JP3918310B2

JP3918310B2 - Beam bending reinforcement structure and bending reinforcement method

Info

Publication number: JP3918310B2
Application number: JP20698298A
Authority: JP
Inventors: 靖夫神野; 英夫塚越; 秀人斉藤; 純一池谷; 忠夫藤田
Original assignee: Shimizu Corp
Current assignee: Shimizu Corp
Priority date: 1997-09-16
Filing date: 1998-07-22
Publication date: 2007-05-23
Anticipated expiration: 2018-07-22
Also published as: JPH11152907A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート部材である梁の曲げ補強を図るときに用いて好適な梁の曲げ補強構造および曲げ補強工法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造等からなる柱、梁、橋脚、煙突等のコンクリート部材の曲げ補強を図る方法の一つとして、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維材料からなる補強シートを、コンクリート部材の表面に沿わせて配設するものがある。
【０００３】
このような補強シートをコンクリート部材の表面に固定するには、一般に接着剤等が多用されている。ところが、接着剤等で補強シートを単に貼り付けるのみでは、何らかの原因で補強シート（特に端部）が剥がれてしまったときには、補強効果を十分に発揮することができない。このため、補強シートの端部をコンクリート部材に打設したアンカーおよび鋼板等で固定することにより、補強シートの端部の定着を確実とするための工夫が従来より行われていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来のコンクリート部材の曲げ補強構造および曲げ補強工法では、以下のような問題が存在する。
まず、補強シートの端部をアンカーおよび鋼板で定着するには、アンカー打ちに手間が掛かる。しかも鋼製のアンカーは大径であるために、特に既存の建物に補強シートを取り付ける場合には、工事中に発生するアンカー打ちの騒音や振動が問題となる。
また、アンカーの頭部や取付金物がコンクリート部材の表面から突出することになるため、仕上げ用のパネル等の仕上げ材を取り付ける場合にはブラケット等によるクリアランスの確保が必要となり、この点においても施工の手間がかかるという問題がある。
【０００５】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、補強シートにより梁の補強を行うに当たり、補強シートの定着を円滑かつ確実に行い、有効な補強効果を得ることのできる梁の曲げ補強構造および曲げ補強工法を提供することを課題とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
請求項１に係る発明は、コンクリート部材である梁の曲げ補強構造であって、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等、複数本の強化繊維をその長さ方向の一部で一体に束ねられてなる定着用アンカーが、前記束ねた部分をコンクリート部材に形成された孔に定着させるとともに、束ねていない部分を前記梁の表面に沿わせた状態で配設されてなり、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維からなるシート状の補強材が、前記梁の連続する方向に延在するよう該梁の表面に沿って配設されて、該補強材の少なくとも端部が前記定着用アンカーの束ねていない部分に重ねて接合されることによって、前記補強材が前記定着用アンカーを介して前記梁に定着され、前記補強材と前記定着用アンカーの端部とが重なる部分には、前記補強材の連続する方向に直交する定着補強部材が重ねて配設されていることを特徴としている。
【０００７】
このようにして、補強材を定着用アンカーを介して定着させることによって、その両端部を確実に定着させることができる。
また、補強材と定着用アンカーの端部とが重なる部分に、補強材の連続する方向に直交する定着補強部材を重ねて配設することにより、補強材と定着用アンカーとが重なる部分の定着強度が一層高められる。
また、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維からなるシート状の補強材は十分な強度を有していながらも、軽量であることから施工時の取り扱いも容易である。
【０００８】
そして、特に請求項１に係る発明の梁の曲げ補強構造は、前記定着用アンカーの前記束ねた部分には、硬化性充填材による前記孔に対する定着強度を高めるための凸部またはこぶが設けられていることを特徴としている。
【０００９】
これにより、定着用アンカーの梁に対する定着強度が、凸部またはこぶによってより高められる。
【００１２】
請求項３に係る発明は、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維からなるシート状の補強材をコンクリート部材である梁の連続する方向に沿わせて配設して貼り付けることによって曲げ補強を行う梁の曲げ補強工法であって、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等、複数本の強化繊維からなる定着用アンカーの一端部をコンクリート部材に形成した孔に挿入し、前記孔に硬化性充填材を充填して該定着用アンカーの一端部を前記孔に対して定着するとともに、該定着用アンカーの他端部を広げて梁の表面に定着し、前記補強材の端部を前記定着用アンカーの他端部に重ねて接合することによって、該補強材の端部を前記定着用アンカーを介して前記梁に対して定着し、それら定着用アンカーと補強材との重ね合わせ部には、さらに定着補強部材を重ねて配設することを特徴としている。
【００１３】
これにより、補強材を定着用アンカーを介して定着させることができる。
【００１４】
そして、特に請求項２に係る発明の梁の曲げ補強工法は、前記定着用アンカーの一端部を前記孔に挿入して定着するに際しては、複数本の強化繊維を揃えてその長さ方向中央部で折り曲げながらその折り曲げ部を孔内に挿入することにより、該折り曲げ部を定着用アンカーの一端部として前記孔に対して定着することを特徴としている。
【００１５】
これにより、複数本の強化繊維を束ねた定着用アンカーを予め製作する必要がなくなる。
【００１６】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る梁の曲げ補強構造および曲げ補強工法の実施の形態について説明するが、併せて、参考例として柱を対象とする曲げ曲げ補強構造および曲げ補強工法についても説明する。なお、以下の説明では、便宜上、梁を対象とする本来の実施の形態を第一の実施の形態といい、柱を対象とする参考例を第二の実施の形態という。
また、本発明の曲げ補強構造において用いる定着用アンカーは束ねた部分に凸部またはこぶが設けられているものであり、また本発明の曲げ補強工法においては定着用アンカーの一端部を孔に挿入して定着するに際してその長さ方向中央部を折り曲げながら孔内に挿入して定着するのであるが、以下の実施形態では参考のためにそれ以外の構造の定着用アンカーや、折り曲げて定着する以外の手法についても併せて説明する。
【００１７】
［第一の実施の形態］
まず、本発明の本来の実施の形態である梁の曲げ補強構造および曲げ補強工法について説明する。
【００１８】
