JP3909359B2 - 電子スピン共鳴分析による緑麦芽品質評価方法及び麦芽品質評価方法 - Google Patents

電子スピン共鳴分析による緑麦芽品質評価方法及び麦芽品質評価方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビールなどの麦芽アルコール飲料の製造等に使用する麦芽の品質の評価方法に関し、特に、電子スピン共鳴(ESR)分析を利用した麦芽の品質の評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビールはデンプン源と酵素源とを兼ねた大麦麦芽を主原料として製造される。ビールの製造工程は、製麦と醸造および製品の工程に大別され、製麦工程では、まず、麦芽を水に浸漬(浸麦)して発芽させ、酵素を活性化させて緑麦芽(発芽が進み溶けが所望の程度に達した大麦)をつくり、これを乾燥(焙燥)する。次の醸造工程では、粉砕麦芽に、水を加えて糖化した後、ろ過し、ろ液にホップを加えて煮沸し、ホップ糟を分離除去した糖液(麦汁)を得る。この麦汁に酵母を加えて発酵させた後、冷温で貯酒する。この間に生成した炭酸ガスを発酵液内に溶解させ、香味を熟成させた後、ろ過する。製品工程においては、無菌ろ過を行い、樽、びん等に詰めて出荷する。
【0003】
上述のように、ビールの製造において、製麦工程の良、不良、すなわち、製造される麦芽の品質の良否が、製品の品質を大きく左右する。発芽工程は、一般に4〜6日であり、この間に発芽に付随する現象として酵素群が合成され、デンプンやたんぱくの一部が分解して、いわゆる「溶け」が進む。
ビール製造工程において、麦芽の品質を管理することが重要である。この麦芽品質を見る指標として、KZ(コールバッハ値)、VZ45℃、酵素力、粘度、βグルカン含量などがあるが、これらの数値を工程において管理し、一定の品質を保つようにしている。
【0004】
上記溶けの指標となる分析値の概要を示すと以下のとおりである。
【0005】
KZ(コールバッハ値):
分析のために調製したコングレス麦汁の全窒素と先の麦芽の全窒素との比で、主に、麦芽中の蛋白成分の分解の度合いを示し、KZが高い方が分解が進んでいる、即ち、麦芽が溶けていると判断される。
【0006】
VZ45℃:
微粉砕麦芽を45℃、1時間溶出した液のエキスとコングレス麦汁のエキスとの比。エキスの大小は主に溶出する澱粉、糖の多寡によって決まるが、麦芽の場合、澱粉粒の間に存在する蛋白質成分の分解もエキス溶出量の多寡に関与しているため、この数値は、澱粉成分、蛋白質成分の双方の分解の指標とされ、VZ45℃が高い方が分解が進んでいる、即ち、麦芽が溶けていると判断される。
【0007】
酵素力(ジアスターゼ力):
麦芽の水抽出液を可溶性澱粉に作用させることで、生成した還元糖量をよう素法により測定し、麦芽の含む糖質分解酵素力を測定する。糖質分解酵素は大麦の発芽にしたがって発現してくるものであり、また、麦芽からビールを作る際に麦芽中の澱粉、副原料のスターチなどを分解するためにも必要とされるため、酵素力の低い麦芽はビール醸造の際に不具合を起す可能性がある。
【0008】
β−グルカン:
麦芽の細胞壁の分解物。細胞壁の分解が進んでいないと麦汁を仕込む際にろ過が渋り、また、ビール中のβ−グルカン含量が高いと凍結混濁の原因となる。
【0009】
測定は、粉砕麦芽をエタノール中で過熱処理して酵素を失活させた後、リケナーゼ、β−グリコシターゼで処理して、麦芽β−グルカンをグルコースまで分解する。生成したグルコースをグルコースオキシターゼ・バーオキシターゼ法により定量し、麦芽β−グルカン含量を求める。
粘度:
分析のために調製したコングレス麦汁の粘度。粘度に関わる成分は主に麦芽中の多糖成分(澱粉―デキストリン、β−グルカン、ベントーザン等)であり、貯蔵澱粉、細胞壁成分などの分解の度合いを表わし、粘度が低い方が分解が進んでいる、即ち、麦芽が溶けていると判断される。測定は、ウベローデ型粘度計を用い、20.00℃における粘度を測定する。
