《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1及び図2に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る情報再生装置としての光ディスク装置20の概略構成を示すブロック図が示されている。
この光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。
なお、本第1の実施形態では、一例として、光ディスク15としてDVD+Rが用いられるものとする。
前記光ピックアップ23は、光源としての半導体レーザ、該半導体レーザから出射される光束を光ディスク15の記録面に導くとともに、前記記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、前記受光位置に配置され戻り光束を受光する受光器、及び駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ及びシークモータ等)(いずれも図示省略)などを含んで構成されている。そして、受光器からは、その受光量に応じた信号(光電変換信号)が再生信号処理回路28に出力される。
前記再生信号処理回路28では、光ピックアップ23の出力信号である電流信号を電圧信号に変換し、該電圧信号に基づいてウォブル信号、再生情報を含むRF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号やトラックエラー信号など)を検出する。再生信号処理回路28では、ウォブル信号から位置情報などを抽出する。ここで抽出された位置情報はCPU40に出力される。さらに、再生信号処理回路28では、RF信号に対して誤り訂正処理等を行なった後、バッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、フォーカスエラー信号及びトラックエラー信号は、再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
前記サーボコントローラ33では、フォーカスエラー信号に基づいて光ピックアップ23のフォーカシングアクチュエータを制御する制御信号を生成し、トラックエラー信号に基づいて光ピックアップ23のトラッキングアクチュエータを制御する制御信号を生成する。両制御信号はサーボコントローラ33からモータドライバ27に出力される。
前記モータドライバ27では、サーボコントローラ33からの制御信号に基づいて、光ピックアップ23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動する。また、モータドライバ27では、CPU40の指示に基づいて、スピンドルモータ22を制御する。さらに、モータドライバ27では、CPU40の指示に基づいて、前記シークモータを制御する。
前記インターフェース38は、ホスト(例えば、パーソナルコンピュータ)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)等の標準インターフェースに準拠している。
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述された後述するデータ管理情報取得プログラムを含むプログラムが格納されている。
前記CPU40は、ROM39に格納されている上記プログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。なお、光ディスク装置20に電源が投入されると、ROM39に格納されている上記プログラムは、CPU40のメインメモリ(図示省略)にロードされる。
次に、前述のようにして構成された光ディスク装置20におけるデータ管理情報取得処理について図2を用いて説明する。図2のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。本第1の実施形態では、一例として、ホストから光ディスク15の記録領域におけるトラック情報(トラック数、指定トラックのアドレス)の取得要求があった場合について説明する。また、光ディスク15におけるファイルシステムは、シーケンシャルUDF規格に準拠するものとする。
ここでは、光ディスク15の記録領域には、N(3≦N≦191)個のセッションが存在し、最も内周側をセッション1、最も外周側をセッションNとする。そして、セッション1〜セッション(N−1)は、データの記録が完了しているクローズセッションであり、セッションNはデータの記録が完了していないオープンセッションであるものとする。さらに、セッションNでは、M(<16)個のフラグメントにデータが記録されているものとする。
そして、セッションNのリードイン(イントロ)領域に記録されているSDCBは、すでにRAM41にコピーされているものとする。なお、このSDCB(以下、「セッションNのSDCB」という)には、セッションNのセッション番号、セッション1からセッション(N−1)までの各セッション情報(セッション番号、セッションの開始アドレス、セッションの終了アドレスなど)、及びセッションN内のフラグメント情報(フラグメント番号、フラグメントの開始アドレス、フラグメントの終了アドレスなど)を含む情報が記録されている。
