JP3912729B2 - 二チャンネル内視鏡 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、二つの処置具挿通路が挿入部内に配置された二チャンネル内視鏡に関する。
【０００２】
【従来の技術】
内視鏡は一般に、遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部の先端付近に設けられて、湾曲部の先端に連結された先端部本体に観察窓が配置され、二チャンネル内視鏡の場合には、二つの処置具挿通路の出口が先端部本体に並んで配置されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
図６は、上述のような従来の二チャンネル内視鏡によって、体内の切除すべき病変部１００の根部にマーキング処置を行っている様子を示しており、１は挿入部可撓管、２は湾曲部、３は先端部本体、４は観察窓、５は照明窓、１１ａと１２ａは各々処置具出口である。
【０００４】
マーキング処置は、一方の処置具出口１１ａから突出させた把持鉗子５１で病変部１００をできるだけ持ち上げた状態で、他方の処置具出口１２ａから突出させたヒートプローブ５２等で、病変部１００の根部にマーク１０１をつけるようにして行われる。
【０００５】
しかし、一方の処置具出口１１ａから突出させた把持鉗子５１で病変部１００をできるだけ持ち上げると、必然的に他方の処置具出口１２ａから突出されるヒートプローブ５２の突出長が長くなるので、観察窓４がマーク１０１を付すべき位置から遠く離れてしまい、正確な位置にマーキングをするのが困難になる場合がある。
【０００６】
そこで本発明は、二つの処置具を同時に用いてマーキング処置等を正確かつ容易に行うことができる二チャンネル内視鏡を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の二チャンネル内視鏡は、遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部の先端付近に設けられて、湾曲部の先端に連結された先端部本体に観察窓が配置され、処置具を案内するための二つの処置具挿通路が挿入部内に配置された二チャンネル内視鏡において、二つの処置具挿通路の一方の出口を先端部本体に配置し、他方の出口を湾曲部の後端付近に配置すると共に、他方の出口から突出される処置具の突出方向を遠隔操作によって制御するための処置具起上片を他方の出口部分に設けたものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図２は二チャンネル内視鏡の全体構成を示し、図１はその挿入部の先端部分を示している。ただし、図１には、図２に図示されている処置具５１，５２は図示されていない。
【０００９】
挿入部可撓管１の先端には、操作部６に配置された湾曲操作ノブ７を回転操作することによって遠隔的に屈曲させることができる湾曲部２が設けられ、観察窓４等が配置された先端部本体３が湾曲部２の先端に連結されている。５は照明窓である。
【００１０】
挿入部可撓管１内には、処置具類を案内するための例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等からなる二本の処置具挿通路１１，１２が並んで全長にわたって挿通配置されている。
【００１１】
そして、第１の処置具挿通路１１の出口である第１の処置具出口１１ａは、挿入部可撓管１と湾曲部２とを連結する連結ブロック部２３に配置され、第２の処置具挿通路１２の出口である第２の処置具出口１２ａは観察窓４と並んで先端部本体３に配置されている。
【００１２】
第１と第２の処置具挿通路１１，１２の入口１１ｂ，１２ｂは、共に挿入部可撓管１と操作部６との連結部付近に斜め上方に向けて配置されており、第１の処置具挿通路１１の入口１１ｂから挿入された処置具（把持鉗子）５１が第１の処置具出口１１ａから突出され、第２の処置具挿通路１２の入口１２ｂから挿入された処置具（ヒートプローブ）５２が第２の処置具出口１２ａから突出される。
【００１３】
図１に示されるように、挿入部可撓管１と湾曲部２との連結部に配置された第１の処置具出口１１ａ内には、そこから突出される処置具５１の突出方向を制御するための処置具起上片２０が配置されており、図３と図４は、その部分の側面断面図と正面断面図である。
【００１４】
処置具起上片２０は、挿入部可撓管１と湾曲部２とを連結する連結ブロック部２３に、回転中心軸線Ａを中心に回転自在に軸支されている。そして、操作部６に配置された処置具起上操作ノブ８により操作されて進退する操作ワイヤ２２の先端が、処置具起上片２０と一体に形成されている駆動アーム２１の先端に連結されている。
【００１５】
処置具起上片２０は、第１の処置具出口１１ａから突出される処置具５１の側面に沿う位置に配置されており、その面（即ち、処置具５１の側面に沿う面）は滑らかなアール面に形成されていて、処置具５１が処置具起上片２０から大きな抵抗を受けることなく安定した状態で進退できるようになっている。
