JP3919479B2 - Workpiece transfer device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ワークを所望の作業ブロックに移送するワーク移載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、作業ブロックの間でワークを移載するワーク移載装置は周知である。例えば、特開昭59−69313号に示されるように、トロリーコンベアにハンガーをつり下げ、ハンガーの到達と同期して昇降する昇降機の上部にローラーで構成されたローラーコンベアを設け、ハンガーに把持されているワークをローラーコンベアに移載する構成や、特開昭60−161825号に示されるように、アームにより荷物を把持しながら搬送路を走行する搬送車と、前記搬送車から荷物を降ろすための専用エレベータと、前記搬送車へ荷物を積み込むための専用エレベータを設ける構成はその好例である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の従来技術の構成では、移送車(ハンガー)の構造上、移動方向に制約が発生する。すなわち、移送車の進行方向が一方向であり、たとえばワークがある作業ブロックを通り過ぎてしまった場合、その作業ブロックに再到達させることが極めて困難である。また、前記従来技術において、トロリーコンベアを逆回転させてワークを反対方向へと移送しようとすると逆回転機構のほかにハンガーを180°回転させるための別異の機構が必要である。そのため、装置構成が大型化し、且つその装置のためのコストの増大も懸念される。
【0004】
また、後者の従来技術の構成では、昇降機構側にワーク載置台が1つしかないため、たとえば、ワークを移送車から移載する際に前記ワーク載置台が作業中であると、移送車はその工程にワークを組み入れることができず、そのままワーク載置台での工程が終了するのを待つか、該工程を迂回する必要があり、作業効率の低下が惹起せざるを得ない。
【0005】
前記難点を克服すべく、荷降ろし専用エレベータおよび積み込み専用エレベータを設け、作業を並列化することにより作業効率が低下することを回避するようにしているが、設備コストが増大する懸念がある。
【0006】
本発明は、上記の種々の問題点を克服するためになされたものであり、ワークの作業ブロックへの移載を効率よく行うことができ、しかも簡素な構成のワーク移載装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、
移送車により搬送されるワークを少なくとも加工位置と移送位置とに移載するためのワーク移載装置であって、
前記移送車は、移動方向と直交する水平方向に幅狭な板体を介して、レール部材に移動可能に懸架されるワーク載置板を有し、
該ワーク移載装置は、前記移送車の移動域に配置され、駆動機構を介して昇降するワーク載置台を有し、
前記ワーク載置台は、上下方向に所定間隔離間して配置される第1のワーク載置面と第2のワーク載置面とを有し、
前記駆動機構は、前記ワーク載置台を昇降させて、前記第1のワーク載置面と前記第2のワーク載置面のいずれもが、前記移送車の前記ワーク載置板上のワークを載置し、あるいは、載置されたワークを離脱させるべく、定位置に位置決め自在であり、
上部に配設される前記第2のワーク載置面は、前記移送車の移動方向と直交する水平方向に分割して構成され、前記ワーク載置台を上昇させて定位置に位置決めし、下部に配設される前記第1のワーク載置面に前記ワーク載置板を移動させる際に、前記移送車の前記板体が通過可能な通路が形成されることを特徴とする(請求項1記載の発明)。
【0008】
このように構成することにより、駆動手段が前記ワーク載置台を昇降させ位置決めするため、ワークを移載する際に前記移送車や作業機械によりワークを昇降させる必要がない。従って、前記移送車や前記作業機械側でワークを昇降させるための機構および該機構を制御する制御装置が不要となり、構成が簡素なものとなる。さらに、定位置でワークの移載を行うためにワークの作業ブロックへの移載を効率よく行うことができる。
【0009】
また、当該ワーク移載装置は、前記移送車をワークの移載位置に位置決め固定する固定装置を有することを特徴とする(請求項2記載の発明)。
【0010】
このように構成することにより、前記移送車をワークの移載位置に固定できるため、ワークの移載を確実に行うことができ、作業効率が向上する。
【0011】
さらにまた、この場合、前記ワーク載置板と、前記第1のワーク載置面および前記第2のワーク載置面に形成されたワーク載置部材とは、前記移送車をワークの移載位置に配置して前記ワーク載置台を昇降させた際に、相互に干渉することのない櫛歯形状に構成されることを特徴とする(請求項3記載の発明)。
【0012】
このため、移送車が上下に配置されたワーク載置面にワークを容易且つ確実に移載でき、効率的であるとともに、省スペース化が達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係るワーク移載装置について、それを組み込む生産システムとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら、以下、詳細に説明する。
【0014】
本実施の形態に係る生産システム10は、基本的には、複数の縦横に配置されたワークを移送車から移載する際に作業ブロックに分かれ、1つの作業ブロックで加工されたワークを移送車を介して他の作業ブロックへと移動させ、ワークに次なる加工を施すための機械的生産システムである。
【0015】
説明の便宜のために、本実施の形態では、前記生産システム10が作業ブロックAと作業ブロックBとを有するものとする。
【0016】
作業ブロックAと作業ブロックBとは、レール部材を介して基本的に連結されている。すなわち、作業ブロックAおよびBは、所定高さに保持された端部移送機構12を有する。端部移送機構12には、若干互いに変位して上下にプーリ14、プーリ16が回転自在に支承されている。実際、端部移送機構12は一組の脚部17、17を有し、この脚部17、17間に前記プーリ14、16が支承されている。
【0017】
前記脚部17、17の先端には、さらにレール部材18が保持される。レール部材18は、図1から諒解されるように、金属製の板体を逆U字状に折曲して構成されるものであり、互いに反対方向へと延在する下端部19a、19b上を後述する移送車の車輪が転動するように構成されている(図2参照)。
【0018】
プーリ14とプーリ16には、前記レール部材18に沿って周回するワイヤ20が懸架される。前記ワイヤ20の他端部は後述する分岐移送機構100のプーリ116、118に懸架される。従って、ワイヤ20は、図1から諒解されるように、レール部材18の上方からプーリ14に至り、下方へと湾曲した後、プーリ16からレール部材18の前記下端部19a、19bの間に画成される空間を通って分岐移送機構100側へとエンドレスに周回するように構成されている。前記端部移送機構12の本体構造は、基本的には分岐移送機構100の本体構造と一部同一の構成を採用することから、ここでは詳細な説明を省略する。
【0019】
次に、分岐移送機構100について説明する。分岐移送機構100は高架状態に保持される。当該分岐移送機構100は実質的に円筒体104を有し、その内部にモータ106と、このモータ106の図示しない回転軸に直結するギヤトレイン108とを有する。なお、図2において、参照符号102は、前記モータ106の回転角度を検出するためのエンコーダを示す。
【0020】
ギヤトレイン108の先端には、図3に示すように、軸110がその下端部を前記円筒体104より下方へと露呈させている。前記円筒体104の外周壁の一部にはプーリ保持用の脚部112が固着される。前記脚部112は斜め下方へと延在する一対の平板114a、114bを有し、互いに所定間隔離間する平板114a、114bの間にプーリ116、118が回転自在に装着される。プーリ116はプーリ118よりも若干斜め上方へと位置し、このプーリ116は円筒体104にギヤトレイン122を介して保持されるモータ120に連結されている。
【0021】
