JP3896360B2 - 樹木系植物の緑化工法と薄型緑化システム - Google Patents

樹木系植物の緑化工法と薄型緑化システム Download PDF

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Description

本発明は、土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体の表面に腐蝕しにくいネット状又は格子状の抑え体が固定されている緑化対象域に樹木系植物を植裁し、無土壌面や法面や既存の植生緑化施工面を草花類だけでなく樹木を含めて簡単に緑化するための樹木系植物の緑化工法とそのための薄型緑化システムに関する。
従来より、法面緑化、岩盤緑化、水際緑化、屋上緑化、ビル緑化、壁面緑化など多様な要請に応じて各種の緑化工法や緑化装置が多方面で多研究開発されている。その中には、実用性の高い緑化工法や緑化装置もあるが、その多くは草花類による緑化であった。その理由は、土壌や土壌代替物など植生基材が少なくて済むからである。これに対し樹木系植物の植栽技術について、いまだ満足いく緑化技術の開発がなされていないのは、樹木系植物の場合、自然界の樹木系植物の生育条件がそうであるように、樹木が風雪により倒木しないように根が大きく張ることから土壌層が相当に厚く多量に存在しないと生育できないと思われてきたからである。このため植木鉢に樹木系植物を植栽する場合でも、街路樹を植える場合でも、土壌層が少なくとも樹木の大きな根を埋め込むだけの深さは必要であるとされてきた。
他方近年、都会におけるヒートアイランド現象が社会問題になるにつれて、屋上緑化や、ビル緑化、ベランダ緑化などの必要性が高まり、この要請に応える緑化装置や緑化器具の開発競争が起こっている。そして、ベランダに植木鉢を置き、草花を栽培したり、屋上庭園として、花壇や野菜畑を作ることが流行している。しかるに、これらの場合、そのほとんどが、草花類の低い植物であり、背の高くなる樹木系植物を植栽するのは難しいとされていた。その大きな理由は、樹木系植物によるビル緑化や屋上緑化をする場合には、風雪による倒木を防ぐために土壌を厚く多量に確保する必要があるが、そのような重量に耐えるためにはビルや家屋の強度を高め、防水処理を充分に行う必要が生じる。すなわち、従来のビルや家屋は、多くの場合屋上緑化やビル緑化を前提にして設計されていないので、緑化したくても出来ないというのが、現状であった。
本発明者は、このような現実を踏まえて、緑化装置を軽量化しながら風雪による倒木を防ぎ、しかも樹木系植物を植栽し続けることのできる緑化装置や緑化工法を開発するため鋭意努力をしてきた。
例えば、これまでも樹木系植物を植栽する際に、根を広く張ることが出来ないとしても、少なくともその根を埋め込むだけの土壌の深さを確保し、自力で植立するようにし、風や雪によって外圧が負荷された場合でも簡単に倒れないように補助する必要があるとして、樹木系植物の根元を支持したり、固定したり、添え木をしながら植栽する方法や、そのための緑化装置や器具の開発をしてきた。それらの経験の中から、樹木系植物の根の大きさは、栄養分を土壌から吸収するという本来の機能を果たすに十分であるというよりは、背の高い樹木を自然界の厳しい風雪の中でも植立維持できるような機能を果たす為に必要な大きさとして定まったものであることが解ってきた。そこで、樹木系植物の根元を人工的に支持したり固定して、風雪による倒木を防ぐように植立維持機能を補助すれば、必ずしも土壌や土壌代替物など植生基材の量は、根を埋めるほど多量には必要ではないことを見出した。
また、植物の根が活着するために土壌方向に成長しようとする能力は非常に強く、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部と植生基盤との間に土壌を介在させて連続一体化すれば、土壌や植生基盤に上に樹木系植物の植栽根巻部を載置しただけで、必ずしも植栽根巻部を埋め込まなくても確実に活着することを見出した。
本発明者は、前記のように樹木系植物を活着し生育するだけであれば、必要な土壌の量は比較的少なくても良いし、根を埋め込まなくても良いという、経験から得た技術的知見に注目して、これに基づいて、樹木系植物の植栽根巻部を載置し、人工的に樹木系植物の根元をしっかり固定して風雪による倒木を防ぎ植立状態を維持することと、当該樹木の植栽根巻部と植生基盤を一体化することによって活着することとを両立させ、植生基盤の大幅な軽量化と、緑化施工の容易性と、風雪に対する強さとを合わせもった樹木植物を含めた新しい緑化工法と薄型緑化システムを具現化することが可能になった。
