JP3905798B2 - 放射線照射位置の位置ずれ量評価方法及び装置 - Google Patents

放射線照射位置の位置ずれ量評価方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は放射線照射位置の位置ずれ量評価方法及び装置に関し、特に患部に放射線を集中的に照射する定位的放射線治療装置における放射線照射位置のアイソセンタからの位置ずれ量を評価する場合に適用して有用なものである。
【0002】
【背景技術】
放射線を癌病巣等の患部に照射して治療を行う方法として、患部に放射線を集中的に照射する定位的放射線治療がある。この定位的放射線治療では、球面上で放射線の照射方向を変えて多方向から患部に放射線を照射することにより、正常組織への照射を最小限に抑えつつ患部に集中的且つ局所的に放射線を照射することができる。すなわち、各方向から照射される放射線は、当該球面の中心であるアイソセンタには必ず照射され、このアイソセンタにおける放射線量は各方向から照射される放射線量の積分値となり、最大の放射線量となる。このため、アイソセンタと患部とを一致させておけば、正常組織への放射線の照射を最小限に抑えつつ患部に集中的に必要な線量の放射線を照射することができる。
【0003】
かかる定位的放射線治療を行う放射線治療装置としては、放射線源を移動させて放射線を患部に集中的に照射するサイバーナイフ(商標;アキュレイ インコーポレイテッド(米国))、C−アーム型電子線リニアック等がある。
【0004】
サイバーナイフは、7軸程度の多軸関節を直列に接続した産業用ロボットアームの先端に、放射線源となる小型の電子線リニアックを装備し、ロボットアームを制御して放射線源を規定位置に移動させ、この規定位置から患部に対して放射線を集中照射する放射線治療装置である。
【0005】
C−アーム型電子線リニアックは、大型の円弧状フレームに放射線源を装着し、このフレームを放射線源ごと傾倒させることで、円弧の中心であるアイソセンタに位置する患部に放射線を集中照射する。
【0006】
しかしながら、上記サイバーナイフ及びC−アーム型電子線リニアックには、以下のような問題点がある。
【0007】
サイバーナイフでは、ロボットアームが片持ち型構造となっているため、電子線リニアックの荷重によるロボットアームの変形が生じやすい。また、ロボットアームは、動きが多関節で制御されるために各関節における位置誤差の累積がある。したがって、放射線源と規定位置とのずれが生じる可能性があり、精密な照射が必要となる場合には、精度上に問題がある。また、サイバーナイフでは、ロボットアームが多軸関節を有し、患者に接近する特定方向へのロボットアームの自由度を拘束できないことから、ロボットアームを制御する制御系の暴走等によるロボットアームと患者との衝突を未然に防止するための安全装置を配置することが極めて困難であり、安全上の問題もある。
【0008】
C−アーム型電子線リニアックでは、大型のフレームを放射線ごと移動させる駆動方式であるため、放射線源の荷重によるフレームの変形からアイソセンタと照射点とのずれが発生し易いが、照射点の位置を補正する具体的な手段を有していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如き従来技術に係るサイバーナイフ及びC−アーム型電子線リニアックの問題点を解決し、照射位置を高精度に位置決めし得る定位的放射線治療装置を本発明者等が新たに開発した。これは、円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構と、前記放射線源を一軸線の周りに回転させる第1の首振り機構と、前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回転させる第2の首振り機構とを有することを基本構成とするものである。
【0010】
ただ、放射線源の位置を変えて多方向から高精度にアイソセンタに向けて放射線を照射するためには、上記新規開発に係る定位的放射線治療装置においても放射線源が移動した際、この放射線源から照射した放射線がアイソセンタからどの程度位置がずれているかを把握する必要がある。ところが、かかる位置ずれ量を評価する手法は確立されていない。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑み、定位的放射線治療における放射線照射位置のアイソセンタからの位置ずれ量を評価するための汎用性に優れる放射線照射位置の位置ずれ量評価方法及び装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の構成は次の点を特徴とする。
【0015】
) 円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構と、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有して、同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価方法であって、
前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドを搭載する一方、
垂直方向に貫通する透過孔を中央部に有する校正ロッドを、前記傾倒軸に中心軸が一致するようコラムを介して前記フレームに固定することにより、前記透過孔の下端面をアイソセンタに臨ませ、
その後、前記フレームを垂直面内に位置させた状態でこのフレームの頂点位置にレーザヘッドを位置させるとともに前記校正ロッドの透過孔の位置でその上面に反射手段を載置し、
かかる状態で前記反射手段に向けて前記レーザヘッドからレーザ光を照射し、このときのレーザ光の反射手段に対する入射光と反射光との光路が一致するようにレーザ光の照射方向を調整するとともに、前記撮像手段を前記校正ロッドの前記透過孔が臨む面に下方から当接させてこのときの撮像手段の空間的な位置を記憶しておき、
その後、校正ロッドをフレームから取り外し、撮像手段の前記位置の記憶情報に基づきその撮像面をアイソセンタに水平に占位させ、
かかる基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出することにより前記レーザ光の照射位置の位置ずれ量を介して前記放射線源から照射する放射線の照射位置を評価すること。
【0018】
) 円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構と、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有して、同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価装置であって、
前記フレームに搭載され、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
前記フレームに対して着脱可能に形成され、フレームに装着した場合には校正ロッドの中心軸が前記傾倒軸に一致するとともに、この校正ロッドの中央部に形成した貫通孔である透過孔の下端面がアイソセンタに臨むように形成した校正ロッドを有する校正治具と、
前記透過孔の位置で前記校正ロッドの上面に載置されて水平面を形成している反射手段と、