【0010】
Fraibility:
専用のフライアビリティメータで測定する。具体的には、ローラで麦芽を粉砕し、定められたスリットを通過するものと、通過せずに残存するものとに分離し、計量し、その比率で表わす。澱粉、細胞壁の分解が進んでいない麦芽は結晶質のために固く、この数値が低く、分解の十分に進んだ麦芽は粉状質のため容易に粉砕され、この数値が高くなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来、麦芽の溶け状態を把握するための上記各分析値を得るのには、化学分析などの一般的分析手法が使用されているが、試料の調製や測定にかなりの時間を要すなどの問題があり、より迅速且つ簡便な分析結果を得ることのできる分析手法が要請されている。
【0012】
ところで、通常の材料分析の手法として、化学的分析、光学的或いはX線などによる物理的分析など多くの分析手法が存在しているが、近時、材料の分子レベルの情報を得る分析として電子スピン共鳴(ESR)分析が注目され、その応用について種々検討、開発されている。
【0013】
ESRは、NMR(核磁気共鳴吸収)と原理は全く同じであり、磁気共鳴スペクトルのひとつである。NMRが核スピンの共鳴吸収を計測するのに対し、ESRは電子スピンの共鳴吸収を計測するもので、ラジカルや遷移金属錯体(3価の鉄イオン、2価の銅イオン等)のような不対電子を有する物質の分子構造や電子状態について最も直接的な情報を与えるものである。現在のところ、ラジカル検出法としては最も信頼性の高い分析法といえる。
【0014】
ESRスペクトルから、不対電子の共鳴位置を示すg値、その数を表わす吸収強度、緩和時間に関係のある吸収幅、および不対電子の近くにある核スピンを有する原子(H、14N等)とのカップリングによる超微細構造が観察される。ラジカルはその種類によって固有の吸収位置を示すため、g値からラジカルの種類を推定できる。また、吸収(強度)の時間的変化から反応時間や反応機構を考察することができる。
【0015】
本発明者らはこのESRをビールの製造における麦芽の状態(品質)の評価に適用することについて鋭意研究した結果、吸収強度(シグナル強度)が観察された場合、g値にて大まかなラジカル種を推定すると共に、吸収強度(シグナル強度)と緑麦芽および麦芽の状態(品質)との関係について一定の相関関係が存在することを見出した。本発明は、この知見に基づきなされたもので、従来の分析手法に比してより迅速且つ簡便な分析結果を得ることができる麦芽の品質評価に適用する方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの態様は、大麦を発芽させる発芽工程における緑麦芽を採取し、採取した緑麦芽を電子スピン共鳴分析法により、炭素ラジカル由来の不対電子の共鳴位置であるg値のスペクトル高さを測定し、
該スペクトル高さを、標準のスペクトルとの相対比を採取した緑麦芽の単位重量当たりの値として求めたESRシグナル強度値として求め、該シグナル強度値を所定の基準レベルと比較して緑麦芽の発芽状態を評価することを特徴とする緑麦芽品質評価方法である。
【0017】
本発明によれば、採取した緑麦芽について電子スピン共鳴法によりESRシグナル強度値を求め、このESRシグナル強度値によって緑麦芽の品質を評価することが可能となる。
【0018】
また、本発明の第2の態様は、大麦を発芽させる発芽工程によって得られた麦芽について電子スピン共鳴分析法により、炭素ラジカル由来の不対電子の共鳴位置であるg値のスペクトル高さを測定し、該スペクトル高さを、標準のスペクトルとの相対比を採取した麦芽の単位重量当たりの値として求めたESRシグナル強度値として求め、
