の最大値をパッシェの実験式に代入する有ことにより求められる)。
【0243】
そして、本除去機構では、この現像ローラの現像バイアスを利用して、像担持体上の異物(帯電ローラによって吸着できなかったもの)を帯電ローラに吸着させるようになっている。
すなわち、この構成では、現像ローラに、現像機能に加えて異物除去機能をもたせている。このため、像担持体から異物を除去するための特別な部材(クリーニングブレードなど)を設ける必要がなく、製造コストを低減できる。
【0244】
なお、現像バイアスによって除去できる異物は、現像バイアス,異物,像担持体の帯電極性および帯電量によって決定される。
すなわち、現像バイアスによって除去できる異物は、主に、現像バイアスを受けたときに、像担持体への吸着力より現像ローラへの吸着力が勝るものである。
このように、現像ローラに異物除去機能をもたせることにより、像担持体の異物をより確実に除去できる。
【0245】
また、本除去機構では、帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔(帯電ギャップ)が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きいことが好ましい。
【0246】
通常、印刷装置では、像担持体上の可視像をシートに転写する際、転写バイアスによって、像担持体にシートを貼り付ける。そして、転写後に、像担持体からシートを剥離するようになっている。
そして、帯電ギャップをシートの厚みよりも小さく設定しておけば、何らかの不具合によって像担持体に張りついたシートを剥離できなかった場合でも、シートが帯電領域以降に進入してしまうことを防止できる。これにより、このようなシートが印刷装置の深部まで到達することを回避できるので、シートの除去(ジャム処理)を容易に行える。
【0247】
また、一般的なシートの厚みを考慮すると、帯電ギャップをこの厚みよりも小さく設定することにより、帯電ローラにおける異常放電の発生を低減し、異常放電による像担持体の帯電ムラを防止できる。さらに、帯電ギャップをこのように小さく設定することで、「パッシェの実験式」で示されるように、放電開始電圧を低くでき、電源電圧を小さくできる。
【0248】
また、帯電ギャップをトナーの粒径よりも大きくすることによって、帯電ギャップ内でのトナーの融着(帯電ローラあるいは像担持体に対する融着)を防止できる。
【0249】
また、印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤である場合には、帯電ギャップは、現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きいことが好ましい。
これにより、帯電ギャップへのキャリアの進入を完全に排除できる。また、一般的なキャリアの粒径を考慮すると、帯電ギャップをキャリアの粒径よりも小さく設定することにより、異常放電の発生を低減し、異常放電による像担持体の帯電ムラを防止できる。さらに、帯電ギャップをこのように小さく設定することで、「パッシェの実験式」で示されるように、放電開始電圧を低くでき、電源電圧を小さくできる。
【0250】
また、本除去機構を、反転現像を行う印刷装置において用いることが、画質維持に顕著な効果を発揮できるため、好ましい。
すなわち、正規現像の印刷装置では、帯電ローラによって除去できる帯電特性を有する異物が、像担持体と同極性となる。このため、このような異物は、帯電ローラによって除去しなくても、像担持体上から離脱しやすい状態であり、後の印刷に与える影響は小さくなると考えられる。
【0251】
一方、反転現像の印刷装置では、帯電ローラによって除去できる帯電特性を有する異物が、像担持体と逆極性となり、強い吸着力が作用し、いつまでも像担持体上に残ったままとなりやすい。
従って、帯電ローラによってこの異物を除去するに際に、帯電ローラ上の異物を除去・清掃しない場合、帯電ローラに異物が堆積し、像担持体に対する異物除去能力が低下する、もしくは堆積した異物が離脱し、再度、像担持体に付着するなどして、帯電後の像担持体上に異物が残留してしまい、後の印刷に大きな影響を与えてしまうおそれがある。
従って、反転現像を行う印刷装置に本除去機構を用いることで、印刷装置の画質劣化をより良好に防止できるといえる。
【0252】
また、この構成では、帯電ローラは、像担持体と逆極性のトナーを異物として吸着することが好ましい。
このようなトナーは、帯電ローラを清掃しない場合に生じる、画質劣化の主原因となるものである。本除去機構では、帯電ローラに吸着された上記のトナーを清掃部により清掃できるため、画質劣化の発生を回避できる。
【0253】
また、本発明の異物除去方法(本除去方法)は、電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去方法において、印刷装置の帯電ローラを像担持体に対してアゲンスト回転させるとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を帯電ローラに吸着させる帯電・除去工程と、帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃工程とを含んでいる方法である。
【0254】
本除去方法は、上記した本除去機構において用いられている異物除去方法である。従って、帯電ローラによって像担持体上の異物を除去できるので、異物除去のための特別な除去装置を設ける必要がない。
また、帯電ローラと像担持体とがアゲンスト回転しているので、像担持体上の異物が帯電ギャップに食い込むこと(および像担持体・帯電ローラを傷つけること)を防止できるとともに、印刷装置における画質劣化を防止できる。
さらに、帯電ローラを清掃するため、帯電ローラへの異物の蓄積を防止でき、これによる画質劣化を回避できる。
【0255】
また、本除去方法では、印刷装置の現像ローラによって、上記像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物を吸着する現像・吸着工程を含んでいることが好ましい。
【0256】
この方法では、現像ローラに、現像機能に加えて異物除去機能をもたせており、これによって、帯電ローラによって吸着できなかった異物を、像担持体から吸着するようになっている。
従って、この方法では、像担持体から異物を除去するための特別な部材を設ける必要がなく、製造コストを低減できるとともに、像担持体の異物をより確実に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷装置の構成を示す説明図である。
【図2】クリーニングフィルムのない場合に、帯電ローラによって吸着された異物が感光体に戻ってしまう状態を示す説明図である。
【図3】図1に示した印刷装置において帯電ギャップを25μmとしたときの感光体の帯電安定性を示すグラフである。
【図4】図1に示した印刷装置において帯電ギャップを40μmとしたときの感光体の帯電安定性を示すグラフである。
【図5】図1に示した印刷装置において帯電ギャップを55μmとしたときの感光体の帯電安定性を示すグラフである。
【図6】図1に示した印刷装置において帯電ギャップを190μmとしたときの感光体の帯電安定性を示すグラフである。
【図7】設定ギャップに対する感光体の帯電電位の変動を示すグラフである。
【図8】設定ギャップに対する感光体の帯電電位の変動を示す他のグラフである。
【図9】ブラシバイアス(攪乱バイアス)とトナーの帯電量との関係を示すグラフである。
【図10】図10(a)(b)は、図1に示した印刷装置における異物除去機構が、正規現像よりも反転現像の印刷装置において有効である点を示す説明図である。
【図11】図11(a)(b)は、帯電ローラの残留トナーを清掃によって除去していない印刷装置によって複写を実行した場合の結果を示す説明図である。