図2のステップ401では、ホストからトラック数の取得要求があるか否かを判断する。ここでは、ホストからトラック数の取得要求があるので、ステップ401での判断は肯定され、ステップ403に移行する。
ステップ403では、RAM41に格納されているセッションNのSDCBを参照し、セッションNのセッション番号から、記録領域内のクローズセッションの数(以下、「クローズセッション数CS」という)を求める。なお、セッション番号は、記録領域の内周側から順に付けられているので、セッションNのセッション番号は、記録領域内のクローズセッション数CSに1を加算した値である。すなわち、セッションNのセッション番号から1を減算することによりクローズセッション数CSを求めることができる。
ステップ405では、RAM41に格納されているセッションNのSDCBを参照し、オープンセッションN内のフラグメントの数(以下、「フラグメント数OSF」とする)を求める。
ステップ407では、各クローズセッションをそれぞれ擬似的なトラックと見なし、次の(1)式に基づいて、トラック数の取得要求に対する回答としての応答トラック数(ATとする)を求める。
AT=CS+OSF ……(1)
ステップ409では、上記(1)式に基づいて算出した応答トラック数ATをホストに通知する。そして、ステップ415に移行する。本第1の実施形態では、クローズセッション数CSは(N−1)、オープンセッションN内のフラグメント数OSFはMであるので、応答トラック数ATは(N−1+M)となる。なお、オープンセッションが存在しない場合は、OSF=0となる。
一方、ステップ401において、ホストからトラック数の取得要求がなければ、ステップ401での判断は否定され、ステップ415に移行する。
ステップ415では、ホストから指定トラックのアドレス要求があるか否かを判断する。ここでは、ホストから指定トラックのアドレス要求があるので、ステップ415での判断は肯定され、ステップ417に移行する。
ステップ417では、ホストから指定されたトラックの番号(以下、「指定トラック番号」という)とクローズセッション数CSとを比較し、指定トラック番号がCS以下であるか否かを判断する。すなわち、擬似的なトラックが指定されたのか、オープンセッションN内のトラックが指定されたのかを判断する。ここで、擬似的なトラックが指定された場合には、指定トラック番号はCS以下となり、ステップ417での判断は肯定される。そして、ステップ419に移行する。なお、本第1の実施形態では、トラック番号Pが指定されたものとする。
ステップ419では、RAM41に格納されているセッションNのSDCBを参照して、セッションPの開始アドレスを抽出する。そして、セッションPの開始アドレスに基づいて、光ディスク15の記録領域に記録されているセッションPのSDCBを検索し、セッションPの先頭のフラグメントの開始アドレス及び最終のフラグメントの終了アドレスを求める。さらに、このようにして求めた上記開始アドレスを指定トラックPの開始アドレスとし、上記終了アドレスを指定トラックPの終了アドレスとする。すなわち、擬似的なトラックのアドレス情報を指定トラックのアドレス情報と見なす。
一方、ステップ417において、オープンセッションN内のトラックが指定された場合には、指定トラック番号PはCSを超えるため、ステップ417での判断は否定される。そして、ステップ425に移行する。
ステップ425では、次の(2)式に基づいて、指定トラック番号Pに対応するフラグメント番号FNを求める。
FN=P-CS-1+OSM1 ……(2)
上記(2)式におけるOSM1はオープンセッションN内の最初のフラグメント番号であり、RAM41に記録されているオープンセッションNのフラグメント情報を参照することにより求めることができる。なお、フラグメント番号はセッション1内の最初のフラグメントから順に付けられている。すなわち、フラグメント番号とセッション番号との間には関連性はない。
ステップ427では、RAM41に記録されているオープンセッションNのフラグメント情報を参照し、フラグメント番号FNのフラグメント(以下、「フラグメントFN」という)の開始アドレスを指定トラックPの開始アドレスとし、フラグメントFNの終了アドレスを指定トラックPの終了アドレスとする。
ステップ431では、上記の如くして求めた指定トラックPのアドレス情報をホストに通知する。そして、データ管理情報取得処理を終了する。
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に記録されているデータを再生する場合の処理動作について簡単に説明する。
光ディスク15が、光ディスク装置20の所定位置の挿入(マウント)されると、CPU40は、光ディスク15の記録領域の所定位置に記録されているクローズセッションに関する情報を取得し、該情報に基づいて最終のクローズセッションのアドレスを抽出し、該最終のクローズセッションに続いてオープンセッションがあるか否かをチェックし、オープンセッションがある場合には、該オープンセッションのSDCBを読み出し、RAM41にコピーする。オープンセッションがない場合には、最終のクローズセッションのSDCBを読み出し、RAM41にコピーする。