XYZステージに固着されて空間を自由に移動可能に構成するとともに、自己の空間的な位置を知り得るように構成する一方、前記透過孔の位置で校正ロッドの下面にその下方から当接させることにより撮像面をアイソセンタを含む面内で水平に占位させることができるように構成した撮像手段とを有し、
所定の基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出するように構成したこと。
【0019】
) 上記2)に記載する放射線照射位置の位置ずれ評価装置において、
レーザヘッドは、放射線源の代わりに搭載され、フレームの軌道に沿って移動可能に支持されたものであること。
【0020】
) 上記2)に記載する放射線照射位置の位置ずれ評価装置において、
レーザヘッドと放射線源とを一体構造として形成するとともに、前記放射線源の光軸位置に対して反射手段の前記放射線源に対する相対位置を調整可能に形成して、前記レーザヘッドが照射したレーザ光の光軸が、前記放射線源が照射する放射線の光軸に一致するよう、前記反射手段で前記レーザ光を反射することができるように形成したこと。
円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構とを有して同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価装置であって、
前記フレームに搭載され、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
前記アイソセンタの位置を機械的に規定する校正治具と、
この校正治具を用いてアイソセンタに受光面を水平に占位させる撮像手段とを有し、
所定の基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の光強度分布の強度中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の光強度分布の強度中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出するように構成した放射線照射位置の位置ずれ量評価装置において、
前記放射線治療装置は、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有しており、
前記レーザヘッドは、前記放射線源の代わりに搭載され、フレームの軌道に沿って移動可能に支持されたものであり、且つ、前記第1の首振り機構によって前記一軸線の周りに回動され、前記第2の首振り機構によって前記他軸線の周りに回動されるものであること。
円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構とを有して同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価装置であって、
前記フレームに搭載され、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
前記アイソセンタの位置を機械的に規定する校正治具と、
この校正治具を用いてアイソセンタに受光面を水平に占位させる撮像手段とを有し、
所定の基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の光強度分布の強度中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の光強度分布の強度中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出するように構成した放射線照射位置の位置ずれ量評価装置において、
前記放射線治療装置は、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有しており、
前記レーザヘッドと前記放射線源とを一体構造として形成するとともに、前記放射線源の光軸位置に対して反射手段の前記放射線源に対する相対位置を調整可能に形成して、前記レーザヘッドが照射したレーザ光の光軸が、前記放射線源が照射する放射線の光軸に一致するよう、前記反射手段で前記レーザ光を反射することができるように形成したこと。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0022】
本形態に係る放射線照射位置の位置ずれ量評価方法及び装置を説明するのに先立ち、これを適用する定位的放射線治療装置の概要を図1乃至図5に基づき説明しておく。
【0023】
図1に示すように、当該放射線治療装置は、治療装置本体1と、この治療装置本体を制御する治療装置制御部とから構成される。治療装置本体1は、患者20を載せて移動するベッド30と、ベッド30を幅方向に跨ぐように設置された円弧状のフレーム40と、このフレーム40を回転させる傾倒機構50と、フレーム40に設置された小型電子線リニアックからなる放射線ヘッド(放射線源)60と、この放射線ヘッド60をフレーム40の周方向に移動させる移動機構70とを備えている。
【0024】
ベッド30は、内蔵されたベッド駆動機構によってベッド30の長手方向(X軸方向)とベッド30の幅方向(Y軸方向)と鉛直方向(Z方向)に移動する。ベッド30には、このベッド30の位置を検出するベッド位置検出器(図示省略)が備えられている。
【0025】
フレーム40は、円弧状をしており、軽量で剛性に優れたアルミ等の材料からなる。本装置では、フレーム40がなす円弧の中心点Aを、フレーム40の内周から約90cmの距離に配置しているが、対象となる治療形態に合せて任意に設定することも可能である。フレーム40の鉛直方向(Z軸方向)を向く側面41aには、円弧状のガイドレール(軌道及び分散支持部)42が設けられている。このガイドレール42は、フレーム40と同様に剛性に優れた材料(例えば、SUS材など)からなる。ガイドレール42がなす円弧の中心点は、フレーム40がなす円弧の中心点Aと一致するように設けられており、本願発明では、ガイドレール42から円弧の中心点Aまでの距離を約1mとしているが、これに関しても対象となる治療形態に合せて任意に設定することができる。
【0026】
ガイドレール42は、図3に示すように、フレーム40の他方の側面41bにも設けられている。フレーム40の内周面41cには、周方向に沿って磁気スケール43が設けられている。また、フレーム40には、中心点Aを挟んで互いに向かい合うようにアーム44が設けられている。
【0027】
アーム44は、図2に示すように、Y軸方向に伸びたのち、X軸方向に屈曲している。アーム44のX軸方向に伸びた箇所には、Y軸と平行な傾倒軸45a,45bが設けられている。これら傾倒軸45a,45bは、ベッド30の両脇に設置された架台46a,46bにそれぞれ支持されている。架台46a,46bには、それぞれ傾倒軸45a,45bを回転させる傾倒機構50が設けられている。この傾倒機構50は、傾倒軸45a,45bを回転可能に支持する軸受51a,51bと、傾倒軸45aに回転力を与えるモータ52と減速機(図示省略)とを備え、傾倒軸45aに回転力を与えてフレーム40を傾倒軸45a,45bの周りに回転させる。傾倒軸45bには、フレーム40の回転角度を検出するロータリーエンコーダ(第2の角度検出器)53が設けられている。
【0028】
