JP3912764B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents

溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車の構造部材等に使用するのに好適な、高い伸びと伸びフランジ性を備えた溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気産業、自動車産業などの各種産業界において、地球環境を保護する目的から、CO2、NO2などの排気ガスを低減するための対策が図られている。特に、自動車業界では、自動車の車体を軽量化することで燃費の向上が検討されており、軽量化の一つの手法として、従来から自動車に使用される鋼板を高強度化しつつ、鋼板の薄肉化が進められている。
【0003】
一方、自動車の衝突安全規制が厳しくなる最中、車体の耐衝突性能を向上させる目的から自動車の構造部材に高強度鋼板の適用が検討されている。高強度鋼板を適用する場合には、張り出し割れ、伸びフランジ割れなどのプレス成形上の問題が発生するため、素材としては、伸び、伸びフランジ性などの特性が要望される。こうした要求に対し、例えば特開平4−293758号公報、特開平5−59517号公報には、めっき性と加工性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を製造する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開平4−293758号公報に開示されている技術は、鋼板の表層部と内部の成分を変化させたクラッド鋼板に関するものであり、強度が60kgf/mm2レベルで70%の高い穴拡げ率が得られているが、伸びが30%未満と低く、張り出し成形には不利である。また、特開平5−59517号公報に開示された技術は、連続焼鈍時の加熱開始から冷却終了までの時間が30秒以内という高速焼鈍技術を特徴としているが、安定して鋼板を製造するには極めて困難な技術である。
【0005】
本発明は、上記の従来技術の課題を解決するものであり、自動車の構造部材用鋼板に求められる高い伸び及び伸びフランジ性などのプレス成形性に優れ、かつ高強度な溶融亜鉛めっき鋼板と当該溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造する方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、重量%でC:0.07〜0.18、Si:0.02〜1.0、Mn:1.0〜2.0、P≦0.05、S≦0.003(0を含む)、so1.Al:0.02〜0.06、N≦0.004(0を含む)、V:0.01〜0.15を含有し、残部が Feおよび不可避不純物からなり、SiとVとの関係式がSi-3.786≦-exp(V+1.09)を満足することを特徴とする伸び及び伸びフランジ性に優れ、抗張力が595MPa 以上の溶融亜鉛めっき鋼板(請求項1)である。
【0007】
「残部が実質的にFeおよび不可避不純物からなる」というのは、鉄以外に不可避不純物、及び本発明の効果を無くさない範囲で少量の他の成分元素を含むものが本発明の範囲に含まれることを示すものである。また、本明細書(表を含む)及び図面において、鋼の成分を示す%は、特に断らない限り重量%である。
【0008】
前記課題を解決するための第2の手段は、前記第1の手段に示した成分に加え、重量%で、さらに、Cr:0.1〜0.8を含有することを特徴とする伸び及び伸びフランジ性に優れ、抗張力が595MPa以上の溶融亜鉛めっき鋼板(請求項2)である。
【0009】
前記課題を解決するための第3の手段は、前記第1の手段又は第2の手段である伸び及び伸びフランジ性に優れ、抗張力が595MPa以上の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、熱間圧延時に鋼板表面に形成されるスケールを高圧水にて除去する際、215・(Si-1.5V)+139≦P(kgf/cm2)≦450を満足する水圧Pの高圧水を用いる工程を有してなることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法(請求項3)である。ただし、Si及びVはそれぞれの重量%である。