特許を受けようとする第1発明は、長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とを用意する。そのうえで、土壌又は植生基盤材の表面に腐蝕しにくいネット状又は格子状の抑え体が固定されている緑化対象域に、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化するとともに、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に、植栽根巻部の周囲固定金具の係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物の植栽根巻部を支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止して、絞り込むことにより樹木系植物が倒れないように植立固定して、活着するようにしたことを特徴とする樹木系植物の緑化工法である。
当該植栽根巻部の周囲固定金具は、長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる。また、前記樹木系植物は、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる。植栽土壌は、土だけでなく肥料や土壌改良材や肥料など植栽する植物の種類や、環境に応じて必要なものを調整された土壌である。
特許を受けようとする第2発明は、防水シートと防根シートを重ねた底部を形成し、その底部上に粒状炭を敷き詰め、その上にバーク、ピートモス、炭、肥料、土壌改良材などの緑化材を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シートで包んで縫製してなる薄型植生マットを重ねて縫製するか又は結着取付金具で一体化してなる薄型植生マット体と、長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とを用意する。そして、前記薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化する。同時に、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に、植栽根巻部の周囲固定金具の係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物の植栽根巻部を上方に立ち上がらせた支持部により支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止して、絞り込むことにより支持部によって樹木系植物が倒れないように植立固定し、前記樹木系植物が活着するようにしたことを特徴とする樹木系植物の緑化工法である。
当該薄型植生マット体は、防水シートと防根シートを重ねた底部を形成し、その底部上に粒状炭を敷き詰め、その上にバーク、ピートモス、炭、肥料、土壌改良材などの緑化材を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シートで包んで縫製してなる薄型植生マットを重ねて縫製するか又は結着取付金具で一体化してなるものである。
その特徴は、先ず第1に極薄型で、軽量な植栽用基礎構造体であっても、堅牢な構造が堅牢になっているため、植物の根部を載せて固定することができるうえ、植物の植栽に必要な養分と水分を十分に補給することができるものである。第2に、緑化対象域の上に植え付けたいと思っている植物の植栽根巻部をその根を下にして適宜配置し、その植栽根巻部を周囲固定具により当該植物が倒れないように植立固定することができる。第3に、当該植栽根巻部と植栽根巻部の周囲固定金具と薄型植生マット体の表面に仕上げ用の植栽土壌を被せてそれらが土壌で被覆するようにしただけで、誰でも簡単に樹木系植物も草花類も植栽することができる。第4に、本発明で用いる薄型植生マット体は、薄型で軽量に出来ているので、屋上緑化やビル緑化、ベランダ緑化などに適している。しかも、風や雪の負荷がかかっても植栽した植物が不用意には倒れず安定性も高いという特徴がある。
このような薄型植生マット体は、従来の植生基盤とは相違して、樹木系植物の根を植生用マット体内に埋め込むのではなく、その上に載置し、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を人工的に薄型植生マット体に押圧固定するという新しい使い方をするものである。これによって、初めて薄型植生マット体を超薄型で軽量なものにすることが出来たのである。第1発明と第2発明の相違は、第1発明が薄型植生マット体の樹木系植物を植立固定して活着するものではなく、土壌又は植生基盤材の緑化対象域であるのに対して、第2発明は土壌又は植生基盤材ではなく薄型植生マット体の緑化対象域である点において相違する。
