JP3903585B2 - 5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体、その製法及び農園芸用の有害生物防除剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農園芸用の有害生物防除剤として有用である新規な5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明に近似した4−フェネチルアミノピリミジン誘導体として、特開平7−258223号があるが、本発明のようなピリミジン環5位がヨード原子で置換された4−フェネチルアミノピリミジン誘導体の開示は認められない。
従って、本発明の5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体は新規化合物であり、農園芸用の有害生物防除活性を有することも知られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規な5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体、その製法及びそれを有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の課題を解決するために検討した結果、新規な5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体が顕著な農園芸用の殺虫,殺ダニ,殺線虫及び殺菌活性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は次の通りである。
第1の発明は、次式(1):
【0005】
【化4】
【0006】
(式中、R1 はハロゲン原子、炭素原子数2〜4個のアシルオキシ基或いは水酸基を表わし;R2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基或いは炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基を表わし;nは1〜3の整数を表わし;*は不斉炭素原子を表す。)
で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体に関するものである。
第2の発明は、
次式(2):
【0007】
【化5】
(式中、R1 及び*は、前記と同義である。)
【0008】
で示されるピリミジン類と
次式(3):
【0009】
【化6】
【0010】
(式中、R2 及びnは前記と同義である。)
で示されるフェネチルアミン類とを反応させることを特徴とする前記の式(1)で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体の製法に関するものである。
第3の発明は、前記の式(1)で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体を有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤に関するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
前記の各化合物で表した各種の置換基は、次の通りである。
〔R1 〕
R1 は、ハロゲン原子、炭素原子数2〜4個のアシルオキシ基或いは水酸基である。
ハロゲン原子としては塩素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子などを挙げることができるが;塩素原子,フッ素原子が好ましい。
炭素原子数2〜4個のアシルオキシ基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基を有するものを挙げることができるが;アセチルオキシ基が好ましい。
【0012】
〔R2 〕
R2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4個のアルキル基、炭素原子数1〜4個のハロアルキル基、炭素原子数1〜4個のアルコキシ基或いは炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基である。
R2 におけるハロゲン原子として塩素原子,ヨウ素原子,臭素原子,フッ素原子などを挙げることができるが;塩素原子,フッ素原子が好ましい。
炭素原子数1〜4個のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基を挙げることができるが;メチル基が好ましい。
炭素原子数1〜4個のハロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−フルオロエチル基などを挙げることができるが;さらに好ましくは、トリフルオロメチル基である。
【0013】
炭素原子数1〜4個のアルコキシ基としては、直鎖状又は分岐状のものを挙げることができるが;好ましくは、メトキシ基である。
炭素原子数が1〜4個のハロアルコキシ基としては、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基などを挙げることができるが;さらに好ましくは、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。
R2 の置換位置としては、m−位及びp−位が好ましい。
〔n〕
nは、1〜3の整数を表わすが;1又は2が好ましい。
【0014】
本発明の化合物(1)はアミノ基を有しているので、これに由来する酸付加塩も本発明に含まれる。 酸付加塩を形成する酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などの無機酸;ギ酸、シュウ酸、フマル酸、アジピン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アコニット酸などのカルボン酸;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのスルホン酸;サッカリンなどを挙げることができる。
