JP3898569B2 - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正・負極間にイオン交換膜を配置し、負極の触媒に水素を接触させるとともに正極の触媒に酸素を接触させることにより発電する燃料電池の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は従来の燃料電池を説明する説明図である。燃料電池100は、負極層(水素極)101と正極層(酸素極)102との間にイオン交換膜103を配置し、負極層101に含む触媒に水素分子(H)を接触させるとともに、正極層102に含む触媒に酸素分子(O)を接触させることにより、電子eを矢印の如く流すことにより、電流を発生させるものである。電流を発生させる際に、水素分子(H)と酸素分子(O)とから生成水(HO)が生成される。
この燃料電池10の負極層101、正極層102、イオン交換膜103を主要構成部材とする電極構造を次図で詳しく説明する。
【0003】
図9は従来の燃料電池を構成する電極構造を示す説明図である。
電極構造は、一対の拡散層104,105の内側にそれぞれバインダー層106及びバインダー層107を備え、これらバインダー層106及びバインダー層107の内側にそれぞれ負極層101及び正極層102を備え、これら負極層101及び正極層102の間にイオン交換膜103を備える。
【0004】
この電極構造を製造する際には、先ず拡散層104にバインダー層106用の溶液を塗布するとともに、拡散層105にバインダー層107用の溶液を塗布し、塗布したバインダー層106,107を焼成することによりバインダー層106,107を固化する。
【0005】
次に、固化したバインダー層106に負極層101の溶液を塗布するとともに、固化したバインダー層107に正極層102の溶液を塗布し、塗布した負・正極層101,102を乾燥することにより負・正極層101,102を固化する。
次いで、固化した負極層101にシート状のイオン交換膜103を載せ、続いてイオン交換膜103に正極層102が固化された拡散層105を載せて7層の多層構造を形成する。
次に、この多層構造を矢印の如く加熱圧着することにより電極構造を形成する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、電極構造はイオン交換膜103としてシートを使用しており、加えてバインダー層106、負極層101、正極層102、バインダー層107のそれぞれの層を固化した状態で加熱圧着するので、それぞれの層の境界に密着不良部分が発生する虞がある。
電極構造の各層に密着不良部分が発生すると、電流を効率よく発生することが難しくなり、製造ラインの検査の段階において、これらの電極構造が廃棄処分や修復処分になり、そのことが生産性を高める妨げになっている。
【0007】
さらに、電極構造のイオン交換膜103としてシートを使用しているので、電極構造を加熱圧着の際に、イオン交換膜103を加熱状態で加圧することになり、イオン交換膜103の性能が低下する虞がある。これにより、検査の段階で廃棄処分や修復処分の対象となる部品が一層多くなり、そのことが生産性を高める妨げになっている。
【0008】
加えて、イオン交換膜103としてシートを使用しているので、イオン交換膜103のハンドリング性を考慮するとイオン交換膜103をある程度厚くする必要がある。このため、電極構造を薄くすることが難しく、そのことが電極構造の小型化を図る妨げになる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、それぞれの層の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができ、さらにイオン交換膜の性能低下を防ぐことができ、加えてイオン交換膜を薄くすることができる燃料電池の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、それぞれの層間に密着不良部分が発生するのは、先の塗膜が固化した後に、次の溶液を塗布して、この溶液が先の塗膜に滲み込まず、結果として密着不良が発生することが、その原因であることを突き止めた。
そこで、先の塗膜が乾かないうちに、次の溶液を重ねたところ、溶液が先の塗膜に滲み込み、密着性が著しく高まることが分かった。
同様に、シート状のイオン交換膜に溶液を塗布した場合にも、溶液がシート状のイオン交換膜に滲み込まず、結果として密着不良が発生することが、その原因であることを突き止めた。
【0011】
そこで、請求項は、シート状の負極側拡散層上に、燃料電池を構成する、炭素の表面に白金−ルテニウム合金が担持された触媒を混合した負極用の溶液を塗布して負極層を形成する工程と、この負極層が未乾燥のうちに、この負極層上にイオン交換膜用の溶液を塗布してイオン交換膜を形成する工程と、このイオン交換膜が未乾燥のうちに、このイオン交換膜上に、炭素の表面に白金が担持された触媒を混合した正極用の溶液を塗布して正極層を形成する工程と、この正極層の未乾燥のうちに、この正極層上に正極側拡散層を設ける工程と、これら負・正極層及びイオン交換膜のそれぞれの溶液を乾燥することにより固化する固化工程とから燃料電池の製造方法を構成した。
【0012】
オン交換膜を溶液とすることで、イオン交換膜を溶液の状態でハンドリングできる。さらに、イオン交換膜を溶液とすることで、ハンドリングの際にイオン交換膜の厚さを規制する必要はない。このため、イオン交換膜を薄くすることが可能になり、電極構造を薄くすることができる。
【0013】
ここで、燃料電池を使用して電流を発生させる際に、水素分子(H)と酸素分子(O)とが反応して燃料電池内に生成水(HO)を生成する。この生成水は、主に正極側拡散層(カーボンペーパー)を透過させて燃料電池の外部に排出する。
しかし、未乾燥の電極層上にイオン交換膜用の溶液を塗布すると、イオン交換膜用の溶液が重力の影響で下方に流れ電極層に浸透する虞がある。
イオン交換膜用の溶液が電極層に浸透すると、浸透した溶液で電極層の空隙が減少してしまう虞がある。
【0014】
このため、燃料電池を製造する際に、正・負の電極層のうちの正極層をイオン交換膜の下方に配置すると、正極層の空隙がイオン交換膜用の溶液で減少してしまい、発電により生成した生成水を正極側拡散層から燃料電池の外部に効率よく排出できないことが懸念される。
【0015】
生成水を効率よく排出することができないと、水素や酸素の反応ガスを好適に供給することが妨げられるので、濃度過電圧が高くなり、燃料電池の発電性能を良好に保つことが難しくなる。
なお、「濃度過電圧」とは、電極における反応物質及び反応生成物の補給及び除去の速度が遅く、電極の反応が妨害されるときに現れる電圧低下をいう。すなわち、濃度過電圧が高くなるということは電圧低下量が増すということである。
【0016】
そこで、請求項において、イオン交換膜の上方に正極層を設けるようにした。正極層をイオン交換膜の上方に配置することで、イオン交換膜用の溶液が重力の影響で負極層に浸透することを防ぐことができ、正極層の空隙がイオン交換膜用の溶液で減少することを防止できる。
これにより、発電により生成した生成水を正極層から正極側拡散層に導いて、正極側拡散層の空隙から好適に排出することができ、燃料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る電極構造(第1実施形態)を備えた燃料電池を示す分解斜視図である。
燃料電池ユニット10は複数(2個)の燃料電池11,11で構成したものである。燃料電池11は、燃料電池用電極構造(電極構造)12を構成する負極側拡散層(シート)13の外側に負極側流路基板31を配置し、電極構造12を構成する正極側拡散層14の外側に正極側流路基板34を配置したものである。
【0022】
負極側拡散層13に負極側流路基板31を積層することで、負極側流路基板31の流路溝31aを負極側拡散層13で覆うことにより、水素ガス流路32を形成する。また、正極側拡散層14に正極側流路基板34を積層することで、正極側流路基板34の流路溝34aを正極側拡散層14で覆うことにより、酸素ガス流路35を形成する。
【0023】
電極構造12は、負極側拡散層13及び正極側拡散層14の内側にそれぞれバインダーを介して一方の電極層としての負極層17及び他方の電極層としての正極層18を備え、これら負極層17及び正極層18の間にイオン交換膜19を備える。
このように、構成した燃料電池11をセパレータ36を介して複数個(図1では2個のみを示す)備えることで、燃料電池ユニット10を構成する。
なお、電極構造12については図2で詳しく説明する。
【0024】
燃料電池ユニット10によれば、水素ガス流路32に水素ガスを供給することで、負極層17に含む触媒に水素分子(H)を吸着させるとともに、酸素ガス流路35に酸素ガスを供給することで、正極18に含む触媒に酸素分子(O)を吸着させる。これにより、電子(e)を矢印の如く流して電流を発生させることができる。
なお、電流を発生させる際には、水素分子(H)と酸素分子(O)とから生成水(HO)が発生する。
【0025】
図2は本発明に係る燃料電池用の電極構造(第1実施形態)を示す説明図である。
電極構造12は、負極側拡散層13及び正極側拡散層14の内側にそれぞれ負極層17及び正極層18を備え、これら負極層17及び正極層18の間にイオン交換膜19を備える。
負極側拡散層13は、負極側のカーボンペーパー13a及び負極側のバインダー層15aからなるシート材(シート)である。
また、正極側拡散層14は、正極側のカーボンペーパー14a及び正極側のバインダー層16aからなるシート材(シート)である。
【0026】
負極側のバインダー層15aを構成するバインダーは、カーボンフッ素樹脂である。また、正極側のバインダー層16aを構成するバインダーは、撥水性を備えたカーボンポリマーであり、カーボンポリマーはポリテトラフルオロエチレンの骨格にスルホン酸を導入したものが該当する。
【0027】
負極層17は、負極用の溶液に触媒21を混合し、溶液を塗布後に乾燥することで固化したものである。負極層17の触媒21は、炭素22の表面に触媒として(白金−ルテニウム合金)23を担持したものであり、(白金−ルテニウム合金)23に水素分子(H)を吸着させるものである。
【0028】
正極層18は、正極用の溶液に触媒24を混合し、溶液を塗布後に乾燥することで固化したものである。正極層18の触媒24は、炭素25の表面に触媒として白金26を担持したものであり、白金26に酸素分子(O)を吸着させるものである。
イオン交換膜19は、負極層17及び正極層18間に溶液の状態で塗布した後、負極の溶液及び正極の溶液とともに一緒に乾燥することにより負極層17及び正極層18と一体に固化したものである。
【0029】
次に、電極構造12の製造方法を図3〜図5に基づいて説明する。
図3(a)〜(c)は本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第1工程説明図である。
(a)において、シート状の負極側拡散層13を配置する。すなわち、負極側拡散層13のカーボンペーパー13aをセットした後、このカーボンペーパー13a上にバインダー層15a用の溶液を塗布する。
【0030】
(b)において、バインダー層15aが未乾燥のうちに、バインダー層15a上に、負極用の溶液を塗布して負極層17を形成する。
(c)において、負極層17が未乾燥のうちに、負極層17上にイオン交換膜19用の溶液を塗布してイオン交換膜19を形成する。
【0031】
図4(a),(b)は本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第2工程説明図である。
(a)において、イオン交換膜19が未乾燥のうちに、イオン交換膜19上に正極層18用の溶液を塗布して正極層18を形成する。
(b)において、正極層18が未乾燥のうちに、正極層18上に、正極側拡散層14(図2参照)を構成するバインダー層16aの溶液を塗布する。
【0032】
図5(a),(b)は本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第3工程説明図である。
(a)において、バインダー層16aに正極側のカーボンペーパー14aを載せることにより、バインダー層16a及びカーボンペーパー14aでシート状の正極側拡散層14を形成する。
【0033】
次に、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aが未乾燥のうちに、それぞれの層15a,17,18,16a及び膜19に荷重をかけないで、それぞれの層15a,17,18,16a及び膜19を一緒に乾燥する。
【0034】
(b)において、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aを固化することで、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aを固化した状態で積層する。
これにより、第1実施形態の電極構造12の製造工程が完了する。
【0035】
このように、第1実施形態によれば、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aが未乾燥の状態で、それぞれの上面に溶液を塗布することで、それぞれの境界において隣接する溶液同士を好適に混合させることができる。
【0036】
よって、バインダー層15aと負極層17との間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。また、負極層17とイオン交換膜19との間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。さらに、イオン交換膜19と正極層18との間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。加えて、正極層18とバインダー層16aとの間の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができる。
これにより、電極構造12における反応効率を良好に保つことができる。
【0037】
また、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aが未乾燥の状態で、それぞれの溶液を塗布し、それぞれの溶液を塗布後に荷重をかけないで乾燥する。
これにより、イオン交換膜19を固化する際に、イオン交換膜19に荷重をかける必要がないので、イオン交換膜19の性能が荷重の影響で低下することを防ぐことができる。
【0038】
加えて、イオン交換膜19を溶液とすることで、イオン交換膜19を溶液の状態でハンドリングすることができるので、ハンドリング性の観点からイオン交換膜19の厚さを規制する必要はない。このため、イオン交換膜19を薄くすることが可能になり、電極構造12を薄くすることができる。
【0039】
次に、燃料電池用電極構造の製造方法を第2実施形態でより具体的に説明する。なお、第1実施形態と同一部材については同一符号を付して説明を省略する。
図6(a)〜(c)は本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第2実施形態)を示す第1工程説明図である。
(a)において、シート状の負極側拡散層13を配置する。すなわち、負極側拡散層13のカーボンペーパー13aをセットした後、このカーボンペーパー13a上にバインダー層15a用の溶液を塗布する。
【0040】
(b)において、バインダー層15aが未乾燥のうちに、バインダー層15aの上面に沿ってスプレー55を矢印の如く移動しながら噴射口56から負極層17用の溶液を噴霧状に噴射することにより、バインダー層15a上に負極層17用の溶液を塗布して負極層17を形成する。
【0041】
(c)において、負極層17が未乾燥のうちに、負極層17の上面に沿ってコーター57を矢印の如く移動しながら、負極層17上にイオン交換膜19用の溶液を塗布してイオン交換膜19を形成する。
具体的には、コーター57のブレード57aを負極層17の上面から上方に所定間隔離して上面に平行に配置し、このブレード57aを負極層17の上面に沿って矢印の如く移動しながら、ブレード57aでイオン交換膜19のペースト(溶液)を一定の厚さにならすことによりイオン交換膜19を形成する。
【0042】
負極層17上にイオン交換膜19用の溶液を塗布することにより、イオン交換膜19用の溶液が重力の影響で矢印の如く下方に流れ、負極層17に浸透する虞がある。これにより、負極層17の空隙が減少する虞があるが、負極層17の空隙はある程度減少しても燃料電池の性能に影響を与える虞はない。
【0043】
図7(a),(b)は本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第2実施形態)を示す第2工程説明図である。
(a)において、イオン交換膜19が未乾燥のうちに、イオン交換膜19の上面に沿ってスプレー58を矢印の如く移動しながら噴射口59から正極層18用の溶液を噴霧状に噴射することにより、イオン交換膜19上に正極層18用の溶液を塗布して正極層18を形成する。
なお、イオン交換膜19の上面に正極層18用の溶液をスプレー58を用いて塗布した理由については後述する。
【0044】
(b)において、正極層18が未乾燥のうちに、正極層18上に、正極側拡散層14(図2参照)を構成するバインダー層16aの溶液を塗布してバインダー層16aを形成する。
【0045】
次に、図5(a)と同様に、バインダー層16aに正極側のカーボンペーパー14aを載せることにより、バインダー層16a及びカーボンペーパー14aでシート状の正極側拡散層14を形成する。
次に、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aが未乾燥のうちに、それぞれの層15a,17,18,16a及び膜19に荷重をかけないで、それぞれの層15a,17,18,16a及び膜19を一緒に乾燥する。
【0046】
次いで、図5(b)と同様に、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aを固化することで、バインダー層15a、負極層17、イオン交換膜19、正極層18、バインダー層16aを固化した状態で一体に積層する。
これにより、第2実施形態の製造工程が完了する。
【0047】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、第1、第2実施形態によれば、イオン交換膜19の上方に正極層18を設けることで、正極層18をイオン交換膜19の上方に配置することができる。よって、イオン交換膜19用の溶液が正極層18に浸透することを防ぐことができ、正極層18の空隙がイオン交換膜19用の溶液で減少することを防止できる。
【0048】
これにより、発電により生成した生成水を、正極層18の空隙を通して正極側拡散層14まで導き、正極側拡散層14から好適に排出することができるので、燃料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えることができる。
【0049】
加えて、第2実施形態によれば、正極層18を形成する際に、正極層18用の溶液をスプレー法で塗布することで、イオン交換膜19や正極層18に余分な塗布圧をかけることなく、すなわち正極層18用の溶液を最小の塗布圧で塗布することができる。
このように、イオン交換膜19や正極層18に余分な塗布圧をかけないで正極層18用の溶液を塗布することで、イオン交換膜19用の溶液が正極層18に浸透することを防ぐことができる。
【0050】
よって、イオン交換膜19用の溶液で正極層18の空隙が減少することを防いで、正極層18の空隙をより一層好適に確保することができる。
これにより、発電により生成した生成水を、正極層18の空隙を通して正極側拡散層14まで導き、正極側拡散層14の空隙からより一層好適に排出することができるので、燃料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えることができる。
【0051】
なお、前記第2実施形態では、イオン交換膜19の上面に正極層18用の溶液をスプレー58を用いて塗布したが、正極層18用の溶液の塗布はスプレー58に限らないで、インクジェット方式を採用することも可能である。要は、正極層18用の溶液を噴霧状に塗布できる方式であればよい。
【0052】
ここで、スプレー及びインクジェットは溶液を噴霧状に塗布する点で同じである。スプレーは噴霧範囲が比較的広く塗布時間を短くできるが、未塗布部分を確保するためにマスキング処理が必要になる。一般に、マスキング処理部に付着した溶液は回収が難しい。
【0053】
一方、インクジェットは塗布範囲を正確に絞り込むことができるので、未塗布部分にマスキング処理を施す必要がなく、溶液を有効に使用することができる。但し、インクジェットは、塗布範囲が狭いのでスプレーと比較して塗布スピードが劣る。
【0054】
また、前記第2実施形態では、負極側のバインダー層15aの上面にスプレー55を用いて負極層17用の溶液を塗布する例について説明したが、その他の塗布手段で負極層17用の溶液を塗布することも可能である。
さらに、前記第2実施形態では、負極層17の上面にコーター57を用いてイオン交換膜19用の溶液を塗布する例について説明したが、その他の塗布手段でイオン交換膜19用の溶液を塗布することも可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、イオン交換膜に溶液を採用し、負極用の溶液、正極用の溶液及びイオン交換膜用の溶液をそれぞれ未乾燥の状態で塗布すれば、境界で混合が発生する。これにより、一対の電極及びイオン交換膜の各層の境界に密着不良部分が発生することを防ぐことができるので、イオン交換膜における反応効率を良好に保つことができる。
この結果、負極層、正極層及びイオン交換膜を備えた電極構造の品質を安定させることができるので、生産性を高めることができる。
【0057】
さらに、請求項1は、イオン交換膜を溶液とすることで、イオン交換膜を溶液の状態でハンドリングできる。さらに、イオン交換膜を溶液とすることで、ハンドリングの際にイオン交換膜の厚さを規制する必要はない。このため、イオン交換膜を薄くすることが可能になり、電極構造を薄くすることができる。
【0058】
さらに、請求項は、イオン交換膜の上方に正極層を設けることで、イオン交換膜用の溶液が重力の影響で正極層に浸透することを防ぐことができ、正極層の空隙がイオン交換膜用の溶液で減少することを防止できる。
従って、発電により生成した生成水を正極層から正極側拡散層に導いて、正極側拡散層の空隙から好適に排出することができ、燃料電池に生じる濃度過電圧を低く抑えて、燃料電池の発電性能を良好に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電極構造(第1実施形態)を備えた燃料電池を示す分解斜視図
【図2】 本発明に係る燃料電池用の電極構造(第1実施形態)を示す説明図
【図3】 本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第1工程説明図
【図4】 本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第2工程説明図
【図5】 本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第1実施形態)を示す第3工程説明図
【図6】 本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第2実施形態)を示す第1工程説明図
【図7】 本発明に係る燃料電池用の電極構造の製造方法(第2実施形態)を示す第2工程説明図
【図8】 従来の燃料電池を説明する説明図
【図9】 従来の燃料電池を構成する電極構造を示す説明図
【符号の説明】
11…燃料電池、12…電極構造(燃料電池用電極構造)、13…負極側拡散層、14…正極側拡散層、17…負極層(一方の電極層)、18…正極層(他方の電極層)、19…イオン交換膜。

Claims (1)

  1. シート状の負極側拡散層上に、燃料電池を構成する、炭素の表面に白金−ルテニウム合金が担持された触媒を混合した負極用の溶液を塗布して負極層を形成する工程と、
    この負極層が未乾燥のうちに、この負極層上にイオン交換膜用の溶液を塗布してイオン交換膜を形成する工程と、
    このイオン交換膜が未乾燥のうちに、このイオン交換膜上に、炭素の表面に白金が担持された触媒を混合した正極用の溶液を塗布して正極層を形成する工程と、
    この正極層の未乾燥のうちに、この正極層上に正極側拡散層を設ける工程と、
    これら負・正極層及びイオン交換膜のそれぞれの溶液を乾燥することにより固化する固化工程と、からなる燃料電池の製造方法。
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