図１に示すものは、鉄筋コンクリート造，鉄骨鉄筋コンクリート造等からなる構造物の一部であり、この図において、符号１０は柱（コンクリート部材）、１１は梁（コンクリート部材）、１２は梁１１上に形成された床、１３は壁、をそれぞれ示している。
【００１９】
この図に示すように、梁１１の曲げ補強を図るため、梁１１の下面に沿わせて補強シート（補強材）Ｃ１が接着されている。補強シートＣ１は、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維材料からなり、梁１１が連続する方向、すなわち梁１１の軸線方向に対して補強効果が得られるようその繊維方向（クロス状である場合にはその織り方向）が設定されている。
【００２０】
この補強シートＣ１は、その両端部が定着用アンカーＤ１によって定着されている。図２に示すように、定着用アンカーＤ１は、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の多数本の強化繊維ｆを、例えばその基端部側の束部１５で接着剤、樹脂等で一体に束ねたもので、その先端部側において強化繊維ｆは束ねられていない。図１に示したように、定着用アンカーＤ１は、その束部１５が梁１１の両端部に位置する柱１０，１０に形成された孔（図示なし）内に差し込まれ、さらに孔（図示なし）内に接着剤等が充填されることによって、柱１０に定着されている。このとき、定着用アンカーＤ１の束部１５は、図１において左側に示したように、柱１０に斜めに定着させても良いし、また図１において右側に示したように、柱１０に対して直交するよう定着させても良く、さらには、梁１１の端部の下面あるいは側面に定着させるようにしてもよい。
このようにして定着された定着用アンカーＤ１の先端部側の強化繊維ｆは、梁１１の下面に沿わせて広げられ、その上に補強シートＣ１が被せられている。そして、これら定着用アンカーＤ１と補強シートＣ１とは、接着剤によって接着されている。
【００２１】
さらに、定着用アンカーＤ１の先端部の強化繊維ｆと補強シートＣ１とが重なり合った部分には、定着補強部材２０がさらに重ねて配設されている。この定着補強部材２０は、補強シートＣ１と同様の材料からなり、補強シートＣ１とは直交する方向に対して補強効果が得られる方向性を有しており、その両端部が梁１１の両側面に接着されている。
【００２２】
そして、床１２の上面には、梁１１をさらに補強するため、梁１１の上端側に対応した位置に補強シートＣ２が接着されている。
【００２３】
このようにして、補強シートＣ１は、その両端部が定着用アンカーＤ１を介して梁１１に定着され、さらに定着補強部材２０によって補強された構成となっている。
【００２４】
上述したように、梁１１の下面には、その軸線方向に延在する補強シートＣ１がその略全長にわたって配設され、その両端部が、多数の強化繊維ｆからなる定着用アンカーＤ１を介して定着され、さらに定着補強部材２０が重ね貼りされた構成となっている。これにより、補強シートＣ１を特にその両端部において確実に定着させることができ、端部の剥がれ等の発生を防止して、梁１１の曲げに対する補強効果を確実に発揮することが可能となる。
【００２５】
また、その施工に際しても、定着用アンカーＤ１の束部１５を定着させるための孔をあけるだけでよく、通常のアンカー等に比較してその径も小さくてすむので、騒音や振動の発生を最小限に抑えることができ、既存の建物等への適用も容易に行うことができる。さらに、補強シートＣ１を配設した後にはその表面に突起物が生じず、その上に仕上げ材を配設するにしてもその施工にも何ら余計な手間が掛かることもない。
【００２６】
なお、上記第一の実施の形態において、定着用アンカーＤ１の先端部は束ねられていない状態となっているが、図３に示すように、施工時に強化繊維ｆが引っかかったり折れたりするのを防止するため、セロハン２１等を巻き付けるようにしても良い。
【００２７】
また、上記第一の実施の形態において、定着用アンカーＤ１を、その一端部側に束部１５を設け、多数本の強化繊維ｆを束ねる構成としたが、その断面形状は、図４に示すように、円形のもののほか、矩形、三角形、楕円形、長円形、Ｃ字型、十字型、あるいは多角形、不整形等、いかなるものであっても良い。
【００２８】
但し、本発明においては、図５（ａ）〜（ｄ）に示すように、定着用アンカーＤ１の定着をより確実とするため、束部１５に凸部２２を設けたり、こぶ２３を設けることとする。もちろん、この凸部２２やこぶ２３の形状や位置、数等についても何ら限定するものではない。また、図５（ｅ）に示すように、束部１５の端部の外周面にネジ部２４を形成するようにしても良い。このような場合には、この定着用アンカーＤ１を定着させるための孔に雌ねじ部を形成する等して、束部１５のネジ部２４をねじ込むことによって定着を確実にすることができる。
【００２９】
［第二の実施の形態］
次に、参考例として、柱の曲げ補強構造および曲げ補強工法を第二の実施の形態として説明する。以下に説明する第二の実施の形態において、前記第一の実施の形態と共通する構成については同符号を付し、その説明を省略する。
【００３０】
図６に示すように、柱１０には、その四側面それぞれに沿って、曲げ補強を図るため、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維材料からなる補強シート（補強材）Ｃ３が、柱１０が連続する方向すなわち上下方向に延在するよう配設されている。この補強シートＣ３は、上下の両端部が、定着用アンカーＤ２によって定着されている。
【００３１】
図７に示すように、各定着用アンカーＤ２は、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の多数本の強化繊維ｆを、その長さ方向中央部所定長にわたる束部２５で、接着剤、樹脂等で一体に束ねたもので、束部２５に対して両端部側の部分において強化繊維ｆは束ねられていない。
図６に示したように、このような定着用アンカーＤ２は、補強シートＣ３の幅方向両側に配置されており、束部２５が、柱１０の周囲近傍の床１２に形成された孔（図示なし）に位置するよう差し込まれ、この孔（図示なし）に接着剤等によって定着されている。そして、定着用アンカーＤ２の束部２５の上下の強化繊維ｆは、床１２の上方，下方それぞれにおいて、柱１０の側面に沿うよう広げられ、その上に補強シートＣ３が被せられ、接着剤等によって互いに接着されている。
【００３２】
さらに、定着用アンカーＤ２の強化繊維ｆと補強シートＣ３とが重なり合った部分には、定着補強部材３０が柱１０の四側面に巻き付けられるようにして重ねて配設されている。この定着補強部材３０は、補強シートＣ３と同様の材料からなり、補強シートＣ３とは直交する方向に対して補強効果が得られる方向性を有している。
【００３３】
上述した柱１０の曲げ補強構造および曲げ補強工法によっても、前記第一の実施の形態と同様の効果を柱１０に対して奏することができる。
【００３４】
なお、上記第二の実施の形態において、定着用アンカーＤ２の束部２５については、前記第一の実施の形態で示した定着用アンカーＤ１と同様に、図３ないし図５に示したような種々のバリエーションが適用可能である。
また、説明のために用いた図６には、左側の柱１０にのみ補強シートＣ３が配設されているが、もちろん右側の柱１０にも同様に適用することが可能である。
【００３５】
なお、上記第一および第二の実施の形態において、補強シートＣ１ないしＣ３，定着用アンカーＤ１およびＤ２を定着させるために接着剤等を用いる構成としたが、その材料については、所要の定着力を発揮できるのであればいかなるものを用いても良く、有機材料，無機材料等を何ら問うものではない。
また、補強シートＣ１およびＣ３を、定着用アンカーＤ１およびＤ２に定着させるときに、接着ではなく他の接合方法を採用することも可能である。
【００３６】