また、本発明の化合物(1)は*で示した不斉炭素原子を含むので、これらに由来する個々の光学異性体、ラセミ体、又はそれらの混合物のいずれも本発明に含まれる。
【0015】
化合物(1)としては、前記の各種の置換基を組み合わせたものを挙げることができるが、薬効の面から好ましいものは、次の通りである。
(1)R1 がハロゲン原子であり、R2 が水素原子である化合物(1)。
(2)R1 及びR2 がハロゲン原子であり、nが1である化合物(1)。
(3)R1 が炭素原子数2〜4個のアシルオキシ基であり、R2 が水素原子である化合物(1)。
(4)R1 がハロゲン原子であり、R2 が炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、nが1である化合物(1)。
(5)R1 がハロゲン原子であり、R2 が炭素原子数1〜4個のアルコキシ基であり、nが1である化合物(1)。
(6)R1 がハロゲン原子であり、R2 が炭素原子数1〜4個のハロアルコキシ基であり、nが1である化合物(1)。
【0016】
〔化合物(1)の合成法〕
前記の式(1)で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体を製造する好ましい方法としては、第2の発明として記載した合成法1の他に、次の4種の製法(合成法2〜5)を挙げることができる。
(合成法2)
次式(1−1):
【0017】
【化7】
【0018】
(式中、R2 ,n及び*は、前記と同義であり;R3 は塩素原子或いは臭素原子を表わす。)
で示される4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−1)と称する。〕と
次式(4):
【0019】
【化8】
【0020】
(式中、R4 は低級アシルオキシ基を表す。)
で示される低級脂肪族カルボン酸とを反応させることを特徴とする前記式(1)に於いてR1 が低級アシルオキシ基で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−2)と称する。〕の製法。
(合成法3)
次式(1−2):
【0021】
【化9】
【0022】
(式中、R2 ,R4 ,n及び*は、前記と同義である。)
で示される4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−2)と
次式(5):
【0023】
【化10】
【0024】
(式中、Mはアルカリ金属を表わす。)
で示される無機塩基類とを反応させることを特徴とする前記式(1)に於いてR1 が水酸基で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−3)と称する。〕の製法。
(合成法4)
次式(1−3):
【0025】
【化11】
【0026】
(式中、R2 ,n及び*は、前記と同義である。)
で示される4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−3)と称する。〕と
次式(6):
【0027】
【化12】
【0028】
で示されるフッ素化剤(ジエチルアミノサルファートリフルオライド:DAST)とを反応させることを特徴とする前記式(1)に於いてR1 がフッ素原子で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−4)と称する。〕の製法。
(合成法5)
次式(1−1):
【0029】
【化13】
【0030】
(式中、R2 ,R3 ,n及び*は、前記と同義である。)
で示される4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−1)と称する。〕と
次式(7):
【0031】
【化14】
【0032】
(式中、Mは前記と同義である。)
とを、反応させることを特徴とする前記式(1)に於いてR1 がフッ素原子で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体〔化合物(1−4)と称する。〕の製法。
【0033】
前記の本発明の化合物(1)の合成法1〜5を、さらに詳細に述べる。
(合成法1)
合成法1は、化合物(2)と化合物(3)とを、溶媒中、塩基存在下で反応させて化合物(1)を得る方法である。
溶媒の種類としては、本反応に直接関与しないものであれば特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メチルナフタリン、石油エーテル、リグロイン、ヘキサン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、クロロホルム、ジクロルエタン、トリクロルエチレンのような塩素化された又はされていない芳香族、脂肪族、脂環式の炭化水素類;テトラヒドロフラン、シオキサン、ジエチルエーテルなどのようなエーテル類、アセトニトリル、プロピオニトリルなどのようなニトリル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのようなケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、スルフォラン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドンなどのような非プロトン性極性溶媒;及び前記溶媒の混合物などを挙げることができる。
【0034】
溶媒の使用量は、化合物(2)が5〜80重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
塩基の種類としては、特に限定されず、有機及び無機塩基、例えばトリエチルアミンのような第3級アミン、DBUなどの有機塩基、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の水素化物、水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩などの無機塩基を挙げることができるが;トリエチルアミンのような有機塩基が好ましい。
