JP3898414B2 - 液体噴出容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体噴出容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体噴出容器として、押し下げヘッド式のポンプを容器体に装着したものが一般に知られている。これらは口頚部を起立した容器体と、口頚部外周に嵌着させた装着筒により容器体内へシリンダ等を垂設するとともに、シリンダ内より突設したステムの上端にノズル付きの押し下げヘッドを嵌着したポンプを備え、ヘッドの上下動により容器体内の液を吸い上げてヘッドの噴出口より噴出する如く構成している。
【0003】
この様な噴出容器は、取り扱いが手軽で、安価に製造できる等の利点を有しているが、使用時には押し下げヘッドが上方付勢力により最上昇位置に押し下げ可能な状態で保管されるため、誤ってヘッドを押し下げて不都合な液の漏出を来す場合がある。
【0004】
この種の液体噴出容器では、ヘッドを上方付勢に抗して押し下げた状態で螺着させておくことができる様に構成しているものもあるが、使用の都度いちいち螺脱,螺着の操作を行うのは面倒が伴い、螺着しないままに次回使用まで放置する場合が多い。また、ヘッド周囲を被覆して装着筒や容器体胴部に下端を着脱可能に嵌着したオーバーキャップを設けたものもある。この場合もヘッドの誤った押し下げを防止できるが、同様に使用の都度着脱しなければならず、取り扱いが面倒であるとともに、取り外した際に紛失の虞もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、誤ってヘッドを押し下げて不用意な液の漏出を生ずる虞がなく、しかも簡単な操作でヘッドの係止或いは係止解除を行え、構造も簡単な液体噴出容器を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、以下の如く構成した。即ち、口頚部6を起立した容器体2と、口頚部6外周に装着筒7を嵌着することにより容器体に装着するとともに、装着筒上方へ上方付勢状態で上下動可能に押し下げヘッド8を突出させたポンプ3とを備え、押し下げヘッド8の上下動により容器体内の液を吸い上げて噴出口14より噴出する如く構成した液体噴出容器に於いて、装着筒7外周に下部を嵌着固定するとともに、上部に案内用の切り溝16を縦設した内筒17と、該内筒17外周に回動可能に嵌合させるとともに、内周面に螺旋溝18を凹設した外筒19と、内筒17内周上部に昇降可能に嵌合させるとともに、下部外周より突設した棒状突起20を切り溝16を介して螺旋溝18に摺動可能に嵌合させ、且つ、上昇時に上端部が押し下げヘッド8の周縁部下面に当接してヘッドの押し下げを防止する如く構成した係止筒21とを備えている。
【0007】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、上記押し下げヘッド8が、下向き段部10を介して上端部を拡径した筒状周壁9を有するとともに、周壁拡径部分11に噴出口14を開口した押し下げヘッド8であり、上記係止筒21が、下向き段部10に当接する上向き段部26を介して被覆筒部27を上端部に延設するとともに、上昇時に被覆筒部27により噴出口14を被覆する如く構成した係止筒21a である如く構成した。
【0008】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、上記押し下げヘッド8が、筒状周壁を有するとともに、周壁に噴出口14を開口した押し下げヘッド8であり、上記係止筒21に代えて、内筒17内周上部に昇降可能に嵌合させるとともに、下部外周より突設した棒状突起20を切り溝16を介して螺旋溝18に摺動可能に嵌合させ、且つ、上昇時にヘッド外周を囲繞してヘッドの押し下げを防止する如く構成した係止筒21b を備えた。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1〜図4は本発明の一実施例を示すもので、図中1は液体噴出容器を示す。該容器1は、容器体2と、ポンプ3とを備えている。
【0011】
容器体2は合成樹脂等で形成されたもので、胴部より口頚部を起立した形態のものが使用でき、口頚部外周にポンプの装着筒を係止するための係止突条や螺条を周設したものが使用できる。図示例に於ける容器体2は、胴部4より肩部5を介して口頚部6を起立している。
【0012】