特許を受けようとする第3発明は、土壌や植生基盤材又は前記薄型植栽マット体の表面に腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体を張設施工してある緑化対象域の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて前記土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体と前記植栽根巻部とを一体化する。同時に、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に植栽根巻部の周囲固定金具である係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を、張設してある腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物の植栽根巻部を上方に立ち上がらせた支持部により支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止して、絞り込むことにより前記支持部によって樹木系植物が倒れないように植立固定して、前記樹木系植物が活着するようになし、更に前記土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体の表面や樹木系植物の植栽根巻部の表面に仕上げ用の植栽土壌を被せてそれらが土壌で被覆するようになすとともに、その表面に草花類と保水用のシダ、コケ、草類などの植物を植え付けるようにしたことを特徴とする第1発明または第2発明に記載する樹木系植物の緑化工法である。
当該第3発明は、第1発明または第2発明の土壌又は植生基盤材又は前記薄型植生マット体の表面に腐植しにくい網状又は格子状の抑え体を張設施工してある緑化対象域の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、土壌又は植生基盤材又は前記薄型植生マット体と植栽根巻部とを一体化すると共に、植栽根巻部の周囲固定金具により樹木系植物が倒れないように植立固定し、更に前記薄型植生マット体の表面や樹木系植物の植栽根巻部の表面を仕上げ用に植栽土壌を被せてそれらが土壌で被覆するようになすとともに、その表面に草花類と保水用のシダ、コケ、草類などの植物を植え付けるようにした点に特徴がある。
特許を受けようとする第4発明は、薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化する方法として、当該植栽根巻部と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を前記薄型植生マット体の表面に敷き均すか又は少なくとも植栽根巻部の下部に水分を含んだ植栽用土壌を付着させて、薄型植生マット体内にまで前記植栽用土壌を入り込ませるようにして植栽根巻部と植栽用土壌と前記薄型植生マット体の緑化材とが一体化するようにしたことを特徴とする第2発明に記載する樹木系植物の緑化工法である。
当該第4発明は、第2発明の土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化する方法として、当該植栽根巻部と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を前記薄型植生マット体の表面に敷き均すか又は少なくとも植栽根巻部の下部に水分を含んだ植栽用土壌を付着させて、薄型植生マット体内にまで前記植栽用土壌を入り込ませるようにして植栽根巻部と植栽用土壌と前記薄型植生マット体の緑化材とが一体化するようにした点に特徴がある。
特許を受けようとする第5発明は、防水シートと防根シートを重ねた底部を形成し、その底部上に粒状炭を敷き詰め、その上にバーク、ピートモス、炭、肥料、土壌改良材などの緑化材を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シートで包んで縫製してなる薄型植生マットを重ねて縫製するか又は結着取付金具で一体化してなる薄型植生マット体と、長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とからなり、前記薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化するとともに、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に植栽根巻部の周囲固定金具である係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせて上方に立ち上がった支持部で樹木系植物の植栽根巻部を支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止し、これを絞り込んで支持部により樹木系植物が倒れないように植立固定して、前記樹木系植物が活着するようにしたことを特徴とする薄型緑化システムである。
当該第5発明は、腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シートを有してなる薄型植生マット体と、係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とが、次のように組み合わされたものである。前記薄型植生マット体の表面に植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて一体化するとともに、植栽根巻部の周囲を植栽根巻部の周囲固定金具で樹木系植物が倒れないように植立固定しておくことにより、当該樹木系植物が自然に活着するようにしたことを特徴とする薄型緑化システムである。
