JP3919145B2 - 画像表示媒体 - Google Patents

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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電界の作用によって光学的特性が可逆的に変化する物質あるいは物質群からなる画像表示媒体、特に電荷を付与された着色粒子が電界の作用によって移動することにより可逆的に視認状態を変化させうる画像表示媒体および画像表示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、文字や静止画、動画等のいわゆる画像の表示用端末としてCRTや液晶ディスプレイが用いられている。これらはデジタルデータを瞬時に表示し、書き換えることができるが、装置を常に持ち歩くことは困難であり、長時間の作業では眼が疲労したり、電源をオフにしては表示できないなど多くの欠点もある。一方、文字や静止画を書類などとして配布や保存するときはプリンターにて紙媒体に記録される、いわゆるハードコピーとして、広く使用されている。ハードコピーはディスプレイより文章を読みやすく疲れにくく、自由な姿勢で読むことができる。さらに、軽量で自由に持ち運びが可能である特徴を有する。しかし、ハードコピーは使用された後は廃棄され、リサイクルされるが、そのためには多くの労力と費用を要するので省資源の点では問題が残る。
【0003】
以上のディスプレイとハードコピーの両方の長所を持った書き換えが可能なペーパーライクな表示媒体へのニーズは高く、これまでに高分子分散型液晶、双安定性コレステリック液晶、エレクトロクロミック素子、電気泳動素子を用いたもの等が反射型で明るい表示ができ、かつメモリー性のある表示媒体として注目されている。中でも電気泳動素子を用いたものは表示品質、表示動作時の消費電力の点で優れており、その典型的な形態として図29に示すような電気泳動表示装置が知られている(例えば、特開平5−173194号公報、特第2612472号公報)。
【0004】
図29中、11および12はガラス等の透明基板とその一方面に所要のパターンで形成された透明電極であって、対向配置されたこれらの一組の透明電極12の間には、着色した分散媒中に分散媒の色とは異なる色を有する複数の泳動粒子を分散させた分散液13を封入してある。
【0005】
泳動粒子は分散媒中で表面に電荷を帯びており、透明電極12の一方に泳動粒子の電荷と逆向きの電圧を与えた場合には泳動粒子がそちらに堆積して泳動粒子の色が観測され、泳動粒子の電荷と同じ向きの電圧を与えた場合には泳動粒子は反対側に移動するため分散媒の色が観測される。これにより表示を行うことができる。ここで、分散液13を単に両電極12間に封入する構造では、泳動粒子の凝集や付着現象によって表示ムラを発生することがあるので、両電極12間にメッシュ状あるいは多孔質状の有孔スペーサ14を配置することにより、分散液13を不連続に分割し、表示動作の安定化を図る工夫がなされている。
【0006】
しかし、このような構造の場合、分散液の一様な封入処理が困難である、あるいは封入時に分散液の特性が変化して再現性を得るのが困難であるといった問題があった。特許第2551783号公報では、分散液を封入した多数のマイクロカプセルを形成し、これらを電極板間に配装した構成とすることにより上記問題点を解決している。
【0007】
これらいずれの構成においても、泳動粒子の色を観測する際に泳動粒子の周りに幾らかの着色分散媒が存在するために純粋な泳動粒子の色を表示することが困難であり、表示のコントラスト比が低いという欠点があった。
【0008】
特表平8−510790号公報では透明な分散媒中に反対の表面電荷を有し色の異なる二種類の粒子を含有させ、これらの粒子を互いに逆方向に泳動させることによって表示を行わせるものを開示しているが、反対電荷を有する粒子同士を凝集させることなく長時間安定に分散状態を保つことは困難である。したがって、繰り返し使用によりコントラスト比が低下するという欠点があった。
【0009】
さらには、いずれの場合においても粒子の泳動速度が遅く、したがって表示の応答速度が遅いという欠点がある。上記欠点は液体中を粒子が移動することによって表示を行うという電気泳動表示方式の原理に起因する根本的な問題であると考えられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、可逆表示が可能でメモリー性を有し、表示のコントラスト比が高く、繰り返し安定性に優れ、応答速度の速い画像表示媒体を提供することである。
本発明の第2の目的は、さらに表示のコントラスト比が高く、加筆が容易な画像表示媒体を提供することである。
本発明の第3の目的は、さらに応答速度の速い画像表示媒体を提供することである。
本発明の第4の目的は、さらに表示のコントラスト比が高く、応答速度の速い画像表示媒体を提供することである。
本発明の第5の目的は、表示ムラの少ない画像表示媒体を提供することである。
本発明の第6の目的は、大面積であっても表示ムラが少なく、非固定状態で使用しても安定に表示を行うことができる画像表示媒体を提供することである。
本発明の第7の目的は、簡便な手段で表示を行わせることができる画像表示媒体を提供することである。
本発明の第8の目的は、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくできる画像表示媒体を提供することである。
本発明の第9の目的は、簡便な手段で表示を行わせることができる画像表示方法を提供することである。
本発明の第10の目的は、低電圧で駆動でき、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくできる画像表示方法を提供することである。
本発明の第11の目的は、より表示のコントラスト比を高くでき、加筆が容易な画像表示方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一(請求項1の発明で便宜上「第一の1」とする)に、所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方乃至両方が光透過性である二つの導電層と、それに挟まれた空間に該導電層から正孔または電子を受容する着色粒子A、その着色粒子Aと別色でかつ少なくとも着色粒子Aと同極性の電荷を実質的に帯びない着色粒子B、および該着色粒子A、Bを置き換えて移動させることができる気体からなることを特徴とする画像表示媒体が提供される。
【0012】
この第一の1の発明の実施の態様としては、下記第一の2〜第一の9の発明があげられる。
【0013】
(第一の2の発明)
着色粒子A1または着色粒子B1のいずれか一方が磁性体を含有してなることを特徴とする前記第一の1に記載の画像表示媒体。
【0014】
(第一の3の発明)
着色粒子A1および/または着色粒子B1が流動性を有することを特徴とする前記第一の1又は2に記載の画像表示媒体。
【0015】
(第一の4の発明)
着色粒子A1および/または着色粒子B1に流動性を付与する第3の粒子Cを含有してなることを特徴とする前記第一の1〜3のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0016】
(第一の5の発明)
二つの導電層間にスペーサ材を配備してなることを特徴とする前記第一の1〜4のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0017】
(第一の6の発明)
二つの導電層間に挟まれた空間を区画部材により分割されてなること特徴とする前記第一の1〜5のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0018】
(第一の7の発明)
二つの導電層のうち少なくとも一層の外側から電極を接触ないしは荷電物質を付与することにより、該導電層を介して着色粒子A1に電荷を付与せしめ、外部電界により着色粒子A1を移動させることを特徴とする前記第一の1〜6のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0019】
(第一の8の発明)
二つの導電層間に電圧を印加することで、該導電層を介して着色粒子A1に電荷を付与せしめ、該着色粒子A1を外部電界により移動させることを特徴とする前記第一の1〜6のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0020】
(第一の9の発明)
二つの導電層のうち少なくとも一層の外側から磁界を作用せしめることにより磁性体を含有する着色粒子を移動させることを特徴とする前記第一の1〜6のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0021】
前記本発明の第一の1の画像表示媒体による画像表示の動作原理は、以下の通りである。図1は本発明の第一の1記載の表示媒体の一例を示す断面図である。101と102は二つの導電層を示すが、一方乃至両方が光透過性であり、内部に103で表わされる着色粒子A1とその着色粒子A1とは別色の104で表わされる着色粒子B1、および該着色粒子A1、B1を置き換えて移動させることができる気体105からなる部分を有している。ここで、導電層102が透光性の場合、導電層102の上方よりこの表示媒体をみると、着色粒子B1の色が見える。
【0022】
一方、図2は図1の表示媒体を実際に駆動して画像表示する際の作動機構の一例を示す断面図である。この例示においては、着色粒子A1は導電層101乃至102から正孔を受け取る機能を有しかつ電子を受け取る機能は実質上ない。一方、着色粒子B1は正孔を受け取る能力がないかそうでなければあったとしても非常に弱いものであり、また電子受容機能に関してはあってもなくてもよい。
【0023】
図2(a)では、表示媒体の右半分と左半分の導電性が真ん中で仕切られた101、102の各導電層に、外部から適当な手段で負電荷と正電荷を付与すると、正電荷は導電層101を介して導電層から正電荷を受け取る能力のある着色粒子A1に移動する。このようにして、正電荷を帯びた着色粒子A1は図2(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動しようとする。このとき、表示媒体の内部空間には着色粒子A1、着色粒子B1を置き換えて移動させることができる気体105が充填されているため、粒子の移動が滑らかに行われる。図2(c)は、正電荷を帯びた着色粒子A1が移動して導電層102に到達した状態を示す。
【0024】
ここで、導電層102と正帯電粒子間の電荷授受については、正電荷を帯びた粒子は正電荷を失ったり(導電層への正孔注入)する可能性があるものの、導電層102から電子を受け取る機能が実質的にないため着色粒子A1の極性が負に反転することなく、移動が完結する。付言すると、着色粒子B1は実質的に正孔受容能がないため、正電荷を帯びた着色粒子A1の移動を阻害することはない。
【0025】
図2(c)の状態を表示媒体の上方(導電層2の外側)から眺めると左半分は着色粒子B1の色が、右半分は着色粒子A1の色が望める。以上が、前記本発明の第一の1の画像表示媒体による画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり繰り返し使用ができる。
【0026】
前記本発明の第一の2の画像表示媒体は、着色粒子A1、B1のいずれか一方が磁性体を含有する。このような表示媒体の外部から磁界を作用させて、任意の個所の磁性体を含む着色粒子を別色の粒子と置き換えて、図2に示したものと同様な動作にて画像形成することができる。この磁界による画像形成もまた、可逆かつ繰り返し可能である。このように電気的作用と磁界の作用の併用により、表示の追記や消去の方式が多様性に富む。一方、電気的画像形成の初期において、着色粒子A1は導電層からの電荷注入が期待できる場所にあらかじめ存在している必要がある(図1参照)。このような初期条件を実現するためには、前記第一の2の画像表示媒体に外部磁界を作用させ、図1の状態を作り出すことが可能となる。
【0027】
前記本発明の第一の3の画像表示媒体においては、着色粒子A1と着色粒子B1が両者を置き換えて移動させることができる気体105の存在により円滑に移動するものであるが、着色粒子A1および/または着色粒子B1が流動性を有していると、粒子の移動・交換がさらに滑らかになり、応答速度の速い表示が可能となる。
【0028】
前記本発明の第一の4の画像表示媒体においては、着色粒子A1と着色粒子B1に加えて流動性を付与しうる第3の粒子Cを添加することにより、粒子Cが着色粒子A1および/または着色粒子B1に作用して、前記第一の3の発明の効果をさらに増長させることができる。図3は、第三の粒子Cが、着色粒子A1には作用しないが着色粒子B1に作用して流動効果を発現させる概念図である。
【0029】
前記本発明の第一の5の画像表示媒体においては、二つの導電層間にスペーサ材を配備しているため、画像表示媒体に外力が加わっても適切な導電層間隔を維持できるため、表示ムラや欠陥のない適切な表示媒体が提供される。
【0030】
前記本発明の第一の6の画像表示媒体においては、二つの導電層間に挟まれた空間を区画部材により分割することにより、粒子の偏りを生ずることがなく、画像濃度ムラの発生しない高品質の表示媒体が提供される。
【0031】
前記本発明の第一の7の画像表示方法においては、二つの導電層のうち少なくとも一層の外側から電極を接触ないしは荷電物質を付与することにより、簡便な手段で表示を行わせることができる画像表示方法が提供される。
【0032】
前記本発明の第一の8の画像表示方法においては、相対する二つの電極間に電圧を印加することで、低電圧で駆動でき、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくできる画像表示方法が提供される。
【0033】
前記本発明の第一の9の画像表示方法においては、二つの導電層のうち少なくとも一層の外側から磁界を作用せしめることにより、表示のコントラスト比を高くでき、加筆が容易な画像表示方法が提供される。
【0034】
また本発明によれば、第二(請求項2の発明で便宜上「第二の1」とする)に、所望の間隔を設けて配備された少なくとも電気的整流極性が同じでありかつ一方乃至両方が光透過性である二つの整流性層と、それに挟まれた空間に該整流性層から電荷を受容する着色粒子A、その粒子Aとは別色で該整流性層と実質的に電荷の授受を行わない着色粒子B、および該着色粒子A、Bを置き換えて移動させることができる気体からなり、前記空間は区画部材により分割されてなることを特徴とする画像表示媒体が提供される。
【0035】
この第二の1の発明の実施の態様としては、下記第二の2〜第二の11の発明があげられる。
【0036】
(第二の2の発明)
着色粒子A2または着色粒子B2のいずれか一方が磁性体を含有してなることを特徴とする前記第二の1に記載の画像表示媒体。
【0037】
(第二の3の発明)
着色粒子A2および/または着色粒子B2が流動性を有することを特徴とする前記第二の1又は2に記載の画像表示媒体。
【0038】
(第二の4の発明)
着色粒子A2および/または着色粒子B2に流動性を付与する第三の粒子Cを含有してなることを特徴とする前記第二の1〜3のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0039】
(第二の5の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層間にスペーサ材を配備してなることを特徴とする前記第二の1〜4のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0040】
(第二の6の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層間に挟まれた空間を区画部材により分割されてなることを特徴とする前記第二の1〜5のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0041】
(第二の7の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層の一方に外接する導電層を有してなることを特徴とする前記第二の1〜6のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0042】
(第二の8の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層に外接する導電層を有してなり、かつ該導電層の少なくとも一方が光透過性であってかつ光透過性の整流性層に外接して配備されていることを特徴とする前記第二の1〜7のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0043】
(第二の9の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層のうち少なくとも一層の外側から電極を接触ないしは荷電物質を付与することにより、該整流性層を介して着色粒子A2に電荷を付与せしめ、外部電界により着色粒子A2を移動させることを特徴とする前記第二の1〜8のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0044】
(第二の10の発明)
二つの整流性層を挟持する二つの導電層間に電圧を印加することで、該整流性層を介して着色粒子A2に電荷を付与せしめ、該着色粒子A2を外部電界により移動させることを特徴とする前記第二の8に記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0045】
(第二の11の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層のうち少なくとも一層の外側から磁界を作用せしめることにより磁性体を含有する着色粒子を移動させることを特徴とする前記第二の2〜8のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0046】
前記本発明の第二の1の画像表示媒体による画像表示の動作原理は、以下の通りである。図7は本発明の第二の1記載の表示媒体の一例を示す断面図である。201と202は電気的整流極性が同じである二つの整流性層を示すが、一方乃至両方が光透過性であり、内部に203で表される着色粒子A2とその着色粒子A2とは別色の204で表わされる着色粒子B2、および該着色粒子A2、着色粒子B2を置き換えて移動させることができる気体205からなる部分を有している。ここで、整流性層202が透光性の場合、整流性層202の上方よりこの表面媒体をみると、着色粒子B2の色が見える。
【0047】
一方、図8は図7の表示媒体を実際に駆動して画像表示する際の作動機構の一例を示す断面図である。この例示においては、整流性層201と202はいずれも正孔導電性が電子導電性よりも優れており、着色粒子A2は整流性層201乃至202から正孔を受け取る機能を有するが、着色粒子B2は正孔を受け取る能力がないかそうでなければあったとしても非常に弱いものである。
【0048】