具体的には、モータ120の回転駆動力がギヤトレイン122によって減速された上で、当該プーリ116を回転駆動するように構成している。そして、端部移送機構12の前記プーリ14、16およびプーリ116、118の間でワイヤ20が懸架されることになる。
【0022】
実際、分岐移送機構100は、図1から諒解されるように、円筒体104の周壁に互いに90°ずつ変位して4つの脚部112を有し、少なくとも互いに対称位置にある2つの脚部112側に前記モータ120およびギヤトレイン122が固設される。該モータ120、ギヤトレイン122が存在しない脚部112側ではワイヤ20が懸架される相手側端部移送機構12にモータ120およびギヤトレイン122があるものとする。従って、1つのワイヤ20についていえば、分岐移送機構100または端部移送機構12のいずれか一方にモータ120およびギヤトレイン122が設けられて回転駆動されることになる。
【0023】
この場合、図2に示すように、前記脚部112の平板114a、114bの下端に所定間隔離間して、ガイド板124a、124bを固着する。ガイド板124a、124bはレール部材18の下端部19a、19bとその高さを実質的に同一とする。そして、前記ガイド板124a、124bの下端に先端部がテーパ部126a、126bとして形成された平板からなるワイヤ把持開放板128a、128bを固着する。
【0024】
なお、前記脚部112では、必要に応じて、円筒体104から支持板132を延在させ、この支持板132先端の位置調整プレート133に、図2において、上下方向に移動自在なようにテンションプーリ134を回転自在に支承させるとよい。このテンションプーリ134は、プーリ14、16、116、118に懸架されたワイヤ20に対して所定のテンションを与えるものである。
【0025】
これによって、分岐移送機構100はそれぞれ90°ずつ変位した4つの脚部112を有することになり、その結果、図1に示すように90°ずつ変位する4本のレール部材18、ワイヤ20に関連して脚部112が設けられることになる。それぞれの脚部112を構成する平板114a、114bには、その屈曲して立ち上がる先端部にレール部材18の他方の端部を保持させている。なお、前記端部移送機構12と分岐移送機構100において、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0026】
ところで、本実施の形態においては、軸110の下方に、この軸110の回転と一体的に回転する回転機構200を配設する。この回転機構200は前記軸110の端部に固着された水平プレート202と、この水平プレート202に所定間隔離間して固着された保持ブラケット204a、204bおよび204cを有する。
【0027】
前記保持ブラケット204a、204bおよび204cの一方の下端部に橋架される板体206を設け、また前記保持ブラケット204a、204bおよび204cの他方の下端部に橋架される板体208を設けている。
【0028】
前記板体206には、保持部材209を介して大径の従動ローラ210を設けるとともに、保持部材211を介してモータ212を固着し、このモータ212の回転駆動力をギヤトレイン214によって減速して、駆動ローラ216を回転駆動するように構成している。
【0029】
駆動ローラ216と従動ローラ210の直径はほぼ同一であり、これら駆動ローラ216と従動ローラ210とはベルト217により連結されている。
【0030】
図4は、前記回転機構200の一部省略平面図である。この場合、板体208に支軸226、228を枢支し、この支軸226、228はL字型に屈曲する保持アーム230、232を回動自在に取着する。前記保持アーム230、232の一方の端部には従動ローラ222、224がそれぞれ回転自在に保持される。そして、保持アーム230、232の他方の端部に軸234、236を装着し、板体208に装着された支軸238、240との間で前記軸234、236を囲繞するコイルスプリング242、244を介装している。
【0031】
従って、このコイルスプリング242、244の弾発力の作用下に従動ローラ222、224は、図4中、2点鎖線で示すように、駆動ローラ216側へと付勢されるように構成している。
【0032】
ところで、前記水平プレート202の下方、すなわち、保持ブラケット204a、204bおよび204cの内側に板体250を設け、この板体250に垂直方向へと延在する板体252を固着する。そして、この板体252の下方には、回動板254が固着される。
【0033】
前記回動板254には段差を設け、この段差によって形成される長尺な両側部に後述する移送車300を構成するローラを転動させるための案内部位255a、255bが形成されることになる。図4から容易に諒解されるとおり、前記案内部位255a、255bはレール部材18の下端部19a、19b、ガイド板124a、124bとその幅および高さにおいて略同一である。
【0034】
次に、前記分岐移送機構100によってワークを異なる方向へと移送するために当該ワークを搬送する移送車300について、図5を参照して以下に説明する。
【0035】
移送車300は支持台302を含む。支持台302は一方の端部と下方の端部にテーパ面304a、304b、306a、306bを有する。この支持台302から一対の保持板308a、308bを立設し、それぞれ保持板308a、308bにローラ312a、312b、314a、314bを回転自在に軸支する。
【0036】
なお、ローラ312a、312b、314a、314bの内側に実質的に矩形状の合成樹脂体からなるガイド316a、316b、318a、318bを固着する。そして、支持台302の下面に板体320を垂下させ、この板体320の下面に設けられた板体322の両端部にコ字状の棒体324a、324bを固着する。
【0037】
前記棒体324a、324bは、ワーク載置板326a、326bを保持する。このワーク載置板326a、326bは、図5から容易に諒解されるように、櫛歯状の平板であり、互いに間隔L1を有して離間し、且つ、それぞれの櫛歯間を間隔L3として設定している。この構成については追って説明する。
【0038】
以上のように構成される移送車300に組み込まれるワイヤ把時機構350について説明する。ワイヤ把時機構350は前記移送車300をワイヤ20により移送し、且つ前記分岐移送機構100と共働して移送車300の移送方向を変更するためのものである。
【0039】
図6〜図8はこのワイヤ把持機構350の構成を示す説明図である。当該ワイヤ把時機構350は支持台302の上面に取り付けられる。そこで、線Xはワイヤ把持機構350の中心線であり、把持対象であるワイヤ20の移動中心でもある。前記ワイヤ20は線X上を正逆両方向に回転自在である。ワイヤ把持機構350は、第1把持部352と第2把持部354と第3把持部356と第4把持部358とから構成され(第1のクランプ手段と、第2のクランプ手段)、図7に示すように移送車300の支持台302の上面の位置a、b、c、dにそれぞれ配置される。
【0040】
第1〜第4の把持部352、354、356、358はそれぞれ円弧面を有するカム360と362とを備え、該カム360および362は前記線Xを軸に左右に線対称に配置される。また、前記カム360および362の配置は、第1〜第4の把持部352、354、356、358で異なっており、第1把持部352および第3把持部356では線Xを軸に、図7において、左方にカム360が、右方にカム362がそれぞれ配置され、第2把持部354および第4把持部358では左方にカム362が、右方にカム360が前記第1把持部352に対して180°転回された状態でそれぞれ配置されている。第1〜第4の把持部352、354、356、358は、カム360および362の取り付け方向の差異はあるが、ワイヤ20を把持するための機構は共通である。
【0041】
まず、カム360が線Xにワイヤ把持面398を向けた状態で線Xの左側に配される。前記カム360の回転軸370は前記移送車300の支持台302に形成された図示しない軸受によって回転自在に支承されている。また、前記回転軸370上にはバネ382が巻回され、前記バネ382の一端部は支持台302に立設した保持板308aに着座し、他端部は前記カム360に形成された室374に着座する。
【0042】
