JP3899947B2 - 経路設定方法、ナビゲーション装置、並びにそれらのコンピュータ・プログラム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を算出すると共に、算出した経路に関する情報を当該ユーザに提供するナビゲーション装置等の技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インターネット等の通信環境を利用して、外部のサーバ等からパーソナルコンピュータに各種情報を取得する技術が普及しており、例えば特開平11−143358号公報には、係る通信環境において通信可能に接続された通信機能を備える車載ナビゲーション装置と情報センターとの間において、経路誘導等のナビゲーションを行う技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のナビゲーション装置によれば、目的地への移動中において、有益な各種情報を取得することができ、効率的な移動が行える。
【0004】
しかしながら、複数箇所の目的地を車両(自動車)を利用して巡る際には、それら目的地のうち、比較的狭い範囲に存在する個々の目的地に関して、車両(自動車)によって移動すべきなのか、或いは、徒歩によって移動すべきなのか判断に迷う場合がある。
【0005】
更に、比較的狭い範囲に存在する個々の目的地を徒歩によって移動する場合には、車両をどこに駐車すべきなのか判断に迷う場合がある。
【0006】
そこで本発明は、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含める経路設定方法、ナビゲーション装置、並びにそれらのコンピュータ・プログラムの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る経路設定方法は、以下の構成を特徴とする。
【0008】
即ち、所望の複数目的地を巡る経路を、コンピュータを利用して、ユーザに提供する経路設定方法であって、
地図情報に予め定義されている複数の目的地候補のうち、徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する個々の目的地候補を1つの群として関連付けて、データベースに記憶する記憶工程と、提供すべき経路の算出に先立って、前記複数の目的地候補の中からユーザによって選択された複数の目的地が、前記群として互いに関連付けされているか否かを、前記データベースを参照することによって判断する判断工程と、前記ユーザによって選択された複数の目的地を巡る経路を、前記データベースに記憶されている地図情報及びそれら目的地の所在位置情報に基づいて算出するに際して、前記判断工程における判断の結果、それら選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地については徒歩によって移動するための第1経路を算出する一方で、前記群から外れる他の目的地については車両によって移動するための第2経路を算出する経路算出工程とを有することを特徴とする。
【0009】
好適な実施形態において、前記記憶工程では、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際して、その群を代表する1つの代表目的地候補を基準として、徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する複数の目的地候補を関連付けて設定すると共に、設定した個々の群を代表する代表目的地候補は互いに異なると良い。
【0010】
また、例えば前記記憶工程において、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際しては、その群としてのそれら目的地候補の関連付けの範囲を、前記地図情報に定義されている駐車場の所在位置情報に基づいて制限すると良い。
【0011】
また、上記の何れの場合においても、前記記憶工程においては、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際して、それら目的地候補を徒歩によって移動するのに好適な駐車場の識別情報を更に関連付けすると良い。更にこの場合において、好ましくは、前記経路算出工程において、前記ユーザによって選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地に対応する駐車場を、前記第1経路と前記第2経路との接続位置として設定すると良い。
【0012】
或いは、前記経路算出工程では、前記第1経路の算出に先立って、前記ユーザによって選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地を徒歩によって移動するのに好適な駐車場が、前記地図情報を参照することによって検索されると共に、その検索によって選択された駐車場が、前記第1経路と前記第2経路との接続位置として設定されると良い。
【0013】
尚、同目的は、上記の各構成を有する経路設定方法に対応するナビゲーション装置によっても達成される。
【0014】
また、同目的は、上記の各構成を有する経路設定方法を、コンピュータによって実現するプログラムコード、及びそのプログラムコードが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
【0015】
更に、同目的は、上記のナビゲーション装置の動作指示をなすプログラムコード、及びそのプログラムコードが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
【0016】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含める経路設定方法、ナビゲーション装置、並びにそれらのコンピュータ・プログラムの提供が実現する。
【0017】
即ち、請求項1及び請求項7の発明によれば、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含めることができる。従って、例えば車両を利用して観光地等を巡るユーザの利便性を向上することができる。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、互いに異なる代表目的地候補を基準とする複数の目的地候補が個々の群に予め設定されるので、ユーザによって選択された何れかの目的地が何れかの群の代表目的地に合致することが判れば、その群に関連付けされている他の複数の目的地候補を効率良く徒歩によって訪れることが可能な徒歩による経路誘導路を容易に算出することができる。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、ある駐車場を起点とする徒歩による移動には不適当な広範囲に存在する複数の目的地候補が、1つの群として関連付けされることが抑制されるので、徒歩によるユーザの移動時の利便性を向上することができる。
【0020】
また、請求項4の発明によれば、第1及び第2経路の算出に際して、例えば、ユーザ所望の目的地を訪れるのに地理的に便利な、或いはその目的地専用の駐車場が第1経路と前記第2経路との接続位置として設定される(請求項5)ので、車両を利用した合理的な移動と、徒歩による合理的な移動とを共に実現することができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、第1及び第2経路の算出に際して、予め用意された個々の群に駐車場が設定されていない場合であっても、徒歩によって訪れる目的地に好適な駐車場を選択することができるので、車両を利用した合理的な移動と、徒歩による合理的な移動とを共に実現することができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るナビゲーション・システムの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体構成を示すブロック図である。また、図2は、第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体概要を例示する図である。
【0024】
図1及び図2において、情報センター2は、通信機能を有するサーバ・コンピュータ等の情報処理装置であって、情報センター2のCPU21は、メモリ(記憶媒体)24に記憶されているところの、本実施形態に係るナビゲーション処理(詳細は後述する)、一般的な通信処理等の各種ソフトウエア・プログラムを実行することにより、データベース23を適宜参照しながら、通信インタフェース(I/F)22、インターネット5等の通信回線を介して、外部装置とのデータ通信を行なうと共に、ユーザが使用する携帯端末1に対して地図画像の配信等の情報提供を行なう。
【0025】