図8(a)では表示媒体右半分の各整流性層に、外部から適当な手段で負電荷と正電荷を付与すると、正電荷は整流性層201を介して整流性層から電荷を受け取る能力のある着色粒子A2に移動する。このようにして、正電荷を帯びた着色粒子A2は図8(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動しようとする。このとき、表示媒体の内部空間には着色粒子A2、B2を置き換えて移動させることができる気体205が充填されているため、粒子の移動が滑らかに行われる。図8(c)は、正電荷を帯びた着色粒子A2が移動して整流性層202に到達した状態を示す。
【0049】
ここで、整流性層202は電子導電性が小さいため、正帯電粒子に負電荷を受け渡すことができない。従って、正電荷を帯びた粒子は、電荷を失ったり極性が負になったりすることなく、移動が完結する。付言すると、着色粒子B2は正孔受容能が極めて小さいため、正電荷を帯びた着色粒子A2の移動を阻害することはない。
【0050】
図8(c)の状態を表示媒体の上方(整流性層202の外側)から眺めると左半分は着色粒子B2の色が、右半分は着色粒子A2の色が望める。以上が、前記本発明の第二の1の画像表示媒体による画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり繰り返し使用ができる。
【0051】
前記本発明の第二の2の画像表示媒体は、着色粒子A2、B2のいずれか一方が磁性体を含有する。このような表示媒体の外部から磁界を作用させて、任意の個所の磁性体を含む着色粒子を別色の粒子と置き換えて、図8に示したものと同様な動作にて画像形成することができる。この磁界による画像形成もまた、可逆かつ繰り返し可能である。このように電気的作用と磁界の作用の併用により、表示の追記や消去の方式が多様性に富む。一方、電気的画像形成の初期において、着色粒子A2は整流性層からの電荷注入が期待できる場所にあらかじめ存在している必要がある(図7参照)。このような初期条件を実現するためには、前記第二の2に記載の画像表示媒体に外部磁界を作用させ、図7の状態を作り出すことが可能となる。
【0052】
前記本発明の第二の3の画像表示媒体においては、着色粒子A2と着色粒子B2が両者を置き換えて移動させることができる気体205の存在により円滑に移動するものであるが、着色粒子A2および/または着色粒子B2が流動性を有していると、粒子の移動・交換がさらに滑らかになり、応答速度の速い表示が可能となる。
【0053】
前記本発明の第二の4の画像表示媒体においては、着色粒子A2と着色粒子B2に加えて流動性を付与しうる第三の粒子Cを添加することにより、粒子Cが着色粒子A2および/または着色粒子B2に作用して、前記第二の3の発明の効果をさらに増長させることができる。図9は、206で表わされる第三の粒子Cが、着色粒子A2には作用しないが着色粒子B2に作用して流動効果を発現させる概念図である。
【0054】
前記本発明の第二の5に記載の画像表示媒体においては、電気的整流性を有する二つの整流性層間にスペーサ材を配備しているため、画像表示媒体に外力が加わっても適切な整流性層間隔を維持できるため、表示ムラや欠陥のない適切な表示媒体が提供される。
【0055】
前記本発明の第二の6の画像表示媒体においては、電気的整流性を有する二つの整流性層間に挟まれた空間を区画部材により分割することにより、粒子の偏りを生ずることがなく、画像濃度ムラの発生しない高品質の表示媒体が提供される。
【0056】
前記本発明の第二の7の画像表示媒体においては、片側に導電層を有する構成をとっているため、簡便な手段で表示を行わせることができる画像表示媒体が提供される。
【0057】
前記本発明の第二の8に記載の画像表示媒体においては、両側に導電層を有する構成をとっているため、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくできる画像表示媒体が提供される。
【0058】
また、本発明によれば、第三(請求項3の発明で便宜上「第三の1」とする)に、所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方乃至両方が光透過性である二つの導電層と、それに挟まれた空間に着色部分Aとそれと異なる着色部分Bを有し、かつ着色部分Aが該導電層から正孔または電子を受容し、着色部分Bが該導電層から着色部分Aと同極性の電荷の授受を行わないものである多色粒子、および該多色粒子を回転および移動させることができる気体からなることを特徴とする画像表示媒体が提供される。
【0059】
この第三の1の発明の実施の態様としては、下記第三の2〜第三の7の発明があげられる。
【0060】
(第三の2の発明)
多色粒子が流動性を有することを特徴とする前記第三の1に記載の画像表示媒体。
【0061】
(第三の3の発明)
多色粒子に流動性を付与する外添粒子を含有してなることを特徴とする前記第一の1又は2に記載の画像表示媒体。
【0062】
(第三の4の発明)
二つの導電層間にスペーサ材を配備してなることを特徴とする前記第三の1〜3のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0063】
(第三の5の発明)
二つの導電層間に挟まれた空間を区画部材により分割されてなること特徴とする前記第三の1〜4のいずれかに記載の画像表示媒体」により達成される。
【0064】
(第三の6の発明)
二つの導電層のうち少なくとも一層の外側から電極を接触ないしは荷電物質を付与することにより、該導電層を介して多色粒子に電荷を付与せしめ、外部電界により該多色粒子を回転および移動させることを特徴とする前記第三の1〜5のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0065】
(第三の7の発明)
二つの導電層間に電圧を印加することで、該導電層を介して多色粒子に電荷を付与せしめ、該多色粒子を外部電界により回転および移動させることを特徴とする前記第三の1〜5のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0066】
前記本発明の第三の1に記載の画像表示媒体による画像表示の動作原理は、以下の通りである。図14は、本発明の第三の1記載の表示媒体の一例を示す断面図である。301と302は二つの導電層を示すが、一方乃至両方が光透過性であり、内部に、303で表わされる着色部分A3とその着色部分A3とは別色の304で表される着色部分B3を有する多色粒子305、および該多色粒子305を回転および移動させることができる気体306からなる部分を有している。ここで、導電層302が透光性の場合、導電層302の上方よりこの表示媒体をみると、着色部分B3の色が見える。
【0067】
一方、図15は図14の表示媒体を実際に駆動して画像表示する際の作動機構の一例を示す断面図である。この例示においては、着色部分A3は導電層301乃至302から正孔を受け取る機能を有しかつ電子を受け取る機能はないが、着色部分B3は正孔を受け取る能力がないかそうでなければあったとしても非常に弱いものであり電子を受け取る機能があってもよい。
【0068】
図15(a)では表示媒体右半分の左半分とは仕切られた301、302の導電層に、外部から適当な手段で負電荷と正電荷を付与すると、正電荷は導電層301から正電荷を受け取る能力のある着色部分A3に移動する。このようにして、半球の表面に正電荷を帯びた多色粒子305は図15(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動すると同時に回転しようとする。
【0069】
図16に移動開始直後の多色粒子に働く力のモデル図を示す。
多色粒子が球形の場合、質量mの重心Gは中心部になる。正電荷が下半球の表面近傍に偏って存在している場合、下半球側の内部に仮想的な点電荷Qが存在していると仮定できる。外部電界により点電荷Qにクーロン力が働き、上方へと移動し始める。クーロン力が粒子の重心Gを通る場合には、粒子の向きはそのままで移動してしまうが、実際には隣接する多色粒子との静電反発力や、着色部分A3上での電荷分布の不均一性などにより、重心Gの移動方向と実効的なクーロン力Fの向きに差が生じ回転モーメントが発生し、多色粒子の向きが反転しようとする。このとき、表示媒体の内部空間には多色粒子305が回転して移動できる空間として気体306が充填されているため、粒子の回転および移動が滑らかに行われる。図15(c)は、正電荷を帯びた着色部分A3側から導電層302に到達した状態を示す。
【0070】
ここで、導電層302と正帯電粒子間の電荷授受の可能性については、正電荷を帯びた粒子は正電荷を失ったり(導電層への正孔注入)する可能性はあるものの、導電層302から電子を受け取る機能がないため極性が負に反転することなく、移動が完結する。付言すると、着色部分B3は正孔受容能が極めて小さいため、多色粒子305全体が正電荷を帯びることは無く、回転モーメントの発生を阻害することはない。
【0071】
図15(c)の状態を表示媒体の上方(導電層302の外側)から眺めると左半分は着色部分B3の色が、右半分は着色部分A3の色が望める。以上が、前記本発明の第三の1の画像表示媒体による画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり繰り返し使用ができる。
【0072】
前記本発明の第三の2の画像表示媒体においては、多色粒子を回転および移動させることができる気体306の存在により円滑に移動するものであるが、多色粒子が流動性を有していると、粒子の回転・移動がさらに滑らかになり、応答速度の速い表示が可能となる。
【0073】
前記本発明の第三の3の画像表示媒体においては、多色粒子に加えて流動性を付与しうる外添粒子を添加することにより、外添粒子が多色粒子に作用して、前記第三の2の発明の効果をさらに増長させることができる。図16は、外添粒子307が、多色粒子305に作用して流動効果を発現させる概念図である。
【0074】
前記本発明の第三の4の画像表示媒体においては、二つの導電層間にスペーサ材を配備しているため、画像表示媒体に外力が加わっても適切な導電層間隔を維持できるため、表示ムラや欠陥のない適切な表示媒体が提供される。
【0075】
前記本発明の第三の4の画像表示媒体においては、二つの導電層間に挟まれた空間を区画部材により分割することにより、粒子の偏りを生ずることがなく、画像濃度ムラの発生しない高品質の表示媒体が提供される。
【0076】
さらに本発明によれば、第四(請求項4の発明で便宜上「第四の1」とする)に、所望の間隔を設けて配備された少なくとも電気的整流極性が同じでありかつ一方乃至両方が光透過性である二つの整流性層と、それに挟まれた空間に、少なくとも着色部分Aとそれと色の異なる着色部分Bを有し、かつ該着色部分Aが該整流性層から電荷を受容し該着色部分Bが該整流性層と実質的に電荷の授受を行わないものである多色粒子、および該多色粒子を回転および移動させることができる気体からなることを特徴とする画像表示媒体が提供される。
【0077】
この第四の1の発明の実施の態様としては、下記第四の2〜第四の9の発明があげられる。
【0078】
(第四の2の発明)
多色粒子が流動性を有することを特徴とする前記第四の1に記載の画像表示媒体。
【0079】
(第四の3の発明)
多色粒子に流動性を付与する外添粒子を含有してなることを特徴とする前記第四の1又は2に記載の画像表示媒体。
【0080】
(第四の4の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層間にスペーサ材を配備してなることを特徴とする前記第四の1〜3のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0081】
(第四の5の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層間に挟まれた空間を区画部材により分割されてなること特徴とする前記第四の1〜4のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0082】
(第四の6の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層の一方に外接する導電層を有してなることを特徴とする前記第四の1〜5のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0083】
(第四の7の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層に外接する導電層を有してなり、かつ該導電層の少なくとも一方が光透過性であってかつ光透過性の整流性層に外接して配備されていることを特徴とする前記第四の1〜6のいずれかに記載の画像表示媒体。
【0084】
(第四の8の発明)
電気的整流性を有する二つの整流性層のうち少なくとも一層の外側から電極を接触ないしは荷電物質を付与することにより、該整流性層を介して多色粒子の着色部分A4に電荷を付与せしめ、外部電界により該多色粒子を回転および移動させることを特徴とする前記第四の1〜7のいずれかに記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0085】
(第四の9の発明)
二つの整流性層を挟持する二つの電極間に電圧を印加することで、該整流性層を介して多色粒子の着色部分A4に電荷を付与せしめ、外部電界により該多色粒子を回転および移動させることを特徴とする前記第四の7に記載の画像表示媒体を用いた画像表示方法。
【0086】
前記本発明の第四の1の画像表示媒体による画像表示の動作原理は、以下の通りである。図21に、本発明の第四の1項記載の表示媒体の一例を示す断面図である。401と402は電気的整流極性が同じである二つの整流性層を示すが、一方乃至両方が光透過性であり、内部に、403で表わされる着色部分A4と着色部分A4とは別色の着色部分B4を有する多色粒子405、および該多色粒子405を回転および移動させることができる気体406からなる部分を有している。ここで、整流性層402が透光性の場合、402の上方よりこの表示媒体をみると、着色部分B4の色が見える。
【0087】
一方、図22は図21の表示媒体を実際に駆動して画像表示する際の作動機構の一例を示す断面図である。この例示においては、整流性層401と402はいずれも正孔導電性が電子導電性よりも優れており、着色部分A4は整流性層401乃至402から正孔を受け取る機能を有するが、着色部分B4は正孔を受け取る能力がないかそうでなければあったとしても非常に弱いものである。
【0088】
図22(a)では表示媒体右半分の各整流性層に、外部から適当な手段で負電荷と正電荷を付与すると、正電荷は整流性層401を介して整流性層から電荷を受け取る能力のある着色部分A4に移動する。このようにして、着色部分A4に正電荷を帯びた多色粒子405は図22(b)に示すように外部電界に沿って上方に移動すると同時に回転しようとする。
【0089】
図23に移動開始直後の多色粒子に働く力のモデル図を示す。
多色粒子が球形の場合、質量mの重心Gは中心部になる。正電荷が下半球の着色部分A4にのみに存在しているので、粒子全体としての電荷は、下半球側の内部に仮想的な点電荷Qが存在していると仮定できる。外部電界により点電荷Qにクーロン力が働き、上方へと移動し始める。クーロン力が粒子の重心Gを通る場合には、粒子の向きはそのままで移動してしまうが、実際には隣接する多色粒子の正電荷との静電反発力や、着色部分A4内での電荷分布の不均一性などにより、重心Gの移動方向と実効的なクーロン力Fの向きに差が生じ回転モーメントが発生し、多色粒子の向きが反転しようとする。このとき、表示媒体の内部空間には多色粒子405が回転して移動できる空間として気体406が充填されているため、粒子の回転および移動が滑らかに行われる。図22(c)は、正電荷を帯びた着色部分A4側から整流性層402に到達した状態を示す。
【0090】
ここで、整流性層402は電子導電性が小さいため、正帯電した部分に負電荷を受け渡すことができない。従って、正電荷を帯びた着色部分A4は、電荷を失ったり極性が負になったりすることなく、移動が完結する。付言すると、着色部分B4は正孔受容能が極めて小さいため、多色粒子全体が正電荷を帯びることは無く、回転モーメントの発生を阻害することはない。
【0091】
図22(c)の状態を表示媒体の上方(整流性層402の外側)から眺めると左半分は着色部分B4の色が、右半分は着色部分A4の色が望める。以上が、前記本発明の第四の1に記載の画像表示媒体による画像表示の基本動作原理であるが、この表示様式は可逆であり繰り返し使用ができる。
【0092】
前記本発明の第四の2に記載の画像表示媒体においては、多色粒子が回転および移動させることができる気体406の存在により円滑に回転移動するものであるが、多色粒子が流動性を有していると、粒子の回転や移動がさらに滑らかになり、応答速度の速い表示が可能となる。
【0093】
前記本発明の第四の3に記載の画像表示媒体においては、多色粒子に流動性を付与しうる外添粒子を添加することにより、外添粒子が多色粒子間や多色粒子と整流性層間に作用して、前記第四の2の発明の効果をさらに増長させることができる。図24は、外添粒子407が、多色粒子間や整流性層との間に作用して流動効果を発現させる概念図である。この時、外添粒子が整流性層401から着色部分A4への電荷注入を阻害しない程度の密度で付着していることが好ましい。
【0094】
前記本発明の第四の4に記載の画像表示媒体においては、電気的整流性を有する二つの整流性層間にスペーサ材を配備しているため、画像表示媒体に外力が加わっても適切な整流性層間隔を維持できるため、表示ムラや欠陥のない適切な表示媒体が提供される。
【0095】
前記本発明の第四の5の画像表示媒体においては、電気的整流性を有する二つの整流性層間に挟まれた空間を区画部材により分割することにより、多色粒子の偏りを生ずることがなく、画像濃度ムラの発生しない高品質の表示媒体が提供される。
【0096】
前記本発明の第四の6の画像表示媒体においては、片側に電極を有する構成をとっているため、簡便な手段で表示を行わせることができる画像表示媒体が提供される。
【0097】
前記本発明の第四の7の画像表示媒体においては、両側に電極を有する構成をとっているため、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくできる画像表示媒体が提供される。
【0098】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の第一の1の実施の形態を図1に基づき説明する。図1において101および102は導電層で少なくとも一方は光透過性である。導電層としては、Al、Ag、Ni、Cu等の金属やITO、SnO、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒あるいは合成樹脂バインダに混合して塗布したものが用いられる。
【0099】
導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。
【0100】
導電層は自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合もあるし、図示しない自己保持機能を有する基体上に導電層が設けられている場合もあり、いずれの場合も好適に使用できる。また、導電層101、102は、異方導電性を示す層であってもよいし、厚さ方向に導電性部分が貫通したパターン状ないしドット状のセグメントを有する層であってもよい。
【0101】
いずれにおいても導電層101、102の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層を介して正孔または電子受容機能を有する着色粒子へは確実に電荷が注入できる。表示を行うには導電性層102への電荷注入手段を用意すればよいので、簡便である。
