JP3901684B2 - 神経芽腫の体液による検査方法 - Google Patents

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本発明は、神経芽腫の診断方法に関するものである。より具体的には、本発明は、遺伝子の増幅に基づく神経芽腫の早期発見、治療および再発の指標となる診断方法に関するものである。
神経芽腫(NB)は、小児における最も多い頭蓋外悪性腫瘍であり、自然治癒から集学的治療にもかかわらず急速に進行する致死的状態まで広範にわたる臨床挙動を特徴とするものである。臨床上の異質性は、神経芽腫における様々な生物学的、病理学的および遺伝的特性と密接に結びついていることが報告されている。いくつかの遺伝子異常の中でも、MYCNの増幅が急速な腫瘍の進行と不幸な結果に強く関連している。MYCNの増幅は、神経芽腫の早期例の4〜8%、進行例の約30%に認められ、増幅例は悪性度が高い。現在では、リスク分類に基づく治療プロトコールの選択にMYCNの増幅の有無は必要不可欠な評価項目になっている(非特許文献1〜6を参照のこと)。
日本における神経芽腫の検査については、生後6〜7カ月の全乳児を対象に、尿中に含まれるカテコラミンの代謝産物を測定することにより早期発見、早期治療を目的に行なってきた。前記検査で発見される例の中には、積極的治療を必要としない例が相当程度含まれていることが問題になり、このようなマススクリーニングは一旦中止することとなった。しかし、進行した神経芽腫は治療の難しい疾患であり、悪性度の高い神経芽腫を識別可能な検査方法が望まれている。
興味深いことに、悪性の消化器癌をもつ患者の末梢血には健康なドナーと比べて約30倍のDNAが含まれていることが報告された(非特許文献7を参照のこと)。さらに、悪性腫瘍を有する患者の血清DNAを用いて、ヘテロ接合性の喪失およびp53遺伝子の突然変異等の腫瘍関連異常が検出されたことが報告されている (非特許文献8〜10を参照のこと)。これらの報告は、担癌患者の全身を循環する血清中のDNAは、正常組織よりもむしろ腫瘍から主に放出されうることが示唆される。したがって、末梢血中に存在する腫瘍関連DNAは、腫瘍のMYCNの状態を予測するのに適用できる可能性がある。
最近、MYCNの増幅した神経芽腫患者の末梢血に、高レベルのMYCN DNAが存在することが報告されている(非特許文献11を参照のこと)。
Science, 224: 1121-1124, 1984 N. Engl. J. Med., 313: 111-1116, 1985 J. Pediatr. Hematol. Oncol., 19: 93-101, 1997 J. Clin. Oncol., 11: 1466-1477, 1993 Eur. J. Cancer, 33: 2113-2116, 1997 Cancer, 86: 364-372, 1999 Cancer, 51: 2116-2120, 1983 Clin. Cancer Res., 5: 2689-2692, 1999 Clin. Cancer Res., 5: 2297-2303, 1999 Cancer Res., 59: 3251-3256, 1999 Cancer Res., 62: 3646-3648, 2002
しかしながら、前記非特許文献11では、対照遺伝子を置くことなくPCRにより血清中のMYCN量を評価しており、このアッセイでは鋳型DNAの良否や第2染色体数の変化によって影響を受ける可能性がある。そこで、本発明の目的は、簡便かつ正確な神経芽腫の診断方法を提供することにある。
本発明者らは、神経芽腫の臨床状態と遺伝子異常との関連性を考慮しつつ鋭意検討した結果、腫瘍組織のみならず体液中のDNAを用いても神経芽腫を診断することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の神経芽腫の体液による検査方法は、
被験者由来の体液中に含まれるMYCN遺伝子およびN- アセチルグルコサミンキナーゼ(NAGK)遺伝子を検出する工程、
該NAGK遺伝子に対するMYCN遺伝子の量比を算出する工程、ならびに
量比に基づいて被験者の状態を決定する工程、
を含むことを特徴とする。