【0010】
(本発明に至る経緯とSi、Vの限定理由)
本発明者らは、自動車構造部材用素材に求められる優れた延性と伸びフランジ成形性を兼備した高強度溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法を得るために、綴密に研究を重ねた。この結果、フェライト母相に硬質のマルテンサイトを含む変態組織強化鋼(Dua1 Phase鋼)では、両相の硬さの違いが大きいため、伸びフランジ成形前の端面加工時にフェライトとマルテンサイト界面にマイクロボイドが発生し、伸びフランジ成形性の劣化が不可避的であったのに対し、鋼中のVの含有量を適正化することによって、鋼板の組織は清浄化し、ミクロ偏析、バンド組織が低減され、伸びフランジ成形性が向上することが分かった。
【0011】
また、溶融亜鉛めっき性に好ましくないSiを組織の清浄化に寄与する鋼中V量との関係で適正に制御することによって、Siを含有した鋼板においても良好な溶融亜鉛めっき性が得られることが明らかとなった。さらに、鋼板の伸びフランジ性と溶融亜鉛めっき性は熱延板段階での鋼板の表面性状の影響を大きく受け、粗圧延を開始してから仕上圧延を開始するまでの熱間圧延プロセス中に形成されるスケールを除去するときに鋼板表面に噴射される高圧水の圧力を制御することによって、表面性状が良好となり、鋼板の伸びフランジ性と溶融亜鉛めっき性が共に向上することを見出した。
【0012】
以上の知見に基づき、鋭意検討した結果、優れた延性と伸びフランジ成形性を兼備した高強度溶融亜鉛めっき鋼板を安定して製造する技術を発明するに至った。以下、その内容について詳細に説明する。
【0013】
図1は、C:0.10〜0.15%、Mn:1.2〜1.8%、P:0.008〜0.030%、S:0.0005〜0.0030%、sol.Al:0.025〜0.055%、N:0.0020〜0.0035%、Cr:0.03〜0.70%で抗張力TSが595〜635MPa、板厚1.5mmの鋼板について、SiとVの含有量を変化させた場合の、伸びElと伸びフランジ性(穴広げ率λ)及び溶融亜鉛めっき性の変化を示す図である。伸びElは、33%以上で良好(○)、30〜32%で許容(△)、29%以下で不良(×)とし、伸びフランジ性λは、65%以上で良好(○)、60〜64%で許容(△)、59%以下で不良(×)とした。また、溶融めっき性の評価は、めっき密着性評点1で良好(○)、評点2で許容(△)、評点3で不良(×)とした。
【0014】
図1を見ると分かるように、伸びEl、伸びフランジ性λ、溶融めっき性が全て許容レベル以上であるためには、
Si-3.786≦-exp(V+1.09) …(1)
の関係を満たす必要がある。本発明においては、第1にSiとVの含有量の関係を(1)式を満たすように限定する。
【0015】
また、図1に示される実験結果から、伸びEl、伸びフランジ性λ、溶融めっき性が全て許容レベル以上であるため、及びその他の理由により、SiとVそれぞれの単独の含有量を、以下のように限定する。
【0016】
Si:0.02〜1.0%
Siはフェライト安定化元素であり、含有量が増加するほど、フェライト+マルテンサイト鋼中のフェライト体積率が増大し、伸びおよび伸びフランジ成形性が向上する。しかし、Siの含有量が0.02%未満ではこの効果は小さい。一方、含有量が1.O%を超えると(1)式が満たされることは無くなり、溶融亜鉛めっき性の劣化を招くため、Si量を0.02〜1.0%の範囲とする。
【0017】
V:0.O1〜0.15%
Vは鋼板組織の清浄化に寄与し、伸びフランジ成形性の向上に影響をおよぼす。Vの含有量が0.01%未満ではこの効果は小さく、図1からも分かるように、λの値が不良レベルである。一方、Vが0.15%を超えると、鋼板の焼入強化が過大となり、図1からも分かるように伸びEl、伸びフランジ性λの劣化を引き起こすため、Vの含有量を0.01〜0.15%の範囲とする。
【0018】
(その他の成分の限定理由)
C:0.07〜0.18%
Cは鋼の強化に有効な元素である。Cの含有量が0.07%未満では、強化能が小さい。一方、0.18%を超えて含有される場合は、伸びフランジ性の劣化をもたらす。このため、C含有量は0.07〜0.18%の範囲とする。