【0102】
図1において、103は導電層から正孔または電子を受容する着色粒子A1で、非透明でかつ導電層から電荷を受け取り、正または負極性の電荷を帯びる性質を有するものである。このような機能を有する粒子103は、複数の材料の複合体で実現できる。最も単純な例として、少なくともバインダー樹脂に着色成分と必要に応じて導電層から正孔または電子を受容可能な成分を分散乃至混合した粒子があげられる。
【0103】
バインダー樹脂としては公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が全て使用できるが、とりわけ非粘着材系材料が好ましく使用できる。このような樹脂の端的な例として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体などを例示することができる。
【0104】
また、着色成分としては、公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0105】
また、本発明のトナーに用いられる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染料および顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。
【0106】
着色粒子A1に使用できる着色成分量は、バインダー樹脂100重量部に対して着色剤0.1重量部〜300重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0107】
一方、必要に応じて使用される導電層から正孔または電子を受容可能とする成分としては、公知の電子供与性物質(いわゆるエレクトロンドナー物質)または公知の電子受容性物質(いわゆるエレクトロンアクセプター物質)があげられ、本発明に使用することができる。
【0108】
しかしながら、電子供与性物質については電子供与能が強すぎると酸化分解を受け、電子供与能が弱すぎると導電層から正孔注入を生じなくなるという不具合を生じ、また、電子受容性物質については電子受容能が強すぎると還元分解を受け、電子受容能が弱すぎると導電層から電子注入を生じなくなるという不具合を生ずる。
【0109】
従って、導電層から正孔または電子を受容可能とする成分としては適切な材料選択が必要となるが、本発明に好適に用いられる正孔受容性物質、電子受容性物質としては、電子写真用機能分離型有機感光体の電荷輸送層に使用される正孔輸送材料や電子輸送材料、さらに有機電界発光(EL)素子に使用される正孔注入材料、正孔輸送材料、電子注入材料、電子輸送材料等に代表される公知の材料があげられ使用される。
【0110】
本発明の着色粒子A1には、原則として正孔受容性物質または電子受容性物質の一方を含有させることが望ましいが、正孔受容能(電子受容能)が電子受容能(正孔受容能)より優勢である材料の組み合わせにおいては、両者を同時に含有させることも可能である。本発明の着色粒子A1に使用される正孔受容性物質または電子受容性物質は、前記バインダー樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10000重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0111】
このように構成してなる着色粒子A1は、非透明でかつ導電層から正孔乃至電子を受け取り、正または負極性の電荷を帯びる性質を有することができる。着色粒子A1の作製方法は、電子写真用トナー粒子等の公知の作製法が適用できる。すなわち、上にあげた必要な材料を混練・粉砕し、必要に応じて分級して所望の着色粒子A1を得ることができるし、また公知の分散重合法、懸濁重合法、エマルジョン重合法およびそれらを組み合わせた粒子作製法にて目的とする着色粒子A1を得ることができる。
【0112】
着色粒子A1の大きさは、平均粒径として0.1μm〜100μmが適当であり、好ましくは1μm〜20μmである。
【0113】
図1において104は導電層と実質的に電荷の授受を行わない着色粒子B1で、絶縁性粒子が好ましく使用される。着色粒子A1が濃色を呈する場合、着色粒子B1は淡色を呈することが好ましい。具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化珪素等の無機物質からなる粒子やダイアリーライドイエロー等の有機顔料、あるいは無機物質と樹脂の複合体からなる粒子等を用いることができる。
【0114】
着色粒子B1の大きさは、平均粒径として0.1μm〜100μmが適当であり、好ましくは1μm〜20μmである。
【0115】
図1において着色粒子A1、B1以外の空間は、着色粒子A1、B1を置き換えて移動させることができる気体105からなる部分で、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等の気体が充填されている。その量としては二つの導電層に挟まれた着色粒子A1およびB1が存在する領域において、概ね以下の範囲が望ましい。
0.3≦気体からなる部分の体積/(気体からなる部分+着色粒子A
およびBが占める体積)≦0.9
これより小さい場合には着色粒子A1、B1を置き換えて移動させることが困難となり、これより大きい場合には着色状態の視認性が著しく悪くなるため好ましくない。
【0116】
また、気体105の圧力は常圧あるいは減圧が望ましい。気体105の状態に経時的変化を生じせしめないためには、二つの導電層101、102に挟まれた着色粒子A1および着色粒子B1が存在する領域の周囲は封止部材により外部雰囲気から隔離されていることが好ましい。
【0117】
本発明の第一の2の実施の形態においては着色粒子A1または着色粒子B1のいずれか一方が磁性体を含有している。一般に磁性体は濃色に着色しているので、濃色を呈している方の粒子に含有させるのが好ましい。
【0118】
磁性体としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物やカルボニル鉄粉などをはじめとする公知の磁性体全般が挙げられる。
【0119】
これらの磁性体は、着色している場合が多いため、磁性体をもって粒子の着色剤単独として用いることができるし、磁性体の色とは異なる着色材と混合して用いることもできる。この場合、隠蔽力の優れた着色剤を使用して磁性体材料の色を隠蔽することが可能であるし、また、粒子の芯部に磁性体材料を用い殻部に色材を含ませた複層構造の粒子を作製し使用することも可能である。
【0120】
また、これらの磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、着色粒子中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。他の構成材料は前記第一の1の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0121】
本発明の第一の3の実施の形態においては着色粒子A1または着色粒子B1のいずれか一方ないしは両方が流動性を有している。ここで流動性を有するとは物性的には摩擦係数が小さく、かつ摩耗量が小さいことを指し、そのような物性を有するものとして、濃色を呈する二硫化モリブデン、白色を呈するフッ化炭素、六方晶窒化硼素等を挙げることができる。これらは単独の粒子として用いてもよいし、前記第一の1の発明の実施の形態で例示したような他の材料と複合化してもよい。流動性を有する着色粒子を用いることにより着色粒子A1、B1が置き換わるのに際しての抵抗が小さくなるため、移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。
他の構成材料は前記第一の1又は2の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0122】
本発明の第一の4の実施の形態を図3に基づき説明する。この図は着色粒子A1および着色粒子B1が存在する付近を拡大したものである。図3において106は第三の粒子Cであり、着色粒子A1および/または着色粒子B1の流動性を向上させる目的で、外添加剤として添加される。粒子Cとしては、疎水性のシリカ及び酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化スズ、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。粒子Cを添加することによりさらに移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。また、着色粒子A1および/または着色粒子B1自体の流動性が多少劣っていてもよいので、選択の自由度が増し、より表示のコントラストを向上させることができる。
他の構成材料は前記第一の1〜3の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0123】
本発明の第一の5の実施の形態を図4に基づき説明する。(a)は前記第一の1の発明の実施の形態と同様の構成によるもので、外力が加わった場合には、導電層101、102が変形し二つの導電層間隔が不均一になる可能性がある。間隔が変化すると導電層間の電界強度や着色粒子の移動し易さが変化するため、表示ムラが発生してしまう。(b)は本実施の形態によるもので、図において107はスペーサ材であり、外力に対して導電層101、102間隔を所望の距離に維持することができる。
【0124】
スペーサ材としては、直径あるいは高さが1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの球状粒子、円柱状粒子、不定形粒子を用いる。粒子としては、ジビニルベンゼンなどの架橋重合体や無機酸化物から成る液晶ディスプレイ用スペーサ材、粉体測定器校正用の標準粒子、電子写真用二成分現像剤のキャリヤ粒子、比較的粒径の大きな電子写真用トナーなどと同様な構成のものを用いることができる。
【0125】
これらのスペーサ粒子を着色粒子中に適量混合しておくことで、二つの導電層の間に適当な密度で配備することができる。スペーサ粒子を配備する密度は、導電層やその支持基体の剛性や二つの導電層間隔によって適宜決定されるが、単位面積当たりの個数が少なすぎるとスペーサとしての間隔保持機能が不充分になり、個数が多すぎると画像上に欠陥として現れ易くなる。
【0126】
また、スペーサ粒子が表示媒体内で移動してしまうことを防止するために、二つの導電層の少なくも一方に固着させることが好ましい。例えば、粒子表面に熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤などの接着層を設け、表示媒体作成後、適当な加圧および接着処理によってスペーサ粒子を導電層の表面に固着させることができる。あるいは、表示媒体の作成前に導電層の表面に接着層付きスペーサ粒子のみを均一に散布しておき、適当な接着処理により導電層の表面に固着させておくこともできる。
【0127】
スペーサ粒子の大きさは両導電層の所望の間隔と同じサイズに設定する。あるいは、所望の間隔よりも大きいサイズに設定しておき、加圧処理により導電層か粒子を塑性変形させて、所望の間隔に設定することもできる。
【0128】
スペーサ材107の他の形態として、フォトリソグラフィー法や印刷法を利用して、柱状や壁状の形状のものを配備することもできる。例えば、導電層上に1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの所望の厚さのフォトレジスト膜を作成し、パターン露光、現像工程を経て所望の形状および密度のスペーサを形成する。フォトレジスト膜としては、プリント配線板用のドライフィルムレジストを貼り付けたり、高粘度液状フォトレジストを塗布して厚膜レジストを形成することができる。また、スクリーン印刷法で導電層上に直接スペーサ材のパターンを形成することもできる。
【0129】
スペーサ材の色は特に限定されないが、画像表示上で欠陥として認識し難くするために、着色粒子と同様な色、あるいは、透明性に優れていることが好ましい。
【0130】
スペーサ材は無機質や樹脂による実質的な剛体でもゴム状の弾性体でも良く、画像表示媒体の特性や使用方法に応じて材質が決定される。例えば、外部からの圧力による二つの導電層の間隔変化を防止する場合には剛体を、圧力を利用して二層間隔を変化させて、表示特性の変化を積極的に利用する場合には弾性体を使用することもできる。
他の構成材料は前記第一の1〜4の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0131】
本発明の第一の6の実施の形態を図5に基づき説明する。(a)は前記第一の1の発明の実施の形態と同様の構成によるもので、表示媒体を地面に対して垂直に近い状態で保持した場合を示している。初期の状態では導電層101または102と着色粒子の間の拘束力は弱いので重力方向への着色粒子の移動が起こり、空間的偏りが生じるために表示ムラが発生する場合がある。(b)は本実施の形態によるもので、図において108は区画部材で、ドライフィルムレジスト、感光性ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等からなり、1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの厚さに形成される。
【0132】
これらは上記材料を導電層101の上に被着形成してフォトリソエッチングする、またはスクリーン印刷等によって所要パターン状に被着形成する、もしくはシート状物にパンチ、レーザー等の手段で所要の透孔を多数設けたものを導電層101の上に一体的に形成する等の手段によって作製することができる。
【0133】
このような区画部材を設けることにより、重力方向への着色粒子の移動を実質問題とならないレベルに抑えることができるので、表示の均一性が向上する。
他の構成材料は前記第一の1〜5の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0134】
続いて、本発明の画像表示方法について説明する。
本発明の第一の7の実施の形態を図1を用いて説明する。表示媒体は第一の1〜6の発明の実施の形態と同様のものを用いることができる。ここでは、着色粒子A1が正電荷を帯びる場合、つまり正孔受容性が電子受容性より優勢である場合について説明する。本実施形態においては、導電層102は異方導電性を有する層あるいは導電性部分が膜厚方向にドット状にパターニング化されている構成をとる。まず、全面で着色粒子A1が下にある状態(上からは全面着色粒子B1の色が視認できる)で、導電層102の上の任意の箇所に所望の断面形状を有する電極棒を押し当て、電極棒の電位を導電層101に対して負にするとその箇所のみ着色粒子A1が上に移動し、着色粒子B1と入れ替わる。こうして着色粒子A1の色で電極棒の断面形状に類似の画像が表示できる。電極棒の電位を導電層101に対して正にすれば画像が消去できる。電極棒の代わりに任意の開口形状を有するイオンフローヘッドを近接させ、負電荷を照射することによっても同様に画像の表示ができる。正電荷の照射を行えば画像が消去できる。また、静電潜像が形成された感光体を、導電層102に接触させることによっても画像の表示が可能である。
【0135】
本発明の第一の8の実施の形態を図6に基づき説明する。表示媒体は第一の1〜6の発明の実施の形態と同様のものを用いる。ここでも、着色粒子A1が正電荷を帯びる場合、つまり正孔受容性が電子受容性より優勢である場合について説明する。図6においては、支持体109に接して設けられた導電層110aおよび110bは互いに直交する方向にストライプ状にパターニングされている。まず全面で着色粒子A1が下にある状態(上からは全面着色粒子B1の色が視認できる)で、導電層110aの各ラインに正電圧(選択)または負電圧(非選択)を順次印加する。導電層110bの各ラインには負電圧(オン信号)または正電圧(オフ信号)を同時に印加し、上記導電層110aのラインの走査のタイミングに合わせて信号をスイッチングする。こうして、マトリックス中の選択−オン信号が印加されたドット部分のみが着色粒子A1が上に移動し、着色粒子B1と入れ替わる。こうして着色粒子A1の色でドットパターンの集合からなる任意の画像が表示できる。逆の符号の信号を印加すれば画像が消去できる。また、導電層110bがセグメント状にパターニングされたものを点順次に駆動することによって、選択されたセグメントの集合体として画像を表示することも可能である。いずれにおいてもパターニングされた導電層から着色粒子A1への電荷の注入効率が高く、低電圧駆動が可能となる。
【0136】
本発明の第一の9の実施の形態を図1および図6に基づき説明する。ここで着色粒子A1は磁性体を含有するものとする。画像の表示は第一の8の発明の実施の形態と同様にして行うことができるが、表示媒体のどちらか一方の側に磁気ペンや磁気ヘッドのような磁界を発生できる手段を近接させることにより、任意の箇所の着色粒子A1を移動させることができるので、電圧の作用によって表示された画像とは別の画像を重ねて表示することができる。さらには、初期の状態において着色粒子A1を整列させておきたい側に磁界を発生できる手段を近接させることによって、導電層と着色粒子A1の接触がより確実になり、電荷注入効率が向上するので着色粒子A1が確実に移動し、表示のコントラスト比が向上する。
【0137】
次に、本発明の第二の1の実施の形態を図7に基づき説明する。図7において201および202は整流性層で少なくとも一方は光透過性である。ここで整流性を有すると言うことは、ある物質において正孔と電子の導電性が異なることを意味する。さらに正孔(電子)の導電性は、その物質中の正孔(電子)の数と正孔(電子)の移動度の積に正比例する。従って正孔(電子)の導電性は、正孔(電子)の移動度だけでなく、その物質中の正孔(電子)の数も重要な因子であることが自明である。ここで言うある物質中の正孔(電子)の数は、熱的に生ずるものだけでなく外部から注入される正孔(電子)の数も含んだものである。
【0138】
このような機能を有する有する整流性層201、202の例としては、半導体乃至絶縁性物質があげられ、好適に用いられる。具体的な半導体の代表例としては、リンやホウ素等をドープしたシリコンやカーボンがあげられ、結晶質、非晶質状態で使用することができる。また、絶縁性物質の例としては、電子写真用機能分離型有機感光体の電荷輸送層に使用される正孔輸送材料や電子輸送材料、さらに有機電界発光(EL)素子に使用される正孔注入材料、正孔輸送材料、電子注入材料、電子輸送材料があげられ使用される。
【0139】
以上の材料を用いて整流性層201、202を形成するには、加熱溶融状態から固体にする過程で形成する方法、真空薄膜形成法により形成する方法、溶媒に溶解乃至分散した液体から溶媒を除去して形成するキャスト法など公知の方法が用いられる。また、以上の材料と適当なバインダー樹脂を溶媒に溶解乃至分散させた液体を用いてキャスト法、HIP法、CIP法等の公知の形成法も有用である。とりわけ、上述した有機正孔注入材料、正孔輸送材料、電子注入材料、電子輸送材料を適切なバインダー樹脂とともに使用して形成した固溶体は、分子分散高分子と称され、本発明の整流性層201、202として好適に使用することができる。
【0140】
