JP3908598B2 - 波動信号処理システム及び方法 - Google Patents

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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、媒質中を伝播する波動信号、特に音波を発する波源の方向の検出と、鋭い指向特性を小型、少ない演算量で実現する波動信号処理システム及び方法に関する。なお、「媒質」とは、波動信号が伝播していく媒体、空間、場等の全てを含む広い概念とする。
【0002】
【従来の技術】
波動信号は、所定の媒質中を波源から放射状に伝播していく点に特徴を有しており、例えば波動信号の一種である音波では、特定の方向からの音波を検知する装置として、正面方向に最大の感度を有する単一指向性マイクや、正面方向に鋭い指向性を有するガンマイク等が開発されている。
【0003】
また、複数のマイクを用いる手法として、良く知られているマイクロホンアレイ技術や、波源方向を検出することで目的の方向以外から到来した波動信号を抑圧し、目的方向への指向性を作り出すという方法も良く知られている。かかる方法を用いる場合、3つ以上のマイクを互いに一直線に並ばないように配置することによって、任意の方向へ単一の指向性を設定することができる。
【0004】
複数のマイクを用いて波源の方向を検出する場合は、各マイクに到達する信号の時間差を求める必要があり、その演算には相関演算が用いられるのが一般的である。また、特願2002−078697号においては、相関演算の代わりに、各マイクに到達する波動信号の時間差を受信信号の差分信号と微分信号を用いて少ない演算量で計算する方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、一般に、カーディオイド型の単一指向性マイクは、後方からの波動信号を抑圧する効果は大きいものの、横方向からの波動信号を抑圧する効果は小さく、ブロードな指向特性しか実現することができないという問題点があった。一方、ガンマイクは鋭い指向特性を有するものの、波源方向に大きな音響管を設ける必要があることから、一般的なマイクと比較して大きな設置スペースを要し、小型機器への組込みが困難になるという問題があった。同様に、マイクロホンアレイについても、その指向性を鋭くするためには大きな開口を要することから、一般的なマイクと比較して大きな設置スペースを要し、小型機器への組込みが困難になるという問題点があった。
【0006】
また、複数のマイクを用いて音源方向を検出し、指向性を生成する方法は、入力信号を高サンプリングレートでAD変換し、サンプリングされた多量のデータに対して処理量の多い相関演算を行う必要があり、リアルタイム性が要求されるアプリケーションへの適用が困難であるとともに、演算能力の低いプロセッサでは実現すること自体が困難である。
【0007】
さらに、小型の機器に組み込む場合には、センサ開口が狭くなり遅延時間が微小になってしまうことから、相関演算を用いる方法では精度良く遅延時間を求めること自体が困難になってしまうという問題点もあった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するために、複数のマイクを用いて指向性を生成する際に必要となる波源方向の検出方法に関して、小開口及び少ない演算量で処理を行い、鋭い指向性を確保することができる波動信号処理システム及び方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかる波動信号処理システムは、少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備え、各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求める差分信号演算部と、少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求める微分信号演算部と、差分信号と微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定する遅延時間符号判定部とを含むことを特徴とする。
【0010】
かかる構成により、差分信号と微分信号の符号を比較するだけで遅延時間符号を求めることができることから、少ない演算処理量で処理を完了することが可能となるとともに、特に微小な遅延時間しか検出することができない小開口のセンサ配置の場合について、安定して正しい信号処理を行うことが可能となる。
【0011】
また、本発明にかかる波動信号処理システムは、遅延時間符号判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号間における遅延時間の符号の正負とセンサの位置関係に基づいて、波源の方向を判定する波源方向判定部をさらに含むことが好ましい。差分信号と微分信号の符号を比較するだけで波源の方向を特定することができることから、少ない演算処理量で波源方向を特定でき、特に微小な遅延時間しか検出することができない小開口のセンサ配置の場合についても、安定して正しい波源方向を特定することができるからである。
【0012】
また、本発明にかかる波動信号処理システムは、遅延時間符号判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号間における遅延時間の符号の正負とセンサの位置関係、もしくは波源方向判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号の波源方向に基づいて、重み係数を算出する重み係数算出部をさらに含むことが好ましい。後述の雑音抑圧に利用する重み係数を少ない演算量で算出できるからである。
【0013】
また、本発明にかかる波動信号処理システムは、重み係数を用いて、少なくとも一つのセンサで検出された波動信号に対して重み付けを行い、目的とする波源方向以外から到来する不要な波動信号部分を抑制する信号抑圧部をさらに含むことが好ましい。雑音信号を排除することによって、少ない演算量で指向性を生成することができるからである。
【0014】
また、本発明にかかる波動信号処理システムは、少なくとも2つのセンサで構成するセンサ群を少なくとも2組備え、少なくとも1つのセンサ群において任意の2つのセンサ信号の遅延時間を算出する遅延時間演算部を含み、遅延時間に基づいた波動信号処理を並行して行うことが好ましい。さらに、本発明にかかる波動信号処理システムは、算出された遅延時間に基づいて波源方向を検出する波源方向検出部をさらに含むことが好ましい。従来の方法と併用することによって、小型かつ少ない演算量で処理を行うことができると共に、波源方向をより精度良く推定することができるからである。
【0015】
また、本発明にかかる波動信号処理システムは、遅延時間符号判定部が、差分信号と微分信号を乗算又は除算する信号演算部と、信号演算部における乗算又は除算結果の符号を判定する信号符号判定部とをさらに含むことが好ましい。
