JP3900834B2 - ゴム組成物及び耐熱ホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はゴム組成物及び耐熱ホースに関する。更に詳しくは、本発明は、カルボキシル基含有アクリルゴム組成物において、最適な平均粒子径とDBP吸油量を備えるカーボンブラックを適量配合すると共に、これと他の必要又は有益な配合剤との合計配合量及びゴム組成物のムーニー粘度を特定範囲の値に設計することにより、ホースの十分な耐熱性,耐圧縮永久歪性,低温性,耐油性等を維持したもとで、大口径ホースを良好に押出し可能としたアクリルゴム組成物と、これを用いた耐熱ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、耐熱性や耐油性を要求されるホース、例えば自動車用のオイル系ホースやエア系ホース等の用途には、アクリルゴムを基材とするゴム組成物が良く用いられている。そしてかかるアクリルゴム組成物においては、その耐熱性や圧縮永久歪性等の改良を目的として、カルボキシル基含有アクリルゴムの使用や、アクリルゴムのモノマー組成又は加硫剤その他の配合剤の選択が種々に提案されている。
【0003】
例えば、特開平11−343378号公報に係る発明では、スチーム加硫物がプレス加硫物と同等の加硫物性を有し、熱負荷後の強度低下の少ない耐油性ホース用のゴム組成物を提供する目的で、アクリル酸アルキルエステルとフマル酸モノエステルを共重合したアクリルゴム及び所定の加硫剤を含む耐油性ホース用ゴム組成物を開示している。
【0004】
又、特開平2000−44757号公報に係る発明では、シール用の加硫性ゴム組成物ではあるが、アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸ブチルとブテンジオン酸モノアルキルエステルを共重合した、高温引裂き強度に優れたカルボキシル基含有アクリルゴム組成物を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなアクリルゴム組成物を例えばターボチャージャー搭載車両における過給機用エアホース等に用いるにあたっては、▲1▼優れた耐熱性を有し、かつ▲2▼高耐熱条件において圧縮永久歪が小さいことに加え、▲3▼内径が30〜100mmと言う大口径の押出し加工を良好に行えることが必要とされる。しかし本願発明者の研究により、上記各従来技術に係るアクリルゴム組成物ないしはカルボキシル基含有アクリルゴム組成物では、これら▲1▼〜▲3▼の3条件を同時に満たすのが困難であることが判明した。
【0006】
上記従来技術に係るアクリルゴム組成物又はカルボキシル基含有アクリルゴム組成物における、アクリルゴムのモノマー組成の選択や加硫剤の配合内容等は、それ自体としては必要又は有益なものである。しかしながら、上記アクリルゴム組成物又はカルボキシル基含有アクリルゴム組成物においては、上記▲1▼及び▲2▼の条件がクリアされたとしても、そのゴム組成物を大口径に押出すと未加硫ホースがヘタリを起こして、良好な押出し加工が困難である。
【0007】
その主たる理由は、本願発明者の研究によれば、最適な平均粒子径とDBP吸油量を備えるカーボンブラックを適量配合していないこと、このことにも関連して、ゴム組成物における配合剤の合計配合量、及びゴム組成物のムーニー粘度が適正に調整されていないこと、等に求められる。
【0008】
一般的に、アクリルゴムに対して加硫剤と共にカーボンブラックを配合すると、押出された未加硫ホースのヘタリはある程度抑制されるが、押出肌,耐熱性は不十分である。更に未加硫ホースの押出肌を一層良好とするためにカーボンブラックを過剰に配合すると、加硫後にゴム組成物が硬くなり、耐圧縮永久歪性や耐熱性が悪化する。
【0009】
そこで本発明は、上記▲1▼〜▲3▼の3条件を同時に良好に満たすカルボキシル基含有アクリルゴム組成物と、これを用いて良好に形成された耐熱ホースとを提供することを、解決すべき課題とする。本願発明者は、このような技術的課題を解決するためのポイントが、「加硫ゴムを硬くすることなく未加硫ゴムのムーニー粘度を高める」点にあることに気付き、本願発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明(請求項1に記載の発明)の構成は、モノマー組成においてエチルアクリレートを55〜75重量%、n−ブチルアクリレートを25〜45重量%含み、かつカルボキシル基導入用モノマーを含むカルボキシル基含有アクリルゴムを基材とするゴム組成物であって、
前記ゴム組成物には、基材100重量部に対し、平均粒子径が30〜60nmでありDBP吸油量が150cc/100g以上であるカーボンブラック50〜80重量部と、ジアミン化合物1.2〜1.6重量部及びグアニジン化合物1.5〜2.5重量部からなる加硫剤2.7〜4.1重量部とをそれぞれ配合すると共に、これらの配合剤を含めて基材100重量部に対し合計165〜220重量部となるように配合剤を配合し、かつ、ムーニー粘度(ML 1+3 121°C)を30〜70の範囲内に調整した、ゴム組成物である。
