JP3896209B2 - レーザー光学装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光学装置、特に光源としてレーザーを用い、このレーザー光源からのレーザービームを光ファイバーを介して射出させるレーザー光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このような光学装置は、射出されるレーザビームを2次元的に偏向走査して被写体に照射し、被写体からの反射光、透過光、または蛍光等を検出して光電変換処理することにより画像情報を得るレーザー走査型光学装置などに用いられている。
【0003】
レーザー走査型光学装置は、レーザー光の高輝度性や単色性、ビーム指向性等を有効に利用したものであり、特にレーザー走査型の光学顕微鏡や生体検眼鏡等においてその実用例が多く見られる。この場合に、装置機能と使用目的に応じて各種波長のレーザー光源が必要であり、空間的な配置に制約の多いレーザー光源からの光ビームを可撓性の光ファイバーを介して走査型光学系に接続できる様にした構造の光学装置が報告されている(例えば、レーザー走査型の光学顕微鏡として、特開平3−87804、特開平3−134609、特公平4−9284等、またレーザー走査型の検眼鏡として、実開平3−63303、特開平6−245906、特公平6−104103等)。
【0004】
光ファイバーを用いることの利点は、レーザー光源と走査型光学系とを離して自由に配置できることであり、大型で発熱量の大きいレーザー光源でも容易に利用可能な点である。レーザー走査型の撮像装置において、特に、レーザー光源からのガウシアンビームを被写体に微小なスポット状に結像して走査することにより高い解像力を得る様な応用では、光ファイバーとして、コア径が5〜10μm程度以下の非常に細いシングルモード光ファイバーや偏波面保存光ファイバーが用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、光ファイバーを用いた場合に、レーザー光源からの光ビームと光ファイバーのコア中心の光軸を正確に合わせる必要があり、とりわけコア径の細いシングルモード光ファイバーや偏波面保存光ファイバー等では、光軸調整が難しいという問題がある。また一旦、光ビームの光軸と光ファイバーのコア中心とを合わせても、レーザー管周辺の環境温度の変化や機器の経時変化によって光軸がずれてしまい、光ファイバーの透過光強度が大幅に低下して初期性能が出なくなるという問題があった。
【0006】
例えば、図7は、従来技術による光学装置の実施形態の一部構成を示したものである。図7において、レーザー光源71からの光ビームは、結合機構72を介して可撓性の光ファイバー(シングルモード光ファイバー、または変波面保存光ファイバー)73に入射して伝達され、光ファイバーの射出端74よりパワーPの光ビームが取り出される。
【0007】
図8は、図7の装置におけるレーザー光強度の環境温度に対する依存性を示したもので、図8のI1は、光ファイバーを使わずにレーザー光源から射出した直後の光ビームの強度を、I2は光ファイバーを通過した後の光ビームの強度を示している。レーザー光源71から射出する光ビームの強度は温度によらず一定であるが、光ファイバー73を介して射出する光ビームの強度は高温側や低温側で低下してしまう。これは、例えば環境温度が25℃の状態で光ファイバーの光軸をレーザー光軸に合わせておいても、その後の環境温度の上昇や下降によって、レーザー管自身のビーム指向性の変動や光ファイバー保持機構の特性変化が生じて、光ファイバーのコア中心と光ビームのスポット中心とがずれてしまうためである。
【0008】
すなわち、従来の技術では、光ファイバーの透過光強度を長期間にわたって安定的に保持するためには、極めて高価で精度の高い位置決め機構を使用すると共に、機器をある程度限られた環境温度の範囲内で使用することが必須条件になっていた。あるいは、定期的に光ファイバー入射部の光軸の再調整を繰り返す必要がある等、コア径の細い光ファイバーを用いた光学装置をメインテナンスフリーで簡単に取扱うことは困難であった。
【0009】
従って、本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、レーザー光を光ファイバーを用いて最適に伝達できる信頼性の高いレーザー光学装置を提供することをその課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上述した課題を解決するために、