さらに、前記カム360の下面にはギヤ386が線Xに噛合面を向けて枢支され、カム360の上面にはカバー390が固着されている。また、前記カム360には上方に突起した円柱状のカム開放部378が固着されている。前記カバー390、カム360、ギヤ386は、図8に示すような3層構造を形成している。
【0043】
一方、カム362は線Xにワイヤ把持面399を向けた状態で線Xの右側に配される。前記カム362の回転軸372は前記支持台302に形成された図示しない軸受によって回転自在に支承されている。前記回転軸372上にはバネ382が巻回され、前記バネ382の一端部は前記支持台302の上面に立設した保持板308bに着座し、他端部は前記カム362に形成された室376に着座する。さらに、前記カム362の下面にはギヤ388が線Xに噛合面を向けて固着され、カム362の上面にはカバー392が固着されている。また、前記カム362には上方に突起した円柱状のカム開放部380が固着されている。前記カバー392、カム362、ギヤ388は、3層構造を形成している(図8参照)。
【0044】
前記ギヤ386とギヤ388の歯数比は等しく、該ギヤ386および388は前記カム360および362の回転ずれを回避するための同期用ギヤとして作用する。さらに、前記カバー390および392は、前記カム360と362とがワイヤ20を把持したときに互いに重なり合う構造となっており、ワイヤ20の離脱を回避する機能を達成する。
【0045】
したがって、前記線X上ではワイヤ把持面398の一点とワイヤ把持面399の一点とがワイヤ20を把持し、ギヤ386とギヤ388とが噛合し、さらにカバー390とカバー392とが線Xを遮蔽するように対面する。
【0046】
すなわち、第1把持部352と第3把持部356がクランプ状態にあるときは、第2把持部354と第4把持部358がアンクランプ状態となり、第1把持部352と第3把持部356がアンクランプ状態のとき、第2把持部354と第4把持部358とがクランプ状態となる。
【0047】
次に、前記のように構成される移送車300によって移送されてくるワークを加工装置に臨ませるための昇降装置400について説明する。この昇降装置400は一般的に端部移送機構12と分岐移送機構100の間にあってレール部材18に近接して設けられる(図1参照)。
【0048】
図9に示すように、昇降装置400は基台402を含み、前記基台402から図9において上方に指向して垂直な複数本の枠体404a〜404dが延在し、この中、枠体404cと404dは前記ワイヤ20の近傍に到達する高さを有している。一方、前記枠体404a〜404dに横架部材406a〜406hが橋架される。基台402の枠体404a〜404d内にはモータ408が設置され、前記モータ408の回転駆動軸(図示せず)はギヤトレイン410を介してプーリ412に連結されている。
【0049】
一方、昇降装置400の下部軸414および上部軸416は枠体404cと404dとの間に橋架され、それぞれその両端は一対の軸受418、418、420、420によって回転自在に支承されている。また、下部軸414および上部軸416にはその両端近傍にスプロケット422、424が固着されており、上下のスプロケット422、424間にはチェーン426、426が巻回されている。そして、下部軸414にはプーリ428が固着され、前記プーリ412とプーリ428にはベルト430が巻き掛けられている。前記チェーン426、426には、載置台450が固定部材429によって固着されている。
【0050】
前記載置台450はこれから突設された複数のローラ452および454を含み、前記ローラ452および454は、断面コ字状の枠体404cと404d上を転動して、図9において上下方向に走行する。前記載置台450は矩形状の枠体456を含み、該枠体456に第1載置面458と、第2載置面460とが垂直方向に所定間隔離間して配置される。実際、第1載置面458は櫛歯状の第1と第2の載置部材462a、462bを有し、第2載置面460も同様に、第1と第2の載置部材464a、464bを有する。
【0051】
前記第1載置面458の第1載置部材462aと第2載置部材462bとは互いに所定間隔離間して配置され、一方、第2載置面460は、第1の板体466aと第2の板体466bとからなり、該第2載置面460の第1と第2の載置部材464a、464bはそれぞれ前記第1の板体466aと第2の板体466bに固設されている。前記第1の板体466aと第2の板体466bとは所定間隔離間し且つ対向する端面の隅角部は互いに拡開するようにテーパ状に切り欠かれている。このため、移送車300が昇降装置400に到達すると、移送車300の板体320は前記第1載置部材464aと第2載置部材464b間の間隙に容易に進入することができる。
【0052】
昇降装置400の上部には前記移送車300を一時的に位置決め固定するための固定装置500が設置されている(図10、図11参照)。前記固定装置500はロータリアクチュエータからなる駆動源502を収装した筐体504と、前記駆動源502から外部に突出したロッド506a、506bと、該筐体504に固着されたアーム部材508と、該アーム部材508に揺動自在に枢支された屈曲する爪部材510aと510bとからなる。前記爪部材510a、510bの一方の端部は前記ロッド506a、506bにそれぞれ枢支されている。従って、前記爪部材510a、510bの他方の端部は前記駆動源502の付勢作用下にロッド506a、506bが進退動作することにより開閉することが容易に諒解されよう。なお、図10、図11において、参照符号512a、512bはそれぞれ位置検出センサを示す。
【0053】
図1において、作業ブロックA、Bの端部移送機構12、分岐移送機構100はサブコントローラ750と電気的に接続され、サブコントローラ750は、メインコントローラ700と電気的に接続されている。なお、図1中、参照符号800はワーク加工ステーションを示す。
【0054】
本実施の形態のワーク移載装置を組み込む生産システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
【0055】
図12は、ワイヤ把持機構350のワイヤ20を把持する第1把持部352を示している。前述のように、第1〜第4の把持部352、354、356、358は取り付け方向の差異はあるがワイヤ20を把持する機構と動作は共通であるため、ここでは第1把持部352を用いて説明する。さらに、要旨を明確にするために、図12では前記ギヤ386、388や前記カバー390、392を図示していない。
【0056】
前記カム360のワイヤ把持面398の一端側と多端側とでは回転軸370からの距離が異なり、一端側の回転軸370からの距離をR1、他端側の回転軸370からの距離をR2とした場合、両者にはR1<R2の関係が成立する。また、カム362も前記カム360と同様の構造となっている。
【0057】
このように、前記第1把持部352はカム360のワイヤ把持面398を回転軸370に対して偏心させ、さらに、カム362のワイヤ把持面399を回転軸372に対して偏心させることによって、ワイヤ20が順方向(X1方向)に回転しているときにはワイヤ20を把持し、逆方向(X2方向)に回転しているときにはワイヤ20を把持しない構造となっている。
【0058】
また、前記バネ382はカム360および362をその弾発力によって矢印X3方向に付勢する。これは、ワイヤ20とカム360のワイヤ把持面398(およびカム362のワイヤ把持面399)とを常に接触させるためである。こうすることにより、ワイヤ把持機構350はワイヤ20の回転駆動力によってその回転方向(正転方向、逆転方向)にセルフロックされる。
【0059】
前記ワイヤ把持機構350は、前述した動作を利用してワイヤ20を把持する。さらに、本実施の形態におけるワイヤ把持機構350は、図7に示すように、前記第1把持部352を位置aに配し、さらに前記第1把持部352を線Xを中心に180°回転させた状態の第2把持部354を位置bに配している。このように構成すると、前述した動作に基づき、ワイヤ20がX1方向(正転方向)に移動するとき、第1把持部352はワイヤ20を把持し、第2把持部354はワイヤ20を把持せず、ワイヤ20がX2方向(逆転方向)に移動するとき、第2把持部354はワイヤ20を把持し、第1把持部352はワイヤ20を把持しない。すなわち、ワイヤ20を把持する機構をワイヤ20の回転方向(正転方向および逆転方向)毎に設けることにより、ワイヤ20の回転方向に依存せずにワイヤ20を把持することができる。ただし、ワイヤ20が正転方向または逆転方向のいずれか一方のみの場合は、前記第1把持部352または前記第2把持部354のいずれか一方があればよい。
