JP3903415B2 - 防水シート加熱装置 - Google Patents

防水シート加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3903415B2
JP3903415B2 JP2001253877A JP2001253877A JP3903415B2 JP 3903415 B2 JP3903415 B2 JP 3903415B2 JP 2001253877 A JP2001253877 A JP 2001253877A JP 2001253877 A JP2001253877 A JP 2001253877A JP 3903415 B2 JP3903415 B2 JP 3903415B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
waterproof sheet
heating
explosion
proof
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001253877A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003064998A (ja
Inventor
毅熾 栄
由紀夫 芳賀
哲治 島田
修一 原
義治 松岡
栄一 畑山
雅也 福居
幸久 平沢
道明 森田
茂男 藤井
茂弘 山田
宏明 富松
宏明 陣内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Penta Ocean Construction Co Ltd
Okumura Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Hitachi Construction Machinery Co Ltd
Penta Ocean Construction Co Ltd
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp, Hitachi Construction Machinery Co Ltd, Penta Ocean Construction Co Ltd, Okumura Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2001253877A priority Critical patent/JP3903415B2/ja
Publication of JP2003064998A publication Critical patent/JP2003064998A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3903415B2 publication Critical patent/JP3903415B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネル掘削工法でシールド掘進機後方に構築されるトンネル支持枠の各セグメントと地盤との間に順次配設される防水シートを、掘進方向に溶着一体化するために加熱する防水シート加熱装置に関し、特に危険場所において安全性を確保しつつ防水シートを溶着可能に加熱する防水シート加熱装置に関する。
【0002】
ここで、危険場所とは、可燃性ガスまたは可燃性液体の蒸気(以下、爆発性ガスと総称する)が存在する、または存在するおそれのある場所をいう。
また、耐圧防爆構造とは、機器内部で前記爆発性ガスに対し点火能力を有する電気火花又は高温部により爆発性ガスの爆発が起っても、機器がその爆発圧力に耐えて内部の爆発を機器周囲の爆発性ガスに引火波及させない構造をいう。
【0003】
【従来の技術】
トンネルの掘削には、従来からシールド掘進機が一般的に用いられている。このシールド掘進機は、先端のカッタで地盤を掘削しながら進み、進行により生じたシールド掘進機後方の空隙部分外周にセグメントを順次配設して略筒形のトンネル支持枠を構築し、トンネル周囲の地盤を支持する仕組みとなっている。
配設された各セグメント間には継目が存在するため、湧水やガスが坑内に流入しやすい。このため、近年、セグメントの外周側にプラスチック製の防水シートを隙間無く配設し、セグメントと地盤とを水密に隔てることで湧水やガスの坑内への流入を防止する工法が提案されている。
【0004】
この防水シートを配設する工法では、まず、所定幅の防水シートをシールド掘進機の後部に沿って略筒状に配設し、継目を熱溶着して円筒状に一体化する。掘進機の所定距離進行後、新たに防水シートを配設する場合は、既設分の防水シートに新規配設分を所定幅重ね、重なり部分を熱溶着して一体化していく。以上の各工程を繰返して掘進、セグメント組立と共に、防水シートが管状に延伸していくこととなり、セグメント外周側に防水シートが隙間無く敷設された状態となる。