放射線ヘッド60は、図2に示すように、Y軸方向に伸びる両側面に設けられた首振り軸(一軸線)Sを介して保持用フレーム62に取り付けられている。この保持用フレーム62に取り付けられた放射線ヘッド60の出射部66(図5に示す)は、フレーム40の傾倒軸45a,45bの結ぶ軸線B上に配置される。保持用フレーム62には、放射線ヘッド60を首振り軸Sの周りに回転させる第1の首振り機構63が設けられている。この第1の首振り機構63は、首振り軸Sを回転可能に支持する軸受63a,63bと、軸受63bに支持された首振り軸Sを回転させるモータ63cと、首振り軸Sが回転した回転角度を検出する光学式エンコーダ(第3の角度検出器)63dとを備えている。この保持用フレーム62は、第2の首振り機構64を介して移動機構70に取り付けられている。
【0029】
図3は、第2の首振り機構64及び移動機構70の図2中のB−B線に沿う断面図である。同図に明瞭に示すように、第2の首振り機構64は、保持用フレーム62をX軸と平行な首振り軸T(他軸線)の周りに回転させるものである。首振り軸Tは、首振り軸Sと直交し、かつ放射線ヘッドの出射部66の上方を通るように設けられており、第2の首振り機構64の軸受(減速機内に配置)64aによって回転可能に支持されている。この首振り軸Tの内部には、この首振り軸Tの回転角度を検出する光学式エンコーダ64b(第4の角度検出器)が設けられている。また、首振り軸Tの端部には、プーリ64cが設けられている。このプーリ64cと、軸受64aの下方に位置して移動機構70に回転可能に取り付けられたプーリ64dとの間には、ベルト64eが架け渡されている。プーリ64dは、移動機構70に設置されたモータ64fに接続されている。このモータ64fは、プーリ64dを回転させてベルト64eを送り出すことで首振り軸Tを回転させる。これによって、放射線ヘッド60の首振り軸Tの周りにする。
【0030】
移動機構70は、フレーム40に支持された走行台71と、ベルト72(図1及び図4に示す)とから構成されている。ベルト72は、フレーム40の上面41dに沿って張られており、その両端はベルトテンショナ(保持部)72aによってフレーム40に固定されている。走行台71は、断面視コの字型をしており、フレームの両側面41a,41bと内周面41cとを囲むように設置されている。フレームの側面41aに向かう走行台71の側部71aには、第2の首振り機構64が取り付けられている。また、この側部71aには、フレーム40の側面41aに設けられたガイドレール42に係合されるリニアガイド73が設けられている。
【0031】
このリニアガイド73は、図2に示すように、ガイドレール42の周方向に間隔を空けて2つ設けられている。また、フレーム40の側面41bと対向する走行台71の側部71bにも、フレーム40の側面41bに設けられたガイドレール42に係合されるリニアガイド74が設けられている。このリニアガイド74は、ガイドレール42の周方向に長く形成されている。このように、リニアガイド73,74をガイドレール42に係合させることで、走行台71とこの走行台71に取り付けられた保持用フレーム62と放射線ヘッド60との荷重が、フレーム40の両側面41a,41bにそれぞれ設けられたガイドレール42で分散して支持される。
【0032】
走行台71の側部71bには、モータ75aが取り付けられている。このモータ75aの回転軸75bの先端にはプーリ75cが設けられている。このプーリ75cには、駆動用ベルト75dが架けられている。この駆動用ベルト75dは、側部71bの上部に設けられた駆動用プーリ76にも架けられている。駆動用プーリ76の回転軸76aは、軸受(減速機内に配置)76bに支持されている。また、回転軸76aの端部は、駆動用プーリ76に対向して設けられた移動用プーリ77に接続されている。
【0033】
したがって、モータ75aによって回転軸75bが回転されると、駆動用ベルト75dが送り出されて駆動用プーリ76が回転する。駆動用プーリ76が回転すると、駆動用プーリ76の回転軸76aから移動用プーリ77に回転力が伝えられ、移動用プーリ77が回転する。この移動用プーリ77の両側には、図4に示すように、フレーム40の周方向に沿って送出用プーリ78が4個設けられている。これらの送出用プーリ78と移動用プーリ77には、ベルト72が上下交互に架けられており、送出用プーリ78と移動用プーリ77とが回転することで、ベルト72がガイドレール42の周方向に送出される。これにより、ベルト72に接続された走行台71がガイドレール42を周方向に移動する。
【0034】
図3に示すように、フレーム40の内周面41cに対向する走行台71の底部71cには、磁気スケール43を読むセンサヘッド79が設けられている。このセンサヘッド79では、放射線源60がガイドレール42に沿って移動した軌跡と中心点Aとのなす角度が検出される。
【0035】
図5は、放射線ヘッド60の断面図である。同図中の符号65は、直方体をしたカバーである。このカバー65内に、電子線リニアック60aが収納されている。電子線リニアック60aの出射部66は、カバー65の下面中央に設けられている。この出射部66からは、4MeV〜10MeVのエネルギーを持つエックス線が図中の矢印Cに示す方向へ出射される。図中の符号67aは、排気用のポンプである。このポンプ67aは、排気管67bを介して加速管67c内を排気する。加速管67cは、この加速管67cの上部に設けられた電子銃(図示省略)から出射された電子線を加速する。加速管67cで加速された電子線は、加速管67cの先端に設けられたターゲット68aに衝突し、エックス線を発生させる。このエックス線は、一次コリメータ68bを通過してフィルタ68cに導かれ、このフィルタ68cを通過する過程で強度が平均化される。フィルタ68cを通過したエックス線は、二次コリメータ68dによって照射方向が揃えられた後、線量計測手段69を通って出射部66から照射される。線量計測手段69では、通過したエックス線の線量が測定される。
【0036】
このように、この放射線治療装置1では、放射線ヘッド60と走行台71との荷重が、フレーム40の両側面41a,41bにそれぞれ設けられたガイドレール42で分散して支持されるので、放射線ヘッド60と走行台71との荷重によってガイドレール42及びフレーム40が歪むことがない。したがって、放射線ヘッド60の移動する軌道が円弧状に保たれる。また、放射線ヘッド60が軌道をなすガイドレール42に沿って案内されるため、放射線ヘッド60が軌道に沿って正確に移動する。また、移動機構70は、組み立て精度による誤差が生じにくいベルト72と移動用プーリ76とモータ75aとの組み合わせから構成されているため、放射線ヘッド60が所定の位置に確実に移動される。
【0037】
次に、治療装置本体2の動作について説明する。
【0038】
移動機構70を駆動させると、走行台71と共に放射線ヘッド60がガイドレール42の周方向に移動する。これにより、放射線ヘッド60が、中心点Aを中心とする円弧状の軌道を移動する。また、傾倒機構50を駆動させると、図6に示すように、フレーム40が傾倒軸45a,45bを中心としてX軸方向に傾倒する。これにより、フレーム40が、中心点Aを中心とする球面上を移動する。したがって、フレーム40を傾倒軸45a,45bの周りに回転させると共に、放射線ヘッド60をガイドレール42の周方向に移動させることで、放射線ヘッド60が中心点Aを中心とする球面上の任意の点に配置されることになる。これによって、中心点Aにエックス線を多方向から照射することができる。すなわち、この場合の中心点Aがアイソセンタである。
【0039】