【0014】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明(請求項2に記載の発明)の構成は、前記第1発明に係るゴム組成物を用いて内径30〜100mmにて押出し成形した、耐熱ホースである。
【0015】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明(請求項3に記載の発明)の構成は、前記第2発明に係る耐熱ホースが自動車のエア系又はオイル系の高耐熱ホースに用いられるものである、耐熱ホースである。
【0016】
【発明の作用・効果】
(第1発明の作用・効果)
本願発明者の研究によれば、カルボキシル基を含有するアクリルゴム組成物のムーニー粘度(ML 1+3 121°C)を30〜70の範囲内に調整すると、例えば30〜100mmと言う大口径ホースであっても押出した未加硫ホースのヘタリを起こさず、良好に押出し成形することができる。
【0017】
しかも、ゴム組成物に配合する前記カーボンブラックの平均粒子径が30〜60nmである場合、これよりも平均粒子径の小さな(例えば、平均粒子径20〜30nm未満)カーボンブラックを用いる場合に比較して、耐熱性、圧縮永久歪性等の点で有利である。又、ゴム組成物に配合する前記カーボンブラックのDBP吸油量が150cc/100g以上であると、これよりもDBP吸油量の小さな(例えば115〜145cc/100g程度の)カーボンブラックを用いる場合に比較して、押出時のヘタリ防止、押出肌等の点で有利である。
【0018】
カーボンブラックの配合量を基材100重量部に対して50〜80重量部とすることで、カルボキシル基含有アクリルゴム組成物の上記ムーニー粘度に大きな影響を与えることなく、カーボンブラック配合の本来の目的である引張強度、耐熱性、押出時のヘタリ防止等を確保できる。
【0019】
加硫剤の配合量を基材100重量部に対して2.7〜4.1重量部とすることで、カルボキシル基含有アクリルゴム組成物の上記ムーニー粘度に大きな影響を与えることなく、加硫剤配合の本来の目的である耐熱性、圧縮永久歪性等を確保することができる。
【0020】
そして、上記配合量に係るカーボンブラック及び加硫剤のみではカルボキシル基含有アクリルゴム組成物の前記ムーニー粘度を実現することは困難であるが、これら以外の必要又は有益な各種配合剤を基材100重量部に対し合計165〜220重量部となるように配合するので、上記ムーニー粘度を実現する配合処方は極めて自由度が高くなり、容易である。カーボンブラック及び加硫剤以外の必要又は有益な各種配合剤として、老化防止剤、可塑剤、加工助剤等を任意に選択して適当量配合することができる。
【0021】
以上の点から、第1発明のゴム組成物においては、優れた耐熱性を有し、かつ高耐熱条件において圧縮永久歪が小さく、しかも内径30〜100mmと言う大口径の押出し加工を良好に行うことができると言う作用・効果も併せ備える。
【0022】
(第2発明の作用・効果)
第1発明に係るゴム組成物に配合する加硫剤としては、耐熱性、圧縮永久歪性等の点から、ジアミン化合物及びグアニジン化合物を併用することが、とりわけ好ましい。
【0023】
(第3発明の作用・効果)
上記第2発明のように、加硫剤としてジアミン化合物及びグアニジン化合物を併用する場合、それらの配合量を基材100重量部に対してそれぞれ、ジアミン化合物が1.2〜1.6重量部、グアニジン化合物が1.5〜2.5重量部とすることが、耐熱性、圧縮永久歪性及び組成物の貯蔵安定性の面から、特に好ましい。
【0024】
(第4発明の作用・効果)
基材であるカルボキシル基含有アクリルゴムのモノマー組成を第4発明のようにすると、耐熱性、圧縮永久歪性、耐油性、耐寒性等の点で優れる。
【0025】
(第5発明の作用・効果)
第5発明の耐熱ホースは、優れた耐熱性を有し、かつ高耐熱条件において圧縮永久歪が小さく、しかも内径30〜100mmと言う大口径であるにも関わらずその未加硫体の押出し加工をヘタリを伴わずに良好に行うことができる。
【0026】
(第6発明の作用・効果)
上記第5発明の耐熱ホースは、第6発明のように自動車のエア系又はオイル系の高耐熱ホースに好適に用いられ、とりわけ自動車の過給機用エアホースに好適に用いられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、第1発明〜第6発明の実施の形態について説明する。以下において単に「本発明」と言うときは第1発明〜第6発明を一括して指している。
【0028】
〔ゴム組成物〕
本発明に係るゴム組成物はカルボキシル基を含有するアクリルゴムを基材とし、この基材100重量部に対してカーボンブラック50〜80重量部と、加硫剤2.7〜4.1重量部とが配合されている。又、このアクリルゴム組成物には、上記基材100重量部に対して上記カーボンブラック及び加硫剤を含めて合計165〜220重量部となるように配合剤が配合され、JIS K 6300によるムーニー粘度(ML 1+3 121°C)が30〜70の範囲内に調整されている。