【００１６】
そして、処置具起上操作ノブ８を操作すると操作ワイヤ２２の進退動作によって処置具起上片２０が回転中心軸線Ａを中心に回転動作をして、図２及び図３に示されるように、第１の処置具出口１１ａからの処置具５１の突出方向を任意に制御することができる。
【００１７】
このような構成により、図５に示されるように、第１の処置具出口１１ａから突出させた把持鉗子５１により病変部１００を摘んでできるだけ大きく持ち上げた時、第２の処置具出口１２ａとそれに並んで配置されている観察窓４を、病変部１００の根部に対して遠すぎない適度の距離に位置させることができる。
【００１８】
その結果、第２の処置具出口１２ａから突出させたヒートプローブ５２によって、病変部１００の根部の正確な位置に容易にマーク１０１を付すマーキング処置を行うことができる。
【００１９】
そして、このような処置を行う際に、第１の処置具出口１１ａから突出される把持鉗子５１の向きは処置具起上片２０を動作させて制御することができ、第２の処置具出口１２ａから突出されるヒートプローブ５２の向きは湾曲部２を動作させて制御することができるので、把持鉗子５１とヒートプローブ５２の向きを各々独立して制御して容易に目標に向かわせることができる。
【００２０】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明をマーキング以外の各種の内視鏡的処置に適用して、二つの処置具を同時に使用する際の処置操作を容易に行うことができる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明によれば、二つの処置具挿通路の一方の出口を先端部本体に配置し、他方の出口を湾曲部の後端付近に配置して、他方の出口から突出される処置具の突出方向を遠隔操作によって制御するための処置具起上片を他方の出口部分に設けたことにより、二つの処置具を同時に用いてマーキング処置等を適切な距離から正確かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の挿入部の先端部分の斜視図である。
【図２】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の全体構成を示す斜視図である。
【図３】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の処置具起上片部分の側面部分断面図である。
【図４】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の処置具起上片部分の正面部分断面図である。
【図５】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡によるマーキング処置の状態を示す略示図である。
【図６】従来の二チャンネル内視鏡によるマーキング処置の状態を示す略示図である。
【符号の説明】
１ 挿入部可撓管
２ 湾曲部
３ 先端部本体
４ 観察窓
７ 湾曲操作ノブ
８ 処置具起上操作ノブ
１１，１２ 処置具挿通路
１１ａ，１２ａ 処置具出口
１１ｂ，１２ｂ 入口
２０ 処置具起上片
２２ 操作ワイヤ
２３ 連結ブロック部
５１ 処置具（把持鉗子）
５２ 処置具（ヒートプローブ）
１０１ マーク
【発明の属する技術分野】
この発明は、二つの処置具挿通路が挿入部内に配置された二チャンネル内視鏡に関する。
【０００２】
【従来の技術】
内視鏡は一般に、遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部の先端付近に設けられて、湾曲部の先端に連結された先端部本体に観察窓が配置され、二チャンネル内視鏡の場合には、二つの処置具挿通路の出口が先端部本体に並んで配置されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
図６は、上述のような従来の二チャンネル内視鏡によって、体内の切除すべき病変部１００の根部にマーキング処置を行っている様子を示しており、１は挿入部可撓管、２は湾曲部、３は先端部本体、４は観察窓、５は照明窓、１１ａと１２ａは各々処置具出口である。
【０００４】
マーキング処置は、一方の処置具出口１１ａから突出させた把持鉗子５１で病変部１００をできるだけ持ち上げた状態で、他方の処置具出口１２ａから突出させたヒートプローブ５２等で、病変部１００の根部にマーク１０１をつけるようにして行われる。
【０００５】
しかし、一方の処置具出口１１ａから突出させた把持鉗子５１で病変部１００をできるだけ持ち上げると、必然的に他方の処置具出口１２ａから突出されるヒートプローブ５２の突出長が長くなるので、観察窓４がマーク１０１を付すべき位置から遠く離れてしまい、正確な位置にマーキングをするのが困難になる場合がある。