【0016】
さらに、本発明にかかる波動信号処理システムは、遅延時間符号判定部が、差分信号の符号を判定する差分信号符号判定部と、微分信号の符号を判定する微分信号符号判定部と、差分信号符号判定部における差分信号の符号と微分信号符号判定部における微分信号の符号を比較判定する符号判定部とをさらに含むことが好ましい。
【0017】
また、本発明にかかる波動信号処理システムは、遅延時間符号判定部の後段に低域通過フィルタを含むことが好ましい。遅延時間符号の判定において、常に正しい結果を得ることが可能となり、小型あるいは低い演算処理能力を有する演算処理装置であってもより精度の高い遅延時間の符号判定を行うことができるからである。
【0018】
また、本発明にかかる波動信号処理システムは、センサ群の後段に低域通過フィルタを含むことが好ましい。高周波成分による遅延時間符号判定の誤りを低減することができ、小型あるいは低い演算処理能力を有する演算処理装置であってもより精度の高い遅延時間の符号判定を行うことができるからである。
【0019】
また、本発明は、上記のような波動信号処理システムの機能をコンピュータの処理ステップとして実行するソフトウェアを特徴とするものであり、具体的には、少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備える信号処理装置における波動信号処理方法であって、各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求める工程と、少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求める工程と、差分信号と微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定する工程とを含む波動信号処理方法並びにそのような工程を具現化するコンピュータ実行可能なプログラムであることを特徴とする。
【0020】
かかる構成により、コンピュータ上へ当該プログラムをロードさせ実行することで、差分信号と微分信号の符号を比較するだけで遅延時間符号を求めることができることから、少ない演算処理量で処理を完了することが可能となるとともに、特に微小な遅延時間しか検出することができない小開口のセンサ配置の場合について、安定して正しい信号処理を行うことができる波動信号処理システムを構築することが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
まず、本発明にかかる波動信号処理システムの原理について説明する。なお、ここでは、2個のセンサを有する1組のセンサ群で構成された波動信号処理システムについて説明するが、本実施の形態においてはセンサが3個以上であっても良いし、センサ群が2組以上であっても良い。
【0022】
まず図1に、波源と2つのセンサであるセンサA及びセンサBの位置関係を示す。図1において、図1に示す位置関係にある場合、センサA及びセンサBにおいて受信する波動信号をそれぞれfA(t)及びfB(t)とする。
【0023】
そして、図1からも明らかなように、波源からの信号は先にセンサAに到達するため、fB(t)の信号はfA(t)の信号に対して時間遅れが生じることになる。かかる時間遅れを遅延時間Δtとする。なお、Δtの符号が正の場合には時間進みを、負の場合には時間遅れを、それぞれ表すものとする。
【0024】
このとき、センサBの信号fB(t)をはセンサAの信号fA(t)を用いて表すと、(数1)に示すようになる。
【0025】
【数1】
Figure 0003908598
【0026】
次に、(数1)をテーラー展開して、遅延時間Δtが微小であるという前提で2次微分項以降の項を省略すると、近似式として(数2)を得ることができる。
【0027】
【数2】
Figure 0003908598
【0028】
遅延時間Δtは、(数2)を解くことによって得ることができる。(数2)からΔtを求めた結果を(数3)に示す。
【0029】
【数3】
Figure 0003908598
【0030】
(数3)より、Δtは、2つのセンサ間の差分信号fB(t)−fA(t)を微分信号f’A(t)で除算した値として求めることができることになる。
【0031】
ここで、各信号の符合に注目すると、時間遅れ(Δtが負の数)がある場合には、差分信号fB(t)−fA(t)と微分信号f’A(t)の符号組み合わせはいずれかが正なら他方が負となる組み合わせとなる。一方、時間進み(Δtが正の数)がある場合には、差分信号と微分信号の符号は共に正又は共に負の組み合わせとなる。(表1)に当該組み合わせと遅延時間の符号との関係を示す。
【0032】
【表1】
Figure 0003908598
【0033】
したがって、(表1)からもわかるように、差分信号の符号と微分信号の符号の組み合わせを確認することで、信号の遅延時間Δtの正負、すなわち時間進みであるのか時間遅れであるのかを判定することが可能となる。
【0034】
例えば、図1に示したセンサの配置において、波動信号を受信した場合の一例を図2に示す。図2において、各時刻P、Q、Rにおけるセンサの差分信号fB(t)−fA(t)と微分信号f’A(t)の符号の組み合わせを(表2)に示す。
【0035】
【表2】
Figure 0003908598
【0036】
(表2)から解るように、時刻P及びRにおいては、上述した(表1)を用いる判定方法によって時間進みであるのか時間遅れであるのかを正しく判定できることがわかる。ただし、時刻QにおいてはΔtの符号が逆になっており、誤った判定結果となっている。これは、(数2)において無視した2次微分項以降の項が影響したためである。
【0037】
図2から解るように、時刻Qのような誤った判定結果となる区間は、センサAの波形の極大点あるいは極小点から遅延時間Δtの間である。しかし、信号の1波長に対して遅延時間Δtが微小である場合には、このような誤検出区間は信号波形の極大点の近傍あるいは極小点の近傍において間欠的に短時間だけ生じるものであり、例えば図3に示すように、遅延時間符号判定結果が正のときに‘1’、負のときに‘0(ゼロ)’に設定して出力し、その出力を低域通過フィルタ60を通し、例えば0.5以上を「進み」、0.5以下を「遅れ」と判定することができる。
【0038】
このように本発明においては、信号の符号判定を行うだけで信号の遅延時間Δtの正負、すなわち時間進みであるのか時間遅れであるのかを判定することができることから、従来の方法、すなわち相関演算により遅延時間を求め、求まった遅延時間の符合を求める方法に比べて、高サンプリングレートでAD変換した多くのデータに対する演算処理量を必要とする相関演算を実行する必要がなく、少ない演算処理量により遅延時間符号を判定することができる。
【0039】
また、上述したような原理より、遅延時間Δtが微小であるという前提でテーラー展開の近似式(数2)を導いていることから、特に微小な遅延時間しか検出できない小さい開口を有するセンサ配置の場合に、従来の方法に比べて、安定して正しい結果が得ることができる。