塩基の使用量は、化合物(2)に対して1〜5倍モルであるが;1.2〜2.0倍モルが好ましい。
【0035】
反応温度は、特に限定されないが、室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;60〜110℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;通常0.5〜5時間である。
原料化合物の使用量は、化合物(2)に対して化合物(3)が、1.0〜5倍モルであるが;1〜1.1倍モルが好ましい。
本発明で用いる化合物(2)は、特開平5−194417号公報の記載に準じて次式に示す方法で製造することができる。
【0036】
【化15】
【0037】
(式中、R3 ,R4 ,M及び*は、前記と同義であり;DASTはジエチルアミノサルファートリフルオライドを表わす。)
化合物(8)は、例えば、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサィエティ(JCS)3478〜3481(1955)に記載の方法に準じて、次式に示す方法で製造できる。
【0038】
【化16】
【0039】
化合物(3)は、市販品を使用するか、又は次式に示す方法によって製造することができる。
【0040】
【化17】
【0041】
(式中、R2 及びnは、前記と同義である。)
以上のようにして製造された目的の化合物(1)は、反応終了後、抽出、濃縮、ロ過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶、各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宣精製することができる。
【0042】
(合成法2)
合成法2は、化合物(1−1)と化合物(4)とを溶媒中で反応させて化合物(1−2)(化合物(1)におけるR1 が炭素原子数2〜4個のアシルオキシ基である化合物)を得る方法である。
溶媒の種類としては、合成法1に記載のエーテル類、ケトン類、N,N−ジメチルアセトアミドの様なアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、スルホラン、ジメチルスルホキサイド;及び前記溶媒の混合物を挙げることができるが;アミド類のN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
溶媒の使用量は、化合物(1−1)が5〜80重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
塩基の種類としては、合成法1に記載の無機塩基を挙げることができるが;炭酸カリウムが好ましい。
【0043】
塩基の使用量は、化合物(1−1)に対して1〜5倍モルであるが;2〜5倍モルが好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;60〜100℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;0.5〜8時間である。
化合物(4)は、市販品を使用することができる。
以上のようにして製造された目的の化合物(1−2)は、反応終了後、抽出、濃縮、ろ過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶、各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宣精製することができる。
【0044】
(合成法3)
合成法3は、化合物(1−2)と化合物(5)とを溶媒中、反応させて化合物(1−3)を得る方法である。
溶媒の種類としては、合成法1に記載したエーテル類、ケトン類、アミド類の他アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)、水及び前記溶媒の混合物を挙げることができるが;アルコール類(メタノール、エタノール)と水の混合物が好ましい。
溶媒の使用量は、化合物(1−2)が5〜80重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
【0045】
化合物(5)としては、市販品である合成法1に記載の無機塩基を挙げることができるが;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
塩基の使用量は、化合物(1−2)に対して1〜2倍モルであるが;1〜1.5倍モルが好ましい。
反応温度は、0℃から室温の温度範囲内であり;室温が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;0.5〜3時間である。
以上のようにして製造された目的の化合物(1−3)は、反応終了後、抽出、濃縮、ろ過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶、各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宣精製することができる。
【0046】
(合成法4)
合成法4は、化合物(1−3)と化合物(6)とを溶媒中あるいは無溶媒で反応させ化合物(1−4)を得る方法である。
溶媒の種類としては、合成法1に記載した塩素化された又はされていない芳香族、脂肪族、脂環式の炭化水素類、エーテル類などを挙げることができるが;ジクロロメタンのような塩素化された脂肪族炭化水素類が好ましい。
溶媒の使用量は、化合物(1−2)が5〜80重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;0℃〜室温が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;0.5〜1時間である。
化合物(6)としては、特に限定されないが’;市販品である前述のジエチルアミノサルファートリフルオライド(DAST)が好ましい。