【０００６】
そこで本発明は、二つの処置具を同時に用いてマーキング処置等を正確かつ容易に行うことができる二チャンネル内視鏡を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の二チャンネル内視鏡は、遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部の先端付近に設けられて、湾曲部の先端に連結された先端部本体に観察窓が配置され、処置具を案内するための二つの処置具挿通路が挿入部内に配置された二チャンネル内視鏡において、二つの処置具挿通路の一方の出口を先端部本体に配置し、他方の出口を湾曲部の後端付近に配置すると共に、他方の出口から突出される処置具の突出方向を遠隔操作によって制御するための処置具起上片を他方の出口部分に設けたものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図２は二チャンネル内視鏡の全体構成を示し、図１はその挿入部の先端部分を示している。ただし、図１には、図２に図示されている処置具５１，５２は図示されていない。
【０００９】
挿入部可撓管１の先端には、操作部６に配置された湾曲操作ノブ７を回転操作することによって遠隔的に屈曲させることができる湾曲部２が設けられ、観察窓４等が配置された先端部本体３が湾曲部２の先端に連結されている。５は照明窓である。
【００１０】
挿入部可撓管１内には、処置具類を案内するための例えば四フッ化エチレン樹脂チューブ等からなる二本の処置具挿通路１１，１２が並んで全長にわたって挿通配置されている。
【００１１】
そして、第１の処置具挿通路１１の出口である第１の処置具出口１１ａは、挿入部可撓管１と湾曲部２とを連結する連結ブロック部２３に配置され、第２の処置具挿通路１２の出口である第２の処置具出口１２ａは観察窓４と並んで先端部本体３に配置されている。
【００１２】
第１と第２の処置具挿通路１１，１２の入口１１ｂ，１２ｂは、共に挿入部可撓管１と操作部６との連結部付近に斜め上方に向けて配置されており、第１の処置具挿通路１１の入口１１ｂから挿入された処置具（把持鉗子）５１が第１の処置具出口１１ａから突出され、第２の処置具挿通路１２の入口１２ｂから挿入された処置具（ヒートプローブ）５２が第２の処置具出口１２ａから突出される。
【００１３】
図１に示されるように、挿入部可撓管１と湾曲部２との連結部に配置された第１の処置具出口１１ａ内には、そこから突出される処置具５１の突出方向を制御するための処置具起上片２０が配置されており、図３と図４は、その部分の側面断面図と正面断面図である。
【００１４】
処置具起上片２０は、挿入部可撓管１と湾曲部２とを連結する連結ブロック部２３に、回転中心軸線Ａを中心に回転自在に軸支されている。そして、操作部６に配置された処置具起上操作ノブ８により操作されて進退する操作ワイヤ２２の先端が、処置具起上片２０と一体に形成されている駆動アーム２１の先端に連結されている。
【００１５】
処置具起上片２０は、第１の処置具出口１１ａから突出される処置具５１の側面に沿う位置に配置されており、その面（即ち、処置具５１の側面に沿う面）は滑らかなアール面に形成されていて、処置具５１が処置具起上片２０から大きな抵抗を受けることなく安定した状態で進退できるようになっている。
【００１６】
そして、処置具起上操作ノブ８を操作すると操作ワイヤ２２の進退動作によって処置具起上片２０が回転中心軸線Ａを中心に回転動作をして、図２及び図３に示されるように、第１の処置具出口１１ａからの処置具５１の突出方向を任意に制御することができる。
【００１７】
このような構成により、図５に示されるように、第１の処置具出口１１ａから突出させた把持鉗子５１により病変部１００を摘んでできるだけ大きく持ち上げた時、第２の処置具出口１２ａとそれに並んで配置されている観察窓４を、病変部１００の根部に対して遠すぎない適度の距離に位置させることができる。
【００１８】
その結果、第２の処置具出口１２ａから突出させたヒートプローブ５２によって、病変部１００の根部の正確な位置に容易にマーク１０１を付すマーキング処置を行うことができる。
【００１９】
そして、このような処置を行う際に、第１の処置具出口１１ａから突出される把持鉗子５１の向きは処置具起上片２０を動作させて制御することができ、第２の処置具出口１２ａから突出されるヒートプローブ５２の向きは湾曲部２を動作させて制御することができるので、把持鉗子５１とヒートプローブ５２の向きを各々独立して制御して容易に目標に向かわせることができる。