レーザー光源からのレーザービームを光ファイバーを介して射出させ、射出されたレーザービームを所定の周波数で偏向走査させるレーザー光学装置において、
レーザービームを前記所定の周波数の整数倍の周波数で微小振動させて光ファイバーの入射端面に導く手段と
光ファイバーの射出端面から射出するレーザービームの光強度を検出し微小振動に基づく光強度の変動を検出する手段と、
前記光強度の変動に基づいてレーザービームの光ファイバーの入射端面中心に対するずれの方向を検出する手段と
前記検出されたずれの方向に基づいてレーザービームと光ファイバーの入射端面中心との位置関係を、光ファイバーの射出端面からの光強度が増大するように変化させる手段と を有する構成を採用している。
【0011】
このような構成では、光ファイバーから射出するレーザービームの光強度を確実に一定に保つことができ、レーザー光源からのレーザービームを光ファイバーを用いて環境の温度変化や装置の経時変化等によらず損失なく伝達することが可能になる。
【0012】
レーザービームの光ファイバーの入射端面中心に対するずれの方向を検出するために、レーザービームは微小振動して光ファイバーの入射端面に導かれる。この微小振動に基づく光強度の変動からレーザービームの光ファイバーの入射端面中心に対するずれの方向が検出され、ずれ量が補正される。この微小振動はXY方向に2次元的に与えられ、それにより2次元的にずれ量が補正される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明を適用したレーザー走査型光学装置の全体構成を示している。ここでは一例として、生体眼底等の観察を目的とした走査型レーザー検眼鏡の装置構成を示して説明を行う。
【0015】
図1において符号1で示すものは、例えばArレーザー等の大型のレーザー光源であり、そこから発せられた光ビーム1aはミラー2により反射され、レンズ3を介して光ファイバー4の入射端面に集光される。ここで光ファイバー4は、コア径が5〜10μm程度以下のシングルモード光ファイバーまたは偏波面保存光ファイバーである。光ファイバー4の入射端は光コネクタ4aで固定され、一方ミラー2は、その反射方向を微細に制御するための方向制御機構5に取り付けられている。ミラー2、レンズ3等の光学部材は、方向制御機構5と共に防塵機構6で被われ、外部より埃が光路に進入することを防いでいる。
【0016】
光ファイバー4は、光ビーム射出端の光コネクタ4bによって本体光学システム7に接続される。光ファイバー4から射出した光ビームは、レンズ8を介して平行光束となり、ビームスプリッター9で一部が反射され、フォトダイオード10で受光される。フォトダイオード10で検出されたレーザー光の光強度は、受光回路11を介して所定の信号レベルに増幅され、電気信号として出力される。一方、ビームスプリッター9を通過した光ビームは、ダイクロイックミラー12を介してレーザー光源13からの光ビームと合成され、X−Y走査光学ユニット14に入射する。レーザー光源13は半導体レーザー等の小形のレーザー光源であり、光ファイバーで接続される大型のレーザー光源1との間で、必要に応じて光の波長を選択して切り替えて使用することができる。
【0017】
走査光学ユニット14を介して、X−Y方向に2次元的に走査されたレーザー光は、被検眼15の所定部位(例えば前眼部15aを介して眼底15b等)に照射される。被検眼からの反射光または蛍光等は、走査光学ユニット14と共焦点開口16(ピンホール、またはスリット等)を通過し、光電子増倍管等の光検出器17で受光される。光検出器17で検出された光強度は、受光回路18を介して所定のレベルにまで増幅され、映像信号として出力される。
【0018】
走査ユニット14におけるレーザー光の走査手段は、ガルバノミラーやポリゴンミラー、超音波光偏向素子等の各種の光偏向方式が可能である。これらの異なる光偏向手段を組み合わせて、例えば、NTSC方式等の標準のTV走査に対応した水平走査周波数15.75kHz、垂直走査周波数60Hz(すなわちフィールド周波数60Hz、フレーム周波数30Hz)等のレーザー光走査が可能である。走査方式に関する詳細は、例えば、本発明特許の出願人による特開昭64−58237/USP−4854692、または特開平6−261862/USP−5430509等を参照されたい。
【0019】