特許を受けようとする第6発明は、前記薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化するとともに、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に植栽根巻部の周囲固定金具である係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐植しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせて上方に立ち上がった支持部で樹木系植物の植栽根巻部を支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止し、これを絞り込んで支持部により樹木系植物が倒れないように植立固定して、前記樹木系植物を活着させ、更に前記薄型植生マット体の表面や樹木系植物の植栽根巻部の表面を仕上げ用に植栽土壌を被せてそれらが土壌で被覆するようになすとともに、その表面に草花類と保水用のシダ、コケ、草類などの植物を植え付けるようにしたことを特徴とする第5発明に記載する薄型緑化システムである。
当該第6発明は、第5発明に記載する薄型緑化システムにおいて、更に前記薄型植生マット体の表面や樹木系植物の植栽根巻部の表面を仕上げ用に植栽土壌を被せて、それらが土壌で被覆するようになすとともに、その表面に草花類と保水用のシダ、コケ、草類などの植物を植え付けるようにした点に特徴がある。
本願発明に係る樹木系植物の緑化工法によれば、土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体の表面に樹木系植物の植栽根巻部を載置し、人工的に樹木系植物の根元をしっかり固定して風雪による倒木を防ぎ植立状態を維持することと、当該樹木の植栽根巻部と植生基盤を一体化することによって活着することとを両立させ、植生基盤の軽量化と、緑化施工の容易性と、風雪に対する強さとを合わせもった樹木植物を含めた新しい緑化工法と薄型緑化システムを具現化することができるようになった。
本願発明に係る薄型緑化システムは、腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シートを有してなる薄型植生マット体と、係止ピン複数本と環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とを組み合せからなり、当該薄型植生マット体の表面に植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて一体化し、植栽根巻部の周囲を植栽根巻部の周囲固定金具で樹木系植物が倒れないように植立固定するだけで、あとは当該樹木系植物が自然に活着し、風雪により倒木することのない樹木系植物の緑化ができる緑化システムである。即ち、この緑化システムは、植生基盤の大幅な軽量化と薄型化が実現し、且つ緑化施工の容易性を兼ね備えた画期的な緑化システムである。
如上のように、本願発明に係る樹木系植物の緑化工法も薄型緑化システムも植生基盤の大幅な軽量化と薄型化が実現したので、屋上緑化、ビル緑化、壁面緑化などあまり荷重負担をかけられない条件下での緑化や、岩盤緑化など植生基盤の不足している条件下でも、風雪に耐えながら活着している樹木系植物による緑化を実現することができるようになった。
以下、本発明を図示実施例に基づき詳細に説明すると、図1は薄型植生マット体を示す斜視図であり、図2は、当該薄型植生マット体の構成を示す説明図であり、図3は、土壌又は植生基盤材12の表面に腐蝕しにくいネット状又は格子状の抑え体が固定されている緑化対象域を示す従断説明図であり、図4は、植栽根巻部の周囲固定具の実施例を示す斜視図であり、同図(イ)は、複数本の係止ピンと、環状ワイヤーとの組み合せ状態を示す斜視図であり、同図(ロ)は、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止し、これを絞り込んで支持部により樹木系植物が倒れないようにこれを絞り込んだ状態を示す斜視図である。また、図5は樹木系植物を示す斜視図であり、図6は、植栽用土壌を示す斜視図である。図7は、樹木系植物の緑化工法を示すの説明図であり、(イ)は、前記構成部材を組み立てて、薄型植生マット体の表面に樹木系植物を植率配置し植栽根巻部と植生基盤とを土壌で一体化し、植栽根巻部の周囲固定具で支えようとする状態を示し、(ロ)は、植栽根巻部の周囲固定具を絞り込んで樹木系植物が倒れないように植立固定した状態を示す説明図である。また図8は、前記薄型植生マット体の表面に樹木系植物を植栽根巻部の周囲固定具で植立固定した状態を示す斜視図であり、図9は、薄型植生マット体の表面に樹木系植物を植立固定したうえ、植栽用土壌で、植立固定した植栽根巻部を被覆した状態を示す斜視図であり、図10は、薄型植生マット体の表面に樹木系植物を植立固定したうえ、植栽用土壌で、植立固定した植栽根巻部と薄型植生マット体の表面を被覆した状態を示す斜視図であり、図11は、本発明に係る薄型緑化システムの一実施例の完成斜視図である。