【0040】
さらに、本発明で用いる差分演算、微分演算、信号の符号の比較演算は、それぞれオペアンプによる差分回路、微分回路、コンパレータを用いて構成することも可能であり、相関演算のために高価な高サンプリングレートのAD変換チップと汎用プロセッサあるいはDSPを準備する必要がある従来の方法に比べて、コストの観点、あるいはシステム構成の容易さの観点においても優れている。
【0041】
また、本発明は、少なくとも1つのセンサ群における遅延時間の符号の正負に基づいて波源の方向を判定することを特徴とするものである。上述したように、図1に示すセンサ配置において遅延時間符号が負となる場合には、2つのセンサの垂直2等分面、すなわちセンサAとセンサBの中点を通り、2つのセンサを結んだ直線に垂直な面(以下、「分岐面」という。)のセンサA側(0度から180度の空間)に波源が存在することを意味している(遅延時間が“0”の場合は分岐面上)。したがって、遅延時間符号の正負を判断することによって、波源の方向を分岐面のどちらかの空間に特定することが可能となる。
【0042】
さらに、分岐面の後面から到来した音を不要音として抑圧することにより、従来のカーディオイド型の単一指向性マイクが後面方向にも指向性を有するのに比べて、本発明では分岐面の前面だけに指向性を有するようにすることができる。
【0043】
また、例えば図4に示すように、センサ3個が互いの開口のなす角が30度になるように配置されている場合には、センサ群1の判定結果がセンサ群1における分岐面の右側の空間を、センサ群2の判定結果がセンサ群2における分岐面の左側の空間をそれぞれ示しているときは、これらの空間の重なり部分として図4における濃い網掛けで示した前方30度の空間に波源位置を特定することができる。このように、少なくとも3個のセンサによる2組のセンサ群の配置を調整することによって、あらかじめ設定しておいた波源の方向を所望の角度範囲の精度で判定することができる。
【0044】
一方、従来の相関演算を用いる場合には、2個1組のセンサ群だけで同様に音源方向を判定することができる。しかし、相関演算の演算処理量は本発明の方法よりも多くなってしまう。すなわち、本発明においては、2組のセンサ群を用いているが、差分信号をそれぞれのセンサ群について求め、微分信号はセンサBの信号を共通に用いることができることから、差分演算については2つのセンサ群で演算し、微分演算については1つのセンサでのみ演算し、最後に遅延時間符号の比較を2つのセンサ群で行うだけで音源方向の範囲を判定することができる。
【0045】
一方、従来の方法では、相関演算を1組のセンサ群について行うだけであるが、高サンプリングレートでAD変換した多量の入力データに対して畳み込み積分演算を行わなければならないため、遅延時間符号の判定を2組のセンサ群で行った場合でも本発明による演算処理量の方が少なくなるのである。
【0046】
さらに、本発明では、前記手法で特定した波源方向の範囲と目的の波源方向が一致しない場合において、受信信号を抑圧して、指向性を持たせることも可能である。したがって、3つ以上のセンサを用いることで、従来のガンマイクやマイクアレイと同様の鋭い指向性を実現することができ、かつガンマイクやマイクアレイに比べて小開口の構成においても実現可能となる。
【0047】
また、一般にセンサ配置面と同一平面内にある任意の音源方向の検出と任意の方向への単一指向特性を実現しようとする場合、2組以上のセンサ群を組み合わせる必要がある。そこで、2組あるセンサ群の一方のセンサ群に対して相関演算を用いる従来の音源方向検出手法を適用し、他方のセンサ群に対して本発明の遅延時間符号から音源方向を判定する手法を適用することで、相関演算を用いる従来の音源方向検出手法を2つ組み合わせる場合に比べて演算処理量を低減することができ、センサ群における配置面の任意の方向からの音源検出とそれに基づいた単一指向特性を実現することが可能となる。
【0048】
以下、本発明の実施の形態にかかる波動信号処理システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0049】
(実施の形態1)
図5は、本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムの構成ブロック図である。本実施の形態1においては、図6のセンサ配置図に示す1組のセンサ群51を備えており、当該センサ群51は2個のセンサ52及び53で構成されている。各センサ52及び53は、波動信号を電気信号に変換して出力する機能を有する。
【0050】
また、差分信号演算部54は、センサ群51の一方のセンサ52もしくは53において検出された波動信号から、他方のセンサ53もしくは52において検出された波動信号を減算し、その差分信号を出力するものである。
【0051】
微分信号演算部55は、センサ群51における少なくとも一つのセンサ52又は53が検出した波動信号について微分信号を演算し、その結果を出力するものである。
【0052】
遅延時間符号判定部56は、差分信号演算部54において算出されたセンサ群52の差分信号と、微分信号演算部55において算出された微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、センサ群52における遅延時間符号を出力するものである。なお、遅延時間符号の判定は、入力された差分信号と微分信号の符号を(表1)に示す判定基準に照合して行うことになる。
【0053】
以上のような構成とすることにより、差分信号と微分信号の符号を比較するだけで遅延時間符号が求まり、従来の相関演算で遅延時間を求めてその符号を抽出する手法に比べて、少ない演算処理量で処理を完了することが可能となる。
【0054】
また、遅延時間Δtが微小であるという前提でテーラー展開の近似式(数2)を導いていることから、微小な遅延時間しか検出することができない小開口のセンサ配置の場合であっても、従来の相関演算を行って遅延時間符号を求める手法に比べて、安定して正しい結果を得ることができる。
【0055】
さらに、差分演算、微分演算、信号の符号の比較は、それぞれオペアンプによる差分回路、微分回路、コンパレータを用いることによって構成することができ、相関演算のために高価な高サンプリングレートのAD変換チップと汎用プロセッサあるいはDSPを準備する必要がある従来の方法に比べて、コストの観点、及びシステム構成の容易さの観点からも優れているものと考えられる。
【0056】
なお、本実施の形態1においては、センサ群52の数を1組としているが、特に1組に限定されるものではなく、2組以上であっても良い。その場合、各センサ群の開口が交差するように設置することになる。また、センサ群52を構成するセンサの数についても3個以上であっても良い。
【0057】
例えば図7に、センサ群を2組有する場合のブロック構成図を示す。図7においては、2組のセンサ群71及び72を有しており、センサ群71は2個のセンサ73及び74で、センサ群72は2個のセンサ74及び75で構成されている。また、2個のセンサ群は、図8に示すように互いの開口が直交するように配置されており、センサ74はセンサ群71と72で共有されている。
