JP3907440B2 - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、重荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、スチールベルト層端部のせり上がりを有効に抑制し、耐トレッドセパレーション性に優れた高速耐久性を改良した重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、バスやトラック等に使用される重荷重用空気入りラジアルタイヤ等には、図2に子午線方向部分断面図を示すように、タイヤ半径方向内側から1番ベルト層〜4番ベルト層までの4層のスチールベルト層2が広く用いられている。2番ベルト層および3番ベルト層は、層間でスチールコードが互いに交差するように配置されている耐張力層になっている。このうち、2番ベルト層の端部は、タイヤ走行に伴い、タイヤ半径方向外側にせり上がってベルトエッジセパレーションの原因となるので、さらなるスチールベルト層端部のせり上がりの抑制効果の向上が要望されていた。
【0003】
そこで、図1のように、最外層である4番ベルト層のタイヤ幅方向外側に、有機繊維コードからなるベルト補強層1を配置すれば、2番ベルト層の端部のせり上がりを防止することができると考えられる。しかし、ベルト補強層1にナイロン繊維等の比較的低弾性率のコードを用いても、スチールベルト層端部のせり上がりを有効に防止できず、高速耐久性の向上効果が十分ではない。そこで、ベルト補強層1に弾性率の大きなアラミド繊維等の芳香族ポリアミド繊維コードを用いれば、スチールベルト層端部のせり上がりの抑制効果を得ることができるが、芳香族ポリアミド繊維コードはゴムとの接着性に劣るため、耐ベルトエッジセパレーション性が悪化してしまい、やはりタイヤの高速耐久性を向上させることができないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題は、スチールベルト層端部のせり上がりを有効に抑制し、耐ベルトエッジセパレーション性に優れた高速耐久性を改良した重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、タイヤ径方向内側から2番目のスチールベルト層を最大幅とし、4番目のスチールベルト層を最小幅とする4層のスチールベルト層を有し、前記4番目のスチールベルト層を除くスチールベルト層のタイヤ径方向外側に現れる端部を覆うように、補強コードをタイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で巻回したベルト補強層を設けた重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードが、下記式(1)に示されるポリオレフィンケトン繊維コードであって、下記式(2)に示される総表示デシテックスDが4000〜9000dtexで、撚り係数αが1900〜3200である重荷重用空気入りラジアルタイヤが提供される。
−(−CH2−CH2−CO)n−(R−CO)m− (1)
(ここで、1.05≧(n+m)/n≧1.00であり、Rは炭素数3以上のアルキレン基を表す)
α=N×(D/1.111)1 / 2 (2)
(ここで、Nはコードの撚り数(/10cm)、Dは総表示デシテックスを表す)
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一例を示し、重荷重用空気入りラジアルタイヤの子午線方向部分断面図である。スチールベルト層2は、カーカス層3の外側にタイヤ半径方向内側から1番ベルト層〜4番ベルト層までの4層が、タイヤ1周にわたって配置されている。
【0008】
スチールベルト層2の最外層(4番ベルト層)のタイヤ幅方向外側には、4番ベルト層を除くスチールベルト層のタイヤ径方向外側に現れる端部を覆うように、下記式(1)に示されるポリオレフィンケトン繊維コードをタイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で巻回したベルト補強層1が設けられている。このベルト補強層1は、例えば、有機繊維コードを引き揃えてゴムを被覆してテープ状に形成したものを、タイヤ周方向に螺旋状に巻回して配設すればよい。また、図1に示すように、ベルト補強層1がスチールベルト層2(2番ベルト層)の端部を覆うように配置されるのが好ましい。
−(−CH2−CH2−CO)n−(R−CO)m− (1)
(ここで、1.05≧(n+m)/n≧1.00であり、Rは炭素数3以上のアルキレン基を表す)
【0009】
このポリオレフィンケトン繊維コードは、高弾性率であるとともに、ゴムとの接着性が良好であるので、スチールベルト層端部のせり上がりを有効に抑制しながら、耐ベルトエッジセパレーション性に優れるため、タイヤの高速耐久性を大幅に向上させることができる。
【0010】
