JP3910137B2 - 液圧モータ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の液圧モータを複合駆動する液圧モータ駆動装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の液圧モータ駆動装置として、例えば図2に示すものがある。これについて説明すると、単一のポンプ3から吐出される加圧作動液は流量制御弁11,12,…、圧力補償弁21,22,…を介して複数のモータ1,2,…に供給される。流量制御弁11,12,…は図示しないコントローラから送られる駆動電流によってモータ1,2,…に供給される作動液の流量を調節し、モータ1,2,…を作動させる。圧力補償弁21,22,…は流量制御弁11,12,…の前後差圧を一定に保つ。
【0003】
ポンプ3はその押しのけ容積を可変とする容量可変機構4と、この容量可変機構4を駆動する圧力を調節するポンプレギュレータ5とを備える。ポンプレギュレータ5はモータ1,2,…の負荷圧力のうち高圧選択弁31,32,…により最高負荷圧力が選択されて導かれ、この最高負荷圧力とポンプ3の吐出圧力の差圧力に応じてポンプ3の押しのけ容積を変化さるロードセンシング制御を行う。これにより、ポンプ3から吐出される余剰作動液量を抑えて消費エネルギが削減される。
【0004】
また、特許文献1に開示された液圧ショベルの液圧モータ駆動装置は、ロードセンシング制御において、サチュレーションの発生を抑える構成となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−312628号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような図2に示す従来の液圧モータ駆動装置にあっては、モータ1,2,…のうち負荷圧力が最も高いもの基準としたポンプ吐出圧力により他の負荷圧力が低いものを駆動するため、負荷圧力の低いモータ1,2,…を駆動するのに圧力補償弁21,22,…にて発熱として廃棄されるエネルギロスがあった。
【0007】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、複数の液圧モータを複合駆動する際に生じるエネルギロスを低減する液圧モータ駆動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、ポンプから吐出される作動液を第一、第二モータに供給する供給通路と、第一、第二モータに供給される作動液量をそれぞれ調節する第一、第二流量制御弁とを備える液圧モータ駆動装置に適用する。
【0009】
そして、第一、第二モータのうちより高い負荷圧力を選択して導く高圧選択手段と、この選択された高い負荷圧力とポンプの吐出圧力との差圧力に応じてポンプの押しのけ容積を調節するポンプレギュレータと、同じく選択された高い負荷圧力と第一、第二モータの負荷圧力との差圧力に応じて第一、第二モータの押しのけ容積をそれぞれ調節する第一、第二モータレギュレータとを備えたことを特徴とするものとした。
【0010】
【発明の作用および効果】
第1の発明によると、ポンプレギュレータは選択された高い負荷圧力に応じてポンプの吐出流量を変化させる、ロードセンシング制御を行う。これにより、ポンプから吐出される余剰作動液量を抑えて消費エネルギが削減される。
【0011】
第一、第二レギュレータは選択された高い負荷圧力と各自の負荷圧力との差圧力が変化するに応じて第一、第二モータの押しのけ容積を調整してそれぞれの駆動トルクを略等しくする、ロードセンシング制御を行う。
【0012】
例えば第一モータの負荷圧力が第二レギュレータよりも高い場合、第一モータレギュレータを介して第一モータの押しのけ容積が大きく調節され、第一モータの負荷圧力を低下させる。一方、第二モータの押しのけ容積は第二モータレギュレータを介して両負荷圧力の差圧力が小さくなるように、第二モータの押しのけ容積が小さくなるように調節される。
【0013】
これにより、従来装置において流量制御弁と共に設けられていた圧力補償要素を廃止することが可能となり、圧力補償要素にて発熱として廃棄されるエネルギロスを低減できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に示す液圧モータ駆動装置は、例えば車両に搭載されるエアコンシステムを駆動するのに用いられ、エンジンによって駆動される液圧ポンプ3と、冷媒を圧縮するコンプレッサや送風ファン等をそれぞれ駆動する複数の液圧モータ1,2,…と、このポンプ3から吐出される作動液をモータ1,2,…に供給する供給通路13,14,…と、液圧モータ1,2,…に供給される作動液量を調節する流量制御弁11,12,…と備える。
