JP3903916B2 - 臼型状金属部品の焼入れ方法および装置 - Google Patents

臼型状金属部品の焼入れ方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、臼型状金属部品、とくに大型の部品を焼入れする方法および装置に関する。本発明で「冷却水」と呼ぶものは、蒸気の処理などの技術が確立されていて水と同様に使用できる限り、冷却油をも包含する。
【0002】
【従来の技術】
機械部品の中には、ガスタービンのディスタンスピースのように、臼型状をしたものがあり、鋼の鍛造によりその素材を製造する過程で、焼入れや溶体化処理のために、加熱後に急冷する必要がある。急冷は、冷却水を満たした焼入れ水槽に被処理部品を浸漬して実施する。大型の部品を対象とするときは、質量効果があるため、冷却水を撹拌したり、水流を当てたりして冷却効果を高める方策を講じる必要がある。
【0003】
焼入れのための冷却において問題が大きいのは、臼型状をした部品である。臼型のものは、水槽に浸漬して冷却水を撹拌しても、冷却効果が外側の部分に限られ、臼型をした内壁や底の部分には及ばない。この対策として、臼型の内部に向けて冷却水の供給を行なう配管を設けてテストをしたが、冷却水は臼の底までは達せず、冷却効果は不十分に終わった。臼型の部分に入った冷却水は、高温の部品に接触して蒸発する結果、盛んに沸騰が起こって新鮮な冷却水の進入を妨げ、かつ、水蒸気の層が内壁を覆って、さらなる冷却を妨げるからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、臼型状をした金属部品の焼入れに伴っている上述の問題を解決し、効果的な急冷が実現する焼入れ方法と、その方法を実施するための焼入れ装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の臼型状金属部品の焼入れ方法は、図1に示すように、加熱炉で所定の温度に加熱された部品(1)を水槽(3)の内部に運び込んで冷却水(2)の中に保持し、部品の外側は水槽内の冷却水の流れにより冷却し、臼(11)の内部には、先端に冷却水の流路(74)を残して冷却水の誘導管(7)を挿入し、誘導管の内側へ冷却水を供給して外側に流すことによって、新鮮な冷却水が臼の内部に行き渡るようにして冷却を行なうことを特徴とする。
【0006】
この方法を実施するに当たって使用する、本発明の臼型状金属部品の焼入れ装置は、図1に主要部を示したように、臼型状金属部品(1)を焼入れする装置であって、内部の冷却水(2)を流動させる手段を備えた水槽(3)、臼の上方から冷却水を供給する上部配管(8)、および臼の内部に配置され、上部から供給された冷却水を臼の底部に誘導し、冷却水が内壁を下方から上方に向かって流れるようにする冷却水誘導管(7)を本質的な構成部分とし、焼入れされる部品を水槽内に運び込み、また運び出すためのフォークリフト手段(9)と、冷却水を給水し排水する手段(図示してない)を加えてなる装置である。
【0007】
【発明の実施形態】
本発明の焼入れ方法の実施に当たっては、部品の外側からの冷却を効率的に行なうため、水槽内の冷却水の流れを、図1における、下方から部品の底部の中心に向かう上向きの水流(21)と、部品の周囲を、一方の側から他方の側に向かって、部品に沿って流れる横向きの水流(22)とからなるようにするとよい。
【0008】
このような冷却を実現するためには、本発明の装置において、図1に示したように、水槽(3)の底部に、部品の底面に向かって上方に冷却水を吹出す底部ノズル(4)を設けるとともに、側壁に、横方向に向かって冷却水を吹出す複数の側部ノズル(5)および吸引口(6)を設け、下方から焼入れされる部品の底面の中心に向かう水流(21)と、部品の周囲を、部品に沿って一方の側から他方の側に向かって流れる水流(22)とを形成できるように構成するとよい。
【0009】
冷却水誘導管(7)の好適な例について詳細を示せば、図2に示すように、円筒状の本体(71)と上部が開いたロウト状の部分(72)とからなり、本体の径(d、肉厚があるので平均径をとる)が、焼入れする部品の臼の内径(D)に対して、誘導管内外の冷却水流路の断面積が等しくなるような関係、つまり
d=√(D2−d2
の関係にあるものである。冷却水流路の断面積が誘導管の内外で等しくなるようにしておけば、誘導管の下部における、すなわち被処理物の臼の底部における、冷却水の圧力低下が実質上生じることなく(流路の屈曲にともなう圧力損失だけで)、冷却水が円滑に流れて、冷却の目的を達する上で好ましい。
【0010】
同様な理由で、上部配管と冷却水誘導管との接続部分も、直径の変化が小さい方が好ましい。もし上部配管から冷却水誘導管に移行するところで急激な径の減少があると、接続部分から冷却水が外に噴出する。
【0011】
図2において、符号(73)は、冷却水誘導管(7)を臼の内部に同軸に配置することを容易にし、かつ、臼の底において冷却水流路(74)を与えるために本体を浮かせ、さらに冷却水に対して整流作用をするためのリブを表す。
【0012】
この冷却水の誘導管は、実際の操業においては、被処理部品を加熱炉からフォークリフトに乗せて抽出し、水槽に運ぶまでの間に臼の部分に配置することは困難であるから、あらかじめ臼の内部に配置したまま、つまり冷間で配置して部品を加熱炉に入れて加熱し、ともに水槽の内部に運び込んで焼入れを行なうのが便宜である。このような使用に耐えるよう、冷却水誘導管は、ステンレス鋼などの、被処理物の加熱温度に耐える耐熱性をもった材料で製造すべきである。
【0013】
【実施例】
材料として低合金鋼を用い、図3に示す形状・寸法(単位はmm)の素材を、鍛造により製造した。この素材の、図3に示した部分、すなわち、図において丸で囲んだ数字であらわした、1.臼部表層、2.上面表層、3.側面表層および4.底面表層に、熱電対を挿入する孔を穿孔し、臼の部分に、図2に示した形状の冷却水誘導管を配置して、素材と一緒に加熱炉に入れた。加熱温度940℃で、フォークに載せて取り出し、図1に示したように、水槽に入れて水冷した。(冷却水温:26℃)冷却の条件は、つぎのとおりである。
底面:1本の底部ノズルから、流速4m/秒、水量33m3/秒
側面:9本の側壁ノズルから、流速4m/秒、水量42m3/秒
臼部:流速6m/秒、水量25m3/秒
【0014】
上記1.4.の各部分における平均冷却速度(温度範囲:500→200℃)を測定した結果、臼部表層1.もその他の表層2.4.と同等の冷却速度250℃/分であった。冷却水誘導管を配置せずに、上部配管から同じ水量の冷却水を供給した比較例においては、臼部表層1.の冷却速度は、16℃/分であった。
【0015】
焼入れした製品について各部の硬さを測定したところ、臼部表層1.とその他の表層2.4.とで、同等の結果が得られた。
【0016】
【発明の効果】
本発明の焼入れ技術によれば、臼型の金属部品、とくに大型の部品を焼入れするときに、従来は急冷が困難であった臼の部分に対して効果的な冷却が行なえるから、焼入れ不完全という問題は生じない。周知のとおり、鋼製の部品の焼入れ不足を避けるためには、焼入れ性向上元素を添加すればよいが、それら元素はたいてい高価であり、部品の製造コストを押し上げる。焼入れ性向上のための特別な元素を添加しなくても、効果的な急冷が可能であり、それによって、より低合金の鋼でも所望の硬さなどの物性が得られるのであれば、コスト面で有利であるし、環境に対する負荷も小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の臼型状金属部品の焼入れ方法を説明するための、焼入れ装置の主要部を部品とともに概念的に示す縦断面図。
【図2】 図1の装置に使用する冷却水誘導管の詳細を示す図であって、Aは平面図、Bは一部を切り欠いて内部を示した側面図。
【図3】 本発明の実施例において焼入れした臼型状金属部品の形状を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 臼型状金属部品
11 臼
2 冷却水
21 上向きの水流
22 横向きの水流
3 水槽
4 底部ノズル
5 側部ノズル
6 吸引口
7 冷却水誘導管
71 円筒状の本体
72 ロウト状の部分
73 リブ
74 冷却水の流路
8 上部配管
9 フォークリフト手段