さらに、補強に用いる補強シートＣ１ないしＣ３，定着用アンカーＤ１およびＤ２についても、前記した炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等に限らず、他の強化繊維を採用することも可能であり、繊維方向（クロスの場合には織り方向）等についても、所要の方向に補強効果を発揮できるのであれば、縦・横・斜め等を問うものではない。加えて、重ねる枚数についても限定するものではない。また、補強シートＣ１ないしＣ３を予めＦＲＰ（繊維強化プラスチック）として用いても良い。
【００３７】
さらに加えて、定着補強部材２０，３０については、鋼板等を用いても良い。
【００３８】
また、定着用アンカーＤ１，Ｄ２の束ねられていない部分の強化繊維ｆの広げ方は任意であり、図８に示すように、一方向、二方向、四方向、あるいは全方向等、いかなるように広げても良い。
【００３９】
加えて、定着用アンカーＤ１，Ｄ２は、図４に示したようなものを組み合わせて使用するようにしても良い。また、例えば図９に示すように、断面略Ｃ字状の定着用アンカーＤ’と、多数本の強化繊維ｆの束３５（一体に束ねてはいない）とを組み合わせて用いても良い。この場合、まず、図９（ａ）に示すように、定着用アンカーＤ’を柱１０，梁１１，床１２等に形成した孔３１に定着させる。続いて図９（ｂ）に示すように、略Ｃ字状の定着用アンカーＤ’の内側に多数本の強化繊維ｆの束３５（一体に束ねてはいない）を挿入し、さらに孔３１内に接着剤等を充填して定着用アンカーＤ’および束３５を定着させる。そして、図９（ｃ）に示すように、定着させた定着用アンカーＤ’および束３５の強化繊維ｆを広げ、その上に補強シートＣ１あるいはＣ３を接着するようにしても良い。
【００４０】
これ以外にも、定着用アンカーＤ１，Ｄ２については、束部１５を、図１０に示すように、筒状あるいはリング状の留め具５０，５１，５２等で束ねる構成とすることも可能である。このような留め具５０，５１，５２を用いれば、定着用アンカーＤ１の定着強度を高めることが可能である。しかも、これら留め具５０，５１，５２はその装着を容易に行うことができる。もちろん、留め具の形状はこれ以外のものであっても良い。
【００４１】
また、定着用アンカーＤ１は、複数本の強化繊維ｆを、現場において接着剤や樹脂に含浸して束ねる構成も採用することができる。さらに、複数本の強化繊維ｆを、予め、その端部においてのみ樹脂等で束ねておき、現場においてその所定長部分を樹脂等に含浸するようにしても良い。このようにすれば、定着用アンカーＤ１を定着させるための孔の深さに応じて臨機応変に束部１５の長さを設定することが可能となる。
【００４２】
但し、本発明の曲げ補強工法においては、定着用アンカーの一端部を孔に挿入して定着するに際してその長さ方向中央部を折り曲げながら孔内に挿入して定着することとし、その際、複数本の強化繊維ｆをバラバラのまま孔内に配し、孔内に注入する硬化性充填材によって、これら複数本の強化繊維ｆをその長さ方向の一部において一体に束ね、かつ定着させる構成としても良い。
図１１に示すように、定着用アンカーＤ３は、多数本の強化繊維ｆを、その長さ方向中央部で折り曲げ、これを例えば床１２の下面等に形成された孔５５内に挿入し、さらにこの孔５５内に接着剤５６等の硬化性充填材を充填することによって定着されている。これにより定着用アンカーＤ３は、複数本の強化繊維ｆが接着剤５６等によってその長さ方向の一部で一体に束ねられるとともに、この孔５５に定着された構成となっている。
このような定着用アンカーＤ３を用いて施工を行うには、まず図１２（ａ）に示すように、床１２の下面の所定位置に孔５５を削孔し、次いで図１２（ｂ）に示すように、この孔５５内に接着剤５６を注入する。続いて、図１２（ｃ）に示すように、所定本数の強化繊維ｆを、その長さ方向中間部において、先端が例えばＶ字状とされたロッド５７で保持し、これを図１２（ｄ）に示すように、孔５５内に押し込む。次いでロッド５７のみを引き抜くと、図１２（ｅ）に示すように、押し込まれた強化繊維ｆは、孔５５内の接着剤５６が硬化することによって、その長さ方向中間部が孔５５に定着され、これにより定着用アンカーＤ３が孔５５に定着されたこととなる。
このような構成の定着用アンカーＤ３を用いれば、前記第一あるいは第二の実施の形態で示したように、複数本の強化繊維ｆを束ねた定着用アンカーを予め製作する必要がなくなる。したがって、より低コスト化を図ることが可能となるばかりでなく、現場において適宜強化繊維の本数や長さを変更することが容易に行え、これによって施工を一層簡単なものとすることが可能となる。
【００４３】
ところで、上記のようにして定着させた定着用アンカーＤ１，Ｄ２の引き抜き試験を行うには、図１３（ａ）に示すように、定着用アンカーＤ１，Ｄ２をコンクリートＺに形成した孔Ｈ内に挿入し、ここに定着用アンカーＤ１，Ｄ２の定着に用いる樹脂Ｊ等を注入する。そして、図１３（ｂ）に示すように、定着用アンカーＤ１，Ｄ２をコンクリートＺの表面にセットしたパイプＰ内に通し、パイプＰ内には膨張性セメント等を注入し、定着用アンカーＤ１，Ｄ２とパイプＰとを一体化する。そして、コンクリートＺに反力台Ｂをセットし、センターホール型等のジャッキＸを反力台Ｂに設置する。そして、パイプＰの先端部に形成されたネジ部にナットＮを螺着させ、この状態でジャッキＸを駆動源Ｇで伸ばし、定着用アンカーＤ１，Ｄ２の引き抜き試験を行うようにする。
このようにすれば、定着用アンカーＤ１，Ｄ２自体に傷を付けることなく引き抜き試験を行うことが可能である。
【００４４】
さらに、本発明の曲げ補強構造および曲げ補強工法を適用する対象の梁としては、新設・既設を問うものではない。
【００４５】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない範囲内であれば、いかなる構成を採用しても良く、また上記したような構成を適宜選択的に組み合わせたものとしても良いのは言うまでもない。
【００４６】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１に係る梁の曲げ補強構造によれば、複数本の強化繊維からなる定着用アンカーを、強化繊維が束ねられた部分をコンクリート部材に形成された孔に定着させるとともに、束ねていない部分を梁の表面に沿わせて配設する。そして、シート状の補強材を、梁の連続する方向にその表面に沿って配設してその少なくとも端部を定着用アンカーの束ねていない部分に重ねて接合することによって、補強材を定着用アンカーを介して梁に定着させた構成となっている。これにより、補強材の端部を梁に確実に定着させることができる。したがって、補強材の端部の剥がれ等の発生を防止して、梁の曲げに対する補強効果を確実に発揮することが可能となる。また、その施工に際しても、定着用アンカーの束部を定着させるための孔を形成するのみでよく、しかも通常の鋼製のアンカー等に比較して孔も小径で済むので、騒音や振動の発生を最小限に抑えることができ、既存の建物等への適用も容易に行うことができる。さらに、補強材を配設した後にはその表面に突起物が生じないため、仕上げ材の施工にも何ら余計な手間が掛かることもない。
【００４７】
また、補強材が定着用アンカーの端部と重なる部分に、補強材が連続する方向に直交する定着補強部材が配設された構成となっている。これにより、補強材の定着をより確実に行うことができ、上記効果をより顕著なものとすることができる。
【００４８】
さらに、補強材が、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維からなるシート状のものである構成となっている。このような補強材は十分な強度を有していながらも軽量であることから、施工時の取り扱いも容易であり、作業者の負担を軽減するとともに、クレーン等が不要であることから、既設の建物の内部等においても工事を円滑に進行させることができる。
そして、特に請求項１に係る梁の補強構造によれば、定着用アンカーの束ねた部分には、硬化性充填材による孔に対する定着強度を高めるための凸部またはこぶが設けられた構成となっている。