【００２０】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明をマーキング以外の各種の内視鏡的処置に適用して、二つの処置具を同時に使用する際の処置操作を容易に行うことができる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明によれば、二つの処置具挿通路の一方の出口を先端部本体に配置し、他方の出口を湾曲部の後端付近に配置して、他方の出口から突出される処置具の突出方向を遠隔操作によって制御するための処置具起上片を他方の出口部分に設けたことにより、二つの処置具を同時に用いてマーキング処置等を適切な距離から正確かつ容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の挿入部の先端部分の斜視図である。
【図２】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の全体構成を示す斜視図である。
【図３】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の処置具起上片部分の側面部分断面図である。
【図４】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡の処置具起上片部分の正面部分断面図である。
【図５】本発明の実施例の二チャンネル内視鏡によるマーキング処置の状態を示す略示図である。
【図６】従来の二チャンネル内視鏡によるマーキング処置の状態を示す略示図である。
【符号の説明】
１ 挿入部可撓管
２ 湾曲部
３ 先端部本体
４ 観察窓
７ 湾曲操作ノブ
８ 処置具起上操作ノブ
１１，１２ 処置具挿通路
１１ａ，１２ａ 処置具出口
１１ｂ，１２ｂ 入口
２０ 処置具起上片
２２ 操作ワイヤ
２３ 連結ブロック部
５１ 処置具（把持鉗子）
５２ 処置具（ヒートプローブ）
１０１ マーク
Claims (1)
- 遠隔操作によって屈曲する湾曲部が挿入部の先端付近に設けられて、上記湾曲部の先端に連結された先端部本体に観察窓が配置され、処置具を案内するための二つの処置具挿通路が上記挿入部内に配置された二チャンネル内視鏡において、
上記二つの処置具挿通路の一方の出口を上記先端部本体に配置し、他方の出口を上記湾曲部の後端付近に配置すると共に、上記他方の出口から突出される処置具の突出方向を遠隔操作によって制御するための処置具起上片を上記他方の出口部分に設けたことを特徴とする二チャンネル内視鏡。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001391395A JP3912729B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 二チャンネル内視鏡 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001391395A JP3912729B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 二チャンネル内視鏡 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003190076A JP2003190076A (ja) | 2003-07-08 |
| JP3912729B2 true JP3912729B2 (ja) | 2007-05-09 |
Family
ID=27599002
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001391395A Expired - Fee Related JP3912729B2 (ja) | 2001-12-25 | 2001-12-25 | 二チャンネル内視鏡 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3912729B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4868945B2 (ja) * | 2006-05-31 | 2012-02-01 | オリンパスメディカルシステムズ株式会社 | 内視鏡 |
| JP2012192080A (ja) * | 2011-03-17 | 2012-10-11 | Fujifilm Corp | 内視鏡装置 |
| CN105555183B (zh) * | 2013-10-15 | 2018-05-25 | 奥林巴斯株式会社 | 医疗器具 |
-
2001
- 2001-12-25 JP JP2001391395A patent/JP3912729B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2003190076A (ja) | 2003-07-08 |
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Legal Events
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