前記体液は、血清であることが好ましい。
前記検出工程がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行なわれることが好ましい。
本発明の神経芽腫の診断方法によると、適切な対照遺伝子を設定してハプロイド当たりのMYCNのコピー数を調べることにより、神経芽腫の診断時および治療コースにおいて神経芽腫の悪性度、治療の層別化、治療効果の判定および再発のマーカーを提供することができ、非常に有利な方法である。
本発明の診断方法においては、測定対象物が被験者由来の体液、特に血清である場合、治療前、治療中、治療後の各段階で採取して保管することができ、患者に負担が少なく、簡便かつ精度良く神経芽腫の診断を行なうことができる。
本発明の診断方法においては、シングルコピー対照遺伝子としてヒト第2染色体短腕かつMYCN遺伝子のアンプリコン外に位置する遺伝子、特にNAGK遺伝子 (2p12) を選択した場合、MYCN/NAGK比を計算して神経芽腫のマーカーをより具体的な数値として提供することができる。
本発明の診断方法においては、検出工程を当技術分野において広く普及しているPCRで行なった場合、より定量性に優れた診断方法を提供することができる。
本明細書において「遺伝子」または「DNA」とは、2本鎖DNAのみならず、それを構成するセンス鎖およびアンチセンス鎖といった各1本鎖DNAを包含する趣旨で用いられ、その長さによって特に制限されるものではない。従って、本明細書において遺伝子( DNA) とは、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNAおよびcDNAを含む1本鎖DNA(正鎖)ならびに該正鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(相補鎖)、およびこれらの断片のいずれもが含まれる。また当該「遺伝子」または「DNA」には、特定の塩基配列(配列番号:1)で示される「遺伝子」または「DNA」だけでなく、これらによりコードされるタンパク質と生物学的機能が同等であるタンパク質(例えば同族体(ホモログやスプライスバリアントなど)、変異体および誘導体)をコードする「遺伝子」または「DNA」が包含される。かかる同族体、変異体または誘導体をコードする「遺伝子」または「DNA」としては、具体的には、ストリンジェントな条件下で、前記の配列番号:1で示される特定塩基配列の相補配列とハイブリダイズする塩基配列を有する「遺伝子」または「DNA」を挙げることができる。
例えばヒト由来のタンパク質のホモログをコードする遺伝子としては、当該タンパク質をコードするヒト遺伝子に対応するマウスやラットなど他生物種の遺伝子が例示でき、これらの遺伝子(ホモログ)は、HomoloGene(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/HomoloGene/ )により同定することができる。
なお、遺伝子またはDNAは、機能領域の別を問うものではなく、例えば発現制御領域、コード領域、エキソン、またはイントロンを含むことができる。
本発明におけるMYCN遺伝子とは、N−MYCまたはN−myc遺伝子とも呼ばれ、ヒト由来の遺伝子(GenBank accession No. NM_005378) が好ましい。
従って本明細書において「MYCN遺伝子 (DNA) 」という用語を用いる場合、配列番号で特に指定しない限り、特定塩基配列(配列番号:1)で示されるヒトMYCN遺伝子(DNA)や、その同族体、変異体および誘導体などをコードする遺伝子(DNA)を包含する趣旨で用いられる。具体的には、配列番号:1に記載のヒトMYCN遺伝子、そのマウスホモログ、ラットホモログなどが包含される。
経芽腫では、腫瘍細胞の染色体数が変化している症例が見られ、特定の染色体の本数が増加して3倍体となっている腫瘍は相対的に予後が良いが、正常(46染色体)に近いものは予後が悪いとされている。したがって、本発明においては、染色体数の増加に伴って見かけ上MYCN遺伝子が増幅している試料をも検査する場合にこのような要因を除いて定量できる対照遺伝子をおく。すなわち、好ましい対照遺伝子は、MYCN遺伝子と同じ遺伝子座(ヒトでは第2染色体短腕)に位置し、かつMYCN遺伝子(2p24)のアンプリコン外に位置するものである。本発明においては、前記条件を満たし、種々の癌で増幅されず、神経芽腫で増幅も欠失もない領域に存在し、第2染色体数の変動の影響を受けない遺伝子として、N−アセチルグルコサミンキナーゼ(NAGK)遺伝子(2p12)が特に好ましい。