これにより、定着用アンカーの梁に対する定着強度が、凸部またはこぶによってより高められる。
【００４９】
請求項２に係る梁の曲げ補強工法によれば、シート状の補強材を梁の連続する方向に沿わせて配設するとともに、炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等、複数本の強化繊維からなる定着用アンカーを、コンクリート部材に形成した孔に定着させ、補強材の端部を定着用アンカーの端部に重ねて接合することによって定着させる構成となっている。
これにより、補強材を定着用アンカーを介して定着させることができ、請求項１に係る梁の曲げ補強構造を実現することができ、補強材の端部の剥がれ等の発生を防止して、梁の曲げに対する補強効果を確実に発揮することが可能となる。また、その施工に際しても、定着用アンカーの束ねた部分を定着させるための孔を形成するのみでよく、しかも通常の鋼製のアンカー等に比較して孔も小径で済むので、騒音や振動の発生を最小限に抑えることができ、既存の建物等への適用も容易に行うことができる。さらに、補強材を配設した後にはその表面に突起物が生じないため、仕上げ材の施工にも何ら余計な手間が掛かることもない。
【００５０】
そして、特に請求項２に係る工法によれば、定着用アンカーの一端部を孔に挿入して定着するに際しては、複数本の強化繊維を揃えてその長さ方向中央部で折り曲げながらその折り曲げ部を孔内に挿入することにより、該折り曲げ部を定着用アンカーの一端部として前記孔に対して定着する構成となっている。
これにより、複数本の強化繊維を束ねた定着用アンカーを予め製作する必要がなくなり、より低コスト化を図ることが可能となるばかりでなく、現場において適宜強化繊維の本数や長さを変更することも容易に行え、施工を一層簡単なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る梁の曲げ補強構造および曲げ補強工法の第一の実施の形態を示す立断面図である。
【図２】前記曲げ補強構造および曲げ補強工法に用いる定着用アンカーの一例を示す外観図である。
【図３】前記定着用アンカーの他の一例を示す外観図である。
【図４】同定着用アンカーの断面形状の例を示す図である。
【図５】同定着用アンカーの束部の他の例を示す外観図である。
【図６】本発明を柱に適用する場合の参考例を示す立断面図である。
【図７】前記参考例の曲げ補強構造および曲げ補強工法に用いる定着用アンカーの一例を示す外観図である。
【図８】前記定着用アンカーの広げ方の例を示す図である。
【図９】同定着用アンカーの他の例を示す図であって、同定着用アンカーを定着させるときの手順を示す図である。
【図１０】同定着用アンカーの束部のさらに他の例を示す外観図である。
【図１１】同定着用アンカーのさらに他の例を示す図であって、複数本の強化繊維を束ねずに、そのまま孔内に挿入して定着させた場合の例を示す側断面図である。
【図１２】図１１に示した構成とするときの施工手順を示す工程図である。
【図１３】同定着用アンカーの引き抜き試験方法を示す図である。
【符号の説明】
１０柱（コンクリート部材）
１１梁（コンクリート部材）
２０，３０定着補強部材
５５孔
Ｃ１，Ｃ３補強シート（補強材）
Ｄ１，Ｄ２，Ｄ３定着用アンカー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a bending reinforcing structure and bending reinforcing construction method of the preferred beam used when achieving bending reinforcement of the beam is concrete member.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as a method of bending reinforcement of concrete members such as columns, beams, piers, chimneys, etc. made of reinforced concrete or steel reinforced concrete, reinforcement made of reinforced fiber materials such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc. There is one in which a sheet is disposed along the surface of a concrete member.
[0003]
In order to fix such a reinforcing sheet to the surface of a concrete member, generally an adhesive or the like is frequently used. However, if the reinforcing sheet (particularly the end portion) is peeled off for some reason, the reinforcing effect cannot be sufficiently exerted by simply attaching the reinforcing sheet with an adhesive or the like. For this reason, the device for ensuring fixation of the edge part of a reinforcement sheet was conventionally performed by fixing the edge part of a reinforcement sheet with the anchor and steel plate etc. which were cast in the concrete member.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-described conventional bending reinforcement structure and bending reinforcement method for concrete members have the following problems.
First, in order to fix the end portion of the reinforcing sheet with an anchor and a steel plate, it takes time to hit the anchor. Moreover, since the steel anchor has a large diameter, particularly when a reinforcing sheet is attached to an existing building, the noise and vibration of anchoring generated during the construction becomes a problem.
Also, since the anchor head and mounting hardware protrude from the surface of the concrete member, it is necessary to secure clearance with brackets when installing finishing materials such as finishing panels. There is a problem that it takes time and effort.