【0058】
この場合も、各センサは同様に波動信号を電気信号に変換して出力することになる。差分信号演算部76においては、各センサ群71及び72における一方のセンサが検出した波動信号から他方のセンサが検出した波動信号を減算して差分信号を求め、第1のセンサ群71の差分信号と第2のセンサ群72の差分信号をそれぞれ出力することになる。
【0059】
また、微分信号演算部77においても、各センサ群71及び72における少なくとも一つのセンサが検出した波動信号の微分信号を演算し、第1のセンサ群71の微分信号と第2のセンサ群72の微分信号をそれぞれ出力することになる。
【0060】
そして、遅延時間符号判定部78は、第1のセンサ群71の差分信号の符号と第1のセンサ群72の微分信号の符号との組み合わせと第1のセンサ群71のセンサの位置関係に基づいて、第1のセンサ群71の遅延時間符号を求め、第2のセンサ群72の差分信号の符号と第2のセンサ群72の微分信号の符号との組み合わせと第2のセンサ群72のセンサの位置関係に基づいて、第2のセンサ群72の遅延時間符号を求める。遅延時間符号の判定は、(表1)に示す判定基準に照合して行うことになる。
【0061】
以上のような構成によって、センサ群が1個である場合よりも、音源方向をより狭い範囲で推定することが可能となる。
【0062】
なお、各センサ群は必ずしも図8に示す配置にする必要はなく、センサを共有していなくても各センサ群の開口が互いに交差さえしていればどのような配置であっても良い。
【0063】
次に、本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムを実現するプログラムの処理の流れについて説明する。図9に本発明の実施の形態にかかる波動信号処理システムを実現するプログラムの処理の流れ図を示す。
【0064】
図9において、まず各センサが波動信号を検出し(ステップS901)、一方のセンサにおいて検出された波動信号から、他方のセンサにおいて検出された波動信号を減算し、その差分信号を出力する(ステップS902)。
【0065】
次に、センサ群における少なくとも一つのセンサにおいて検出された波動信号について微分信号を演算し、その結果を出力する(ステップS903)。
【0066】
そして、センサ群における差分信号と微分信号の符号を求めると共に(ステップS904)、差分信号の符号と微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、センサ群における遅延時間符号を求めることになる(ステップS905)。
【0067】
以上のように本実施の形態1によれば、差分信号と微分信号の符号を比較するだけで遅延時間符号を求めることができ、従来の相関演算で遅延時間を求めてその符号を抽出する手法に比べて、演算処理負担の減少を図ることが可能となる。
【0068】
また、遅延時間Δtが微小であるという前提でテーラー展開の近似式(数2)を導いていることから、例えば小型携帯機器のように小開口のセンサ配置しかできず、微小な遅延時間しか検出することができない場合であっても、従来の相関演算を行って遅延時間符号を求める手法に比べて、安定して正しい結果を得ることができる。
【0069】
さらに、差分演算、微分演算、信号の符号の比較は、それぞれオペアンプによる差分回路、微分回路、コンパレータを用いることによって構成することができ、相関演算のために高価な高サンプリングレートのAD変換チップと汎用プロセッサあるいはDSPを準備する必要がある従来の方法に比べて、コストの観点、及びシステム構成の容易さの観点からも優れている。
【0070】
また、本実施の形態1において、遅延時間符号判定部56として様々な構成が考えられる。例えば、図10は、本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムにおける遅延時間符号判定部56のブロック構成図である。図10に示すように、遅延時間符号判定部56は、信号演算部61と信号符号判定部62を備えている。
【0071】
まず信号演算部61においては、差分信号と微分信号について乗算又は除算を実行し、結果として当該乗算信号又は除算信号を出力するものである。また、信号符号判定部62においては、信号乗算部61から出力される乗算信号又は除算信号の符号を判定し、その符号のみを出力するものである。
【0072】
具体的には、図11にDSPや汎用プロセッサを用いた場合の構成例を示す。図11においては、汎用プロセッサによって差分信号演算部54、微分信号演算部55、遅延時間符号判定部56を実現している。なお、2つのセンサを区別するためにセンサ51及び52を便宜上センサA及びセンサBとしている。
【0073】
図11に示すように、AD変換部63及び64は、センサA及びセンサBで検出した波動信号をAD変換し、離散的なデジタルデータ列fA(k)、fB(k)(k=0,1,2,3,…)を出力する。そして、差分信号演算部54において差分信号gSub(k)をgSub(k)=fB(k)−fA(k)として演算して、出力する。同様に微分信号演算部55においては、現在の入力信号fA(k)と前回の入力信号fA(k−1)から、2サンプル間の傾き(fA(k)−fA(k−1))/Tを求め、近似的にその傾きを微分信号gDiff(k)とする。ただし、TはAD変換部63及び64におけるサンプリング周期を表している。最後に、信号演算部61において差分信号gSub(k)と微分信号gDiff(k)の乗算又は除算を行い、その結果に対して信号符号判定部56において符合の判定を行うことになる。
【0074】
もちろん、信号符号判定部56において、差分信号の符号を判定する差分信号符号判定部(図示せず)と、微分信号の符号を判定する微分信号判定部(図示せず)を設け、符号のみの処理によって遅延時間の符号を判定するものであっても良い。
【0075】
一方、プロセッサを用いることなく構成することも可能である。この場合、図12に示すように、センサA及びセンサBで検出した波動信号をオペアンプで構成される差分回路63及び微分回路64に直接入力し、それぞれ差分信号と微分信号を出力する。そして、両信号を乗算回路65を用いて乗算し、コンパレータ66によって乗算回路65の出力の正負を比較することになる。
【0076】
この場合も同様に、出力された差分信号と微分信号を乗算回路65へ入力するのではなく、コンパレータによって両信号の符号を求めてから、半加算器を用いて遅延時間の符号を求めるものであっても良い。
【0077】
かかる構成にすることによって、本実施の形態1にかかる波動信号処理システムは、プロセッサを用いたデジタル回路であっても、あるいはオペアンプを用いたアナログ回路であっても容易に実現することが可能である。
【0078】