本発明の神経芽腫の体液による検査方法は、下記工程を含むことを特徴とするものである。
(1)被験者由来の体液中に含まれる、MYCN遺伝子およびN- アセチルグルコサミンキナーゼ(NAGK)遺伝子を検出する工程
被験者は、特に限定されるものではないが、新生児から7歳くらいまでの小児が主な対象であり、思春期から成人までをも対象とする。本発明の決定方法を行なう前に、または本決定方法と同時に他の診断方法により予備的な検査を行なってもよい。
前記体液としては、腫瘍由来のDNAが含まれているものであれば特に限定されず、血液、血清、血漿、髄液、胸水、腹水または尿があげられるが、比較的含有量の多い血清が好ましい。
MYCN遺伝子および対照遺伝子を検出する方法としては、公知の遺伝子増幅方法が制限なく用いられ、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、Loop-Mediated Isothermal Amplification (LAMP法、http://loopamp.eiken.co.jp/ )、Isothermal and Chimeric primer-initiated Amplification of Nucleic acids(ICAN (登録商標) 法、http://www.takara-bio.co.jp/) 等があげられる。前記遺伝子増幅方法は、いずれも市販のキットを用いて製造業者の指示にしたがって行なうことができ、蛍光色素で標識したプローブを用いることによりリアルタイムに遺伝子増幅産物を検出して定量することができる。なかでも最も普及しているリアルタイムPCRを用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。
前記遺伝子増幅方法に用いるプライマーセットは、各増幅方法に応じて、MYCN遺伝子配列および対照遺伝子配列の中から適した配列を適宜選択することができる。この際、既に登録されているSNPをデータベース等で調べ、SNPのない領域からプライマー配列を選択することが好ましい。リアルタイムPCRに用いられうるプライマーセットの例として、MYCN遺伝子増幅用プライマーセット(配列番号:2、3)およびNAGK遺伝子増幅用プライマーセット(配列番号:5、6)を配列表および実施例に記載する。
(2) 前記対照遺伝子に対する前記MYCN遺伝子の量比を算出する工程
前記工程(1) で検出したMYCN遺伝子(M)および対照遺伝子(N)の量から、M/Nを算出する。例えば、対照遺伝子としてNAGK遺伝子を選択し、MYCN遺伝子の増幅がない場合、血清M/Nは約1.0であり、悪性度の高い進行した神経芽腫の場合、血清M/Nは約100〜800程度までになる。好ましいカットオフ値は、2.0〜2.2である。
(3) 前記量比に基づいて被験者の状態を決定する工程
本工程において、前記工程(2) で算出した対照遺伝子に対するMYCN遺伝子の量比に基づいて被験者の状態を決定することができる。
a)神経芽腫の患者の一次スクリーニングに使用する場合
本診断方法を用いて、初期のステージの患者の場合でも有意な量のゲノムDNAが体液から検出されうることが実施例により示されている。したがって、本診断方法は、MYCN遺伝子の増幅を有する患者は、初期ステージから進行したステージまでスクリーニングすることができ、一次スクリーニングとして有用である。
b)神経芽腫の治療の層別化に使用する場合
本診断方法を用いて、第2染色体数の変動の影響を受けることなく、体液中のDNAにおけるM/N比を評価することにより腫瘍DNAにおけるMYCN遺伝子の増幅を検出することができる。本診断方法を用いることにより、バイオプシまたは腫瘍の切除に先立つ診断時においてMYCN遺伝子のコピー数を予測することが可能になる。
c)神経芽腫の治療成績の判定に使用する場合