【図12】図12(a)〜(h)は、帯電ローラの残留トナーを除去しない場合における、使用頻度(複写枚数)に対する黒点の発生の具合を示す説明図である。
【図13】帯電ローラの残留トナーを清掃によって除去した場合と除去しなかった場合とにおける、印刷枚数(P)とかぶり値Kとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体(像担持体)
4 現像領域
5 帯電領域
11 LSU
21 現像装置
22 現像槽
23 現像ローラ
25 現像バイアス電源
31 転写装置
32 転写ローラ
33 転写バイアス電源
41 異物攪乱装置(帯電調整部材)
42 導電性ブラシ(帯電調整部材)
43 攪乱バイアス電源
51 帯電装置
52 帯電ローラ
53 帯電バイアス電源
54 クリーニングフィルム(清掃部,回収部材)
55 バネ
60 現像剤
61 トナー
61a 負残留トナー
61b 正残留トナー
62 キャリア
63 紙粉
A ドクターギャップ
B 現像ギャップ
C 帯電ギャップ
G 矢印
P シート
R 矢印

Claims (18)

  1. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記清掃部は、帯電ローラから除去した異物を、印刷装置における現像槽内に回収する回収部材を有していることを特徴とする異物除去機構。
  2. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤であり、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記清掃部は、帯電ローラから除去した異物を、印刷装置における現像槽内に回収する回収部材を有していることを特徴とする異物除去機構。
  3. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記清掃部が、帯電ローラの表面に当接するプレートまたはフィルムから構成されていることを特徴とする異物除去機構。
  4. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤であり、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記清掃部が、帯電ローラの表面に当接するプレートまたはフィルムから構成されていることを特徴とする異物除去機構。
  5. 上記清掃部が導電性を有しているとともに、この清掃部に発生した電荷を逃がすアース機構を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載の異物除去機構。
  6. 上記帯電ローラの表面が、離型性を有する材料から構成されていることを特徴とする 求項3又は4に記載の異物除去機構。
  7. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記帯電ローラに磁場が形成されていることを特徴とする異物除去機構。
  8. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤であり、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記帯電ローラに磁場が形成されていることを特徴とする異物除去機構。
  9. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記像担持体の異物の帯電量を、上記帯電バイアスとは逆極性に帯電させる帯電調整部材を備えていることを特徴とする異物除去機構。
  10. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤であり、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記像担持体の異物の帯電量を、上記帯電バイアスとは逆極性に帯電させる帯電調整部材を備えていることを特徴とする異物除去機構。
  11. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物を吸着する現像ローラを含んでいることを特徴とする異物除去機構。
  12. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤であり、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物を吸着する現像ローラを含んでいることを特徴とする異物除去機構。
  13. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記印刷装置の現像方式が反転現像であることを特徴とする異物除去機構。
  14. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去機構において、
    像担持体に対してアゲンスト回転するとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を吸着する帯電ローラと、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃部とを含み、 上記印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤であり、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きく、
    さらに、上記印刷装置の現像方式が反転現像であることを特徴とする異物除去機構。
  15. 上記帯電ローラが、像担持体と逆極性のトナーを異物として吸着することを特徴とする請求項13又は14に記載の異物除去機構。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の異物除去機構を有する印刷装置。
  17. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去方法において、
    印刷装置の帯電ローラを像担持体に対してアゲンスト回転させるとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を帯電ローラに吸着させる帯電・除去工程と、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃工程とを含み、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が、印刷装置に使用されるシートの厚みよりも小さく、かつ、現像材におけるトナーの粒径よりも大きく、
    さらに、印刷装置の現像ローラによって、上記像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物を吸着する現像・吸着工程を含んでいることを特徴とする異物除去方法。
  18. 電子写真方式の印刷装置における像担持体に残留している異物を除去するための異物除去方法において、
    印刷装置の帯電ローラを像担持体に対してアゲンスト回転させるとともに、帯電バイアスによって、像担持体を帯電させるとともに、像担持体上の異物を帯電ローラに吸着させる帯電・除去工程と、
    帯電ローラに吸着された異物を除去して帯電ローラの表面を清掃する清掃工程とを含み、
    上記印刷装置において使用されている現像材が、トナーおよびキャリアを含む2成分現像剤であり、
    上記帯電ローラと像担持体との最近接位置における間隔が現像材のキャリアの粒径よりも小さく、かつ、トナーの粒径よりも大きく
    さらに、印刷装置の現像ローラによって、上記像担持体の静電潜像を現像するとともに、像担持体上に残留している異物を吸着する現像・吸着工程を含んでいる異物除去方法。
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