また、第1の首振り機構63を駆動させ、放射線ヘッド60をY軸に平行な首振り軸Sの周りに回転させると、出射部66から照射されるエックス線の照射方向が変わり、照射点が中心点AからX軸方向に移動する。さらに、第2の首振り機構64を駆動させ、保持用フレーム62を放射線ヘッド60ごとX軸に平行な首振り軸Tの周りに回転させると、出射部66から照射されるエックス線の照射方向が変わり、照射点が中心点AからY軸方向に移動する。したがって、第1の首振り機構63及び第2の首振り機構64で放射線ヘッド60を回転させることで、中心点Aから離れた点についても、エックス線を多方向から照射することができる。これにより、患部の形状に合わせた三次元的な照射が可能となる。さらに、第1の首振り機構63及び第2の首振り機構64を用いることにより、走行台62及びフレーム40を移動させることなくエックス線の照射方向が変わり、患者の呼吸や鼓動、内臓の運動等により移動する患部に対してもエックス線が的確に照射される。
【0040】
放射線ヘッド60が配置される位置は、例えば図7に示すように、フレーム40を鉛直方向に向けると共に放射線ヘッド60を中心点Aの真上に配置したときの放射線ヘッド60及びフレーム40の位置を基点とし、この基点からフレーム40を軸線Bの周りに回転させた回転角度Ψと、放射線ヘッド60が移動した軌跡が中心点Aの周りになす移動角度θとで表すことができる。
【0041】
放射線ヘッド60を首振り軸Sの周りに回転角度αだけ回転させたときに照射点がX軸方向に移動する距離及び放射線ヘッド60を首振り軸Tの周りに回転角度βだけ回転させたときに照射点がY軸方向に移動する距離は、中心点Aから首振り軸S、Tとの交点までの距離Iで表すことができる。したがって、回転角度Ψ、移動角度θで表された放射線ヘッドの位置における照射点の位置を予め求めておけば、回転角度α、回転角度βの角度を調節することで、照射点を所望する場所に合わせることができる。
【0042】
上述の如く移動機構70及び傾倒機構50の駆動により放射線ヘッド60が中心点Aを中心とする球面上の任意の点に占位させることができ、これによって中心点Aがアイソセンタとなり、多方向から照射した放射線をこのアイソセンタに集中させることができる。ここで、放射線ヘッド60が配置される位置は、例えば図7に示すように、フレーム40を鉛直方向に向けると共に放射線ヘッド60を中心点Aの真上に配置したときの放射線ヘッド60及びフレーム40の位置を基点とし、この基点からフレーム40を軸線Bの周りに回転させた回転角度Ψと、放射線ヘッド60が移動した軌跡が中心点Aの周りになす移動角度θとで表して放射線ヘッド60の所定の球面上の位置を制御している。
【0043】
このため、理論的には、前記所定の球面上の各位置で放射線ヘッド60から放射した放射線は中心点(アイソセンタ)Aに向かうはずであるが、当該装置の各部の誤差等に起因して微妙な誤差を生じる場合がある。したがって、この誤差を放射線照射位置のアイソセンタに対する位置ずれ量として評価してやる必要がある。この位置ずれ量を補正して放射線ヘッド60を高精度に所定位置に制御するためである。
【0044】
本形態に係る放射線照射位置の位置ずれ量評価装置は、図1に示す放射線治療装置における放射線ヘッド60の位置ずれ量を評価するものであるので、各構成要素はその殆どが図1に示す放射線治療装置の構成要素と同一である。ただ、本形態に固有の構成要素としてレーザヘッド、校正治具及びCCDカメラ等を有する。
【0045】
図8は本形態に係る位置ずれ量評価装置を概念的に示す説明図で、(a)はこれを正面から見た図、(b)は(a)を横断面で見た図である。両図に基づき、先ず当該位置ずれ量評価装置の概要を説明しておく。なお、両図中、図1乃至図7と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0046】
図8に示すように、当該位置ずれ量評価装置は、図1に示す放射線治療装置の放射線ヘッド60の代わりにレーザヘッドIを搭載するとともに、校正治具IIを用いてCCDカメラIII を所定位置に位置決めしたものである。すなわち、レーザヘッドIは、図1等に示す第1の首振り機構63を介して保持用フレーム62に支持してある。この保持用フレーム62は第2の首振り機構64を介して走行台71に支持してある。この結果、レーザヘッドIも放射線ヘッド60と同様にXZ平面内及びYZ平面内を傾動(チルト及びパン)し得るようになっている。
【0047】
したがって、レーザヘッドIはフレーム40の円弧上を自由に移動するとともに、傾倒機構50(図1参照)の駆動に伴うフレーム40の回動に伴いこのフレーム40と一体的に回動して各位置で所定のチルト及びパン動作も行い得るようになっている。すなわち、フレーム40の形状で規定される所定の球面上を放射線ヘッド60と全く同様に移動して同様の姿勢を再現し得るように構成してある。同時に、レーザヘッドIは、放射線ヘッド60から照射する放射線の代わりに、この放射線と同一の照射方向にレーザ光を照射し得るように構成してある。この結果、レーザヘッドIで図1等に示す当該放射線治療装置の放射線ヘッド60の動作と全く同一の動作を再現することができる。なお、「放射線ヘッド60の代わりにレーザヘッドIを搭載する」とは、レーザヘッドIの中心点が、図2に示す中心点Aに一致するようにこのレーザヘッドIを保持用フレーム62(図1等参照。)に支持することをいう。これにより、レーザヘッドIから照射するレーザ光の光軸と放射線ヘッド60から照射する放射線の光軸とを一致させることができ、完全に放射線ヘッド60の動作を模擬することができる。
【0048】
校正治具IIは、その中心軸が軸線B(図2参照。)と一致するように、その両端部をアーム44に対し着脱可能に構成してある。したがって、中心点Aは校正治具IIの中心軸上に存在する。CCDカメラIII は定盤IV上に設けたXYZステージV に取り付けられている。このXYZステージV はXYZの各軸方向に移動可能に形成してある。したがって、CCDカメラIII はXYZステージV の駆動により空間の任意の位置に移動し得る。
【0049】
CCDカメラIII の出力信号である映像信号は、図9に示すように、画像処理装置VIに送出され、所定の処理をした後、強度重心検出部VII に供給される。強度重心検出部VII では、前記CCDカメラIII の映像信号に基づきこのCCDカメラIII に入射したレーザ光LのXY平面における強度分布を検出してその強度中心Oの座標を検出する。かくして、レーザヘッドIの姿勢を固定した状態(図2に示す第1の首振り機構63及び第2の首振り機構64を固定した状態;以下同じ。)で当該球面における各位置でレーザヘッドIからレーザ光Lを照射してその強度中心の座標を検出すれば、各強度中心の基準位置からのずれ量を検出することができる。かかるずれ量は、強度重心検出部VII の出力信号に基づいてずれ量を演算する演算処理部VIIIの演算により求めることができる。
【0050】
図10はレーザヘッドIを抽出して詳細に示す正面図である。同図に示すように、当該レーザヘッドIでは、放射線ヘッド(図1等参照。)60から実際に放射される放射線の照射方向に一致するように、この放射線を模擬するレーザ光Lを照射するHe−Neレーザであるレーザ発振器80を搭載して、保持フレーム62(図1等参照。)に支持してある。したがって、第1及び第2の首振り機構63、64(図1等参照。)で図10中のパン軸及びチルト軸回りを回動し得る。
【0051】