本診断方法を用いて、MYCN遺伝子の増幅を有する同一患者の治療前の体液と治療後の体液とを比較し、治療前におけるM/N比と治療後におけるM/N比とを比較して有意に低下した場合、治療が成功したことを示す。したがって、本診断方法は、神経芽腫の治療成績の判定に使用することができる。
d)神経芽腫の予後の判定に使用する場合
本診断方法を用いて、MYCN遺伝子の増幅を有する治療中の患者を経過観察することができる。治療前のM/N比と対比しながら検査し、値が有意に低下した時点から治療効果を奏していることが示唆される。したがって、本診断方法は、神経芽腫の予後の判定に使用することができる。
e)神経芽腫の再発の指標に使用する場合
本診断方法により初期のステージの患者を検出することができることから、MYCN増幅患者が緩解した後のフォローアップにおいて再発の初期検出にも有用である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
神経芽腫の患者の血清中のMYCN遺伝子の増幅に基づく診断方法
1.試料の調製
京都府立医科大学病院で神経芽腫と診断された53名の患者は、各患者からのインフォームドコンセントを得て本研究で登録されたものである。腫瘍検体は、外科的に切除して直ちに−80℃で保存した。末梢血は、手術前に各患者から採取した。また、血液試料は、15名の非担癌小児からインフォームドコンセントを得て、正常対照物として採取した。血清は、凝固させた後1000gで10分間遠心分離することにより調製し、使用するまで−20℃で保存した。
神経芽腫患者の群分けは、サザンブロッティングにより決定し、MYCNの増幅が認められた11名の患者群と増幅が認められなかった42名の患者群であった。診断時における患者の年齢は、27名の患者が1歳未満で、26名の患者が1歳であった。これらの患者のステージ分布を表1に示す。
Figure 0003901684
2.DNAの単離
DNAを、QIAmp tissue and blood kits(QIAGEN製)を用いて製造業者のプロトコールに従って、組織および血清試料からそれぞれ抽出した。
3.リアルタイム定量PCR
リアルタイム定量PCRは、ABI Prism(登録商標)5700シークエンスディテクションシステム(Applied Biosystems製)でTaqMan(登録商標)法により行なった。TaqMan(登録商標)ユニバーサルPCRマスターミックス(Applied Biosystems製)、200nmol/lの各プローブ、および100nmol/lのフルオロジェンプローブを含むPCR混合物を用いて、Clin. Chem., 43:752-758, 1997 に記載の方法に準じて行なった。MYCN配列に加えて、染色体2p12に位置するN−アセチルグルコサミンキナーゼ遺伝子(NAGK: GenBank accession No.NM_017567)をシングルコピー対照遺伝子として同時に測定した。
MYCNの検出に使用したプライマーおよびTaqManプローブの配列は、以下の通りである:
MYCN-forward, 5 ’-GTGCTCTCCAATTCTCGCCT-3 ’(配列番号:2)
MYCN-reverse, 5 ’-GATGGCCTAGAGGAGGGCT-3’ (配列番号:3)
MYCN-probe, 5 ’ FAM-CACTAAAGTTCCTTCCACCCTCTCCT-TAMRA 3 ’ (配列番号:4) 。
NAGKの検出に使用したプライマーおよびTaqManプローブの配列は、以下の通りである:
NAGK-forward, 5 ’-TGGGCAGACACATCGTAGCA-3 ’(配列番号:5)
NAGK-reverse, 5 ’-CACCTTCACTCCCACCTCAAC-3’(配列番号:6)
NAGK-probe, 5 ’ VIC-TGTTGCCCGAGATTGACCCGGT-TAMRA-3 ’(配列番号:7)。