本発明に係る樹木系植物の緑化工法や薄型緑化システムは、薄型植生マット体1と、植栽根巻部の周囲固定具2と、樹木系植物3と、植栽用土壌4を組み合わせることにより完成することができる。
そこで、以下これら緑化工法や薄型緑化システムを構成する資材について、詳細に説明する。
図1に示す薄型植生マット体1は、図2に示すように防水シート5と防根シート6を重ねた底部を形成し、その底部上に粒状炭7を敷き詰め、その上にバーク、ピートモス、炭、肥料、土壌改良材などの緑化材8を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シート9で包んで縫製してなる薄型植生マット10とを重ねて全体を縫製するか又は結着取付金具で一体化11してなるものである。本願発明に係る緑化工法は、この薄型植生マット体1上に樹木系植物3を植栽した緑化をすることが出来る。
更に、図1に示した薄型植生マット体1を詳細に説明すると、これは、出来るだけ軽量化することが望ましく、具体的には、厚さは、ほぼ5cm〜20cmのものである。この程度の厚さの薄型植生マット体1には、従来の根を埋め込む方法では樹木系植物の植栽は出来ないというの一般的認識であった。
その構成は、図2に示すように、防水処理を施した防水シート5の内側に防根シート6を重ねて底部を形成する。これは植物の根は成長力が強く、岩をも砕くほどの力があるので、伸長した根が底部を破ると、不用意に外部のコンクリートや屋上を壊したり、水漏れを起こしたりするおそれがある。このような不具合を防止せんとするものである。
また、前記底部の内側に粒状炭7を敷設する。これは、散水した余分の水が底部に溜まることがあるので、その溜まった水を浄化して腐敗しないようにし、植物の根が根腐れを起こさないようにする為のものである。
更に、当該粒状炭7の上には薄型植生マット10を重ねるように載置する。当該薄型植生マット10は、緑化材8を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シート9で包んで縫製してなるものである。これは、植栽した樹木系植物3に養分を供給する植生基盤の中心となるものである。その収納されている緑化材の種類や組み合わせの実施態様は多様に考えられるが、ここに挙げたバーク、ピートモス、炭、肥料、土壌改良材などの緑化材8は、植生基盤として少なくとも必要なものである。よって緑化材8としてここに挙げたもの以外の緑化材が含まれていても良いこと勿論である。縫製してあるのは、内包されている緑化材が偏在しないようにするためである。本実施例の薄型植生マット10を構成する腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シート9が、丈夫なのでである場合は、抑え体としての機能を十分果たすので、そのままでも良い。もし不織布又は腐蝕しにくいネット状シート9に抑え体としての機能に不安がある場合には、固定用金網や格子状体などの抑え体13を固定しても良いこと勿論である。実施例として試作した1メートル四方の大きさの薄型植生マット体1の重量は、60〜65kgと超軽量であった。この薄型植生マット体1を使用して高さ1〜2mの樹木を数本植栽することが可能であるが、普通の強風程度では、倒れることがない。
また、図3は、土壌又は植生基盤材12の表面に腐蝕しにくいネット状又は格子状の抑え体13が固定されている緑化対象域14を示す従断説明図である。本願発明に係る緑化工法は、このような条件の緑化対象域14をも簡単に樹木系植物3の緑化をすることが出来る。
図4は、植栽根巻部の周囲固定金具2である。それは長尺な金属棒を水平状の係止差込部2aとその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部2bとその頭部に環状ワイヤー係止部2cとを設けてなる係止ピン15、15、15が複数本と、環状ワイヤー16との組み合せとからなる。図7に示すように、(イ)当該植栽根巻部の周囲固定金具2は、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に係止ピン15,15,15を複数本、その水平状の係止差込部2aを、不織布又は腐蝕しにくいネット状シート9や腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体13の下に差込み、その後、(ロ)それをスライドさせながら樹木系植物3の植栽根巻部3aを支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部2cに、環状ワイヤー16を係止して、絞り込むことにより樹木系植物3が倒れないように植立固定するような態様で使用する。
図5は、根部を土壌と共に布状物で包んで植栽根巻部3aを形成してなる樹木系植物3である。根を植栽根巻部3aにするのは、固定する際の確実性を高めるためと、植栽直後の活着の確立を高めるためである。
図6は、植栽用土壌4である。その成分は、土だけでなく肥料や土壌改善材や肥料など植栽する植物の種類や、環境に応じて必要なものを調製された植栽用土壌である。
次に、上記のような資材の用意して、本発明に係る緑化工法が行われたり、薄型緑化システムを組み立てることができる。