【0060】
さらに、図7に示すように、前記ワイヤ把持機構350は前記第1把持部352と同じ方向を向いた第3把持部356を位置cに配し、前記第2把持部354と同じ方向を向いた第4把持部358を位置dに配することにより、各回転方向(正転方向および逆転方向)毎にワイヤ20を2箇所で把持することができ、ワイヤ20の把持の信頼性が増すとともに、移送車300の移送時の姿勢もより安定する。
【0061】
図13は、ワイヤ把持開放板128a、128bが前記ワイヤ把持機構350からワイヤ20の把持を開放する手順を示す状態遷移図である。通常、移送車300は、分岐移送機構100での方向分岐時にワイヤ20の回転駆動下から開放され、その場で移動を停止する。したがって、前記分岐移送機構100には前記ワイヤ把持機構350によるワイヤ20の把持を開放するワイヤ把持開放板128a、128bが配設されている。なお、前述のように第1〜第4の把持部352、354、356、358は、取り付け方向の差異はあるがワイヤ20の把持を開放する機構、動作が共通であるため、ここでは第1把持部352を例にとって説明する。
【0062】
まず、移送車300が前記第1把持部352でワイヤ20を把持しながら、矢印X1方向に移動してくる(図13Aの状態)。しかし、未だこの時点ではカム360のカム開放部378およびカム362のカム開放部380とワイヤ把持開放板128a、128bとは接触していない。
【0063】
移送車300がさらに矢印X1方向に移動すると、前記カム開放部378、380とワイヤ把持開放板128a、128bとが接触する(図13Bの状態)。このとき、前記カム開放部378および380は前記ワイヤ把持開放板128a、128bの先端の各斜面上を相対的に摺動する。同時に、前記カム開放部378に固着されたカム360は前記回転軸370を中心に矢印X4方向に回転し、前記カム開放部380に固着されたカム362は前記回転軸372を中心に矢印X5方向に回転する。すなわち、移送車300が矢印X1方向へ移動するにつれて前記カム360および362が拡開し、ワイヤ20の把持が開放される。
【0064】
さらに、移送車300が矢印X1方向に移動すると、前記カム開放部378および380は前記ワイヤ把持開放板128a、128bのテーパ部126a、126bを相対的に通過したのち前記ワイヤ把持開放板128a、128bの本体に相対的に到達する(図13Cの状態)。このとき、カム360とカム362との間隔は最大に拡張し(L11に相当)、前記カム開放部378および380がワイヤ把持開放板128a、128bと接触している間一定となる。この最大間隔L11は、ワイヤ20を回転駆動するプーリ118の幅L2より広くなっており、結果的にプーリ118の通過を阻害しない。
【0065】
図14は、昇降装置400の第2載置面460と移送車300のワーク積載板326a、326bの構造およびワークを移載する際の動作について説明するものであり、図14Aは、第2載置面460とワーク積載板326a、326bとを水平面状に合わせた状態の平面図であり、図14Bはその正面図である。第1載置面458と第2載置面460とは同様の形状となっているので、ここでは第2載置面460を用いて説明する。
【0066】
図14Aにおいて、矢印は移送車300の移動方向を示し、参照符号600は第1載置部材464aと第2載置部材464bの間の隙間、すなわち通路を示す。この隙間(通路600)を前記移送車300の板体320が通過する。該通路600の幅L1は前記板体320の幅より広くなっている。第1載置部材464aおよび第2載置部材464bには幅L2の突起部610と幅L3の切り込み部612とが互いに対応するように構成されて、ワーク載置板326a、326bにも幅L2の突起部614と幅L3の切り込み部616とが同様に対応すべく配置されている。言うまでもないが、幅L2と幅L3とは、L3>L2の関係にある。さらに、前記第1載置部材464aおよび第2載置部材464bの突起部610の長手方向の長さL4と、ワーク載置板326a、326bの切り込み部616の長手方向の長さL5とは、L5>L4の関係にある。
【0067】
従って、第1載置部材464aおよび第2載置部材464bの切り込み部612とワーク載置板326a、326bの突起部614、第1載置部材464aおよび第2載置部材464bの突起部610とワーク載置板326a、326bの切り込み部616を重なるように配置した場合、前述したL3>L2およびL5>L4の関係から、一方の突起部(たとえば第1載置部材464aの突起部610)が、他方の切り込み部(たとえばワーク載置板326a、326bの切り込み部616)をすり抜ける(通過する)ことが可能である。
【0068】
さらに、図14Bに示すように第1の板体466aと第1載置部材464a、第2の板体466bと第2載置部材464bは、ともに一定間隔(L7)離間して空間618を形成している。この空間618の間隔L7は前記ワーク載置板326a、326bの板厚L6より広くなっている。換言すれば、本実施の形態では第2載置面460とワーク載置板326a、326bとが互いに干渉することなく、すり抜けることを利用して、ワークの移載を行う。
【0069】
次に、ワーク載置板326a、326bに載置されているワークを第2載置面460に移載する具体例を、図15Aおよび図15Bを用いて説明する。この場合、第2載置面460と第1載置面458とは構造が同様であるため、ここでは第2載置面460を例にとって説明する。
【0070】
図15Aは、ワーク載置板326a、326bがワークを載置し、第2載置面460上に到達した状態を示す。このとき、ワーク載置板326a、326bは固定装置500によって固定され、図14A、図14Bに示すように、第2載置面460の突起部610とワーク載置板326a、326bの切り込み部616、および第2載置面460の切り込み部612とワーク載置板326a、326bの突起部614とが重なるように位置決めされているものとする。この時点では、未だワーク載置板326a、326bは前記空間618に進入していない。
【0071】
第2載置面460をさらに上昇させると、突起部と切り込み部がすり抜け(図14A、図14B参照)、ワーク載置板326a、326bは空間618内に侵入するとともに第2載置面460はワーク載置板326a、326bより上昇し、ワーク載置板326a、326bに載置されているワークはワーク載置板326a、326bから開放されて第2載置面460に移載される。このときの状態を図15Bに示す。
【0072】
次に、図示はしないがワークを第2載置面460からワーク載置板326a、326bへ移載する方法について説明する。昇降装置400はワークを載置した第2載置面460をワーク載置板326a、326bよりわずかに上まで上昇させ、そこで待機する。そこへ移送車300が到達する。このとき、第2載置面460はワーク載置板326a、326bよりわずかに上の位置で待機しているため、ワーク載置板326a、326bは空間618内に進入する。第2載置面460をわずかに下降させると、上述したように、突起部と切り込み部が互いにすり抜け、ワーク載置板326a、326bは空間618から出るとともに、第2載置面460からワークを移載する(図14A、図14B参照)。
【0073】
さらに、図16A乃至16Eを参照して、ワークを移送車300から作業ブロックへ移載する手順(およびワークを作業ブロックから移送車300へ移載する手順)について説明する。
【0074】
図16A乃至16Eにおいて、定点Z1は移送車300のワーク載置板326a、326bの高さを示す。移送車300自体は上下動しないため、前記定点Z1、すなわちワーク載置板326a、326bの高さは一定である。前記定点Z1を移送車300から昇降装置400の載置台450へのワークの受け渡し位置(または載置台450から移送車300へのワークの受け渡し位置)とする。また、定点Z2は作業ブロックの作業面の高さを示す。作業ブロック自体は上下動しないため、前記定点Z2、すなわち作業面の高さは一定である。前記定点Z2を載置台450から作業ブロックへのワークの受け渡し位置(または作業ブロックから載置台450へのワークの受け渡し位置)とする。つまり昇降装置400が載置台450を昇降させることにより、一定位置である定点Z1または定点Z2からワークを受け取り、受け渡しするものである。