こうした防水シート同士を熱溶着するために、高温の発熱部分や熱風吹出部分等の加熱部を有して防水シートの接合部分を加熱し、互いに溶着可能な状態とする加熱装置が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の加熱装置は以上のように構成されていることから、地中にメタン等の爆発性ガスが存在する危険場所におけるトンネル掘削では、高温となる加熱部が爆発性ガスの着火源となるおそれがあり、使用困難であるという課題を有していた。
しかし、防水シートを配設する工法では、シールド掘進機後方のトンネル内側に防水シートが隙間無く存在して防水性を発揮すると共に爆発性ガスの坑内進入も抑制できることから、安全性を高められる工法として危険場所でも導入が望まれている。
【0006】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、危険場所における安全性を確保しつつ防水シート同士を確実に溶着可能に加熱させられる防水シート加熱装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る防水シート加熱装置は、トンネル掘削工法で地盤とトンネル支持枠の各セグメントとの間に順次掘削進行方向へ一部重ね合せつつ配設される所定幅の防水シートに対し、防水シート配設毎に既設防水シートと新設防水シートとの重なり部位を加熱して、防水シート同士の溶着を可能とする防水シート加熱装置において、電熱体である一又は複数のヒータ、及び温度測定用の一又は複数の温度センサをそれぞれ内蔵する略鏝状体で形成され、前記重なり部位の各防水シートと接触可能に配設される防水シート加熱用の加熱部と、当該加熱部内から引出された前記ヒータ及び温度センサの各リード線と電気的に接続される接続端子部を内蔵する耐圧防爆構造の本体端子箱と、一端側が前記本体端子箱内へ耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて前記接続端子部に接続される中継ケーブルと、接続端子部を内蔵する耐圧防爆容器で形成され、前記中継ケーブルの他端側が内部に耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて前記接続端子部と接続されてなる中継接続箱とを備え、安全場所に配設される所定の制御機器と電気的に接続されている所定の伝送線路の端部を前記中継接続箱内に耐圧防爆状態を保持しつつ引込んで前記接続端子部に接続し、前記ヒータ及び温度センサと前記制御機器とを電気的接続状態とし、前記温度センサからの出力信号から前記制御機器で前記加熱部温度を演算取得し、加熱部温度に基づいて制御機器でヒータを制御して、加熱部温度を少なくとも爆発性ガスの爆発引火温度未満で且つ前記防水シートを溶着可能状態に変化させられる下限温度以上に制御するものである。
【0008】
このように本発明においては、ヒータ及び温度センサをそれぞれ内蔵して防水シートを加熱する加熱部が本体端子箱、中継ケーブル、及び中継接続箱を介して制御機器側の伝送線路に接続され、且つ、温度センサ出力に基づいて制御機器でヒータを制御して加熱部温度を爆発引火温度以下に制限し、爆発性ガスへの引火を装置各部で防ぐことにより、防水シートの加熱温度を爆発引火温度以下として危険場所での防爆性能を確保しつつ防水シートを溶着可能な状態にできることとなり、安全性を大幅に向上させられ、爆発性ガス雰囲気中でも防水シート敷設が可能となり、防水シートで湧水と共に爆発性ガスの坑内進入を抑制でき、トンネル掘削作業及びトンネル供用時の安全性を高められる。
【0009】
また、本発明に係る防水シート加熱装置は必要に応じて、前記加熱部が、前記ヒータ及び温度センサを収納する耐圧防爆容器とされ、前記加熱部と本体端子箱間の各リード線を被覆する耐圧防爆構造の外被体を備えるものである。このように本発明においては、加熱部を耐圧防爆容器とし、且つ加熱部と本体端子箱間のリード線部分を耐圧防爆構造の外被体で被覆し、全体で耐圧防爆構造とすることにより、ヒータ又は温度センサに爆発性ガスに対する点火能力がある場合でも、加熱部や外被体内で爆発が生じても外側へ爆発による火炎が伝わらず爆発性ガス雰囲気に引火することはなく、危険場所での防爆性能を確実に発揮させて安全性をより一層向上させられる。
【0010】
また、本発明に係る防水シート加熱装置は必要に応じて、前記外被体が、一部を可撓構造の略管状体とされる一方、他部を剛構造の管体とされ、且つ当該管体部分の内部に耐熱性の充填材を充填されて管体内部のリード線を固定状態とするものである。このように本発明においては、加熱部と本体端子箱の間の外被体を可撓構造部分と剛構造部分の組合せ構造とし、剛構造部分内部に充填材を充填してリード線を固定状態とし、本体端子箱に対する加熱部の動きを許容すると共に外被体内でのリード線の不必要な動きを規制することにより、加熱部の位置調整により柔軟性を与えて確実に防水シートに当接させて加熱できる。さらに、リード線を固定状態として動きを抑えることで振動等による疲労を防ぎ、耐久性を高められる。