【0029】
〔アクリルゴム〕
アクリルゴムは、架橋席としてカルボキシル基を含有するアクリルゴムであって、少なくとも、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート及びカルボキシル基を含有する架橋席モノマーを、乳化重合,懸濁重合,溶液重合,塊状重合等の公知の方法で共重合させたものである。モノマー組成において、エチルアクリレートを55〜75重量%、n−ブチルアクリレートを25〜45重量%としたものが、アクリルゴムの耐熱性、圧縮永久歪性、耐油性、耐寒性等の点で、特に好ましい。
【0030】
上記カルボキシル基を含有する架橋席モノマーの種類及びモル比は限定されないが、例えば、ブテンジオン酸モノアルキルエステル、詳しくはマレイン酸モノアルキルエステル,フマル酸モノアルキルエステル,イタコン酸モノアルキルエステル等を0.5〜2程度のモル比に共重合させることができる。
【0031】
カルボキシル基含有アクリルゴムには、上記のモノマー成分以外にも、任意に適当な種類のモノマー成分を含ませることができる。かかるモノマー成分として、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−ペンテン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有化合物が例示される。1,1−ジヒドロペルフルオロエチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,5−トリヒドロペルフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、1,1,2,2−テトラヒドロペルフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,7−トリヒドロペルフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロオクチル(メタ)アクリレート、1,1−ジヒドロペルフルオロデシル(メタ)アクリレート等の含フッ素アクリル酸エステルも例示される。1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有アクリル酸エステルも例示される。ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の第3級アミノ基含有アクリル酸エステルも例示される。メチルメタクリレート、オクチルメタクリレート等のメタクリレートも例示される。メチルビニルケトン等のアルキルビニルケトンも例示される。ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテル等のビニル及びアリルエーテルも例示される。スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物も例示される。アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のビニルニトリルも例示される。その他にも、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルフマレート等が例示される。
【0032】
〔カーボンブラック〕
本発明において、基材であるカルボキシル基含有アクリルゴムに配合されるカーボンブラックは、平均粒子径が30〜60nmであり、DBP吸油量が150cc/100g以上のものが、基材100重量部に対し50〜80重量部用いられる。より好ましくは、カーボンブラックは、上記DBP吸油量を示し、平均粒子径が35〜50nmであるものが配合される。
【0033】
上記において、「カーボンブラックの平均粒子径」とは、電顕法で測定される長さ平均粒子径で表示される値を言う。又「カーボンブラックのDBP吸油量」とは、JIS K 6221のA法(機械法)に準じて測定される値を言う。
【0034】
好ましく使用することができるカーボンブラックの具体例として、東海カーボン社製の「シースト116HM(商品名)」及び「シーストFM(商品名)」等や、旭カーボン社製の「旭F−200(商品名)」等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、要求される特性に応じて、1種類を単独に、あるいは2種類以上を混合して使用することができる。
【0035】
〔加硫剤〕
加硫剤は、基材であるカルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対し、2.7〜4.1重量部配合される。より好ましくは、基材100重量部に対し、3.0〜3.8重量部配合される。配合される加硫剤の種類、及び2種以上の加硫剤を使用する場合におけるその組み合わせは、限定されない。