ポンプ3も合成樹脂等により形成されたもので、口頚部6外周に嵌着した装着筒7により容器体に装着させたもので、装着筒上方へ押し下げヘッド8を上方付勢状態で上下動可能に突出させ、ヘッド8の上下動により容器体内の液を吸い上げて噴出口より噴出する如く構成した所謂押し下げヘッド式のものが使用できる。
【0013】
これらポンプの具体的機構の一例を図示せずに説明すると、容器体内にはシリンダを垂設させ、該シリンダ内周に摺動可能に嵌合させたピストンを下端部に連係させたステムを装着筒上方へ突設し、ステム上端に噴出口付きの押し下げヘッドを嵌着する。また、ステムはシリンダ内に装着したコイルスプリング等により常時上方付勢させておく。更に、シリンダ内下端部には吸込弁を、ステム内には吐出弁をそれぞれ設ける。そして、押し下げヘッドを押し下げることにより連係するピストンが下降し、シリンダ内の加圧液がステムより吐出弁を開いて噴出口より噴出する。ヘッドの押圧を解除すると上方付勢力によりピストンが上昇し、負圧化したシリンダ内に吸込弁を介して容器体内の液が吸入される。但し、具体的機構はこの例に限らず、従来のこの種のポンプの形態を採用できる。
【0014】
本発明に於いて、押し下げヘッド8の具体的形態も従来のこの種容器に使用されているものが使用できるが、図示例では、周壁9上端部を下向き段部10を介して拡径し、この周壁拡径部分11上端縁より頂壁12を延設している。また、周壁拡径部分11前部より前方へノズル13を突設し、その先端に噴出口14を開口している。また、図示されていないが、頂壁12裏面からは縦筒を垂設し、その下端をステム15上端に液密に嵌合するとともに、縦筒の上部にノズル13の基端部を連通させている。
【0015】
また、本発明に於いて、装着筒7外周に下部を嵌着固定するとともに、上部に案内用の切り溝16を縦設した内筒17と、該内筒17の外周に回動可能に嵌合させるとともに、内周面に螺旋溝18を凹設した外筒19と、内筒17内周上部に昇降可能に嵌合させるとともに、下部外周より突設した棒状突起20を切り溝16を介して螺旋溝18に摺動可能に嵌合させ、且つ、上昇時に上端部が押し下げヘッドの周縁部下面に当接してヘッドの押し下げを防止する如く構成した係止筒21とを備えている。
【0016】
図示例の内筒17は、下部を装着筒7外周に密嵌させるとともに、内周下端縁より突設した係止突条を装着筒7下面に係合させている。また、外周下部より外方へフランジ22を延設するとともに、フランジ22外周縁より下方へ垂壁23を垂設している。また、切り溝16は装着筒7上方の突出した部分に上端より穿設している。外筒19は、内筒17上面に内周縁下面を当接載置させたリング板状の頂板24下面中間部から垂設して、内筒17外周に回動可能に遊嵌しており、頂板24周縁部からは垂壁23直上に至る外周壁25を垂設している。また、螺旋溝18は切り溝16形成部位に相当する位置に設けている。更に、係止筒21は、螺旋溝18に嵌合した棒状突起20により支持されるとともに、内筒17内周上部に昇降可能に遊嵌している。
【0017】
そして、図1の状態から外周壁25を持って外筒19を回動させると、係止筒21は螺旋溝18により上昇力を得、固定された内筒17の螺旋溝18により真っ直ぐに上昇する。また、図2の状態から外周壁25を持って外筒19を逆に回動させれば同様の理屈で係止筒21は下降する。係止筒21が上昇位置にある場合には誤ってヘッド8を押し下げても、その下向き段部部分が係止筒21上面に当接係止されて液が漏出することはない。尚、係止筒21は、その棒状突起20が切り溝16を介して螺旋溝18に嵌合しているため、上方より極めて強く押し下げられなければ下がってしまうという様なことはなく、一方、外筒19を回動させることではスムースに昇降する。また、係止筒21の上面は図2に示す如くその最上昇位置で必ずしも下向き段部10に当接していなくても良く、液の噴出が生じない範囲での押し下げが可能であっても良い。
【0018】
図5及び図6は本発明の他の実施例を示すもので、本実施例では、上記図1の実施例に於いて、下向き段部10を介して上端部を拡径した筒状周壁9を有するとともに、周壁拡径部分11に噴出口14を開口した押し下げヘッド8を採用し、また、下向き段部10に当接する上向き段部26を介して被覆筒部27を上端に延設するとともに、上昇した際に被覆筒部27により噴出口14を被覆する如く構成した係止筒21a を採用している。その他の構成は実質的に上記実施例と同様であるため、同符号を付して説明を省略する。
【0019】