Mn:1.0〜2.0%
Mnは鋼の強化に有効な元素であるが、含有量が1.0%未満では強化能が小さい。一方、Mnの含有量が2.0%を超えると、伸びフランジ性が劣化する。このため、Mn含有量は1.0〜2.0%の範囲とする。
【0019】
P:≦0.05%
Pは含有量が0.05%を超えると溶融亜鉛めっき処理時の合金化むらを引き起こし、めっき密着性の劣化を招く。このため、P含有量は0.05%以下に抑える。
S:≦0.003%(0を含む)
Sは含有量が0.003%を超えると伸びフランジ性の劣化を引き起こす。このため、S含有量は0.003%以下に抑える。
sol.Al:0.02〜0.06%
Alは鋼の脱酸のために添加される。また、鋼中NをAlNとして固定する。Alが0.02%未満の含有量では、この効果が小さい。一方、Al含有量が0.06%を超えると、鋼板の表面性状の劣化を引き起こす。このため、Al含有量は0.02〜0.06%の範囲とする。
【0020】
N:≦0.004%(0を含む)
Nは含有量が0.004%を超えると伸びの劣化を引き起こす。このため、N含有量は0.004%以下に抑える。
Cr:0.1〜0.8%
Crは鋼の焼入れ性を向上させ鋼板の強化に有効な元素である。この効果を発揮するにはCrの含有量は0.1%以上とするのが好ましい。一方、含有量が0.8%を超えると、伸び、伸びフランジ性が劣化する。よって、請求項2の発明においては、Cr含有量の範囲を規定することとし、0.1〜0.8%とする。
【0021】
(鋼板の製造方法)
このような特性を有する溶融亜鉛めっき鋼板は以下の製造方法により製造することができる。
はじめに、前記第1の手段又は第2の手段に記載の成分を有する鋼を溶製する。溶製方法は転炉法、電気炉法のいずれでも何ら差し支えない。溶鋼よりスラブを製造し熱間圧延を施す。この場合、スラブを直ちに圧延してもよいし、一旦冷却した後、加熱してもよい。熱間圧延においては、鋼板の表層組織の粗大化を抑制し、板厚方向の組織の均一化を図るため、仕上圧延はAr3変態点以上で行なうのが好ましい。また、焼鈍後の鋼板の延性を向上させるため、500℃以上の温度で巻き取るのが望ましい。
【0022】
また、熱間圧延中、鋼板表面に形成されるスケールは高圧水にて除去されるが、発明者らの発見した知見によれば、この高圧水の噴水圧は、鋼板のSi、Vの含有量に関連させて制御することが好ましい。
【0023】
図2は、C:0.12〜0.15%、Si:0.1〜0.7%、V:0.02〜0.13%、Si-3.786+exp(V+1.09):-0.6〜-0.02、Mn:1.3〜1.6、P:0.007〜0.030、S:0.0010〜0.0030%、sol.Al:0.030〜0.055%、N:0.0020〜0.0030%、Cr:0.08〜0.70%でTS:600〜630Mpa、El:30〜36%、板厚1.4mmの鋼板について、(Si-1.5V)の値、噴水圧Pの圧力と、伸びフランジ性λ及び溶融亜鉛めっき性(いずれも図1に示した指標と同じ)との関係を示したものである。
【0024】
図2を見ると分かるように、噴水圧Pが215・(Si-1.5V)+139未満のときには、いずれもめっき性評点が3(不良)でありめっき密着性が劣化している。これは、スケール除去能が低下するためであると考えられる。一方、噴水圧Pが450kgf/cm2を超えると伸びフランジ性が劣化している。これは、鋼板表面性状が劣化するためであると考えられる。以上の結果により、噴水圧Pの範囲は
215・(Si-1.5V)+139≦P(kgf/cm2)≦450
を満足する範囲とすることが好ましい。
【0025】
熱間圧延の後は、通常の冷延鋼板の製造方法により冷延鋼板を製造し、連続溶融亜鉛めっき処理を施す。冷間圧延率は40%以上であれば、フェライトの再結晶の促進のために好ましい。また、鋼板の焼鈍は、典型的には、フェライト+オーステナイトの二相域、又はオーステナイト単相域で均熱処理を行った後約460℃まで冷却することにより行うが、通常行われている方法でかまわない。その後、溶融亜鉛メッキ処理を行ない、この後、500℃〜580℃の温度にて合金化処理を施す。このようにして得られた鋼板に電気亜鉛メッキ処理、化成処理などの表面処理を施しても特性上の何ら問題は生じない。