さらに、ポリオレフィンケトン繊維コードの下記式(2)に示される撚り係数αは、1900〜3200、好ましくは、2200〜3200に設定される。このように、高撚りにすることにより高弾性繊維にもかかわらずタイヤ加硫成形時のリフト張力に追随しやすくなるので、タイヤ外形が不均一になることを抑制することができる。
α=N×(D/1.111)1 / 2 (2)
(ここで、Nはコードの撚り数(/10cm)、Dは総表示デシテックスを表す)
【0011】
また、本発明のポリオレフィンケトン繊維コードの総表示デシテックスDは4000〜9000dtexであり、さらには4400〜9000dtexとするのが好ましい。このように、ポリオレフィンケトン繊維コードの太いものを使用することで、コードの強力が大きくなり、タイヤの高速耐久性をさらに向上させることができるからである。
【0012】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものではない。
実施例1及び比較例1〜5
図1または図2に示される構造のタイヤサイズ295/75R22.5の各重荷重用空気入りラジアルタイヤを作製した。ベルト補強層のコード材質、撚り数N、撚り係数α等は、下記表1に示し、有機繊維コードを引き揃えてゴムを被覆して幅10mmのテープ状に形成したものを、タイヤ周方向に実質的に0°の角度で螺旋状に巻回した。得られた各タイヤについて、以下の高速耐久性試験に供した。
【0013】
高速耐久性
ドラム径1707mmでJIS D4320に規定された条件を走行後、10分毎に速度を10km/hずつ増加してタイヤが破壊するまで試験を続行した。この結果を比較例1のタイヤを100とした指数で示す。数値が大きいほうが良好である。
【0014】
【表1】
【0015】
なお、上記表1に使用した各コード材質は、以下のものを使用した。
POK:ポリオレフィンケトン繊維、上記式(1)において、m=0、n=1、である。
66N:66ナイロン繊維
【0016】
上記表1に示すように、撚り係数αが小さすぎる比較例2のタイヤは、タイヤ加硫成形時のリフトに追随できず所望のタイヤが作製できなかった。有機繊維コードにナイロン繊維を用いた比較例3のタイヤは、スチールベルト層端部のせり上がりをある程度は抑制するが、本発明の撚り係数αが1900〜3200であり、かつ総表示デシテックスが4000〜9000dtexのポリオレフィンケトン繊維コードを用いたタイヤ(実施例1)は、それ以上の高速耐久性の改良効果が認められるという優れた結果が得られた。アラミド繊維を用いた比較例4のタイヤは、ゴムとの接着性に劣るため耐ベルトエッジセパレーション性が悪化してしまい高速耐久性が低下してしまった。
【0017】
【発明の効果】
本発明に従って、撚り係数αが1900〜3200であり、かつ総表示デシテックスが4000〜9000dtexである上記式(1)に示されるポリオレフィンケトン繊維コードを、4番ベルト層を除くスチールベルト層のタイヤ径方向外側に現れる端部を覆うように、タイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で巻回したベルト補強層を設けることによって、スチールベルト層端部のせり上がりを有効に抑制し、耐ベルトエッジセパレーション性に優れた高速耐久性を改良した重荷重用空気入りラジアルタイヤを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の重荷重用空気入りラジアルタイヤの子午線方向部分断面図である。
【図2】 従来の重荷重用空気入りラジアルタイヤの子午線方向部分断面図である。
【符号の説明】
1 ベルト補強層
2 スチールベルト層
3 カーカス層
Claims (1)
- タイヤ径方向内側から2番目のスチールベルト層を最大幅とし、4番目のスチールベルト層を最小幅とする4層のスチールベルト層を有し、前記4番目のスチールベルト層を除くスチールベルト層のタイヤ径方向外側に現れる端部を覆うように、補強コードをタイヤ周方向に対して実質的に0°の角度で巻回したベルト補強層を設けた重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいて、前記補強コードが、下記式(1)に示されるポリオレフィンケトン繊維コードであって、下記式(2)に示される総表示デシテックスDが4000〜9000dtexで、撚り係数αが1900〜3200である重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
−(−CH2−CH2−CO)n−(R−CO)m− (1)
(ここで、1.05≧(n+m)/n≧1.00であり、Rは炭素数3以上のアルキレン基を表す)
α=N×(D/1.111)1 / 2 (2)
(ここで、Nはコードの撚り数(/10cm)、Dは総表示デシテックスを表す)
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