図7に示される整流性層201、202は、それ自体で自立する程度の厚さならびに強度が必要であるが、この層が作動・機能する際は図8に示されるように電荷搬送する過程が存在する故に厚すぎる場合は表示媒体の応答に支障をきたすことがある。従って図7、8に示される整流性層201、202の厚さは、1μm〜1cmが適当であり、好ましくは5μm〜5mmである。一方、本発明の第二の7又は8の画像表示媒体においては、一方乃至両方の整流性層に外接する導電層が設けられる。この導電層が自立できる程度の強度を有していたりあるいは適当な支持体上に設けられている場合には、整流性層は必ずしも自立できる程度の強度を有する必要はないため、整流性層の厚さは、0.001μm〜1cmが適当であり、好ましくは0.05μm〜5mmである。
【0141】
本発明における二つの整流性層で挟まれる空間の厚さは、1μm〜1cmが適当であり、好ましくは5μm〜5mmである。
【0142】
さて、図7に戻って、203は整流性層から電荷を受容する着色粒子A2で、非透明でかつ整流性層から電荷を受け取り、正または負の極性の電荷を帯びる性質を有するものである。このような機能を有する粒子203は、複数の材料の複合体で実現できる。最も単純な例として、少なくともバインダー樹脂に着色成分と必要に応じて整流性層から電荷を受容可能な成分を分散乃至混合した粒子があげられる。
【0143】
バインダー樹脂としては公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が全て使用できるが、とりわけ非粘着材系材料が好ましく使用できる。このような樹脂の端的な例として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体などを例示することができる。
【0144】
また、着色成分としては、公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0145】
本発明のトナーに用いられる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染料および顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。
【0146】
着色粒子A2に使用できる量は、バインダー樹脂100重量部に対して着色剤0.1重量部〜300重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0147】
少なくとも上述のバインダー樹脂と着色成分からなる着色粒子A2が整流性層から電荷を受け取る機能を具備させる手段として次の二つの方法があげられる。
【0148】
第1の方法は、着色粒子A2を低抵抗化する方法であり、着色粒子A2に低抵抗材料を混入することで達成できる。低抵抗材料としては、後述する磁性材料、カーボンブラック、金属微粉末、金属酸化物微粉末などの導電性を有する公知の材料全般が使用できる。これらの低抵抗材料は、着色粒子A2に混合・混入して使用してもよいし、また、着色粒子A2の表面に吸着させて用いることもできる。このような導電性を有する材料の使用量は一義的に規定することが不可能であり、むしろ、着色粒子A2の抵抗値で規定する方が実際的である。粉体の抵抗値の測定法は、電子写真用トナーの抵抗測定法に準じた方法で測定できる。この測定法によれば、粒子A2の体積抵抗率が104〜1010Ωcm、より好ましくは106〜109Ωcmであると、良好な画像形成に必要な電荷を整流性層から受け取ることができる。
【0149】
第2の方法としては、着色粒子A2に正孔受容性物質または電子受容性物質を混入することで達成される。このような正孔受容性物質としては上述した正孔注入材料や正孔輸送材料が、また電子受容性材料としては上述の電子注入材料や電子輸送材料があげられ、好ましく使用される。ただし、整流性層が正孔導電性である場合は着色粒子A2に正孔受容性物質を、また整流性層が電子導電性である場合は粒子A2に電子受容性物質を使用することが必要かつ肝要である。着色粒子A2に使用される正孔受容性物質または電子受容性物質は、前記バインダー樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10000重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0150】
このように構成してなる着色粒子A2は、上述の2系統、いずれの構成の場合であっても、非透明でかつ整流性層から電荷を受け取り、正または負の極性の電荷を帯びる性質を有することができる。
【0151】
着色粒子A2の作製方法は、電子写真用トナー粒子等の公知の作製法が適用できる。すなわち、上にあげた必要な材料を混練・粉砕し、必要に応じて分級して所望の着色粒子A2を得ることができるし、また公知の分散重合法、懸濁重合法、エマルジョン重合法およびそれらを組み合わせた粒子作製法にて目的とする着色粒子A2を得ることができる。着色粒子A2の大きさは、平均粒径として0.1μm〜100μmが適当であり、好ましくは1μm〜20μmである。
【0152】
図7において204は整流性層と実質的に電荷の授受を行わない着色粒子B2で、絶縁性粒子が好ましく使用される。着色粒子A2が濃色を呈する場合、着色粒子B2は淡色を呈することが好ましい。具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化珪素等の無機物質からなる粒子やダイアリーライドイエロー等の有機顔料、あるいは無機物質と樹脂の複合体からなる粒子等を用いることができる。その大きさは、平均粒径として0.1μm〜100μmが適当であり、好ましくは1μm〜20μmである。
【0153】
また、図7において着色粒子A2、B2以外の空間は、着色粒子A2、B2を置き換えて移動させることができる気体205からなる部分で、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等の気体が充填されている。その量としては二つの整流性層に挟まれた着色粒子A2およびB2が存在する領域において、概ね以下の範囲が望ましい。
0.3≦気体からなる部分の体積/(気体からなる部分+着色粒子A2
およびB2が占める体積)≦0.9
これより小さい場合には着色粒子A2、B2を置き換えて移動させることが困難となり、これより大きい場合には着色状態の視認性が著しく悪くなるため好ましくない。また、気体の圧力は常圧あるいは減圧が望ましい。気体の状態に経時的変化を生じせしめないためには、二つの整流性層に挟まれた着色粒子A2およびB2が存在する領域の周囲は封止部材により外部雰囲気から隔離されていることが好ましい。
【0154】
本発明の第二の2の実施の形態においては着色粒子A2または着色粒子B2のいずれか一方が磁性体を含有している。一般に磁性体は濃色に着色しているので、濃色を呈している方の粒子に含有させるのが好ましい。
【0155】
磁性体としてはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄、鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれら金属のアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属の合金およびその混合物やカルボニル鉄粉などをはじめとする公知の磁性体全般が挙げられる。
【0156】
これらの磁性体は、着色している場合が多いため、磁性体をもって粒子の着色剤単独として用いることができるし、磁性体の色とは異なる着色材と混合して用いることもできる。この場合、隠蔽力の優れた着色剤を使用して磁性体材料の色を隠蔽することが可能であるし、また、粒子の芯部に磁性体材料を殻部に色材を含ませた複層構造の粒子を作製し使用することも可能である。
【0157】
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、着色粒子中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約20〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し40〜150重量部である。
他の構成材料は前記第二の1の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0158】
本発明の第三の3の実施の形態においては着色粒子A2またはB2のいずれか一方ないしは両方が流動性を有している。ここで流動性を有するとは物性的には摩擦係数が小さく、かつ摩耗量が小さいことを指し、そのような物性を有するものとして、濃色を呈する二硫化モリブデン、白色を呈するフッ化炭素、六方晶窒化硼素等を挙げることができる。これらは単独の粒子として用いてもよいし、前記第二の1の発明の実施の形態で例示したような他の材料と複合化してもよい。流動性を有する着色粒子を用いることにより着色粒子A2、B2が置き換わるのに際しての抵抗が小さくなるため、移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。
他の構成材料は前記第二の1乃至2の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0159】
本発明の第二の4の実施の形態を図9に基づき説明する。この図は着色粒子A2およびB2が存在する付近を拡大したものである。図において206は第三の粒子Cであり、着色粒子A2および/または着色粒子B2の流動性を向上させる目的で、外添加剤として添加される。粒子Cとしては、疎水性のシリカ及び酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化スズ、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。粒子Cを添加することによりさらに移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。また、着色粒子A2および/または着色粒子B2自体の流動性が多少劣っていてもよいので、選択の自由度が増し、より表示のコントラストを向上させることができる。
他の構成材料は前記第二の1又は2の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0160】
本発明の第二の5の実施の形態を図10に基づき説明する。(a)は前記第二の1の発明の実施の形態と同様の構成によるもので、外力が加わった場合には、整流性層が変形し二つの整流性層201、202間隔が不均一になる可能性がある。間隔が変化すると整流性層間の電界強度や着色粒子の移動し易さが変化するため、表示ムラが発生してしまう。(b)は本実施の形態によるもので、図において207はスペーサ材であり、外力に対して整流性層間隔を所望の距離に維持することができる。
【0161】
スペーサ材としては、直径あるいは高さが1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの球状粒子、円柱状粒子、不定形粒子を用いる。粒子としては、ジビニルベンゼンなどの架橋重合体や無機酸化物から成る液晶ディスプレイ用スペーサ材、粉体測定器校正用の標準粒子、電子写真用二成分現像剤のキャリヤ粒子、比較的粒径の大きな電子写真用トナーなどと同様な構成のものを用いることができる。
【0162】
これらのスペーサ粒子を着色粒子中に適量混合しておくことで、整流性層の間に適当な密度で配備することができる。
スペーサ粒子を配備する密度は、整流性層やその支持基体の剛性や二つの整流性層間隔によって適宜決定されるが、単位面積当たりの個数が少なすぎるとスペーサとしての間隔保持機能が不充分になり、個数が多すぎると画像上に欠陥として現れ易くなる。
【0163】
また、スペーサ粒子が媒体内で移動してしまうことを防止するために、二つの整流性層201、202の少なくも一方に固着させることが好ましい。例えば、粒子表面に熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤などの接着層を設け、表示媒体作成後、適当な加圧および接着処理によってスペーサ粒子を整流性層の表面に固着させることができる。あるいは、表示媒体の作成前に整流性層の表面に接着層付きスペーサ粒子のみを均一に散布しておき、適当な接着処理により整流性層の表面に固着させておくこともできる。
【0164】
スペーサ粒子の大きさは両整流性層の所望の間隔と同じサイズに設定する。あるいは、所望の間隔よりも大きいサイズに設定しておき、加圧処理により整流性層か粒子を塑性変形させて、所望の間隔に設定することもできる。
【0165】
スペーサ材207の他の形態として、フォトリソグラフィー法や印刷法を利用して、柱状や壁状の形状のものを配備することもできる。例えば、整流性層上に1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの所望の厚さのフォトレジスト膜を作成し、パターン露光、現像工程を経て所望の形状および密度のスペーサを形成する。フォトレジスト膜としては、プリント配線板用のドライフィルムレジストを貼り付けたり、高粘度液状フォトレジストを塗布して厚膜レジストを形成することができる。また、スクリーン印刷法で整流性層上に直接スペーサ材のパターンを形成することもできる。
【0166】
スペーサ材207の色は特に限定されないが、画像表示上で欠陥として認識し難くするために、着色粒子と同様な色、あるいは、透明性に優れていることが好ましい。
スペーサ材207は無機質や樹脂による実質的な剛体でもゴム状の弾性体でも良く、画像表示媒体の特性や使用方法に応じて材質が決定される。例えば、外部からの圧力による二つの整流性層の間隔変化を防止する場合には剛体を、圧力を利用して二層間隔を変化させて、表示特性の変化を積極的に利用する場合には弾性体を使用することもできる。
他の構成材料は前記第二の1の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0167】
本発明の第二の6の実施の形態を図11に基づき説明する。(a)は前記第二の1の発明の実施の形態と同様の構成によるもので、表示媒体を地面に対して垂直に近い状態で保持した場合を示している。初期の状態では整流性層201または202と着色粒子の間の拘束力は弱いので重力方向への着色粒子A1、B2の移動が起こり、空間的偏りが生じるために表示ムラが発生する場合がある。(b)は本実施の形態によるもので、図において208は区画部材で、ドライフィルムレジスト、感光性ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等からなり、1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの厚さに形成される。
【0168】
これらは上記材料を整流性層201の上に被着形成してフォトリソエッチングする、またはスクリーン印刷等によって所要パターン状に被着形成する、もしくはシート状物にパンチ、レーザー等の手段で所要の透孔を多数設けたものを整流性層201の上に一体的に形成する等の手段によって作製することができる。
【0169】
このような区画部材208を設けることにより、重力方向への着色粒子の移動を実質問題とならないレベルに抑えることができるので、表示の均一性が向上する。
【0170】
他の構成材料は第二の1〜4の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。本発明の第二の7の実施の形態を図12に基づき説明する。図において209は導電層で、Al、Ag、Ni、Cu等の金属やITO、SnO2、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒あるいは合成樹脂バインダに混合して塗布したものが用いられる。
【0171】
導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。
【0172】
導電層209自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合や図示しない自己保持機能を有する基体上に導電層209が設けられている場合には、導電層209の上に整流性層201を形成することができるので、整流性層201はその機能を損なわない程度に薄くすることができる。いずれにおいても導電層209の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層209から整流性層201へは確実に電荷が注入できる。表示を行うには導電性層202への電荷注入手段を用意すればよいので、簡便である。
他の構成材料は前記第二の1〜6の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0173】
本発明の第二の8の実施の形態を図13に基づき説明する。図において209、210は導電層で、第二の第7の発明実施の形態と同様のものを使用することができる。この場合も導電層209または導電層210自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合や導電層209または導電層210が図示しない自己保持機能を有する基体上に設けられている場合には、導電層209または導電層210の上に整流性層201または整流性層202を形成することができるので、整流性層201または整流性層202はその機能を損なわない程度に薄くすることができる。この場合、少なくとも表示画像を視認する側の整流性層およびそれに外接する導電層並びに図示しない基体は光透過性を有することが必要である。
【0174】
画像を表示するためには導電層209、210のいずれか一方はドット状、セグメント状またはストライプ状にパターニングする必要がある。この場合、導電層209および210から整流性層201および202に確実に電荷が注入できることに加え、各画素がパターニングされた導電層で規定されているので、画素内および画素ごとの表示ムラを減少できる。
他の構成材料は前記第二の1〜6の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0175】
続いて、次に本発明の画像表示方法について説明する。
本発明の第二の9の実施の形態を図12に基づき説明する。表示媒体は前記第二の7の発明の実施の形態と同様のものを用いる。ここでは整流性層201および202は正孔導電性が電子導電性よりも優れているものである場合について説明する。まず全面で着色粒子A2が下にある状態(上からは全面着色粒子B2の色が視認できる)で、整流性層202の上の任意の箇所に所望の断面形状を有する電極棒を押し当て、電極棒の電位を導電層209に対して負にするとその箇所のみ着色粒子A2が上に移動し、着色粒子B2と入れ替わる。こうして着色粒子A2の色で電極棒の断面形状に類似の画像が表示できる。電極棒の電位を導電層209に対して正にすれば画像が消去できる。
【0176】
電極棒の代わりに任意の開口形状を有するイオンフローヘッドを近接させ、負電荷を照射することによっても同様に画像の表示ができる。正電荷の照射を行えば画像が消去できる。また、静電潜像が形成された感光体を整流性層202に接触させることによっても画像の表示が可能である。
【0177】
上記のいずれの方法においても、表示媒体が図13に示すような導電層210を有し、それがドット状にパターニングされたものを用いることも可能である。さらには、表示媒体が図7に示すような導電層を有しない場合であっても図12の導電層の代わりに電極板等を外から密着させても同様の作用が期待できる。