CPU40は、ホストからトラック情報の取得要求があると、上記の如くして要求内容に応じた回答をホストに通知する。
CPU40は、ホストからトラックを指定した再生要求を受信すると、光ディスク15の記録領域での指定トラックのアドレス情報を求め、指定トラックの開始アドレスを読み込み開始位置とする。
そして、CPU40は、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、ホストから再生要求を受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、光ピックアップ装置23からの出力信号が再生信号処理回路28に出力される。
再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいて位置情報を取得し、CPU40に通知する。さらに、再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。サーボコントローラ33は、再生信号処理回路28からのフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号に基づいて、モータドライバ27を介して光ピックアップ装置23のフォーカシングアクチュエータ及びトラッキングアクチュエータを駆動し、フォーカスずれ及びトラックずれを補正する。
CPU40は、再生信号処理回路28からの位置情報に基づいて、読み込み開始位置に光ピックアップ装置23が位置するようにシーク動作を指示する信号をモータドライバ27に出力する。
CPU40は、再生信号処理回路28からの位置情報に基づいて、読み込み開始位置であるか否かをチェックし、光ピックアップ装置23の位置が読み込み開始位置であると判断すると、再生信号処理回路28に通知する。そして、再生信号処理回路28では、光ピックアップ装置23の出力信号に基づいてRF信号を検出し、誤り訂正処理等を行った後、バッファRAM34に蓄積する。なお、再生処理が終了するまで、再生信号処理回路28は、上述した如く、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号を検出し、サーボコントローラ33及びモータドライバ27を介してフォーカスずれ及びトラックずれを随時補正する。
バッファマネージャ37は、バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃ったときに、インターフェース38を介してホストに転送する。
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって、擬似領域設定手段、通知手段、領域数取得手段、領域数決定手段が実現されている。なお、CPU40によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって実現することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって実現することとしても良い。
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置20では、再生信号処理回路28によって再生手段が構成されておる。
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU40によって行われる上記処理のうち、図2のフローチャートで示される処理は、データ管理情報取得プログラムとしてROM39に格納されている。
さらに、本第1の実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU40が上記データ管理情報取得プログラムに従って処理を行うことによりデータ領域数決定方法及びデータ管理情報取得方法を実行している。
以上説明したように、本第1の実施形態に係るデータ管理情報取得方法によると、ホストからのトラック数の取得要求に応じて、記録領域内に含まれるセッションのうち、クローズセッションを擬似的なトラックと見なしてトラック数を算出しているために、最終のセッション(本第1の実施形態ではオープンセッションN)のSDCBに記録されているセッション番号を参照するだけで、直ちに擬似的なトラックの数を取得することができる。すなわち、記録領域内の全てのトラック(フラグメント)の数を計数する必要がないため、トラック数の取得要求に応じて、従来と比べて、要求された情報の迅速な取得が可能となる。
また、本第1の実施形態では、擬似的なトラックの数、すなわちクローズセッションの数をトラック数の取得要求に対する回答としているために、全てのセッションのSDCBを調べる必要はなく、最終のセッションのSDCBのみから擬似的なトラックの数を直ちに取得することができる。すなわち、トラック数の取得要求に応じて、要求された情報の迅速な取得が可能となる。なお、追記型の情報記録媒体では、データの記録時にオープンセッション内に存在するトラックの情報が必要となるが、セッションがクローズされデータ記録を行うことができないクローズセッション内のトラックの情報は重要でなく、トラック数の取得要求に対して、クローズセッションの数をその回答としても、何ら不都合はない。