【0011】
また、本発明に係る防水シート加熱装置は必要に応じて、前記制御機器によるヒータの制御で前記加熱部温度をトンネル内で発生する爆発性ガスの爆発引火温度の約80%の温度に制御するものである。このように本発明においては、加熱部温度を温度センサ出力に基づくヒータ制御で爆発性ガスの爆発引火温度の80%となる温度に制御し、加熱部を爆発引火温度より低く保持することにより、防水シートの加熱温度を爆発引火温度以下として危険場所での防爆性能を確保しつつ防水シートを溶着可能な状態にできることとなり、トンネル掘削作業時に発生する可能性のあるメタンガス等の爆発性ガスの雰囲気中でも防水シート敷設が可能となり、防水シートで湧水と共に爆発性ガスの坑内進入を抑制でき、トンネル掘削作業及びトンネル供用時の安全性を高められる。
【0012】
また、本発明に係る防水シート加熱装置は必要に応じて、前記加熱部内に温度センサを複数配設し、前記制御機器が、前記複数の温度センサ毎に得られる加熱部温度に対して、複数の温度センサ毎に温度上限値を設定するか、又は、複数の温度センサのいずれか一つに温度上限値を設定するか、もしくは、複数の温度センサ間の加熱部温度差に温度上限値を設定するかの三通りの温度上限値の設定をいずれか行い、複数の温度センサ毎の加熱部温度と前記温度上限値との比較、又は、一つの温度センサの加熱部温度と前記温度上限値との比較、もしくは、加熱部温度差と前記温度上限値との比較のいずれかの比較結果に基づいて前記ヒータを制御するものである。このように本発明においては、加熱部に温度センサを複数配設し、それぞれで温度を測定することにより、加熱部各部における温度分布が異なる場合でも正確に加熱部の温度を把握できると共に、温度センサのいずれかが故障した場合でも他の温度センサで温度を測定してヒータの発熱状態制御が行えることとなり、信頼性と安全性を強化できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1ないし図4に基づいて説明する。本実施の形態では危険場所において防水シートを溶着可能に加熱する例について説明する。図1は本実施の形態に係る防水シート加熱装置の概略構成図、図2は本実施の形態に係る防水シート加熱装置における加熱部の平面図及び側面図、図3は本実施の形態に係る防水シート加熱装置の使用状態概略説明図、図4は本実施の形態に係る防水シート加熱装置の防水シート加熱状態説明図である。
【0014】
前記各図において本実施の形態に係る防水シート加熱装置1は、電熱体である複数のヒータ11及び温度測定用の複数の温度センサ12をそれぞれ内蔵する加熱部10と、この加熱部10内から引出された前記ヒータ11及び温度センサ12の各リード線13と電気的に接続される接続端子部21を内蔵する耐圧防爆構造の本体端子箱20と、前記加熱部10と本体端子箱20間のリード線や延長用ケーブルをまとめて被覆する耐圧防爆構造の外被体30と、一端側が前記本体端子箱20内へ耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて前記接続端子部21に接続される中継ケーブル40と、この中継ケーブル40の他端側と接続される中継接続箱50とを備える構成である。
【0015】
前記加熱部10は、金属等の良熱伝導体からなる略くさび形状の鏝状体であり、且つ、内部にヒータ11と温度センサ12を収納する耐圧防爆容器とされる構成である。この加熱部10から、ヒータ11と温度センサ12の各リード線13がそれぞれ引出された状態となっている。これらリード線13は外被体30で被覆されて外部と隔離されている。
【0016】
前記ヒータ11は、公知の電熱体であり、各防水シートとの接触部分の内方に位置させる状態で加熱部10内に複数配設され、加熱部10を介して防水シートに熱を伝える仕組みである。温度センサ12は、ヒータ11の発熱温度領域に適合した公知の熱電対であり、加熱部10の温度を熱起電力を利用して検知し、制御機器に温度信号を出力するものである。
【0017】
前記本体端子箱20は、内部に配線接続用の接続端子部21を収納される耐圧防爆容器であり、接続端子部21にリード線13や中継ケーブル40の端部をそれぞれ接続し、リード線13と中継ケーブル40とを電気的に接続状態とする構成である。この本体端子箱20内部には、温度センサ12用の信号変換回路22も防爆条件を満たした状態で収納される。
【0018】
前記外被体30は、加熱部10から引出されたヒータ11と温度センサ12の各リード線13をまとめて被覆する管状体であり、加熱部10寄り部分を金属管とされ、残り部分を金属製フレキシブルチューブとされ、いずれの部分においても耐圧防爆構造とされて両端を加熱部10及び本体端子箱20にそれぞれ接続される構成である。この外被体30の一部を可撓性とすることで、加熱部10の本体端子箱20に対する動きを許容している。また、金属管部分の内部には耐熱性の充填材が充填されて金属管内部のリード線13を固定状態としている。