該シグナル強度値を所定の基準レベルと比較して麦芽の溶け状態を評価することを特徴とする麦芽品質評価方法である。
【0019】
本発明によれば、採取した麦芽について電子スピン共鳴法によりESRシグナル強度値を求め、このESRシグナル強度値によって麦芽の品質を評価することが可能となる。
【0020】
また、本発明の第3の態様は、大麦を発芽させる発芽工程において採取される麦芽について、麦芽の溶け状態を示す分析値を化学的分析手法を含む一般分析手法により得た分析値と、前記採取された麦芽を電子スピン共鳴分析法により、炭素ラジカル由来の不対電子の共鳴位置であるg値のスペクトル高さを測定し、該スペクトル高さを、標準のスペクトルとの相対比を採取した麦芽の単位重量当たりの値として求めたESRシグナル強度値との相関関係を予め求め、
電子スピン共鳴分析法により得た値に基づく分析値により発芽工程にある麦芽の溶け状態を評価することを特徴とする麦芽溶け状態評価方法である。
【0021】
本発明によれば、採取した麦芽について電子スピン共鳴法によりESRシグナル強度値を求め、このESRシグナル強度値によって麦芽の溶け状態を示す分析値を推定することが可能となり、これによって麦芽の品質を評価することが可能となる。
【0022】
麦芽の溶け状態を示す分析値としては、コールバッハ値、VZ45℃、酵素力、β−グルカン、粘度及びフライアビリティのうちの少なくともいずれか一の分析値が使用される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をより詳細に説明するために実施例を示す。
先ず、本発明者らが実施したESR分析の概要について説明する。
(1)大麦、麦芽サンプル
本ESR分析では、多量の水が存在すると電子スピン共鳴を吸収してしまうため、水分含量の高い固体サンプルを通常の方法で計測する場合水分を飛ばす必要がある。そこで、発芽中の大麦(緑麦芽)分析では、緑麦芽を凍結乾燥したものをサンプルとした。麦芽の場合は十分低水分含量となっているためそのままサンプルとして使用した。
【0024】
今回用いた大麦は、国産のあまぎ二条とカナダ産のKendallを使用した。製麦は90kgスケールの製麦設備にて行い、浸麦、発芽温度14℃一定にて行った。発芽日数の異なる麦芽の調製には、8kgの焙燥設備を用いた。
(2)ESR分析
ESR分析は以下の測定条件にて行った。試料温度:室温、掃引時間:60秒、変調幅:0.1mT、マイクロ波出力:10.63mW、積算回数:1回、内部標準としてはMn2+を用いた。
【0025】
緑麦芽、麦芽5粒(約0.4g)、あるいはそれらの粉砕物約0.2gをESR試料管(円筒管)に取り、ESR測定装置(electron spin resonance spectrometer, )にて、その電子スピン共鳴吸収を計測した。得られたスペクトルよりg値を計測した後、そのシグナルの高さを内部標準として用いたMn2+のピーク高さとの相対比として求め、サンプル重量当り(/g)の相対高さをESRシグナル強度として表わした。なお、値は5回の繰り返し計測の平均値を示した。
(3)緑麦芽、麦芽のESR予備分析
図1は、先ず、粉砕した緑麦芽について行ったのESRスペクトルを示す。
【0026】
図1に示すように、スクトルはg=2.0049の位置にシングレットのスペクトルを示した。g=2.0049は本スペクトルが炭素ラジカル由来であることを示している。脂質、蛋白質(アミノ酸)等が共存する食品系においては、脂質酸化等によって生成するラジカルが蛋白質から水素を引き抜き蛋白性の安定ラジカルを生成し、それがg=2.00付近のシングレット・スペクトルとしてESRで検出されることが知られている。従って、本スペクトルも同様に緑麦芽中の蛋白性の安定ラジカルであると推察することができる。なお、同様のシグナルが粉砕した麦芽からも得られた。また、麦芽や緑麦芽そのもの(粉砕していないもの)をサンプルとしても、同様のシグナルが観察された。