[0005]
The present invention has been made in view of the above, when performing reinforcement of the beam by the reinforcing sheet, subjected to fixing of the reinforcing sheet smoothly and reliably, the beam can be obtained an effective reinforcing effect It is an object to provide a bending reinforcing structure and a bending reinforcing method.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to claim 1 is a bending reinforcement structure of a beam which is a concrete member , and a plurality of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber and the like are integrally bundled in a part of its length direction. The anchor for fixing is arranged in a state where the bundled portion is fixed in the hole formed in the concrete member, and the unbundled portion is arranged along the surface of the beam , and the carbon fiber, the aramid fiber, sheet-like reinforcing material made of reinforcing fibers such as glass fibers, are arranged along the surface of said beam so as to extend in a direction of consecutive said beam, at least an end portion is the fixing anchor stiffener The reinforcing member is fixed to the beam via the anchor for fixing, and the portion where the reinforcing member and the end of the anchor for anchoring overlap each other. Reinforcement Is characterized by fixing the reinforcing member to the perpendicular to the continuous direction is disposed to overlap.
[0007]
In this way, by fixing the reinforcing material via the fixing anchor, both ends thereof can be reliably fixed.
In addition, by fixing a fixing reinforcing member that is perpendicular to the direction in which the reinforcing material continues in a portion where the reinforcing material and the end of the fixing anchor overlap, fixing of the portion where the reinforcing material and the fixing anchor overlap is arranged. Strength is further increased.
In addition, a sheet-like reinforcing material made of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, and glass fiber has sufficient strength, but is lightweight and easy to handle during construction.
[0008]
In particular, in the bending reinforcement structure for a beam according to the first aspect of the invention, the bundled portion of the anchor for anchoring is provided with a convex portion or a hump for increasing the fixing strength with respect to the hole by the curable filler. It is characterized by having.
[0009]
Thereby, the fixing strength with respect to the beam of the fixing anchor is further increased by the convex portion or the hump.
[0012]
The invention according to claim 3 is bent by arranging and sticking a sheet-like reinforcing material made of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc. along the continuous direction of the beam which is a concrete member. This is a bending reinforcement method for reinforcing beams, and one end of a fixing anchor made of a plurality of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc. is inserted into a hole formed in a concrete member, and cured in the hole. The fixing anchor is filled to fix one end of the fixing anchor to the hole, and the other end of the fixing anchor is widened and fixed to the surface of the beam. By overlapping and joining the other end of the fixing anchor, the end of the reinforcing member is fixed to the beam via the fixing anchor, and the overlapping portion of the fixing anchor and the reinforcing member is fixed. More It is characterized in that arranged on top of the fixing reinforcement member.
[0013]
Thereby, the reinforcing material can be fixed through the fixing anchor.
[0014]
In particular, in the bending reinforcement method for a beam according to the second aspect of the invention, when one end of the fixing anchor is inserted into the hole and fixed, a plurality of reinforcing fibers are aligned and the central portion in the longitudinal direction is aligned. The bent portion is inserted into the hole while being bent, and the bent portion is fixed to the hole as one end portion of the fixing anchor.
[0015]
Thereby, it is not necessary to manufacture a fixing anchor in which a plurality of reinforcing fibers are bundled.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a bending reinforcement structure for a beam and a bending reinforcement method according to the present invention will be described. In addition, a bending reinforcement structure and a bending reinforcement method for a column as a reference example will also be described. In the following description, for the sake of convenience, the original embodiment targeting beams is referred to as a first embodiment, and a reference example targeting pillars is referred to as a second embodiment.
In addition, the anchor for fixing used in the bending reinforcement structure of the present invention is provided with a convex portion or a hump in the bundled portion, and in the bending reinforcing method of the present invention, one end of the anchor for anchor is inserted into the hole. When fixing, the center part in the longitudinal direction is bent and inserted into the hole to fix. However, in the following embodiments, for reference, fixing anchors of other structures or other than bending and fixing This method will also be described.
[0017]
[First embodiment]
First, a description will be given of a bending reinforcement structure for a beam and a bending reinforcement method according to the original embodiment of the present invention .
[0018]
1 shows a part of a structure made of reinforced concrete, steel reinforced concrete, or the like. In this figure, reference numeral 10 is a column (concrete member), 11 is a beam (concrete member), and 12 is a beam 11 on the beam 11. The floors 13 and 13 are walls.
[0019]
As shown in this figure, a reinforcing sheet (reinforcing material) C1 is bonded along the lower surface of the beam 11 in order to reinforce the beam 11. The reinforcing sheet C1 is made of a reinforced fiber material such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, and the fiber direction (in a cross shape) so that a reinforcing effect is obtained in the direction in which the beam 11 continues, that is, the axial direction of the beam 11. In some cases, the weaving direction) is set.
[0020]
Both ends of the reinforcing sheet C1 are fixed by fixing anchors D1. As shown in FIG. 2, the anchor D1 for fixing is composed of a large number of reinforcing fibers f such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber and the like, for example, integrally with a bundle 15 on the base end side thereof with an adhesive, resin, or the like. In the bundle, the reinforcing fiber f is not bundled on the tip side. As shown in FIG. 1, the anchoring anchor D1 is inserted into holes (not shown) formed in the pillars 10 and 10 positioned at both ends of the beam 11, and further the holes (not shown). ) Is filled in the pillar 10 by being filled with an adhesive or the like. At this time, the bundling portion 15 of the fixing anchor D1 may be fixed obliquely to the column 10 as shown on the left side in FIG. 1, or to the column 10 as shown on the right side in FIG. And may be fixed to the lower surface or side surface of the end portion of the beam 11.
The reinforcing fiber f on the distal end side of the fixing anchor D1 thus fixed is spread along the lower surface of the beam 11, and the reinforcing sheet C1 is covered thereon. The fixing anchor D1 and the reinforcing sheet C1 are bonded with an adhesive.
[0021]
Further, a fixing reinforcing member 20 is further disposed in a portion where the reinforcing fiber f and the reinforcing sheet C1 overlap each other at the tip of the fixing anchor D1. The fixing reinforcing member 20 is made of the same material as that of the reinforcing sheet C1 and has a direction that can provide a reinforcing effect with respect to a direction orthogonal to the reinforcing sheet C1. It is glued to.
[0022]
A reinforcing sheet C2 is bonded to the upper surface of the floor 12 at a position corresponding to the upper end side of the beam 11 in order to further reinforce the beam 11.
[0023]
Thus, both ends of the reinforcing sheet C1 are fixed to the beam 11 via the fixing anchor D1, and are further reinforced by the fixing reinforcing member 20.