化合物(6)の使用量は、化合物(1−2)に対して1〜2倍モルであるが;1〜1.5倍モルが好ましい。
以上のようにして製造された目的の化合物(1−3)は、反応終了後、抽出、濃縮、ろ過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶、各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宣精製することができる。
【0047】
(合成法5)
化合物(1−1)と化合物(7)とを、溶媒中下で反応させ化合物(1−4)を得る方法である。
溶媒の種類としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドの様なアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリドン、スルホラン、ジメチルスルホキサイド;前記溶媒の混合物などを挙げることができる。
溶媒の使用量は、化合物(1−4)が5〜80重量%になるようにして使用することができるが;10〜70重量%が好ましい。
反応温度は、特に限定されないが、室温から使用する溶媒の沸点以下の温度範囲内であり;100〜120℃が好ましい。
反応時間は、前記の濃度、温度によって変化するが;1〜15時間である。
化合物(7)としては、市販品であるフッ化カリウム、フッ化ナトリウム、セシウムフルオライドなどを挙げることができるが、フッ化カリウム、セシウムフルオライドが好ましい。
化合物(7)の使用量は、化合物(1−1)に対して1〜5倍モルであるが;1〜3倍モルが好ましい。
以上のようにして製造された目的の化合物(1−4)は、反応終了後、抽出、濃縮、ろ過などの通常の後処理を行い、必要に応じて再結晶、各種クロマトグラフィーなどの公知の手段で適宣精製することができる。
【0048】
〔防除効果〕
本発明の化合物(1)で防除効果が認められる農園芸用有害生物としては、農園芸害虫〔例えば、半翅目(ウンカ類、ヨコバイ類、アブラムシ類、コナジラミ類など)、鱗翅目(ヨトウムシ類、コナガ、ハマキムシ類、メイガ類、シンクイムシ類、モンシロチョウなど)、鞘翅目(ゴミムシダマシ類、ゾウムシ類、ハムシ類、コガネムシ類など)、ダニ目(ハダニ科のミカンハダニ,ナミハダニなど、フシダニ科のミカンサビダニなど)〕、線虫(ネコブセンチュウ、シストセンチュウ、ネグサレセンチュウ、シンガレセンチュウ、マツノザイセンチュウなど)、ネダニ、衛生害虫(例えば、ハエ、カ、ゴキブリなど)、貯蔵害虫(例えば、コクヌストモドキ類、マメゾウムシ類など)、木材害虫(例えば、イエシロアリ、ヤマトシロアリ、ダイコクシロアリなどのシロアリ類、ヒラタキクイムシ類、シバンムシ類、シンクイムシ類、カミキリムシ類、キクイムシ類など)を挙げることができ、また、農園芸病原菌(例えば、コムギ赤さび病、大麦うどんこ病、キュウリべと病、イネいもち病、トマト疫病など)を挙げることができる。
【0049】
(有害生物防除剤)
本発明の農園芸用の有害生物防除剤は、特に、殺虫・殺ダニ及び殺線虫効果が顕著であり、化合物(1)の1種以上を有効成分として含有するものである。
化合物(1)は、単独で使用することもできるが、通常は常法によって、担体、界面活性剤、分散剤、補助剤、などを配合(例えば、粉剤、乳剤、微粒剤、粒剤、水和剤、油性の懸濁液、エアゾールなどの組成物として調製する)して使用することが好ましい。
【0050】
担体としては、例えば、タルク,ベントナイト,クレー,カオリン,ケイソウ土,ホワイトカーボン,バーミキュライト,消石灰,ケイ砂,硫安,尿素などの固体担体;炭化水素(ケロシン,鉱油など)、芳香族炭化水素(ベンゼン,トルエン,キシレンなど)、塩素化炭化水素(クロロホルム,四塩化炭素など)、エーテル類(ジオキサン,テトラヒドロフランなど)、ケトン類(アセトン,シクロヘキサノン,イソホロンなど)、エステル類(酢酸エチル,エチレングリコールアセテート,マレイン酸ジブチルなど)、アルコール類(メタノール,n−ヘキサノール,エチレングリコールなど)、極性溶媒(ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキシドなど)、水などの液体担体;空気,窒素,炭酸ガス,フレオンなどの気体担体(この場合には、混合噴射することができる)などを挙げることがでる。
【0051】
本剤の動植物への付着,吸収の向上,薬剤の分散,乳化,展着などの性能を向上させるために使用できる界面活性剤や分散剤としては、例えば、アルコール硫酸エステル類,アルキルスルホン酸塩,リグニンスルホン酸塩,ポリオキシエチレングリコールエーテルなどを挙げることができる。そして、その製剤の性状を改善するためには、例えば、カルボキシメチルセルロース,ポリエチレングリコール,アラビアゴムなどを補助剤として用いることができる。
本剤の製造では、前記の担体,界面活性剤,分散剤及び補助剤をそれぞれの目的に応じて、各々単独で又は適当に組み合わせて使用することができる。
本発明の化合物(1)を製剤化した場合の有効成分濃度は、乳剤では通常1〜50重量%,粉剤では通常0.3〜25重量%,水和剤では通常1〜90重量%,粒剤では通常0.5〜5重量%,油剤では通常0.5〜5重量%,エアゾールでは通常0.1〜5重量%である。
これらの製剤を適当な濃度に希釈して、それぞれの目的に応じて、植物茎葉,土壌,水田の水面に散布するか、又は直接施用することによって各種の用途に供することができる。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を参考例及び実施例によって具体的に説明する。なお、これらは、本発明の範囲を限定するものではない。
参考例1(化合物(2)の合成法)
(1)4−クロロ−6−(1−クロロエチル)−5−ヨードピリミジン(1)〔化合物(2-1)〕の合成
4−クロロ−6−エチル−5−ヨードピリミジン(5g)をクロロホルム(100ml)に溶解し、室温撹拌下に塩素ガスを吹き込んだ。
反応終了後、窒素ガスを吹き込み過剰の塩素ガスを除去後、減圧下に溶媒を留去した。