受光回路18からの出力信号は、乗算回路19と映像信号処理回路20を介してTVモニター等の出力表示装置21に入力される。乗算回路19は、レーザー光源1からの光ファイバーを介した光ビームの強度変動を打ち消すために備えられている。すなわち、受光回路11からの光強度信号に対して除算回路22で割り算処理を行い、その信号を乗算回路19に供給することで、受光回路18からの映像信号に重畳したレーザー光源1と光ファイバー4に由来のノイズ成分を除去することができる。
【0020】
TVモニター21とX−Y走査ユニット14とは、同期信号源23からの同期信号によって走査の同期が行われ、TVモニター上には被写体(被検眼の眼底等)の画像を表示することができる。また、表示画像の信号は、映像信号処理回路20において必要に応じて所定のフォーマットに変換されて、映像記録装置24(コンピューター静止画記録装置等)に記録することも可能である。
【0021】
一方、受光回路11から出力された光強度信号は、位置制御用信号処理回路25に供給され、所定の信号処理が行われて方向制御機構5を制御するために使用される。すなわち、制御用信号処理回路25からの出力信号に従って、レーザー光源1からの光ビームの光軸と光ファイバー4の入射部の光軸とが自動的に調整される。
【0022】
図2は、レーザー光源1からの光ビーム1aを反射するミラー2の取り付けられた方向制御機構5の構造の一例を概略的に示したものである。制御機構5の内部には、X方向制御用の圧電素子5aと、Y方向制御用の圧電素子5bとが組み込まれている。それぞれの圧電素子は印加される電気信号に応じて伸縮が可能であり、支点棒5cを基点として伸縮動作が行われることにより、ミラー2で反射される光ビーム1bの方向を、図示の様なX方向とY方向にそれぞれ独立して制御することが可能である。
【0023】
図3は、レーザー光源からの光ビームと、それを伝達する光ファイバー4の入射端のコア中心との相対的な位置関係を例示したものである。図3(a)に示すごとく、光ビームを透過する光ファイバー中心部のコア4cと、そこに集光したレーザー光のスポット1cとの相対的な位置ずれは、X−Y方向の2次元的な位置関係として考察される。しかし、以降の図3(b)〜(h)では原理の説明の都合上、一次元的な相対位置関係(Y方向のみ)として説明を行う。
【0024】
図3(b)は、光ファイバーに入射する光ビームを、図2で説明した圧電素子5bの作用により、Y方向に正弦波状に微小振動させることを示している。この時、図3(c)に示すごとく、光ファイバーのコア4cとビームスポット1cとがほぼ完全に一致していると、光ファイバー4を介して射出する光強度I(すなわち図1においてフォトダイオード10と受光回路11で検出される光強度)は、図3(d)に示す様に僅かに変動するだけである。
【0025】
一方、図3(e)に示すごとく、光ファイバーのコア4cに対してビームスポット1cが上方側にずれているとすると、光ファイバーを介して射出する光強度Iは図3(f)に示すごとく、入射光ビームの正弦波状振動と同一の周波数で大きく変動する。また、図3(g)に示すごとく、光ファイバーのコア4cに対してビームスポット1cが下方側にずれているとすると、光ファイバーを介して射出する光強度Iは図3(h)に示すごとく、入射光ビームの正弦波状振動と同一の周波数で、図3(f)の場合に比較して振動の位相が180°ずれた状態で、大きく変動する。
【0026】
以上の様に、光ファイバーに入射する光ビームに微小振動を与え、光ファイバーを介して射出する光ビームの強度変動の位相を判別することで、光ファイバーに入射する光ビームのずれの方向を検出することができる。従って、光ビームの微小振動を1次元方向のみならず、X−Y方向に2次元的に与えて、光ファイバーから射出した光ビームの強度変動の位相を元の微小振動の位相と比較することにより、細いコアの光ファイバーに対して入射する光ビームのスポットの位置ずれを完全に判断することが可能である。
【0027】
図4は、図3において説明した基本原理に基づき、光ファイバーに入射する光ビームの位置ずれを自動的に補正するための制御用信号処理回路(図1で主に符号25の部分)の詳細な構成の一例である。図4において、符号26で示すものは、正弦波の発振波形を生成する発振回路であり、その内部には基本波発振回路と逓倍波回路とを備え、例えば発振周波数として60Hzと120Hzの2種類の信号出力が可能な回路構成を想定する。発振回路26は、同期信号源23で生成された同期信号、例えばレーザー走査で画像を得る場合のフィールド周波数60Hzに対応した垂直同期信号に同期して生成すると都合が良い。