[0024]
As described above, the reinforcing sheet C1 extending in the axial direction is disposed on the lower surface of the beam 11 over substantially the entire length thereof, and both end portions of the reinforcing sheet C1 are fixed via anchors D1 made of a large number of reinforcing fibers f. The fixing and reinforcing member 20 is overlaid and fixed. Thereby, the reinforcing sheet C1 can be reliably fixed particularly at both end portions thereof, and the end portion can be prevented from being peeled off and the reinforcing effect against the bending of the beam 11 can be surely exhibited.
[0025]
In addition, it is only necessary to make a hole for fixing the bundling portion 15 of the anchor D1 for fixing, and the diameter can be smaller than that of a normal anchor, so that noise and vibration are minimized. And can be easily applied to existing buildings. Furthermore, after the reinforcing sheet C1 is disposed, no protrusions are generated on the surface, and even if a finishing material is disposed thereon, no extra work is required for the construction.
[0026]
In the first embodiment, the tip of the anchor D1 for fixing is not bundled. However, as shown in FIG. 3, the reinforcing fiber f is caught or broken during construction. In order to prevent this, the cellophane 21 or the like may be wound.
[0027]
Further, in the first embodiment, the fixing anchor D1 is configured such that the bundle portion 15 is provided on one end side thereof and a plurality of reinforcing fibers f are bundled, and the cross-sectional shape thereof is shown in FIG. Thus, in addition to a circular shape, any shape such as a rectangle, a triangle, an ellipse, an oval, a C-shape, a cross shape, a polygon, and an irregular shape may be used.
[0028]
However, in the present invention, as shown in FIG. 5 (a) ~ (d) , in order to more reliably fixing of the fixing anchor D1, or the projection 22 provided on the beam portion 15, the provision of the hump 23 And Of course, the shape, position, number, and the like of the convex portions 22 and the bumps 23 are not limited at all. Further, as shown in FIG. 5 (e), a screw portion 24 may be formed on the outer peripheral surface of the end portion of the bundle portion 15. In such a case, fixing can be ensured by screwing the screw portion 24 of the bundle portion 15 by forming a female screw portion in a hole for fixing the fixing anchor D1.
[0029]
[Second Embodiment]
Next, as a reference example, a column bending reinforcement structure and a bending reinforcement method will be described as a second embodiment . In the second embodiment described below, the components common to the first embodiment are denoted by the same reference numerals and the description thereof is omitted.
[0030]
As shown in FIG. 6, the pillar 10 has a reinforcing sheet (reinforcing material) C3 made of a reinforcing fiber material such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc., for bending reinforcement along each of its four side surfaces. The columns 10 are arranged so as to extend in a continuous direction, that is, in a vertical direction. The reinforcing sheet C3 is fixed at both upper and lower ends by fixing anchors D2.
[0031]
As shown in FIG. 7, each fixing anchor D <b> 2 includes a large number of reinforcing fibers f such as carbon fibers, aramid fibers, glass fibers, etc., in a bundle portion 25 extending in a predetermined length in the center in the length direction, and an adhesive, resin For example, the reinforcing fibers f are not bundled in the both end portions with respect to the bundle portion 25.
As shown in FIG. 6, such fixing anchors D <b> 2 are arranged on both sides of the reinforcing sheet C <b> 3 in the width direction, and the bundle portions 25 are holes (illustrated) formed in the floor 12 near the periphery of the pillar 10. And is fixed to this hole (not shown) with an adhesive or the like. The upper and lower reinforcing fibers f of the bundle portion 25 of the fixing anchor D2 are spread along the side surface of the pillar 10 above and below the floor 12, and a reinforcing sheet C3 is placed thereon, and an adhesive or the like. Are glued together.
[0032]
Further, the fixing reinforcing member 30 is disposed so as to be wound around the four side surfaces of the column 10 at the portion where the reinforcing fiber f and the reinforcing sheet C3 of the fixing anchor D2 overlap each other. The fixing reinforcing member 30 is made of the same material as that of the reinforcing sheet C3 and has a direction in which a reinforcing effect can be obtained in a direction orthogonal to the reinforcing sheet C3.
[0033]
The same effect as that of the first embodiment can be exerted on the column 10 also by the above-described bending reinforcement structure and bending reinforcement method of the column 10.
[0034]
In the second embodiment, the bundle portion 25 of the fixing anchor D2 is as shown in FIGS. 3 to 5 like the fixing anchor D1 shown in the first embodiment. Various variations are applicable.
Further, in FIG. 6 used for explanation, the reinforcing sheet C3 is disposed only on the left column 10, but of course, the same can be applied to the right column 10.
[0035]
In the first and second embodiments, the reinforcing sheets C1 to C3 and the fixing anchors D1 and D2 are configured to use an adhesive or the like, but the material has a required fixing force. Any material may be used as long as it can exhibit the above, and it does not ask any question about organic materials and inorganic materials.
Further, when the reinforcing sheets C1 and C3 are fixed to the fixing anchors D1 and D2, it is also possible to adopt another joining method instead of adhesion.
[0036]
Further, the reinforcing sheets C1 to C3 and the anchoring anchors D1 and D2 used for reinforcement are not limited to the above-described carbon fibers, aramid fibers, glass fibers, and the like, and other reinforcing fibers can be adopted, and the fiber direction As for (weaving direction in the case of cloth), etc., as long as the reinforcing effect can be exhibited in the required direction, there is no question of vertical, horizontal, diagonal, etc. In addition, the number of stacked sheets is not limited. Further, the reinforcing sheets C1 to C3 may be used in advance as FRP (fiber reinforced plastic) .
[0037]
In addition, steel sheets or the like may be used for the fixing reinforcing members 20 and 30 .
[0038]
Further, the method of spreading the reinforcing fibers f in the unbundled portions of the fixing anchors D1 and D2 is arbitrary, and as shown in FIG. 8, it is in any way such as one direction, two directions, four directions, or all directions. You can spread it.
[0039]
In addition, the fixing anchors D1 and D2 may be used in combination with those shown in FIG. For example, as shown in FIG. 9, a fixing anchor D ′ having a substantially C-shaped cross section and a bundle 35 (not bundled together) of a large number of reinforcing fibers f may be used in combination. In this case, first, as shown in FIG. 9A, the anchor D ′ for fixing is fixed in the hole 31 formed in the column 10, the beam 11, the floor 12, and the like. Subsequently, as shown in FIG. 9B, a large number of bundles 35 of reinforcing fibers f (not bundled together) are inserted into the inside of the substantially C-shaped fixing anchor D ′. The fixing anchor D ′ and the bundle 35 are fixed by filling an adhesive or the like. Then, as shown in FIG. 9C, the fixed anchor D ′ and the reinforcing fiber f of the bundle 35 may be spread and the reinforcing sheet C1 or C3 may be bonded thereon.