【0178】
本発明の第二の10の実施の形態を図13に基づき説明する。表示媒体は前記第二の8の発明の実施の形態と同様のものを用いる。ここでは整流性層201および202は正孔導電性が電子導電性よりも優れているものである場合について説明する。導電層209および210は互いに直交する方向にストライプ状にパターニングされている。まず全面で着色粒子A2が下にある状態(上からは全面着色粒子B2の色が視認できる)で、導電層209の各ラインに正電圧(選択)または負電圧(非選択)を順次印加する。導電層210の各ラインには負電圧(オン信号)または正電圧(オフ信号)を同時に印加し、上記導電層209のラインの走査のタイミングに合わせて信号をスイッチングする。こうして、マトリックス中の選択−オン信号が印加されたドット部分のみが着色粒子A2が上に移動し、着色粒子B2と入れ替わる。こうして着色粒子A2の色でドットパターンの集合からなる任意の画像が表示できる。逆の符号の信号を印加すれば画像が消去できる。また、導電層210がセグメント状にパターニングされたものを点順次に駆動することによって、選択されたセグメントの集合体として画像を表示することも可能である。いずれにおいてもパターニングされた導電層が整流性層に接着しているので、電荷の注入効率が高く、低電圧駆動が可能となる。
【0179】
本発明の第二の11の実施の形態を図12および図13に基づき説明する。ここで着色粒子A2は磁性体を含有するものとする。画像の表示は第二の10の発明の実施の形態と同様にして行うことができるが、表示媒体のどちらか一方の側に磁気ペンや磁気ヘッドのような磁界を発生できる手段を近接させることにより、任意の箇所の着色粒子A2を移動させることができるので、電圧の作用によって表示された画像とは別の画像を重ねて表示することができる。さらには、初期の状態において着色粒子A2を整列させておきたい側に磁界を発生できる手段を近接させることによって、整流性層と着色粒子A2の接触がより確実になり、電荷注入効率が向上するので着色粒子A2が確実に移動し、表示のコントラスト比が向上する。
【0180】
次に、本発明の第三の1の実施の形態を図14に基づき説明する。図14において301および302は導電層で少なくとも一方は光透過性である。導電層301、302としてはAl、Ag、Ni、Cu等の金属やITO、SnO2、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒あるいは合成樹脂バインダに混合して塗布したものが用いられる。
【0181】
導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。
【0182】
導電層301、302は自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合もあるし、図示しない自己保持機能を有する基体上に導電層が設けられている場合もありいずれの場合も好適に使用できる。また、導電層301、302は、異方導電性を示す層であってもよいし、厚さ方向に導電性部分が貫通したパターン状ないしマルチドット状のセグメントを有する層であってもよい。
【0183】
いずれにおいても導電層301、302の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層を介して正孔または電子受容機能を有する多色粒子へは確実に電荷が注入できる。表示を行うには導電層302への電荷注入手段を用意すればよいので、簡便である。
【0184】
図14において、305は多色粒子であり、少なくとも二種類の性質の部分を有する。303は導電層から正孔または電子を受容する着色部分A3で、非透明でかつ導電層から正孔または電子を受け取り、正または負の極性の電荷を帯びる性質を有するものである。このような機能を有する着色部分A3は、複数の材料の複合体で実現できる。最も単純な例として、少なくともバインダー樹脂に着色成分と導電層から正孔または電子を受容可能な成分を分散乃至混合した着色層があげられる。
【0185】
バインダー樹脂としては公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が全て使用できるが、とりわけ非粘着材系材料が好ましく使用できる。このような樹脂の端的な例として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体などを例示することができる。
【0186】
また、着色成分としては、公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0187】
本発明の多色粒子305に用いられる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得ることが可能な染料および顔料が使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。
【0188】
着色部分A3に使用できる量は、バインダー樹脂100重量部に対して着色剤0.1重量部〜300重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0189】
必要に応じて使用される導電層から正孔または電子を受容可能な成分としては、公知の電子供与性物質(いわゆるエレクトロンドナー物質)または公知の電子受容性物質(いわゆるエレクトロンアクセプター物質)があげられ、本発明に使用することができる。ところが、電子供与性物質については電子供与能が強すぎると酸化分解を受け、電子供与能が弱すぎると導電層から正孔注入を生じなくなるという不具合を生じ、また、電子受容性物質については電子受容能が強すぎると還元分解を受け、電子受容能が弱すぎると導電層から電子注入を生じなくなるという不具合を生ずる。
【0190】
かくして、導電層から正孔または電子を受容可能な成分としては適切な材料選択が必要となるが、本発明に好適に用いられる正孔受容性物質、電子受容性物質としては、電子写真用機能分離型有機感光体の電荷輸送層に使用される正孔輸送材料や電子輸送材料、さらに有機電界発光(EL)素子に使用される正孔注入材料、正孔輸送材料、電子注入材料、電子輸送材料等に代表される公知の材料があげられ使用される。
【0191】
本発明の着色部分A3には、原則として正孔受容性物質または電子受容性物質の一方を含有させることが望ましいが、正孔受容能(電子受容能)が電子受容能(正孔受容能)より優勢である材料の組み合わせにおいては、両者を同時に含有させることも不可能ではない。
【0192】
本発明の着色部分A3に使用される正孔受容性物質または電子受容性物質は、前記バインダー樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10000重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0193】
このように構成してなる着色部分A3は、非透明でかつ導電層から正孔乃至電子を受け取り、正または負の極性の電荷を帯びる性質を有することができる。
【0194】
図14において304は導電層と実質的に電荷の授受を行わない着色部分B3で、絶縁性粒子が好ましく使用される。着色部分A3が濃色を呈する場合、着色部分B3は淡色を呈することが好ましい。具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化珪素等の無機物質からなる粒子やダイアリーライドイエロー等の有機顔料、あるいは無機物質と樹脂の複合体からなる粒子等を用いることができる。
【0195】
このような機能を有する多色粒子305は、複数の材料の複合体で実現できる。多色粒子305の作成法の例としては、着色部分B3からなる粒子を母体粒子として用い、その一部に着色部分A3を形成する部材を塗料にしたものを層状に塗布するなどして形成することができる。ここで、母体となる粒子として球状粒子を用いことが好ましい。この方法では、母体となる粒子の一部が埋没するように支持体上に並べて配置し、支持体上から塗料を塗布することで、表面から突出している部分にのみ塗布膜を形成させることができる。その後、基板を除去することで着色部分B3の一部に着色部分A3を形成した多色粒子が得られる。
【0196】
多色粒子305の他の構成例としては、着色部分A3を形成する膜状部材と着色部分B3を形成する膜状部材を張り合わせて、表と裏に着色部分A3とB3を有する複合シートを作成した後、所望のサイズに裁断あるいは粉砕することで、多色粒子を形成することができる。裁断あるいは粉砕後の複合粒子を丸め処理することで、球状の多色粒子とすることが好ましい。また、必要に応じて分級することで、所望のサイズの多色粒子を得ることができる。
【0197】
多色粒子305の大きさは、平均粒径として1μm〜1cmが適当であり、好ましくは10μm〜500μmである。
【0198】
図14において306は多色粒子を移動および回転させることができる気体からなる部分で、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等の気体が充填されている。その量としては二つの導電層に挟まれた多色粒子が存在する領域において、概ね以下の範囲が望ましい。
0.4<気体からなる部分の体積/(気体からなる部分+多色粒子が
占める体積)
これより小さい場合には多色粒子を移動および回転させることが困難となるため好ましくない。上限値は特に規定されないが、表示媒体の厚さや与える電荷量などによって適宜設定させる。また、気体の圧力は常圧あるいは減圧が望ましい。気体の状態に経時的変化を生じせしめないためには、二つの導電層に挟まれた多色粒子が存在する領域の周囲は封止部材により外部雰囲気から隔離されていることが好ましい。
【0199】
本発明の第三の2の実施の形態においては多色粒子305が流動性を有している。ここで流動性を有するとは物性的には摩擦係数が小さく、かつ摩耗量が小さいことを指し、そのような物性を有するものとして、濃色を呈する二硫化モリブデン、白色を呈するフッ化炭素、六方晶窒化硼素等を挙げることができる。これらの材料を着色部分A3あるい着色部分B3の表面近傍に含有させる。流動性を有する多色粒子を用いることにより多色粒子が回転および移動するのに際しての抵抗が小さくなるため、移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。
他の構成材料は第三の1の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0200】
本発明の第三の3の実施の形態を図17に基づき説明する。この図は多色粒子が存在する付近を拡大したものである。図において307は外添粒子で、多色粒子の流動性を向上させる目的で添加される。外添粒子としては、疎水性のシリカ及び酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化スズ、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。外添粒子を添加することによりさらに移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。また、多色粒子自体の流動性が多少劣っていてもよいので、選択の自由度が増し、より表示のコントラストを向上させることができる。
他の構成材料は前記第三の1又は2の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0201】
本発明の第三の4の実施の形態を図18に基づき説明する。(a)は前記第三の1の発明の実施の形態と同様の構成によるもので、外力が加わった場合には、導電層が変形し二つの導電層301、302間隔が不均一になる可能性がある。間隔が変化すると導電層間の電界強度や多色粒子の移動し易さが変化するため、表示ムラが発生してしまう。(b)は本実施の形態によるもので、図において308はスペーサ材であり、外力に対して導電層間隔を所望の距離に維持することができる。
【0202】
スペーサ材308としては、直径あるいは高さが1μmから1cm、より好ましくは5μmから5mmの球状粒子、円柱状粒子、不定形粒子を用いる。粒子としては、ジビニルベンゼンなどの架橋重合体や無機酸化物から成る液晶ディスプレイ用スペーサ材、粉体測定器校正用の標準粒子、電子写真用二成分現像剤のキャリヤ粒子、比較的粒径の大きな電子写真用トナーなどと同様な構成のものを用いることができる。これらのスペーサ粒子を多色粒子中に適量混合しておくことで、導電層の間に適当な密度で配備することができる。
【0203】
スペーサ粒子を配備する密度は、導電層やその支持基体の剛性や二つの導電層間隔によって適宜決定されるが、単位面積当たりの個数が少なすぎるとスペーサとしての間隔保持機能が不充分になり、個数が多すぎると画像上に欠陥として現れ易くなる。
【0204】
また、スペーサ粒子が媒体内で移動してしまうことを防止するために、二つの導電層301、302の少なくも一方に固着させることが好ましい。例えば、粒子表面に熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤などの接着層を設け、媒体作成後、適当な加圧および接着処理によってスペーサ粒子を導電層の表面に固着させることができる。あるいは、表示媒体の作成前に導電層の表面に接着層付きスペーサ粒子のみを均一に散布しておき、適当な接着処理により導電層の表面に固着させておくこともできる。
【0205】
スペーサ粒子の大きさは両導電層の所望の間隔と同じサイズに設定する。あるいは、所望の間隔よりも大きいサイズに設定しておき、加圧処理により導電層か粒子を塑性変形させて、所望の間隔に設定することもできる。
【0206】
スペーサ材308の他の形態として、フォトリソグラフィー法や印刷法を利用して、柱状や壁状の形状のものを配備することもできる。例えば、導電層上に1μmから1cm、より好ましくは5μmから5mm程度の所望の厚さのフォトレジスト膜を作成し、パターン露光、現像工程を経て所望の形状および密度のスペーサを形成する。フォトレジスト膜としては、プリント配線板用のドライフィルムレジストを貼り付けたり、高粘度液状フォトレジストを塗布して厚膜レジストを形成することができる。また、スクリーン印刷法で導電層上に直接スペーサ材のパターンを形成することもできる。
【0207】
スペーサ材308の色は特に限定されないが、画像表示上で欠陥として認識し難くするために、多色粒子305のいずれかの着色部分と同様な色、あるいは、透明性に優れていることが好ましい。
【0208】
スペーサ材308は無機質や樹脂による実質的な剛体でもゴム状の弾性体でも良く、画像表示媒体の特性や使用方法に応じて材質が決定される。例えば、外部からの圧力による二つの導電層の間隔変化を防止する場合には剛体を、圧力を利用して二層間隔を変化させて、表示特性の変化を積極的に利用する場合には弾性体を使用することもできる。
他の構成材料は第三の1〜3の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0209】
本発明の第三の5の実施の形態を図19に基づき説明する。(a)は前記第三の1の実施の形態と同様の構成によるもので、表示媒体を地面に対して垂直に近い状態で保持した場合を示している。初期の状態では導電層301または302と多色粒子305の間の拘束力は弱いので重力方向への多色粒子の移動が起こり、空間的偏りが生じるために表示ムラが発生する場合がある。(b)は本実施の形態によるもので、図において309は区画部材で、ドライフィルムレジスト、感光性ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等からなり、1μmから1cm、より好ましくは5μmから5mmの厚さに形成される。
【0210】
これらは上記材料を導電層301の上に被着形成してフォトリソエッチングする、またはスクリーン印刷等によって所要パターン状に被着形成する、もしくはシート状物にパンチ、レーザー等の手段で所要の透孔を多数設けたものを導電層301の上に一体的に形成する等の手段によって作製することができる。
【0211】
このような区画部材309を設けることにより、重力方向への多色粒子305の移動を実質問題とならないレベルに抑えることができるので、表示の均一性が向上する。
他の構成材料は第三の1〜4の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0212】
続いて、本発明の画像表示方法について説明する。
本発明の第三の6の実施の形態を図14に基づき説明する。表示媒体は第三の1〜5の発明の実施の形態と同様のものを用いる。ここでは、着色部分A3は正孔受容性が電子受容性より優勢であり実質的に正電荷を帯びる場合について説明する。本実施形態においては、導電層302は異方導電性を有する層あるいは導電性部分が膜厚方向にドット状にパターニング化されている構成をとる。まず、全面で着色部分A3が下を向いている状態(上からは全面着色部分B3の色が視認できる)で、導電層302の上の任意の箇所に所望の断面形状を有する電極棒を押し当て、電極棒の電位を導電層301に対して負にするとその箇所のみ多色粒子が上に移動すると同時に回転し、着色部分A3側が導電層302に到達する。こうして着色部分A3の色で電極棒の断面形状に類似の画像が表示できる。電極棒の電位を導電層301に対して正にすれば画像が消去できる。
【0213】
電極棒の代わりに任意の開口形状を有するイオンフローヘッドを近接させ、負電荷を照射することによっても同様に画像の表示ができる。正電荷の照射を行えば画像が消去できる。また、静電潜像が形成された感光体を導電層302に接触させることによっても画像の表示が可能である。
【0214】
本発明の第三の7の実施の形態を図20に基づき説明する。表示媒体は第三の1〜5の発明の実施の形態と同様のものを用いる。ここでも、着色部分A3は正孔受容性が電子受容性より優勢であり実質的に正電荷を帯びる場合について説明する。支持体312に接して設けられた導電層310および311は互いに直交する方向にストライプ状にパターニングされている。まず全面で着色部分A3が下を向いている状態(上からは全面着色部分B3の色が視認できる)で、導電層310の各ラインに正電圧(選択)または負電圧(非選択)を順次印加する。導電層311の各ラインには負電圧(オン信号)または正電圧(オフ信号)を同時に印加し、上記導電層310のラインの走査のタイミングに合わせて信号をスイッチングする。こうして、マトリックス上の選択−オン信号が印加されたドット部分のみ多色粒子が上に移動すると同時に回転し、着色部分A3側が導電層311に到達する。こうして着色部分A3の色でドットパターンの集合からなる任意の画像が表示できる。逆の符号の信号を印可すれば画像が消去できる。また、導電層311がセグメント状にパターニングされたものを点順次に駆動することによって、選択されたセグメントの集合体として画像を表示することも可能である。いずれにおいてもパターニングされた導電層から多色粒子への電荷の注入効率が高く、低電圧駆動が可能となる。
【0215】
次に、本発明の第四の1の実施の形態を図21に基づき説明する。図21において401および402は整流性層で少なくとも一方は光透過性である。ここで整流性を有すると言うことは、ある物質において正孔と電子の導電性が異なることを意味する。さらに正孔(電子)の導電性は、その物質中の正孔(電子)の数と正孔(電子)の移動度の積に正比例する。従って正孔(電子)の導電性は、正孔(電子)の移動度だけでなく、その物質中の正孔(電子)の数も重要な因子であることをが自明である。ここで言うある物質中の正孔(電子)の数は、熱的に生ずるものだけでなく外部から注入される正孔(電子)の数も含んだものである。
【0216】
このような機能を有する有する整流性層401、402の例としては、半導体乃至絶縁性物質があげられ、用いられる。具体的な半導体の代表例としては、リンやホウ素等をドープしたシリコンやカーボンがあげられ、結晶質、非晶質状態で使用することができる。また、絶縁性物質の例としては、電子写真用機能分離型有機感光体の電荷輸送層に使用される正孔輸送材料や電子輸送材料、さらに有機電界発光(EL)素子に使用される正孔注入材料、正孔輸送材料、電子注入材料、電子輸送材料があげられ使用される。
【0217】
以上の材料を用いて整流性層401、402を形成するには、加熱溶融状態から固体にする過程で形成する方法、真空薄膜形成法により形成する方法、溶媒に溶解乃至分散した液体から溶媒を除去して形成するキャスト法など公知の方法が用いられる。また、以上の材料と適当なバインダー樹脂を溶媒に溶解乃至分散させた液体を用いてキャスト法、HIP法、CIP法等の公知の形成法も有用である。とりわけ、上述した有機正孔注入材料、正孔輸送材料、電子注入材料、電子輸送材料を適切なバインダー樹脂とともに使用して形成した固溶体は、分子分散高分子と称され、本発明の整流性層401、402として好適に使用することができる。
【0218】
図21に示される整流性層401、402は、それ自体で自立する程度の厚さならびに強度が必要であるが、この層が作動・機能する際は図22に示されるように電荷搬送する過程が存在する故に厚すぎる場合は表示媒体の応答に支障をきたすことがある。従って整流性層401、402の厚さは、1μm〜1cmが適当であり、好ましくは5μm〜5mmである。
【0219】
一方、本発明の第四の6又は7の画像表示媒体においては、一方乃至両方の整流性層に外接する導電層が設けられる。この導電層が自立できる程度の強度を有していたりあるいは適当な支持体上に設けられている場合には、整流性層は必ずしも自立できる程度の強度を有する必要はないため、整流性層の厚さは、0.001μm〜1cmが適当であり、好ましくは0.05μm〜5mmである。
【0220】
本発明における二つの整流性層で挟まれる空間の厚さは、10μm〜1cmが適当であり、好ましくは20μm〜5mmである。
【0221】
さて、図21に戻って、405は多色粒子であり、少なくとも二種類の性質の部分を有する。着色部分A4は、画像表示のための着色機能と、静電力により回転移動するための電荷授受機能を有している。着色機能と電荷授受機能は単一の部材に持たせても良いし、機能分離した複数の部材を合わせて着色部分A4を構成しても良い。着色部分B4は、画像表示のための着色機能、整流性層と実質的に電荷の授受を行わない絶縁性を有している。
【0222】
着色機能と絶縁性は単一の部材に持たせても良いし、機能や性質を分離した複数の部材を合わせて着色部分B4を構成しても良い。着色部分A4が濃色を呈する場合、着色部分B4は淡色を呈することが好ましい。このような機能を有する多色粒子405は、複数の材料の複合体で実現できる。
【0223】
多色粒子405の作成法の例としては、着色部分B4からなる粒子を母体粒子として用い、その一部に着色部分A4を形成する部材を塗料にしたものを層状に塗布するなどして形成することができる。ここで、母体となる粒子として球状粒子を用いことが好ましい。この方法では、母体となる粒子の一部が埋没するように支持体上に並べて配置し、支持体上から塗料を塗布することで、表面から突出している部分にのみ塗布膜を形成させることができる。その後、基板を除去することで着色部分B4の一部に着色部分A4を形成した多色粒子が得られる。
【0224】
多色粒子405の他の構成例としては、着色部分A4を形成する膜状部材と着色部分B4を形成する膜状部材を張り合わせて、表と裏に着色部分A4とB4を有する複合シートを作成した後、所望のサイズに裁断あるいは粉砕することで、多色粒子を形成することができる。裁断あるいは粉砕後の複合粒子を丸め処理することで、球状の多色粒子とすることが好ましい。
【0225】
また、必要に応じて分級することで、所望のサイズの多色粒子を得ることができる。多色粒子の大きさは、平均粒径として1μm〜1cmが適当であり、好ましくは10μm〜500μmである。
【0226】
着色部分A4を形成する部材は、複数の材料の複合体で実現できる。最も単純な例として、少なくともバインダー樹脂に着色成分と必要に応じて整流性層から電荷を受容可能な成分を分散乃至混合した着色層があげられる。
【0227】
バインダー樹脂としては公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が全て使用できるが、とりわけ非粘着材系材料が好ましくしようできる。このような樹脂の端的な例として、ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体などを例示することができる。
【0228】
また、着色成分としては、公知のものがすべて使用できる。黒色の着色剤としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等が使用できる。シアンの着色剤としては、例えば、フタロシアニンブルー、メチレンブルー、ビクトリアブルー、メチルバイオレット、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー等が使用できる。マゼンタの着色剤としては、例えば、ローダミン6Gレーキ、ジメチルキナクリドン、ウォッチングレッド、ローズベンガル、ローダミンB、アリザリンレーキ等が使用できる。イエローの着色剤としては、例えば、クロムイエロー、ベンジジンイエロー、ハンザイエロー、ナフトールイエロー、モリブデンオレンジ、キノリンイエロー、タートラジン等が使用できる。
【0229】
本発明の多色粒子405に用いられる着色剤は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色の電子写真用トナーを得ることが可能な染料および顔料と同様なものが使用できる。例えば、カーボンブラック、ランプブラック、群青、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローグミン6G、レーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料などの染顔料など、従来公知のいかなる染顔料をも単独あるいは混合して使用できる。
【0230】
着色部分A4を有する部材に使用できる量は、バインダー樹脂100重量部に対して着色剤0.1重量部〜300重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0231】
少なくとも上述のバインダー樹脂と着色成分を含有する着色部分A4が整流性層から電荷を受け取る機能を具備させる手段として次の二つの方法があげられる。
【0232】
第1の方法は、着色部分A4を低抵抗化する方法であり、着色部分A4の少なくとも一部に低抵抗化材料を混入することで達成できる。低抵抗材料としては、後述する磁性材料、カーボンブラック、金属微粉末、金属酸化物微粉などの導電性を有する公知の材料全般が使用できる。これらの低抵抗化材料は、着色部分A4に混合・混入して使用してもよいし、また、着色部分A4の表面に吸着させて用いることもできる。
【0233】
このような導電性を有する材料の使用量は一義的に規定することが不可能であり、むしろ、着色部分A4の抵抗値で規定する方が実際的である。実際の多色粒子の形で測定することは困難であるため、着色部分A4を構成する材料をシート状試料に加工するなどして測定する。抵抗値測定法の例としては、抵抗率計ロレスタAPまたはハイレスタIP(いずれも三菱油化社製)にて4探針プローブを用いて体積抵抗率を測定する。ただし体積抵抗率が106Ωcm以下のものはロレスタAPを、それ以上のものはハイレスタIPを使用する。この測定法によれば、着色部分A4の体積抵抗率が104〜1010Ωcm、好ましくは106〜109Ωcmであると、良好な画像形成に必要な電荷を整流性層から受け取ることができる。
【0234】
第2の方法としては、着色部分A4の少なくとも一部に正孔受容性物質または電子受容性物質を混入することで達成される。このような正孔受容性物質としては上述した正孔注入材料や正孔輸送材料が、また電子受容性材料としては上述の電子注入材料や電子輸送材料があげられ、好ましく使用される。ただし、整流性層が正孔導電性である場合は着色部分A4の表面に正孔受容性物質が、また整流性層が電子導電性である場合は着色部分A4に電子受容性物質が存在することが必要かつ肝要である。
【0235】
着色部分A4に使用される正孔受容性物質または電子受容性物質は、前記バインダー樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜10000重量部、好ましくは1重量部〜100重量部である。
【0236】
このように構成してなる着色部分A4は、上述の2系統、いずれの構成の場合であっても、非透明でかつ整流性層から電荷を受け取り、正または負の極性の電荷を帯びる性質を有することができる。
【0237】
着色部分B4は、絶縁性部材が好ましく使用される。具体的には酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化珪素等の無機物質からなる粒子やダイアリーライドイエロー等の有機顔料、あるいは無機物質と樹脂の複合体からなる粒子等を用いることができる。
【0238】
図21において、多色粒子以外の空間は、多色粒子を回転および移動させることができる気体406からなる部分で、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等の気体が充填されている。その量としては二つの整流性層に挟まれた多色粒子が存在する領域において、概ね以下の範囲が望ましい。
0.4<気体からなる部分の体積/(気体からなる部分+多色粒子が
占める体積)
これより小さい場合には多色粒子405を回転および移動させることが困難となるため好ましくない。上限値は特に規定されないが、表示媒体の厚さや与える電荷量などによって適宜設定させる。また、気体の圧力は常圧あるいは減圧が望ましい。気体の状態に経時的変化を生じせしめないためには、二つの整流性層に挟まれた多色粒子が存在する領域の周囲は封止部材により外部雰囲気から隔離されていることが好ましい。
【0239】
本発明の第四の2の実施の形態においては多色粒子405が流動性を有している。ここで流動性を有するとは物性的には摩擦係数が小さく、かつ摩耗量が小さいことを指し、そのような物性を有するものとして、濃色を呈する二硫化モリブデン、白色を呈するフッ化炭素、六方晶窒化硼素等を挙げることができる。これらの材料を着色部分A4あるい着色部分B4の表面近傍に含有させる。流動性を有する多色粒子を用いることにより多色粒子が回転及び移動するのに際して隣接する多色粒子や整流性層との接触抵抗が小さくなるため、移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。他の構成材料は第四の1の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0240】
本発明の第四の3の実施の形態を図24に基づき説明する。この図は多色粒子と整流性層401が存在する付近を拡大したものである。図において407は外添粒子で、多色粒子の流動性を向上させる目的で、外添加剤として添加される。外添粒子としては、疎水性のシリカ及び酸化チタン、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化スズ、更に必要に応じて脂肪酸金属塩類やポリフッ化ビニリデン等を添加しても良い。添加する量は、整流性層から着色表面A4への電荷注入を阻害しない程度の密度で付着させることが好ましい。適量の外添粒子を添加することによりさらに移動速度すなわち表示の応答速度が速くなる。また、多色粒子単独での流動性が多少劣っていてもよいので、多色粒子を構成する材料の選択の自由度が増し、より表示のコントラストを向上させることができる。
他の構成材料は第四の1又は2の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0241】
本発明の第四の4の実施の形態を図25に基づき説明する。(a)は前記第四の1の実施の形態と同様の構成によるもので、外力が加わった場合には、整流性層が変形し二つの整流性層401、402間隔が不均一になる可能性がある。間隔が変化すると整流性層間の電界強度や多色粒子の回転及び移動のし易さが変化するため、表示ムラが発生してしまう。(b)は本実施の形態によるもので、図において408はスペーサ材であり、外力に対して整流性層間隔を所望の距離に維持することができる。
【0242】
スペーサ材408としては、直径あるいは高さが1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの球状粒子、円柱状粒子、不定形粒子を用いる。粒子としては、ジビニルベンゼンなどの架橋重合体や無機酸化物から成る液晶ディスプレイ用スペーサ材、粉体測定器校正用の標準粒子、電子写真用二成分現像剤のキャリヤ粒子、比較的粒径の大きな電子写真用トナーなどと同様な構成のものを用いることができる。
【0243】
これらのスペーサ粒子を多色粒子中に適量混合しておくことで、整流性層の間に適当な密度で配備することができる。スペーサ粒子を配備する密度は、整流性層やその支持基体の剛性や二つの整流性層間隔によって適宜決定されるが、単位面積当たりの個数が少なすぎるとスペーサとしての間隔保持機能が不充分になり、個数が多すぎると画像上に欠陥として現れ易くなる。
【0244】
また、スペーサ粒子が表示媒体内で移動してしまうことを防止するために、二つの整流性層401、402の少なくも一方に固着させることが好ましい。例えば、粒子表面に熱硬化性接着剤や光硬化性接着剤などの接着層を設け、表示媒体作成後、適当な加圧および接着処理によってスペーサ粒子を整流性層の表面に固着させることができる。あるいは、媒体の作成前に整流性層の表面に接着層付きスペーサ粒子のみを均一に散布しておき、適当な接着処理により整流性層の表面に固着させておくこともできる。
【0245】
スペーサ粒子の大きさは両整流性層の所望の間隔と同じサイズに設定する。あるいは、所望の間隔よりも大きいサイズに設定しておき、加圧処理により整流性層か粒子を塑性変形させて、所望の間隔に設定することもできる。
【0246】
スペーサ材408の他の形態として、フォトリソグラフィー法や印刷法を利用して、柱状や壁状の形状のものを配備することもできる。例えば、整流性層上に1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mm程度の所望の厚さのフォトレジスト膜を作成し、パターン露光、現像工程を経て所望の形状および密度のスペーサを形成する。フォトレジスト膜としては、プリント配線板用のドライフィルムレジストを貼り付けたり、高粘度液状フォトレジストを塗布して厚膜レジストを形成することができる。また、スクリーン印刷法で整流性層上に直接スペーサ材のパターンを形成することもできる。
【0247】
スペーサ材408の色は特に限定されないが、画像表示上で欠陥として認識し難くするために、多色粒子405のいずれかの着色部分と同様な色、あるいは、透明性に優れていることが好ましい。
【0248】
また、スペーサ材408は無機質や樹脂による実質的な剛体でもゴム状の弾性体でも良く、画像表示媒体の特性や使用方法に応じて材質が決定される。例えば、外部からの圧力による二つの整流性層の間隔変化を防止する場合には剛体を、圧力を利用して二層間隔を変化させて、表示特性の変化を積極的に利用する場合には弾性体を使用することもできる。
他の構成材料は第四の1の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0249】
本発明の第四の5の実施の形態を図26に基づき説明する。(a)は第四の1の発明の実施の形態と同様の構成によるもので、表示媒体を地面に対して垂直に近い状態で保持した場合を示している。初期の状態では整流性層401または402と多色粒子405の間の拘束力は弱いので重力方向への多色粒子の移動が起こり、空間的偏りが生じるために表示ムラが発生する場合がある。(b)は本実施の形態によるもので、図において409は区画部材で、ドライフィルムレジスト、感光性ポリイミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、シリコンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等からなり、1μm〜1cm、より好ましくは5μm〜5mmの厚さに形成される。
【0250】
これら区画部材409は上記材料を整流性層401の上に被着形成してフォトリソエッチングする、またはスクリーン印刷等によって所要パターン状に被着形成する、もしくはシート状物にパンチ、レーザー等の手段で所要の透孔を多数設けたものを整流性層1の上に一体的に形成する等の手段によって作製することができる。このような区画部材を設けることにより、重力方向への多色粒子の移動を実質問題とならないレベルに抑えることができるので、表示の均一性が向上する。
他の構成材料は第四の1〜4の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0251】
本発明の第四の6の実施の形態を図27に基づき説明する。図において410は導電層で、Al、Ag、Ni、Cu等の金属やITO、SnO2、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒あるいは合成樹脂バインダに混合して塗布したものが用いられる。
【0252】
導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。
【0253】
導電層410自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合や図示しない自己保持機能を有する基体上に導電層410が設けられている場合には、導電層410の上に整流性層401を形成することができるので、整流性層401はその機能を損なわない程度に薄くすることができる。いずれにおいても導電層410の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層410から整流性層401へは確実に電荷が注入できる。表示を行うには導電性層402への電荷注入手段を用意すればよいので、簡便である。
他の構成材料は第四の1〜5の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0254】
本発明の第四の7の実施の形態を図28に基づき説明する。図において410、411は導電層で、前記第四の6発明の実施の形態と同様のものを使用することができる。この場合も導電層410または導電層411自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合や導電層410または導電層411が図示しない自己保持機能を有する基体上に設けられている場合には、導電層410または導電層411の上に整流性層401または整流性層402を形成することができるので、整流性層401または整流性層402はその機能を損なわない程度に薄くすることができる。この場合、少なくとも表示画像を視認する側の整流性層およびそれに外接する導電層並びに図示しない基体は光透過性を有することが必要である。