Claims (6)

  1. 臼型状金属部品を焼入れする方法であって、加熱炉で所定の温度に加熱された部品を水槽の内部に運び込んで冷却水の中に保持し、部品の外側は水槽内の冷却水の流れにより冷却し、臼の内部には、先端に冷却水の流路を残して冷却水の誘導管を挿入し、誘導管の内側へ冷却水を供給して外側に流すことによって、新鮮な冷却水が臼の内部に行き渡るようにして冷却を行なうことを特徴とする臼型状金属部品の焼入れ方法。
  2. 水槽内の冷却水の流れを、下方から部品の底部の中心に向かう水流と、部品の周囲を、一方の側から他方の側に向かって部品に沿って流れる水流とから構成した請求項1の焼入れ方法。
  3. 冷却水の誘導管を臼の内部に配置したまま部品を加熱炉に入れて加熱し、ともに水槽の内部に運び込んで焼き入れを行なう請求項1の焼入れ方法。
  4. 臼型状金属部品を焼入れする装置であって、内部の冷却水を流動させる手段を備えた水槽、臼の上方から冷却水を供給する上部配管、および臼の内部に配置され、上部から供給された冷却水を臼の底部に誘導し、冷却水が内壁を下方から上方に向かって流れるようにする冷却水誘導管を本質的な構成部分とし、焼入れされる部品を水槽内に運び込み、また運び出すためのフォークリフト手段と、冷却水を給水し排水する手段とを加えてなる臼型状金属部品の焼入れ装置。
  5. 水槽が、その底部に上方に向かって冷却水を吹出す底部ノズルを備えるとともに、側壁に横方向に向かって冷却水を吹出す複数の側部ノズルおよび吸引口を備え、下方から焼入れされる部品の底面の中心に向かう水流と、部品の周囲を、部品に沿って一方の側から他方の側に向かって流れる水流とを形成できるようにした請求項4の焼入れ装置。
  6. 冷却水誘導管が、上部が開いたロウト状の部分を有する円筒であり、その径が、焼入れする部品の臼の内径に対して、誘導管内外の冷却水流路断面積が等しくなるような関係である請求項4の焼入れ装置。
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