[0040]
In addition to this, the fixing anchors D1 and D2 can be configured such that the bundle portion 15 is bundled with cylindrical or ring-shaped fasteners 50, 51, 52, as shown in FIG. . By using such fasteners 50, 51, 52, it is possible to increase the fixing strength of the fixing anchor D1. Moreover, these fasteners 50, 51, 52 can be easily mounted. Of course, the shape of the fastener may be other than this.
[0041]
In addition, the fixing anchor D1 may employ a configuration in which a plurality of reinforcing fibers f are impregnated and bundled with an adhesive or a resin on site. Furthermore, a plurality of reinforcing fibers f may be bundled in advance with a resin or the like only at the end portion, and the predetermined length portion may be impregnated with the resin or the like at the site. In this way, the length of the bundle portion 15 can be set flexibly according to the depth of the hole for fixing the fixing anchor D1.
[0042]
However, in the bending reinforcement method of the present invention, when fixing and fixing one end of the anchor for anchor into the hole, it is inserted and fixed in the hole while bending the central part in the longitudinal direction. A configuration in which a plurality of reinforcing fibers f are arranged in a hole without being separated, and a plurality of reinforcing fibers f are integrally bundled and fixed in a part in the length direction by a curable filler injected into the hole. It is also good.
As shown in FIG. 11, the anchor D3 for fixing is formed by bending a large number of reinforcing fibers f at the center in the longitudinal direction and inserting them into a hole 55 formed on the lower surface of the floor 12, for example. The holes 55 are fixed by filling with a curable filler such as an adhesive 56. As a result, the anchor D3 for fixing has a configuration in which a plurality of reinforcing fibers f are bundled together in a part in the length direction by the adhesive 56 or the like and fixed in the hole 55.
In order to carry out construction using such a fixing anchor D3, first, as shown in FIG. 12 (a), a hole 55 is drilled at a predetermined position on the lower surface of the floor 12, and then shown in FIG. 12 (b). Thus, the adhesive 56 is injected into the hole 55. Subsequently, as shown in FIG. 12 (c), a predetermined number of reinforcing fibers f are held by a rod 57 whose tip is, for example, V-shaped at an intermediate portion in the longitudinal direction. As shown in FIG. Next, when only the rod 57 is pulled out, as shown in FIG. 12 (e), the pushed-in reinforcing fiber f is fixed in the hole 55 by the adhesive 56 in the hole 55 being cured, so that the lengthwise intermediate part thereof is fixed. As a result, the fixing anchor D3 is fixed in the hole 55.
When the fixing anchor D3 having such a configuration is used, it is not necessary to previously manufacture a fixing anchor in which a plurality of reinforcing fibers f are bundled as shown in the first or second embodiment. Therefore, not only can the cost be reduced, but also the number and length of reinforcing fibers can be easily changed on site, thereby making the construction easier. Become.
[0043]
By the way, in order to perform a pull-out test of the fixing anchors D1 and D2 fixed as described above, the fixing anchors D1 and D2 are placed in the holes H formed in the concrete Z as shown in FIG. The resin J or the like used for fixing the fixing anchors D1 and D2 is injected. Then, as shown in FIG. 13 (b), fixing anchors D1 and D2 are passed through a pipe P set on the surface of concrete Z, expansive cement or the like is injected into the pipe P, and fixing anchors D1 and D2 are injected. D2 and the pipe P are integrated. Then, the reaction table B is set on the concrete Z, and a jack X such as a center hole type is installed on the reaction table B. Then, a nut N is screwed onto a screw portion formed at the tip end of the pipe P, and in this state, the jack X is extended by the driving source G, and a pull-out test of the fixing anchors D1 and D2 is performed.
In this way, it is possible to perform a pull-out test without damaging the fixing anchors D1 and D2.
[0044]
Furthermore, as a beam to which the bending reinforcing structure and the bending reinforcing method of the present invention are applied, it does not matter whether the beam is newly installed or existing.
[0045]
In addition to this, it is needless to say that any configuration may be adopted as long as it does not depart from the gist of the present invention, and the above-described configurations may be appropriately combined.
[0046]
【The invention's effect】
As described above, according to the bending reinforcement structure for a beam according to claim 1, the anchor for fixing composed of a plurality of reinforcing fibers is fixed to the hole formed in the concrete member at the portion where the reinforcing fibers are bundled. At the same time, an unbundled portion is arranged along the surface of the beam . Then, the sheet-like reinforcing material is disposed along the surface in the continuous direction of the beam , and at least the end thereof is overlapped and joined to the unbundled portion of the fixing anchor, thereby fixing the reinforcing material. It is configured to be fixed to the beam via an anchor. Thereby, the edge part of a reinforcing material can be reliably fixed to a beam . Accordingly, it is possible to prevent the end of the reinforcing member from peeling off and to reliably exert the reinforcing effect against the bending of the beam . In addition, it is only necessary to form a hole for fixing the anchor anchor bundle, and the diameter of the hole is smaller than that of a normal steel anchor, so noise and vibration are generated. And can be easily applied to existing buildings. Furthermore, since no protrusions are formed on the surface of the reinforcing material after the reinforcing material is disposed, no extra work is required for the construction of the finishing material.
[0047]
In addition, a fixing reinforcing member that is orthogonal to the direction in which the reinforcing material continues is disposed in a portion where the reinforcing material overlaps the end of the fixing anchor. Thereby, fixation of a reinforcing material can be performed more reliably and the said effect can be made more remarkable.
[0048]
Further, the reinforcing material is a sheet-like material made of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber and the like. Since such a reinforcing material has sufficient strength and is lightweight, it is easy to handle during construction, reduces the burden on the operator, and does not require a crane. Construction can proceed smoothly even inside the building.
In particular , according to the beam reinforcing structure according to claim 1 , the bundled portion of the anchor for anchoring is provided with a convex portion or a hump for increasing the fixing strength against the hole by the curable filler. ing.
Thereby, the fixing strength with respect to the beam of the fixing anchor is further increased by the convex portion or the hump.
[0049]
According to the bending reinforcement method for a beam according to claim 2 , the sheet-like reinforcing material is disposed along the continuous direction of the beam, and is composed of a plurality of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, and glass fiber. The fixing anchor is fixed in the hole formed in the concrete member, and the end portion of the reinforcing member is overlapped and joined to the end portion of the fixing anchor.