【0019】
前記中継接続箱50は、ケーブル接続用の接続端子部51を収納する耐圧防爆容器で形成され、中継ケーブル40の他端側が内部に耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて接続端子部51と接続される構成である。この中継接続箱50内には、安全場所に配設される所定の制御機器(図示を省略)と電気的に接続されている所定の伝送線路60の端部も耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて接続端子部51に接続され、前記ヒータ11及び温度センサ12と前記制御機器とが電気的接続状態とされる仕組みである。
【0020】
前記制御機器は、安全場所から伝送線路60及び中継ケーブル40を通じてヒータ11に電力を供給すると共に、温度センサ12からの出力信号から加熱部10の温度を演算取得し、この温度を参照しつつヒータ11への電力供給状態を変化させて加熱部10の温度を所定の設定温度に維持制御する公知の装置であり、詳細な説明を省略する。制御機器における加熱部10の設定温度は、爆発性ガスの爆発引火温度未満で且つ防水シートを溶着可能状態に変化させられる下限温度以上の値となる。
【0021】
通常、トンネルを掘削する際に発生するガスはメタンガスであり、このメタンガスの爆発引火温度は595℃{工場電気設備防爆指針(ガス蒸気防爆 1979);労働省産業安全技術協会発行より}である。制御機器においては、防爆対象とするガスをメタンガスとし、安全のため、この爆発引火温度の80%である476℃を設定温度とし、この温度近傍で溶着を行うようにヒータ11を制御する。この温度でメタンガスの着火が起らないことは確認されている。
【0022】
本実施形態に係る防水シート加熱装置1近傍には、加熱部10で加熱された既設防水シート101と新設防水シート102の重なり部分を押圧する押圧ローラ201と、各防水シートを外周側から支持する防水シート受け部202と、加熱部10や押圧ローラ201をトンネル周方向及び径方向へ移動自在とする移動手段(図示を省略)等がそれぞれ配設される(図4参照)。加熱部10は移動手段により、各防水シートの重なり部分に対してトンネル径方向及び軸方向に近接離反可能となっており、既設防水シート101と新設防水シート102との間に挿入されて直接各防水シートに接して加熱する仕組みである。
【0023】
次に、前記構成に基づく防水シート加熱装置の使用状態について説明する。前提として、加熱部10は、既設防水シート101と新設防水シート102の重なり合った部分から離反した初期状態から、既設防水シート101と新設防水シート102との間に挿入され、且つ押圧ローラ201が加熱部10の移動方向後方側の防水シート重なり部分を押圧する状態となっているものとする。
【0024】
まず、加熱部10のヒータ11を発熱させて加熱部10をあらかじめ設定された温度とすると、ヒータ11からの熱が各防水シートに加わる状態となる。この状態で加熱部10をトンネル周方向へ移動させると、既設防水シート101と新設防水シート102が加熱部10によって直接加熱されて二つの防水シートの対向する面が溶着可能な状態となり、加熱部10が周方向に移動した後、加熱された防水シート同士が押圧ローラ201による押圧で密着し、溶着して一体化する。この加熱部10での加熱と押圧による溶着・一体化が周方向に継続して進行し、既設防水シート101と新設防水シート102が全周で一体化されることとなる。
【0025】
加熱部10の使用状態で、制御機器では温度センサ12からの出力情報が取得されており、得られた温度に基づいてヒータ11の制御が行われ、ヒータ11が適切な加熱状態に維持され、加熱部10が爆発引火温度を超えることは無く、加熱部10表面から爆発性ガスへの引火は生じない。
危険場所での使用に際しても、加熱部10が耐圧防爆構造となっていることから、加熱部10内に爆発性ガスが入り、内部で爆発が生じた場合でも、加熱部10は爆発圧力に耐え、爆発の加熱部10外への波及を食止めることができる。
【0026】
このように、本実施の形態に係る防水シート加熱装置においては、ヒータ11及び温度センサ12をそれぞれ内蔵した耐圧防爆構造の加熱部10が本体端子箱20、中継ケーブル40、及び中継接続箱50を介して制御機器側の伝送線路60に接続されると共に、この加熱部10と本体端子箱20間のリード線部分も耐圧防爆構造の外被体30で被覆して装置全体で耐圧防爆構造とし、さらに、温度センサ12出力に基づいて制御機器で加熱部10の温度を爆発引火温度以下に制限して、爆発性ガスへの引火を装置各部で防ぐことから、防水シートの加熱温度を爆発引火温度以下として危険場所での防爆性能を確保しつつ防水シートを溶着可能な状態にできることとなり、安全性を大幅に向上させられ、爆発性ガス雰囲気中でも防水シート敷設が可能となり、防水シートで湧水と共に爆発性ガスの坑内進入を抑制でき、トンネル掘削作業及びトンネル供用時の安全性を高められる。