【0075】
ここで、参照符号650は前記作業ブロックにおいてまだ加工がされていないワーク(未加工ワークという)を示し、参照符号652は前記作業ブロックにおいて加工が完了したワーク(加工済ワークという)を示す。基本的な作業の流れとして、作業ブロックは図示しない前工程から未加工ワーク650を受け取って加工処理を施したのち、加工済ワーク652を図示しない次工程に受け渡す。
【0076】
まず、前工程から運ばれてくる未加工ワーク650を受け取るために、昇降装置400は載置台450を上昇させ、第1載置面458が受け渡し定点Z1よりわずかに下に到達したらそこで停止させる。次に、移送車300が未加工ワーク650を載置して前工程から作業ブロックの昇降装置400の移載位置に到達し、前記固定装置500によって一時的に位置決め固定される。このとき、第1載置面458の突起部610とワーク載置板326a、326bの切り込み部616、および第1載置面458の切り込み部612とワーク載置板326a、326bの突起部614とが重なるように位置決めされているものとする。一方、作業ブロックには加工済ワーク652が待機している(図16Aの状態)。
【0077】
ここで、載置台450をわずかに上昇させると、上述したように、突起部と切り込み部が互いにすり抜け、ワーク載置板326a、326bは第1載置面458の空間618内に入るとともに第1載置面458はワーク載置板326a、326bより上昇し、ワーク載置板326a、326bに載置されている未加工ワーク650はワーク載置板326a、326bから自由となり第1載置面458に移載される(図14A、図14B参照)。
【0078】
次に、第1載置面458に未加工ワーク650を移載して空になった移送車300は他の作業ブロックに移動する。一方、昇降装置400は、未加工ワーク650を第1載置面458に載置した状態で載置台450を下降させ、第2載置面460が定点Z2に達したらそこで停止させる(図16Bの状態)。
【0079】
次いで、作業ブロックに待機していた加工済ワーク652を第2載置面460に移載する(図16Cの状態)。そして、昇降装置400は載置台450を上昇させ、第1載置面458が定点Z2に到達したら停止させる(図示せず)。
【0080】
第1載置面458に載置されている未加工ワーク650は、作業ブロックに移載される。昇降装置400は加工済ワーク652を第2載置面460に載置した状態で載置台450を上昇させ、第2載置面460が定点Z1よりわずかに高い位置に到達したらそこで停止する。そして、加工済ワーク652を次工程へ移載するため、移送車300がワーク載置板326a、326bを空の状態にして他の作業ブロックから移動してくる。そして、作業ブロックの昇降装置400の移載位置に到達し(図16Dの状態)、前記固定装置500によって一時的に位置決め固定される。このとき、第2載置面460の突起部610とワーク載置板326a、326bの切り込み部616、および第2載置面460の切り込み部612とワーク載置板326a、326bの突起部614とが重なるように位置決めされているものとする。
【0081】
このとき、第2載置面460はワーク載置板326a、326bよりわずかに上の位置で待機しているため、ワーク載置板326a、326bは前記空間618内に進入する。第2載置面460をわずかに下降させると、突起部と切り込み部が互いにすり抜け、ワーク載置板326a、326bは空間618から出るとともに、第2載置面460に載置されている加工済ワーク652は第2載置面460から開放されて、ワーク載置板326a、326bに移載される(図14A、図14B参照)。
【0082】
移送車300は、第2載置面460から受け取った加工済ワーク652を次工程に供給すべく、その位置から次工程へと移動する。一方、昇降装置400は次の動作に備えるため、載置台450を上昇させ第1載置面458が定点Z1よりわずかに下の位置に到達したらそこで停止する(図16Eの状態)。
【0083】
図16A乃至16Eでは、未加工ワーク650を載置台450の第1載置面458に、加工済ワーク652を載置台450の第2載置面460にそれぞれ移載する例を示しているが、本実施の形態におけるワークの移載方法は、この組み合わせに限定されるものでない。たとえば、予め加工済ワーク652を載置台450の第1載置面458上に載置しておけば、第2載置面460が空いているため、移送車300は未加工ワーク650を第2載置面460上に受け渡すことができる。さらに、昇降装置400により第2載置面460に載置された未加工ワーク650を作業ブロックに受け渡した後、移送車300は第1載置面458に載置されている加工済ワーク652を受け取り、他の作業ブロックへ移送することもでき、より一層移載工程の自由度が増す。
【0084】
ここで、図4を用いて分岐移送機構100による移送車300の分岐方法について説明する。まず、移送車300が一方のレール部材18上を分岐移送機構100に向かって移動し該レール部材18の端部に到達すると、前記ガイド板124a、124bの裏面に固着されたワイヤ把持開放板128a、128bが移送車300に固設されたワイヤ把持機構350によるワイヤ20の把持を開放する。
【0085】
具体的には、図7において、まず、第1把持部352のカム開放部378、380がワイヤ把持開放板128a、128bに当接して回動することによって移動元のワイヤ20から開放される。このとき、第2把持部354、第4把持部358はアンクランプ状態にある。しかしながら、第3把持部356は移動元のワイヤ20を把持しているクランプ状態にあるため、移送車300は分岐移送機構100の回動板254へと移送される。
【0086】
一方、前記回転機構200は図示しない位置検出センサにより、移送車300の頭部が従動ローラ210または駆動ローラ216へ到達したことを検出したら、モータ212を回転させる。モータ212の回転作用下にギヤトレイン214を介して駆動ローラ216および従動ローラ210が回転し、前記移送車300の回動板254への移載を行う。
【0087】
その後、移送車300の第3把持部356のカム開放部378、380がワイヤ把持開放板128a、128bに到達し、ワイヤ把持開放板128a、128bによって前記カム開放部378、380が回動してワイヤ20の把持が開放され、移送車300は移動元のワイヤ20の駆動下から完全に開放される。
【0088】
一方、従動ローラ222、224はコイルスプリング242、244の弾発力により、移送車300を駆動ローラ216側に付勢し、脱落を防いでいる。
【0089】
モータ212をさらに回転させると、移送車300は移動元のレール部材18から開放され、回動板254上に移載される。移送車300の回動板254への移載終了は図示しない位置検出センサによって行われ、移載が完了したら前記モータ212を停止させる(図4の状態)。この場合、回転機構200はモータ106の回転により軸110を支点として360°任意に回動する。
【0090】
次に、回動板254に移載された移送車300を移動先のレールに送り出す方法について説明する。前述したとおり、移送車300を移載した回動板254を移動先レールと一直線になるように合わせたのち、前記モータ212を回転させ移送車300を移動先のレール方向へ押し出していくと、移送車300のローラ312a、312b、314a、314bが移動先のレール部材18に乗るとともに、移送車300のワイヤ把持機構350が移動先のワイヤ20を把持する。
【0091】
具体的には、まず移送車300の第1把持部352のカム開放部378、380が、ワイヤ把持開放板128a、128bによって拡開された後、原位置に復帰して、移動先のワイヤ20を把持する。このとき、移送車300は第1把持部352が移動先のワイヤ20を把持しているため、移動先のワイヤ20の駆動力によって牽引されるとともに、駆動ローラ216および従動ローラ210の回転によって押進されている。
【0092】