【0026】
【実施例1】
(実施例1)
表1に示す成分の鋼(No.1〜11:本発明鋼、No.12〜26:比較鋼)を実験室にて溶製、鋳造し、板厚60mmのスラブを作製した。このスラブを板厚30mmまで分塊圧延した後、大気中に1200℃で1時間保持し、粗圧延及び仕上圧延に供した。粗圧延を開始してから仕上圧延を開始するまでの間、鋼板表面に形成されるスケールを除去する際に鋼板表面に噴射される水の圧力Pを400kgf/cm2に制御した。仕上圧延は仕上温度860℃で行ない、大気中にて600℃の温度で巻取った場合に相当する熱処理を施し、板厚3mmの熱延板を作製した。本熱延板を酸洗した後、板厚1.4mmまで冷間圧延を行なった。
【0027】
次に、この冷延板を810℃で90秒間均熱保持した後、平均冷却速度5℃/sにて冷却し、溶融亜鉛めっき浴中に浸漬した。この後直ちに550℃まで20℃/sの平均速度で昇温した後、室温まで徐冷した。こうして得られた焼鈍板に伸長率0.5%にて調質圧延を施し、各種調査用のサンプルを作製した。
【0028】
本サンプルを用いて、機械特性およびめっき性を評価した。素材機械特性はJIS(日本工業規格)Z2241に準拠した引張試験にて調査し、伸びフランジ成形性はJFS(日本鉄鋼連盟規格)T1001に準拠した穴拡げ試験にて評価した。伸び(El)と伸びフランジ性(穴拡げ率:λ)の評価の基準として、Elは33〜40%を良好(○)、30〜32%を許容(△)、20〜29%を不良(×)とし、λは65〜85%を良好(○)、60〜64%を許容(△)、40〜59%を不良(×)と評価した。
【0029】
また、めっき性に関しては、幅50mm×長さ100mmのサンプルの表面にテープを貼り付け、90°曲げ試験を行なった後、テープを剥離し、鋼板の表面状態を目視にて評価した。めっき密着性は、鋼板が露出しない場合を1(良好、○)、テープまたは指でこすると鋼板が露出する場合を2(許容、△)、鋼板が露出する場合を3(不良、×)として評価した。
【0030】
機械特性およびめっき性の評価結果を表2に示す。本発明鋼No.1〜11はいずれも成分が本発明範囲内にあり、TSが595〜645MPa、Elは32〜38%であり、またλは66〜85%であることから、伸びならびに伸びフランジ性に優れている。また、めっき性は評価1〜2であり、好ましいレベルである。
【0031】
一方、比較鋼No.12〜26は、成分値が本発明範囲外となるものがあり、伸び、伸びフランジ性、めっき性が両立しない。比較鋼No.12〜14、22、23、25、26はめっき密着性は評価1〜2と好ましいレベルであるが、λは48〜58%であるため伸びフランジ性が不良である。
【0032】
鋼No.16は、Elは32%と許容範囲であるが、λは57%であるため、伸びフランジ性が不良であり、めっき性も評価3であって不良である。鋼No.15、17〜19、21はElが30〜37%、λが60〜82%であるので、伸び、伸びフランジ性は許容レベル以上にあるが、めっき性は評価3であるため不良である。また、鋼No.20、24はElが26〜29%、λが50〜56%であり、めっき性も評価3であることから、伸び、伸びフランジ性およびめっき性のいずれも不良である。
【0033】
【表1】
Figure 0003912764
【0034】
【表2】
Figure 0003912764
【0035】
(実施例2)
表1のNo.7、No.11の成分値を有する鋼を実験室にて溶解し、板厚50mmのスラブとした後、30mm厚まで分塊圧延を行なった。次に、本圧延材を大気中にて1300℃で1時間の保熱処理に供した後、熱間圧延を行なった。熱間圧延は粗圧延を施した後、仕上圧延を仕上温度880℃で行ない、大気中で600℃に1時間保持した後、室温まで徐冷し(巻取相当の熱処理)、板厚3mmの熱延板を作製した。なお、この熱間圧延プロセス中、粗圧延を開始してから仕上圧延を開始するまでの間、鋼板表面に形成されるスケールを除去する際に鋼板表面に噴射される高圧水の圧力P(kgf/cm2)を100〜650kgf/cm2まで変化させた。
【0036】