【0036】
好ましくは、加硫剤がジアミン化合物及びグアニジン化合物からなる。この場合において、基材100重量部に対する各加硫剤の配合量が次のようであり、かつそれらの合計配合量が基材100重量部に対して2.7〜4.1重量部であることが、より好ましい。即ち、ジアミン化合物が1.2〜1.6重量部、より好ましくは1.3〜1.5重量部、グアニジン化合物が1.5〜2.5重量部、より好ましくは1.8〜2.2重量部である。
【0037】
上記ジアミン化合物として、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンカーバメイト、テトラメチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン−シンナムアルデヒド付加物及びヘキサメチレンジアミン−ジベンゾエート塩、4,4’−メチレンジアニリン、4,4’−オキシフェニルジフェニルアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)等を例示できる。
【0038】
上記グアニジン化合物としては、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ジブチルグアニジン等を例示できる。
【0039】
〔その他の配合剤〕
本発明のゴム組成物においては、基材であるカルボキシル基含有アクリルゴム100重量部に対して、上記カーボンブラック及び加硫剤を含め合計165〜220重量部となるように配合剤が配合される。即ち、上記した合計配合量の範囲内において、カーボンブラック及び加硫剤以外の任意の種類の配合剤を、任意量配合することができる。
【0040】
カーボンブラック及び加硫剤以外の、任意に配合される配合剤として、例えば、加硫促進剤,白色充填剤,老化防止剤等の公知の各種添加剤を例示することができる。
【0041】
〔耐熱ホース〕
本発明に係る耐熱ホースは、カルボキシル基含有アクリルゴムを基材とする上記いずれかのゴム組成物を用いて、内径30〜100mmにて押出し成形したものである。
【0042】
耐熱ホースの用途は限定されないが、特に好ましくは、自動車のエア系又はオイル系の高耐熱ホースに用いられる。エア系の高耐熱ホースとしては、過給機用ホース等が例示される。オイル系の高耐熱ホースとしては、エンジンオイルクーラーホース,AT(オートマチックトランスミッション)用オイルクーラーホース,パワーステアリング用ホース等が例示される。
【0043】
ゴムホースの構成としては、例えば、アクリル系ゴムから得た単一ホースとしての適用が可能である。又、ゴムホースの用途によっては、アクリル系ゴム以外の合成ゴム、例えばフッ素ゴム,フッ素変性アクリルゴム,ヒドリンゴム,CSM,CR,NBR,エチレン・プロピレンゴム等を内層、中間層、あるいは外層に用いた複合ホースへの適用も可能である。又、補強糸あるいはワイヤーを中間層、最外層に設けることも可能である。
【0044】
【実施例】
〔アクリルゴム未加硫組成物の調製〕
末尾の表1〜表3に表記した実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例13に示すアクリルゴム未加硫組成物を調製した。
【0045】
即ち、それらのアクリルゴム未加硫組成物は、末尾の表4に示すモノマー組成(重量%)を有する「アクリルゴム−1」〜「アクリルゴム−4」のいずれかのカルボキシル基含有アクリルゴムを基材とする。それらの基材100重量部に対し、表1〜表3の各実施例及び比較例の欄に示す配合処方(重量部表記)に従い、加硫剤(ジアミン化合物、グアニジン化合物)を除く配合剤を1.7Lのバンバリーミキサーで混練し、更に8インチロールにて、上記加硫剤を混合したものである。
【0046】
表1〜表3における「カーボンブラック1」〜「カーボンブラック7」の平均粒子径(nm)及びDBP吸油量(cc/100g)を末尾の表5に一括して示し、表1〜表3における加硫剤及びカーボンブラックを含む各配合剤の商品名等を末尾の表6に一括して示す。
【0047】
〔アクリルゴム未加硫組成物の評価〕
(ムーニー粘度)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物について、JIS K 6300に準拠してL形ローターを使用し、試験温度121°C、1分間予熱後、ローターを回転させ3分後の値を測定することにより、ムーニー粘度(ML 1+3 121°C)を測定した。その結果を表1〜表3に示す。
【0048】
(押出加工性1−ガーベダイ評価)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物について、ASTM D2230に準拠して、未加硫ゴムに40°C×72時間後の熱老化を施した後のガーベダイ評価によって行った。表1〜表3における「押出加工性1−エッジ」の欄の表記はガーベダイによる押出成形物のエッジ部分の外観(鋭利性と連続性)を表し、この欄の数値は1(劣)から10(優)までの10段階評価の値を表す。又、表1〜表3における「ガーベダイ評価−表面肌」の欄の表記は表面肌の平滑性を表し、この欄の「A〜E」の文字はそれぞれA(優)からE(劣)までの5段階評価の記号を表す。