【0027】
なお、前記実施の形態に係る防水シート加熱装置において、加熱部10の複数の温度センサ12による測定温度が同じ設定温度範囲になるよう制御機器でヒータ制御を行う構成としているが、この他、制御機器で、温度センサ12のいずれか一つに上限温度を設定し、これに達したら異常状態と判定してヒータ11による加熱を停止する制御を行ったり、また、複数の温度センサ12間の温度差を取得してこの温度差が所定の上限値を超えたら異常状態と判定してヒータ11による加熱を停止する制御を行ったりする構成とすることもでき、より安全性を高められる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ヒータ及び温度センサをそれぞれ内蔵して防水シートを加熱する加熱部が本体端子箱、中継ケーブル、及び中継接続箱を介して制御機器側の伝送線路に接続され、且つ、温度センサ出力に基づいて制御機器でヒータを制御して加熱部温度を爆発引火温度以下に制限し、爆発性ガスへの引火を装置各部で防ぐことにより、防水シートの加熱温度を爆発引火温度以下として危険場所での防爆性能を確保しつつ防水シートを溶着可能な状態にできることとなり、安全性を大幅に向上させられ、爆発性ガス雰囲気中でも防水シート敷設が可能となり、防水シートで湧水と共に爆発性ガスの坑内進入を抑制でき、トンネル掘削作業及びトンネル供用時の安全性を高められるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明によれば、加熱部を耐圧防爆容器とし、且つ加熱部と本体端子箱間のリード線部分を耐圧防爆構造の外被体で被覆し、全体で耐圧防爆構造とすることにより、ヒータ又は温度センサに爆発性ガスに対する点火能力がある場合でも、加熱部や外被体内で爆発が生じても外側へ爆発による火炎が伝わらず爆発性ガス雰囲気に引火することはなく、危険場所での防爆性能を確実に発揮させて安全性をより一層向上させられるという効果を有する。
【0030】
また、本発明によれば、加熱部と本体端子箱の間の外被体を可撓構造部分と剛構造部分の組合せ構造とし、剛構造部分内部に充填材を充填してリード線を固定状態とし、本体端子箱に対する加熱部の動きを許容すると共に外被体内でのリード線の不必要な動きを規制することにより、加熱部の位置調整により柔軟性を与えて確実に防水シートに当接させて加熱できるという効果を有する。さらに、リード線を固定状態として動きを抑えることで振動等による疲労を防ぎ、耐久性を高められるという効果を有する。
【0031】
また、本発明によれば、加熱部温度を温度センサ出力に基づくヒータ制御で爆発性ガスの爆発引火温度の80%となる温度に制御し、加熱部を爆発引火温度より低く保持することにより、防水シートの加熱温度を爆発引火温度以下として危険場所での防爆性能を確保しつつ防水シートを溶着可能な状態にできることとなり、トンネル掘削作業時に発生する可能性のあるメタンガス等の爆発性ガスの雰囲気中でも防水シート敷設が可能となり、防水シートで湧水と共に爆発性ガスの坑内進入を抑制でき、トンネル掘削作業及びトンネル供用時の安全性を高められるという効果を有する。
【0032】
また、本発明によれば、加熱部に温度センサを複数配設し、それぞれで温度を測定することにより、加熱部各部における温度分布が異なる場合でも正確に加熱部の温度を把握できると共に、温度センサのいずれかが故障した場合でも他の温度センサで温度を測定してヒータの発熱状態制御が行えることとなり、信頼性と安全性を強化できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る防水シート加熱装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る防水シート加熱装置における加熱部の平面図及び側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る防水シート加熱装置の使用状態概略説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係る防水シート加熱装置の防水シート加熱状態説明図である。
【符号の説明】
1 防水シート加熱装置
10 加熱部
11 ヒータ
12 温度センサ
13 リード線
20 本体端子箱
21 接続端子部
22 信号変換回路
30 外被体
40 中継ケーブル
50 中継接続箱
51 接続端子部
60 伝送線路
101 既設防水シート
102 新設防水シート
201 押圧ローラ
202 防水シート受け部