尚、以下に説明する本実施形態では、本システムを利用可能な携帯端末1が座標情報等からなる地図情報に基づく地図画像の生成機能を備えておらず、情報センター2から受信した所定のデータ形式の地図画像情報に応じて画像を表示する描画機能(例えば、インターネット用の一般的なブラウザ機能)を備える場合を例に説明する。但し、このシステム構成に限られるものではなく、携帯端末1が地図情報に基づく地図画像の生成機能と、生成した地図画像の描画機能とを備える装置構成の場合には、その携帯端末に対して情報センター2が必要な地図情報を配信するシステム構成としても良い。
【0026】
データベース(DB)23には、少なくとも、本実施形態に係るナビゲーション処理によって携帯端末1に対して提供可能な2種類の地図情報と、経路誘導に際してユーザ所望の目的地となり得る複数箇所の施設(目的地候補)を、後述する所定の関係に従って群(グループ)として関連付けした目的地候補群情報とが格納されている。
【0027】
より具体的に、データベース23には、以下のような情報が格納されており、これらの情報項目は、少なくとも携帯端末1が採用する地図情報と共通の所定の座標系に基づく。
【0028】
・車両用の地図情報:車両の現在位置の特定や移動可能な広域エリアの表示等のために参照される地図情報であって、その広域エリア上に存在するところの、車両によってユーザが移動する場合における目的地候補に関する情報(所在位置情報や施設に関する情報)、並びに車両が通行可能な一方通行、複数車線等の通行区分を含む経路情報が含まれる。
【0029】
・歩行者用の地図情報:歩行者の現在位置の特定や移動可能な広域エリアの表示等のために参照される地図情報であって、その広域エリア上に存在するところの、徒歩によってユーザが移動する場合における目的地候補に関する情報(所在位置情報や施設に関する情報)、並びに歩行者が通行可能な横断歩道、歩道橋、車道脇の歩道等の経路情報が含まれる。
【0030】
・目的地候補群情報:地図情報に定義されている複数の目的地候補のうち、一般的なユーザが徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する個々の目的地候補が、その所在位置情報または識別情報を1つの群として予め関連付けされた情報である。
【0031】
また、本実施形態では、個々の群に対して、更に、その群に属する複数の目的地候補を代表する1つの代表目的地候補と、それら目的地候補を徒歩によって巡るに際してユーザにとって利便性の高い、或いは専用の駐車場が設定されている。
【0032】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、上記の如く車両用の地図情報、歩行者用の地図情報、並びに目的地候補群情報を分けて表現したが、参照時に識別可能であれば、実際のデータ構造は限定されない。
【0033】
図3は、第1の実施形態における目的地候補群情報のデータ構造を例示する図である。また、図4は、図3に例示する目的地候補群情報に対応する個々の目的地候補の実際の配置を説明する図である。
【0034】
図3(a)乃至(c)に示すように、目的地候補群情報のデータ構造は、市街地(繁華街)や観光地を1つの地域として、個々の地域には、一般的なユーザが徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する複数の目的地候補(施設)が、1つの群として関連付けした状態で設定されている。
【0035】
また、個々の群として関連付けされた複数の目的地候補には、それら目的地候補を代表する1つのベース施設(代表目的地候補)と、そのベース施設を基準として、そのベース施設との距離(道のり)を徒歩によって移動可能な少なくとも1つの目的地候補(群施設)とが設定される。本実施形態において、個々の群に設定されるベース施設は互いに異なるが、そのベース施設を基準として関連付けされる群施設としての目的地候補は、各群間において同じであることも想定される。
【0036】
更に、1つの群には、その群として関連付けされた複数の目的地候補を徒歩によって移動するのに好適な駐車場の識別情報が更に関連付けされている。
【0037】
携帯端末1は、本システムによるナビゲーションを利用可能なユーザが利用する情報処理装置(例えばPDA、携帯電話等)であって、車両101の外部において当該ユーザに携帯された状態において、通信インタフェース16、基地局4、並びにインターネット5等の有線及び無線通信回線を介して、情報センター2とのデータ通信を行なうことにより、歩行者であるユーザに対する所望の目的地へのナビゲーション機能等を実現することができる。
【0038】
また、携帯端末1は、ユーザが乗員(ドライバ等)として車両101に乗車することによって当該車両に搭載された状態において、通信インタフェース16、基地局4、並びにインターネット5等の有線及び無線通信回線を介して、情報センター2とのデータ通信を行なうことにより、車両用ナビゲーション装置の車載機として、車両101に対する所望の目的地へのナビゲーション機能等を実現することができる。
【0039】
より具体的に、携帯端末1は、メモリ(記憶媒体)20に記憶されているところの、ユーザ所望の目的地への経路誘導等を行なうナビゲーション機能のソフトウエア(ソフトウエアプログラム)を有しており、このソフトウエアがCPU11によって適宜実行されることにより、携帯端末1は、車両101の乗員に対して、或いは、歩行者であるユーザに対して、現在位置の表示や経路誘導等のナビゲーション機能を実現する。
【0040】
即ち、携帯端末1は、車両101の外部においてユーザ102に携帯された状態において、歩行者用のナビゲーション機能を実現すべく、ユーザによるスイッチ13の操作状態、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)用の現在位置測位センサ18によって検出された現在位置情報、情報センター2から受信した歩行者用の地図画像情報に基づいて、ディスプレイ14上にユーザの現在位置周辺の地図画像を表示すると共に、ユーザ所望の目的地が設定されている場合には、その目的地まで歩行者であるユーザの経路誘導を行なう。
【0041】
尚、以下の説明では一例として表示画面によるナビゲーションとして説明するが、好適な実施形態において経路誘導等が行われる際には、マイク/スピーカ17による音声入出力が適宜使用される構成も含まれるものとする。
【0042】
更に携帯端末1は、ユーザが車室内に持ち込むことによって、車両101の内部に存在する状態において、車両用のナビゲーション機能を実現すべく、車載機として、ユーザによるスイッチ13の操作状態、GPS用の現在位置測位センサ18によって検出された現在位置情報、情報センター2から受信した車両用の地図画像情報に基づいて、ディスプレイ14上に車両101の現在位置周辺の地図画像を表示すると共に、ユーザ所望の目的地が設定されている場合には、その目的地まで車両101の経路誘導を行なう。
【0043】
尚、この場合も、好適な実施形態において経路誘導等が行われる際には、マイク/スピーカ17による音声入出力が適宜使用される構成も含まれるものとする。
【0044】
携帯端末1のCPU11は、歩行者用または車両用のナビゲーション機能を実現するに際して、歩行者用または車両用の地図画像情報を情報センター2から受信すべく、メモリ(記憶媒体)20に記憶されているところの、インターネット通信や無線通信等を行うことが可能な一般的な通信プロトコルのソフトウエアを適宜実行することにより、情報センター2に携帯端末1が接続された(ログインした)状態において、インターネット5等の通信回線を介して、所謂サーバ・クライアント環境を構成する。尚、上述した携帯端末1と情報センター2との間の通信回線は、専用の無線回線であっても良い。
【0045】
以下、本システムの具体的な動作について、携帯端末1及び情報センター2の個別な動作に即して説明する。
【0046】
<携帯端末1>
本実施形態において、携帯端末1のCPU1は、その動作中に、以下に説明するような処理を繰り返し行なう。
【0047】
即ち、携帯端末1は、ユーザによって所望の目的地への経路誘導及び地図画面情報の提供が要求され、且つ最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地が選択されると、経路誘導路の設定を要求すべく、それらの目的地の識別情報(座標情報や電話番号等)を、現在地測位センサ18を利用して検出した携帯端末1の現在位置情報と共に情報センター2に送信する。このとき、情報センター2は、当該複数の目的地を巡りながら最終目的地まで到達するための、歩行による移動のための経路誘導路(第1経路)、車両による移動のための経路誘導路(第2経路)、或いは、これら2種類の経路誘導路が組み合わされた合理的な経路誘導路を算出する。
【0048】
携帯端末1は、歩行者用または車両用のナビゲーション処理を実現するに際して、何れのナビゲーション処理を行なうべきであるかを、ユーザによるスイッチ13の所定の切り替え操作、或いは車両の内部または外部に位置することを自動的に認識する所定の方法によって判断すると共に、その判断結果と、現在地測位センサ18を利用して検出した携帯端末1の現在位置情報とを、情報センター2に所定周期で送信する。また、携帯端末1は、経路誘導を行なう場合に、その実行に先立って、ユーザによって選択された所望の目的地を特定する情報を、情報センター2に送信する。
【0049】
そして、これらの情報が送信されるのに応じて、情報センター2から地図画像情報を受信すると、携帯端末1は、受信した情報を利用して、地図画像(本実施形態では、後述する図5乃至図7に例示する画面)をディスプレイ14に表示する。
【0050】
<情報センター2>
図8は、第1の実施形態における情報センター2のナビゲーション処理を示すフローチャートであり、情報センター2のCPU21が行なうソフトウエア・プログラムの動作手順を表わす。
【0051】
同図において、ステップS1:本システムによるナビゲーション処理の前準備として、上述した図3に例示するような目的地候補群情報が、データベース23に記憶される。
【0052】
ステップS2〜ステップS4:本システムを利用可能な何れかの携帯端末1において、ユーザが経路誘導路の設定を希望する旨の操作を行なうと、当該ユーザは、ディスプレイ14に表示される地図画像を利用して、最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地を、図5に例示する如く設定することができる。
【0053】
図5は、第1の実施形態における携帯端末1においてユーザ所望の最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地が選択された状態の地図画像を例示する図であり、ステップS4では、係る携帯端末1における設定操作に応じて、その携帯端末1の識別情報を含むリクエスト信号と共に、当該最終目的地及び複数の目的地を特定する識別情報を受信した場合に、情報センター2では、受信した情報がメモリ24に一時記憶される。
【0054】
ステップS5:当該最終目的地及び複数の目的地を特定する識別情報を検索キーとして、データベース23に格納されている車両用及び歩行者用地図情報、並びに目的地候補群情報が参照されることにより、当該最終目的地及び複数の目的地の中に、ある同一の群に関連付けされて記憶されている目的地候補と同じものが存在するか否かが判断される。そして、この判断において、YESの場合(存在する場合)にはステップS6に進み、NOの場合(存在しない場合)にはステップS9に進む。
【0055】
ステップS6:データベース23に格納されている目的地候補群情報が参照されることにより、ステップS5にて検出された群を構成するレコードに、対応する駐車場が登録されているか否かが判断され、駐車場が1箇所以上登録されている場合にはステップS7に進み、1箇所も登録されていない場合にはステップS9に進む。
【0056】
尚、本ステップでは、注目するレコードに駐車場が登録されているかを判断するのではなく、或いはその判断と共に、ある同一の群に属するとステップS5にて判断されたユーザ所望の目的地から所定距離範囲内に存在する駐車場が存在するかを判断しても良い。これにより、ある駐車場を起点とする徒歩による移動には不適当な広範囲に存在する複数の目的地候補が、1つの群として関連付けされることが抑制されるので、徒歩によるユーザの移動時の利便性を向上することができる。
【0057】
ステップS7:ユーザの選択操作に応じてステップS2及びステップS3にて設定された当該最終目的地及び複数の目的地の中に、ある同一の群に含まれる複数の目的地及びそれら目的地に対応する駐車場が存在することを報知すべく、それら目的地及び駐車場を表わすシンボルを、携帯端末1においてユーザが識別可能に表示するための地図画像情報を当該端末に送信する。このとき、情報端末1のディスプレイ14には、情報センター2から受信した地図画像情報に従って、図6に例示するような表示画面が表示される。
【0058】
図6は、図5に示す如く最終目的地及び複数の目的地が選択された場合に、その中に同一の群に含まれる目的地及び対応する駐車場が存在することを、ユーザに報知するための画面を例示する図である。
【0059】
同図の表示画面例では、ある同一の群に含まれる複数の目的地及び対応する駐車場のシンボルが破線によって示されると共に、それら目的地を訪れる場合には徒歩による移動を推奨する旨がガイダンスとして表示されており、また、係る対応する駐車場に関する情報として、歩行時間及び距離等がガイダンスとして表示されている。
【0060】
そして、この表示画面においてユーザは、情報センター2によって提示された同一の群に含まれる複数の目的地及び対応する駐車場を、徒歩によって移動するか否かを選択する必要があり、且つ徒歩による移動を選択した場合であって、情報センター2から提示された駐車場が複数の場合には、その何れかを選択する必要がある(図6の例では2つの駐車場が提示されており、本実施形態では、そのうち右側に示される駐車場が選択されたものとする)。
【0061】
ステップS8:携帯端末1にて表示された図6の画面におけるソフトウエア・ボタンの操作に応じて、「ok」ボタンが操作されたことが検出された場合には、当該同一の群に含まれる複数の目的地及び対応する駐車場間の領域内(即ち、図6に示す破線の範囲内)をユーザが徒歩によって移動するものと判断できるのでステップS10に進み、「キャンセル」ボタンが操作されたことが検出された場合には、同範囲も車両によって移動するものと判断できるのでステップS9に進む。
【0062】
ステップS9:ユーザの選択操作に応じてステップS2及びステップS3にて設定された複数の目的地を経由して最終目的地に到達するための車両用の経路誘導路が算出される。このとき、当該複数の目的地を経由する順番は、一般的な手順によって適宜設定される。
【0063】
尚、ステップS9では、全ての目的地を車両によって移動するものとして経路誘導路を算出する処理構成ではなく、より現実的には、個々の目的地の周辺に存在する適当な駐車場に車両を誘導するための経路が設定され、その駐車場と目的地との間は、ユーザが徒歩によって移動する構成も想定される。
【0064】
ステップS10:ステップS7にて提示された駐車場が1箇所の場合にはその駐車場、複数の駐車場が提示された場合には同ステップにて選択された駐車場を起点として、当該同一の群に含まれる複数の目的地を経由して再び同じ駐車場に戻ってくるための歩行用の経路誘導路が算出される。このとき、当該複数の目的地を経由する順番は、一般的な手順によって適宜設定される。
【0065】
ステップS11:携帯端末1の現在位置を起点として、ステップS10にて起点及び終点として設定された駐車場、並びに当該同一の群から外れたユーザ所望の他の目的地を経由して、ステップS3にて設定されたユーザ所望の最終目的地に到達するための車両用の経路誘導路が算出される。このとき、群に設定された駐車場(この場合は図6中の右側に示される駐車場)は、ステップS10にて算出された歩行用の経路誘導路と、本ステップにて算出された車両用の経路誘導路との接続位置となる。
【0066】
尚、ステップS5にて検出された群が複数である場合には、個々の群に対して上記各ステップと同様な処理が行なわれ、ステップS11では、それらの群に個別に設定される駐車場が、算出結果である車両用の経路誘導路上に含まれることになる。
【0067】
ステップS12:ステップS9にて算出された車両用の経路誘導路、或いは、ステップS10にて算出された群巡回用の歩行者用の経路誘導路と、ステップS11にて算出された車両用の経路誘導路とからなる複合経路誘導路、並びに各目的地等のシンボルを含む現在位置周辺の地図画像(図7)を構成する所定のデータ形式の情報が、対象となる携帯端末1に送信される。そして、本ステップにおける経路誘導処理(本実施形態では経路誘導路等を含む地図画像の配信処理)は、所定周期で当該端末から受信する現在位置情報を参照しながら、基本的には、先に設定された最終目的地への到達が検出されるまで継続される。
【0068】
図7は、図6に示す群内の移動に徒歩が選択された場合に、現在位置から、その群内の複数の目的地を経由して最終目的地まで移動するために算出された複合経路誘導路を例示する表示画面を例示する図である。
【0069】
同図に示す例には、車両上の携帯端末1の現在位置から当該群内の駐車場を経由して最終目的地までの車両用の経路誘導路(図7には太い実線で示す)が示されると共に、当該群内の複数の目的地及び駐車場間は歩行者用の経路誘導路(図7には破線で示す)が示されている。
【0070】
このように、上述した本実施形態によれば、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含める経路設定が実現する。従って、車両を利用して観光地等を巡るユーザの利便性を向上することができる。
【0071】
また、本実施形態では、互いに異なる代表目的地候補を基準とする複数の目的地候補が個々の群に予め設定されるので、ユーザによって選択された何れかの目的地が何れかの群の代表目的地に合致することが判れば、その群に関連付けされている他の複数の目的地候補を効率良く徒歩によって訪れることが可能な徒歩による経路誘導路を容易に算出することができる。
【0072】
また、本実施形態では、群内の徒歩による移動のための経路誘導路の起点且つ終点である駐車場が、車両による移動のための経路誘導路との接続位置として設定されるので、車両を利用した合理的な移動と、徒歩による合理的な移動とを共に実現することができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0073】
<第1の実施形態の変形例>
上述した第1の実施形態では、図3に例示する目的地候補群情報のデータ構造の如く、個々の群に対して、好適な駐車場を予め設定するシステム構成に基づいて説明したが、本変形例におけるシステム構成では、このデータ構造に駐車場の設定が含まれない場合について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0074】
この場合、駐車場は、図8に示すナビゲーション処理のステップS5において適用する群が選択された後、当該群のデータ構造として予め関連付けされている駐車場をステップS6において参照するのではなく、その選択された群に関連付けされている複数の目的地候補の所在位置情報に基づいて、データベース23内の車両用または歩行者用の地図情報を参照することにより、例えば、最も歩行距離が短い駐車場を検索すれば良い。
【0075】
そしてこの場合、上記の検索によって選択された駐車場は、ステップS11において、歩行用の経路誘導路と、車両用の経路誘導路との接続位置に設定すれば良い。
【0076】
[第2の実施形態]
次に、上述した第1の実施形態に係るナビゲーション・システムを基本とする第2の実施形態を説明する。
【0077】
上述した第1の実施形態では、携帯端末1が座標情報等からなる地図情報に基づく地図画像の生成機能を備えておらず、情報センター2から受信した所定のデータ形式の地図画像情報に応じて画像を表示する描画機能(例えば、インターネット用の一般的なブラウザ機能)を備える場合を例に説明した。これに対して、本実施形態では、携帯端末1が地図情報に基づく地図画像の生成機能と共に、生成した地図画像の描画機能を備えており、且つ上述したナビゲーション機能を当該端末単独で実現可能な場合について説明する。
【0078】
図9は、第2の実施形態における携帯端末6の装置構成を示すブロック図である。
【0079】
携帯端末6は、第1の実施形態における携帯端末1と同様に、ユーザが携帯した場合には歩行者用のナビゲーション機能を実現する一方で、車両101内に配置された場合には、車両用のナビゲーション装置の車載機として機能する。このため、図9に示す装置構成において、CPU61、スイッチ63、ディスプレイ64、マイク/スピーカ67、現在位置測位センサ68、並びにメモリ70の各機能は、携帯端末1における対応する構成と略同じ機能を有するが、本実施形態では、携帯端末6単独で第1の実施形態と同様なナビゲーションを実現するため、車両用地図情報65、歩行者用地図情報69、並びに目的地候補群情報66を更に備える。尚、これらの情報(65,66,69)の内容は、第1の実施形態におけるデータベース23内の格納情報と同様である。
【0080】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、上記の如く車両用地図情報65、歩行者用地図情報69、並びに目的地候補群情報66を分けて表現したが、参照時に識別可能であれば、実際のデータ構造は限定されない。
【0081】
そして、本実施形態において、携帯端末6のCPU61は、第1の実施形態と同様なナビゲーションを実現すべく、外部装置とのデータ送受信を行なうこと無く、車両用地図情報65、歩行者用地図情報69、並びに目的地候補群情報66を参照しながら、上述した情報センター2のナビゲーション処理(図8)の各ステップと同様な処理を実行する。
【0082】
このような装置構成を採用する本実施形態によっても、上述した第1の実施形態と同様な効果を享受することができる。
【0083】
尚、上述した各実施形態を例に説明した本発明は、上述した情報センター2または携帯端末6に対して、その説明において参照したフローチャートの機能を実現可能なコンピュータ・プログラムを供給した後、その装置のCPUに読み出して実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータ・プログラムは、読み書き可能なメモリまたはハードディスク装置等の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0084】
また、前記の場合において、当該各装置内へのコンピュータ・プログラムの供給方法は、フロッピー(登録商標)ディスク等の各種記録媒体を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等のように、現在では一般的な手順を採用することができ、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体によって構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体概要を例示する図である。
【図3】第1の実施形態における目的地候補群情報のデータ構造を例示する図である。
【図4】図3に例示する目的地候補群情報に対応する個々の目的地候補の実際の配置を説明する図である。
【図5】第1の実施形態における携帯端末1においてユーザ所望の最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地が選択された状態の地図画像を例示する図である。
【図6】図5に示す如く最終目的地及び複数の目的地が選択された場合に、その中に同一の群に含まれる目的地及び対応する駐車場が存在することを、ユーザに報知するための画面を例示する図である。
【図7】図6に示す群内の移動に徒歩が選択された場合に、現在位置から、その群内の複数の目的地を経由して最終目的地まで移動するために算出された複合経路誘導路を例示する表示画面を例示する図である。
【図8】第1の実施形態における情報センター2のナビゲーション処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における携帯端末6の装置構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,6:携帯端末(車載機),
2:情報センター,
4:基地局,
5:インターネット,
11,21,61:CPU,
13,63:スイッチ,
14,64:ディスプレイ,
16,22:通信インタフェース,
17,67:マイク/スピーカ,
18,68:現在位置測位センサ,
20,24,70:メモリ,
23:データベース,
65:車両用地図情報,
66:目的地候補群情報,
69:歩行者用地図情報,
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を算出すると共に、算出した経路に関する情報を当該ユーザに提供するナビゲーション装置等の技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インターネット等の通信環境を利用して、外部のサーバ等からパーソナルコンピュータに各種情報を取得する技術が普及しており、例えば特開平11−143358号公報には、係る通信環境において通信可能に接続された通信機能を備える車載ナビゲーション装置と情報センターとの間において、経路誘導等のナビゲーションを行う技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のナビゲーション装置によれば、目的地への移動中において、有益な各種情報を取得することができ、効率的な移動が行える。
【0004】
しかしながら、複数箇所の目的地を車両(自動車)を利用して巡る際には、それら目的地のうち、比較的狭い範囲に存在する個々の目的地に関して、車両(自動車)によって移動すべきなのか、或いは、徒歩によって移動すべきなのか判断に迷う場合がある。
【0005】
更に、比較的狭い範囲に存在する個々の目的地を徒歩によって移動する場合には、車両をどこに駐車すべきなのか判断に迷う場合がある。
【0006】
そこで本発明は、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含める経路設定方法、ナビゲーション装置、並びにそれらのコンピュータ・プログラムの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る経路設定方法は、以下の構成を特徴とする。
【0008】
即ち、所望の複数目的地を巡る経路を、コンピュータを利用して、ユーザに提供する経路設定方法であって、
地図情報に予め定義されている複数の目的地候補のうち、徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する個々の目的地候補を1つの群として関連付けて、データベースに記憶する記憶工程と、提供すべき経路の算出に先立って、前記複数の目的地候補の中からユーザによって選択された複数の目的地が、前記群として互いに関連付けされているか否かを、前記データベースを参照することによって判断する判断工程と、前記ユーザによって選択された複数の目的地を巡る経路を、前記データベースに記憶されている地図情報及びそれら目的地の所在位置情報に基づいて算出するに際して、前記判断工程における判断の結果、それら選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地については徒歩によって移動するための第1経路を算出する一方で、前記群から外れる他の目的地については車両によって移動するための第2経路を算出する経路算出工程とを有することを特徴とする。
【0009】
好適な実施形態において、前記記憶工程では、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際して、その群を代表する1つの代表目的地候補を基準として、徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する複数の目的地候補を関連付けて設定すると共に、設定した個々の群を代表する代表目的地候補は互いに異なると良い。
【0010】
また、例えば前記記憶工程において、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際しては、その群としてのそれら目的地候補の関連付けの範囲を、前記地図情報に定義されている駐車場の所在位置情報に基づいて制限すると良い。
【0011】
また、上記の何れの場合においても、前記記憶工程においては、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際して、それら目的地候補を徒歩によって移動するのに好適な駐車場の識別情報を更に関連付けすると良い。更にこの場合において、好ましくは、前記経路算出工程において、前記ユーザによって選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地に対応する駐車場を、前記第1経路と前記第2経路との接続位置として設定すると良い。
【0012】
或いは、前記経路算出工程では、前記第1経路の算出に先立って、前記ユーザによって選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地を徒歩によって移動するのに好適な駐車場が、前記地図情報を参照することによって検索されると共に、その検索によって選択された駐車場が、前記第1経路と前記第2経路との接続位置として設定されると良い。
【0013】
尚、同目的は、上記の各構成を有する経路設定方法に対応するナビゲーション装置によっても達成される。
【0014】
また、同目的は、上記の各構成を有する経路設定方法を、コンピュータによって実現するプログラムコード、及びそのプログラムコードが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
【0015】
更に、同目的は、上記のナビゲーション装置の動作指示をなすプログラムコード、及びそのプログラムコードが格納されている、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体によっても達成される。
【0016】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含める経路設定方法、ナビゲーション装置、並びにそれらのコンピュータ・プログラムの提供が実現する。
【0017】
即ち、請求項1及び請求項7の発明によれば、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含めることができる。従って、例えば車両を利用して観光地等を巡るユーザの利便性を向上することができる。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、互いに異なる代表目的地候補を基準とする複数の目的地候補が個々の群に予め設定されるので、ユーザによって選択された何れかの目的地が何れかの群の代表目的地に合致することが判れば、その群に関連付けされている他の複数の目的地候補を効率良く徒歩によって訪れることが可能な徒歩による経路誘導路を容易に算出することができる。
【0019】
また、請求項3の発明によれば、ある駐車場を起点とする徒歩による移動には不適当な広範囲に存在する複数の目的地候補が、1つの群として関連付けされることが抑制されるので、徒歩によるユーザの移動時の利便性を向上することができる。
【0020】
また、請求項4の発明によれば、第1及び第2経路の算出に際して、例えば、ユーザ所望の目的地を訪れるのに地理的に便利な、或いはその目的地専用の駐車場が第1経路と前記第2経路との接続位置として設定される(請求項5)ので、車両を利用した合理的な移動と、徒歩による合理的な移動とを共に実現することができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0021】
また、請求項6の発明によれば、第1及び第2経路の算出に際して、予め用意された個々の群に駐車場が設定されていない場合であっても、徒歩によって訪れる目的地に好適な駐車場を選択することができるので、車両を利用した合理的な移動と、徒歩による合理的な移動とを共に実現することができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るナビゲーション・システムの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体構成を示すブロック図である。また、図2は、第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体概要を例示する図である。
【0024】
図1及び図2において、情報センター2は、通信機能を有するサーバ・コンピュータ等の情報処理装置であって、情報センター2のCPU21は、メモリ(記憶媒体)24に記憶されているところの、本実施形態に係るナビゲーション処理(詳細は後述する)、一般的な通信処理等の各種ソフトウエア・プログラムを実行することにより、データベース23を適宜参照しながら、通信インタフェース(I/F)22、インターネット5等の通信回線を介して、外部装置とのデータ通信を行なうと共に、ユーザが使用する携帯端末1に対して地図画像の配信等の情報提供を行なう。
【0025】
尚、以下に説明する本実施形態では、本システムを利用可能な携帯端末1が座標情報等からなる地図情報に基づく地図画像の生成機能を備えておらず、情報センター2から受信した所定のデータ形式の地図画像情報に応じて画像を表示する描画機能(例えば、インターネット用の一般的なブラウザ機能)を備える場合を例に説明する。但し、このシステム構成に限られるものではなく、携帯端末1が地図情報に基づく地図画像の生成機能と、生成した地図画像の描画機能とを備える装置構成の場合には、その携帯端末に対して情報センター2が必要な地図情報を配信するシステム構成としても良い。
【0026】
データベース(DB)23には、少なくとも、本実施形態に係るナビゲーション処理によって携帯端末1に対して提供可能な2種類の地図情報と、経路誘導に際してユーザ所望の目的地となり得る複数箇所の施設(目的地候補)を、後述する所定の関係に従って群(グループ)として関連付けした目的地候補群情報とが格納されている。
【0027】
より具体的に、データベース23には、以下のような情報が格納されており、これらの情報項目は、少なくとも携帯端末1が採用する地図情報と共通の所定の座標系に基づく。
【0028】
・車両用の地図情報:車両の現在位置の特定や移動可能な広域エリアの表示等のために参照される地図情報であって、その広域エリア上に存在するところの、車両によってユーザが移動する場合における目的地候補に関する情報(所在位置情報や施設に関する情報)、並びに車両が通行可能な一方通行、複数車線等の通行区分を含む経路情報が含まれる。
【0029】
・歩行者用の地図情報:歩行者の現在位置の特定や移動可能な広域エリアの表示等のために参照される地図情報であって、その広域エリア上に存在するところの、徒歩によってユーザが移動する場合における目的地候補に関する情報(所在位置情報や施設に関する情報)、並びに歩行者が通行可能な横断歩道、歩道橋、車道脇の歩道等の経路情報が含まれる。
【0030】
・目的地候補群情報:地図情報に定義されている複数の目的地候補のうち、一般的なユーザが徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する個々の目的地候補が、その所在位置情報または識別情報を1つの群として予め関連付けされた情報である。
【0031】
また、本実施形態では、個々の群に対して、更に、その群に属する複数の目的地候補を代表する1つの代表目的地候補と、それら目的地候補を徒歩によって巡るに際してユーザにとって利便性の高い、或いは専用の駐車場が設定されている。
【0032】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、上記の如く車両用の地図情報、歩行者用の地図情報、並びに目的地候補群情報を分けて表現したが、参照時に識別可能であれば、実際のデータ構造は限定されない。
【0033】
図3は、第1の実施形態における目的地候補群情報のデータ構造を例示する図である。また、図4は、図3に例示する目的地候補群情報に対応する個々の目的地候補の実際の配置を説明する図である。
【0034】
図3(a)乃至(c)に示すように、目的地候補群情報のデータ構造は、市街地(繁華街)や観光地を1つの地域として、個々の地域には、一般的なユーザが徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する複数の目的地候補(施設)が、1つの群として関連付けした状態で設定されている。
【0035】
また、個々の群として関連付けされた複数の目的地候補には、それら目的地候補を代表する1つのベース施設(代表目的地候補)と、そのベース施設を基準として、そのベース施設との距離(道のり)を徒歩によって移動可能な少なくとも1つの目的地候補(群施設)とが設定される。本実施形態において、個々の群に設定されるベース施設は互いに異なるが、そのベース施設を基準として関連付けされる群施設としての目的地候補は、各群間において同じであることも想定される。
【0036】
更に、1つの群には、その群として関連付けされた複数の目的地候補を徒歩によって移動するのに好適な駐車場の識別情報が更に関連付けされている。
【0037】
携帯端末1は、本システムによるナビゲーションを利用可能なユーザが利用する情報処理装置(例えばPDA、携帯電話等)であって、車両101の外部において当該ユーザに携帯された状態において、通信インタフェース16、基地局4、並びにインターネット5等の有線及び無線通信回線を介して、情報センター2とのデータ通信を行なうことにより、歩行者であるユーザに対する所望の目的地へのナビゲーション機能等を実現することができる。
【0038】
また、携帯端末1は、ユーザが乗員(ドライバ等)として車両101に乗車することによって当該車両に搭載された状態において、通信インタフェース16、基地局4、並びにインターネット5等の有線及び無線通信回線を介して、情報センター2とのデータ通信を行なうことにより、車両用ナビゲーション装置の車載機として、車両101に対する所望の目的地へのナビゲーション機能等を実現することができる。
【0039】
より具体的に、携帯端末1は、メモリ(記憶媒体)20に記憶されているところの、ユーザ所望の目的地への経路誘導等を行なうナビゲーション機能のソフトウエア(ソフトウエアプログラム)を有しており、このソフトウエアがCPU11によって適宜実行されることにより、携帯端末1は、車両101の乗員に対して、或いは、歩行者であるユーザに対して、現在位置の表示や経路誘導等のナビゲーション機能を実現する。
【0040】
即ち、携帯端末1は、車両101の外部においてユーザ102に携帯された状態において、歩行者用のナビゲーション機能を実現すべく、ユーザによるスイッチ13の操作状態、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)用の現在位置測位センサ18によって検出された現在位置情報、情報センター2から受信した歩行者用の地図画像情報に基づいて、ディスプレイ14上にユーザの現在位置周辺の地図画像を表示すると共に、ユーザ所望の目的地が設定されている場合には、その目的地まで歩行者であるユーザの経路誘導を行なう。
【0041】
尚、以下の説明では一例として表示画面によるナビゲーションとして説明するが、好適な実施形態において経路誘導等が行われる際には、マイク/スピーカ17による音声入出力が適宜使用される構成も含まれるものとする。
【0042】
更に携帯端末1は、ユーザが車室内に持ち込むことによって、車両101の内部に存在する状態において、車両用のナビゲーション機能を実現すべく、車載機として、ユーザによるスイッチ13の操作状態、GPS用の現在位置測位センサ18によって検出された現在位置情報、情報センター2から受信した車両用の地図画像情報に基づいて、ディスプレイ14上に車両101の現在位置周辺の地図画像を表示すると共に、ユーザ所望の目的地が設定されている場合には、その目的地まで車両101の経路誘導を行なう。
【0043】
尚、この場合も、好適な実施形態において経路誘導等が行われる際には、マイク/スピーカ17による音声入出力が適宜使用される構成も含まれるものとする。
【0044】
携帯端末1のCPU11は、歩行者用または車両用のナビゲーション機能を実現するに際して、歩行者用または車両用の地図画像情報を情報センター2から受信すべく、メモリ(記憶媒体)20に記憶されているところの、インターネット通信や無線通信等を行うことが可能な一般的な通信プロトコルのソフトウエアを適宜実行することにより、情報センター2に携帯端末1が接続された(ログインした)状態において、インターネット5等の通信回線を介して、所謂サーバ・クライアント環境を構成する。尚、上述した携帯端末1と情報センター2との間の通信回線は、専用の無線回線であっても良い。
【0045】
以下、本システムの具体的な動作について、携帯端末1及び情報センター2の個別な動作に即して説明する。
【0046】
<携帯端末1>
本実施形態において、携帯端末1のCPU1は、その動作中に、以下に説明するような処理を繰り返し行なう。
【0047】
即ち、携帯端末1は、ユーザによって所望の目的地への経路誘導及び地図画面情報の提供が要求され、且つ最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地が選択されると、経路誘導路の設定を要求すべく、それらの目的地の識別情報(座標情報や電話番号等)を、現在地測位センサ18を利用して検出した携帯端末1の現在位置情報と共に情報センター2に送信する。このとき、情報センター2は、当該複数の目的地を巡りながら最終目的地まで到達するための、歩行による移動のための経路誘導路(第1経路)、車両による移動のための経路誘導路(第2経路)、或いは、これら2種類の経路誘導路が組み合わされた合理的な経路誘導路を算出する。
【0048】
携帯端末1は、歩行者用または車両用のナビゲーション処理を実現するに際して、何れのナビゲーション処理を行なうべきであるかを、ユーザによるスイッチ13の所定の切り替え操作、或いは車両の内部または外部に位置することを自動的に認識する所定の方法によって判断すると共に、その判断結果と、現在地測位センサ18を利用して検出した携帯端末1の現在位置情報とを、情報センター2に所定周期で送信する。また、携帯端末1は、経路誘導を行なう場合に、その実行に先立って、ユーザによって選択された所望の目的地を特定する情報を、情報センター2に送信する。
【0049】
そして、これらの情報が送信されるのに応じて、情報センター2から地図画像情報を受信すると、携帯端末1は、受信した情報を利用して、地図画像(本実施形態では、後述する図5乃至図7に例示する画面)をディスプレイ14に表示する。
【0050】
<情報センター2>
図8は、第1の実施形態における情報センター2のナビゲーション処理を示すフローチャートであり、情報センター2のCPU21が行なうソフトウエア・プログラムの動作手順を表わす。
【0051】
同図において、ステップS1:本システムによるナビゲーション処理の前準備として、上述した図3に例示するような目的地候補群情報が、データベース23に記憶される。
【0052】
ステップS2〜ステップS4:本システムを利用可能な何れかの携帯端末1において、ユーザが経路誘導路の設定を希望する旨の操作を行なうと、当該ユーザは、ディスプレイ14に表示される地図画像を利用して、最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地を、図5に例示する如く設定することができる。
【0053】
図5は、第1の実施形態における携帯端末1においてユーザ所望の最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地が選択された状態の地図画像を例示する図であり、ステップS4では、係る携帯端末1における設定操作に応じて、その携帯端末1の識別情報を含むリクエスト信号と共に、当該最終目的地及び複数の目的地を特定する識別情報を受信した場合に、情報センター2では、受信した情報がメモリ24に一時記憶される。
【0054】
ステップS5:当該最終目的地及び複数の目的地を特定する識別情報を検索キーとして、データベース23に格納されている車両用及び歩行者用地図情報、並びに目的地候補群情報が参照されることにより、当該最終目的地及び複数の目的地の中に、ある同一の群に関連付けされて記憶されている目的地候補と同じものが存在するか否かが判断される。そして、この判断において、YESの場合(存在する場合)にはステップS6に進み、NOの場合(存在しない場合)にはステップS9に進む。
【0055】
ステップS6:データベース23に格納されている目的地候補群情報が参照されることにより、ステップS5にて検出された群を構成するレコードに、対応する駐車場が登録されているか否かが判断され、駐車場が1箇所以上登録されている場合にはステップS7に進み、1箇所も登録されていない場合にはステップS9に進む。
【0056】
尚、本ステップでは、注目するレコードに駐車場が登録されているかを判断するのではなく、或いはその判断と共に、ある同一の群に属するとステップS5にて判断されたユーザ所望の目的地から所定距離範囲内に存在する駐車場が存在するかを判断しても良い。これにより、ある駐車場を起点とする徒歩による移動には不適当な広範囲に存在する複数の目的地候補が、1つの群として関連付けされることが抑制されるので、徒歩によるユーザの移動時の利便性を向上することができる。
【0057】
ステップS7:ユーザの選択操作に応じてステップS2及びステップS3にて設定された当該最終目的地及び複数の目的地の中に、ある同一の群に含まれる複数の目的地及びそれら目的地に対応する駐車場が存在することを報知すべく、それら目的地及び駐車場を表わすシンボルを、携帯端末1においてユーザが識別可能に表示するための地図画像情報を当該端末に送信する。このとき、情報端末1のディスプレイ14には、情報センター2から受信した地図画像情報に従って、図6に例示するような表示画面が表示される。
【0058】
図6は、図5に示す如く最終目的地及び複数の目的地が選択された場合に、その中に同一の群に含まれる目的地及び対応する駐車場が存在することを、ユーザに報知するための画面を例示する図である。
【0059】
同図の表示画面例では、ある同一の群に含まれる複数の目的地及び対応する駐車場のシンボルが破線によって示されると共に、それら目的地を訪れる場合には徒歩による移動を推奨する旨がガイダンスとして表示されており、また、係る対応する駐車場に関する情報として、歩行時間及び距離等がガイダンスとして表示されている。
【0060】
そして、この表示画面においてユーザは、情報センター2によって提示された同一の群に含まれる複数の目的地及び対応する駐車場を、徒歩によって移動するか否かを選択する必要があり、且つ徒歩による移動を選択した場合であって、情報センター2から提示された駐車場が複数の場合には、その何れかを選択する必要がある(図6の例では2つの駐車場が提示されており、本実施形態では、そのうち右側に示される駐車場が選択されたものとする)。
【0061】
ステップS8:携帯端末1にて表示された図6の画面におけるソフトウエア・ボタンの操作に応じて、「ok」ボタンが操作されたことが検出された場合には、当該同一の群に含まれる複数の目的地及び対応する駐車場間の領域内(即ち、図6に示す破線の範囲内)をユーザが徒歩によって移動するものと判断できるのでステップS10に進み、「キャンセル」ボタンが操作されたことが検出された場合には、同範囲も車両によって移動するものと判断できるのでステップS9に進む。
【0062】
ステップS9:ユーザの選択操作に応じてステップS2及びステップS3にて設定された複数の目的地を経由して最終目的地に到達するための車両用の経路誘導路が算出される。このとき、当該複数の目的地を経由する順番は、一般的な手順によって適宜設定される。
【0063】
尚、ステップS9では、全ての目的地を車両によって移動するものとして経路誘導路を算出する処理構成ではなく、より現実的には、個々の目的地の周辺に存在する適当な駐車場に車両を誘導するための経路が設定され、その駐車場と目的地との間は、ユーザが徒歩によって移動する構成も想定される。
【0064】
ステップS10:ステップS7にて提示された駐車場が1箇所の場合にはその駐車場、複数の駐車場が提示された場合には同ステップにて選択された駐車場を起点として、当該同一の群に含まれる複数の目的地を経由して再び同じ駐車場に戻ってくるための歩行用の経路誘導路が算出される。このとき、当該複数の目的地を経由する順番は、一般的な手順によって適宜設定される。
【0065】
ステップS11:携帯端末1の現在位置を起点として、ステップS10にて起点及び終点として設定された駐車場、並びに当該同一の群から外れたユーザ所望の他の目的地を経由して、ステップS3にて設定されたユーザ所望の最終目的地に到達するための車両用の経路誘導路が算出される。このとき、群に設定された駐車場(この場合は図6中の右側に示される駐車場)は、ステップS10にて算出された歩行用の経路誘導路と、本ステップにて算出された車両用の経路誘導路との接続位置となる。
【0066】
尚、ステップS5にて検出された群が複数である場合には、個々の群に対して上記各ステップと同様な処理が行なわれ、ステップS11では、それらの群に個別に設定される駐車場が、算出結果である車両用の経路誘導路上に含まれることになる。
【0067】
ステップS12:ステップS9にて算出された車両用の経路誘導路、或いは、ステップS10にて算出された群巡回用の歩行者用の経路誘導路と、ステップS11にて算出された車両用の経路誘導路とからなる複合経路誘導路、並びに各目的地等のシンボルを含む現在位置周辺の地図画像(図7)を構成する所定のデータ形式の情報が、対象となる携帯端末1に送信される。そして、本ステップにおける経路誘導処理(本実施形態では経路誘導路等を含む地図画像の配信処理)は、所定周期で当該端末から受信する現在位置情報を参照しながら、基本的には、先に設定された最終目的地への到達が検出されるまで継続される。
【0068】
図7は、図6に示す群内の移動に徒歩が選択された場合に、現在位置から、その群内の複数の目的地を経由して最終目的地まで移動するために算出された複合経路誘導路を例示する表示画面を例示する図である。
【0069】
同図に示す例には、車両上の携帯端末1の現在位置から当該群内の駐車場を経由して最終目的地までの車両用の経路誘導路(図7には太い実線で示す)が示されると共に、当該群内の複数の目的地及び駐車場間は歩行者用の経路誘導路(図7には破線で示す)が示されている。
【0070】
このように、上述した本実施形態によれば、ユーザ所望の複数目的地を巡る経路を提供するに際して、その経路内に徒歩による移動を合理的に含める経路設定が実現する。従って、車両を利用して観光地等を巡るユーザの利便性を向上することができる。
【0071】
また、本実施形態では、互いに異なる代表目的地候補を基準とする複数の目的地候補が個々の群に予め設定されるので、ユーザによって選択された何れかの目的地が何れかの群の代表目的地に合致することが判れば、その群に関連付けされている他の複数の目的地候補を効率良く徒歩によって訪れることが可能な徒歩による経路誘導路を容易に算出することができる。
【0072】
また、本実施形態では、群内の徒歩による移動のための経路誘導路の起点且つ終点である駐車場が、車両による移動のための経路誘導路との接続位置として設定されるので、車両を利用した合理的な移動と、徒歩による合理的な移動とを共に実現することができ、ユーザの利便性を更に向上することができる。
【0073】
<第1の実施形態の変形例>
上述した第1の実施形態では、図3に例示する目的地候補群情報のデータ構造の如く、個々の群に対して、好適な駐車場を予め設定するシステム構成に基づいて説明したが、本変形例におけるシステム構成では、このデータ構造に駐車場の設定が含まれない場合について、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0074】
この場合、駐車場は、図8に示すナビゲーション処理のステップS5において適用する群が選択された後、当該群のデータ構造として予め関連付けされている駐車場をステップS6において参照するのではなく、その選択された群に関連付けされている複数の目的地候補の所在位置情報に基づいて、データベース23内の車両用または歩行者用の地図情報を参照することにより、例えば、最も歩行距離が短い駐車場を検索すれば良い。
【0075】
そしてこの場合、上記の検索によって選択された駐車場は、ステップS11において、歩行用の経路誘導路と、車両用の経路誘導路との接続位置に設定すれば良い。
【0076】
[第2の実施形態]
次に、上述した第1の実施形態に係るナビゲーション・システムを基本とする第2の実施形態を説明する。
【0077】
上述した第1の実施形態では、携帯端末1が座標情報等からなる地図情報に基づく地図画像の生成機能を備えておらず、情報センター2から受信した所定のデータ形式の地図画像情報に応じて画像を表示する描画機能(例えば、インターネット用の一般的なブラウザ機能)を備える場合を例に説明した。これに対して、本実施形態では、携帯端末1が地図情報に基づく地図画像の生成機能と共に、生成した地図画像の描画機能を備えており、且つ上述したナビゲーション機能を当該端末単独で実現可能な場合について説明する。
【0078】
図9は、第2の実施形態における携帯端末6の装置構成を示すブロック図である。
【0079】
携帯端末6は、第1の実施形態における携帯端末1と同様に、ユーザが携帯した場合には歩行者用のナビゲーション機能を実現する一方で、車両101内に配置された場合には、車両用のナビゲーション装置の車載機として機能する。このため、図9に示す装置構成において、CPU61、スイッチ63、ディスプレイ64、マイク/スピーカ67、現在位置測位センサ68、並びにメモリ70の各機能は、携帯端末1における対応する構成と略同じ機能を有するが、本実施形態では、携帯端末6単独で第1の実施形態と同様なナビゲーションを実現するため、車両用地図情報65、歩行者用地図情報69、並びに目的地候補群情報66を更に備える。尚、これらの情報(65,66,69)の内容は、第1の実施形態におけるデータベース23内の格納情報と同様である。
【0080】
尚、本実施形態では、説明の便宜上、上記の如く車両用地図情報65、歩行者用地図情報69、並びに目的地候補群情報66を分けて表現したが、参照時に識別可能であれば、実際のデータ構造は限定されない。
【0081】
そして、本実施形態において、携帯端末6のCPU61は、第1の実施形態と同様なナビゲーションを実現すべく、外部装置とのデータ送受信を行なうこと無く、車両用地図情報65、歩行者用地図情報69、並びに目的地候補群情報66を参照しながら、上述した情報センター2のナビゲーション処理(図8)の各ステップと同様な処理を実行する。
【0082】
このような装置構成を採用する本実施形態によっても、上述した第1の実施形態と同様な効果を享受することができる。
【0083】
尚、上述した各実施形態を例に説明した本発明は、上述した情報センター2または携帯端末6に対して、その説明において参照したフローチャートの機能を実現可能なコンピュータ・プログラムを供給した後、その装置のCPUに読み出して実行することによって達成される。また、当該装置内に供給されたコンピュータ・プログラムは、読み書き可能なメモリまたはハードディスク装置等の記憶デバイスに格納すれば良い。
【0084】
また、前記の場合において、当該各装置内へのコンピュータ・プログラムの供給方法は、フロッピー(登録商標)ディスク等の各種記録媒体を介して当該装置内にインストールする方法や、インターネット等の通信回線を介して外部よりダウンロードする方法等のように、現在では一般的な手順を採用することができ、このような場合において、本発明は、係るコンピュータ・プログラムのコード或いは記憶媒体によって構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態におけるナビゲーション・システムの全体概要を例示する図である。
【図3】第1の実施形態における目的地候補群情報のデータ構造を例示する図である。
【図4】図3に例示する目的地候補群情報に対応する個々の目的地候補の実際の配置を説明する図である。
【図5】第1の実施形態における携帯端末1においてユーザ所望の最終目的地及びその最終目的地に到達するまでに訪れたい複数の目的地が選択された状態の地図画像を例示する図である。
【図6】図5に示す如く最終目的地及び複数の目的地が選択された場合に、その中に同一の群に含まれる目的地及び対応する駐車場が存在することを、ユーザに報知するための画面を例示する図である。
【図7】図6に示す群内の移動に徒歩が選択された場合に、現在位置から、その群内の複数の目的地を経由して最終目的地まで移動するために算出された複合経路誘導路を例示する表示画面を例示する図である。
【図8】第1の実施形態における情報センター2のナビゲーション処理を示すフローチャートである。
【図9】第2の実施形態における携帯端末6の装置構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,6:携帯端末(車載機),
2:情報センター,
4:基地局,
5:インターネット,
11,21,61:CPU,
13,63:スイッチ,
14,64:ディスプレイ,
16,22:通信インタフェース,
17,67:マイク/スピーカ,
18,68:現在位置測位センサ,
20,24,70:メモリ,
23:データベース,
65:車両用地図情報,
66:目的地候補群情報,
69:歩行者用地図情報,
Claims (9)
- 所望の複数目的地を巡る経路を、コンピュータを利用して、ユーザに提供する経路設定方法であって、
地図情報に予め定義されている複数の目的地候補のうち、徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する個々の目的地候補を1つの群として関連付けて、データベースに記憶する記憶工程と、
提供すべき経路の算出に先立って、前記複数の目的地候補の中からユーザによって選択された複数の目的地が、前記群として互いに関連付けされているか否かを、前記データベースを参照することによって判断する判断工程と、
前記ユーザによって選択された複数の目的地を巡る経路を、前記データベースに記憶されている地図情報及びそれら目的地の所在位置情報に基づいて算出するに際して、前記判断工程における判断の結果、それら選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地については徒歩によって移動するための第1経路を算出する一方で、前記群から外れる他の目的地については車両によって移動するための第2経路を算出する経路算出工程と、
を有することを特徴とする経路設定方法。 - 前記記憶工程において、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際しては、その群を代表する1つの代表目的地候補を基準として、徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する複数の目的地候補を関連付けて設定すると共に、設定した個々の群を代表する代表目的地候補は互いに異なる
ことを特徴とする請求項1記載の経路設定方法。 - 前記記憶工程において、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際しては、その群としてのそれら目的地候補の関連付けの範囲を、前記地図情報に定義されている駐車場の所在位置情報に基づいて制限する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の経路設定方法。 - 前記記憶工程において、前記1つの群として複数の目的地候補を関連付けるに際しては、それら目的地候補を徒歩によって移動するのに好適な駐車場の識別情報を更に関連付けする
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の経路設定方法。 - 前記経路算出工程では、前記ユーザによって選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地に対応する駐車場を、前記第1経路と前記第2経路との接続位置として設定する
ことを特徴とする請求項4記載の経路設定方法。 - 前記経路算出工程では、前記第1経路の算出に先立って、前記ユーザによって選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地を徒歩によって移動するのに好適な駐車場が、前記地図情報を参照することによって検索されると共に、その検索によって選択された駐車場が、前記第1経路と前記第2経路との接続位置として設定される
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の経路設定方法。 - 所望の複数目的地を巡る経路を算出すると共に、算出した経路をユーザに提供するナビゲーション装置であって、
地図情報に予め定義されている複数の目的地候補のうち、徒歩によって移動可能な範囲内に物理的に位置する個々の目的地候補を、1つの群として関連付けて記憶する記憶手段と、
提供すべき経路の算出に先立って、前記複数の目的地候補の中からユーザによって選択された複数の目的地が、前記群として互いに関連付けされているか否かを、前記記憶手段を参照することによって判断する判断手段と、
前記ユーザによって選択された複数の目的地を巡る経路を、前記記憶手段に記憶されている地図情報及びそれら目的地の所在位置情報に基づいて算出するに際して、前記判断手段による判断の結果、それら選択された複数の目的地のうち、前記群として互いに関連付けされている個々の目的地については徒歩によって移動するための第1経路を算出する一方で、前記群から外れる他の目的地については車両によって移動するための第2経路を算出する経路算出手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。 - 請求項1乃至請求項6の何れかに記載の経路設定方法を、コンピュータによって実現可能な動作指示をなす
ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - 請求項7記載のナビゲーション装置として、コンピュータを動作させる指示をなす
ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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