得られた油状物をシリカゲルカラム(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=20:1溶出)で精製することによって、淡黄色油状液体である目的化合物を3.4g得た。
【0053】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.87〜1.90(3H,d)、5.44〜5.51(1H,q)
8.86(1H,s)
【0054】
(2)6−(1−アセトキシエチル)−4−クロロ−5−ヨードピリミジン〔化合物(2-4)〕の合成
4−クロロ−6−(1−クロロエチル)−5−ヨードピリミジン(3.6g)をN,N−ジメチルホルムアミド(70ml)に溶解し、酢酸カリウム(2.4g)と炭酸カリウム(0.7g)を加え、約60℃で4時間加熱撹拌した。
反応終了後、反応混合物に水を加え、分離する油状物をトルエンで抽出し、水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、減圧下に溶媒を留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって、無色結晶である目的物を1.0g得た。
【0055】
m.p.55〜58℃
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.57〜1.60(3H,d)、2.14(3H,s)
5.99〜6.09(1H,q)、8.83(1H,s)
【0056】
(3)4−クロロ−6−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヨードピリミジン〔化合物(2-6)〕の合成
6−(1−アセトキシエチル)−4−クロロ−5−ヨードピリミジン(1.0g)をエタノール(20ml)に溶解し、撹拌下に1N−水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を滴下した。滴下後、更に1時間室温で撹拌し、反応を完結した。次いで、減圧下溶媒を留去し、酢酸エチルで目的化合物を抽出し、水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後に溶媒を減圧下留去した。
得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、トルエン:酢酸エチル=20:1溶出)で精製することによって、淡黄色油状液体である目的物を0.5g得た。
【0057】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.43〜1.46(3H,d)、4.13〜4.16(1H,m)
5.09〜5.17(1H,q)、8.64(1H,s)
【0058】
(4)4−クロロ−6−(1−フルオロエチル)−5−ヨードピリミジン〔化合物(2-3)〕の合成
4−クロロ−6−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヨードピリミジン(0.5g)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、氷冷、撹拌下にジエチルアミノサルファートリフルオライド(0.3g)を滴下し、さらに1時間室温で撹拌して反応を完結した。
反応混合物に冷水を加え、ジクロロメタン層を分取し、水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。次いで、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200、クロロホルム溶出)で精製することによって、淡黄色液体である目的物を0.4g得た。
【0059】
1H−NMR(CDCl3,δppm)
1.63〜1.77(3H,d−d)、5.88〜6.08(1H,d−q)
8.70(1H,s)
【0060】
(5)表1中のその他の化合物(2)の合成
前記(1)〜(4)に記載の方法に準じて、表1中のその他の化合物(2)を合成した。
以上のように合成した化合物(2)及びそれらの物性を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
(注)
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
2.06〜2.08(3H,d)、5.43〜5.51(1H,q)
8.84(1H,s)
【0063】
実施例1〔化合物(1)の合成法〕
(1)6−(1−フルオロエチル)−5−ヨード−4−(2−フェニルエチルアミノ)ピリミジン〔化合物1〕の合成
2−フェニルエチルアミン(0.6g)とトリエチルアミン(0.6g)をトルエン20mlに溶解し、4−クロロ−6−(1−フルオロエチル)−5−ヨードピリミジン(1.5g)を加え、3時間約60℃で加熱撹拌した。
反応終了後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって、淡黄色結晶である目的物を1.1g得た。
【0064】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.58〜1.71(3H,d−d)、2.92〜2.97(2H,t)
3.74〜3.81(2H,q)、5.68〜5.73(1H,m)
5.73〜5.95(1H,d−q)、7.18〜7.35(5H,m)
8.48(1H,s)
【0065】
(2)6−(1−クロロエチル)−5−ヨード−4−(2−フェニルエチルアミノ)ピリミジン〔化合物2〕の合成
2−フェニルエチルアミン(0.6g)とトリエチルアミン(0.6g)をトルエン20mlに溶解し、4−クロロ−6−(1−クロロエチル)−5−ヨードピリミジン(1.5g)を加え、3時間約60℃で加熱撹拌した。
反応終了後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって、無色結晶である目的物を1.2g得た。