すべてのPCR反応は2 連で行ない、95℃で5分の1サイクルの後、95℃で15秒と60℃で1分を50サイクルでPCR増幅を行なった。標準曲線は、20ng/lのサケ***DNAと健常ドナーのDNAを4倍系列の希釈物(20、5、1.25、0.3125および0.078125ng/l)を含む試料で行なった各PCRでそれぞれ作製した。各試料中の標的遺伝子の用量は、前記標準曲線を用いて内挿した。次いで、試料DNAのMYCNコピー数は、NAGKに対するMYCNの量比(M/N比)により決定した。血清DNAおよび腫瘍DNA中のM/N比を、各患者につき測定した。
[結果]
1.血清DNA中のM/N比を測定することによる腫瘍中のMYCNの状態の予測(図1)
図1は、様々な患者におけるM/N比の分布をグラフ化したものである。MYCNが増幅した神経芽腫患者(平均±SE:300.05±68.25)は、MYCNが増幅していない神経芽腫患者(1.01±0.12、p<0.005)および非担癌患者(0. 99±0. 10,p<0. 005)と比べて血清M/N比が有意に高い。差は、Welchのt−検定で分析した。MYCNが増幅していない神経芽腫患者と非担癌小児との間では、血清M/N比に有意差はなかった(p>0. 5、Studentのt検定による)。カットオフ値2.11は、非担癌の平均+3SDで決定した。MYCNが増幅していない42例の神経芽腫患者のうち5例 (11. 9%)は、前記カットオフ値を若干超える高い血清M/N比であることが明らかになった。
2.MYCN増幅患者における血清DNAと腫瘍DNAとの間のM/N比の相関関係(図2)
図2では、MYCN増幅患者における血清DNAと腫瘍DNAとの間のM/N比の関係を示し、直線回帰分析により評価した。血清DNAのM/N比と腫瘍DNAのM/N比との間には有意な相関があった(r2 =0. 548、p<0. 001) 。MYCN増幅を有するステージ1患者の血清M/N比は、腫瘍M/N比と比べて相対的に低かった(188. 9対521. 6)。しかしながら、前記血清M/N比は、診断の時点でMYCNが増幅していない患者と区別するには十分高い値であった。
3.治療効果および再発に関する血清M/N比のポテンシャルマーカー(図3)
治療開始後に適時複数の時点で血清試料を利用可能な5名の患者(MYCN増幅あり)において、血清M/N比を引き続いて分析した。完全緩解した3名の患者(症例1〜3)において、血清M/N比は正常範囲まで低下し、11年間完全緩解にある1名の患者(症例3)においては、再発を示す有意な上昇もなく一貫して低かった(図3A〜C)。対照的に、完全緩解を達成することに失敗し、その後に腫瘍が治療に耐性を示すようになった1名の患者(症例4)は、血清M/N比が正常範囲まで低下せず、死に至るまで有意な高レベルを保持した(図3D)。
一旦緩解に達したが2年間の潜伏期の後に脳の転移を発症した別の患者(症例5)は、MRIによる脳転移の診断前6週間および診断時の血清M/N比は、それぞれ3.6および8.9であった。これらの値は、初診時のレベルと比較して有意に低かったけれども、すでに正常範囲を超えて上昇していた。しかしながら、前記患者が2年後に播種性の骨転移を生じたときには、血清M/N比は初診時に相当するレベルにまで上昇していた(図3E)。
患者群毎の血清DNAにおけるM/N比の分布図である。 MYCN増幅を有する患者の血清DNAと腫瘍DNAにおけるM/N比をプロットした図である。 MYCN増幅を有する5名の患者の血清M/N比を治療コース毎に示す棒グラフである。各症例において、左端のカラムは診断時の血清M/N比を示し、右端のカラムにかけて経時的に血清M/N値を検査している。

Claims (3)

  1. 被験者由来の体液中に含まれるMYCN遺伝子およびN- アセチルグルコサミンキナーゼ(NAGK)遺伝子を検出する工程、
    該NAGK遺伝子に対するMYCN遺伝子の量比を算出する工程、ならびに
    量比に基づいて被験者の状態を決定する工程、
    を含むことを特徴とする神経芽腫の体液による検査方法。
  2. 前記体液が血清である請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出工程が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により行われる請求項1または2のいずれかに記載の方法。
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