図7及び図8は第3の手段の実施例を示すもので、第3の手段では、筒状周壁を有するとともに、周壁に噴出口14を開口した押し下げヘッド8を採用し、図示例では、図7の実施例と同様の押し下げヘッド8を採用している。但し、本発明の場合には下向き段部は存在しても良いが、基本的に必要としない。また、図1の実施例の係止筒21に代えて、内筒17内周上部に昇降可能に嵌合させるとともに、下部外周より突設した棒状突起20を切り溝16を介して螺旋溝18に摺動可能に嵌合させ、且つ、上昇時にヘッド外周を囲繞してヘッドの押し下げを防止する如く構成した係止筒21b を備えている。従って、上昇時の係止筒21b の上端が押し下げヘッド8の上端と同じか上方に位置する如く構成する。尚、本実施例の場合は、例えば、指先でヘッド上面のみを押圧すればヘッドを押し下げることができるが、通常の動作で誤ってヘッドだけ押し下げする場合には囲繞する係止筒21b により押し下げを防止されることとなり、充分にヘッドの不用意な押し下げ防止には役立つ如く構成している。
【0020】
また、本発明では液の不用意な漏出を防止する目的で上記構成としているが、例えば、流通時の埃等の付着防止のためのオーバーキャップの併用或いは非使用時に容器が倒れた際の液漏れの防止のためにヘッドを押し下げた状態で螺着可能とする構成の併用等、別の目的で従来の構成の併用は当然可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明の液体噴出容器は、既述構成としたことにより、係止筒を上昇させておけばヘッドを誤って押し下げても係止されて液の漏出を防止できる。また、係止筒の昇降も、外筒を回動させるという極めて簡単を操作で行えるため、ヘッドを螺着係止可能に設けたものと比較して取り扱いが便利であり、また、オーバーキャップの様に取り外す必要がないため紛失する等の不都合を生じない。
【0022】
また、第2の手段の容器では、不使用時には常時噴出口を被覆筒部により被覆しているため、その部分への埃等の付着を防止できる利点を兼ね備えている。
【0023】
また、第3の手段の容器では、押し下げ防止の確実性に関して若干劣るものの、充分に液の漏出防止を行えるとともに、ヘッドの形態を比較的自由に選択できる利点を兼ね備えている。例えば、係止筒と係合する下向き段部等をヘッドが備えていなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す半断面図である。
【図2】同実施例の係止筒を上昇させた際の半断面図である。
【図3】同実施例の斜視図である。
【図4】同実施例の係止筒を上昇させた際の斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す半断面図である。
【図6】同実施例の係止筒を上昇させた際の半断面図である。
【図7】本発明の更に他の実施例を示す半断面図である。
【図8】同実施例の係止筒を上昇させた際の半断面図である。
【符号の説明】
2…容器体,3…ポンプ,6…口頚部,7…装着筒,8…押し下げヘッド,
10…下向き段部,11…周壁拡径部分,14…噴出口,16…切り溝,17…内筒,
18…螺旋溝,19…外筒,20…棒状突起,21,21a ,21b …係止筒,
26…上向き段部,27…被覆筒部
Claims (1)
- 口頚部6を起立した容器体2と、口頚部6外周に装着筒7を嵌着することにより容器体に装着するとともに、装着筒上方へ上方付勢状態で上下動可能に押し下げヘッド8を突出させたポンプ3とを備え、押し下げヘッド8の上下動により容器体内の液を吸い上げて噴出口14より噴出する如く構成した液体噴出容器に於いて、装着筒7外周に下部を嵌着固定するとともに、上部に案内用の切り溝16を縦設した内筒17と、該内筒17外周に回動可能に嵌合させるとともに、内周面に螺旋溝18を凹設した外筒19と、内筒17内周上部に昇降可能に嵌合させるとともに、下部外周より突設した棒状突起20を切り溝16を介して螺旋溝18に摺動可能に嵌合させ、且つ、上昇時に上端部が押し下げヘッド8の周縁部下面に当接してヘッドの押し下げを防止する如く構成した係止筒21とを備えてなり、上記押し下げヘッド8が、下向き段部10を介して上端部を拡径した筒状周壁9を有し、且つ、周壁拡径部分11に噴出口14を開口した押し下げヘッド8であり、上記係止筒21が、下向き段部10に当接する上向き段部26を介して被覆筒部27を上端部に延設し、且つ、上昇時に被覆筒部27により噴出口14を被覆する如く構成した係止筒21a であることを特徴とする液体噴出容器。
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