移送車300がさらに移動すると、移送車300の第3把持部356がワイヤ把持開放板128a、128bによって拡開された後、原位置に復帰して移動先のワイヤ20を把持する。
【0093】
したがって、移送車300は移動先のワイヤ20の駆動下となり回動板254から開放され、分岐移送機構100による分岐を終了する。
【0094】
図17A〜図17Dは、分岐移送機構100による移送車300の方向分岐の手順を示す状態遷移図である。移動元レール(移送車300が現在走行しているレール)をEとし、移動先レール(移送車300が次に移動しようとしているレール)をF、G、Hとする。移動先レールFは、移動元レールEから見て右に直交したレールである。移動先レールGは、移動元レールEから見て左に直交したレールである。移動先レールHは、移動元レールEから見て移送車300の直進方向と平行なレールである。ここでは、移送車300が移動元レールEから移動先レールFに右旋回する場合を例にとり、分岐移送機構100における移送車300の分岐方法を説明する。
【0095】
まず、移送車300が移動元レールE上を回動板254に向かって走行してくる(図17Aの状態)。次に、回動板254上に移送車300を引き込む(図17Bの状態)。この引き込みは前述した方法を用いて行われる(図4参照)。次に、移送車300の移載が完了した回動板254を右に旋回させ(図17Cの状態)、回動板254が移動先レールFに対し一直線になったら、回動板254の回転を停止させる。さらに、回動板254上に移載されている移送車300を移動先レールFに送り出す。この送り出しは前述した方法を用いて行われる(宇4参照)。このようにして、移送車300は移動先レールFの駆動下となり、回動板254から開放される(図17Dの状態)。
【0096】
【発明の効果】
本発明によれば、以上のように、第1のワーク載置面と第2のワーク載置面とを含むワーク載置台が駆動機構を介して昇降して定位置でワークを移載する。このため、従来、移送車側あるいは作業機械側で有していたワーク昇降機構が不要となり、構造が簡素化し、しかもその昇降のための制御装置が不要となり、装置全体として低廉化することができる。
【0097】
しかも、移送車上のワークを位置決め固定する固定装置を設けたので、定位置でワークを位置決めでき、ワークの移載が確実に行われる。
【0098】
また、第1と第2のワーク載置面を上下に配置し、特に第2のワーク載置面に移送車が水平方向から進入できる間隔を有しているので、省スペース化が達成されるという特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の生産システムの概略斜視図である。
【図2】分岐移送機構の構造を説明する概略斜視図である。
【図3】分岐移送機構の構造を説明する概略正面図である。
【図4】回転機構の構造を説明する概略平面図である。
【図5】移送車の構造を説明する概略斜視図である。
【図6】ワイヤ把持機構の構造を説明する要部斜視図である。
【図7】ワイヤ把持機構の構造を説明する一部省略平面図である。
【図8】ワイヤ把持機構の構造を説明する一部省略縦断面図である。
【図9】昇降装置の構造を説明する概略斜視図である。
【図10】固定装置の爪部材が閉じた状態を示す概略平面図である。
【図11】固定装置の爪部材が開いた状態を示す概略平面図である。
【図12】ワイヤ把持機構のワイヤ把持方法の説明図である。
【図13】図13A〜図13Cは、ワイヤを把持し開放する手順を説明する状態遷移図である。
【図14】図14A、図14Bは、昇降装置と移送車のワーク載置板の構造を説明する概略平面図である。
【図15】図15A、図15Bは、昇降装置と移送車間でのワーク移載方法を説明する斜視図である。
【図16】図16A〜図16Eは、ワーク移載手順を説明する状態遷移図である。
【図17】図17A〜図17Dは、分岐移送機構による移送車の方向分岐の手順を示す状態遷移図である。
【符号の説明】
10…生産システム 12…端部移送機構
18…レール部材 20…ワイヤ
100…分岐移送機構 128a、128b…ワイヤ把持開放板
200…回転機構 254…回動板
300…移送車 326a、326b…ワーク載置板
350…ワイヤ把持機構 352…第1把持部
354…第2把持部 356…第3把持部
358…第4把持部 360、362…カム
378…カム開放部 400…昇降装置
450…載置台 458…第1載置面
460…第2載置面 500…固定装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a workpiece transfer apparatus that transfers a workpiece to a desired work block, for example.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, workpiece transfer devices that transfer workpieces between work blocks are well known. For example, as shown in Japanese Patent Laid-Open No. 59-69313, a hanger is suspended on a trolley conveyor, and a roller conveyor composed of rollers is provided at the top of the elevator that moves up and down in synchronization with the arrival of the hanger, and is held by the hanger. To transfer a workpiece to a roller conveyor, or as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 60-161825, a transport vehicle that travels on a transport path while gripping a load with an arm, and for unloading the load from the transport vehicle A configuration in which a dedicated elevator and a dedicated elevator for loading a load onto the transport vehicle are provided is a good example.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the former configuration of the prior art, the movement direction is restricted due to the structure of the transfer vehicle (hanger). That is, the traveling direction of the transport vehicle is one direction. For example, when the work passes a work block, it is extremely difficult to reach the work block again. In the prior art, when the trolley conveyor is rotated in the reverse direction to transfer the workpiece in the opposite direction, another mechanism for rotating the hanger by 180 ° is required in addition to the reverse rotation mechanism. For this reason, there is a concern that the size of the apparatus increases and the cost for the apparatus increases.