そして、本第1の実施形態では、擬似的なトラックの数とオープンセッション内のトラックの数との合計を、トラック数の取得要求に対する回答としている。従来、トラックの数を計数するためには、全てのセッションのSDCBを調べる必要があり、各セッションのSDCBが記録領域に分散して記録されているために、多大の時間を要していた。しかしながら、ここではクローズセッション内のトラックの数を計数する必要がないため、トラック数の取得要求に応じて、従来よりも迅速に、要求された情報を取得することが可能となる。
さらに、本第1の実施形態では、指定されたトラックのトラック番号に対応する擬似的なトラック、すなわちセッション内の最初のトラックの開始アドレス及び最後のトラックの終了アドレスをトラックアドレスの取得要求に対する回答としている。ここで、クローズセッション内の最初のトラックの開始アドレス及び最後のトラックの終了アドレスは、短時間で求めることができるため、トラックアドレスの取得要求に応じて、従来よりも迅速に、要求された情報を取得することが可能となる。なお、追記型の情報記録媒体では、データの記録時に、オープンセッション内に存在するトラックの正確なアドレス情報が必要となるが、クローズセッション内には記録が行われることはなく、しかもデータはシーケンシャルに記録されているので、クローズセッション内のトラックの正確なアドレス情報を回答とする実益は殆どない。
さらに、本第1の実施形態では、クローズセッションを擬似的なトラックと見なすことにより、トラック数は最大でも206(=190(擬似的なトラック数)+16(オープンセッション内のトラック数))トラックとなり、予め各トラックの情報をRAM41に保持することが可能となる。
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置によると、ホストからのトラック情報の取得要求に応じて、要求された情報に悪影響を及ぼさない範囲内で、複数のトラックからなる領域を擬似的なトラックとみなすことにより、ホストからの要求に対する回答に不要な情報を取得する手間を省くことができる。従って、ホストからのトラック情報の取得要求に対して、短時間で回答することができる。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図3〜図6に基づいて説明する。
この第2の実施形態は、データ管理情報取得処理が前述した第1の実施形態と異なる点に特徴を有する。すなわち、ROM39に格納されているデータ管理情報取得プログラムのみが異なり、その他、光ディスク装置の構成などは、前述した第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
上記データ管理情報取得プログラムが格納されているROM39を備えた光ディスク装置20におけるデータ管理情報取得処理について図3〜図6を用いて説明する。図3〜図6のフローチャートは、CPU40によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。本第2の実施形態では、一例として、ホストから光ディスク15の記録領域におけるセッション情報(セッション数)とトラック情報(トラック数、指定トラックのアドレス)の取得要求があった場合について説明する。また、光ディスク15に関する前提条件は、前述した第1の実施形態と同様である。
図3のステップ501では、ホストから光ディスク15の記録領域内のセッション数の取得要求があるか否かを判断する。ここでは、ホストからセッション数の取得要求があるので、ステップ501での判断は肯定され、ステップ503に移行する。
ステップ503では、セッション数の取得処理を行う。なお、セッション数の取得処理については、図4のフローチャートを用いて説明する。
図4のステップ601では、RAM41に記録されているセッションNのSDCBを参照し、光ディスク15の記録領域内の全てのセッションの数(以下、「全セッション数AS」という)を取得する。すなわち、RAM41に記録されているセッションNのセッション番号を全セッション数ASとする。
ステップ603では、全セッション数ASが1を超えているか否かを判断する。ここでは、全セッション数ASは1を超えているので、ステップ603での判断は肯定され、ステップ605に移行する。
ステップ605では、セッション1からセッション(N−2)までの(N−2)個のセッションを1つの疑似的なセッションと見なす。そして、記録領域内には、その擬似的なセッションとセッション(N−1)との2個のクローズセッションが含まれているので、疑似的なクローズセッション数(以下、「擬似クローズセッション数SS」という)に2をセットする。
ステップ607では、記録領域内にオープンセッションが存在するか否かを判断する。すなわち、RAM41に記録されているセッションNのSDCBを参照し、セッションNがオープンセッションであるかクローズセッションであるかをチェックすることにより、オープンセッションの有無を容易に知ることができる。ここでは、オープンセッションは存在するので、ステップ607での判断は肯定され、ステップ609に移行する。