Thereby, the reinforcing material can be fixed via the anchor for anchoring, the bending reinforcement structure of the beam according to claim 1 can be realized, and the occurrence of peeling of the end portion of the reinforcing material can be prevented, It is possible to reliably exert a reinforcing effect against bending of the beam. In addition, it is only necessary to form a hole for fixing the bundled portion of the anchor for fixing, and since the hole can be smaller in diameter than a normal steel anchor, noise and vibration can be prevented. Occurrence can be minimized and application to existing buildings can be easily performed. Furthermore, since no protrusions are formed on the surface of the reinforcing material after the reinforcing material is disposed, no extra work is required for the construction of the finishing material.
[0050]
In particular , according to the construction method according to claim 2 , when the fixing anchor is inserted into the hole and fixed, a plurality of reinforcing fibers are aligned and bent at the center in the length direction. Is inserted into the hole, and the bent portion is fixed to the hole as one end of the anchor for fixing.
As a result, it is not necessary to prepare a fixing anchor in which a plurality of reinforcing fibers are bundled in advance, and it is possible not only to reduce the cost, but also to appropriately change the number and length of reinforcing fibers at the site. This can be easily performed, and the construction can be further simplified.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an elevational sectional view showing a first embodiment of a bending reinforcement structure and bending reinforcement method for a beam according to the present invention.
FIG. 2 is an external view showing an example of a fixing anchor used in the bending reinforcing structure and the bending reinforcing method.
FIG. 3 is an external view showing another example of the fixing anchor.
FIG. 4 is a diagram showing an example of a cross-sectional shape of an identification wearing anchor.
FIG. 5 is an external view showing another example of the bundle portion of the identification wearing anchor.
FIG. 6 is an elevational sectional view showing a reference example when the present invention is applied to a column .
FIG. 7 is an external view showing an example of a fixing anchor used in the bending reinforcement structure and the bending reinforcement method of the reference example .
FIG. 8 is a diagram showing an example of how to spread the fixing anchor.
FIG. 9 is a diagram showing another example of the identification wearing anchor, and is a diagram showing a procedure for fixing the identification wearing anchor.
FIG. 10 is an external view showing still another example of the bundle portion of the identification wearing anchor.
FIG. 11 is a side sectional view showing still another example of the identification wearing anchor, in which a plurality of reinforcing fibers are not bundled but are inserted and fixed as they are in a hole.
12 is a process diagram showing a construction procedure when the configuration shown in FIG. 11 is adopted. FIG.
FIG. 13 is a diagram showing a method for pulling out an identification wearing anchor.
[Explanation of symbols]
10 Pillar (concrete member)
11 Beam (concrete member)
20, 30 fixing reinforcing member 55 hole C1, C3 reinforcing sheet (reinforcing material)
D1, D2, D3 Anchor for anchoring

Claims

コンクリート部材である梁の曲げ補強構造であって、
炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等、複数本の強化繊維をその長さ方向の一部で一体に束ねられてなる定着用アンカーが、前記束ねた部分をコンクリート部材に形成された孔に定着させるとともに、束ねていない部分を前記梁の表面に沿わせた状態で配設されてなり、
炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維からなるシート状の補強材が、前記梁の連続する方向に延在するよう該梁の表面に沿って配設されて、該補強材の少なくとも端部が前記定着用アンカーの束ねていない部分に重ねて接合されることによって、前記補強材が前記定着用アンカーを介して前記梁に定着され、
前記補強材と前記定着用アンカーの端部とが重なる部分には、前記補強材の連続する方向に直交する定着補強部材が重ねて配設され、
前記定着用アンカーの前記束ねた部分には、硬化性充填材による前記孔に対する定着強度を高めるための凸部またはこぶが設けられていることを特徴とする梁の曲げ補強構造。It is a bending reinforcement structure of a beam which is a concrete member,
A fixing anchor formed by integrally bundling a plurality of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc. in a part in the length direction fixes the bundled portion to a hole formed in the concrete member. Along with the surface of the beam, the unbundled part is arranged,
A sheet-like reinforcing material made of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc. is disposed along the surface of the beam so as to extend in the continuous direction of the beam, and at least the end of the reinforcing material The portion is joined to the fixing anchor in an overlapped manner so that the reinforcing material is fixed to the beam via the fixing anchor,
In a portion where the reinforcing material and the end of the fixing anchor overlap, a fixing reinforcing member perpendicular to the continuous direction of the reinforcing material is disposed to overlap .
A bending reinforcement structure for a beam, wherein the bundled portion of the fixing anchor is provided with a convex portion or a hump for increasing the fixing strength with respect to the hole by the curable filler.

炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等の強化繊維からなるシート状の補強材をコンクリート部材である梁の連続する方向に沿わせて配設して貼り付けることによって曲げ補強を行う梁の曲げ補強工法であって、
炭素繊維，アラミド繊維，ガラス繊維等、複数本の強化繊維からなる定着用アンカーの一端部をコンクリート部材に形成した孔に挿入し、前記孔に硬化性充填材を充填して該定着用アンカーの一端部を前記孔に対して定着するとともに、該定着用アンカーの他端部を広げて梁の表面に定着し、
前記補強材の端部を前記定着用アンカーの他端部に重ねて接合することによって、該補強材の端部を前記定着用アンカーを介して前記梁に対して定着し、
それら定着用アンカーと補強材との重ね合わせ部には、さらに定着補強部材を重ねて配設し、
前記定着用アンカーの一端部を前記孔に挿入して定着するに際しては、複数本の強化繊維を揃えてその長さ方向中央部で折り曲げながらその折り曲げ部を孔内に挿入することにより、該折り曲げ部を定着用アンカーの一端部として前記孔に対して定着することを特徴とする梁の曲げ補強工法。A bending reinforcement method for beam reinforcement in which a sheet-like reinforcing material made of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc. is placed along the continuous direction of the beam, which is a concrete member, and bonded. Because
One end of a fixing anchor made of a plurality of reinforcing fibers such as carbon fiber, aramid fiber, glass fiber, etc. is inserted into a hole formed in the concrete member, and the hole is filled with a curable filler, and the fixing anchor One end is fixed to the hole, and the other end of the anchor is widened and fixed to the beam surface.
Fixing the end of the reinforcing member to the beam via the fixing anchor by overlapping and joining the other end of the fixing anchor to the other end of the fixing anchor;
In the overlapping portion of the fixing anchor and the reinforcing material, a fixing reinforcing member is further stacked .
When inserting and fixing one end of the fixing anchor into the hole, a plurality of reinforcing fibers are aligned, and the bent portion is inserted into the hole while being bent at the center in the longitudinal direction. A method for bending reinforcement of a beam, wherein the portion is fixed to the hole as one end portion of a fixing anchor.