Claims (5)

  1. トンネル掘削工法で地盤とトンネル支持枠の各セグメントとの間に順次掘削進行方向へ一部重ね合せつつ配設される所定幅の防水シートに対し、防水シート配設毎に既設防水シートと新設防水シートとの重なり部位を加熱・押圧して、防水シート同士の溶着接合を可能とする防水シート加熱装置において、
    電熱体である一又は複数のヒータ、及び温度測定用の一又は複数の温度センサをそれぞれ内蔵する略鏝状体で形成され、前記重なり部位の各防水シートと接触可能に配設される防水シート加熱用の加熱部と、
    当該加熱部内から引出された前記ヒータ及び温度センサの各リード線と電気的に接続される接続端子部を内蔵する耐圧防爆構造の本体端子箱と、
    一端側が前記本体端子箱内へ耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて前記接続端子部に接続される中継ケーブルと、
    接続端子部を内蔵する耐圧防爆容器で形成され、前記中継ケーブルの他端側が内部に耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて前記接続端子部と接続されてなる中継接続箱と、
    前記中継接続箱内に耐圧防爆状態を保持しつつ引込まれて前記接続端子部に接続される所定の伝送線路と電気的に接続され、前記ヒータ及び温度センサと電気的接続状態とされ、安全場所に配設される所定の制御機器とを備え、
    前記制御機器が、前記温度センサからの出力信号より前記加熱部温度を演算取得し、加熱部温度を少なくとも爆発性ガスの爆発引火温度未満で且つ前記防水シートの溶着可能下限温度以上とするように前記ヒータを制御することを
    特徴とする防水シート加熱装置。
  2. 前記請求項1に記載の防水シート加熱装置において、
    前記加熱部が、前記ヒータ及び温度センサを収納する耐圧防爆容器とされ、
    前記加熱部と本体端子箱間の各リード線を被覆する耐圧防爆構造の外被体を備えることを
    特徴とする防水シート加熱装置。
  3. 前記請求項2に記載の防水シート加熱装置において、
    前記外被体が、一部を可撓構造の略管状体とされる一方、他部を剛構造の管体とされ、且つ当該管体部分の内部に耐熱性の充填材を充填されて管体内部のリード線を固定状態とすることを
    特徴とする防水シート加熱装置。
  4. 前記請求項1ないし3のいずれかに記載の防水シート加熱装置において、
    前記制御機器によるヒータの制御で前記加熱部温度をトンネル内で発生する爆発性ガスの爆発引火温度の約80%の温度に制御することを
    特徴とする防水シート加熱装置。
  5. 前記請求項1ないし4のいずれかに記載の防水シート加熱装置において、
    前記加熱部内に温度センサを複数配設し、
    前記制御機器が、前記複数の温度センサ毎に得られる加熱部温度に対して、複数の温度センサ毎に温度上限値を設定するか、又は、複数の温度センサのいずれか一つに温度上限値を設定するか、もしくは、複数の温度センサ間の加熱部温度差に温度上限値を設定するかの三通りの温度上限値の設定をいずれか行い、複数の温度センサ毎の加熱部温度と前記温度上限値との比較、又は、一つの温度センサの加熱部温度と前記温度上限値との比較、もしくは、加熱部温度差と前記温度上限値との比較のいずれかの比較結果に基づいて前記ヒータを制御することを特徴とする防水シート加熱装置。
JP2001253877A 2001-08-24 2001-08-24 防水シート加熱装置 Expired - Fee Related JP3903415B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001253877A JP3903415B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 防水シート加熱装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001253877A JP3903415B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 防水シート加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003064998A JP2003064998A (ja) 2003-03-05
JP3903415B2 true JP3903415B2 (ja) 2007-04-11