ステップ609では、ホストからのセッション数の取得要求に対する回答としての応答セッションの数(以下、「応答セッション数RS」という)を次の(3)式に基づいて算出する。すなわち、応答セッション数RSは擬似クローズセッション数SSにオープンセッションの数(=1)を加算した値(=3)となる。そして、セッション数の取得処理を終了する。
RS=SS+1 ……(3)
一方、ステップ607において、オープンセッションが存在しなければ、すなわち、セッションNが存在しない場合には、ステップ607での判断は否定され、ステップ611に移行する。
ステップ611では、応答セッション数RSを次の(4)式に基づいて算出する。すなわち、応答セッション数RSは擬似クローズセッション数SSと同一の値となる。そして、セッション数の取得処理を終了する。
RS=SS ……(4)
一方、ステップ603において、全セッション数ASが1であれば、すなわち、記録領域内に1個のセッションのみが存在する場合は、ステップ603での判断は否定され、ステップ613に移行する。
ステップ613では、記録領域内に1個のセッションしか存在しないので、疑似クローズセッション数SSに1をセットする。そして、ステップ611に移行する。
図3のステップ505では、セッション数の取得処理で求めた応答セッション数RSをホストに通知する。そして、ステップ507に移行する。
一方、ステップ501において、ホストからセッション数の取得要求がなければ、ステップ501での判断は否定され、ステップ507に移行する。
ステップ507では、ホストから記録領域内のトラック数の取得要求があるか否かを判断する。ここでは、ホストからトラック数の取得要求があるので、ステップ507での判断は肯定され、ステップ509に移行する。
ステップ509では、トラック数の取得処理を行う。なお、トラック数の取得処理については、図5のフローチャートを用いて説明する。
図5のステップ621では、記録領域内にオープンセッションが存在するか否かを判断する。ここでは、オープンセッションは存在するので、ステップ621での判断は肯定され、ステップ623に移行する。
ステップ623では、RAM41に記録されているセッションNのフラグメント情報を参照して、オープンセッションN内のフラグメントの数(以下、「フラグメント数OSF」とする)を求める。
ステップ625では、次の(5)式に基づいて、ホストからのトラック数の取得要求に対する回答としての応答トラックの数(以下、「応答トラック数AT」という)を求める。すなわち、擬似的なセッション及び最終のクローズセッションを擬似的なトラックと見なして、応答トラック数ATを算出する。
AT=SS+OSF ……(5)
本第2の実施形態では、疑似クローズセッション数SSは2、オープンセッション内のフラグメント数OSFはMであるので、応答トラック数ATは(M+2)となる。そして、トラック数の取得処理を終了する。
一方、ステップ621において、オープンセッションが存在しない場合には、ステップ621での判断は否定され、ステップ627に移行する。
ステップ627では、応答トラック数ATを次の(6)式に基づいて算出する。すなわち、応答トラック数ATは擬似クローズセッション数SSと同一の値となる。そして、トラック数の取得処理を終了する。
AT=SS ……(6)
図3のステップ511では、トラック数の取得処理にて算出された応答トラック数ATをホストに通知する。そして、ステップ513に移行する。
一方、ステップ507において、ホストからトラック数の取得要求がなければ、ステップ507での判断は否定され、ステップ513に移行する。
ステップ513では、ホストから指定トラックのアドレス情報の取得要求があるか否かを判断する。ここでは、ホストからアドレス情報の取得要求があるので、ステップ513での判断は肯定され、ステップ515に移行する。なお、ホストからは、上記第1の実施形態と同様に、トラック番号によって、アドレス情報の取得対象となるトラックが指定される。
ステップ515では、アドレス情報の取得処理を行う。なお、アドレス情報の取得処理については、図6のフローチャートを用いて説明する。
図6のステップ651では、指定トラック番号と疑似クローズセッション数SSとを比較し、指定トラック番号がSS以下であるか否かを判断する。すなわち、擬似的なトラック(擬似的なセッション又は最終のクローズセッション)が指定されたのか、オープンセッションN内のトラックが指定されたのかを判断する。ここで、擬似的なトラックが指定された場合には、指定トラック番号はSS以下となり、ステップ651での判断は肯定される。そして、ステップ653に移行する。なお、本第2の実施形態では、一例としてトラック番号Pが指定されたものとする。
ステップ653では、指定トラック番号Pが1であるか否かを判断する。すなわち、擬似的なセッションが指定されたのか、最終のクローズセッションが指定されたのかを判断する。ここで、擬似的なセッションが指定された場合には、指定トラック番号Pは1であり、ステップ653での判断は肯定される。そして、ステップ655に移行する。