まず第1に、樹木系植物の緑化工法の基本発明の実施例について説明する。
長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具2と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物3と、植栽土壌4とを用意する。その上で、図3に示した土壌又は植生基盤材12の表面に腐蝕しにくいネット状又は格子状の抑え体13が固定されている緑化対象域14を樹木系植物の緑化する方法である。
図7に示すように、緑化対象域14の表面に、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部3aを形成してなる樹木系植物3を植立配置し、当該緑化対象域14と植栽根巻部3aとの間に水分を含んだ植栽用土壌4を入り込ませて土壌又は植生基盤材12と植栽根巻部3aとを一体化する。その上で格子状の抑え体13の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物3の植栽根巻部3aを支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部2cに、環状ワイヤー16を係止して、絞り込むことにより樹木系植物3が倒れないように植立固定して、活着するようにしたことを特徴とする樹木系植物の緑化工法である。
次に、図1に示す薄型植生マット体1の表面に、樹木系植物の緑化をする方法とそれによって出来る薄型緑化システムについて説明する。
この場合にも、図2に示すように防水シート5と防根シート6を重ねた底部に緑化材8を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シート9で包んで縫製してなる薄型植生マット10を重ねて全体を縫製するか又は結着取付金具で一体化11してなる薄型植生マット体1と、長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具2と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物3と、植栽土壌4とを用意しておく。
そのうえで、図7、図8に示すように、前記薄型植生マット体1の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化する。
その後、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に植栽根巻部の周囲固定金具である係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物の植栽根巻部を上方に立ち上がらせた支持部により支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止して、絞り込むことにより支持部によって樹木系植物が倒れないように植立固定し、これによって前記樹木系植物が自然に活着するようにする。
それから更に、図9,図10に示すように、植立固定された樹木系植物の植栽根巻部の表面および前記土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体の表面や樹木系植物の植栽根巻部の表面に仕上げ用の植栽土壌を被せてそれらが土壌で被覆するようになすとともに、その表面に草花類と保水用のシダ、コケ、草類などの植物を植え付けるようにする。すると図11に示すような薄型緑化システムが完成する。つまり、前記薄型植生マット体上に簡単に樹木系植物を植栽し緑化することが出来るようになった。
その結果、前記薄型緑化システムや樹木系植物の緑化工法を利用すれば、簡便に岩盤面、コンクリート面、アスファルト面、タイル面、床面、屋上面等の無土壌面を樹木系植物によって緑化することが出来ることとなった。
特に前記薄型緑化システム14は、ごく薄型例えば厚さ5cmで軽量(1m当たり60kg)である。それなのに、樹木系植物を含む植物を生育していくうえで必要な養分や緑化材が確保されていると同時に樹木系植物の植栽根巻部を前記薄型植生マット体1に固定させたことにより、1〜2mの高さの樹木系植物3であっても風雪に負けずに植栽することが可能になった。更に、このような薄型緑化システム14は、従来の樹木系植物を含む緑化装置に比較して、大幅に軽量化したことにより、屋上やビルに過剰な重量的負担が軽減され、既存の屋上緑化やビル緑化にも好適な緑化システムである。
叙上のように、本発明に係る樹木系植物の緑化工法は、薄型植生マット体や緑化対象域の表面に、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物3を植立配置しただけで、根を埋め込むことがなくても、土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを土壌で一体化するだけで植物に養分を供給することが出来て活着するとともに、樹木系植物を抑え体に周囲固定金具で強固に固定することによって、風雪によっても不用意に倒れることを防ぐことができるようになった。その結果、従来困難とされていた極薄型の植生マット体や土壌層の薄い緑化対象域であっても、樹木系植物の植栽が可能になった。