【0255】
画像を表示するためには導電層410、411のいずれか一方はドット状、セグメント状またはストライプ状にパターニングする必要がある。この場合、導電層410および411から整流性層401および402に確実に電荷が注入できることに加え、各画素がパターニングされた導電層で規定されているので、画素内および画素ごとの表示ムラを減少できる。
他の構成材料は第四の1〜5の発明の実施の形態と同様のものが使用できる。
【0256】
続いて、本発明の画像表示方法について説明する。
本発明の第四の8の実施の形態を図27に基づき説明する。表示媒体は第四の6の発明の実施の形態と同様のものを用いる。ここでは整流性層401および402は正孔導電性が電子導電性よりも優れているものである場合について説明する。まず全面で着色部分A4が下にある状態(上からは全面着色部分B4の色が視認できる)で、整流性層402の上の任意の箇所に所望の断面形状を有する電極棒を押し当て、電極棒の電位を導電層410に対して負にするとその箇所のみ多色粒子が上方に移動しながら回転し、着色部分A4が上面に接触する。こうして着色部分A4の色で電極棒の断面形状に類似の画像が表示できる。
【0257】
電極棒の電位を導電層410に対して正にすれば画像が消去できる。電極棒の代わりに任意の開口形状を有するイオンフローヘッドを近接させ、負電荷を照射することによっても同様に画像の表示ができる。正電荷の照射を行えば画像が消去できる。また、静電潜像が形成された感光体を整流性層402に接触させることによっても画像の表示が可能である。
【0258】
上記のいずれの方法においても表示媒体が図28に示すような導電層411を有し、それがドット状にパターニングされたものを用いることも可能である。さらには、表示媒体が図21に示すような導電層を有していない場合であっても図27の導電層の代わりに電極板等を外から密着させても同様な作用が期待できる。
【0259】
本発明の第四の9の実施の形態を図28に基づき説明する。表示媒体は第四の7の発明の実施の形態と同様のものを用いる。ここでは整流性層401および402は正孔導電性が電子導電性よりも優れているものである場合について説明する。導電層410および411は互いに直交する方向にストライプ状にパターニングされている。まず全面で着色部分A4が下にある状態(上からは全面着色部分B4の色が視認できる)で、導電層410の各ラインに正電圧(選択)または負電圧(非選択)を順次印加する。導電層411の各ラインには負電圧(オン信号)または正電圧(オフ信号)を同時に印加し、上記導電層410のラインの走査のタイミングに合わせて信号をスイッチングする。こうして、マトリックス上の選択−オン信号が印加されたドット部分のみで、多色粒子が上方に移動しながら回転し、着色部分A4が上面に接触する。こうして着色部分A4の色でドットパターンの集合からなる任意の画像が表示できる。逆の符号の信号を印可すれば画像が消去できる。また、導電層411がセグメント状にパターニングされたものを点順次に駆動することによって、選択されたセグメントの集合体として画像を表示することも可能である。いずれにおいてもパターニングされた導電層が整流性層に接着しているので、電荷の注入効率が高く、低電圧駆動が可能となる。
【0260】
【実施例】
本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例で用いる部は、全て重量部である。
【0261】
実施例1(本発明の第一の実施例)
(正孔受容型着色粒子A1の作製)
ポリエステル樹脂 100部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 5部
フェライト粉末 150部
下記化学構造の正孔受容性材料 40部
【化1】
Figure 0003919145
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、体積平均粒径9.0μmの粒径の着色粒子A1を得た。
【0262】
(表示セルの作製)
2枚のITO付ガラス基板間に1cmの開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。その空間に
着色粒子A1(上で作製した正孔受容型着色粒子A1) 1部
着色粒子B1(日本カーボン社製、フッ化炭素) 1部
を混合して封入した。
空間内には着色粒子A1、B1以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
空気からなる部分の体積/(空気からなる部分の体積+着色粒子A1
およびB1が占める体積)=0.7
【0263】
(表示動作)
上部ITO電極に−300Vを印加すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に上部電極に+300Vを印加すると、上面は白色に変化した。さらに電圧の極性を再び負に切り替えると、上面は黒色に変化し、極性を正にすると白色に変化した。この極性の切り替えによる上面の黒白の表示を100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても直前に表示した色を保持していた。
【0264】
実施例2(本発明の第一の実施例)
膜厚75μmのポリエステルフィルム上にITOの蒸着電極を設けた。
(正孔受容型着色粒子A1の作製)
下記化学構造の正孔受容性材料 3部
【化2】
Figure 0003919145
ポリエステル樹脂 10部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 1部
トルエン 75部
上記組成の混合物をボールミル中で十分撹搬混合した後、得られた分散液をスプレードライ法により体積平均粒径6.0μmの粒径の着色粒子A1を得た。
【0265】
(表示セルの作製)
上で作製したITO電極付ポリエステルフィルム基板上に50μm厚のドライフィルムレジストを貼りフォトリソエッチングして、開口部1mm×1mm、壁厚100μmの格子状パターンを形成した。その開口部に、
着色粒子A1(上で作製した正孔受容型着色粒子A1) 1部
着色粒子B1(日本カーボン社製、フッ化炭素) 1部
を混合して注入した。その上から膜厚方向の導電性に優れた異方導電性フィルムを重ねて上部電極とし画像表示媒体を作製した。
空間内には着色粒子A1、B1以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
空気からなる部分の体積/(空気からなる部分の体積+着色粒子A1
およびB1が占める体積)=0.7
【0266】
(表示動作)
この画像表示媒体のITO電極を接地し、異方導電性電極側から部分的に負コロナ帯電を行った。すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に同じ側から全面に正コロナ帯電を行うと画像は消えて白色となった。さらに負コロナ帯電を行うと上面は黒色に変化し、正コロナ帯電を行うと白色に変化した。この帯電操作の切り替えによる上面の黒白の表示を50回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、表示されて色は長期間保持された。この画像表示媒体は、軽量で持ち運びが可能であり、折り曲げることができた。
【0267】
実施例3(本発明の第二の実施例)
(整流性層の作製)
下記化学構造の正孔輸送性材料 10部
【化3】
Figure 0003919145
ポリアリレート樹脂(Uポリマー U−100、ユニチカ製) 10部
をテトラヒドロフラン100部中に混合溶解し、回転塗布機によりITO付ガラス基板上に塗布した。対流加熱型乾燥機にて20分間乾燥し、乾燥膜厚2μmの整流性層を作製した。
【0268】
(低抵抗型着色粒子A2の作製)
ポリエステル樹脂 100部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 8部
フェライト粉末 150部
酸化スズ粉末 30部
上記組成の混合物をヘンシェルミキサー中で十分撹搬混合した後、ロールミルで130〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物をジェットミルで粉砕分級し、体積平均粒径9.0μmの粒径の着色粒子A2を得た。
【0269】
(表示セルの作製)
上で作製した整流性層を塗布した2枚のITO付ガラス基板間に1cmの開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。その空間に
着色粒子A2(上で作製した低抵抗型着色粒子A2) 1部
着色粒子B2(日本カーボン製、フッ化炭素) 1部
を混合して封入した。
空間内には着色粒子A2、B2以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
空気からなる部分の体積/(空気からなる部分の体積+着色粒子A2
およびB2が占める体積)=0.7
【0270】
(表示動作)
上部ITO電極に−300Vを印加すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に上部電極に+300Vを印加すると、上面は白色に変化した。さらに電圧の極性を再び負に切り替えると、上面は黒色に変化し、極性を正にすると白色に変化した。この極性の切り替えによる上面の黒白の表示を100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても直前に表示した色を保持していた。
【0271】
実施例4(本発明の第二の実施例)
膜厚75μmのポリエステルフィルム上にITOの蒸着電極を設けた。
(整流性層の作製)
下記化学構造の正孔輸送性材料 8部
【化4】
Figure 0003919145
ポリカーボネート樹脂(ユーピロン Z−300、
三菱瓦斯化学社製) 10部
をテトラヒドロフラン80部中に混合溶解し,ブレード塗工法により前記ITO電極付きのポリエステルフィルムとITO電極を設けないポリエステルフィルム基体上に各々塗布した。対流加熱型乾燥機にて30分間乾燥し、乾燥膜厚5μmの整流性層をITO電極上に、また、乾燥膜厚100μmの整流性層をポリエステルフィルム上に作製した。後者の整流性層は、直ちにポリエステルフィルムから剥離した。
【0272】
正孔受容型着色粒子A2の作製
下記化学構造の正孔受容性材料 3部
【化5】
Figure 0003919145
ポリエステル樹脂 10部
カーボンブラック(三菱カーボン社製#44) 1部
トルエン 75部
上記組成の混合物をボールミル中で十分撹搬混合した後、得られた分散液をスプレードライ法により体積平均粒径6.0μmの粒径の着色粒子A2を得た。
【0273】
(表示セルの作製)
上で作製した整流性層を塗布したITO電極付ポリエステルフィルム基板上に50μm厚のドライフィルムレジストを貼りフォトリソエッチングして、開口部1mm×1mm,壁厚100μmの格子状パターンを形成した。その開口部に、
着色粒子A2(上で作製した正孔受容型着色粒子A2) 1部
着色粒子B2(日本カーボン製、フッ化炭素) 1部
を混合して注入した。その上からと厚さ100μm整流性層単独膜を重ねて画像表示媒体を作製した。
空間内には着色粒子A2、B2以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
空気からなる部分の体積/(空気からなる部分の体積+着色粒子A2
およびB2が占める体積)=0.7
【0274】
(表示動作)
この画像表示媒体のITO電極を接地し、厚さ100μm整流性層単独膜側から部分的に負コロナ帯電を行った。すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に同じ側から全面に正コロナ帯電を行うと画像は消えて白色となった。さらに負コロナ帯電を行うと上面は黒色に変化し、正コロナ帯電を行うと白色に変化した。この帯電操作の切り替えによる上面の黒白の表示を50回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、表示されて色は長期間保持された。この画像表示媒体は、軽量で持ち運びが可能であり、折り曲げることができた。
【0275】
実施例5(本発明の第三の実施例)
(多色粒子の作製)
ポリカーボネートと酸化チタンから成る白色複合球状粒子をケミカル粉砕法により作製した。その際ポリカーボネートと酸化チタンの仕込み比は8対1であった。分級により50±5μmの白色球状粒子を得た。
この様にして得られた白色球状粒子をガラス基板の上に一層に並べ、テトラヒドロフラン100部、ポリエステル樹脂30部、カーボンブラック(三菱カーボン社製#44)2部、下記化学構造の正孔受容性材料12部
【化6】
Figure 0003919145
を十分に攪拌混合した液を真上からスプレー塗布・乾燥し、平均膜厚5μmの半球状着色部を設けた。
【0276】
(表示セルの作製)
2枚のITO電極付基板間に1cmの開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。その空間に上記多色粒子を封入した。空間内には多色粒子以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
空気からなる部分の体積/(空気からなる部分の体積+多色粒子が
占める体積)=0.72
【0277】
(表示動作)
上部ITO電極に−300Vを印加すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に上部電極に+300Vを印加すると、上面は白色に変化した。さらに電圧の極性を再び負に切り替えると、上面は黒色に変化し、極性を正にすると白色に変化した。この極性の切り替えによる上面の黒白の表示を100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても直前に表示した色を保持していた。
【0278】
実施例6(本発明の第三の実施例)
(多色粒子の作製)
ポリエステル樹脂50部、酸化チタン50部をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで130℃〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却して得られた混練物を、ロール表面温度120℃に設定した圧延機で3mm厚に圧延した。
同様に、ポリエステル樹脂90部、銅フタロシアニンブルー(β型結晶形)10部、下記化学構造の正孔受容性材料30部
【化7】
Figure 0003919145
をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで130℃〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却して得られた混練物を、ロール表面温度120℃に設定した圧延機で3mm厚に圧延した。
この様にして得られた二枚のシート状圧延物を重ねあわせて約160℃の熱風を当てながら繰り返し圧延し、50μmの複合膜を得た。この時、各層の厚さは共に25μmであった。冷却後、この積層シートを粉砕機により粉砕し、熱水により丸め処理し、分級を行い、平均粒径45μmの二色粒子を得た。
【0279】
(表示セルの作製)
ITO電極付ポリエステルフィルム基板上に90μm厚のドライフィルムレジストを貼りフォトリソエッチングして、開口部1mm×1mm,壁厚100μmの格子状パターンを形成した。その開口部に上記多色粒子を広げた。その上から膜厚方向の導電性に優れた異方導電性フィルムを重ねて上部電極とし画像表示媒体を作製した。空間内には多色粒子以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
空気からなる部分の体積/(空気からなる部分の体積+多色粒子が
占める体積)=0.72
【0280】
(表示動作)
この画像表示媒体のITO電極を接地し、異方導電性電極側から部分的に負コロナ帯電を行った。すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に同じ側から全面に正コロナ帯電を行うと画像は消えて白色となった。さらに負コロナ帯電を行うと上面は黒色に変化し、正コロナ帯電を行うと白色に変化した。この帯電操作の切り替えによる上面の黒白の表示を50回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、表示された色は長期間保持された。この画像表示媒体は、軽量で持ち運びが可能であり、折り曲げることができた。
【0281】
実施例7(本発明の第四の実施例)
(整流性層の作製)
下記化学構造の正孔輸送性材料 10部
【化8】
Figure 0003919145
ポリアリレート樹脂(Uポリマー U−100、ユニチカ製) 10部
をテトラヒドロフラン100部中に混合溶解し,回転塗布機によりITOガラス基板上に塗布した。対流加熱型乾燥機にて20分間乾燥し、乾燥膜厚2μmの整流性層を作製した。
【0282】
(多色粒子の作製)
ポリカーボネートと酸化チタンから成る白色複合球状粒子をケミカル粉砕法により作製した。その際ポリカーボネートと酸化チタンの仕込み比は8対1であった。分級により50±5μmの白色球状粒子を得た。
この様にして得られた白色球状粒子をガラス基板の上に一層に並べ、テトラヒドロフラン100部、ポリエステル30部、カーボンブラック2部を十分に攪拌混合した液を真上からスプレー塗布・乾燥し、平均膜厚5μmの半球状黒色導電部を設けた。
【0283】
(表示セルの作製)
上で作製した整流性層を塗布した2枚のITO電極付基板間に1cmの開口を設けた100μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。その空間に上で作製した多色粒子を封入した。空間内には多色粒子以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
【0284】
(表示動作)
上部ITO電極に−300Vを印加すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に上部電極に+300Vを印加すると、上面は白色に変化した。さらに電圧の極性を再び負に切り替えると、上面は黒色に変化し、極性を正にすると白色に変化した。この極性の切り替えによる上面の黒白の表示を100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても直前に表示した色を保持していた。
【0285】
実施例8(本発明の第四の実施例)
膜厚75μmのポリエステルフィルム上にITOの蒸着電極を設けた。
(整流性層の作社製)
下記化学構造の正孔輸送性材料 8部
【化9】
Figure 0003919145
ポリカーボネート樹脂(ユーピロン Z−300、
三菱瓦斯化学製) 10部
をテトラヒドロフラン80部中に混合溶解し,ブレード塗工法により前記ITO電極付きのポリエステルフィルムとITO電極を設けないポリエステルフィルム基体上に各々塗布した。対流加熱型乾燥機にて30分間乾燥し、乾燥膜厚5μmの整流性層をITO電極上に、また、乾燥膜厚100μmの整流性層をポリエステルフィルム上に作製した。後者の整流性層は、直ちにポリエステルフィルムから剥離した。