【0066】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.82〜1.85(3H,d)、2.92〜2.97(2H,t)
3.73〜3.83(2H,m)、5.28〜5.35(1H,q)
5.41〜5.61(1H,m)、7.23〜7.37(5H,m)
8.46(1H,s)
【0067】
(3)6−(1−アセトキシエチル)−5−ヨード−4−(2−フェニルエチルアミノ)ピリミジン〔化合物3〕の合成
2−フェニルエチルアミン(0.6g)とトリエチルアミン(0.6g)をトルエン20mlに溶解し、4−クロロ−6−(1−アセトキシエチル)−5−ヨードピリミジン(1.7g)を加え、3時間約60℃で加熱撹拌した。
反応終了後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって淡黄色液体である目的物を1.2g得た。
【0068】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.50〜1.54(3H,d)、2.12(3H,s)
2.92〜2.99(2H,m)、3.74〜3.82(2H,m)
5.54〜5.70(1H,m)、5.82〜5.91(1H,q)
7.26〜7.34(5H,m),8.55(1H,s)
【0069】
(4)6−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヨード−4−(2−フェニルエチルアミノ)ピリミジン〔化合物4〕の合成
2−フェニルエチルアミン(0.6g)とトリエチルアミン(0.6g)をトルエン20mlに溶解し、4−クロロ−6−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヨードピリミジン(1.4g)を加え、3時間約60℃で加熱撹拌した。
反応終了後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=5:1溶出)で精製することによって、淡黄色粘稠液体である目的物を1.0g得た。
【0070】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.39〜1.44(3H,d)、2.92〜2.97(2H,t)
3.73〜3.84(2H,m)、4.13〜4.20(1H,m)
4.81〜4.87(1H,q)、5.41〜5.58(1H,m)
7.22〜7.37(2H,m),8.40(1H,s)
【0071】
(5)6−(1−フルオロエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−フルオロフェニル)エチルアミノ]ピリミジン〔化合物5〕の合成
6−(1−フルオロエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−フルオロフェニル)エチルアミノ]ピリミジン(2.0g)をN,N−ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解し、セシウムフルオライドア(1.5g)を加え、120〜130℃で12時間加熱撹拌した。
反応終了後、水を加え、酢酸エチルで目的物を抽出し、水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後に減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって、無色結晶である目的物を1.3g得た。
【0072】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.59〜1.72(3H,d−d)、2.89〜2.94(2H,t)
3.71〜3.79(2H,m)、5.41〜5.68(1H,m)
5.68〜5.91(1H,d−q)、6.898〜7.05(2H,m)
7.16〜7.22(2H,m)、8.48(1H,s)
【0073】
(6)6−(1−ブロモエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン〔化合物19〕の合成
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミン1.0g)とトリエチルアミン(1.0g)をトルエン(50ml)に溶解し、4−クロロ−6−(1−ブロモエチル)−5−ヨードピリミジン(1.8g)を加え、約60℃で3時間加熱撹拌した。
反応終了後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって、淡黄色液体である目的物を1.6g得た。
【0074】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.81〜1.84(3H,d)、2.92〜2.97(2H,t)
3.72〜3.79(2H,q)、5.30〜5.37(1H,m)
5.50〜5.72(1H,m)、7.17〜7.27(4H,m)
8.46(1H,s)
【0075】
(7)6−(1−クロロエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン(化合物20)の合成
2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミン(1.0g)とトリエチルアミン(1.0g)をトルエン(50ml)に溶解し、4−クロロ−6−(1−クロロエチル)−5−ヨードピリミジン(1.5g)を加え、約60℃で3時間加熱撹拌した。
反応終了後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって、淡黄色液体である目的物を1.3g得た。
【0076】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.81〜1.84(3H,d)、2.92〜2.97(2H,t)
3.72〜3.80(2H,q)、5.28〜5.35(1H,q)
5.56〜5.73(1H,m)、7.17〜7.27(4H,m)