(4)発芽過程中の緑麦芽のESRシグナルの変化
次に、緑麦芽のESRスペクトル(シグナル強度)が製麦中の工程(発芽過程)においてどのように変化するかについて試験をおこなった。
【0027】
図2は大麦を発芽させ、発芽開始後、1,2,3,4,5,6日後にサンプリングして凍結乾燥したものをESR分析した結果である。(a)は緑麦芽粒について行ったもの、(b)は緑麦芽を粉砕したものについての結果で、それぞれ、浸麦度37%、43%について分析したものである。
【0028】
この試験結果より、発芽日数の増加に伴い、ESRシグナルの強度が増加することがわかった。また、浸麦度の高い方が低い方よりESRシグナル強度は大きいことが明らかになった。従って、ESRシグナル強度から大麦の発芽状態を評価できることが判明した。
【0029】
また、サンプルの粉砕の有無について検討したところ、緑麦芽は粉砕することによって、ESRシグナル強度が増加した。この原因としては、粉砕中の酸化によるラジカルの増大等の可能性が推察される。
【0030】
以上の試験結果について検討すると、発芽に伴うラジカル量の増大は、発芽過程で呼吸が活発に起こることから大麦中成分の酸化反応も活発となり、蛋白性の安定ラジカルの生成が促進されたためと推察できる。なお、発芽日数に伴うスペクトル変化はシグナル強度の増減のみであり、新たなスペクトルの出現等の変化は見られなかった。大麦発芽中の蛋白性安定ラジカルの増大は、大麦発芽中の酵素生成をはじめとする様々な成分変化との関係から興味深い発見であり、植物の発芽研究に新たな研究の可能性を提供するものと期待できる。
(5)麦芽のESRシグナル強度と麦芽分析値との関係
次に、1〜6日まで発芽させた緑麦芽を焙燥して麦芽とし、その粉砕物のESRシグナル強度を比較した。
【0031】
図3はその試験結果を示すもので、図3からわかるように、発芽日数の増加に伴ってESRシグナル強度が増大することが観察された。この結果から、図2に示した発芽日数の増加に伴う緑麦芽のESRシグナルの増加は、製麦の焙燥工程を経てもその傾向は維持されることが確認された。
【0032】
次に麦芽の溶け状態の指標となる代表的な分析値についてESRシグナル強度との相関関係について調べた。図4は図3の試験で用いた麦芽について、麦芽の性質を示す特性値に関し、一般分析値とESRシグナル強度との関係を調べたもので、(a)VZ45℃(45℃におけるVZ)、(b)粘度、(c)βグルカン濃度、(d)Friability、(e)酵素力(f)KZのそれぞれの一般分析による分析値とESRシグナル強度を示している。
【0033】
(a)VZ45℃についてみると、シグナル強度が約9.5以上においては増加傾向が停止し一定の値を示すようになっている。(b)粘度に関しては、シグナル強度が約12以上で一定となっている。また、(c)βグルカン濃度については、特に数値が飽和状態となる範囲は存在していない。
(d)Friabilityのについては、シグナル強度が約9以上でその値は一定レベルとなっている。
(e)酵素力については、シグナル強度が約9以上でその値は一定レベルとなっている。(f)KZについても、同様に、シグナル強度が略9以上でその値は一定レベルとなり、図中の丸印の範囲が麦芽品質の一般要求レベルを満たしている。
【0034】
以上の試験結果によれば、ESRシグナル強度が約9〜15の値を示す麦芽は溶け状態が十分に進行し、麦芽品質の一般要求基準を満たすものであることが確認された。
【0035】
以上の試験結果から、発芽中の麦芽(緑麦芽)のESRシグナル強度から発芽状態を推定、評価することができる。
【0036】