レーザ発振器80からの出射光は、光軸調整用ジンバル81、82に保持された2枚のミラー81a、82aによって折り返しを受け、アイソセンタに向けて照射される。このときの光路の途中には、その2ヵ所にピンホール83、84を配設してある。レーザ発振器80の出射光であるレーザ光Lはピンホール83、84を通過することでそのレーザヘッドIに対する光軸基準が満たされるように設計されている。すなわち、レーザ発振器80から出射したレーザ光Lのピンホール83、84を通過する光軸と、中心点A(図2参照。)を通る当該レーザヘッドIの中心軸が一致するように構成してある。
【0052】
NDフィルタ85はレーザヘッドIから出射してCCDカメラIII に入射するレーザ光Lの強度を調整するためのものである。また、凹レンズ86、凸レンズ87はCCDカメラIII の受光面上でのレーザ光Lのビーム径が所定の小径(例えば、φ0.5mm)となるようにレーザ光を集光するためのものである。
【0053】
図11は本発明の実施の形態に係る位置ずれ量評価装置の校正治具を抽出・拡大して示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)の右側面図、(d)は(b)のC部を抽出して示す拡大図である。これらの図に示すように、当該校正治具IIは2本のコラム90,91及び校正ロッド92からなる。ここで、図1に示すように、左右のアーム44には、インロー穴44aがそれぞれ形成してあり、このインロー穴44aにコラム90,91の基端部をそれぞれ固着するようになっている。校正ロッド92はコラム90,91の先端部でその両端部を支持することによりアーム44に対して高精度の位置関係を保持して固定するようになっている。
【0054】
さらに詳言すると、かかる校正治具IIの装着時には、先ずコラム91を図中右側のアーム44のインロー穴44aに差し込み、ボルト93で固定する。次に、校正ロッド92をクレーン等で支持しながらコラム91の先端部の穴91aに差し込む。このとき、校正ロッド92を十分にコラム91側に寄せておく。
【0055】
次に、コラム90を図中左側のアーム44のインロー穴44aに差込みボルト93で固定する。その後、コラム91及びクレーン等で支持された校正ロッド92をコラム90側に寄せて、コラム90の穴90aに差し込む。続いて、校正ロッド92及びコラム90に加工されたピン孔にピン94を差込み、校正ロッド92を位置決めする。最後に、コラム91側に関しても校正ロッド92をボルト95で固定する。
【0056】
ここで、2箇所のインロー穴44は、アイソセンタに対して0.05mmの寸法ならびに幾何公差で加工されている。また、コラム90,91に支持した状態の校正ロッド92の軸線は傾倒軸の軸線Bに一致している。さらに、校正ロッド92の中央部にはレーザ透過孔92a及び凹部92bが加工されている。ここで、レーザ透過孔92aの位置はコラム90側のピン94によって機械的に規制され走行軸中心線(中心点A(図2参照。)を通る垂線)に一致する。また、凹部92bは校正ロッド92の下面側に形成してあり、その底面が前記軸線Bを含むように構成してある。したがって、アイソセンタの位置は当該校正治具IIを利用することにより機械的に求められる。すなわち、軸線Bと前記レーザ光L(図10参照。)の光軸との交点である。
【0057】
前記アイソセンタの位置にCCDカメラIII を占位させる。ここで、CCDカメラIII はXYZステージV に搭載され、このXYZステージV のXY両軸に関するマイクロメータを手動で動かすことにより、そのXY平面(水平面)内における位置をレーザ透過孔92aに対してμmオーダで微調し得るように構成してある。また、CCDカメラIII のZ軸方向に関する位置は、XYZステージV のZ軸に関するマイクロメータを手動で動かすことにより、同様にμmオーダで微調し得る。
【0058】
上述の如き位置ずれ量評価装置を用いる位置ずれ量の評価は次の様な態様で実施する。
【0059】
先ず、校正治具のセッティングを行う。具体的には、図11に基づき上述した通りである。次に、首振り機構のセッティングを行う。すなわち、図10に示すレーザヘッドIの首振り軸(パン及びチルト)の機械原点を設定する。
【0060】
続いて、図11(d)に示すように、セッティングを完了した校正治具IIのレーザ透過孔92aの上面に加工したインロー穴に平面ミラー96を設置する。このインロー穴の平面ミラー96の当接面幾何公差は0.01mmとなっており1/3000の傾き角に相当する。
【0061】
次に、フレーム40の頂点位置で、走行台71(図1等参照。)をフレーム(走行軸)40に対してピン等により固定する。かかる状態を走行軸の機械原点とする。フレーム40の傾倒軸については、レベル計をアーム44に加工した平坦部に設置し、設置したレベル計によりほぼ平坦になる位置でモータブレーキによりロックする。すなわち、フレーム40を含む面を垂直にする。かかる状態を傾倒軸の機械原点とする。
【0062】
以上の状態から、原点検出センサ(図示せず。)までのオフセット量を取得し、制御部に記憶しておく。このオフセット量とは、予め定めた原点位置に対する各部のオフセット量であり、当該位置ずれ量評価の再現性を確保するために必要な処理である。すなわち、次回の位置ずれ量評価の際、原点検査センサと、事前計測したオフセット量によって原点位置を再現できるようにすることで、前回と同様の条件で所定の位置ずれ量評価を行うことができ、測定の再現性を高めることができる。
【0063】
上述の如く走行軸及び傾倒軸を初期設定状態、すなわち両軸の機械原点を確保した後、レーザヘッドIから校正治具IIにセットした平面ミラー96に向けてレーザ光Lを照射する。このとき、平面ミラー96からの反射光が入射光と一致するように、第1及び第2の首振り機構63、64を駆動して首振り軸(パン軸及びチルト軸)S、T(図2参照。)の傾き角度を微調整する。この結果、平面ミラー96からの反射光軸が入射光軸と一致したところを第1及び第2の駆動軸63、64(図2参照。)の機械原点とし、各軸をモータブレーキによりロックする。かかる状態を首振り軸(パン・チルト軸)の機械原点とする。
【0064】
次に、CCDカメラIII のセッティングを行う。具体的には、定盤IV上にXYZステージV をセットし、さらにマウント治具によりCCDカメラIII をセットする。かかる状態でXYZステージV のZ軸を最下端ストロークエンドまで移動させ、校正治具IIのレーザ透過孔92に対向する位置にCCDカメラIII の受光面97が配置されるように定盤IV又はXYZステージV を移動して固定する。
【0065】
この状態でレーザプロファイラとして機能する図9に示す信号処理系を駆動してレーザ光Lのビーム断面プロファイルを確認し、所定のビーム径、強度分布(ガウス分布)となっていることを確認する。同時に、CCDカメラIII の受光面97の適正位置にレーザ光Lが照射されるようにXYZステージV を介してXY平面内を移動させる。その後、校正治具IIの凹部92bの底面にCCDカメラIII の先端部が接触するまでXYZステージV のZ軸を上昇させる。
【0066】
CCDカメラIII の先端部が校正治具IIに当接した状態でXYZステージV のZ軸のマイクロメータ値を確認しておく。次に、XYZステージV のZ軸を下降させ、校正治具IIとCCDカメラIII の先端部との接触状態を開放する。
【0067】