また、本発明に係る薄型緑化工法は、薄型で軽量化した前記薄型植生マット体を利用し、人工的に樹木系植物の植栽根巻部を固定するだけで、簡単に樹木系植物による緑化が可能になった。その緑化工法によって出来る緑化システムは、簡便性、植え付けの容易性、安全性、移動の便利性を持ったものである。
本発明に係る緑化工法の開発により、従来困難とされていた樹木系植物によるビル緑化や屋上緑化の技術的課題を解決したので、これらの分野で今後利用される可能性が高いものとなった。
薄型植生マット体を示す斜視図である。 当該薄型植生マット体の構成を示す説明図である。 土壌又は植生基盤材の表面に腐蝕しにくいネット状又は格子状の抑え体が固定されている緑化対象域を示す従断説明図である。 植栽根巻部の周囲固定具の実施例を示す斜視図であり、同図(イ)は、複数本の係止ピンと、環状ワイヤーとの組み合せ状態を示す斜視図であり、同図(ロ)は、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止し、これを絞り込んで支持部により樹木系植物が倒れないようにこれを絞り込んだ状態を示す斜視図である。 樹木系植物を示す斜視図である。 植栽用土壌を示す斜視図である。 樹木系植物の緑化工法を示すの説明図であり、(イ)は、前記構成部材を組み立てて、薄型植生マット体の表面に樹木系植物を植率配置し植栽根巻部と植生基盤とを土壌で一体化し、植栽根巻部の周囲固定具で支えようとする状態を示し、(ロ)は、植栽根巻部の周囲固定具を絞り込んで樹木系植物が倒れないように植立固定した状態を示す説明図である。 前記薄型植生マット体の表面に樹木系植物を植栽根巻部の周囲固定具で植立固定した状態を示す斜視図である。 薄型植生マット体の表面に樹木系植物を植立固定したうえ、植栽用土壌で、植立固定した植栽根巻部を被覆した状態を示す斜視図である。 薄型植栽用基盤体の表面に樹木系植物を植立固定した状態の実施例を示す斜視図である。 本発明に係る薄型緑化システムの一実施例の完成斜視図である。
符号の説明
1:薄型植生マット体
2:植栽根巻部の周囲固定具
2a:係止差込部
2b:支持部
2c:環状ワイヤー係止部
3:樹木系植物
3a:植栽根巻部
4:植栽用土壌
5:防水シート
6:防根シート
7:粒状炭
8:緑化材
9:腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シート
10:薄型植生マット
11:一体化
12:土壌又は植生基盤材
13:抑え体
14:緑化対象域
15:係止ピン
16:環状ワイヤー

Claims (6)

  1. 長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とを用意し、
    土壌又は植生基盤材の表面に腐蝕しにくいネット状又は格子状の抑え体が固定されている緑化対象域に、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化するとともに、
    植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に、植栽根巻部の周囲固定金具である係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物の植栽根巻部を支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止して、絞り込むことにより樹木系植物が倒れないように植立固定して、活着するようにしたことを特徴とする樹木系植物の緑化工法。
  2. 防水シートと防根シートを重ねた底部を形成し、その底部上に粒状炭を敷き詰め、その上にバーク、ピートモス、炭、肥料、土壌改良材などの緑化材を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シートで包んで縫製してなる薄型植生マットを重ねて全体を縫製するか又は結着取付金具で一体化してなる薄型植生マット体と、
    長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とを用意し、
    前記薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化するとともに、
    植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に植栽根巻部の周囲固定金具である係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物の植栽根巻部を上方に立ち上がらせた支持部により支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止して、絞り込むことにより支持部によって樹木系植物が倒れないように植立固定するとともに、前記樹木系植物が活着するようにしたことを特徴とする樹木系植物の緑化工法。