また、麦芽製造工程中の緑麦芽又は麦芽をサンプリングし、ESR分析によりESRのシグナル強度を得ることにより、麦芽の溶け状態、酵素力などを評価することが可能となり、一定レベル以上のESR値であれば麦芽の品質を保証するという、簡易の品質のチェック方法として使用できる。
【0037】
麦芽のESR分析においては、麦芽を凍結乾燥する必要がなく、麦芽を粉砕し、ESR試料管に一定量採取し、分析装置にかけることにより2分弱の測定時間で計測できる。装置のセッティングに30分程度を要するものの、従来の他の分析方法に比較すればきわめて短時間で計測が可能となる。また、試料の調製もきわめて簡単である。
【0038】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【発明の効果】
以上詳述したところから明らかなように、本発明によれば、採取した緑麦芽について電子スピン共鳴法によりESRシグナル強度値を求め、このESRシグナル強度値によって緑麦芽の品質を評価することが可能となる。
【0039】
また、採取した麦芽について電子スピン共鳴法によりESRシグナル強度値を求め、このESRシグナル強度値によって麦芽の品質を評価することが可能となる。
【0040】
更に、電子スピン共鳴分析法により得た値に基づく分析値により、コールバッハ値、VZ45℃、酵素力、β−グルカン、粘度及びフライアビリティの麦芽の溶け状態を示す分析値を推定することが可能となる。
発芽工程にある麦芽の溶け状態を評価することを特徴とする麦芽溶け状態評価方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】緑麦芽のESRスペクトルを示す図である。
【図2】緑麦芽のESRシグナル強度に及ぼす浸麦度、発芽時間の影響を示す図である。
【図3】麦芽のESRシグナル強度に及ぼす発芽時間の影響を示す図である。
【図4】麦芽の各種分析値とESRシグナル強度との関係を示す図である。

Claims (4)

  1. 大麦を発芽させる発芽工程における緑麦芽を採取し、採取した緑麦芽を電子スピン共鳴分析法により、炭素ラジカル由来の不対電子の共鳴位置であるg値のスペクトル高さを測定し、
    該スペクトル高さを、標準のスペクトルとの相対比を採取した緑麦芽の単位重量当たりの値として求めたESRシグナル強度値として求め、
    該シグナル強度値を所定の基準レベルと比較して緑麦芽の発芽状態を評価することを特徴とする緑麦芽品質評価方法。
  2. 大麦を発芽させる発芽工程によって得られた麦芽を電子スピン共鳴分析法により、炭素ラジカル由来の不対電子の共鳴位置であるg値のスペクトル高さを測定し、
    該スペクトル高さを、標準のスペクトルとの相対比を採取した麦芽の単位重量当たりの値として求めたESRシグナル強度値として求め、
    該シグナル強度値を所定の基準レベルと比較して麦芽の溶け状態を評価することを特徴とする麦芽品質評価方法。
  3. 大麦を発芽させる発芽工程において採取される麦芽について、麦芽の溶け状態を示す分析値を化学的分析手法を含む一般分析手法により得た分析値と、前記採取された麦芽を電子スピン共鳴分析法により、炭素ラジカル由来の不対電子の共鳴位置であるg値のスペクトル高さを測定し、該スペクトル高さを、標準のスペクトルとの相対比を採取した麦芽の単位重量当たりの値として求めたESRシグナル強度値との相関関係を予め求め、
    電子スピン共鳴分析法により得た値に基づく分析値により発芽工程にある麦芽の溶け状態を評価することを特徴とする麦芽溶け状態評価方法。
  4. 前記分析値は、コールバッハ値、VZ45℃、酵素力、β−グルカン、粘度及びフライアビリティのうちの少なくともいずれか一の分析値である請求項3に記載の溶け状態評価方法。
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