すなわち、プロセッサを用いたデジタル回路による構成では、遅延時間符号を差分信号と微分信号の乗算信号の符号に基づいて判定することから、従来の相関演算で遅延時間を求めて、その符号を抽出する方法に比べて、少ない演算処理量で処理することが可能となる。
【0079】
また、アナログ回路による構成では、相関演算をするために高価な高サンプリングレートのAD変換チップと汎用プロセッサ又はDSPを準備する必要がある従来の方法に比べて、コストの観点あるいはシステム構成の容易さの観点からも優れている。
【0080】
(実施の形態2)
図13は、本発明の実施の形態2にかかる波動信号処理システムのブロック構成図である。図13に示すように、本実施の形態2では、実施の形態1にかかる波動信号処理システムに、波源方向判定部57を新たに付加したものである。
【0081】
すなわち、波源方向判定部57において、前段の遅延時間符号判定部56から出力される遅延時間符号に基づいて波源方向を判定することになる。
【0082】
波源方向の判定手順を図1のセンサ配置に基づいて説明する。図1においては、センサ群の2個のセンサを識別するために、便宜的にセンサに識別子A、Bを付けている。ここで、差分信号演算部54は、センサBにおいて検出された波動信号からセンサAにおいて検出された波動信号を減算することによって差分信号を出力しているものとする。
【0083】
このとき、分岐面のセンサA側から波動信号が入射すると、センサBにおいて検出される波動信号にはセンサAにおいて検出される波動信号に対する時間遅れが生じるため、(表1)により遅延時間の符合は負となる。
【0084】
一方、分岐面のセンサB側から波動信号が入射すると、センサBにおいて検出される波動信号にはセンサAにおいて検出される波動信号に対する時間進みが生じるため、(表1)により遅延時間の符合は正となる。
【0085】
したがって、波源方向判定部57においては、前段の遅延時間符号判定部56における出力が負である場合には、分岐面のセンサA側に波源が存在するものと判定し、出力が正である場合には、分岐面のセンサB側に波源が存在するものと判定することができ、分岐面のどちらの方向に波源が存在しているのかを出力することができる(出力が“0”の場合は分岐面上)。
【0086】
例えば、遅延時間符号が負であった場合には、図1において分岐面のセンサA側の空間である0度から180度の方向を波源の存在方向として出力することになる。
【0087】
なお、本実施の形態2においてはセンサ群の数を1組として説明しているが、実施の形態1と同様、2組以上のセンサ群の開口が互いに交差するように配置されていれば、センサ群の数に特に制限はない。また、センサ群を構成するセンサ数についても特に限定されるものではなく、3個以上であっても良い。
【0088】
また、各センサ群の配置についても、必ずしも図1に示す配置に従う必要はなく、各センサ群の開口が互いに交差していれば、センサA及びセンサBを任意の位置に配置しても良い。
【0089】
さらに、差分信号演算部54において、センサAで検出された波動信号からセンサBで検出された波動信号を減算することで差分信号を求めても良い。ただし、その場合には、波源方向判定部57における判定結果を逆に読み替える必要が生じる。すなわち、前段の遅延時間符号判定部56の出力が負である場合には分岐面のセンサB側に、符号が正である場合には分岐面のセンサA側に、それぞれ波源が存在すると判定しなければならない。
【0090】
以上のように本実施の形態2によれば、差分信号と微分信号の符号の比較という簡単な演算で求めた遅延時間符号を用いて波源の方向を判定するため、従来の相関演算で遅延時間を求めて、当該遅延時間に基づいて波源の方向を判定する方法に比べて、演算処理負担の減少を図ることが可能となる。
【0091】
また、遅延時間Δtが微小であるという前提でテーラー展開の近似式(数2)を導いていることから、例えば小型携帯機器のような微小な遅延時間しか検出することができない小開口のセンサ配置しかできない場合であっても、従来の相関演算を行って遅延時間符号を求める手法に比べて、安定して正しい結果を得ることができる。
【0092】
さらに、差分演算、微分演算、信号の符号の比較は、それぞれオペアンプによる差分回路、微分回路、コンパレータを用いることによって構成することができ、相関演算のために高価な高サンプリングレートのAD変換チップと汎用プロセッサあるいはDSPを準備する必要がある従来の方法に比べて、コストの観点、及びシステム構成の容易さの観点からも優れている。
【0093】
(実施の形態3)
図14は、本発明の実施の形態3にかかる波動信号処理システムのブロック構成図である。図14に示すように、本実施の形態3は、実施の形態1に重み係数算出部58を新たに付加したものである。以下、重み係数算出部58について説明する。
【0094】
例えば、図1に示すセンサ配置において、分岐面から見て空間1の方向からの波動信号の重みをαとし、空間2の方向からの波動信号の重みをβと設定するものとする。このとき、センサの配置関係から理論的に空間と遅延時間符号の関係を導き出すと、(表1)より、空間1側から波動信号が入射する場合は遅延時間符号が負になり、空間2側から波動信号が入射する場合は遅延時間符号が正になる。したがって、遅延時間符号が負の場合には重みαを出力し、正の場合には重みβを出力すれば良いことになる。ただし、差分信号演算部54は、センサBで検出された波動信号からセンサAで検出された波動信号を減算することで差分信号を求めているものとする。
【0095】
なお、本実施の形態3においては、センサ群の数を1組として説明しているが、特にこれに限定されるものではなく、2組以上のセンサ群を、開口が互いに交差するように配置するものであれば良い。また、センサ群を構成するセンサ数についても、特に限定されるものではなく、3個以上であっても良い。
【0096】
また、各センサ群の配置は必ずしも図1に従う必要はなく、各センサ群の開口が互いに交差している配置でありさえすれば、センサA及びセンサBを任意に配置しても良い。
【0097】
さらに、差分信号演算部54において、センサAで検出された差分信号からセンサBで検出された差分信号を減算することで差分信号を求めても良い。ただし、その場合には、重み係数算出部58において遅延時間符号の正負に対してαとβの出力を逆にする必要が生じることは言うまでもない。
【0098】
以上のように本実施の形態3によれば、差分信号と微分信号の符号の比較という簡単な演算で求めた遅延時間符号を用いて重み係数を演算するため、従来の相関演算で遅延時間を求めて、当該遅延時間に基づいて重み係数を演算する方法に比べて、演算処理負担の減少を図ることが可能となる。
【0099】
また、遅延時間Δtが微小であるという前提でテーラー展開の近似式(数2)を導いていることから、例えば小型携帯機器のような微小な遅延時間しか検出することができない小開口のセンサ配置しかできない場合であっても、従来の相関演算を行って遅延時間符号を求める手法に比べて、安定して正しい結果を得ることができる。
【0100】