【0028】
発振回路26からの二つの出力信号は、それぞれバッファー回路27、28を介して、X方向用位相比較回路29及びY方向用位相比較回路30に入力される。各位相比較回路からの出力信号は増幅回路31、32によって、所定の電圧レベルにまで増幅されて圧電素子5a、5bを駆動する。増幅回路31、32には、圧電素子を十分に制御可能な高電圧を供給するための高電圧電源回路33が接続されている。
【0029】
一方、フォトダイオード10と受光回路11によって検出された光強度信号Iは、X方向用フィルター回路34とY方向用フィルター回路35に供給され、周波数成分が分離される。これらフィルター回路は、バンドパス特性を有するものであり、それぞれの中心周波数は発振回路26の周波数に対応して例えば60Hzと120Hzとに選ばれる。二つのフィルター回路の出力信号は、光ファイバーのコア中心とそこに入射する光ビームのずれ方向に関して、X方向とY方向とに分離した信号成分に対応している。従って、フィルター回路34、35の出力信号を位相比較回路29、30に供給して、バッファー回路27、28からの出力信号との間で位相比較を行うことにより、光ファイバーのコア中心と光ビームとの位置ずれ量が、それぞれX方向とY方向に分離して算出される。その位相比較により得られた電圧レベルを増幅して、圧電素子5a、5bを駆動することにより、光ファイバーと入射光ビームとの位置ずれ量を打ち消す様にフィードバック制御が行われる。
【0030】
図4で示された回路構成によれば、発振回路26を基準として引き起こされる微小な正弦波振動と、フォトダイオード10で受光される光ファイバー射出光の強度信号Iとの間で常時位相比較が行われて、圧電素子へのフィードバック制御が行われるために、自動的かつリアルタイムに光ファイバーと入射光ビームとの位置ずれを補正することが可能である。
【0031】
すなわち、発振回路26を介して正弦波信号でX(Y)方向制御用の圧電素子5a(5b)が駆動され、それによりミラー2が微小振動することによりレーザービームスポット1cが振動して、光ファイバー入射端面の中心と入射光ビームとの位置ずれ量に応じた強度信号Iが受光回路11から出力される。例えば、図3(e)に示すように、レーザービームスポット1cが光ファイバーのコア4cの中心に対してY方向に上側にずれていると、Y方向用位相比較回路30は図3(b)、(f)の位相を比較して上側にずれていることを判別するとともに、そのずれ量に対応した誤差信号(変動の直流成分)を出力する。この誤差信号により圧電素子5bが駆動され、ミラー2の傾き(姿勢)が変化してレーザービームスポット1cがY方向に下側に移動するようになり、上記誤差(ずれ)が補償される。この誤差が補償された状態では、強度信号Iは図3(d)のような波形になっている。
【0032】
一方、図3(g)に示すように、レーザービームスポット1cが光ファイバーのコア4cの中心に対してY方向に下側にずれていると、Y方向用位相比較回路30は図3(b)、(h)の位相を比較して下側にずれていることを判別するとともに、そのずれ量に対応した誤差信号を出力する。この誤差信号により圧電素子5bが駆動され、ミラー2の傾きが変化してレーザービームスポット1cがY方向に上側に移動するようになりずれが補償される。
【0033】
X方向に対するずれは、X方向用位相比較回路29を用いてそのずれ方向が判別されるとともに、そのずれ量に応じてX方向制御用の圧電素子5aが駆動され、ミラー2の傾きが制御されることにより、Y方向のずれの補正と同様に補正することができる。
【0034】
なお、レーザービームを微小振動させるとき、発振回路26の発振周波数をレーザー走査ユニット14(図1)におけるフレーム走査周波数(例えば30Hz)、あるいはフィールド走査周波数(例えば60Hz)の整数倍に設定しておくことで、走査型レーザー検眼鏡の使用時において、被検眼15の被験者が観察して知覚するレーザーラスターのちらつきや変動を最小に抑えることができる。また、図1の構成で説明した様に、光ファイバーの射出光強度は変動していても、光検出器17を介して得られる被写体(眼底15b等)の映像信号は、乗算回路19と除算回路22による処理を受けるために、TVモニター21上に表示される画像には全く影響が生じない。
【0035】
図5は、本発明の他の実施形態を示している。図5において、レーザー光源1は、例えばマルチラインのArレーザー等、2種類以上の波長の光を同時発振するレーザー光源である。レーザー光源1からの光ビーム1aは、既に説明した方向制御機構5を備えたミラー2によって反射され、波長分散素子36、レンズ3を介して光ファイバー4の入射端面に集光される。光ファイバー4の入射端は、光コネクタ4aによって固定されており、また光ビームの光路を一括して防塵機構6で遮蔽することにより、埃や塵による光量低下等の影響を防ぐことができる。
【0036】
波長分散素子36は、プリズム(または回折格子等)によって構成され、異なる波長のレーザービームの進行方向を僅かに異ならせるためのものである。従って、光ファイバー4の端面中心部のコアに入射する光ビームの波長は単一のものとなり、方向制御機構5によってミラー2の反射角度を変えることにより、光ファイバー4から射出する光ビームの波長を選択することができる。すなわち、方向制御機構5における圧電素子の一つ(例えば、X方向制御用の圧電素子5a)に与える直流電圧のレベルを変えることによって、単一のレーザー波長を効率的に選択できる。光ファイバーと入射光ビームの位置ずれに関しては、既に説明した様に、圧電素子5a、5bにそれぞれ交流電圧を与えて振動させることによって補正が可能である。
【0037】
図6は、本発明によるレーザー光学装置の特性例として、レーザー光強度Iの環境温度に対する依存性を示したものである。図6において、I1は、レーザー光源1から射出した直後の光ビームの強度を、I2は光ファイバーを透過した後の光ビームの強度を示している。本発明を基本として開発された圧電素子を利用した補正技術によって、環境温度によらず光ビーム強度が一定に保たれることを示しており、これは既に図8において説明した従来技術による温度特性に比較して、非常に安定的な性能を実現可能なことを示している。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、光ファイバーから射出するレーザービームの光強度を確実に一定に保つことができ、レーザー光源からのレーザービームを光ファイバーを用いて環境の温度変化や装置の経時変化等によらず損失なく伝達することが可能になる。
【0039】
また、従来使用の難しいとされていたコア径の細いシングルモード光ファイバーや偏波面保存型光ファイバーを用いることが容易であり、位置決め用の高価な精密機構等を用いなくても自動的に高精度な光軸調整が可能なため装置全体の低価格化を図ることが可能である。
【0040】
更に、この光ファイバーで伝達されたレーザービームで被写体を照明し、被写体の画像信号を取得する場合、光ファイバーが揺れたり撓んだりして透過光強度が変動した場合にも、画像信号はその強度変動の影響を受けることがなく常にノイズの少ない画像の観察が可能である。加えて、多波長発振のレーザー光源を使用した場合に、複数の波長から光ファイバーを介して単一波長の光ビームを光量損失少なく選択するといったことも可能である。
【0041】
このように本発明は、光ファイバーを用いたシステムとして、形状や発熱量の大きなレーザー光源でも離して設置して容易に走査光学系に接続して活用できるという本来の特性を最大限に生かすことができ、精密な光学装置として、無調整でも長期間安定的に性能を維持できるといった点で優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置をレーザー走査型検眼鏡に用いたシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】レーザービームを光ファイバーの入射端に導く構成を示した斜視図である。
【図3】レーザービームが光ファイバー入射端の中心位置からずれた場合の光強度の変動を示した説明図である。
【図4】レーザービームの光ファイバー入射端中心位置に対するずれを補償する回路構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示した構成図である。
【図6】本発明装置での光ファイバーから射出する光強度の特性を示した線図である。
【図7】従来の構成を示す構成図である。
【図8】従来装置での光ファイバーから射出する光強度の特性を示した線図である。
【符号の説明】
1 レーザー光源
2 ミラー
4 光ファイバー
5 方向制御機構
5a、5b 圧電素子
15 被検眼

Claims (9)

  1. レーザー光源からのレーザービームを光ファイバーを介して射出させ、射出されたレーザービームを所定の周波数で偏向走査させるレーザー光学装置において、
    レーザービームを前記所定の周波数の整数倍の周波数で微小振動させて光ファイバーの入射端面に導く手段と、