  3. 土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体の表面に腐植しにくい網状又は格子状の抑え体を張設施工してある緑化対象域の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて前記土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体と前記植栽根巻部とを一体化するとともに、
    植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に植栽根巻部の周囲固定金具である係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を、張設してある腐植しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせながら樹木系植物の植栽根巻部を上方に立ち上がらせた支持部により支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止して、絞り込むことにより前記支持部によって樹木系植物が倒れないように植立固定して、前記樹木系植物が活着するようになし、更に前記土壌や植生基盤材又は前記薄型植生マット体の表面や樹木系植物の植栽根巻部の表面に仕上げ用の植栽土壌を被せてそれらが土壌で被覆するようになすとともに、その表面に草花類と保水用のシダ、コケ、草類などの植物を植え付けるようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載する樹木系植物の緑化工法。
  4. 薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化する方法として、
    当該植栽根巻部と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を前記薄型植生マット体の表面に敷き均すか又は少なくとも植栽根巻部の下部に水分を含んだ植栽用土壌を付着させて、薄型植生マット体内にまで前記植栽用土壌を入り込ませるようにして植栽根巻部と植栽用土壌と前記薄型植生マット体の緑化材とが一体化するようにしたことを特徴とする請求項2に記載する樹木系植物の緑化工法。
  5. 防水シートと防根シートを重ねた底部を形成し、その底部上に粒状炭を敷き詰め、その上にバーク、ピートモス、炭、肥料、土壌改良材などの緑化材を腐蝕しにくい不織布又は腐蝕しにくいネット状シートで包んで縫製してなる薄型植生マットを重ねて縫製するか又は結着取付金具で一体化してなる薄型植生マット体と、
    長尺な金属棒を水平状の係止差込部とその一方端部から上方に立ち上がらせた支持部とその頭部に環状ワイヤー係止部とを設けてなる係止ピン複数本と、環状ワイヤーとの組み合せとからなる植栽根巻部の周囲固定金具と、根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物と、植栽土壌とからなり、
    前記薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化するとともに、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に前記係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐蝕しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせて上方に立ち上がった支持部で樹木系植物の植栽根巻部を支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止し、これを絞り込んで支持部により樹木系植物が倒れないように植立固定して、前記樹木系植物が活着するようにしたことを特徴とする薄型緑化システム。
  6. 前記薄型植生マット体の表面に根部を土壌と共に布状物で包んだ植栽根巻部を形成してなる樹木系植物を植立配置し、当該緑化対象域と植栽根巻部との間に水分を含んだ植栽用土壌を入り込ませて土壌又は植生基盤材と植栽根巻部とを一体化するとともに、植立した樹木系植物の植栽根巻部の周囲に植栽根巻部の周囲固定金具の係止ピンを複数本、その水平状の係止差込部を腐植しにくい網状又は格子状の抑え体の下に差込み、それをスライドさせて上方に立ち上がった支持部で樹木系植物の植栽根巻部を支えるようになし、その上で、支持部頭部の環状ワイヤー係止部に、環状ワイヤーを係止し、これを絞り込んで支持部により樹木系植物が倒れないように植立固定して、前記樹木系植物を活着させ、更に前記薄型植生マット体の表面や樹木系植物の植栽根巻部の表面を仕上げ用に植栽土壌を被せてそれらが土壌で被覆するようになすとともに、その表面に草花類と保水用のシダ、コケ、草類などの植物を植え付けるようにしたことを特徴とする請求項5に記載する薄型緑化システム。
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