ステップ655では、RAM41に格納されているセッションNのSDCBを参照して、セッション1の開始アドレスとセッション(N−2)の終了アドレスを求める。このようにして求めた上記開始アドレスを指定トラックPの開始アドレスとし、上記終了アドレスを指定トラックPの終了アドレスとする。そして、アドレス情報の取得処理を終了する。
一方、ステップ653において、最終のクローズセッションが指定された場合には、指定トラック番号Pは2であり、ステップ653での判断は否定される。そして、ステップ657に移行する。
ステップ657では、RAM41に格納されているセッションNのSDCBを参照して、セッション(N−1)の最初のフラグメントの開始アドレスと最終のフラグメントの終了アドレスを求める。このようにして求めた上記開始アドレスを指定トラックPの開始アドレスとし、上記終了アドレスを指定トラックPの終了アドレスとする。そして、アドレス情報の取得処理を終了する。
一方、ステップ651において、オープンセッションN内のトラックが指定された場合には、指定トラック番号PはSSを超えるため、ステップ651での判断は否定される。そして、ステップ659に移行する。
ステップ659では、次の(7)式に基づいて、指定トラック番号Pに対応するフラグメント番号FNを求める。
FN=P-SS-1+OSM1 ……(7)
ステップ661では、フラグメントFNの開始アドレスを指定トラックPの開始アドレスとし、フラグメントFNの終了アドレスを指定トラックPの終了アドレスとする。そして、アドレス情報の取得処理を終了する。
図3のステップ517では、上記の如くして求めた指定トラックPの開始アドレスと終了アドレスをホストに通知する。そして、データ管理情報取得処理を終了する。
本第2の実施形態に係る光ディスク装置20では、上記第1の実施形態と同様にして、ホストからの指定に基づいて光ディスク15に記録されているデータを再生する。
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU40によって行われる上記処理のうち、図3〜図6のフローチャートで示される処理がデータ管理情報取得プログラムとしてROM39に格納されている。なお、CPU40によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
さらに、本第2の実施形態に係る光ディスク装置20では、CPU40が上記データ管理情報取得プログラムに従って処理を行うことによりデータ領域数決定方法及びデータ管理情報取得方法を実行している。
以上説明したように、本第2の実施形態に係るデータ管理情報取得方法によると、ホストからのセッション数の取得要求に対して、記録領域内に含まれるクローズセッションのうち、少なくとも最終のクローズセッションを除くクローズセッションを、1つのセッションと見なしている。記録データの最新のファイル情報は最終のクローズセッションの所定位置に記録されているので、最終のクローズセッションを除くクローズセッションを1つの擬似的なセッションとした場合でも、最終のクローズセッションに記録されている記録データの最新のファイル情報を正しく読むことができる。また、特に追記型の情報記録媒体では、シーケンシャルにデータが記録されているので、セッション数の取得要求に対する回答において、最終のクローズセッションを除くクローズセッションを1つの擬似的なセッションとしても何ら不都合はない。
また、本第2の実施形態では、光ディスク15の記録領域内に複数のクローズセッションとオープンセッションとを含む場合は、セッション数の取得要求に対する回答としてのセッション数を3とし、複数のクローズセッションのみを含む場合には、セッション数の取得要求に対する回答としてのセッション数を2としている。すなわち、記録領域内の複数のセッションのうちで擬似的なセッションから除外されたセッションの数に1を加算した値を、セッション数の取得要求に対する回答としている。従って、記録領域内のセッションの数を計数する必要がなく、従来よりも処理を簡略化することができるため、セッション数の取得要求に応じて、迅速に要求された情報を取得することが可能となる。
さらに、本第2の実施形態では、最終のクローズセッションを除くクローズセッション内の全てのトラックを1つの擬似的なトラックと見なし、トラック数の取得要求に対する回答を取得している。これにより、擬似的なトラック内のトラックの数を求める処理を省略できるため、従来よりも処理を簡略化することができる。従って、トラック数の取得要求に対して、従来よりも迅速に要求された情報を取得することが可能となる。
また、本第2の実施形態では、トラック数の取得要求に応じて、光ディスク15の記録領域内に複数のクローズセッションのみを含む場合は、2をトラック数の取得要求に対する回答としてのトラック数とし、複数のクローズセッションとオープンセッションとを含む場合は、オープンセッション内のトラックの数に2を加算した値をトラック数の取得要求に対する回答としてのトラック数としている。これにより処理を簡略化することができ、トラック数の取得要求に応じて、従来よりも迅速に、要求された情報を取得することが可能となる。なお、イントロとクロージャは、そのセクタIDがユーザデータ属性として記録されており、しかもそれぞれには論理アドレスが割り振られているために、複数のクローズセッションを1つのクローズセッションと見なしても、何ら不都合はなく、正常にデータ再生を行うことができる。