その後、校正治具IIをアーム44(図1参照。)から取り外す。取り外し手順は次の通りである。コラム90と校正ロッド92とを嵌合しているピン94を取り外す。次に、コラム91と校正ロッド92とを締結しているボルト95を取り外す。続いて、クレーンを設置して校正ロッド92を支持できる状態とする。
【0068】
かかる状態で校正ロッド92をコラム91側へ寄せてコラム90を取り外す。次に、校正ロッド92をコラム91から取り外し、クレーンにより装置系外に移動させる。次に、コラム91を取り外す。
【0069】
その後、前述の如く、CCDカメラIII の先端部が校正治具IIに当接した状態で確認しておいたXYZステージV のZ軸のマイクロメータ値に基づきZ軸ステージを移動してCCDカメラIII を元の位置に戻すとともに、XYZステージV のZ軸ステージにより、さらに所定量Δl(CCDカメラIII の先端と受光面97との距離の分)上昇させる。このことにより、アイソセンタとCCDカメラIII の受光面97とを高精度に一致させることができる。
【0070】
かかる状態で走行台71(図1参照。)がフレーム40(図1参照。)に沿い走行可能となるように走行台71をフレーム40に固定していたピン等を抜いて走行台71を自由に移動可能な状態にする。
【0071】
以上でCCDカメラIII による位置ずれ量評価の準備を完了する。その後、走行台71(図1参照。)をフレーム40(図1参照。)に沿い走行させるとともにフレーム40(図1参照。)を傾動軸回りに回動させて同一球面上の任意の位置にレーザヘッドIを占位させる。レーザヘッドIは各位置からアイソセンタに向けてレーザ光Lを照射する。CCDカメラIII 及びその信号処理系では、レーザ光Lを受光して所定の信号処理を行うことによりその中心位置の座標を検出する。かくして、同一球面上の任意の位置に占位するレーザヘッドIから照射されたレーザ光Lのアイソセンタの対する位置ずれ量を定量的に把握することができる。
【0072】
上記実施の形態では放射線ヘッド60の代わりにレーザヘッドIを搭載したが、レーザヘッドIを放射線ヘッド60に一体的に取り付けても良い。ただ、この場合には、レーザヘッドIから照射するレーザ光Lの光軸が、放射線ヘッド60から照射する放射線の光軸に一致するよう調整可能な構造とすることが必要になる。かかるレーザヘッドIと放射線ヘッド60との一体構造の装置を、本願発明の他の実施の形態として説明する。
【0073】
図12は本形態に係る位置ずれ量評価装置を概念的に示す説明図で、(a)はこれを正面から見た図、(b)は(a)を横断面で見た図である。また、図13は図12に示すヘッド部を下方から見た図で、(a)はアイソセンタの評価時の状態、(b)は治療時(通常時)の状態である。これらの図中図8と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0074】
図12に示すように、本形態においては、レーザヘッドIを放射線ヘッド60の正面側の面に配設し、光軸調整光学系で、図中Z軸下方に向かうレーザ光Lを放射線ヘッド60から照射される放射線の照射方向と一致させる。すなわち、両者の光軸が一致するようにレーザ光Lの光軸を調整する。
【0075】
すなわち、アイソセンタをレーザ光Lの照射によって評価する場合には、図13(a)に示すように、レーザヘッドIからZ軸マイナス方向に出射されたレーザ光Lの光路をミラー101によってY軸のマイナス方向に90°折曲げてミラー102に入射させる。ミラー102に入射したレーザ光Lの光路は、Z軸のマイナス方向に90°折曲られることによって放射線ヘッド60から照射した放射線の照射方向と一致した方向にレーザ光Lの光軸が調整される。
【0076】
ここで、ミラー102はミラー駆動手段103によりガイド104に沿って直線的に移動するように構成したある。この結果、ミラー102は放射線ヘッド60の光軸位置に対して接離可能に構成してある。
【0077】
そこで、アイソセンタの評価の際には、先ずミラー102の放射線ヘッド60に対する相対位置を調整してレーザヘッドIが照射したレーザ光Lの光軸が、放射線ヘッド60が照射する放射線の光軸に一致するよう調整する。その後、第1の実施の形態と同様の手法でアイソセンタの評価を行う。
【0078】
レーザ光Lを用いたアイソセンタの評価が終了し、放射線による治療を行う場合には、ミラー駆動手段103によりミラー102を移動して放射線の光軸に対し退避さる。このことにより、放射線ヘッド60から放射線を照射できる状態となる。このとき、レーザ光Lは不要となるので、レーザヘッドIの電源をOFFにするか、又はミラー102の手前に遮光板を設け、この遮光板102でレーザヘッドIを遮光する。
【0079】
なお、図8乃至図11に示す位置ずれ量評価装置は、図1等に示す放射線治療装置に適用するものであるが、これに限るものではない。球面上の任意の位置の放射線源から放射する放射線の照射方向を変えて多方向から患部に照射することにより、アイソセンタに一致させた患部に集中的且つ局所的に放射線を照射する定位的放射線治療装置であれば特に制限はない。要は、放射線源の代わりにレーザ光を照射するレーザヘッドを装置本体に搭載して同一球面上を自由に移動し得るように構成する一方、校正治具で機械的にアイソセンタを規定し、このアイソセンタ位置にCCDカメラ等の撮像手段の撮像面を占位させ、基準位置において撮像面に形成した前記レーザ光の中心位置を基準に、同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出し得るように構成すれば良い。したがって、多軸関節を直列に接続した産業用ロボットアームの先端に、放射線源を装備し、ロボットアームを制御して放射線源を規定位置に移動させ、この規定位置から患部に対して放射線を集中照射する装置に適用することもできる。この場合には、当該産業用ロボットアームの基準位置に対して所定の位置関係を保持した校正治具を設けることによりこの校正治具でアイソセンタを規定し、このように規定されたアイソセンタに前記撮像面を合わせ込むような構成とすれば良い。
【0082】
【発明の効果】
以上実施の形態とともに具体的に説明した通り、〔請求項〕に記載する発明は、円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構と、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有して、同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価方法であって、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドを搭載する一方、垂直方向に貫通する透過孔を中央部に有する校正ロッドを、前記傾倒軸に中心軸が一致するようコラムを介して前記フレームに固定することにより、前記透過孔の下端面をアイソセンタに臨ませ、その後、前記フレームを垂直面内に位置させた状態でこのフレームの頂点位置にレーザヘッドを位置させるとともに前記校正ロッドの透過孔の位置でその上面に反射手段を載置し、かかる状態で前記反射手段に向けて前記レーザヘッドからレーザ光を照射し、このときのレーザ光の反射手段に対する入射光と反射光との光路が一致するようにレーザ光の照射方向を調整するとともに、前記撮像手段を前記校正ロッドの前記透過孔が臨む面に下方から当接させてこのときの撮像手段の空間的な位置を記憶しておき、その後、校正ロッドをフレームから取り外し、撮像手段の前記位置の記憶情報に基づきその撮像面をアイソセンタに水平に占位させ、かかる基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出することにより前記レーザ光の照射位置の位置ずれ量を介して前記放射線源から照射する放射線の照射位置を評価するので、 レーザヘッドから照射するレーザ光により放射線の照射状況を完全に模擬することができ、このレーザ光を介して基準位置において撮像面に形成されたレーザ光の中心位置を基準に、同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の相対的な位置ずれ量を検出することができる。