Family

ID=19082129

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001253877A Expired - Fee Related JP3903415B2 (ja) 2001-08-24 2001-08-24 防水シート加熱装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3903415B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3710452B2 (ja) 2003-03-11 2005-10-26 キヤノン株式会社 画像読み取り装置、データ補間方法及び制御プログラム
JP2010124097A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Idemitsu Kosan Co Ltd 防爆型画像送信装置及び危険地区における画像伝送システム
CN109282906A (zh) * 2018-09-28 2019-01-29 国网山东省电力公司潍坊供电公司 一种高压导线接头过热自动提示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003064998A (ja) 2003-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101465823B1 (ko) 알루미늄 열적 조성물 점화 장치, 이것을 포함하는 도가니 및 관련 방법
US10388481B2 (en) Disconnecting switch for high direct or alternating currents at high voltage
CN103069529B (zh) 用于将电池连接至电动或混合动力车辆的装置及包括所述连接装置的电池外壳
JP3903415B2 (ja) 防水シート加熱装置
CN202334938U (zh) 防爆型电加热设备
CN102544427A (zh) 电源装置及具备该电源装置的车辆
CN107030372A (zh) 安全型遥控引燃棒
US20200023805A1 (en) Gas generator
ES2202428T3 (es) Dispositivo de medicion.
JP4101291B2 (ja) 測定センサに用いられる接続ライン
KR101286316B1 (ko) 열 및 누액 감지 케이블 및 그 시스템
CN107013938B (zh) 具有硬质通气导电件的点火枪
KR200483922Y1 (ko) 이동형 전기 온수 히터
EP0715484A2 (en) Electrical leads for a fluid heater
CN208889369U (zh) 一种高速公路用高效防冻融雪电缆
US20110174780A1 (en) Switching installation with arc protection and arc protection method
KR20120101062A (ko) 밀봉 접속을 확립하기 위한 방법
KR102091052B1 (ko) 열전대를 이용한 방폭용 온도센서
US4280015A (en) High-tension line
KR101247151B1 (ko) 단열 온수조
CN207486848U (zh) 一种引燃器和焊接装置
KR101496611B1 (ko) 바이메탈온도스위치를 구비한 전열난방케이블
ITMI982358A1 (it) Limitatore di temperatura con elettrodo sensore.
KR102091046B1 (ko) 바이메탈을 이용한 방폭용 온도센서
KR102273216B1 (ko) 새로운 화재 감지 시스템

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061023

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20061101

TRDD Decision of grant or rejection written
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20061101

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119

Year of fee payment: 6

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140119

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees