JP3903677B2 - 中間転写体、及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機やプリンタ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に用いる中間転写体及びそれを備えた画像形成装置に関し、詳しくは、潜像担持体上に形成したトナー像を一旦中間転写体に転写した後、これを用紙等の被転写体に転写して再生画像を得るようにした画像形成装置に用いる中間転写体及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を用いた画像形成装置は、無機または有機材料からなる光導電性感光体からなる像担持体上に一様な電荷を形成し、画像信号を変調したレーザー光等で静電濳像を形成した後、帯電したトナーで前記静電濳像を現像して可視化したトナー像とする。そして、上記トナー像を中間転写体を介して、あるいは直接用紙等の転写材に静電的に転写することにより所要の再生画像を得る。
【0003】
特に、上記像担持体に形成したトナー像を中間転写体に一次転写し、さらに中間転写体上のトナー像を用紙に二次転写する方式を採用した画像形成装置として、特開昭62−206567号公報等に開示されたものが知られている。
【0004】
前記、中間転写体方式を採用した画像形成装置においては、ポリカーボネイト樹脂(特開平06−095521号公報)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)(特開平5−200904号公報、特開平6−228335号公報)、ポリアルキレンフタレート(特開平6−149081号公報)、PC(ポリカーボネイト)/PAT(ポリアルキレンテレフタレート)のブレンド材料(特開平6−149083号公報)、ETFE(エチレンテトラフロロエチレン共重合体)/PC,ETFE/PAT,PC/PATのブレンド材料(特開平6−149079号公報)などの熱可塑性樹脂にカーボンブラックを添加した半導電性の無端ベルトを、中間転写体として用いる提案がなされている。
【0005】
しかし、半導電性領域で樹脂材料の抵抗値を制御することは非常に難しく、通常の樹脂材料に通常の導電性カーボンブラックを添加して所望の抵抗値を安定して得ることはほとんどできない。このため、半導電性の無端ベルト全数の抵抗値を計測して、選別する必要があるために、コスト高となっている。高分子加工、43巻、4号、1977、住田等に記載されるように、樹脂材料などの高分子の中にカーボンブラックを添加していくと、カーボンブラックの添加が少量であるうちは導電率が小さく、あるしきい値からカーボンブラックが導体回路を形成し、導電性が急激に向上してしまい中抵抗値を得ることができないからである。
【0006】
また、前記したカーボンブラック分散のポリカーボネイト、カーボンブッラク分散のエチレンテトラフロロエチレン共重合体の場合には、葉書などの中間転写体の幅より短い用紙を連続して、1000枚以上転写した後で、ハーフートーン(マゼンタ30%)の画像を転写すると用紙走行部がしろ抜けする問題が発生した。この白抜けする画質欠陥は、10℃、15%RHの低温低湿環境下において特に顕著であった。用紙走行部がしろ抜けするのは、二次転写部での用紙剥離時に中間体と用紙間での剥離放電によって、中間転写体の用紙走行部の表面抵抗率が、周辺部位より低下して、転写効率が、周辺部位より低下することが原因である。
【0007】
前記した、カーボンブラック分散のポリカーボネイト、カーボンブッラク分散のエチレンテトラフロロエチレン共重合体の表面抵抗率の電界依存性は、0.8〜1.5桁(logΩ/□)のレベルであり、転写電圧による電界集中がおきることで、導電性の大きい部位の周辺の樹脂成分を劣化させ、表面抵抗率が低下したと考えられる。
【0008】
表面抵抗率の電界依存性が大きいのは、前記した、中間転写体を構成する樹脂成分中にカーボンブラックを均一に分散させることが難しいために、カーボンブラックが不均一に樹脂中に分散しており、そのため局部的には、導電性の大きい部位があり、そこに電界が集中することが原因と考えられる。
【0009】
中間転写体を構成する材料に導電性を付与するには、組成材料中にカーボンブラックなどの電子伝導性を付与する導電剤付与する方法とイオン伝導性を付与する導電剤とそれぞれ付与する方法がある。しかし、イオン伝導性を付与する導電剤を付与した場合には、中間転写体の面内の電気抵抗値の変化が極めて小さく0.5桁以下と望ましい。反面、温度や湿度の環境変化に対する電気抵抗値の変動が大きいという問題を有している。
【0010】
更に、一般に、イオン導電性タイプの導電剤は、低温低湿度での電気抵抗値が、所定の抵抗値を得るためにイオン導電性タイプの導電剤の量を多くする必要があり、量を多くするとイオン導電剤が、中間転写体の表面から滲み出て、像担持体の表面に移行(ブリードアウト)して、画像劣化、汚染や感材侵食などを起こしやすいという問題点が新たに生じる。
【0011】
上記、対策として、特開平8−110711号公報において、イオン導電性タイプの導電剤を分散してなる材料と電子伝導タイプの導電剤を分散してなる材料を積層して用いる提案がなされている。しかし、両者で、より高抵抗の層が、ベルトの抵抗を支配するため、2層以上の構成とした場合には、高抵抗層の材料の挙動を発現することになる。例えば、電子伝導タイプの導電剤を分散してなる材料の層が、イオン伝電性タイプの導電剤を分散してなる材料の層より高抵抗である場合には、抵抗のバラツキが大きい、電界依存性が大きいなどの問題がある。
【0012】
上記、中間転写体の電気抵抗値は、高品質の転写画質を得るために、所定の範囲に制御され、かつ中間転写体の面内バラツキ(抵抗値の最大値と最小値の値)がすくないこと、かつ、使用環境条件が変化しても電気抵抗値が、大きく変化せずに、安定して高品質を得られることが求められる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない、高画質を得ることができる中間転写体、及び高品質の転写画質を安定して得られる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、本発明は、
<1>像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を被転写体上に二次転写する第二転写手段を備える画像形成装置に用いる中間転写体であって、該中間転写体が、電子伝導により導電性を発現するpH5.0以下の電子伝導性フィラーと、ポリカーボネイト系樹脂と、を含有し、押出成形によって得られることを特徴とする中間転写体である。
【0015】
<2>電子伝導性フィラーが、pH5.0以下のカーボンブラックであることを特徴とする前記<1>に記載の中間転写体である。
【0016】
<3>表面抵抗率の電界依存性が、0.6桁(logΩ/□)以内であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の中間転写体である。
【0017】
<4>表面抵抗率が、1×1010Ω/□〜1×1014Ω/□であることを特徴とする前記<1>〜<3>のいずれかに記載の中間転写体である。
【0018】
<5>体積抵抗率が、1×109Ωcm〜1×1014Ωcmであることを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれかに記載の中間転写体である。
【0019】
<6>ベルト形状であることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれかに記載の中間転写体である。
【0020】
<7>前記<1>〜<6>のいずれかに記載の中間転写体を備えたことを特徴とする画像形成装置である。
【0021】
【発明の実施の形態】
(中間転写体)
本発明の中間転写体は、電子伝導により導電性を発現するpH5.0以下の電子伝導性フィラー(以下、単に「電子伝導性フィラー」いうことがある。)を含有する。本発明の中間転写体は、像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を被転写体に二次転写する第二転写手段を備える画像形成装置に用いられる。
【0022】
本発明の中間転写体は、ベルト形状、或いはドラム形状のいずれでもよいが、ベルト形状が、他のサブシステムの配置の自由度、取り扱い易さの点から好ましい。本発明の中間転写体は、ベルト形状の場合、単層或いは複数層の弾性層からなり、該弾性層の少なくとも1層に前記電子伝導性フィラーと、ポリカーボネイト系樹脂と、を含有する。一方、ドラム形状の場合、基体上に、単層或いは複数層の弾性層を有してなり、該弾性層の少なくとも1層に前記電子伝導性フィラーと、ポリカーボネイト系樹脂と、を含有する。弾性層上に表面コート層を設けた構成をとってもよい。また、本発明の中間転写体において、前記電子伝導性フィラーと、ポリカーボネイト系樹脂と、を含有し、押出成形によって形成する以外の構成、例えば、層構成、基体の種類などは、従来公知の構成をとることができる。
【0023】
電子伝導性フィラーは、電子伝導により導電性を発現し、且つpH5.0以下であるが、好ましくはpH4.5以下であり、より好ましくはpH4.0である。
【0024】
電子伝導性フィラーは、pH5.0以下であると、表面に付着する酸素含有官能基の効果で、少なくともポリカーボネイト系樹脂を含有する結着樹脂中への分散性が向上し、押出成形によって形成される中間転写体の抵抗バラツキを小さくすることができるとともに、電界依存性も小さくなり、転写電圧による電界集中がおきずらくなる。その結果、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない、用紙走行部が白く抜けるなどの画質欠陥の発生が抑制された高画質を得ることができる中間転写体となる。
【0025】
ここで、転写電圧による抵抗低下、及びこの抵抗低下による白抜けの発生について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、中間転写体の二次転写部の抵抗低下を説明する概要図である。図1に示すように、ベルト状の中間転写体101を介して支持ローラ102と転写ローラ103とにより形成される二次転写部(ニップ部)に、用紙(被転写体)104を通過させると同時に転写電圧を印加し二次転写が行われる。二次転写直後においては、ベルト状の中間転写体101表面(用紙側)はプラス側に帯電、用紙104表面(中間転写体側)は、マイナス側に帯電しているため、中間転写体101と用紙104との間で剥離放電が発生する。この放電現象によって、中間転写体101表面が変質して、新しい導電経路ができて抵抗が下がる。また、電界依存性が大きい場合、中間転写体101表面での電界集中をおこすことになり、中間転写体101表面が変質し易いので、抵抗が低下する。
【0026】
図2は、ハーフトーンで白抜けが発生する状況を説明する概要図である。図2に示すように、1000枚連続コピー後(例えば10℃、15%RHの低温低湿環境下)の中間転写体200における用紙走行部201には、図1で示したような抵抗低下がおこる(図2中(a))。このような状態で、マゼンタ30%のハーフトーンをコピーすると、非用紙走行部202よりも抵抗が低い用紙走行部201には印画されにくくなる(図2中(b))。この結果、白抜けの発生がおこる。この白抜けの発生は、特に、用紙走行部201の表面抵抗率が、非用紙走行部202よりも、1.1桁(logΩ/□)以上低くなると起こり易くなる。
【0027】
電子伝導性フィラーとしては、pH5.0以下のカーボンブラック(以下、「酸性カーボンブラック」ということがある)が挙げられる。この酸性カーボンブラックは、カーボンブラックを酸化処理することで表面にカルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等を付与して製造することができる。この酸化処理は、高温雰囲気下で、空気と接触、反応させる空気酸化法、常温下で窒素酸化物やオゾン等と反応させる方法、及び高温下での空気酸化後、低温下でオゾン酸化する方法等により行うことができる。
【0028】
酸性カーボンブラックは、その揮発分が1〜25%、好ましくは2〜20%、好ましくは5〜15%含まれていることが好適である。揮発分が1%未満でである場合には、表面に付着する酸素含有官能基の効果がなくなり、ポリカーボネイト系樹脂を含有する結着樹脂中への分散性が低下することがある。一方、25%より高い場合には、ポリカーボネイト系樹脂を含有する結着樹脂に分散させる際、分解してしまう、或いはそれに伴う得られる成形品の外観が悪くなる等の問題が生じることがある。従って、揮発分が上記範囲とすることで、ポリカーボネイト系樹脂を含有する結着樹脂中への分散性をより良好にすることができる。この揮発分は、カーボンブラックを950℃で7分間加熱したときに、出てくる有機揮発成分(カルボキシル基、キノン基、ラクトン基、水酸基等)の割合により求めることができる。
【0029】
酸性カーボンブラックとして具体的には、キャボット社の「REGAL 400R」(pH4.0、揮発分3.5%)、「MONARCH 1000」(pH2.5、揮発分9.5%)、「MONARCH 1300」(pH2.5、揮発分9.5%)、独Degussa社の「Color Black FW200」(pH2.5、揮発分20%)、「SPECIAL BLACK 4」(pH3、揮発分14%)、「Printex U」(pH4.5、揮発分5%)、「Printex 150T」(pH4、揮発分10%)、「Printex 140T」(pH4.5、揮発分5%)、等が挙げられる。なお、酸性カーボンブラックは、主たる導電性を発現させる電子伝導性フィラーとして用いておれば、単独で用いても、ほかのカーボンブラックと併用して用いてもよい。
【0030】
電子伝導性フィラーの添加量は、結着樹脂に対して5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%、より好ましくは15〜20重量%であることが好適である。
【0031】
電子伝導性フィラーは、一般的に結着樹脂に分散されることで、中間転写体における弾性層が形成されるが、この結着樹脂としては、少なくともポリカーボネイト系樹脂を含んだ、樹脂材料、弾性材料、及びこれらのブレンド材料が挙げられる。樹脂材料としては、ポリカーボネイト系樹脂の他、例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルテーテルケトン、ポリアミド、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフロロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)などの樹脂材料、及びこれらを主原料としてなる樹脂材料が挙げられる。弾性材料としては、ポリウレタン、塩素化ポリイソプレン、NBR、クロロピレンゴム、EPDM、水素添加ポリブタジエン、ブチルゴム、シリコーンゴムなどを1種類又は、2種類以上をブレンドしてなる材料が挙げられる。結着樹脂は、中間転写体がベルト形状の場合、機械特性の観点からベルト駆動時のテンションによる変形が一定範囲である材料であることが好ましく、例えば、ヤング率が150MPa(150kg/mm2)以上、好ましくは200MPa(200kg/mm2)以上の材料が好適に用いることができる。
【0032】
本発明の中間転写体は、表面抵抗率の電界依存性が、0.6桁(logΩ/□)以下、好ましくは0.5桁(logΩ/□)以下であることが好適である。表面抵抗率の電界依存性が、0.6桁(logΩ/□)以下であると、上述のような転写電圧による電界集中がより起きずらくなるので、用紙走行部の表面抵抗が低下して、ハーフトーンの画像において、用紙走行部が白く抜けるなどの画質欠陥の発生を防止することができる。なお、この表面抵抗率の電界依存性は、転写面における表面抵抗率の電界依存性を示す。
【0033】
本発明の中間転写体において、表面抵抗率の電界依存性は、印加電圧100V(電界143V/cm)と印加電圧1000V(電界1429V/cm)との条件下における表面抵抗率の対数値の差を示す。なお、表面抵抗率は、後述する測定方法に準じて測定することができる。
【0034】
本発明の中間転写体は、表面抵抗率が1×1010Ω/□〜1×1014Ω/□、好ましくは1×1011Ω/□〜1×1013Ω/□であることが好適である。この表面抵抗率が1014Ω/□より高い場合には、一次転写部の像担持体と中間転写体が剥離するポストニップ部で剥離放電が発生し易くなり、放電が発性した部分は、白抜けする画質欠陥が発生することがある。一方、109Ω/□未満の場合には、プレニップ部での電界強度が強くなり、プレニップ部でのギャップ放電が発生しやすくなるために画質の粒状性が悪化する問題が発生することがある。従って、表面抵抗率を、上記範囲とすることで、表面抵抗率が高い場合に発生する放電による白抜け、表面抵抗率が低い場合に発生する画質が悪化する問題を防止することができる。なお、この表面抵抗率は、転写面における表面抵抗率を示す。
【0035】
本発明の中間転写体において、表面抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。具体的には、例えば、図3に示す円形電極を用いて測定することができる。図3は、表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図3に示す円形電極は、第一電圧印加電極Aと板状絶縁体Bとを備える。第一電圧印加電極Aは、円柱状電極部Cと、該円柱状電極部Cの外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部Cを一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部Dとを備える。第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部C及びリング状電極部Dと板状絶縁体Bとの間に中間転写体Tを挟持し、第一電圧印加電極Aにおける円柱状電極部Cとリング状電極部Dとの間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(1)により、中間転写体Tの表面抵抗率ρs(Ω/□)を算出することができる。ここで、下記式(1)中、d(mm)は円柱状電極部Cの外径を示す。D(mm)はリング状電極部Dの内径を示す。
【0036】
式(1) ρs=π×(D+d)/(D−d)×(V/I)
【0037】
本発明の中間転写体は、体積抵抗率が1×108Ωcm〜1×1014Ωcm、好ましくは1×1010Ωcm〜1×1012Ωcmであることが好適である。この体積抵抗率が108ΩCm未満である場合には、像担持体から中間転写体に転写された未定着トナー像の電荷を保持する静電的な力が働きにくくなるため、トナー同士の静電的反発力や画像エッジ付近のフリンジ電界の力によって、画像の周囲にトナーが飛散してしまい(ブラー)、ノイズの大きい画像が形成されるという問題が発生することがある。一方、体積抵抗率が1014Ωcmより高い場合には、電荷の保持力が大きいために、1次転写での転写電界で中間体表面が帯電するために除電機構が必要となる問題が発生することがある。従って、体積抵抗率を、上記範囲とすることで、トナーが飛散してしたり、除電機構を必要とする問題を防止することができる。
【0038】
本発明の中間転写体において、体積抵抗率は、円形電極(例えば、三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ)を用い、JIS K6991に従って測定することができる。具体的には、例えば、図4に示す円形電極を用いて測定することができる。図4は、体積抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。図4に示す円形電極は、第一電圧印加電極A’と第二電圧印加電極B’とを備える。第一電圧印加電極A’は、円柱状電極部C’と、該円柱状電極部C’の外径よりも大きい内径を有し、且つ円柱状電極部C’を一定の間隔で囲む円筒状のリング状電極部D’とを備える。第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’及びリング状電極部D’と第二電圧印加電極B’との間に中間転写体T’を挟持し、第一電圧印加電極A’における円柱状電極部C’と第二電圧印加電極B’との間に電圧V(V)を印可したときに流れる電流I(A)を測定し、下記式(2)により、中間転写体Tの体積抵抗率ρv(Ωcm)を算出することができる。ここで、下記式(2)中、tは中間転写体Tの厚さを示す。
【0039】
式(2) ρv=19.6×(V/I)×t
【0040】
本発明の中間転写体は、ベルト形状の場合、その厚みが50μm〜400μm、好ましくは80〜200μmであることが、ベルトとしての機械特性を満足することができ観点から好適である。
【0041】
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、前記本発明の中間転写体を備える。本発明の画像形成装置は、像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を被転写体に二次転写する第二転写手段を備え、該中間転写体として前記本発明の中間転写体を用いる中間転写方式の画像形成装置である。
【0042】
本発明の画像形成装置としては、中間転写体方式の画像形成装置であれば、特に限定されるものではなく、例えば、現像装置内に単色のトナーのみを収容する通常のモノカラー画像形成装置や、像担持体上に担持されたトナー像を中間転写体に順次一次転写を繰り返すカラー画像形成装置、各色毎の現像器を備えた複数の像担持体を中間転写体上に直列に配置したタンデム型カラー画像形成装置等が挙げられる。具体的には、像担持体、像担持体表面を均一に帯電する帯電手段、像担持体表面を露光し静電潜像を形成する露光手段、像担持体表面に形成された潜像を現像剤を用いて現像し、トナー像を形成する現像手段、被転写材上のトナー像を定着する定着手段、像担持体に付着したトナーやゴミ等を除去するクリーニング手段、像担持体表面に残留している静電潜像を除去する除電手段、など必要に応じて公知の方法で任意に備えることができる。
【0043】
像担持体としては、従来公知のものを用いることができ、その感光層としては、有機系、アモルファスシリコン等公知のものを用いることができる。前記像担持体が円筒状の場合は、アルミニウム又はアルミニウム合金を押出し成型後、表面加工する等の公知の製法により得られる。またベルト状の前記像担持体を用いることも可能である。
【0044】
帯電手段としては、特に制限はなく、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン帯電器やコロトロン帯電器などのそれ自体公知の帯電器が挙げられる。これらの中でも、帯電補償能力に優れる点で接触型帯電器が好ましい。前記帯電手段は、前記電子写真感光体に対し、通常、直流電流を印加するが、交流電流をさらに重畳させて印加してもよい。
【0045】
露光手段としては、特に制限はなく、例えば、前記電子写真感光体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源、或いはこれらの光源からポリゴンミラーを介して所望の像様に露光できる光学系機器などが挙げられる。
【0046】
現像手段としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一成分系現像剤又は二成分系現像剤をブラシ、ローラ等を用い接触あるいは非接触させて現像する公知の現像器等が挙げられる。
【0047】
第一転写手段としては、例えば、ベルト、ローラ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器などのそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。これらの中でも、転写帯電補償能力に優れる点で接触型転写帯電器が好ましい。なお、本発明においては、前記転写帯電器の外、剥離帯電器等を併用することもできる。
【0048】
第二転写手段としては、前記第一転写手段として例示した転写ローラ等の接触型転写帯電器、スコロトロン転写帯電器、コロトロン転写帯電器などが挙げられる。これらの中でも、前記第1転写手段と同様に接触型転写帯電器が好ましい。転写ローラ等の接触型転写帯電器により強く押圧するようにすると、画像の転写状態を良好な状態に維持させることができる。また、中間転写体を案内するローラの位置で転写ローラ等の接触型転写帯電器を押圧すると、中間転写体から被転写体に対してトナー像を移転させる作用を良好な状態で行うことが可能になる。
【0049】
光除電手段としては、例えば、タングステンランプ、LEDなどが挙げられ、該光除電プロセスに用いる光質としては、例えば、タングステンランプ等の白色光、LED光等の赤色光などが挙げられる。該光除電プロセスにおける照射光強度としては、通常、電子写真感光体の半減露光感度を示す光量の数倍乃至30倍程度になるように出力設定される。
【0050】
定着手段としては、特に制限はなく、それ自体公知の定着器、例えば熱ローラ定着器、オーブン定着器などが挙げられる。
【0051】
クリーニング手段としては、特に制限はなく、それ自体公知のクリーニング装置などを用いればよい。
【0052】
以下に、本発明の画像形成装置の1例として、一次転写を繰り返すカラー画像形成装置を示す。図5は、本発明の画像形成装置の1例を示す概略構成図である。
図5に示す画像形成装置は、像担持体としての感光体ドラム1、中間転写体としての転写ベルト2、転写電極であるバイアスローラ3、被転写体である用紙を供給するトレー4、B(ブラック)トナーによる現像装置5、Y(イエロー)トナーによる現像装置6、M(マゼンタ)トナーによる現像装置7、C(シアン)トナーによる現像装置8、ベルトクリーナー9、剥離爪13、ベルトローラ21、23及び24、バックアップローラ22、導電性ローラ25、電極ローラ26、クリーニングブレード31、用紙束41、ピックアップローラ42、並びにフィードローラ43を有してなる。
【0053】
図5に示す画像形成装置において、感光体ドラム1は矢印A方向に回転し、図示しない帯電装置でその表面が一様に帯電される。帯電された感光体ドラム1にレーザー書込み装置などの画像書き込み手段により第一色(例えば、B)の静電潜像が形成される。この静電潜像は現像装置5によってトナー現像されて可視化されたトナー像Tが形成される。トナー像Tは感光体ドラム1の回転で導電性ローラ25が配置された一次転写部に到り、導電性ローラ25からトナー像Tに逆極性の電界を作用させることにより上記トナー像Tを静電的に転写ベルト2に吸着されつつ転写ベルト2の矢印B方向の回転で一次転写される。
【0054】
以下、同様にして第2色のトナー像、第3色のトナー像、第4色のトナー像が順次形成され転写ベルト2において重合せられて、多重トナー像が形成される。
【0055】
転写ベルト2に転写された多重トナー像は、転写ベルト2の回転でバイアスローラ3が設置された二次転写部に到る。二次転写部は、転写ベルト2のトナー像が担持された表面側に設置されたバイアスローラ3と該転写ベルト2の裏側からバイアスローラに対向するごとく配置されたバックアップローラ22およびこのバックアップローラ22に圧接して回転する電極ローラ26から構成される。
【0056】
用紙41は、用紙トレー4に収容された用紙束からピックアップローラ42で一枚ずつ取り出され、フィードローラ43で二次転写部の転写ベルト2とバイアスローラ3との間に所定のタイミングで給送される。給送された用紙41は、バイアスローラ3及びバックアップローラ22による圧接搬送と転写ベルト2の回転により、該転写ベルト2に担持されたトナー像が転写される。
【0057】
トナー像が転写された用紙41は、最終トナー像の一次転写終了まで退避位置にある剥離爪13を作動せることにより転写ベルト2から剥離され、図示しない定着装置に搬送され、加圧/加熱処理でトナー像を固定して永久画像とされる。なお、多重トナー像の用紙41への転写の終了した転写ベルト2は、二次転写部の下流に設けたベルトクリーナー9で残留トナーの除去が行われて次の転写に備える。また、バイアスローラ3は、ポリウレタン等からなるクリーニングブレード31が常時当接するごとくとりつけられており、転写で付着したトナー粒子や紙紛等の異物が除去される。
【0058】
単色画像の転写の場合、一次転写されたトナー像Tを直ちに二次転写して定着装置に搬送するが、複数色の重ね合わせによる多色画像の転写の場合、各色のトナー像が一次転写部で正確に一致するように転写ベルト2と感光体ドラム1との回転を同期させて各色のトナー像がずれないようにする。上記二次転写部では、バイアスローラ3と転写ベルト2を介して対向配置したバックアップローラ22に圧接した電極ローラ26にトナー像の極性と同極性の出圧(転写電圧)を印加することで該トナー像を用紙41に静電反発で転写する。
以上のようにして、画像を形成することができる。
【0059】
【実施例】
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
【0060】
(実施例1)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、カーボンブラックとして独Degussa社製「Printex 140T(PH4.5の酸性カーボンブラック)」15重量部添加して、2軸押出機を用いて、ポリカーボネイト系アロイ樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボンブラック15重量部を含有してなるポリカーボネイト系樹脂ペレットを得る。更に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率1011.7Ω/□、体積抵抗率1010Ωcmであった。
【0061】
(実施例2)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、カーボンブラックとして独Degussa社製「Printex 150T(PH4の酸性カーボンブラック)」18重量部添加して、2軸押出機を用いて、ポリカーボネイト系アロイ樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボンブラック18重量部を含有してなるポリカーボネイト系樹脂ペレットを得る。更に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率1011.9Ω/□、体積抵抗率1010.0Ωcmであった。
【0062】
(実施例3)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、カーボンブラックとして独Degussa社製「SPECIAL Black 4(pH3の酸性カーボンブラック)」16重量部添加して、2軸押出機を用いて、ポリカーボネイト系アロイ樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボンブラック16重量部を含有してなるポリカーボネイト系樹脂ペレットを得る。更に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率1011.8Ω/□、体積抵抗率1010.2Ωcmであった。
【0063】
(実施例4)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、カーボンブラックとして独Degussa社製「ColorBlack FW200(PH2.5の酸性カーボンブラック)」19重量部添加して、2軸押出機を用いて、ポリカーボネイト系アロイ樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボンブラック19重量部を含有してなるポリカーボネイト系樹脂ペレットを得る。更に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率1012.1Ω/□、体積抵抗率1010.5Ωcmの樹脂ベルトであった。
【0064】