この際、基準位置におけるレーザ光はその反射手段に対する入射光と反射光との光路が一致するように調整してあり、この光路を垂線に一致させることができので、レーザ光の光路と前記傾動軸との交点を正確にアイソセンタに一致させることができる。
この結果、上記位置ずれ量はアイソセンタに対するずれ量として把握することができ、この評価データに基づき前記放射線治療装置のアイソセンタに対するキャリブレーションを高精度に行うことができる。
ちなみに、本発明によれば、0.1mm以下の分解能で前記放射線治療装置のアイソセンタ位置を評価でき、またアイソセンタ位置ずれ評価装置によって得られたキャリブレーションデータにより、当該放射線治療装置の照***度を0.1mm程度まで向上できる。
【0085】
〔請求項〕に記載する発明は、円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構と、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有して、同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価装置であって、前記フレームに搭載され、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドと、前記フレームに対して着脱可能に形成され、フレームに装着した場合には校正ロッドの中心軸が前記傾倒軸に一致するとともに、この校正ロッドの中央部に形成した貫通孔である透過孔の下端面がアイソセンタに臨むように形成した校正ロッドを有する校正治具と、前記透過孔の位置で前記校正ロッドの上面に載置されて水平面を形成している反射手段と、XYZステージに固着されて空間を自由に移動可能に構成するとともに、自己の空間的な位置を知り得るように構成する一方、前記透過孔の位置で校正ロッドの下面にその下方から当接させることにより撮像面をアイソセンタを含む面内で水平に占位させることができるように構成した撮像手段とを有し、所定の基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出するように構成したので、
レーザヘッドから照射するレーザ光により放射線の照射状況を完全に模擬することができ、このレーザ光を介して基準位置において撮像面に形成されたレーザ光の中心位置を基準に、同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の相対的な位置ずれ量を検出することができる。
この結果、本発明によれば、放射線をアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線の各位置における照射位置を評価することができ、この評価データに基づき前記放射線治療装置のキャリブレーションを高精度に行うことができる。
【0086】
〔請求項〕に記載する発明は、〔請求項2〕に記載する放射線照射位置の位置ずれ評価装置において、レーザヘッドは、放射線源の代わりに搭載され、フレームの軌道に沿って移動可能に支持されたものであるので、
アイソセンタの評価時には、放射線源の代わりにレーザヘッドをフレーム取り付け、治療時には前記レーザヘッドを取り外し、その代わりに放射線源を取り付けて所定の治療操作を行う。この場合において、〔請求項2〕に記載する発明と同様の効果を得る。
【0087】
〔請求項4〕に記載する発明は、〔請求項2〕に記載する放射線照射位置の位置ずれ評価装置において、レーザヘッドと放射線源とを一体構造として形成するとともに、前記放射線源の光軸位置に対して反射手段の前記放射線源に対する相対位置を調整可能に形成して、前記レーザヘッドが照射したレーザ光の光軸が、前記放射線源が照射する放射線の光軸に一致するよう、前記反射手段で前記レーザ光を反射することができるように形成したので、
〔請求項〕に記載する発明に対し、次のような効果も期待し得る。すなわち、アイソセンタ評価から治療に移行する際に、レーザヘッドIと放射線源との入替の必要がないため、治療までの手間がその分かからず、効率を向上するとともに、両者を取り替えることに伴う取付け誤差等に起因する誤差の発生を防止し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を適用する放射線治療装置を示す正面図である。
【図2】図1に示す放射線治療装置の上面図である。
【図3】図2中のB−B線に沿う断面図である。
【図4】図1に示す放射線治療装置の放射線ヘッド及び移動機構を抽出して示すその正面図である。
【図5】図1に示す放射線治療装置の放射線ヘッドを抽出して示すその断面図である。
【図6】図1に示す放射線治療装置の側面図である。
【図7】図1に示す放射線治療装置の放射線ヘッドの位置の基準を概念的に示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る位置ずれ量評価装置を概念的に示す説明図で、(a)はこれを正面から見た図、(b)は(a)を横断面で見た図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る位置ずれ量評価装置の信号処理系を示すブロック線図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る位置ずれ量評価装置のレーザヘッドIを抽出・拡大して示す正面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る位置ずれ量評価装置の校正治具を抽出・拡大して示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)の右側面図、(d)は(b)のC部を抽出して示す拡大図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係る位置ずれ量評価装置を概念的に示す説明図で、(a)はこれを正面から見た図、(b)は(a)を横断面で見た図である。
【図13】図12に示すヘッド部を下方から見た図で、(a)はアイソセンタの評価時の状態、(b)は治療時(通常時)の状態である。
【符号の説明】
I レーザヘッド
II 校正治具
III CCDカメラ
V XYZステージV
1 放射線治療装置
40 フレーム
42 ガイドレール(軌道及び分散支持部)
45a,45b 傾倒軸
50 傾倒機構
60 放射線ヘッド(放射線源)
63 第1の首振り機構
64 第2の首振り機構
70 移動機構
80 レーザ発振器
90,91 コラム
92 校正ロッド
92a レーザ透過孔
96 平面ミラー
97 受光面
101、102 ミラー
103 ミラー駆動手段
S 首振り軸(一軸線)
T 首振り軸(他軸線)
L レーザ光

Claims (6)