8.47(1H,s)
【0077】
(8)6−(1−アセトキシアエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン〔化合物21〕の合成
6−(1−クロロエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン(1.3g)をDMF(50ml)に溶解し、酢酸カリウム(1.6g)と炭酸カリウム(1.1g)を加え、約60℃で3時間加熱撹拌した。
反応終了後、水を加え分離する油状物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=10:1溶出)で精製することによって、無色粉状結晶である目的物を1.0g得た。
【0078】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.50〜1.53(3H,d)、2.16(3H,s)
2.91〜2.95(2H,t)、3.70〜3.79(2H,q)
5.50〜5.65(1H,m)、5.84〜5.91(1H,q)
7.16〜7.27(4H,m)、8.42(1H,s)
【0079】
(9)6−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン〔化合物22〕の合成
6−(1−アセトキシエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン(1.0g)をエタノール(20ml)に溶解し、1N−水酸化ナトリウム水溶液(20ml)を加え、室温で1時間撹拌した。
反応終了後、水を加え分離する油状物を酢酸エチルで抽出した。抽出液を水洗し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=1:1溶出)で精製することによって、淡黄色液体である目的物を0.9g得た。
【0080】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.40〜1.45(3H,d)、2.93〜2.98(2H,t)
3.73〜3.82(2H,q)、4.08〜4.16(1H,m)
4.82〜4.89(1H,q)、5.48〜5.68(1H,m)
7.17〜7.30(4H,m)、8.40(1H,s)
【0081】
(10)6−(1−フルオロエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン〔化合物23〕の合成
6−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヨード−4−[2−(4−トリフルオロメトキシフェニル)エチルアミノ]ピリミジン(0.9g)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、冷却撹拌下にジエチルアミノサルファートリフルオライド(0.3g)を滴下し、更に1時間撹拌した。
反応終了後、水を加えクロロメタン層を分取し、水洗、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ワコーゲルC−200,トルエン:酢酸エチル=1:1溶出)で精製することによって、無色粉状結晶である目的物を0.6g得た。
【0082】
1H−NMR(CDCl3 ,δppm)
1.61〜1.70(3H,d−d)、2.92〜2.98(2H,t)
3.73〜3.81(2H,m)、5.62〜5.66(1H,m)
5.66〜5.91(1H,d−q)、7.16〜7.28(4H,m)
8.48(1H,s)
【0083】
(11)表2及び3中のその他の化合物(1)の合成
前記(1)〜(10)に記載の方法に準じて、表2及び3中のその他の化合物(1)を合成した。
以上のように合成した化合物(1)及びそれらの物性を表2及び3に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】
実施例2〔製剤の調製〕
(1)粒剤の調製
化合物(1)を5重量部、ベントナイト35重量部、タルク57重量部、ネオレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1重量部、及びリグニンスルホン酸ソーダ2重量部を均一に混合し、次いで少量の水を添加して混練した後、造粒、乾燥して粒剤を得た。
【0087】
(2)水和剤の調製
化合物(1)を10重量部、カオリン70重量部、ホワイトカーボン18重量部、ネオレックスパウダー(商品名;花王株式会社製)1.5重量部、及びデモール(商品名;花王株式会社製)0.5重量部を均一に混合し、次いで粉砕して水和剤を得た。
【0088】
(3)乳剤の調製
化合物(1)を20重量部及びキシレン70重量部に、トキサノン(商品名;三洋化成工業製)10重量部を加えて均一に混合し、溶解して乳剤を得た。
【0089】
(4)粉剤の調製
化合物(1)を粉5重量部、タルク50重量部及びカオリン45重量部を均一に混合して粉剤を得た。
【0090】
実施例3〔効力試験〕
(1)サツマイモネコブセンチュウに対する効力試験
実施例2に準じて調製した表2及び3に示す化合物(1)の各水和剤を水で300ppmに希釈し、そのうち0.1mlを試験管にとり、サツマイモネコブセンチュウ500頭を含む液0.9mlを加えた。
次に、これらの試験管を25℃の低温室に放置し、2日後に顕微鏡下で観察して殺線虫率を求めた。 この結果、化合物1、5、9、13、17及び23が、100%の殺線虫活性を示した。
【0091】
(2)ナミハダニに対する試験
実施例2に準じて調製した表2及び3に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤を(0.01%)を含む水で300ppmに希釈し、これらの各溶液中に15頭のナミハダニ雌成虫を24時間寄生産卵させた後に成虫を除去した各インゲン葉片(直径20mm)を10秒間づつ浸漬した。
次に,これらの各葉片を25℃の定温室に放置し,3日後に各葉片における生死虫数を数えて殺ダニ率を求めた.