続いて、この熱延板を酸洗した後、板厚1.4mmまで冷間圧延を行ない、830℃で2分間均熱保持した後、平均冷却速度10℃/sにて冷却し、460℃の溶融亜鉛めっき浴中に浸漬した。この後、500℃まで30℃/sの平均速度で昇温し、合金化処理を施した。こうして得られた焼鈍板に伸長率0.5%にて調質圧延を施し、機械特性およびめっき性を調査するサンプルを作製した。
【0037】
表3に機械特性およびめっき性を調査した結果を示す。なお、機械特性およびめっき性の評価については、上記実施例1と同様の方法で行なった。鋼No.7では、高圧水の圧力が本発明範囲内である250〜450kgf/cm2の場合、Elが33〜34%、λが66〜75%であり、伸びおよび伸びフランジ性が良好である。また、めっき性は好ましいレベルを有している。しかし、高圧水の圧力が本発明範囲外にある場合には、伸びフランジ性とめっき性は両立せず、水圧が100kgf/cm2、150kgf/cm2では、めっき性が劣化しており、また水圧が550kgf/cm2、650kgf/cm2では、伸びフランジ性の劣化が顕著である。
【0038】
一方、鋼No.11では、高圧水の圧力が150〜450kgf/cm2のとき本発明範囲であり、この場合には、Elが32〜34%、λが68〜73%であることから、伸びおよび伸びフランジ性が良好である。また、めっき性も好ましいレベルである。しかし、高圧水の圧力が本発明範囲外にある場合には、伸びフランジ性とめっき性は両立されない。特に、高圧水の圧力がSiとVで規定される215・(Si-1.5V)+139よりも低い100kgf/cm2の場合には、めっき性の劣化が顕著であり、また、水圧が本発明の上限である450kgf/cm2よりも高い550kgf/cm2、650kgf/cm2の場合にはλが低い。
【0039】
【表3】
Figure 0003912764
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鋼の化学成分を特定し、さらにこれに加えて製造条件を特定することにより、自動車の構造部材用の素材等に求められる伸び、伸びフランジ性に優れ、かつ溶融めっき性が良い溶融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板は、主として自動車の構造用部材に用いられるが、伸び、伸びフランジ性の良好性が共に要求される構造部材用、プレスして用いられる構造部材用として用いるのに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 El、λ及びめっき性に及ぼすSi、Vの影響を示す図である。
【図2】λ、めっき性に及ぼす熱間圧延時の噴水圧とSi、Vの影響を示す図である。

Claims (3)

  1. 重量%でC:0.07〜0.18、Si:0.02〜1.0、Mn:1.0〜2.0、P≦0.05、S≦0.003(0を含む)、so1.Al:0.02〜0.06、N≦0.004(0を含む)、V:0.01〜0.15を含有し、残部が Feおよび不可避不純物からなり、SiとVとの関係式がSi-3.786≦-exp(V+1.09)を満足することを特徴とする伸び及び伸びフランジ性に優れ、抗張力が595MPa以上の溶融亜鉛めっき鋼板。
  2. 請求項1に示した成分に加え、重量%で、さらに、Cr:0.1〜0.8を含有することを特徴とする伸び及び伸びフランジ性に優れ、抗張力が595MPa以上の溶融亜鉛めっき鋼板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の伸び及び伸びフランジ性に優れ、抗張力が595MPa以上の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であって、熱間圧延時に鋼板表面に形成されるスケールを高圧水にて除去する際、215・(Si-1.5V)+139≦P(kgf/cm2)≦450を満足する水圧Pの高圧水を用いる工程を有してなることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。ただし、Si及びVはそれぞれの重量%である。
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