  1. 円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構と、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有して、同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価方法であって、
    前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドを搭載する一方、
    垂直方向に貫通する透過孔を中央部に有する校正ロッドを、前記傾倒軸に中心軸が一致するようコラムを介して前記フレームに固定することにより、前記透過孔の下端面をアイソセンタに臨ませ、
    その後、前記フレームを垂直面内に位置させた状態でこのフレームの頂点位置にレーザヘッドを位置させるとともに前記校正ロッドの透過孔の位置でその上面に反射手段を載置し、
    かかる状態で前記反射手段に向けて前記レーザヘッドからレーザ光を照射し、このときのレーザ光の反射手段に対する入射光と反射光との光路が一致するようにレーザ光の照射方向を調整するとともに、前記撮像手段を前記校正ロッドの前記透過孔が臨む面に下方から当接させてこのときの撮像手段の空間的な位置を記憶しておき、
    その後、校正ロッドをフレームから取り外し、撮像手段の前記位置の記憶情報に基づきその撮像面をアイソセンタに水平に占位させ、
    かかる基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出することにより前記レーザ光の照射位置の位置ずれ量を介して前記放射線源から照射する放射線の照射位置を評価することを特徴とする放射線照射位置の位置ずれ量評価方法。
  2. 円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構と、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有して、同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価装置であって、
    前記フレームに搭載され、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
    前記フレームに対して着脱可能に形成され、フレームに装着した場合には校正ロッドの中心軸が前記傾倒軸に一致するとともに、この校正ロッドの中央部に形成した貫通孔である透過孔の下端面がアイソセンタに臨むように形成した校正ロッドを有する校正治具と、
    前記透過孔の位置で前記校正ロッドの上面に載置されて水平面を形成している反射手段と、
    XYZステージに固着されて空間を自由に移動可能に構成するとともに、自己の空間的な位置を知り得るように構成する一方、前記透過孔の位置で校正ロッドの下面にその下方から当接させることにより撮像面をアイソセンタを含む面内で水平に占位させることができるように構成した撮像手段とを有し、
    所定の基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出するように構成したことを特徴とする放射線照射位置の位置ずれ量評価装置。
  3. 〔請求項2〕に記載する放射線照射位置の位置ずれ評価装置において、
    レーザヘッドは、放射線源の代わりに搭載され、フレームの軌道に沿って移動可能に支持されたものであることを特徴とする放射線照射位置の位置ずれ量評価装置。
  4. 〔請求項2〕に記載する放射線照射位置の位置ずれ評価装置において、
    レーザヘッドと放射線源とを一体構造として形成するとともに、前記放射線源の光軸位置に対して反射手段の前記放射線源に対する相対位置を調整可能に形成して、前記レーザヘッドが照射したレーザ光の光軸が、前記放射線源が照射する放射線の光軸に一致するよう、前記反射手段で前記レーザ光を反射することができるように形成したことを特徴とする放射線照射位置の位置ずれ量評価装置。
  5. 円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構とを有して同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価装置であって、
    前記フレームに搭載され、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
    前記アイソセンタの位置を機械的に規定する校正治具と、
    この校正治具を用いてアイソセンタに受光面を水平に占位させる撮像手段とを有し、
    所定の基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の光強度分布の強度中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の光強度分布の強度中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出するように構成した放射線照射位置の位置ずれ量評価装置において、
    前記放射線治療装置は、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有しており、
    前記レーザヘッドは、前記放射線源の代わりに搭載され、フレームの軌道に沿って移動可能に支持されたものであり、且つ、前記第1の首振り機構によって前記一軸線の周りに回動され、前記第2の首振り機構によって前記他軸線の周りに回動されるものであることを特徴とする放射線照射位置の位置ずれ評価装置。
  6. 円弧状の軌道を有するフレームと、前記軌道に沿って移動可能に支持された放射線源と、該放射線源を前記軌道に沿って移動させる移動機構と、前記軌道が球面を描くように前記フレームを傾倒軸の周りに回転させる傾倒機構とを有して同一球面上を移動する放射線源から放射線を当該球面の中心であるアイソセンタに向けて多方向から照射する放射線治療装置における放射線照射位置の位置ずれ量評価装置であって、
    前記フレームに搭載され、前記放射線と同一方向にレーザ光を照射するレーザヘッドと、
    前記アイソセンタの位置を機械的に規定する校正治具と、
    この校正治具を用いてアイソセンタに受光面を水平に占位させる撮像手段とを有し、
    所定の基準位置において撮像面に形成された前記レーザ光の光強度分布の強度中心位置を基準に、前記同一球面上の任意の各位置から照射したレーザ光の光強度分布の強度中心位置の前記撮像面における位置ずれ量を検出するように構成した放射線照射位置の位置ずれ量評価装置において、
    前記放射線治療装置は、前記フレームの特定の位置で前記放射線源を一軸線の周りに回動させる第1の首振り機構と、同様に前記フレームの特定の位置で前記放射線源を前記一軸線と異なる他軸線の周りに回動させる第2の首振り機構とを有しており、
    前記レーザヘッドと前記放射線源とを一体構造として形成するとともに、前記放射線源の光軸位置に対して反射手段の前記放射線源に対する相対位置を調整可能に形成して、前記レーザヘッドが照射したレーザ光の光軸が、前記放射線源が照射する放射線の光軸に一致するよう、前記反射手段で前記レーザ光を反射することができるように形成したことを特徴とする放射線照射位置の位置ずれ評価装置。
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