そして、本第2の実施形態では、トラックアドレスの取得要求に応じて、最終のクローズセッションを除くクローズセッション内の全てのトラックを、1つの擬似的なトラックと見なすとともに、該擬似的なトラックにおける最初のトラックの開始アドレス及び最後のトラックの終了アドレスを、トラックアドレスの取得要求に対する回答としてのトラックアドレスとしている。これにより、トラックアドレスの取得要求に応じて、結果的に従来よりも迅速に、要求された情報を取得することが可能となる。なお、最終のクローズセッションを除くクローズセッション内のトラックを1つの擬似的なトラックと見なしても、各セッションのイントロ及びクロージャを正しく認識することができるため、上記の回答がデータの再生に悪影響を及ぼすことはない。
上述の如く、少なくとも最終のクローズセッションを除く複数のクローズセッションを1つのセッション及びトラックとして扱うことにより、セッション及びトラックの扱いをさらに簡素化することができる。例えば、最終のクローズセッションを除いた複数のクローズセッションを擬似的な1つのセッションとみなす場合、ホストから見たセッション数は最大3(擬似的なセッション+最終クローズセッション+オープンセッション)セッションとなる。また、例えば、最終のクローズセッションを除いた複数のクローズセッションを擬似的に1つのトラックと見なし、さらに最終のクローズセッションも擬似的なトラックと見なす場合、ホストから見たトラック数は最大18(擬似的なトラック数2+オープンセッション内のトラック数16)トラックとなる。
また、本第2の実施形態に係る光ディスク装置によると、ホストからのデータ管理情報の取得要求に応じて、要求された情報に悪影響を及ぼさない範囲内で、複数のトラックからなる領域を擬似的なトラックとみなすことにより、ホストからの要求に対する回答に不要な情報を取得する手間を省くことができる。従って、ホストからのセッション情報及びトラック情報の取得要求に対して、短時間で回答することができる。
なお、上記第2の実施形態では、記録領域内のクローズセッションのうち、最終のクローズセッションのみを除くクローズセッションを擬似的なセッションとする場合について説明しているが、本発明がこれに限定されるものではなく、例えば、最終のクローズセッションを含む複数のクローズセッションを除いた残りのクローズセッションを擬似的なセッションとしても良い。
さらに、上記第2の実施形態では、最終のクローズセッションとそれを除くクローズセッションとを区別して、擬似的なセッション及び擬似的なトラックを設定する場合について説明しているが、記録領域内にオープンセッションを含み、光ディスク装置15がオープンセッションに記録されているデータを再生することができる場合には、必ずしも最終のクローズセッションとそれを除くクローズセッションとを区別する必要はない。
また、上記第2の実施形態では、記録領域内にクローズセッションが必ず含まれている場合について説明しているが、記録領域内にオープンセッションのみが含まれている場合であっても良い。但し、この場合には、擬似的なセッション及び擬似的なトラックは、設定されない。そして、図5のステップ625では、CPU40は、上記(5)式の代わりに、次の(8)式に基づいて応答トラック数ATを算出する。
AT=OSF ……(8)
さらに、この場合には、CPU40は、擬似クローズセッション数SSの値を0として、図6のアドレス設定処理を行う。
なお、上記各実施形態では、光ディスク15が光ディスク装置20の所定位置に挿入された時に所定のSDCBを光ディスク15から読み取って、RAM41にコピーしているが、ホストから取得要求があった時にSDCBを光ディスク15から読み取っても良い。
また、上記各実施形態の光ディスク装置では、データ管理情報取得プログラムは、ROM39内に記録されているが、他の情報記録媒体(CD−ROM、光磁気ディスク、MO等)に記録されていても良い。要するに、データ管理情報取得プログラムがCPU40のメインメモリにロードされれば良い。
なお、上記各実施形態では、光ディスク15がDVD+Rである場合について説明したが、これに限らず、セッションやトラックといった複数の記録領域に分割してデータ記録され得る情報記録媒体であれば良い。
さらに、上記各実施形態に係る光ディスク装置20は、ホストと同一の筐体内に配置される、いわゆる内蔵タイプであっても良いし、ホストとは別の筐体内に配置される、いわゆる外付けタイプであっても良い。
なお、上記各実施形態では、情報再生装置として光ディスク装置が用いられる場合について説明したが、これに限らず、情報再生の対象媒体として、セッションやトラックといった複数の記録領域に分割してデータが記録されている情報記録媒体を用いることができる情報再生装置であれば良い。勿論、再生と記録の両方が可能な情報記録再生装置を用いても良い。