さらに、差分演算、微分演算、信号の符号の比較は、それぞれオペアンプによる差分回路、微分回路、コンパレータを用いることによって構成することができ、相関演算のために高価な高サンプリングレートのAD変換チップと汎用プロセッサあるいはDSPを準備する必要がある従来の方法に比べて、コストの観点、及びシステム構成の容易さの観点からも優れている。
【0101】
また、実施の形態2と組み合わせることにより、すなわち波源方向判定部57において波源方向を判定した後に、重み係数算出部58において重み係数を算出することによって、後述の雑音抑制のための重み計数を少ない演算量で求めることが可能となる。
【0102】
(実施の形態4)
図15に本発明の実施の形態4にかかる波源信号処理システムのブロック構成図を示す。図15に示すように、本実施の形態4においては、図14に示す実施の形態3にかかる波源信号処理システムに、信号抑圧部59を付加したものである。
【0103】
信号抑圧部59は、1つのセンサで検出された波動信号を入力する入力部を備えており、重み係数算出部58から出力される重み係数に基づいて、入力部に入力された波動信号に重み付けを行って出力するものである。なお、信号抑圧部59の直前に重み係数算出部58が配置されていれば足りることから、実施の形態2及び実施の形態3とを組合せた波源方向判定部57を含んだ構成であっても良い。
【0104】
以上のように1組のセンサ群を用いた構成により、背面方向にも指向性の残る従来の単一指向性マイクと比べて、センサの分岐面の後面の指向特性を完全に消去することが可能となり、より強い指向特性を実現することが可能となる。
【0105】
また、2組以上の複数のセンサ群を用いた構成においても、従来のガンマイクやマイクロホンアレイと比べて、小型な構成で鋭い指向特性を持たせることが可能となる。
【0106】
(実施の形態5)
図16に本発明の実施の形態5にかかる波動信号処理システムのブロック構成図を示す。本実施の形態5は、遅延時間符号判定部56の後段に低域通過フィルタ60を付加したものである。
【0107】
低域通過フィルタ60は、図2に示す時刻Qのように、符号判定に誤りが生じる区間を除去するために付加するものである。フィルタ構成としては、例えば一般に知られているコンデンサと抵抗によるローパスフィルタやオペアンプを用いたアクティブフィルタ、あるいはプロセッサを用いた構成の場合においては、例えばFIR(Finite Impulse Response)あるいはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ等を用いれば良い。
【0108】
以上のように低域通過フィルタ60を設けることにより、遅延時間符号の判定において、常に正しい結果を得ることが可能となり、従来の相関演算で遅延時間符号を求める方法に比べて、小型あるいは低い演算処理能力を有する演算処理装置であってもより精度の高い遅延時間の符号判定を行うことが可能となる。
【0109】
また、低域通過フィルタ60を、センサ52及び53の直後に配置することも考えられる。この場合のブロック構成図を図17に示す。
【0110】
すなわち、本発明にかかる遅延時間符号の判定方法においては、図2に示した時刻Qのように、符号判定に誤りが生じる区間が必ず存在する。例えば図18(a)に示すような低周波と高周波の交じり合った音声信号が入力された場合、高周波が含まれる区間においては、時刻Qに示した状態が多く含まれることになり、遅延時間を正しく判定することができない区間が多く存在することになる。
【0111】
そのため、入力信号に低域通過フィルタを挿入し、図18(b)に示すように低周波成分のみを残した波形で信号処理を行うことで、誤判定区間を減少させることが可能となる。フィルタの構成は、例えば一般に知られているコンデンサと抵抗によるアナログフィルタや、オペアンプを用いたアクティブフィルタを用いることができ、システム構成がデジタルの場合においては、例えばFIR(Finite Impulse Response)フィルタ、あるいはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ等を用いれば良い。
【0112】
以上のように、センサの直後に低域通過フィルタ60を配置する構成においては、高周波成分による遅延時間符号判定の誤りを低減することができ、従来の相関演算で遅延時間符号を求める方法に比べて、小型構成においてもより精度の高い遅延時間符号の判定を行うことが可能となる。
【0113】
(実施の形態6)
図19に本発明の実施の形態6にかかる波動信号処理システムのブロック構成図を示す。本実施の形態6は、センサ群51とは別個に、第2のセンサ群510と遅延時間検出部560を付加し、遅延時間検出部560からの出力について重み係数算出部58に入力するとともに、第2のセンサ群510のセンサ信号についても信号抑圧部59に入力する構成となっている。
【0114】
遅延時間検出部560は、第2のセンサ群510の2つのセンサに到達する信号の遅延時間を出力する。遅延時間の検出手段は、相互相関による方法であっても良いし、特願2002−078697に示されているような差分信号を微分信号で除算する方法であっても良い。
【0115】
重み係数算出部58においては、センサ群51(第1のセンサ群)から得られた遅延時間符号と、第2のセンサ群510から得られた遅延時間が、目的音源方向から音波が到来した場合に生じる遅延時間及び遅延時間符号と一致しない場合‘1’以下の重み係数を設定し、信号抑圧部59において第1のセンサ群又は第2のセンサ群の信号を抑圧して出力する。
【0116】
また、遅延時間検出部560の後段に波源方向検出部(図示せず)を、遅延時間符号判定部56の後段に波源方向判定部57を設け、波源方向の情報から重み係数を求めても良い。この場合、目的の波源方向以外の方向が検出された場合に重み係数を‘1’以下の値に設定する。なお、第1のセンサ群と第2のセンサ群とで、必ずしもマイクを共有する必要はなく、それぞれ固有のマイクを設けても良い。
【0117】
以上のように、遅延時間を検出する第2のセンサ群と、遅延時間符号を判定する第1のセンサ群とを設ける構成とすることによって、2組のセンサ群でそれぞれ遅延時間を演算して単一の音源方向を求めて指向性を形成する場合に比べて、少ない演算量で単一の指向性を実現することが可能となる。
【0118】
なお、本発明の実施の形態にかかる波動信号処理システムを実現するプログラムは、図20に示すように、CD−ROM202−1やフレキシブルディスク202−2等の可搬型記録媒体202だけでなく、通信回線の先に備えられた他の記憶装置201や、コンピュータ203のハードディスクやRAM等の記録媒体204のいずれに記憶されるものであっても良く、プログラム実行時には、プログラムはローディングされ、主メモリ上で実行される。
【0119】
また、本発明の実施の形態にかかる波動信号処理システムにより生成された差分信号や微分信号等についても、図20に示すように、CD−ROM202−1やフレキシブルディスク202−2等の可搬型記録媒体202だけでなく、通信回線の先に備えられた他の記憶装置201や、コンピュータ203のハードディスクやRAM等の記録媒体204のいずれに記憶されるものであっても良く、例えば本発明にかかる波動信号処理システムを利用する際にコンピュータ203により読み取られる。