この結果、化合物1,5,9,13、17及び23が、80%以上の殺ダニ活性を示した。
【0092】
(3)コナガに対する効力試験
実施例2に準じて調製した表2及び3に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で300ppmに希釈し、これら各薬液中にキャベツ葉片(5cm×5cm)を30秒浸漬し、各プラスチックカップに一枚ずつ入れて風乾した。
次に、これらカップ内に各々10頭のコナガ(3齢幼虫)を放って蓋をし、25℃の定温室に放置し、2日後に各カップの生死虫数を数えて死虫率を求めた。
この結果、化合物1、3、5、9、13、17及び23が、100%の殺虫活性を示した。
【0093】
(4)トビイロウンカに対する効力試験
実施例2に準じて調製した表2及び3に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で300ppmに希釈し、これら各薬液中にイネ稚苗を30秒浸漬し風乾後、それぞれのガラス円筒に挿入した。
次に、これらガラス円筒に各々10頭のトビイロウンカ(4齢幼虫)を放って多孔性の栓をし、25℃の定温室に放置し、4日後に生死虫数を数えて死虫率を求めた。
この結果、化合物1、5、9、13、17及び23が、100%の殺虫活性を示した。
【0094】
(5)ツマグロヨコバイに対する効力試験
実施例2に準じて調製した表2及び3に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で300ppmに希釈し、これら各薬液中にイネ稚苗を30秒浸漬し風乾後、それぞれのガラス円筒に挿入した。
次に、これらガラス円筒に各々10頭のツマグロヨコバイ(4齢幼虫)を放って多孔性の栓をし、25℃の定温室に放置し、4日後に生死虫数を数えて死虫率を求めた。
この結果、化合物1、5、9、13、17及び23が、100%の殺虫活性を示した。
【0095】
(6)ハスモンヨトウに対する効力試験
実施例2に準じて調製した表2及び3に示す化合物(1)の各水和剤を界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈し、これら各薬液中にダイズ本葉を30秒浸漬し風乾後、プラスチックカップにいれ、各々10頭のハスモンヨトウ(2齢幼虫)を放って蓋をし、25℃の定温室に放置した。2日後に生死虫数を数えて死虫率を求めた。
この結果、化合物5、9及び23が、100%の殺虫活性を示した。
【0096】
(7)コムギ赤さび病に対する防除効力試験(予防試験)
直径6cmのプラスチック植木鉢に1鉢あたり10本ずつコムギ(品種;コブシコムギ)を育成し、1.5葉期の幼植物体に、実施例2に準じて調製した表2及び3で示した物(1)の水和剤を、界面活性剤(0.01%)を含む水で500ppmに希釈して、1鉢あたり20mlで散布した。
散布後、2日間ガラス温室で栽培し、次いで、コムギ赤さび病菌の胞子懸濁液(7×104 胞子/ml)を植物体に均一に噴霧接種した。
接種後、1週間ガラス温室内で育成し、第1葉に現れたコムギ赤さび病病斑の程度を調査した。
この結果、化合物1、5、9、13、17、20及び23が、病斑面積20%以下を示した。
【0097】
【発明の効果】
本発明の新規な5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体は、農園芸用の有害生物防除剤として有用である。
Claims (3)
- 請求項1に記載の式(1)で示される5−ヨード−4−フェネチルアミノピリミジン誘導体を有効成分とする農園芸用の有害生物防除剤。
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