(比較例1)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、カーボンブラックとして米Cabot社製「VolcanXC72X(pH8.5の中性カーボンブラック)」12重量部添加して、2軸押出機を用いて、ポリカーボネイト系アロイ樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボンブラック12重量部を含有してなるポリカーボネイト系樹脂ペレットを得る。更に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率1011.7Ω/□、体積抵抗率109.8Ωcmであった。
【0065】
(比較例2)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、カーボンブラックとして米Cabot社製「MONARCH800(pH9.0の中性カーボンブラック)」14重量部添加して、2軸押出機を用いて、ポリカーボネイト系アロイ樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボンブラック12重量部を含有してなるポリカーボネイト系樹脂ペレットを得る。更に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率1012.1Ω/□、体積抵抗率1010.1Ωcmであった。
【0066】
(比較例3)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、カーボンブラックとしてライオンアグゾ社製「ケッチエンブラックEC(pH9.0の中性カーボンブラック)」10重量部添加して、2軸押出機を用いて、ポリカーボネイト系アロイ樹脂にカーボンブラックを混練して、カーボンブラック12重量部を含有してなるポリカーボネイト系樹脂ペレットを得る。更に、この樹脂ペレットを1軸押出機を用いて、チューブ形状に押出成形して、厚み150μmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率1011.5Ω/□、体積抵抗率1010.1Ωcmであった。
【0067】
(比較例4)
ポリカーボネイトとポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)とのアロイである三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンMB2112」100重量部に、イオン導電性ポリマーとして三洋化成工業(株)製「ペレスタット6321(ポリエーテルを主セグメントとするブロック型ポリマー)」を2軸押出機を用いて混練してペレットを得る。つぎにこのペレットを用いて220℃の加熱温度にて、1軸押出機にて、チューブ形状に成型して、厚み0.15mmで、幅350mm、外径168mmの無端ベルトを得た。このベルトは、表面抵抗率は、1012.3Ω/□、体積抵抗率1012.5Ωcmであった。
【0068】
(評価1)
実施例1〜4、比較例1〜4で得られた無端ベルトにおける、表面抵抗率、体積抵抗率、表面抵抗率の抵抗変動幅、表面抵抗率の面内バラツキ(最大値の最小値の差)、表面抵抗率の電界依存性を調べた。さらに、無端ベルトを転写ベルト2として、図5に示す画像形成装置に搭載し、葉書(用紙)を1000枚連続コピー後、用紙走行部の表面抵抗率の低下量及びマゼンタ30%のハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況を調べた。結果を表1に示す。
なお、各測定については以下に示す通りに行った。
【0069】
−表面抵抗率−
本実施例おける表面抵抗率の測定は、図3に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ:円柱状電極部Cの外径Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、電圧100V印加し、10秒後の電流値を求め、上述のようにして算出した。
【0070】
−体積抵抗率の測定−
本実施例おける体積抵抗率の測定は、図4に示す円形電極(三菱油化(株)製ハイレスターIPのHRプローブ:円柱状電極部Cの外系Φ16mm、リング状電極部Dの内径Φ30mm、外径Φ40mm)を用い、電圧100V印加し、30秒後の電流値を求め、上述のようにして算出した。
【0071】
−表面抵抗率の抵抗変動幅−
本実施例おける抵抗変動幅は、高温高湿(H/H)環境(28℃/85%RH)と低温低湿(L/L)(10℃/10%RH)環境とにおける表面抵抗率の対数値の差として算出した。
【0072】
−表面抵抗率の面内バラツキ−
本実施例おける表面抵抗率の面内バラツキ(ΔR)は、無端ベルトを長さ方向に8分割、幅方向に3分割し、ベルト面内24点について表面抵抗率を計測し、表面抵抗率の対数値をとり、その最大値と最小値の差として算出した。
【0073】
−表面抵抗率の電界依存性−
本実施例おける表面抵抗率の電界依存性は、印加電圧100V(電界143V/cm)と印加電圧1000V(電界1429V/cm)との条件下における表面抵抗率の対数値の差として算出した。
【0074】
−1000枚連続コピー後の表面抵抗率の低下量−
本実施例おける1000枚連続コピー後の表面抵抗率の低下量は、初期の表面抵抗率と、1000枚連続コピー後の表面抵抗率との対数値の差として算出した。
【0075】
−1000枚連続コピー後の白抜け発生状況−
本実施例おける白抜け発生状況は、目視にて判定して、画質上問題ないレベルを○とし、画質上問題のあるレベルを×として評価した。
【0076】
【表1】
Figure 0003903677
【0077】