【0016】
ポンプ3は、斜板の傾角に応じて押しのけ容積を可変とする可変容量型のピストンポンプによって構成され、斜板の傾角を容量可変機構4を介して変えるポンプレギュレータ5とを備える。
【0017】
ポンプレギュレータ5は、そのパイロット圧力通路6を介してポンプ3の吐出圧力が導かれるとともに、パイロット圧力通路7を介して各モータ1,2,…の負荷圧力のうち各高圧選択弁(高圧選択手段)31,32,…により最も高い負荷圧力が選択されて導かれ、この最高負荷圧力とポンプ3の吐出圧力の差圧力に応じてポンプ3の押しのけ容積を変化さるロードセンシング制御を行う。
【0018】
各モータ1,2,…は、斜板の傾角に応じて押しのけ容積を可変とする可変容量型のピストンモータによって構成され、斜板の傾角を容量可変機構41,42,…を介して変えるモータレギュレータ51,52,…とを備える。
【0019】
モータレギュレータ51,52,…は、そのパイロット圧力通路8,9,…を介して各モータ1,2,…の負荷圧力が導かれるとともに、パイロット圧力通路7を介して各モータ1,2,…の負荷圧力のうち各高圧選択弁31,32,…により最も高い負荷圧力が選択されて導かれ、この最高負荷圧力と各自負荷圧力との差圧力に応じて各モータ1,2,…の押しのけ容積を変化させるロードセンシング制御を行う。
【0020】
各流量制御弁11,12,…はコントローラ10から送られる駆動電流によって各モータ1,2,…に供給される作動液の流量をそれぞれ調節し、各モータ1,2,…を作動させる。コントローラ10は図示しないセンサによって検出されるモータ1,2,…の回転数を読み込み、モータ1,2,…の回転数を目標値に近づけるように流量制御弁11,12,…の開度を制御する。
【0021】
以上のように構成されて、次に作用について説明する。
【0022】
単一のポンプ3から吐出される加圧作動液は各流量制御弁11,12,…を介して各モータ1,2,…に供給される。
【0023】
ポンプレギュレータ5は各モータ1,2,…の最高負荷圧力に応じてポンプ3の吐出流量を変化させ、ポンプ3の吐出圧力が最高負荷圧力より一定差圧分だけ高くなるように調節する、ロードセンシング(負荷感応)制御を行う。これにより、ポンプ3から吐出される余剰作動液量を抑えて消費エネルギが削減される。
【0024】
モータレギュレータ51,52,…はモータ1,2,…の最高負荷圧力と各自の負荷圧力との差圧力が大きくなるのに応じて各モータ1,2,…の押しのけ容積を調整してそれぞれの負荷圧力を等しくする、ロードセンシング制御を行う。例えばモータ1の負荷圧力が最も高くなる場合、モータレギュレータ51を介してモータ1の押しのけ容積が最も大きく調節され、モータ1の負荷圧力を低下させる。このとき、他のモータ2,…の押しのけ容積はモータレギュレータ52,…を介してモータ1の負荷圧力とそれぞれの負荷圧力との差圧力が小さくなるように、モータ2,…の押しのけ容積を小さくしてそれぞれの負荷圧力が大きくなる。
【0025】
これにより、従来装置に流量制御弁と共に設けられていた圧力補償要素を廃止することが可能となり、圧力補償要素にて発熱として廃棄されるエネルギロスを低減できる。
【0026】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す液圧モータ駆動装置の液圧回路図。
【図2】従来例を示す液圧モータ駆動装置の液圧回路図。
【符号の説明】
1,2 モータ
3 ポンプ
5 レギュレータ
11,12 流量制御弁
31,32 高圧選択弁(高圧選択手段)
41,42 容量可変機構
51,52 レギュレータ
Claims (1)
- ポンプから吐出される作動液を第一、第二モータに供給する供給通路と、第一、第二モータに供給される作動液量をそれぞれ調節する第一、第二流量制御弁とを備える液圧モータ駆動装置において、
前記第一、第二モータのうちより高い負荷圧力を選択して導く高圧選択手段と、この選択された高い負荷圧力と前記ポンプの吐出圧力との差圧力に応じてポンプの押しのけ容積を調節するポンプレギュレータと、同じく選択された高い負荷圧力と第一、第二モータの負荷圧力との差圧力に応じて第一、第二モータの押しのけ容積をそれぞれ調節する第一、第二モータレギュレータとを備えたことを特徴とする液圧モータ駆動装置。
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