【0120】
(付記1) 少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備え、
前記各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求める差分信号演算部と、
少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求める微分信号演算部と、
前記差分信号と前記微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、前記2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定する遅延時間符号判定部とを含むことを特徴とする波動信号処理システム。
【0121】
(付記2) 前記遅延時間符号判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号間における遅延時間の符号の正負とセンサの位置関係に基づいて、波源の方向を判定する波源方向判定部をさらに含む付記1に記載の波動信号処理システム。
【0122】
(付記3) 前記遅延時間符号判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号間における遅延時間の符号の正負とセンサの位置関係、もしくは前記波源方向判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号の波源方向に基づいて、重み係数を算出する重み係数算出部をさらに含む付記2に記載の波動信号処理システム。
【0123】
(付記4) 前記重み係数を用いて、少なくとも一つのセンサで検出された波動信号に対して重み付けを行い、目的とする前記波源方向以外から到来する不要な波動信号部分を抑制する信号抑圧部をさらに含む付記3に記載の波動信号処理システム。
【0124】
(付記5) 少なくとも2つのセンサで構成するセンサ群を少なくとも2組備え、
少なくとも1つのセンサ群において任意の2つのセンサ信号の遅延時間を算出する遅延時間演算部を含み、前記遅延時間に基づいた波動信号処理を並行して行う付記1から4のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
【0125】
(付記6) 算出された前記遅延時間に基づいて波源方向を検出する波源方向検出部をさらに含む付記5に記載の波動信号処理システム。
【0126】
(付記7) 前記遅延時間符号判定部が、前記差分信号と前記微分信号を乗算又は除算する信号演算部と、前記信号演算部における乗算又は除算結果の符号を判定する信号符号判定部とをさらに含む付記1から6のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
【0127】
(付記8) 前記遅延時間符号判定部が、
前記差分信号の符号を判定する差分信号符号判定部と、
前記微分信号の符号を判定する微分信号符号判定部と、
前記差分信号符号判定部における前記差分信号の符号と前記微分信号符号判定部における前記微分信号の符号を比較判定する符号判定部とをさらに含む付記1から6のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
【0128】
(付記9) 前記遅延時間符号判定部における判定結果を通す低域通過フィルタを含む付記1から8のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
【0129】
(付記10) 前記センサ群の後段に低域通過フィルタを含む付記1から9のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
【0130】
(付記11) 少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備える信号処理装置における波動信号処理方法であって、
前記各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求める工程と、
少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求める工程と、
前記差分信号と前記微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、前記2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定する工程とを含むことを特徴とする波動信号処理方法。
【0131】
(付記12) 少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備える信号処理装置における波動信号処理方法を具現化するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
前記各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求めるステップと、
少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求めるステップと、前記差分信号と前記微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、前記2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定するステップとを含むことを特徴とするコンピュータ実行可能なプログラム。
【0132】
【発明の効果】
以上のように本発明にかかる波動信号処理システムによれば、波源の方向推定が小型又は低い演算処理能力を有する演算処理装置を用いる場合であっても精度良く行うことができ、さらにその情報を用いることで、小型又は低い演算処理能力を有する演算処理装置であっても、単一指向特性を有する波動信号処理システムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 波源及びセンサ群の位置関係の説明図
【図2】 波動信号受信時の例示図
【図3】 低域通過フィルタによる結果補正の説明図
【図4】 センサ群が複数の場合における波源及びセンサ群の位置関係の説明図
【図5】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムの構成ブロック図
【図6】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムにおけるセンサ配置図
【図7】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムのセンサ群が複数の場合の構成ブロック例示図