[0004]
In the latter prior art configuration, since there is only one workpiece mounting table on the lifting mechanism side, for example, when the workpiece mounting table is in operation when the workpiece is transferred from the transfer vehicle, The work cannot be incorporated into the process, and it is necessary to wait for the process on the work mounting table to be completed as it is or to bypass the process, resulting in a reduction in work efficiency.
[0005]
In order to overcome the above difficulties, an unloading dedicated elevator and a loading dedicated elevator are provided to avoid a decrease in work efficiency by paralleling work, but there is a concern that the equipment cost increases.
[0006]
The present invention has been made to overcome the above-described various problems, and provides a workpiece transfer device having a simple configuration that can efficiently transfer a workpiece to a work block. With the goal.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention provides:,
TransferA workpiece transfer device for transferring a workpiece conveyed by a vehicle to at least a processing position and a transfer position,
The transfer vehicle has a workpiece placement plate suspended movably on a rail member via a plate that is narrow in the horizontal direction perpendicular to the movement direction,
The workpiece transfer device is, Arranged in the moving area of the transport vehicle,It has a work table that moves up and down via a drive mechanism,
The workpiece mounting table is,Having a first workpiece placement surface and a second workpiece placement surface arranged at a predetermined interval in the vertical direction;
The drive mechanism is,Raise and lower the work tableThe aboveA first workpiece mounting surface;SaidAny of the second workpiece placement surfacesBut,The transfer vehicleThe workpiece mounting platePlace the workpiece above, or, Placed workTo leave,It can be positioned at a fixed position.
The second workpiece placement surface disposed in the upper partIs divided into a horizontal direction perpendicular to the moving direction of the transport vehicle, and raises the work table and positions it at a fixed position,When moving the workpiece placement plate to the first workpiece placement surface disposed in the lower part,A passage through which the plate of the transfer vehicle can pass is formed (the invention according to claim 1).
[0008]
By configuring in this way, the driving means raises and lowers the workpiece mounting table, so that it is not necessary to raise or lower the workpiece by the transfer vehicle or the work machine when transferring the workpiece. Therefore, a mechanism for raising and lowering the workpiece on the transfer vehicle or the work machine side and a control device for controlling the mechanism are not required, and the configuration is simplified. Furthermore, since the workpiece is transferred at a fixed position, the workpiece can be efficiently transferred to the work block.
[0009]
In addition, the workpiece transfer device,A fixing device for positioning and fixing the transfer vehicle at a workpiece transfer position is provided (the invention according to claim 2).
[0010]
By configuring in this way, the transfer vehicleTheworkAt the transfer positionSince it can be fixed, the workpiece can be transferred and the work efficiency is improved.
[0011]
Furthermore, in this case, the workpiece mounting plate,First workpiece placement surface and second workpiece placement surfaceThe workpiece placement member formed inPlace the transfer vehicle at the workpiece transfer positionWhen raising and lowering the work table,Comb shape that does not interfere with each otherIt is characterized by(Invention of Claim 3).
[0012]
For this reason, the workpiece can be easily and reliably transferred to the workpiece mounting surface on which the transfer vehicle is arranged vertically, which is efficient and saves space.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The workpiece transfer device according to the present invention will be described in detail below with reference to the accompanying drawings by giving preferred embodiments in relation to a production system incorporating the workpiece transfer device.
[0014]
The
[0015]
For convenience of explanation, in the present embodiment, it is assumed that the
[0016]
The work block A and the work block B are basically connected via a rail member. That is, the work blocks A and B have the end
[0017]
A
[0018]
A
[0019]
Next, the
[0020]
As shown in FIG. 3, the
[0021]
Specifically, the
[0022]
Actually, as can be understood from FIG. 1, the
[0023]
In this case, as shown in FIG. 2, the
[0024]
In the
[0025]
As a result, the
[0026]
In the present embodiment, a
[0027]
A
[0028]
The
[0029]
The driving
[0030]
FIG. 4 is a partially omitted plan view of the
[0031]
Therefore, the driven
[0032]
By the way, a
[0033]
The
[0034]
Next, a
[0035]
The
[0036]
[0037]
The
[0038]
The wire
[0039]
6 to 8 are explanatory views showing the configuration of the wire
[0040]
The first to fourth
[0041]
First, the
[0042]
Further, a
[0043]
On the other hand, the
[0044]
The
[0045]
Therefore, on the line X, one point of the
[0046]
That is, when the
[0047]
Next, the elevating
[0048]
As shown in FIG. 9, the
[0049]
On the other hand, the
[0050]
The mounting table 450 includes a plurality of
[0051]
The
[0052]
A fixing
[0053]
In FIG. 1, the
[0054]
The
[0055]
FIG. 12 shows a
[0056]
The distance from the
[0057]
As described above, the first
[0058]
The
[0059]
The wire
[0060]
Further, as shown in FIG. 7, the wire
[0061]
FIG. 13 is a state transition diagram illustrating a procedure in which the wire gripping
[0062]
First, the
[0063]
When the
[0064]
Further, when the
[0065]
FIG. 14 illustrates the structure of the second mounting
[0066]
In FIG. 14A, an arrow indicates a moving direction of the
[0067]
Accordingly, the
[0068]
Further, as shown in FIG. 14B, the
[0069]
Next, a specific example of transferring the workpiece placed on the
[0070]
FIG. 15A shows a state in which the
[0071]
When the
[0072]
Next, although not shown, a method for transferring a workpiece from the
[0073]
Furthermore, with reference to FIG. 16A thru | or 16E, the procedure (and the procedure which transfers a workpiece | work from the work block to the transfer vehicle 300) which transfers a workpiece | work from the
[0074]
16A to 16E, the fixed point Z1 indicates the height of the
[0075]
Here,
[0076]
First, in order to receive the
[0077]
Here, when the mounting table 450 is slightly raised, as described above, the projecting portion and the cut portion slip through each other, and the
[0078]
Next, the
[0079]
Next, the processed
[0080]
The
[0081]
At this time, since the
[0082]
The
[0083]
16A to 16E show an example in which the
[0084]
Here, the branching method of the
[0085]
Specifically, in FIG. 7, first, the
[0086]
On the other hand, when the
[0087]
Thereafter, the
[0088]
On the other hand, the driven
[0089]
When the
[0090]
Next, a method for sending the
[0091]
Specifically, first, the
[0092]
When the
[0093]
Therefore, the
[0094]
FIGS. 17A to 17D are state transition diagrams illustrating a procedure of branching the direction of the
[0095]
First, the
[0096]
【The invention's effect】
According to the present invention, as described above, the workpiece mounting table including the first workpiece mounting surface and the second workpiece mounting surface moves up and down via the drive mechanism to transfer the workpiece at a fixed position. For this reason, the work lifting / lowering mechanism conventionally provided on the transfer vehicle side or the work machine side is not required, the structure is simplified, and the control device for the lifting / lowering is not required, so that the entire apparatus can be made inexpensive. .