【0049】
(押出加工性2)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物をダイス径50mm、スピンドル径45mm、スクリュー回転40r.p.m.にて押出してチューブ形状の押出サンプルを作製し、この押出サンプルを40°C×24時間放置した後、チューブ形状を目視評価した。そして、チューブ形状保持性として、上記の24時間放置後のチューブ直径が元の(24時間放置前の)チューブ直径に比較して75%以上であるものを「○」、上記の24時間放置後のチューブ直径が元のチューブ直径に比較して50%〜75%未満の範囲であるものを「△」、上記の24時間放置後のチューブ直径が元のチューブ直径に比較して50%未満であるものを「×」、と評価した。評価結果を表1〜表3における「押出加工性2」の欄に示した。
【0050】
(常態物性)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物を用いて6インチミキシングロールにより厚さ2mmの未加硫ゴムシートを作製し、これに160°C×60分のプレス加硫の後、150°C×8時間のオーブン加硫を施して、常態物性評価用のシート状のゴム試験片を得た。これらのゴム試験片につき、JIS K 6251に準拠して引張り強さ(MPa)及び伸び(%)を評価した。評価結果を表1〜表3における「常態物性」の欄に示す。
【0051】
(耐熱性)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物を用いて、上記「常態物性」の項と同様のシート状のゴム試験片を耐熱性評価用に作製し、JIS K 6257に準拠して、175°C×750時間の耐熱老化後の伸び(%)を評価した。又、耐熱老化後のJIS 5号ダンベルを180°折曲げ、亀裂の発生や折れ等の異常がないかどうかを外観評価した。評価結果を表1〜表3における「常態物性」の欄に示す。異常のないものを「OK」と表記し、異常のあるものはその具体的内容を表記した。
【0052】
(圧縮永久歪)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物を用いて、JIS K 6262に準拠する大型試験片を、160°C×60分のプレス加硫と150°C×8時間のオーブン加硫を通じて作製し、JIS K 6262に準拠して200°C×22時間の耐熱老化後の圧縮永久歪(%)を評価した。評価結果を表1〜表3における「圧縮永久歪」の欄に示す。
【0053】
(低温性)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物を用いて、上記「常態物性」の項と同様のシート状のゴム試験片を低温性評価用に作製し、これらの試験片をJIS K6301に準拠して脆化温度(°C)により低温性を評価した。評価結果を表1〜表3における「低温性」の欄に示す。
【0054】
(耐油性)
各例に係るアクリルゴム未加硫組成物を用いて、上記「常態物性」の項と同様のシート状のゴム試験片を耐油性評価用に作製し、これらの試験片をIRM 903オイルに150°Cで72時間浸漬した後の体積変化率(%)を測定して、耐油性を評価した。評価結果を表1〜表3における「耐油性」の欄に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【表5】
【0060】
【表6】
Claims (3)
- モノマー組成においてエチルアクリレートを55〜75重量%、n−ブチルアクリレートを25〜45重量%含み、かつカルボキシル基導入用モノマーを含むカルボキシル基含有アクリルゴムを基材とするゴム組成物であって、
前記ゴム組成物には、基材100重量部に対し、平均粒子径が30〜60nmでありDBP吸油量が150cc/100g以上であるカーボンブラック50〜80重量部と、ジアミン化合物1.2〜1.6重量部及びグアニジン化合物1.5〜2.5重量部からなる加硫剤2.7〜4.1重量部とをそれぞれ配合すると共に、これらの配合剤を含めて基材100重量部に対し合計165〜220重量部となるように配合剤を配合し、かつ、ムーニー粘度(ML 1+3 121°C)を30〜70の範囲内に調整したことを特徴とするゴム組成物。 - 請求項1に記載のゴム組成物を用いて内径30〜100mmにて押出し成形したことを特徴とする耐熱ホース。
- 前記耐熱ホースが自動車のエア系又はオイル系の高耐熱ホースに用いられるものであることを特徴とする請求項2に記載の耐熱ホース。
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