【0286】
(多色粒子の作製)
銅板上に50μm厚のポリビニルアルコール(PVA)膜を設け、この上に平均直径20μmのジルコニアボールを散布した。銅板を加熱しPVAを軟化させジルコニアボールの一部をPVA膜に埋没させた。埋没せずに残った余分のジルコニアボールを除去した後、更に加熱を続けることによりジルコニアボールの自重により略半球をPVA膜中に埋没させた。次に、露出している半球部に、スパッタリングにより300nm厚のSiCを形成した。その後、温水によりPVAを除去し、洗浄・乾燥して多色粒子を得た。
【0287】
(表示セルの作製)
上で作製した整流性層を塗布した2枚のITO電極付基板間に1cm□の開口を設けた40μm厚のポリエステルフィルムを挟み空間を作る。その空間に上で作製した多色粒子を封入した。空間内には多色粒子以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
【0288】
(表示動作)
上部ITO電極に−300Vを印加すると、上面は速やかに黒色を呈した。次に上部電極に+300Vを印加すると、上面は白色に変化した。さらに電圧の極性を再び負に切り替えると、上面は黒色に変化し、極性を正にすると白色に変化した。この極性の切り替えによる上面の黒白の表示を100回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、電圧を取り去っても直前に表示した色を保持していた。
【0289】
実施例9(本発明の第四の実施例)
膜厚75μmのポリエステルフィルム上にITOの蒸着電極を設けた。
(整流性層の作製)
下記化学構造の正孔輸送性材料 8部
【化10】
Figure 0003919145
ポリカーボネート樹脂(ユーピロン Z−300、
三菱瓦斯化学社製) 10部
をテトラヒドロフラン80部中に混合溶解し,ブレード塗工法により前記ITO電極付きのポリエステルフィルムとITO電極を設けないポリエステルフィルム基体上に各々塗布した。対流加熱型乾燥機にて30分間乾燥し、乾燥膜厚5μmの整流性層をITO電極上に、また、乾燥膜厚100μmの整流性層をポリエステルフィルム上に作製した。後者の整流性層は、直ちにポリエステルフィルムから剥離した。
【0290】
(多色粒子の作製)
ポリエステル樹脂50部、酸化チタン50部をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで130℃〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却して得られた混練物を、ロール表面温度120℃に設定した圧延機で3mm厚に圧延した。同様に、ポリエステル樹脂90部、フタロシアニンブルー10部をヘンシェルミキサー中で十分攪拌混合した後、ロールミルで130℃〜140℃の温度で約30分間加熱溶融し、室温まで冷却して得られた混練物を、ロール表面温度120℃に設定した圧延機で3mm厚に圧延した。この様にして得られた二枚のシート状圧延物を重ねあわせて約160℃の熱風を当てながら繰り返し圧延し、50μmの複合膜を得た。この時、各層の厚さは共に25μmであった。冷却後、この積層シートを粉砕機により粉砕し、熱水により丸め処理し、分級を行い、平均粒径45μmの二色粒子を得た。
【0291】
(表示セルの作製)
上で作製した整流性層を塗布したITO電極付ポリエステルフィルム基板上に、90μm厚のドライフィルムレジストを貼り、フォトリソエッチングして、開口部1mm×1mm、壁厚100μmの格子状パターンを形成した。その開口部に上で作製した多色粒子を散布した。その上から厚さ100μmの整流性層単独膜を重ねて画像表示媒体を作製した。
空間内には多色粒子以外に常圧の空気を以下の量含有させた。
【0292】
(表示動作)
この画像表示媒体のITO電極を接地し、厚さ100μmの整流性層単独膜側から部分的に正コロナ帯電を行った。すると、上面からの画像は速やかに青色を呈した。次に同じ側から全面に負コロナ帯電を行うと画像は消えて白色となった。さらに正コロナ帯電を行うと上面は再び青色に変化し、負コロナ帯電を行うと再び白色に変化した。この帯電操作の切り替えによる画像の青白の表示を50回程度行ったが、安定して繰り返すことができた。また、表示された色は長期間保持された。この画像表示媒体は、軽量で持ち運びが可能であり、折り曲げることができた。
【0293】
【発明の効果】
本発明の第一の1の画像表示媒体によれば、着色粒子への選択的な電荷注入と電界による該着色粒子の移動により表示を行うことができるので、可逆表示が可能でメモリー性を有し、表示のコントラスト比が高く、繰り返し安定性に優れ、応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第一の2の画像表示媒体によれば、着色粒子が磁性体を含有しているので、さらに表示のコントラスト比が高く、加筆が容易な画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第一の3の画像表示媒体によれば、着色粒子が流動性を有しているので、さらに応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第一の4の画像表示媒体によれば、着色粒子に流動性を付与する別の粒子を含有しているので、さらに、応答速度が速く、また表示のコントラスト比が高い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第一の5の画像表示媒体によれば、二つの導電層間にスペーサ材を配しているので、表示欠陥あるいは表示ムラの少ない画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第一の6の画像表示媒体によれば、二つの導電層間に区画部材を配しているので、大面積であっても表示ムラが少なく、非固定状態で使用しても安定に表示を行うことができる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第一の7の画像表示方法によれば、導電層の一方の外側からの電極の接触ないしは荷電物質の付与によって画像を表示するので、簡便な手段で表示を行わせることができる。
本発明の第一の8の画像表示方法によれば、二つの導電層に外接して電圧を印加することによって画像を表示するので、低電圧で駆動でき、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくすることができる。
本発明の第一の9の画像表示方法によれば、導電層の一方の外側からの磁界の作用によって画像を表示するので、より表示のコントラスト比を高くでき、また加筆が容易となる。
【0294】
本発明の第二の1の画像表示媒体によれば、着色粒子への選択的な電荷注入と電界による該着色粒子の移動により表示を行うことができるので、可逆表示が可能でメモリー性を有し、表示のコントラスト比が高く、繰り返し安定性に優れ、応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の画像表示媒体によれば、着色粒子が磁性体を含有しているので、さらに表示のコントラスト比が高く、加筆が容易な画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の3の画像表示媒体によれば、着色粒子が流動性を有しているので、さらに応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の4の画像表示媒体によれば、着色粒子に流動性を付与する別の粒子を含有しているので、さらに、応答速度が速く、また表示のコントラスト比が高い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の5の画像表示媒体によれば、二つの整流層間にスペーサ材を配しているので、表示欠陥あるいは表示ムラの少ない画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の6の画像表示媒体によれば、二つの整流層間に区画部材を配しているので、大面積であっても表示ムラが少なく、非固定状態で使用しても安定に表示を行うことができる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の7の画像表示媒体によれば、整流性層の一方に外接する導電層を有しているので、簡便な手段で表示を行わせることができる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の8の画像表示媒体によれば、二つの整流性層に外接する導電層を有しているので、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくできる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第二の9の画像表示方法によれば、整流性層の一方の外側からの電極の接触ないしは荷電物質の付与によって画像を表示するので、簡便な手段で表示を行わせることができる。
本発明の第二の10の画像表示方法によれば、二つの整流性層に外接する導電層に電圧を印加することによって画像を表示するので、低電圧で駆動でき、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくすることができる。
本発明の第二の11の画像表示方法によれば、整流性層の一方の外側からの磁界の作用によって画像を表示するので、より表示のコントラスト比を高くでき、また加筆が容易となる。
【0295】
本発明の第三の1の画像表示媒体によれば、多色粒子への選択的な電荷注入と電界による該多色粒子の回転および移動により表示を行うことができるので、可逆表示が可能でメモリー性を有し、表示のコントラスト比が高く、繰り返し安定性に優れ、応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第三の2の画像表示媒体によれば、多色粒子が流動性を有しているので、さらに応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第三の3の画像表示媒体によれば、多色粒子に流動性を付与する別の粒子を含有しているので、さらに表示のコントラスト比が高く、応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第三の4の画像表示媒体によれば、二つの導電層間にスペーサ材を配しているので、表示欠陥あるいは表示ムラの少ない画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第三の5の画像表示媒体によれば、二つの導電層間に区画部材を配しているので、大面積であっても表示ムラが少なく、非固定状態で使用しても安定に表示を行うことができる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第三の6の画像表示方法によれば、導電層の一方の外側からの電極の接触ないしは荷電物質の付与によって画像を表示するので、簡便な手段で表示を行わせることができる。
本発明の第三の7の画像表示方法によれば、二つ導電層に電圧を印加することによって画像を表示するので、低電圧で駆動でき、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくすることができる。
本発明の第四の1の画像表示媒体によれば、多色粒子への選択的な電荷注入と電界による該多色粒子の回転および移動により表示を行うことができるので、可逆表示が可能でメモリー性を有し、表示のコントラスト比が高く、繰り返し安定性に優れ、応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第四の2の画像表示媒体によれば、多色粒子が流動性を有しているので、さらに応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第四の3の画像表示媒体によれば、多色粒子に流動性を付与する別の粒子を含有しているので、さらに表示のコントラスト比が高く、応答速度の速い画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第四の4の画像表示媒体によれば、二つの整流層間にスペーサ材を配しているので、表示欠陥あるいは表示ムラの少ない画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第四の5の画像表示媒体によれば、二つの整流層間に区画部材を配しているので、大面積であっても表示ムラが少なく、非固定状態で使用しても安定に表示を行うことができる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第四の6の画像表示媒体によれば、整流性層の一方に外接する導電層を有しているので、簡便な手段で表示を行わせることができる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第四の7の画像表示媒体によれば、二つの整流性層に外接する導電層を有しているので、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくできる画像表示媒体を提供することができる。
本発明の第四の8の画像表示方法によれば、整流性層の一方の外側からの電極の接触ないしは荷電物質の付与によって画像を表示するので、簡便な手段で表示を行わせることができる。
本発明の第四の9の画像表示方法によれば、二つの整流性層に外接する導電層に電圧を印加することによって画像を表示するので、低電圧で駆動でき、画素内および画素ごとの表示ムラを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像表示媒体の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明による表示動作の機構を原理的に示す模式図である。
【図3】本発明による画像表示媒体を構成する着色粒子付近の一例を示す模式図である。
【図4】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明による表示動作の機構を原理的に示す模式図である。
【図9】本発明による画像表示媒体を構成する着色粒子付近の一例を示す模式図である。
【図10】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図11】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図13】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図14】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図15】本発明による表示動作の機構を原理的に示す模式図である。
【図16】本発明による表示動作の機構を原理的に示す模式図である。
【図17】本発明による画像表示媒体を構成する多色粒子付近の一例を示す模式図である。
【図18】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図19】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図20】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図21】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図22】本発明による表示動作の機構を原理的に示す模式図である。
【図23】本発明による表示動作の機構を原理的に示す模式図である。
【図24】本発明による画像表示媒体を構成する着色粒子付近の一例を示す模式図である。
【図25】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図26】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図27】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図28】本発明による画像表示媒体の他の一例を模式的に示す断面図である。
【図29】従来の表示装置を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
11 透明基板
12 透明電極
13 分散液
14 有孔スペーサ
101 導電層
102 導電層
103 着色粒子A1
104 着色粒子B1
105 気体
106 第三の粒子C
107 スペーサ材
108 区画部材
109 支持体
110a 導電層
110b 導電層
201 整流性層
202 整流性層
203 着色粒子A2
204 着色粒子B2
205 気体
206 第三の粒子C
207 スペーサ材
208 区画部材
209 導電層
210 導電層
301 導電層
302 導電層
303 着色部分A3
304 着色部分B3
305 多色粒子
306 気体
307 外添粒子
308 スペーサ材
309 区画部材
310 導電層
311 導電層
312 支持体
401 整流性層
402 整流性層
403 着色部分A4
404 着色部分B4
405 多色粒子
406 気体
407 外添粒子
408 スペーサ材
409 区画部材
410 導電層
411 導電層

Claims (4)

  1. 所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方乃至両方が光透過性である二つの導電層と、それに挟まれた空間に該導電層から正孔または電子を受容する着色粒子A、その着色粒子Aと別色でかつ少なくとも着色粒子Aと同極性の電荷を実質的に帯びない着色粒子B、および該着色粒子A、Bを置き換えて移動させることができる気体からなることを特徴とする画像表示媒体。
  2. 所望の間隔を設けて配備された少なくとも電気的整流極性が同じでありかつ一方乃至両方が光透過性である二つの整流性層と、それに挟まれた空間に該整流性層から電荷を受容する着色粒子A、その粒子Aとは別色で該整流性層と実質的に電荷の授受を行わない着色粒子B、および該着色粒子A、Bを置き換えて移動させることができる気体からなり、前記空間は区画部材により分割されてなることを特徴とする画像表示媒体。
  3. 所望の間隔を設けて配備された少なくとも一方乃至両方が光透過性である二つの導電層と、それに挟まれた空間に着色部分Aとそれと異なる着色部分Bを有し、かつ着色部分Aが該導電層から正孔または電子を受容し、着色部分Bが該導電層から着色部分Aと同極性の電荷の授受を行わないものである多色粒子、および該多色粒子を回転および移動させることができる気体からなることを特徴とする画像表示媒体。
  4. 所望の間隔を設けて配備された少なくとも電気的整流極性が同じでありかつ一方乃至両方が光透過性である二つの整流性層と、それに挟まれた空間に、少なくとも着色部分Aとそれと色の異なる着色部分Bを有し、かつ該着色部分Aが該整流性層から電荷を受容し該着色部分Bが該整流性層と実質的に電荷の授受を行わないものである多色粒子、および該多色粒子を回転および移動させることができる気体からなることを特徴とする画像表示媒体。
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