[0097]
In addition, since the fixing device for positioning and fixing the workpiece on the transport vehicle is provided, the workpiece can be positioned at a fixed position, and the workpiece can be reliably transferred.
[0098]
In addition, the first and second work placement surfaces are arranged vertically, and in particular, there is an interval at which the transfer vehicle can enter the second work placement surface from the horizontal direction, so that space saving is achieved. A unique effect is obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view of a production system according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic perspective view illustrating the structure of a branch transfer mechanism.
FIG. 3 is a schematic front view illustrating the structure of a branch transfer mechanism.
FIG. 4 is a schematic plan view illustrating the structure of a rotation mechanism.
FIG. 5 is a schematic perspective view illustrating the structure of a transport vehicle.
FIG. 6 is a perspective view of relevant parts for explaining the structure of a wire gripping mechanism.
FIG. 7 is a partially omitted plan view illustrating the structure of the wire gripping mechanism.
FIG. 8 is a partially omitted vertical sectional view for explaining the structure of a wire gripping mechanism.
FIG. 9 is a schematic perspective view illustrating the structure of the lifting device.
FIG. 10 is a schematic plan view showing a state in which the claw member of the fixing device is closed.
FIG. 11 is a schematic plan view showing a state in which the claw member of the fixing device is opened.
FIG. 12 is an explanatory diagram of a wire gripping method of a wire gripping mechanism.
FIGS. 13A to 13C are state transition diagrams illustrating a procedure for grasping and releasing a wire. FIGS.
14A and 14B are schematic plan views for explaining the structures of the lifting device and the work placing plate of the transfer vehicle.
FIGS. 15A and 15B are perspective views illustrating a method of transferring a workpiece between the lifting device and the transfer vehicle.
16A to 16E are state transition diagrams for explaining a workpiece transfer procedure.
FIGS. 17A to 17D are state transition diagrams showing a procedure of direction branching of the transport vehicle by the branch transfer mechanism.
[Explanation of symbols]
10 ...
18 ...
100:
200: Rotating mechanism 254: Rotating plate
300 ...
350: Wire gripping mechanism 352: First gripping part
354 ... second
358 ... fourth
378 ...
450 ... mounting table 458 ... first mounting surface
460 ... Second mounting
Claims (3)
前記移送車は、移動方向と直交する水平方向に幅狭な板体を介して、レール部材に移動可能に懸架されるワーク載置板を有し、
該ワーク移載装置は、前記移送車の移動域に配置され、駆動機構を介して昇降するワーク載置台を有し、
前記ワーク載置台は、上下方向に所定間隔離間して配置される第1のワーク載置面と第2のワーク載置面とを有し、
前記駆動機構は、前記ワーク載置台を昇降させて、前記第1のワーク載置面と前記第2のワーク載置面のいずれもが、前記移送車の前記ワーク載置板上のワークを載置し、あるいは、載置されたワークを離脱させるべく、定位置に位置決め自在であり、
上部に配設される前記第2のワーク載置面は、前記移送車の移動方向と直交する水平方向に分割して構成され、前記ワーク載置台を上昇させて定位置に位置決めし、下部に配設される前記第1のワーク載置面に前記ワーク載置板を移動させる際に、前記移送車の前記板体が通過可能な通路が形成されることを特徴とするワーク移載装置。A workpiece transfer apparatus for transferring to the transport position and at least the processing position the workpiece carried by the transfer Okukuruma,
The transfer vehicle has a workpiece placement plate suspended movably on a rail member via a plate that is narrow in the horizontal direction perpendicular to the movement direction,
The workpiece transfer device has a workpiece mounting table that is disposed in a moving area of the transport vehicle and moves up and down via a drive mechanism,
The workpiece mounting table has a first workpiece mounting surface and a second workpiece mounting surface that are arranged at a predetermined interval in the vertical direction,
The drive mechanism, said workpiece mounting table by lifting, both the first workpiece mounting surface of the second workpiece mounting surface, mounting the workpiece on the workpiece mounting plate of the transport carriage It can be positioned at a fixed position in order to place or detach the workpiece placed on it .
The second work placement surface disposed in the upper part is divided into a horizontal direction perpendicular to the moving direction of the transport vehicle, and the work placement table is raised and positioned at a fixed position , A workpiece transfer apparatus , wherein a passage through which the plate body of the transfer vehicle can pass when the workpiece placement plate is moved to the first workpiece placement surface disposed is formed.
当該ワーク移載装置は、前記移送車をワークの移載位置に位置決め固定する固定装置を有することを特徴とするワーク移載装置。The workpiece transfer apparatus according to claim 1,
The work transfer apparatus, the workpiece transfer apparatus, characterized in that it comprises a fixing device for positioning and fixing said transport carriage to the transfer position of the workpiece.
前記ワーク載置板と、前記第1のワーク載置面および前記第2のワーク載置面に形成されたワーク載置部材とは、前記移送車をワークの移載位置に配置して前記ワーク載置台を昇降させた際に、相互に干渉することのない櫛歯形状に構成されることを特徴とするワーク移載装置。In the workpiece transfer apparatus according to claim 1 or 2,
The workpiece placement plate and the workpiece placement member formed on the first workpiece placement surface and the second workpiece placement surface are arranged by placing the transfer vehicle at a workpiece transfer position. when obtained by lifting the mounting table, the workpiece transfer apparatus, characterized in that it is configured into a comb shape without interfering with each other.
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