本発明の実施例に対して、比較例1〜3は、電子伝導性の中性カーボンを用いており、表面抵抗率のベルト面内のばらつき(ΔR)が大きく、電界依存性が大きく、葉書を1000枚連続コピー後、用紙走行部の表面抵抗率の低下量が大きく、ハーフトーンをコピーした時の白抜け発生状況を示すを大きい問題がある。
【0078】
また、比較例4のイオン導電性ポリマー分散のベルト材料は、表面抵抗率のベルト面内のばらつき(ΔR)は小さく、用紙走行部の表面抵抗率が低下する問題はないが、高温高湿(H/H)環境と低温低湿(L/L)環境での表面抵抗率の変動が1.8桁と大きい問題がある。
【0079】
(評価2)
カーボンブラック添加量の変更した以外は、実施例1〜4と同様にして無端ベルトに得て、カーボンブラック添加量と表面抵抗率の関係について調べた。図6は、実施例1〜4におけるカーボンブラック添加量と表面抵抗率の関係を示す図である。図6からカーボン添加量を増やすことによる表面抵抗率の変化量(抵抗の変化幅)が小さく、樹脂中にカーボンブラックの分散が良好であることがわかる。
【0080】
(評価3)
カーボンブラック添加量の変更した以外は、比較例1〜3と同様にして無端ベルトを得て、カーボンブラック添加量と表面抵抗率の関係について調べた。図7は、比較例1〜3のカーボンブラック添加量と表面抵抗率の関係を示す図である。図7から実施例に比べて、カーボン添加量を増やすことによる表面抵抗率の変化量(抵抗の変化幅)が大きいことがわかる。
【0081】
(評価4)
上述のように実施例1〜4と比較例1〜3の表面抵抗率の電界依存性を、図8に示す。図8は、実施例1〜4及び比較例1〜3における表面抵抗率の電界依存性を示す図である。図8から比較例に比べて、実施例での電界依存性は少ないことがわかる。
【0082】
【発明の効果】
以上により、本発明によれば、転写電圧による抵抗低下を防止し、電気抵抗の均一性を改善し、電界依存性が少なく、さらに環境による抵抗の変化の少ない、高画質を得ることができる中間転写体、及び高品質の転写画質を安定して得られる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中間転写体の二次転写部の抵抗低下を説明する概要図である。
【図2】 ハーフトーンで白抜けが発生する状況を説明する概要図である。
【図3】 表面抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図4】 体積抵抗率を測定する円形電極の一例を示す概略平面図(a)及び概略断面図(b)である。
【図5】 本発明の画像形成装置の1例を示す概略構成図である。
【図6】 実施例1〜4におけるカーボンブラック添加量と表面抵抗率の関係を示す図である。
【図7】 比較例1〜3のカーボンブラック添加量と表面抵抗率の関係を示す図である。
【図8】 実施例1〜4及び比較例1〜3における表面抵抗率の電界依存性を示す図である。
【符号の説明】
101 中間転写体
102 支持ローラ
103 転写ローラ
104 用紙
200 中間転写体
201 用紙走行部
202 非用紙走行部
A 第一電圧印加電極
B 第二電圧印加電極
C 円柱状電極部
D リング状電極部
A’ 第一電圧印加電極
B’ 板状絶縁体
C’ 円柱状電極部
D’ リング状電極部
T、T’ 中間転写体
1 感光体ドラム(像担持体)
2 転写ベルト(中間転写体)
3 バイアスローラ
4 用紙トレー
5 ブラック現像装置
6 イエロー現像装置
7 マゼンタ現像装置
8 シアン現像装置
9 ベルトクリーナー
13 剥離爪
21、23、24 ベルトローラ
22 バックアップローラ
25 導電性ローラ
26 電極ローラ
31 クリーニングブレード
41 用紙(被転写体)、用紙束
42 ピックアップローラ
43 フィードローラ
T トナー

Claims (7)

  1. 像担持体に形成されたトナー像を中間転写体上に一次転写する第一転写手段、及び該中間転写体上に転写されたトナー像を被転写体上に二次転写する第二転写手段を備える画像形成装置に用いる中間転写体であって、該中間転写体が、電子伝導により導電性を発現するpH5.0以下の電子伝導性フィラーと、ポリカーボネイト系樹脂と、を含有し、押出成形によって得られることを特徴とする中間転写体。
  2. 電子伝導性フィラーが、pH5.0以下のカーボンブラックであることを特徴とする請求項1に記載の中間転写体。
  3. 表面抵抗率の電界依存性が、0.6桁(logΩ/□)以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の中間転写体。
  4. 表面抵抗率が、1×1010Ω/□〜1×1014Ω/□であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中間転写体。
  5. 体積抵抗率が、1×109Ωcm〜1×1014Ωcmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中間転写体。
  6. ベルト形状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中間転写体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の中間転写体を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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