【図8】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムのセンサ群が複数の場合のセンサ配置図
【図9】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムにおける処理の流れ図
【図10】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムにおける遅延時間符号判定部のブロック構成図
【図11】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムにおける遅延時間符号判定部の具体例を示す図
【図12】 本発明の実施の形態1にかかる波動信号処理システムにおける遅延時間符号判定部の他の具体例を示す図
【図13】 本発明の実施の形態2にかかる波動信号処理システムのブロック構成図
【図14】 本発明の実施の形態3にかかる波動信号処理システムのブロック構成図
【図15】 本発明の実施の形態4にかかる波動信号処理システムのブロック構成図
【図16】 本発明の実施の形態5にかかる波動信号処理システムのブロック構成図
【図17】 本発明の実施の形態5にかかる波動信号処理システムの他のブロック構成図
【図18】 本発明にかかる波動信号処理システムにおける低域通過フィルタ効果の説明図
【図19】 本発明の実施の形態6にかかる波動信号処理システムのブロック構成図
【図20】 コンピュータ環境の例示図
【符号の説明】
51、71、72 (第1の)センサ群
52、53、73、74、75 センサ
54、76 差分信号演算部
55、77 微分信号演算部
56、78 遅延時間符号判定部
57 波源方向判定部
58 重み係数算出部
59 信号抑圧部
60 低域通過フィルタ
61 信号演算部
62 信号符号判定部
63、64 AD変換部
65 乗算回路
66 コンパレータ
201 回線先の記憶装置
202 CD−ROMやフレキシブルディスク等の可搬型記録媒体
202−1 CD−ROM
202−2 フレキシブルディスク
203 コンピュータ
204 コンピュータ上のRAM/ハードディスク等の記録媒体
510 第2のセンサ群
560 遅延時間検出部

Claims (10)

  1. 少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備え、
    前記各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求める差分信号演算部と、
    少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求める微分信号演算部と、
    前記差分信号と前記微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、前記2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定する遅延時間符号判定部とを含むことを特徴とする波動信号処理システム。
  2. 前記遅延時間符号判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号間における遅延時間の符号の正負とセンサの位置関係に基づいて、波源の方向を判定する波源方向判定部をさらに含む請求項1に記載の波動信号処理システム。
  3. 前記遅延時間符号判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号間における遅延時間の符号の正負とセンサの位置関係、もしくは前記波源方向判定部において求められた、少なくとも1つのセンサ群が検出した波動信号の波源方向に基づいて、重み係数を算出する重み係数算出部をさらに含む請求項2に記載の波動信号処理システム。
  4. 前記重み係数を用いて、少なくとも一つのセンサで検出された波動信号に対して重み付けを行い、目的とする波源方向以外から到来する不要な波動信号部分を抑制する信号抑圧部をさらに含む請求項3に記載の波動信号処理システム。
  5. 少なくとも2つのセンサで構成するセンサ群を少なくとも2組備え、
    少なくとも1つのセンサ群において任意の2つのセンサ信号の遅延時間を算出する遅延時間演算部を含み、前記遅延時間に基づいた波動信号処理を並行して行う請求項1から4のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
  6. 算出された前記遅延時間に基づいて波源方向を検出する波源方向検出部をさらに含む請求項5に記載の波動信号処理システム。
  7. 前記遅延時間符号判定部が、前記差分信号と前記微分信号を乗算又は除算する信号演算部と、前記信号演算部における乗算又は除算結果の符号を判定する信号符号判定部とをさらに含む請求項1から6のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
  8. 前記遅延時間符号判定部が、
    前記差分信号の符号を判定する差分信号符号判定部と、
    前記微分信号の符号を判定する微分信号符号判定部と、
    前記差分信号符号判定部における前記差分信号の符号と前記微分信号符号判定部における前記微分信号の符号を比較判定する符号判定部とをさらに含む請求項1から6のいずれか一項に記載の波動信号処理システム。
  9. 少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備える信号処理装置における波動信号処理方法であって、
    前記各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求める工程と、
    少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求める工程と、
    前記差分信号と前記微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、前記2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定する工程とを含むことを特徴とする波動信号処理方法。
  10. 少なくとも2つのセンサで構成されるセンサ群を少なくとも1組備える信号処理装置における波動信号処理方法を具現化するコンピュータ実行可能なプログラムであって、
    前記各センサ群における任意の2つのセンサが検出した波動信号間の差分信号を求めるステップと、
    少なくとも1つのセンサが検出した波動信号の微分信号を求めるステップと、
    前記差分信号と前記微分信号の符号の組み合わせとセンサの位置関係に基づいて、前記2つのセンサが検出した波動信号間における遅延時間の符号を判定するステップとを含むことを特徴とするコンピュータ実行可能なプログラム。
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