    光ファイバーの射出端面から射出するレーザービームの光強度を検出し微小振動に基づく光強度の変動を検出する手段と、
    前記光強度の変動に基づいてレーザービームの光ファイバーの入射端面中心に対するずれの方向を検出する手段と、
    前記検出されたずれの方向に基づいてレーザービームと光ファイバーの入射端面中心との位置関係を、光ファイバーの射出端面からの光強度が増大するように変化させる手段と、
    を有することを特徴とするレーザー光学装置。
  2. 更に、前記光ファイバーの射出端面から射出するレーザービームを走査するための光走査手段と
    前記光走査手段により走査されたレーザービームを被写体に導くと共に、被写体からの反射光、透過光、または蛍光を前記光走査手段を介して受光し被写体の画像信号を出力する受光素子と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー光学装置
  3. 更に、前記光ファイバーの射出端面から射出するレーザービームを走査するための光走査手段と
    前記光走査手段により走査されたレーザービームを被写体に導くと共に、被写体からの反射光、透過光、または蛍光を前記光走査手段を介して受光し被写体の画像信号を出力する受光素子と
    前記検出された光強度に応じて前記画像信号を制御することにより該画像信号から前記微小振動によるレーザービームの強度変動の影響を除去するための手段と
    を有することを特徴とする請求項1に記載のレーザー光学装置
  4. レーザー光源からのレーザービームを光ファイバーを介して射出させ、射出されたレーザービームを所定の周波数で偏向走査させるレーザー光学装置において、
    レーザービームを前記所定の周波数の整数倍の周波数で第1と第2の方向に微小振動させて光ファイバーの入射端面に導く手段と、
    光ファイバーの射出端面から射出するレーザービームの光強度を検出し第1と第2の方向の微小振動に基づく光強度の変動を検出する手段と、
    前記光強度の変動に基づいてレーザービームの光ファイバーの入射端面中心に対する2次元的なずれの方向を検出する手段と、
    前記検出された2次元的なずれの方向に基づいてレーザービームと光ファイバーの入射端面中心との位置関係を、光ファイバーの射出端面からの光強度が増大するように2次元的に変化させる手段と、
    を有することを特徴とするレーザー光学装置。
  5. 更に、前記光ファイバーの射出端面から射出するレーザービームを2次元的に走査するための光走査手段と、
    前記光走査手段により2次元的に走査されたレーザービームを被写体に導くと共に、被写体からの反射光、透過光、または蛍光を前記光走査手段を介して受光し被写体の画像信号を出力する受光素子と、
    を有することを特徴とする請求項に記載のレーザー光学装置。
  6. 更に、前記光ファイバーの射出端面から射出するレーザービームを2次元的に走査するための光走査手段と、
    前記光走査手段により2次元的に走査されたレーザービームを被写体に導くと共に、被写体からの反射光、透過光、または蛍光を前記光走査手段を介して受光し被写体の画像信号を出力する受光素子と、
    前記検出された光強度に応じて前記画像信号を制御することにより該画像信号から前記微小振動によるレーザービームの強度変動の影響を除去するための手段と、
    を有することを特徴とする請求項に記載のレーザー光学装置。
  7. 前記レーザー光源は複数の波長のレーザービームを発生し、該複数波長のレーザービームが分散光学素子を介して光ファイバーに入射されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のレーザー光学装置。
  8. 前記レーザービームの入射方向を制御することにより単一波長のレーザービームが光ファイバーに入射されることを特徴とする請求項に記載のレーザー光学装置。
  9. 前記光ファイバーは、コア径が5〜10μm程度以下のシングルモード光ファイバー、または、偏波面保存光ファイバーであることを特徴とする請求項1からまでのいずれか1項に記載のレーザー光学装置。
JP02371098A 1998-02-05 1998-02-05 レーザー光学装置 Expired - Fee Related JP3896209B2 (ja)

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